(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175520
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】商品処理装置及び計量包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
B65B57/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093360
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】大津 馨平
(72)【発明者】
【氏名】宇原 伸行
(72)【発明者】
【氏名】野々原 靖也
(57)【要約】
【課題】容器に収容された商品を特定する場合の作業性を高めることが可能な商品処理装置及び計量包装装置を提供する。
【解決手段】計量包装装置1は、容器に収容された商品Gを撮影して撮影画像を取得する撮影部16と、商品を特定する商品情報と商品に紐づけられた情報であって容器の種類を特定する容器情報とをそれぞれ複数記憶する記憶部61と、撮影画像に基づいて容器に収容された商品Gを特定する特定部62と、を備える。特定部62は、撮影画像に基づいて、記憶部61に記憶された複数の商品情報に係る複数の商品の中から候補となる商品を第1候補として取得すると共に、容器を特定し、特定した当該容器に紐づく商品を、容器情報を用いて第2候補として取得する。特定部62は、第1候補及び第2候補に基づいて、容器に収容された前記商品を特定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に収容された商品を撮影して画像を取得する取得部と、
前記商品を特定する商品情報と、前記商品に紐づけられた情報であって前記容器の種類を特定する容器情報と、をそれぞれ複数記憶する記憶部と、
前記取得部が取得した前記画像に基づいて、前記容器に収容された前記商品を特定する特定部と、を備え、
前記特定部は、
前記画像に基づいて、前記記憶部に記憶された複数の前記商品情報に係る複数の商品の中から候補となる商品を第1候補として取得すると共に、前記容器を特定し、特定した当該容器に紐づく前記商品を、前記容器情報を用いて第2候補として取得し、
前記第1候補及び前記第2候補に基づいて、前記容器に収容された前記商品を特定する、商品処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、
複数の前記第2候補を取得し、複数の前記第2候補の中における前記第1候補と一致する少なくとも何れかに係る商品を、前記容器に収容された前記商品と特定する、請求項1に記載の商品処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、一つの前記商品について複数種の前記容器が使用される場合、複数種の前記容器が紐づけられた一の前記商品に関する情報を、複数種の商品について記憶する、請求項1又は2に記載の商品処理装置。
【請求項4】
前記容器は、トレーであり、
前記取得部は、前記トレーに収容された前記商品を撮影する撮影部を有する、請求項1又は2に記載の商品処理装置。
【請求項5】
前記特定部が複数の前記商品を特定した場合、当該複数の商品を提示する提示部と、
複数の前記商品の中からユーザが何れかを選択する入力を受け付ける入力部と、を備える、請求項1又は2に記載の商品処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の商品処理装置と、
前記容器に収容された前記商品を計量する計量部と、
前記計量部で計量した前記商品をフィルムで包装する包装部と、
前記フィルムに貼付するラベルを発行するラベル発行部と、
前記特定部で特定した前記容器及び前記商品に基づいて、前記包装部及び前記ラベル発行部の動作を制御する制御部と、を備える、計量包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、商品処理装置及び計量包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品処理装置として、例えば特許文献1には、商品が収容されたトレー(容器)をカメラで撮影して画像を取得し、取得した画像に基づきトレーの短辺寸法及び長辺寸法を検出し、検出した短辺寸法及び長辺寸法と予め設定登録された設定登録値とを比較して、トレーの種類を特定する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、容器に収容された商品の画像に基づき例えば機械学習モデルを用いて、当該商品を特定する商品処理装置が開発されている。しかし、このような商品処理装置では、複数の商品が特定される場合があり、この場合には、ユーザが複数の商品の中から一つの商品を選択しなければならないため、作業性が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の一側面は、容器に収容された商品を特定する場合の作業性を高めることが可能な商品処理装置及び計量包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一側面に係る商品処理装置は、容器に収容された商品を撮影して画像を取得する取得部と、商品を特定する商品情報と、商品に紐づけられた容器の種類を特定する容器情報と、をそれぞれ複数記憶する記憶部と、取得部が取得した画像に基づいて、容器に収容された商品を特定する特定部と、を備え、特定部は、画像に基づいて、記憶部に記憶された複数の商品情報に係る複数の商品の中から候補となる商品を第1候補として取得すると共に、容器を特定し、特定した当該容器に紐づく商品を容器情報を用いて第2候補として取得し、第1候補及び第2候補に基づいて、容器に収容された商品を特定する。
【0007】
この商品処理装置では、候補となる商品の第1候補と、当該商品の画像から特定された容器に紐づく商品の第2候補と、に基づいて商品が特定される。よって、一つの商品が特定されやすく、複数の商品が特定される場合でもその数を抑えることができ、ユーザによる商品の選択行為を省くことが可能となる。したがって、本発明の一側面によれば、容器に収容された商品を特定する場合の作業性を高めることが可能となる。
【0008】
(2)上記(1)に記載された商品処理装置では、特定部は、複数の第2候補を取得し、複数の第2候補の中における第1候補と一致する少なくとも何れかに係る商品を、容器に収容された商品と特定してもよい。当該商品の画像からの容器の特定は比較的に精度よく実現し得るため、画像から特定した容器に紐づく第2候補を先に取得することで、画像から第1候補を先に取得する場合と比較して、商品を精度よく特定することが可能となる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載された商品処理装置では、記憶部は、一つの商品について複数種の容器が使用される場合、複数種の容器が紐づけられた一の商品に関する情報を、複数種の商品について記憶してもよい。この場合、作業性を高める上記効果を具体的に実現することができる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)の何れか一項に記載された商品処理装置では、容器は、トレーであり、取得部は、トレーに収容された商品を撮影する撮影部を有していてもよい。この場合、作業性を高める上記効果を具体的に実現することができる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)の何れか一項に記載された商品処理装置は、特定部が複数の商品を特定した場合、当該複数の商品を提示する提示部と、複数の商品の中からユーザが何れかを選択する入力を受け付ける入力部と、を備えていてもよい。これにより、特定部により複数の商品が特定される場合に、ユーザは複数の商品から何れかを容易に選択することができる。
【0012】
(6)本発明の一側面に係る計量包装装置は、上記(1)~(5)の何れか一項に記載された商品処理装置と、容器に収容された商品を計量する計量部と、計量部で計量した商品をフィルムで包装する包装部と、フィルムに貼付するラベルを発行するラベル発行部と、特定部で特定した容器及び商品に基づいて、包装部及びラベル発行部の動作を制御する制御部と、を備える。この計量包装装置においても、上記商品処理装置を備えることから同様に、容器に収容された商品を特定する場合の作業性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、容器に収容された商品を特定する場合の作業性を高めることが可能な商品処理装置及び計量包装装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態に係る計量包装装置を示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の計量包装装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1の計量包装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、計量包装装置1を示す外観斜視図である。
図2は、計量包装装置1の構成を示すブロック図である。
図1及び
図2に示されるように、計量包装装置1は、商品Gの計量と包装を行う装置である。計量包装装置1に後述の値付けユニット4が組み込まれることにより、計量包装値付け装置として構成されている。商品Gは、計量包装装置1によって計量、包装され、値付けされる被計量物品である。商品Gは、例えば、食料品等である。商品Gは、容器に収容されて計量包装装置1に供給される。商品Gが容器に収容される場合、商品G及び容器の両方が計量包装装置1によって包装されてもよい。容器は、特に限定されないが、例えば皿状を呈するトレーである。
【0017】
計量包装装置1は、計量搬入機構2と、包装部3と、値付けユニット4と、表示操作ユニット5と、制御ユニット6と、を備える。これらの各機構は、例えば、計量包装装置1の本体1a及びケーシング1b内に収容されている。ケーシング1bは、本体1aの側部に取り付けられ、フィルムロール等が収納される。なお、本実施形態の説明において、「左右」とは、計量包装装置1の本体1aの正面に向かって左右を意味する。計量包装装置1の前後方向における前側を「手前側」と称し、その反対側を「奥側」と称する。
【0018】
計量搬入機構2は、計量部12と、搬送部14と、撮影部(取得部)16とを有する。計量部12は、容器に収容された商品G(以下、単に「商品G」ともいう)を計量する計量装置であり、計量結果(計量値)を制御ユニット6に出力する。例えば、計量部12によって計量される計量値が、商品Gの載置と見なせる値以上になり、かつ、その値が、所定時間、所定の質量範囲内に収まる場合、計量値は、安定したと判断される。これにより、制御ユニット6は、安定した状態の計量値から容器等の風袋を減算して商品Gの正味重量を算出する。計量部12は、商品Gが載置される計量皿などの載置部(不図示)を有する。計量部12は、商品Gが載置された場合に、制御ユニット6へ載置信号を出力する。
【0019】
搬送部14は、計量部12に載置された商品Gを、包装部3に搬送する。搬送部14は、例えば、プッシャコンベア及びベルトコンベア等を含む。搬送部14は、例えば、計量部12に載置された商品Gを奥側に搬送する。これにより、包装部3のリフター機構32(後述)へ当該商品Gが送られる。
【0020】
撮影部16は、計量部12に載置された商品Gを撮影して、撮影画像を取得する。撮影部16は、例えばCCDカメラ及びCMOSカメラ等である。撮影部16は、例えば、計量部12の上方に配置されている。図示しないが、撮影部16は、例えば、計量搬入機構2の上方に位置する排出台ESの底面に装着される。撮影部16によって取得される撮影画像は、画像処理部18に出力される。
【0021】
画像処理部18は、撮影部16からの撮影画像に基づいて、容器に収容された商品Gの特徴を示す特徴情報を取得する。画像処理部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサコンピュータでもよい。画像処理部18は、取得した特徴情報を制御ユニット6に出力する。特徴情報は、例えば、商品G自体の特徴、及び、商品Gが収容される容器の特徴等に関する情報である。商品G自体の特徴は、例えば、商品Gの形状、形状や色相の異なる領域の面積比、及び各領域の色調等から商品を特定することができる情報でである。容器の特徴は、容器の大きさ、形状、及び色等から容器を特定することができる情報である。
【0022】
包装部3は、計量部12により計量されて搬送部14により計量部12から搬送されてきた商品Gに、フィルムを被せて包装する。包装部3は、フィルム搬送機構31と、リフター機構32と、折り込み機構33と、シール機構34とを有する。
【0023】
フィルム搬送機構31は、商品Gを包装するフィルム(不図示)をフィルムロールから引き出して包装位置まで搬送する機構である。例えば、フィルムは、1本又は複数本のフィルムロールの形態として、ケーシング1bに収容され、フィルム搬送機構31は、選択された1本のフィルムロールからフィルムを引き出して、包装位置まで搬送して緊張保持する。
【0024】
リフター機構32は、商品Gを包装位置まで上昇させる機構であり、包装部3の下部に設けられる。リフター機構32は、フィルム搬送機構31によって緊張保持されたフィルムに対して、商品Gを突き上げる。折り込み機構33は、商品Gからはみ出るフィルムの周縁を商品Gの底面に折り込む機構である。シール機構34は、折り込み機構33により折り込まれたフィルムの重なり部分を熱シールする機構である。シール機構34は、例えば、搬送ローラ及び加熱ローラを有する。シール機構34のローラは、包装済みの商品Gを排出台ESに向けて排出する。なお、フィルム搬送機構31によって引き出されたフィルムは、図示しないカッターによって商品Gを包み込む大きさに切断される。
【0025】
値付けユニット4は、ラベルプリンタ(ラベル発行部)LPと、ラベル貼付機構LIと、を有する。ラベルプリンタLPは、商品Gに関する情報をラベルに印字してラベルを発行する。ここでは、ラベルプリンタLPは、制御ユニット6から出力された情報をラベルに印字し、印字ラベルとして発行する。ラベル貼付機構LIは、ラベルプリンタLPにより発行された印字ラベルを、フィルムで包装された商品G上に貼り付ける。
【0026】
表示操作ユニット5は、各種の情報を表示すると共に、ユーザによる計量包装装置1への操作を受け付けるインターフェースである。表示操作ユニット5は、表示操作部51及び報知部52を有する。表示操作部51は、例えばタッチパネル式のディスプレイであり、当該ディスプレイには、操作ボタン等も表示される。表示操作部51を介して、ユーザによる各種の操作及び入力が実施可能である。表示操作部51は、複数の商品Gの中からユーザが何れかを選択する入力を受け付ける(詳しくは後述)。報知部52は、ユーザに対して各種の警告を行う。
【0027】
制御ユニット6は、本体1a内に配置さている。制御ユニット6は、プログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、CPU、及び通信回路等を有するコンピュータで構成されている。制御ユニット6は、記憶部61と、特定部62と、制御部63と、を有する。なお、記憶部61と、特定部62と、制御部63と、は、便宜上互いに区別されるが、これに限られない。例えば、特定部62は、制御部63の一部であってもよい。
【0028】
記憶部61は、特定部62で用いられる学習済みモデルM1を記憶する。学習済みモデルは、商品Gの特徴情報から商品Gを特定するためのモデルである。商品情報は、商品Gを特定する情報であり、特に限定されないが、例えば商品Gの商品名、商品番号、単価及び添加物の少なくとも何れかを含む。学習済みモデルは、撮影画像から取得された商品Gの特徴情報に基づき、機械学習によって自動設定される。
【0029】
学習済みモデルの生成に利用されるとして利用するアルゴリズムの種類及び/又は構成は、特に限定されない。アルゴリズムの種類は、例えば、ランダムフォレスト決定木、多層パーセプトロン(ニューラルネットワーク)等である。アルゴリズムの構成は、中間層の数、各層のユニット数、分岐数、目的変数、説明変数等である。アルゴリズムの種類及び/又は構成は、ディープラーニングによって生成されてもよい。
【0030】
記憶部61は、商品Gの商品情報と商品Gに紐づけられた容器の種類を特定する容器情報とを、複数種の商品Gに関して記憶する。一つの商品Gについて複数種の容器が使用される場合、記憶部61は、複数種の容器が紐づけられた一の商品に関する情報を、複数種の商品Gについて記憶する。本実施形態では、商品情報、容器情報及びその他の情報が、商品マスタM2として記憶部61に記憶されている。
図3に示されるように、商品マスタM2は、複数の商品と、各商品のそれぞれに紐づけられた複数の容器と、を含む。ここでの商品は、商品番号と商品名と単価とを少なくとも含む。商品に紐づけられた容器は、商品Gを収容する容器として登録された容器であり、特に限定されないが、例えばトレーのトレー番号を少なくとも含む。
【0031】
図2に示されるように、記憶部61は、容器の大きさに応じたフィルムサイズでもって商品Gを包装するための包装パラメータを記憶する。記憶部61は、容器を特定するための情報であって、複数種の容器の大きさに関する情報を記憶する。本実施形態では、容器を特定するための情報は、トレーマスタM3として記憶部61に記憶されている。
図4に示されるように、トレーマスタM3は、複数のトレーの長辺寸法、短辺寸法及び高さ寸法に関する情報を含む。なお、記憶部61に記憶される情報は特に限定されず、その他の種々の情報が記憶されていてもよい。
【0032】
図2に示されるように、特定部62は、撮影部16が取得した撮影画像に基づいて、容器に収容された商品G(撮影部16で撮影した商品G)を特定する。具体的には、特定部62は、撮影画像から取得された商品Gの特徴情報に基づき、学習済みモデルM1を用いて、記憶部61に記憶された複数の商品情報に係る複数の商品Gの中から候補となる商品Gを、第1候補として取得する。これと共に、特定部62は、撮影画像に基づいて容器を特定し、特定した当該容器に紐づく商品Gを容器情報を用いて第2候補として取得する。そして、特定部62は、第1候補及び第2候補に基づいて、容器に収容された商品Gを特定する。
【0033】
一例として、本実施形態では、特定部62は、撮影画像を画像処理部18で処理することにより得られた容器の特徴に基づき、記憶部61に記憶されたトレーマスタM3を参照し、商品Gを収容する容器を特定する。特定部62は、記憶部61に記憶された商品マスタM2を参照し、特定した当該容器(ここでは、トレー番号)に紐づく第2候補(ここでは、商品名等)を、1又は複数取得する。
【0034】
特定部62は、撮影画像を画像処理部18で処理することにより得られた商品Gの特徴情報に基づき、学習済みモデルM1を用いて、記憶部61に記憶された複数の商品情報に係る複数の商品Gの中から候補となる第1候補(ここでは、商品名等)を、1又は複数取得する。そして、特定部62は、第2候補の中における第1候補と一致する少なくとも何れかに係る商品Gを、容器に収容された商品Gとして特定する。
【0035】
制御部63は、計量包装装置1の各種の要素を制御する。制御部63は、特定部62が複数の商品Gを特定した場合、これらの複数の商品Gを表示操作ユニット5を介して提示させる。例えば制御部63は、特定部62が特定した複数の商品Gそれぞれの商品情報の少なくとも一部を、表示操作ユニット5に表示させてもよい。これにより、表示操作ユニット5は、特定部62が複数の商品Gを特定した場合にこれらを提示する。
【0036】
制御部63は、ラベルプリンタLPの動作を制御する。例えば制御部63は、特定部62により特定又は表示操作ユニット5により選択された商品Gの商品情報を、記憶部61から取得する。制御部63は、計量部12から取得した計量値に基づいて、正味重量及び価格を算出する。制御部63は、取得した商品情報、正味重量及び価格等に関する情報をラベルプリンタLPに出力する。
【0037】
制御部63は、特定部62により特定された容器に基づいて、包装部3の動作を制御する。例えば制御部63は、特定部62により特定された容器の包装パラメータを記憶部61から取得し、包装部3に出力する。制御部63は、載置された商品Gの計量値が安定したとき、搬送部14を制御して、商品Gを包装部3に搬送する。上記において、撮影部16、画像処理部18及び制御ユニット6が商品処理装置100を構成する。表示操作部51が提示部及び入力部を構成する。
【0038】
次に、
図5及び
図6を参照しながら、計量包装装置1の動作の一例を説明する。
【0039】
まず、容器に収容された商品Gを手動もしくは自動で計量部12に載置する(ステップS1)。撮影部16は、例えば商品Gの載置に応じて計量部12から出力される載置信号をトリガーとして、撮影部16により商品Gを撮影し、撮影画像を取得する(ステップS2)。撮影部16は、取得した撮影画像を画像処理部18へ出力する。
【0040】
画像処理部18は、撮影画像に基づいて、容器に収容された商品Gの特徴情報を取得する。特定部62は、特徴情報に基づき学習済みモデルM1を用いて、記憶部61に記憶された複数の商品情報に係る複数の商品Gの中から候補となる商品Gを、第1候補として取得する。これと共に、特定部62は、特徴情報に基づきトレーマスタM3を参照して、商品Gを収容している容器を特定する。特定部62は、特定した容器に紐づく商品Gを、容器情報を用いて第2候補として取得する(ステップS3)。
【0041】
特定部62は、第2候補の中における第1候補と一致する少なくとも何れかに係る商品Gを、容器に収容された商品Gとして特定する(ステップS4)。制御部63は、上記ステップS4において複数の商品Gが特定されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0042】
上記ステップS5にてYESの場合、制御部63は、特定した複数の商品Gの商品情報を、表示操作ユニット5に表示させる(ステップS6)。表示操作ユニット5において複数の商品Gの何れかを選択する入力があるか否かを判定する(ステップS7)。上記ステップS7でNOの場合、再び上記ステップS7に戻り、複数の商品Gの何れかを選択する入力の有無について判定を繰り返す。
【0043】
上記ステップS5でNO又は上記ステップS7でYESの場合、制御部63は、特定部62により特定又は表示操作ユニット5により選択された商品Gの商品情報を、ラベルプリンタLPに出力する(ステップS11)。制御部63は、特定部62により特定された容器に対応する包装パラメータを記憶部61から取得し、包装部3に出力する(ステップS12)。制御部63は、商品Gの計量値が安定しているか否かを判定する(ステップS13)。上記ステップS13でNOの場合、計量値を再び入力するループに移行する(ステップS14)。上記ステップS13でYESの場合、制御部63は、搬送部14を駆動させて、計量部12に載置された商品Gを包装部3に搬送する(ステップS15)。
【0044】
制御部63は、安定時の計量値に基づいて算出される正味重量から価格を算出し、ラベルプリンタLPに出力する(ステップS16)。制御部63は、上記ステップS12で出力された包装パラメータに応じて商品Gを包装させる(ステップS17)。ラベルプリンタLPは、上記ステップS11で出力された商品情報と上記ステップS16で出力された価格とに基づいて印字情報を作成し、当該印字情報をラベルに印字し、印字ラベルを発行する(ステップS18)。包装された商品Gを排出台ESに排出させた後、ラベル貼付機構LIは、発行された印字ラベルを包装済の商品Gに貼り付ける(ステップS19)。以上により、計量包装装置1を利用した商品Gに対する計量、包装及び値付けが完了する。
【0045】
以上、計量包装装置1では、候補となる商品Gの第1候補と、当該商品Gの画像から特定された容器に紐づく商品Gの第2候補と、に基づいて商品Gが特定される。よって、一つの商品Gが特定されやすく、複数の商品Gが特定される場合でもその数を抑えることができ、ユーザによる商品Gの選択行為を省くことが可能となる。したがって、商品Gを特定する場合の作業性を高めることが可能となる。
【0046】
計量包装装置1では、特定部62は、撮影画像から特定した容器に紐づく複数の商品Gに係る複数の第2候補を取得する。計量包装装置1では、複数の第2候補の中における第1候補と一致する少なくとも何れかに係る商品Gを、容器に収容された商品Gと特定する。商品Gの撮影画像からの容器の特定は比較的に精度よく実現し得るため、撮影画像から特定した容器に紐づく第2候補を先に取得することで、商品Gの特徴情報から特定される商品Gの第1候補を先に取得する場合と比較して、商品Gを精度よく特定することが可能となる。
【0047】
計量包装装置1では、記憶部61は、例えば
図3に示される商品マスタM2を記憶している。すなわち、記憶部61は、一つの商品Gについて複数種の容器が使用される場合に、複数種の容器が紐づけられた一の商品Gを、複数種の商品Gについて記憶する。この場合、作業性を高める上記効果を具体的に実現することができる。計量包装装置1では、容器はトレーであり、トレーに収容された商品Gを撮影部16により撮影する。この場合、作業性を高める上記効果を具体的に実現することができる。
【0048】
計量包装装置1は、特定部62が複数の商品Gを特定した場合、当該複数の商品Gを表示操作部51を介して提示する。表示操作部51は、複数の商品の中からユーザが何れかを選択する入力を受け付ける。この場合、特定部62により複数の商品Gが特定される場合に、ユーザは複数の商品Gから何れかを容易に選択することができる。
【0049】
以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は上記実施形態に限定されない。
【0050】
上記実施形態では、商品処理装置100を計量包装装置1に適用したが、これに限定されない。本発明の一態様に係る商品処理装置は、その他の装置に適用してもよい。上記実施形態では、容器はトレーに限定されず、種々の容器であってもよい。
【0051】
上記実施形態では、学習済みモデルM1を用いて特定された商品Gの第1候補を取得したが、第1候補を取得する手法としては、これに限定されない。公知の種々の手法を用いて、撮影画像に基づき第1候補を取得してもよい。上記実施形態では、トレーマスタM3を参照して容器を特定したが、容器を特定する手法としては、これに限定されない。公知の種々の手法を用いて、撮影画像に基づき容器を特定してもよい。
【0052】
上記実施形態では、容器に紐づく商品Gの第2候補を先に取得し、その後に、撮影画像から特定される商品Gの第1候補を取得したが、これに限定されず、撮影画像から特定される商品Gの第1候補を先に取得し、その後に又は同時並列的に、容器情報に紐づく商品Gの第2候補を取得してもよい。上記実施形態では、複数の第2候補の中から第1候補と一致する少なくとも何れかを特定したが、複数の第1候補の中から第2候補と一致する少なくとも何れかを特定してもよいし、第1候補及び第2候補のうち互いに一致する少なくとも何れかを特定してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…計量包装装置、3…包装部、12…計量部、16…撮影部(取得部)、51…表示操作部(提示部,入力部)、61…記憶部、62…特定部、63…制御部、100…商品処理装置、G…商品、LP…ラベルプリンタ(ラベル発行部)。