IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
  • 特開-画像形成装置 図9
  • 特開-画像形成装置 図10
  • 特開-画像形成装置 図11
  • 特開-画像形成装置 図12
  • 特開-画像形成装置 図13
  • 特開-画像形成装置 図14
  • 特開-画像形成装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175516
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241211BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20241211BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/01 S
G03G15/01 Y
G03G15/08 322Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093355
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良
【テーマコード(参考)】
2H077
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H077AD02
2H077AD06
2H077DA08
2H077DA15
2H077GA04
2H077GA13
2H077GA14
2H077GA15
2H270KA04
2H270LA87
2H270LA99
2H270LB02
2H270LB06
2H270LB08
2H270LB18
2H270MB29
2H270MB32
2H270MB36
2H270MB41
2H270MB43
2H270NC07
2H270PA49
2H270PA50
2H270RA10
2H270RC10
2H270RC11
2H270RC14
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC02
2H300EC05
2H300EF03
2H300EF08
2H300EJ09
2H300EJ22
2H300EJ56
2H300EK03
2H300FF02
2H300FF06
2H300FF07
2H300FF08
2H300GG32
2H300RR29
2H300RR47
2H300SS01
2H300SS08
2H300SS14
2H300SS15
2H300SS16
2H300TT03
2H300TT04
(57)【要約】
【課題】 トナー消費量を複数の方法によって決定できなかった。
【解決手段】 画像形成装置は102、画像データに中間調処理を実施するハーフトーン部504と、変換条件に基づき前記画像データを変換する濃度補正部503と、前記変換された画像データに基づき、トナーを用いて画像を形成するプリンタエンジン104と、濃度補正部503により変換される前の画像データに基づいてトナー消費量を決定するトナー量計算部510と、濃度補正部503により変換された後の画像データに基づいてトナー消費量を決定するトナー量計算部505と、を有する。
【選択図】 図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに中間調処理を実施する中間調処理手段と、
前記中間調処理の種類に対応する変換条件に基づき前記画像データを変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記画像データに基づき、トナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、
前記変換手段により変換される前の画像データに基づいて、前記画像形成手段が消費するトナーの量を決定する第1決定手段と、
前記変換手段により変換された後の画像データに基づいて、前記画像形成手段が消費するトナーの量を決定する第2決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、ブラックの画像を形成するブラックの画像形成部と、カラーの画像を形成するカラーの画像形成部とを有し、
前記第1決定手段は、前記カラーの画像形成部が消費するトナーの量を決定し、
前記第2決定手段は、前記ブラックの画像形成部が消費するトナーの量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データに施される前記中間調処理の種類に関する情報を取得する取得手段をさらに有し、
前記中間調処理手段が前記情報に基づき前記画像データに第1の種類の中間調処理を実施する場合、前記第1決定手段が前記画像形成手段が消費するトナーの量を決定し、
前記中間調処理手段が前記情報に基づき前記画像データに前記第1の種類の中間調処理よりも線数が多い第2の種類の中間調処理を実施する場合、前記第2決定手段が前記画像形成手段が消費するトナーの量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置のトナー残量を決定する残量決定処理に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機やプリンターには、画像形成のたびにトナーの消費量を算出し、その算出結果にもとづいて、トナー残量をパネル表示するものがある。ここで、トナー残量の検知方法としてセンサ等を用いる方法があるが、このような方法によると、小型化や省スペース化による機構上の制約を受け、部品追加や設計変更によるコストが増加する等の問題が生ずる。このため、画像データからトナー消費量を推定する方法がいくつか提案されている。
【0003】
特許文献1では、中間調補正処理前の多値入力画像データの各画素の濃度値を算出し、各画素の濃度値をトナー消費量へ変換したカウント値を1ページ毎に積算することによって、1ページ毎のトナー消費量を算出している。中間調補正処理とは、階調部の入力信号値と濃度の関係が理想とする一定の状態になるように入力信号値を補正する処理である。そのため、中間調補正処理を行う機種においては、中間調補正処理前の多値画像データを使ってトナー消費量を算出することで、階調部のトナー消費量を精度よく算出できることが知られている。
【0004】
特許文献2では、画像のエッジ部に配置される印字ドットでは印字ドットが網羅的に配置された部分(ベタ部)よりも多くトナーが消費される現象(エッジ効果)を考慮するため、以下の方法を提案している。印字画素の連続数に応じた重み係数を予め準備しておき、画素ごとに対応する重み係数を乗じて1画素当たりのトナー消費量を求め、これを画像に含まれるすべての画素について積算することによって1ページの画像のトナー消費量を算出する方法である。この方法を使うと、エッジ効果の影響を強く受ける文字部のトナー消費量を精度よく算出できることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-114593号公報
【特許文献2】特開2009-98185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のトナー消費量算出方法では、階調部のトナー消費量を精度よく算出できるものの、エッジ効果の影響を強く受ける文字部のトナー消費量の算出精度は高くないという課題があった。特許文献2のトナー消費量算出方法では、文字部のトナー消費量を精度よく算出できるものの、画素のオン/オフパターンが高密度に繰り返され、複雑なドットパターンが多く存在する階調部のトナー消費量の算出精度は高くないという課題があった。
【0007】
したがって、どちらか一方のトナー消費量算出方法を用いると、選択したトナー消費量算出方法において算出精度が低い画像パターンが多く含まれている場合、トナー消費量の算出に大きな誤差が生じてしまう。つまり、従来の画像形成装置においては予め決められた1つの方法でしかトナー消費量を決定することができない点が問題であった。
【0008】
そこで本発明はトナー消費量を複数の方法によって決定する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、画像データに中間調処理を実施する中間調処理手段と、前記中間調処理の種類に対応する変換条件に基づき前記画像データを変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記画像データに基づき、トナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、前記変換手段により変換される前の画像データに基づいて、前記画像形成手段が消費するトナーの量を決定する第1決定手段と、前記変換手段により変換された後の画像データに基づいて、前記画像形成手段が消費するトナーの量を決定する第2決定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によればトナー消費量を複数の方法によって決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置の全体構成を示す図
図2】画像形成装置の断面図
図3】プリンタエンジンの構成図
図4】ビデオコントローラの構成図
図5】データ処理部の構成図
図6】濃度補正処理部の構成図
図7】トナー量計算部1の構成図
図8】画素値とトナー消費量の関係を示すグラフ
図9】画素値補正テーブル
図10】トナー量計算部2の構成図
図11】線幅に基づくカウンタ値の補正例
図12】実施例1のトナー残量の算出処理のフローチャート
図13】実施例1および実施例2の効果を示す図
図14】実施例2のトナー残量の算出処理のフローチャート
図15】印刷用途の識別値とトナー算出方法のテーブル例
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照してこの発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素の相対配置、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
(実施例1)
(画像形成装置の全体構成)
図1を用いて画像形成装置102の構成について説明する。本実施例ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y,M,C,Kと呼ぶ)の4色の色材(色剤)によって画像を形成するカラー画像形成装置を用いて説明する。画像形成装置102は各種制御やデータ処理を行うビデオコントローラ103と転写材に可視化された画像形成を行うプリンタエンジン104を有している。転写材は、記録材、記録媒体、用紙、シート、転写紙と呼ばれることもある。画像形成装置102にはネットワークやパラレルインターフェイス、シリアルインターフェイスなどを介してホストコンピュータ101などが接続されている。ホストコンピュータ101は、ユーザがプリンタドライバ上で設定したプリント条件(例えば、用紙サイズ、部数、印刷の向き、印刷用途、など)に基づいたプリント実行要求を画像形成装置102に指示する。ビデオコントローラ103は、ホストコンピュータ101からプリントの実行の指示とともに送信される印刷データを画像データにラスタライズし、後述するデータ処理を行って、プリンタエンジン104に送信する。
【0014】
(プリンタエンジン制御)
図2および図3を用いて、Y,M,C,Kのトナーを用いて多色画像を形成する電子写真方式のプリンタエンジン104の動作を説明する。なお、4色に共通する事項を説明するときは、YMCKの文字を参照符号から省略する。図2は電子写真方式の画像形成装置102の一例を示している。画像形成装置102は中間転写体27を採用したタンデム方式のカラー画像形成装置である。図3はプリンタエンジン104の制御ユニットを示すブロック図である。プリンタエンジン104は、エンジン制御部301とエンジン機構部302を有している。エンジン機構部302はエンジン制御部301からの各種指示にしたがって動作する。
【0015】
エンジン機構部302のレーザ/スキャナ系308は、図2に示したスキャナ部24を有している。スキャナ部24はレーザ発光素子、レーザドライバ回路、スキャナモータ、回転多面鏡、スキャナドライバ等を含む。スキャナ部24はビデオコントローラ103から送られてくるレーザの露光時間を示すレーザ駆動信号にしたがってレーザを点灯させ、回転多面鏡によってレーザ光を反射させることで感光体ドラム22を露光走査する。露光光は感光体ドラム22の表面を選択的に露光することにより、静電潜像が形成される。
【0016】
作像系309は、プリンタエンジン104の中枢をなす部分であり、感光体ドラム22Y、22M、22C、22K上に形成された潜像を現像してトナー画像を形成し、転写材上に転写して定着させる。図2が示すように、作像系309は、4つの画像形成部を有している。各画像形成部は、感光体ドラム22、帯電器23、現像器26を有している。作像系309は、さらに、中間転写体27、転写ローラ28および定着部30、および、作像を行なう上で必要となる各種バイアス(高電圧)を生成する高圧電源回路を有している。帯電器23Y、23M、23C、23Kは、感光体ドラム22Y、22M、22C、22Kの表面を一様に帯電させる帯電ローラ23YS、23MS、23CS、23KSを有している。現像手段である現像器26Y、26M、26C、26Kはそれぞれ、トナー像を潜像に付着させるための現像スリーブ26YS、26MS、26CS、26KSを有している。
【0017】
帯電器23、現像器26および感光体ドラム22はプロセスカートリッジとして画像形成装置102の本体に脱着可能に取り付けられている。中間転写体27は、駆動ローラ25によって駆動され、感光体ドラム22Y、22M、22C、22Kからトナー画像を一次転写される。中間転写体27に転写ローラ28が接触することで、転写材11が狭持搬送されるとともに、中間転写体27上のトナー像が転写材11に2次転写される。転写ローラ28は、転写材11上にトナー像を転写している期間は転写材11に当接し、転写が完了すると中間転写体27から離間する。定着部30は、転写材11を搬送しながら、トナー像を溶融定着させる。
【0018】
定着部30は、転写材11を加熱する定着ローラ31と、転写材11を定着ローラ31に圧接させる加圧ローラ32とを備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ33、34が設置されている。クリーニング部29は、中間転写体27上に残ったトナーをクリーニングする。4つのプロセスカートリッジはそれぞれ不揮発性のメモリデバイスを有している。エンジン制御部301のCPU303やASIC304は、メモリデバイスに各種情報(トータルでの画像形成枚数や稼働時間)の読み書きを行なう。
【0019】
給紙・搬送系310は、転写材11の給紙および搬送を司る部分であり、各種搬送系モータ、給紙部21(給紙カセット21aや給紙トレイ21b)、給紙ローラ、排紙ローラを含む各種搬送ローラ等で構成される。給紙・搬送系310は、作像系309の動作に合わせて給紙カセット21aまたは給紙トレイ21bから転写材11を給紙して搬送する。
【0020】
センサ系311は、レーザ/スキャナ系308、作像系309、給紙・搬送系310を、CPU303やASIC304が制御する上で必要な情報を収集するためのセンサ群である。このセンサ群には、定着部30の温度センサ、感光体ドラム22、中間転写体27または転写材11に形成されたトナー画像の濃度を検知する濃度センサ40、色ずれを検知するセンサ、用紙サイズセンサ、紙先端検知センサ、紙搬送検知センサなどが含まれる。CPU303はセンサ系311により検知された情報を取得し、プリントシーケンスの制御に反映する。
【0021】
エンジン制御部301のCPU303は、RAM305を主メモリやワークエリアとして利用し、不揮発性記憶部306に格納されている各種制御プログラムに従い、エンジン機構部302を制御する。システムバス312は、アドレスバスおよびデータバスを持つ。エンジン制御部301やエンジン機構部302の各構成要素は、システムバス312に接続され、互いにアクセス可能となっている。
【0022】
CPU303は、ビデオコントローラ103からエンジンインターフェイス部307を介してプリント実行命令を受信すると、まず作像系309を駆動し、帯電器23によって感光体ドラム22の表面を帯電させる。CPU303は、レーザ駆動信号を生成して出力することでレーザ/スキャナ系308を駆動し、スキャナ部24によって感光体ドラム22に静電潜像を形成する。
【0023】
次にCPU303は作像系309を駆動し、現像器26に静電潜像を現像させて単色トナー像を形成させる。この単色トナー像を中間転写体27上で重なるように一次転写することでフルカラーのトナー像を中間転写体27上に形成させる。CPU303は、給紙・搬送系310を制御し、給紙ローラによって給紙部21から転写材11を給紙させ、このトナー像を転写材11へ転写させる。その後、CPU303は、定着部30を制御して転写材11上のトナー像を定着させる。
【0024】
ASIC304は、CPU303からの指示にしたがって、各種プリントシーケンスを実行する上での各モータの制御や現像バイアス等の高圧電源の制御を行なう。なお、ASIC304の機能の一部または全てをCPU303が実現する構成としてもよい。
【0025】
(ビデオコントローラの構成)
図4を用いてビデオコントローラ103の構成例について説明する。CPU401は、ビデオコントローラ103全体の制御を司るCPUである。不揮発性の記憶部402は、CPU401が実行する各種制御コードや制御に使用するデータを格納する記憶手段である。記憶部402は、たとえば、ROM、EEPROM、ハードディスクである。なお、記憶部402は画像データを変換するために用いる変換条件としての階調補正テーブルを格納する。RAM403は、CPU401の主メモリやワークエリア等として機能する一時記憶用のメモリである。
【0026】
ホストインターフェイス部404は、ホストコンピュータ101からの印刷データおよび制御データを受信するインターフェースである。ホストインターフェイス部404が受信した印刷データはRAM403に格納される。ここで印刷データはホストコンピュータ101においてハーフトーン処理が実行された後のビットマップデータであってもよいし、PDL(ページ記述言語)データであってもよい。PDLデータとは、ページ記述言語によって記述されたデータである。印刷データは、文字、グラフィックス、写真の属性データを含んでいる。
【0027】
DMA制御部407は、CPU401からの指示によりRAM403のデータを、エンジンインターフェイス部409やデータ処理部406に転送する。データ処理部406は、CPU401からの指示によりRAM403の画像データに対して各種のデータ処理(例:トナー消費量の推定など)を行う。データ処理部406の詳細な動作については後述する。
【0028】
操作/表示部408は、ユーザからの諸設定や指示の入力を受け付けたり、画像形成装置102の各種情報を表示する。エンジンインターフェイス部409は、プリンタエンジン104に対する信号の入出力部である。たとえば、エンジンインターフェイス部409は、データ処理部406から出力されるレーザ駆動信号をプリンタエンジン104へ送出する。
【0029】
トナー量管理部405は、データ処理部406から通知されるページごとのトナー消費量を元にプロセスカートリッジ内のトナー残量を更新して操作/表示部408に表示させる。トナー量管理部405は、ホストインターフェイス部404を介してホストコンピュータ101にトナー残量を通知してもよい。
【0030】
濃度補正処理部411は、CPU401からの指示、またはエンジンインターフェイス部409を介したプリンタエンジン104からの指示により濃度補正処理を行う。濃度補正処理部411は、後述する濃度補正部503で濃度補正時に使用する階調補正テーブルを生成する。濃度補正処理部411により生成された階調補正テーブルは記憶部402に格納される。濃度補正処理部411の詳細な動作については後述する。
【0031】
システムバス410は、アドレスバスおよびデータバスを有する。上述の各構成要素は、システムバス410に接続され、互いにアクセス可能となっている。なお、データ処理部406の機能はASIC(特定用途集積回路)や専用ハードウェアとして実現してもよいし、機能の一部または全てをCPU401が実現する構成であってもよい。あるいは、ビデオコントローラ103の機能の一部または全てをホストコンピュータ101が実現する構成であってもよい。
【0032】
(データ処理部の構成)
図5はデータ処理部406の処理の内容を説明するためのブロック図である。RIP部501はRAM403に格納されているPDLで記述された画像データの内容を解析して中間言語データを生成し、さらに中間言語データをラスタライズしてラスタ画像データを生成する。RIPは、ラスターイメージプロセッサの略称である。ラスタ画像データはRGB画像データとしてRAM403に書き込まれる。
【0033】
色変換部502はRGB画像データを画像形成装置102の色再現域に合わせたデバイスRGB信号に変換するカラーマッチング処理を実行する。さらに色変換部502はデバイスRGB信号を画像形成装置102のトナー色材色であるYMCK信号に変換する色分解処理を実行する。このように、色変換部502はRIP部501が出力するRGB画像データを、順次、YMCKの画像データに変換し、RAM403に書き込む。
【0034】
濃度補正部503は、色変換部502が出力するYMCK信号(画像データ)の各階調値を、記憶部402(図4)に格納された階調補正テーブルに基づき変換する。これは、YMCK信号(画像データ)の各階調値と、プリンタエンジン104によって転写材11に形成される画像の濃度との関係を所望の関係とするためである。ここで、濃度補正部503は、印刷用途に基づき、変換条件(階調補正テーブル)を複数の変換条件(階調補正テーブル)から選択する。これは、後述するハーフトーン部504が使用する中間調処理(ハーフトーン処理)の種類に対応して変換条件(階調補正テーブル)が生成されるからである。濃度補正部503は、後述のハーフトーン部504が画像データに施す中間調処理(ハーフトーン処理)の種類に対応する変換条件(階調補正テーブル)に基づき、画像データを変換する。印刷用途は中間調処理(ハーフトーン処理)の種類に対応する階調補正テーブルに関するユーザ指示情報とも言い換えられる。
【0035】
ハーフトーン部504は濃度補正部503によって補正された各色の画像データ(8bit)に対して中間調処理(ハーフトーン処理)を施す。中間調処理(ハーフトーン処理)はディザ処理とも呼ばれる。これによって各色の画像データはプリンタエンジン104で再現可能な1bitの画像データへ変換され、RAM403内の画像メモリに格納される。ここで、ハーフトーン部504は、印刷用途に基づき、ハーフトーン処理の種類を切り替える。例えば、印刷用途が文書である場合、ハーフトーン部504は200線のディザ(高線数ディザ)を用いて画像データにハーフトーン処理を施す。例えば、印刷用途が写真である場合、ハーフトーン部504は140線のディザ(低線数ディザ)を用いて画像データにハーフトーン処理を施す。印刷用途はハーフトーン処理の種類に関するユーザ指示情報とも言い換えられる。
【0036】
トナー量計算部2(505)は、1ページ毎に消費されるトナー量(トナー消費量)を、ハーフトーン部504によりハーフトーン処理が施された画像データ(ハーフトーン処理画像データ)に基づいて、色成分ごとに算出する。トナー量計算部2(505)は、RAM403の画像メモリに格納されたハーフトーン処理画像データからトナー消費量を決定する。なお、本実施形態のトナー量計算部2(505)は、ハーフトーン部504によりハーフトーン処理が施されたハーフトーン処理画像データに基づいてトナー消費量を決定する構成に限定されない。例えば、トナー量計算部2(505)は、ハーフトーン部504に入力される前の、濃度補正部503により変換された画像データに基づきトナー消費量を決定する構成としてもよい。例えば、トナー量計算部2(505)は、後述のPWM部506によりPWM処理されたレーザ駆動信号に基づきトナー量消費量を決定する構成としてもよい。
【0037】
PWM部506は、画像メモリ内のハーフトーン処理画像データをPWM(Pulse Width Modulation)処理によりレーザ駆動信号(レーザ露光時間)へ変換する。
【0038】
トナー量計算部1(510)は、1ページ毎に消費されるトナー量(トナー消費量)を、濃度補正部503によって変換される前の画像データ(色変換処理画像データ)に基づいて、色成分ごとに算出する。トナー量計算部1(510)は、RAM403の画像メモリに格納された色変換処理画像データからトナー消費量を決定する。ここで、トナー量計算部1(510)は、原稿(元画像)の濃度に応じたトナー消費量を決定するため、濃度補正部503やハーフトーン部504やPWM部506による変換処理が行われる前の画像データに基づいてトナー消費量を求める。しかし、文字や図形を印刷した際のトナー消費量は、エッジ効果の影響によってトナー量計算部1(510)が予測したトナー消費量と乖離してしまう。そのため、画像形成装置102は、トナー量計算部1(510)とは別に、濃度補正部503やハーフトーン部504やPWM部506による変換処理が行われた後の画像データに基づいてトナー消費量を決定するトナー量計算部2(505)を有する。
【0039】
トナー量計算部1(510)により算出されたトナー消費量とトナー量計算部2(505)により算出されたトナー消費量とは、トナー量管理部405へ入力される。トナー量計算部1(510)とトナー量計算部2(505)とトナー量管理部405の詳細な動作については後述する。
【0040】
(濃度補正処理部の構成)
図6は濃度補正処理部411の処理の内容を説明するためのブロック図である。濃度補正処理では、YMCKの色ごとに、プリンタエンジン104の階調特性(ガンマ特性とも呼ばれる)を理想的な階調特性に制御するため、階調補正テーブルが階調パッチ画像の測定結果に基づき生成される。階調パッチ画像は、プリンタエンジン104の階調特性を検知するために、プリンタエンジン104が中間転写体27上に形成する画像である。階調パッチ画像は階調が異なる複数の画像を有している。
【0041】
階調特性検出部601はプリンタエンジン104の階調特性を、濃度センサ40により測定された階調パッチ画像の測定結果に基づき決定する。補正テーブル演算部602は、階調特性検出部601により決定された階調特性が理想的な階調特性となるように、画像データの信号値を変換する階調補正テーブルを生成する。そして階調補正テーブルは記憶部402に格納される。画像形成装置102は、YMCK信号(画像データ)の各階調値と転写材11上に出力される濃度との関係を所望の関係に保つため、画像データのYMCK信号の信号値を階調補正テーブルに基づき変換している。
【0042】
(ビデオコントローラの動作)
ホストコンピュータ101から印刷命令を受信してプリンタエンジン104へデータを送信するまでの全体の流れを説明する。ホストインターフェイス部404を介してホストコンピュータ101から印刷命令を受信すると、CPU401はホストインターフェイス部404を介して印刷データを受信し、RAM403に格納する。
【0043】
次にCPU401はデータ処理部406のRIP部501を制御して、RAM403の印刷データをラスタライズする。ラスタライズ処理が施された印刷データが画像データである。CPU401は、さらに色変換部502を制御して画像データに色変換処理を施し、濃度補正部503を制御して画像データ(色変換処理画像データ)に濃度補正処理を施し、ハーフトーン部504を制御して画像データにハーフトーン処理を施す。さらに、CPU401はPWM部506を制御して画像データ(ハーフトーン処理画像データ)からレーザ駆動信号を生成し、レーザ駆動信号をエンジンインターフェイス部409を介してプリンタエンジン104に送信する。このとき、CPU401の指示によりトナー量計算部1(510)とトナー量計算部2(505)は色成分ごとにトナー消費量を算出し、算出結果をトナー量管理部405へと通知する。色成分とはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックである。
【0044】
(トナー量計算部1の動作)
トナー量計算部1(510)の詳細な動作について説明する。図7にトナー量計算部1(510)の構成例を示す。ここではブラック(K)を例に説明する。なお、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー消費量を算出する処理はブラック(K)のトナー消費量を算出する処理と同様なので以下での説明が省略される。
【0045】
トナー量計算部1(510)は、RAM403の画像メモリ内に記憶されているブラックの色変換処理画像データの画素値に基づいてブラックのトナーの消費量を算出する。トナー量計算部1(510)は、画像データ補正部701と、積算部702と、トナー消費量算出部703を備える。
【0046】
図8のグラフL4で示すように、トナー消費量は、色変換部502から出力される画素データが示す画素値に比例する関係とはならず、グラフL5で示すように非線形な関係となる。本実施形態では、或る画素値に要するトナー消費量を基準とし、各画素値に要するトナー消費量と前記基準のトナー消費量との差を解消するための、所定の係数により重み付けした補正値を予め求めている。
【0047】
図9に、色変換処理画像データの各画素値と重み付けされた補正値との対応関係を示す重み係数テーブルの一例を示す。図9に示すように、重み係数テーブルには、色変換処理画像データが示す各々の画素値とこの画素値に対応した補正値が関連付けられている。
【0048】
画像データ補正部701は、重み係数テーブルに基づき色変換処理画像データの各画素値を補正する。すなわち、画像データ補正部701は、色変換処理画像データの画素値が例えば31の場合、画像データ補正部701は重み係数テーブルに基づき画素値31を重み付け値23に変換する。
【0049】
積算部702は、画像データ補正部701から画素毎に出力される重み付け値23を積算する。トナー消費量算出部703は、積算部702により算出された積算値からトナーの消費量を算出し、算出結果をトナー量管理部405へと通知する。
【0050】
(トナー量計算部2の動作)
トナー量計算部2(505)の詳細な動作について説明する。図10にトナー量計算部1(510)の構成例を示す。ここではブラック(K)を例に説明する。なお、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー消費量を算出する処理はブラック(K)のトナー消費量を算出する処理と同様なので以下での説明が省略される。
【0051】
トナー量計算部2(505)は、RAM403の画像メモリ内に記憶されているブラックのハーフトーン処理画像データに含まれる印字画素の線幅と印字画素数に基づいてブラックのトナーの消費量を算出する。トナー量計算部2(505)は、パターン検出部1001と、ドット計数部1002と、演算部1003と、トナー消費量算出部1004を備える。
【0052】
パターン検出部1001は、ハーフトーン処理画像データの2値データを解析し、異なる線幅(印字ドットの連続数)の領域を検出する。具体的には、印字ドットの連続数を1~8の範囲で変化させた複数の画素パターンを対象画像(ハーフトーン処理画像データに基づく画像)のドット配列から検出する。
【0053】
ドット計数部1002は、印字ドットの連続数が1~8の画素パターンがそれぞれいくつあるかを計数する。線幅が1画素の画素パターンに該当する画素数をCount1として計数する。線幅が2画素の画素パターンに該当する画素数をCount2として計数する。以下同様に計数し、線幅が8画素の画素パターンに該当する画素数をCount8として計数する。線幅が9画素以上の画素パターンに該当する画素数をCount*_*として計数する。
【0054】
なお、本実施形態において、パターン検出部1001は、スキャナ部24におけるレーザ光の走査方向にもとづく所定の線幅にしたがって該当する領域を検出し、ドット計数部1002は、その領域に含まれる画素数を計数するものとする。
【0055】
演算部1003は、印字ドットの連続数ごとに計数した印字画素数とその区分に対応した補正係数を乗算して、その積算値を求める。補正係数は、予め実際の測定にもとづいて定めることができる数値である。例えば、エッジ部の存在しないベタ画像の1画素で消費されるトナー量を1としたうえで、線幅を変えた画素パターンごとに1画素当たりのトナー消費量を測定し、その変化の割合を補正係数として求めることが好ましい。図11に印字ドットの連続数と補正係数の関係の一例を示す。
【0056】
トナー消費量算出部1004は、演算部1003が求めた積算値と単位画素当たりのトナー消費量を用いてトナー消費量を算出し、算出結果をトナー量管理部405へと通知する。
【0057】
(トナー量管理部の動作)
トナー量管理部405の詳細な動作について説明する。トナー量管理部405は、色成分ごとのトナー消費量として、トナー量計算部1とトナー量計算部2のどちらが決定したトナー消費量を使うか選択する。そして、トナー量管理部405は、プロセスカートリッジ内のトナー総量からトナー消費量を減算して、プロセスカートリッジ内のトナー残量を更新する。操作/表示部408はトナー量管理部405により更新されたトナー残量を表示する。
【0058】
文字中心の印刷物(ドキュメント)はブラックのトナーを用いて画像形成され、グラフィック中心の印刷物はカラー(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナーを用いて画像形成される。そのため、ブラックのトナーを用いて画像形成される文字部のトナー消費量はトナー量計算部2を用いて算出される。一方、カラー(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナーを用いて画像形成される階調部のトナー消費量はトナー量計算部1を用いて算出される。
【0059】
図12のフローチャート(S1201~S1207)を用いてトナー量管理部405の処理の流れを説明する。
【0060】
トナー量管理部405は、プリンタエンジン104が1ページ分の画像を出力する毎にプロセスカートリッジ内のトナー残量の計算を実行する。なお、この処理はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順で処理が進む。
【0061】
トナー量管理部405は、トナー残量を計算する色がブラック(K)であることを判断する(S1201)。ステップS1201において画像データがブラック(K)である場合(YES)、トナー量管理部405は、文字や線に対するトナー消費量の算出精度が高いトナー量計算部2(505)により決定されたトナー消費量を読み出す(S1202)。
【0062】
一方、ステップS1201において画像データがブラック(K)でない場合(NO)、トナー量管理部405は、グラフィックスや写真に対するトナー消費量の算出精度が高いトナー量計算部1により決定されたトナー消費量を読み出す(S1203)。
【0063】
ステップS1202又はステップS1203においてトナー消費量が読みだされた後、トナー量管理部405は、トナーカートリッジ内のトナー総量からトナー消費量を減算し、トナー残量を更新(記憶)する(S1204)。そして、トナー量管理部405は、更新したトナー残量を操作/表示部408に表示させる(S1205)。
【0064】
トナー量管理部405は、すべての色のトナー残量の更新が完了したか判定する(S1206)。ステップS1206においてすべての色のトナー残量の更新が完了した場合(YES)、トナー量管理部405は処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS1206においてすべての色のトナー残量の更新が完了していない場合(NO)、トナー量管理部405は処理をステップS1201に戻し、トナー残量が更新されていない色のトナー残量の更新処理を実行する。前述したように、トナー量管理部405はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順で進める。例えば、マゼンタ(M)のトナー残量を更新し終えた場合、トナー量管理部405はステップS1207からステップS1201へ処理を移行し、次のシアン(C)のトナー残量を更新するためにステップS1202~S1205を実行する。
【0066】
(効果の説明)
ここでは、発明の効果について図13a、図13b、図13cを用いて説明する。
【0067】
まず初めに、図13a~cに共通するプロットの見方を説明する。横軸は、ページ内の印字率[%]。縦軸は、理想とする1カウントあたりのトナー消費量[mg/cnt]を基準とした際の実際の1カウントあたりのトナー消費量[mg/cnt]の比率[%]を示している。ここでいう理想とする1カウントあたりのトナー消費量は一般的なオフィス文章とする。各プロットは、画像の種類とページ内の印字率を変えた結果になっている。具体的に、■プロットはページ全面に濃度100%の画像(以降、ベタと称す。)、▲プロットはグラフィックスや写真、◆プロットは文字や線、●プロットは一般的なオフィス文章(グラフィックスと文字が混在している画像)となっている。グラフィックス画像は、主にポスターなどのPOP画像を印刷する用途を想定しており、文字や線は、文章や図面などを印刷する用途を想定している。これらのプロットが図13上で100%に近いほど、ユーザの用途によらずトナー消費量を精度よく算出できていると言える。
【0068】
つぎに、各図におけるトナー消費量の精度を説明する。
【0069】
図13aは、トナー量計算部1で算出した場合のトナー量の結果である。「ベタ画像(■)」、「グラフィックスや写真(▲)」、は100%に近い値であり、理想とする1カウントあたりのトナー消費量(●)に近しい値になっている。しかし、「文字や線(◆)」は120~140%で、理想とする1カウントあたりのトナー消費量から外れていることが分かる。つまり、トナー量計算部1で算出した場合は、文字や線のトナー消費量の精度が高くないことを示している。
【0070】
続いて、図13bは、トナー量計算部2で算出した場合のトナー消費量の結果である。「文字や線(◆)」と「べた画像(■)」は、理想とする1カウントあたりのトナー消費量(●)に近しい値になっている。しかし、「グラフィックスや写真(▲)」が120~140%になっている。つまり、トナー量計算部2で算出した場合は、グラフィックスや写真のトナー消費量の精度が高くないことを示している。
【0071】
最後に、図13cは、本発明のトナー量計算方法で算出した場合のトナー消費量の結果である。前述したように、一般的に文字や線は「K」の画像データで形成されるので、「K」の画像データはトナー消費量2で算出したトナー消費量を使用することで、「文字・線(◆)」が100%に近い値になること分かる。つまり、文字・線のトナー消費量が精度よく算出できていると言える。一方、グラフィックスや写真は、「YMC」の画像データで形成されるので、「YMC」の画像データはトナー消費量1で算出したトナー消費を使用することで「グラフィックスや写真(▲)」が100%に近い値になることが分かる。つまり、グラフィックスや写真のトナー消費量が精度よく算出できていると言える。
【0072】
従って、画像形成するYMCK画像の色別にトナー消費量算出に使用するカウント方法を切替えることで、ユーザの印刷用途(例えば、一般的なオフィス文章、ポスターやPOP画像、文章や図面)によらず、精度よくトナー消費量を算出することが可能となる。
【0073】
また、本実施例では、トナー量計算部1(510)およびトナー量計算部2(505)をビデオコントローラ103内に配置した構成で説明したが、プリンタエンジン104内に配置してもよい。また、本実施例では、YMCK画像で説明したが、Kを含む2色以上の画像であればYMCK画像でなくてもよい(例えば、レッド、グリーン、ブルー、白色、無色、グレー、など)。
【0074】
(実施例2)
本発明の別の実施形態について説明する。本実施例では、トナー量管理部で、トナーの消費量を算出する際、ユーザがプリンタドライバ上で設定したプリント条件に含まれる「印刷用途」に基づいて、YMCK画像の色別にトナー消費量の算出方法を選択する手段を説明する。これにより、ユーザの印刷用途に合わせて適正にトナー消費量を算出することが可能となる。
【0075】
本実施例での画像形成装置102の基本的な動作は実施例1と同様であるため、共通する部分は説明を省略し相違点のみを説明する。
【0076】
(トナー量管理部の動作)
トナー量管理部405の詳細な動作について説明する。トナー量管理部405は、RAM403に記憶しているホストコンピュータ101から送信された印刷用途の識別値(図15)に基づき、色成分ごとにトナー量計算部1とトナー量計算部2のそれぞれから通知されたトナー消費量のどちらを使うか選択する。トナー量管理部405は、1ページごとのトナー消費量を元にプロセスカートリッジ内のトナー残量を更新して操作/表示部408に表示させる。
【0077】
ここから、図14のフローチャート(S1401~S1408)および図15を用いてトナー量管理部405の処理の流れを説明する。
【0078】
トナー量管理部405はプリンタエンジン104が1枚画像を出力する毎にプロセスカートリッジ内のトナー残量の計算を開始する。なお、この処理はY、M、C、Kの順で処理が進む。
【0079】
トナー量管理部405はRAM403に記憶している印刷用途の識別値を取得する(S1401)。具体例は、図15に記す。
【0080】
トナー量管理部405は、ステップS1401で取得した印刷用途の識別値から、トナー消費量の値を決める(S1402)。具体的には、図15に記すように、トナー量管理部405は、印刷用途の識別値と色のテーブルで定められたトナー量計算方法に従い、トナー量計算部1から通知されたトナー消費量か、トナー量計算部2から通知されたトナー消費量かを選択する。
【0081】
トナー量管理部405は、トナー残量を更新(記憶)する(S1403)。トナー残量は、直前のトナー残量からステップS1403で決定されたトナー消費量を減算することで算出する。その算出したトナー残量を更新(記憶)する。
【0082】
トナー量管理部405は、更新したトナー残量を操作/表示部408に通知する(S1404)。
【0083】
トナー量管理部405は、トナー残量の更新がすべての色で実行されたかを判断する(S1405)。ここで、すべての色でトナー残量の更新が終わっている場合(YES)は、トナー管理部405は処理を終了する。そうでない場合(NO)、トナー管理部405は処理をS1402に戻し、更新していない色のトナー残量を更新する。前述したように、この処理フローはY、M、C、Kの順で進めるので、例えば、「M」のトナー残量を更新し終えた場合は、S1407で「NO」と判断し、次の色「C」に対するS1402~S1404の処理を進める。
【0084】
(効果の説明)
実施例2における発明の効果について図13を使って説明する。ここでは、「K」の画像データを例に挙げて説明を続ける。
【0085】
実施例1におけて、「K」画像データのトナー消費量は、文字での印刷用途を主としているため、トナー量計算部2で算出した場合のトナー消費量を使用している。しかし、グラフィックスや写真の印刷用途の場合には、トナー量計算部2の算出方法では、トナー消費量の精度が落ちる(図13b)。
【0086】
一方、実施例2のように、ユーザがプリンタドライバ上で設定した印刷用途がわかるので、その情報を基に最適な計算方法を選択でき、精度よくトナー消費量を算出することができる。例えば、印刷用途がグラフィックスや写真(識別値が「02」)の場合、「K」は、トナー量計算部2で計算したトナー消費量(図13a)を使用するのでトナー消費量の精度がよくなる。
【0087】
したがって、ユーザの印刷用途設定値と画像形成するYMCK画像の色別にトナー消費量算出に使用するカウント方法を切替えることで、ユーザの印刷用途に合ったトナー消費量を精度よく算出することが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
102 画像形成装置
104 プリンタエンジン
503 濃度補正部
504 ハーフトーン部
505 トナー量計算部2
510 トナー量計算部1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15