(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017553
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】振動素子、及び振動デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/19 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H03H9/19 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120270
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】磯畑 健作
(72)【発明者】
【氏名】松尾 敦司
(72)【発明者】
【氏名】松川 典仁
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108BB02
5J108CC04
5J108CC10
5J108DD02
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108FF07
5J108GG03
5J108GG11
5J108GG16
5J108GG20
5J108GG21
5J108KK02
(57)【要約】
【課題】振動特性の劣化を抑えることが可能な振動素子、及び振動デバイスを提供する。
【解決手段】振動部110と支持部120と連結部130とを備え、第1主面101に設けられた第1励振電極21と、第2主面102に設けられ、X方向に沿って変位する厚み滑り振動を第1励振電極21とともに励振する第2励振電極22と、支持部120に設けられ、第1励振電極21に電気的に接続された第1支持電極23と、支持部120に設けられ、第2励振電極22に電気的に接続された第2支持電極24と、第1励振電極21からZ方向に沿って引き出され、第1励振電極21と第1支持電極23とを電気的に接続する第1引出配線21aと、第2励振電極22からZ方向に沿って引き出され、第2励振電極22と第2支持電極24とを電気的に接続する第2引出配線22aと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面と表裏関係にある第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続し、第1方向に沿って延在する第1側面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2側面と、を有する振動部と、
前記振動部から離間して配置され、前記振動部の前記第1側面に対向して配置され、前記第1方向に沿って延在する第1支持側面と、前記第2方向に沿って延在する第2支持側面と、を有する支持部と、
前記第1側面および前記第1支持側面に接続された第1連結面と、前記第2側面および前記第2支持側面に接続された第2連結面と、を有する連結部と、
を備え、
前記第1主面に設けられた第1励振電極と、
前記第2主面に設けられ、前記第2方向に沿って変位する厚み滑り振動を前記第1励振電極とともに励振する第2励振電極と、
前記支持部に設けられ、前記第1励振電極に電気的に接続された第1支持電極と、
前記支持部に設けられ、前記第2励振電極に電気的に接続された第2支持電極と、
前記第1励振電極から前記第1方向に沿って引き出され、前記第1励振電極と前記第1支持電極とを電気的に接続する第1引出配線と、
前記第2励振電極から前記第1方向に沿って引き出され、前記第2励振電極と前記第2支持電極とを電気的に接続する第2引出配線と、
を備える、振動素子。
【請求項2】
請求項1に記載の振動素子であって、
前記第1引出配線は、前記第1励振電極から前記第2側面に向かって引き出され、
前記第2引出配線は、前記第2励振電極から前記第2側面に向かって引き出される、振動素子。
【請求項3】
請求項1に記載の振動素子であって、
前記第1引出配線は、前記第1励振電極から前記第2側面の反対側の面である第3側面に向かって引き出され、
前記第2引出配線は、前記第2励振電極から前記第2側面に向かって引き出される、振動素子。
【請求項4】
請求項3に記載の振動素子であって、
前記第1引出配線は、前記第3側面に亘って設けられ、
前記第2引出配線は、前記第2側面に亘って設けられる、振動素子。
【請求項5】
請求項2に記載の振動素子であって、
前記第2引出配線は、前記第2側面に亘って設けられる、振動素子。
【請求項6】
請求項1に記載の振動素子であって、
前記第1引出配線及び前記第2引出配線は、それぞれ、クロムからなる下地層と、金からなる電極層と、を含み、
前記下地層の厚みは、1nm以上5nm以下であり、
前記電極層の厚みは、100nm以上500nm以下である、振動素子。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の振動素子と、
前記振動素子が搭載されるベースと、
前記振動素子を収容する容器と、
を備え、
前記振動素子の前記支持部は、前記ベースと接合材を介して接合される、振動デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の振動デバイスであって、
前記接合材は、前記第1主面に設けられた前記第1励振電極と前記ベースとを電気的に接続する第1導電性接着剤と、前記第2主面に設けられた前記第2励振電極と前記ベースとを電気的に接続する第2導電性接着剤と、を含む、振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動素子、及び振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の励振電極が設けられた振動部と、振動部から離間して伸びる支持部と、支持部の一端と振動部の端部とを連結するように伸びる連結部を備え、一対の励振電極から支持部の接合面までそれぞれ引出配線が引き出された構成とすることで、支持応力による振動への影響が抑制された圧電振動片の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、引出配線が、振動部から厚み滑り振動が生じる方向であるX方向に引き出されているため、引出配線に振動の影響が加わり、振動特性を劣化させる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
振動素子は、第1主面と、前記第1主面と表裏関係にある第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続し、第1方向に沿って延在する第1側面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第2側面と、を有する振動部と、前記振動部から離間して配置され、前記振動部の前記第1側面に対向して配置され、前記第1方向に沿って延在する第1支持側面と、前記第2方向に沿って延在する第2支持側面と、を有する支持部と、前記第1側面および前記第1支持側面に接続された第1連結面と、前記第2側面および前記第2支持側面に接続された第2連結面と、を有する連結部と、を備え、前記第1主面に設けられた第1励振電極と、前記第2主面に設けられ、前記第2方向に沿って変位する厚み滑り振動を前記第1励振電極とともに励振する第2励振電極と、前記支持部に設けられ、前記第1励振電極に電気的に接続された第1支持電極と、前記支持部に設けられ、前記第2励振電極に電気的に接続された第2支持電極と、前記第1励振電極から前記第1方向に沿って引き出され、前記第1励振電極と前記第1支持電極とを電気的に接続する第1引出配線と、前記第2励振電極から前記第1方向に沿って引き出され、前記第2励振電極と前記第2支持電極とを電気的に接続する第2引出配線と、を備える。
【0006】
振動デバイスは、上記に記載の振動素子と、前記振動素子が搭載されるベースと、前記振動素子を収容する容器と、を備え、前記振動素子の前記支持部は、前記ベースと接合材を介して接合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1に示す振動デバイスのA-A線に沿う断面図。
【
図4】
図3に示す振動素子のB-B線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の各図においては、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、及びZ軸として説明する。X軸に沿う方向を「X方向」、Y軸に沿う方向を「Y方向」、Z軸に沿う方向を「Z方向」とし、矢印の方向が+方向であり、+方向と反対の方向を-方向とする。
【0009】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、振動デバイス100の構成を説明する。なお、
図1では、説明の便宜上、リッド47の図示を省略している。
【0010】
図1及び
図2に示すように、振動デバイス100は、振動素子1と、振動素子1を収容するセラミック等からなる容器40と、ガラス、セラミック、又は金属等からなるリッド47と、を備えている。
【0011】
図2に示すように、容器40は、実装端子44、第1基板41、第2基板42、及び第3基板43を積層して形成されている。本実施形態において、第2基板42は、振動片10、即ち、振動素子1が搭載されるベースである。
【0012】
容器40は、上方に開放するキャビティー48を有している。振動素子1を収容するキャビティー48内は、リッド47をシールリング等の接合部材50により接合することで、減圧雰囲気あるいは窒素などの不活性気体雰囲気に気密封止されている。
【0013】
実装端子44は、第1基板41の外部底面に複数設けられている。また、実装端子44は、第2基板42の上方に設けられた接続端子45と、図示しない貫通電極や層間配線を介して、電気的に接続されている。
【0014】
容器40のキャビティー48内には、振動素子1が収容されている。振動素子1は、支持部120(
図3参照)に設けられた支持電極23,24が、導電性接着剤等の接合材51を介して、ベースである第2基板42の搭載面46に設けられた接続端子45にそれぞれ接合され、電気的に接続されている。
【0015】
接合材51は、第1導電性接着剤と、第2導電性接着剤と、を有する。第1導電性接着剤は、第1励振電極21と第2基板42とを電気的に接続する。第2導電性接着剤は、第2励振電極22と第2基板42とを電気的に接続する。つまり、振動素子1の励振電極21,22と容器40に設けられた実装端子44とは、支持電極23,24、接合材51、及び接続端子45等を介してそれぞれ電気的に接続されている。
【0016】
次に、
図3及び
図4を参照しながら、振動素子1の構成を説明する。
【0017】
図3及び
図4に示すように、振動素子1は、振動片10、第1励振電極21、第2励振電極22、第1支持電極23、及び第2支持電極24、を有する。
【0018】
振動片10は、厚みすべり振動が可能なもので、水晶片をはじめとする種々の圧電材料からなる。典型的には、ATカット水晶片、又は、SCカットに代表される2回回転カットの水晶片である。本実施形態では、振動片10は、平面形状が四角形状、具体的には長方形状のATカット水晶片としてある。そのため、図中のX軸、Y軸、及びZ軸の+方向は、それぞれ水晶の結晶軸のX軸、Y’軸、及びZ’軸の+方向に一致する。なお、必ずしもこれに限られず、少なくともいずれかの軸が-方向と一致していても良い。
【0019】
振動片10は、X方向を長手方向とし、Z方向を幅方向とする、矩形の平板である。振動片10は、振動部110と、振動部110から離間して配置された支持部120と、振動部110と支持部120とを連結する連結部130と、を有する。
【0020】
振動部110は、第1主面101と、第1主面101と表裏の関係にある第2主面102と、第1主面101と第2主面102とを接続し、第1方向であるZ方向に沿って延在する第1側面103と、第1主面101と第2主面102とを接続し、Z方向と交差する第2方向であるX方向に沿って延在する第2側面104と、を有する。
【0021】
支持部120は、振動部110の第1側面103に対向して配置され、Z方向に沿って延在する第1支持側面121と、X方向に沿って延在する第2支持側面122と、を有する。
【0022】
連結部130は、第1側面103及び第1支持側面121に接続された第1連結面131と、第2側面104及び第2支持側面122に接続された第2連結面132と、を有する。
【0023】
振動片10の第1主面101の略中央には、第1励振電極21が設けられている。振動片10の第2主面102の略中央には、第1励振電極21と平面視で重なるように、第2励振電極22が設けられている。具体的には、第2励振電極22は、X方向に沿って変位する厚み滑り振動を第1励振電極21とともに励振する。
【0024】
第1励振電極21は、第1引出配線21aを介して、第1支持電極23と電気的に接続されている。第2励振電極22は、第2引出配線22aを介して、第2支持電極24と電気的に接続されている。第1支持電極23は、例えば、振動片10に貫通して設けられた貫通電極を介して第1引出配線21aと電気的に接続されている。
【0025】
第1支持電極23は、支持部120に設けられており、第1励振電極21と電気的に接続されている。第2支持電極24は、支持部120に設けられており、第2励振電極22と電気的に接続されている。
【0026】
第1引出配線21aは、第1励振電極21からZ方向に沿って引き出され、第1励振電極21と第1支持電極23とを電気的に接続する。具体的には、第1引出配線21aは、第1励振電極21から-Z方向の第2側面104に向かって引き出されている。
【0027】
第2引出配線22aは、第2励振電極22からZ方向に沿って引き出され、第2励振電極22と第2支持電極24とを電気的に接続する。具体的には、第2引出配線22aは、第2励振電極22から-Z方向の第2側面104に向かって引き出されている。
【0028】
このように、第1引出配線21aは、第1励振電極21から-Z方向に引き出されてから第1支持電極23と電気的に接続され、第2引出配線22aは、第2励振電極22から-Z方向に引き出されてから第2支持電極24と電気的に接続されているので、X方向に生じた厚み滑り振動が引出配線21a,22aに影響することを抑えることが可能となり、振動特性が劣化することを抑えることができる。振動特性としては、例えば、Q値(振動のしやすさ)、CI(Crystal Impedance)値(即ち、振動素子1の抵抗値)である。
【0029】
また、第1引出配線21a及び第2引出配線22aが第2側面104側に引き出されているので、各励振電極21,22から支持電極23,24までの引出配線21a,22aの長さを短くすることが可能となり、引出配線21a,22aの配線抵抗を小さくすることができる。
【0030】
以上述べたように、本実施形態の振動素子1は、第1主面101と、第1主面101と表裏関係にある第2主面102と、第1主面101と第2主面102とを接続し、Z方向に沿って延在する第1側面103と、第1主面101と第2主面102とを接続し、Z方向と交差するX方向に沿って延在する第2側面104と、を有する振動部110と、振動部110から離間して配置され、振動部110の第1側面103に対向して配置され、Z方向に沿って延在する第1支持側面121と、X方向に沿って延在する第2支持側面122と、を有する支持部120と、第1側面103および第1支持側面121に接続された第1連結面131と、第2側面104および第2支持側面122に接続された第2連結面132と、を有する連結部130と、を備え、第1主面101に設けられた第1励振電極21と、第2主面102に設けられ、X方向に沿って変位する厚み滑り振動を第1励振電極21とともに励振する第2励振電極22と、支持部120に設けられ、第1励振電極21に電気的に接続された第1支持電極23と、支持部120に設けられ、第2励振電極22に電気的に接続された第2支持電極24と、第1励振電極21から-Z方向に沿って引き出され、第1励振電極21と第1支持電極23とを電気的に接続する第1引出配線21aと、第2励振電極22から-Z方向に沿って引き出され、第2励振電極22と第2支持電極24とを電気的に接続する第2引出配線22aと、を備える。
【0031】
この構成によれば、第1引出配線21aは、第1励振電極21から-Z方向に引き出されてから第1支持電極23と電気的に接続され、第2引出配線22aは、第2励振電極22から-Z方向に引き出されてから第2支持電極24と電気的に接続されているので、X方向に生じた厚み滑り振動が引出配線21a,22aに影響することを抑えることが可能となり、振動特性が劣化することを抑えることができる。
【0032】
また、本実施形態の振動素子1において、第1引出配線21aは、第1励振電極21から第2側面104に向かって引き出され、第2引出配線22aは、第2励振電極22から第2側面104に向かって引き出されることが好ましい。この構成によれば、各励振電極21,22から支持電極23,24までの引出配線21a,22aの長さを短くすることが可能となり、引出配線21a,22aの配線抵抗を小さくすることができる。
【0033】
以上述べたように、本実施形態の振動デバイス100は、上記に記載の振動素子1と、振動素子1が搭載される第2基板42と、振動素子1を収容する容器40と、を備え、振動素子1の支持部120は、第2基板42と接合材51を介して接合される。この構成によれば、振動特性の影響が抑えられた振動デバイス100を提供することができる。
【0034】
また、本実施形態の振動デバイス100において、接合材51は、第1主面101に設けられた第1励振電極21と第2基板42とを電気的に接続する第1導電性接着剤と、第2主面102に設けられた第2励振電極22と第2基板42とを電気的に接続する第2導電性接着剤と、を含むことが好ましい。この構成によれば、接合材51が第1導電性接着剤及び第2導電性接着剤を含むので、第1励振電極21及び第2励振電極22と外部との間の電気的な送受信を行うことができる。
【0035】
以下、上記した実施形態の変形例を説明する。
【0036】
上記したように、第1励振電極21から第1引出配線21aの引き出し方、及び、第2励振電極22から第2引出配線22aの引き出し方は、上記実施形態に限定されず、
図5~
図8Bに示すようにしてもよい。
【0037】
図5に示す変形例の振動素子1Aの第1引出配線21aは、第1励振電極21から+Z方向に引き出され、第3側面105、第1側面103、第1連結面131、及び第1支持側面121の縁に沿って引き回され、第1励振電極21と第1支持電極23とを電気的に接続する。一方、第2引出配線22aは、上記実施形態と同様に配置されている。
【0038】
このように、第1引出配線21aは、第1励振電極21から第2側面104の反対側の面である第3側面105に向かって引き出され、第2引出配線22aは、第2励振電極22から第2側面104に向かって引き出されることが好ましい。この構成によれば、第1引出配線21aと第2引出配線22aとを互いに反対の方向に引き出すので、第1引出配線21aと第2引出配線22aとの距離を離すことが可能となり、寄生容量が形成されることを抑えることができる。
【0039】
なお、第1引出配線21aを第2側面104に向かって引き出し、第2引出配線22aを第3側面105に向かって引き出すようにしてもよい。
【0040】
また、
図6A、
図6B、
図6Cに示す変形例の振動素子1Bの第1引出配線21aは、第1励振電極21から+Z方向に引き出され、側面である、第3側面105、第1側面103、第1連結面131、及び第1支持側面121に引き回され、第1励振電極21と第1支持電極23とを電気的に接続する。一方、第2引出配線22aは、第2励振電極22から-Z方向に引き出され、側面である、第2側面104、第2連結面132、及び第2支持側面122に引き回され、第2励振電極22と第2支持電極24とを電気的に接続する。
【0041】
このように、第1引出配線21aは、第3側面105に亘って設けられ、第2引出配線22aは、第2側面104に亘って設けられることが好ましい。この構成によれば、第2側面104や第3側面105に引出配線21a,22aが形成され、第1励振電極21や第2励振電極22が配置された表面と異なる面に引出配線21a,22aが配置されているので、表面に生じた振動が引出配線21a,22aに影響を与えることを抑えることができる。
【0042】
なお、第1引出配線21aを第2側面104に引き出し、第2引出配線22aを第3側面105、第1側面103、第1連結面131、及び第1支持側面121に引き出すようにしてもよい。
【0043】
また、
図7A、
図7B、
図7Cに示す変形例の振動素子1Cの第1引出配線21aは、第1励振電極21から+Z方向に引き出され、第3側面105、第1側面103、第1連結面131、及び第1支持側面121、の縁に沿う面と側面との両面に亘って引き回され、第1励振電極21と第1支持電極23とを電気的に接続する。一方、第2引出配線22aは、第2励振電極22から-Z方向に引き出され、第2側面104、第2連結面132、及び第2支持側面122、の縁に沿う面と側面とに亘って引き回され、第2励振電極22と第2支持電極24とを電気的に接続する。
【0044】
このように、引出配線21a,22aを、第1主面101及び第2主面102と側面とに配置することにより、引出配線21a,22aの面積が増え、配線抵抗を低下させることが可能となり、CI値を低くすることができる。
【0045】
また、
図8A、
図8Bに示す変形例の振動素子1Dの第1引出配線21aは、上記実施形態と同様に配置されている。一方、第2引出配線22aは、第2励振電極22から-Z方向に引き出され、側面である、第2側面104、第2連結面132、及び第2支持側面122、に引き回され、第2励振電極22と第2支持電極24とを電気的に接続する。
【0046】
このように、第2引出配線22aは、第2側面104に亘って設けられることが好ましい。この構成によれば、第1引出配線21a及び第2引出配線22aのうち一方である第2引出配線22aを第2側面104に配置するので、第2主面102に生じた振動の影響を抑えることができる。なお、第1引出配線21aを第2側面104に引き出し、第2引出配線22aを上記実施形態と同様に配置するようにしてもよい。
【0047】
また、第1引出配線21a及び第2引出配線22aは、それぞれ、クロムからなる下地層と、金からなる電極層と、を含み、下地層の厚みは、1nm以上5nm以下であり、電極層の厚みは、100nm以上500nm以下であることが好ましい。
【0048】
この構成によれば、X方向に生じる厚み滑り振動の影響を抑えるべく、引出配線21a,22aをZ方向に引き出すことによって、引出配線21a,22aの長さが長くなる構成であっても、下地層を上記のような厚みにすることで、配線抵抗を小さくすることができる。よって、CI値のような抵抗値が大きくなることを抑えることができる。
【符号の説明】
【0049】
1,1A,1B,1C,1D…振動素子、10…振動片、21…第1励振電極、21a…第1引出配線、22…第2励振電極、22a…第2引出配線、23…第1支持電極、24…第2支持電極、40…容器、41…第1基板、42…ベースとしての第2基板、43…第3基板、44…実装端子、45…接続端子、46…搭載面、47…リッド、48…キャビティー、50…接合部材、51…接合材、100…振動デバイス、101…第1主面、102…第2主面、103…第1側面、104…第2側面、105…第3側面、110…振動部、120…支持部、121…第1支持側面、122…第2支持側面、130…連結部、131…第1連結面、132…第2連結面。