(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175540
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】セルボックス
(51)【国際特許分類】
B65D 85/48 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
B65D85/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093397
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】奥山(梶谷) 浩司
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA03
3E096BA24
3E096BB03
3E096CA02
3E096EA02X
3E096FA27
3E096FA30
(57)【要約】
【課題】吸着部のみを備えた装置を用いてセルボックスから表示パネルを取り出す際に、保護シートが表示パネルと共に持ち上がるのを抑制する。
【解決手段】セルボックス(1)は、表示パネルと保護シートとが重ねられて収容される収容空間(3)の底面を規定する底部(3bo)と、収容空間(3)の側面を規定する側壁部(2)と、を備え、収容空間(3)は、前記表示パネルが配置され得る第1空間(PSR)と、前記表示パネルは配置されず前記保護シートの一部が配置され得る第2空間(HSR1~HSR4)とを含み、底部(3bo)には、第2空間(HSR1~HSR4)に突出する一つ以上の突起部(4a~4d)が設けられており、突起部(4a~4d)は、前記底面の法線方向に沿って延びる第1部(4a1)と、第1部(4a1)よりも前記底面から離れている第2部(4a2)とを含み、第2部(4a2)は、前記底面の法線方向から見たときに第1部(4a1)よりも張り出した張り出し部分(PRP)を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと保護シートとが重ねられて収容される収容空間の底面を規定する底部と、
前記収容空間の側面を規定する側壁部と、を備え、
前記収容空間は、前記表示パネルが配置され得る第1空間と、前記表示パネルは配置されず前記保護シートの一部が配置され得る第2空間とを含み、
前記底部には、前記第2空間に突出する一つ以上の突起部が設けられており、
前記突起部は、前記底面の法線方向に沿って延びる第1部と、前記第1部よりも前記底面から離れている第2部とを含み、
前記第2部は、前記底面の法線方向から見たときに前記第1部よりも張り出した張り出し部分を有する、セルボックス。
【請求項2】
前記側壁部は、第1方向において互いに対向し、それぞれが前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びる一対の第1側壁と、前記第2方向において互いに対向し、それぞれが前記第1方向に沿って延びる一対の第2側壁とを含み、
前記収容空間の側面は、前記一対の第1側壁及び前記一対の第2側壁それぞれの前記収容空間に面する内面によって規定される、請求項1に記載のセルボックス。
【請求項3】
前記一対の第1側壁及び前記一対の第2側壁のうちの少なくとも一つの側壁の前記内面には、前記収容空間とは逆側に凹んだ一つ以上の凹部が形成されており、
前記内面のうちの前記凹部が形成されていない部分を前記内面の主部と呼ぶとき、
前記第1空間の前記第1方向の両端は、前記一対の第1側壁それぞれの前記内面の主部によって規定され、
前記第1空間の前記第2方向の両端は、前記一対の第2側壁それぞれの前記内面の主部によって規定される、請求項2に記載のセルボックス。
【請求項4】
前記収容空間は、前記一つ以上の凹部のうちの一つ以上の特定凹部のそれぞれによって規定される前記第2空間を一つ以上含み、
前記底部には、前記一つ以上の第2空間のそれぞれに突出する一つ以上の前記突起部が設けられている、請求項3に記載のセルボックス。
【請求項5】
前記一対の第1側壁それぞれの前記第2方向の中央部分に、前記特定凹部が形成されている、請求項4に記載のセルボックス。
【請求項6】
前記一対の第1側壁それぞれの前記第2方向の中央部分よりも一方側と、前記一対の第1側壁それぞれの前記第2方向の中央部分よりも他方側とのそれぞれに、前記特定凹部が形成されている、請求項4に記載のセルボックス。
【請求項7】
前記底部には、前記突起部が複数個設けられており、
前記収容空間は、前記第2空間を二つ含み、
前記二つの第2空間の一方は、前記第1空間よりも前記第1方向の一方側に位置し、
前記二つの第2空間の他方は、前記第1空間よりも前記第1方向の他方側に位置し、
前記二つの第2空間の一方には、前記複数個の突起部のうちの一部である一つ以上の第1突起部が設けられており、
前記二つの第2空間の他方には、前記複数個の突起部のうちの残りの一部である一つ以上の第2突起部が設けられており、
前記第1空間の前記第1方向の両端は、前記一つ以上の第1突起部のうちの少なくとも一つの第1突起部と前記一つ以上の第2突起部のうちの少なくとも一つの第2突起部とによって規定され、
前記第1空間の前記第2方向の両端は、前記一対の第2側壁それぞれの前記内面によって規定される、請求項2に記載のセルボックス。
【請求項8】
前記少なくとも一つの第1突起部と前記少なくとも一つの第2突起部とは、前記第2方向の位置が整合している、請求項7に記載のセルボックス。
【請求項9】
前記少なくとも一つの第1突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分に設けられた第1突起部を含み、
前記少なくとも一つの第2突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分に設けられた第2突起部を含む、請求項7に記載のセルボックス。
【請求項10】
前記少なくとも一つの第1突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも一方側に設けられた第1突起部と、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも他方側に設けられた第1突起部とを含み、
前記少なくとも一つの第2突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも一方側に設けられた第2突起部と、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも他方側に設けられた第2突起部とを含む、請求項7に記載のセルボックス。
【請求項11】
前記底部には、前記突起部が複数個設けられており、
前記第1空間は、前記第2空間に取り囲まれており、
前記第2空間における前記第1空間よりも前記第1方向の一方側の部分には、前記複数個の突起部のうちの一部である一つ以上の第1突起部が設けられており、
前記第2空間における前記第1空間よりも前記第1方向の他方側の部分には、前記複数個の突起部のうちの他の一部である一つ以上の第2突起部が設けられており、
前記第2空間における前記第1空間よりも前記第2方向の一方側の部分には、前記複数個の突起部のうちのさらに他の一部である一つ以上の第3突起部が設けられており、
前記第2空間における前記第1空間よりも前記第2方向の他方側の部分には、前記複数個の突起部のうちの残りの一部である一つ以上の第4突起部が設けられており、
前記第1空間の前記第1方向の両端は、前記一つ以上の第1突起部のうちの少なくとも一つの第1突起部と前記一つ以上の第2突起部のうちの少なくとも一つの第2突起部とによって規定され、
前記第1空間の前記第2方向の両端は、前記一つ以上の第3突起部のうちの少なくとも一つの第3突起部と前記一つ以上の第4突起部のうちの少なくとも一つの第4突起部とによって規定される、請求項2に記載のセルボックス。
【請求項12】
前記少なくとも一つの第1突起部と前記少なくとも一つの第2突起部とは、前記第2方向の位置が整合しており、
前記少なくとも一つの第3突起部と前記少なくとも一つの第4突起部とは、前記第1方向の位置が整合している、請求項11に記載のセルボックス。
【請求項13】
前記少なくとも一つの第1突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分に設けられた第1突起部を含み、
前記少なくとも一つの第2突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分に設けられた第2突起部を含み、
前記少なくとも一つの第3突起部は、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも一方側に設けられた第3突起部と、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも他方側に設けられた第3突起部とを含み、
前記少なくとも一つの第4突起部は、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも一方側に設けられた第4突起部と、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも他方側に設けられた第4突起部とを含む、請求項11に記載のセルボックス。
【請求項14】
前記少なくとも一つの第1突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも一方側に設けられた第1突起部と、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも他方側に設けられた第1突起部とを含み、
前記少なくとも一つの第2突起部は、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも一方側に設けられた第2突起部と、前記第2空間における前記第2方向の中央部分よりも他方側に設けられた第2突起部とを含み、
前記少なくとも一つの第3突起部は、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも一方側に設けられた第3突起部と、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも他方側に設けられた第3突起部とを含み、
前記少なくとも一つの第4突起部は、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも一方側に設けられた第4突起部と、前記第2空間における前記第1方向の中央部分よりも他方側に設けられた第4突起部とを含む、請求項11に記載のセルボックス。
【請求項15】
前記張り出し部分は、少なくとも前記第1空間とは逆側に張り出している、請求項1から14の何れか1項に記載のセルボックス。
【請求項16】
前記少なくとも一つの第1突起部と前記少なくとも一つの第2突起部とのそれぞれの前記張り出し部分は、前記第1空間側には張り出していない、請求項7から14の何れか1項に記載のセルボックス。
【請求項17】
前記少なくとも一つの第1突起部と前記少なくとも一つの第2突起部と前記少なくとも一つの第3突起部と前記少なくとも一つの第4突起部とのそれぞれの前記張り出し部分は、前記第1空間側には張り出していない、請求項11から14の何れか1項に記載のセルボックス。
【請求項18】
前記収容空間には、前記表示パネルと前記保護シートとが交互に重ねられて収容されており、
前記保護シートの前記一部には、前記底面の法線方向から見たときに前記突起部よりも大きい穴が形成されており、
前記保護シートの前記穴に前記突起部が挿入されている、請求項1から14の何れか1項に記載のセルボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示パネルと保護シートとを重ねて収容する収容空間を備えたセルボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1~3には、表示パネルと保護シートとを重ねて収容する収容空間を備えたセルボックスから保護シートを取り出す際に用いることができる保護シート除去装置及び開包システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-18898号公報
【特許文献2】特開2011-42419号公報
【特許文献3】特開2007-161354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3に記載されている保護シート除去装置及び開包システムは、セルボックスから表示パネルを取り出すユーザー側で、別途設置する必要があり、費用的な負担が大きい。
【0005】
本開示の一態様は、吸着部を備えた汎用的な装置を用いてセルボックスから表示パネルを取り出す際に、保護シートが表示パネルと共に持ち上がるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のセルボックスは、前記の課題を解決するために、
表示パネルと保護シートとが重ねられて収容される収容空間の底面を規定する底部と、
前記収容空間の側面を規定する側壁部と、を備え、
前記収容空間は、前記表示パネルが配置され得る第1空間と、前記表示パネルは配置されず前記保護シートの一部が配置され得る第2空間とを含み、
前記底部には、前記第2空間に突出する一つ以上の突起部が設けられており、
前記突起部は、前記底面の法線方向に沿って延びる第1部と、前記第1部よりも前記底面から離れている第2部とを含み、
前記第2部は、前記底面の法線方向から見たときに前記第1部よりも張り出した張り出し部分を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、吸着部を備えた汎用的な装置を用いてセルボックスから表示パネルを取り出す際に、保護シートが表示パネルと共に持ち上がるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1のセルボックスの概略的な構成を示す平面図である。
【
図2】実施形態1のセルボックスの収容空間に収容されている保護シートの一例を示す平面図である。
【
図3】実施形態1のセルボックスの概略的な構成を示す斜視図である。
【
図4】実施形態1のセルボックスの収容空間に表示パネルと保護シートとが収容されている状態の斜視図である。
【
図5】
図4のA-A’線の断面図であり、実施形態1のセルボックスの収容空間に表示パネルと保護シートとが収容されている状態を示す。
【
図6】実施形態1のセルボックスの収容空間の底面を規定する底部に設けられた突起部の拡大図である。
【
図7】吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置を用いて実施形態1のセルボックスの収容空間から表示パネルを取り出す場合の一例を示す図である。
【
図8】吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置を用いて実施形態1のセルボックスの収容空間から保護シートを取り出す場合の一例を示す図である。
【
図9】実施形態2のセルボックスの概略的な構成を示す平面図である。
【
図10】実施形態2のセルボックスの収容空間に収容されている保護シートの一例を示す平面図である。
【
図11】実施形態2のセルボックスの概略的な構成を示す斜視図である。
【
図12】実施形態2のセルボックスの収容空間に表示パネルと保護シートとが収容されている状態の斜視図である。
【
図13】
図12のB-B’線の断面図であり、実施形態2のセルボックスの収容空間に表示パネルと保護シートとが収容されている状態を示す。
【
図14】
図12のC-C’線の断面図であり、実施形態2のセルボックスの収容空間に表示パネルと保護シートとが収容されている状態を示す。
【
図15A】実施形態2のセルボックスの第1変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図15B】実施形態2のセルボックスの第2変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図15C】実施形態2のセルボックスの第3変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図15D】実施形態2のセルボックスの第4変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図15E】実施形態2のセルボックスの第5変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図16A】実施形態2のセルボックスの第6変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図16B】実施形態2のセルボックスの第7変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図16C】実施形態2のセルボックスの第8変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図16D】実施形態2のセルボックスの第9変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図16E】実施形態2のセルボックスの第10変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図17A】実施形態3のセルボックスの概略的な構成を示す平面図である。
【
図17B】実施形態3のセルボックスの第1変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図17C】実施形態3のセルボックスの第2変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図17D】実施形態3のセルボックスの第3変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図17E】実施形態3のセルボックスの第4変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図17F】実施形態3のセルボックスの第5変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【
図18】実施形態1のセルボックスの収容空間の底面を規定する底部に設けることができる突起部の他の例を示す図である。
【
図19】実施形態2セルボックスの収容空間の底面を規定する底部に設けられた突起部の拡大図である。
【
図20】実施形態2セルボックスの収容空間の底面を規定する底部に設けることができる突起部の他の例を示す図である。
【
図21】吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置を用いて従来のセルボックスの収容空間から表示パネルを取り出す場合に発生する問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施の形態について、
図1から
図21に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0010】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1のセルボックス1の概略的な構成を示す平面図である。
図2は、実施形態1のセルボックス1の収容空間3に収容されている保護シート10の一例を示す平面図である。
図3は、実施形態1のセルボックス1の概略的な構成を示す斜視図である。
図4は、実施形態1のセルボックス1の収容空間3に表示パネル20と保護シート10とが収容されている状態の斜視図である。
図5は、
図4のA-A’線の断面図であり、実施形態1のセルボックス1の収容空間3に表示パネル20と保護シート10とが収容されている状態を示す。
図6は、実施形態1のセルボックス1の収容空間3の底面を規定する底部3boに設けられた突起部4aの拡大図である。
【0011】
図1及び
図3に示すように、セルボックス1は、表示パネル20と保護シート10とが重ねられて収容される収容空間3の底面を規定する底部3boと、収容空間3の側面を規定する側壁部2とを備えている。収容空間3は、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRと、表示パネル20は配置されず保護シート10の一部が配置され得る第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4とを含む。本実施形態においては、底部3boには、4つの分離された第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4それぞれに突出する突起部が一つずつ設けられ、合計4つの突起部4a・4b・4c・4dが設けられている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。例えば、収容空間3が一つの第2空間のみを含む場合には、底部3boには、前記一つの第2空間に突出する一つの突起部が設けられていてもよく、収容空間3がN(Nは自然数である)個の分離された第2空間を含む場合には、前記N個の分離された第2空間それぞれに突出する突起部が一つずつ設けられ、合計前記N個の突起部が設けられていてもよい。また、本実施形態においては、分離された第2空間の数と突起部の数とが一致する場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、一つの第2空間に突出する複数個の突起部が設けられていてもよく、複数個の第2空間のうちの一部には突起部が設けられてなくてもよい。
【0012】
図6に示すように、突起部4aは、収容空間3の底面(すなわち、底部3boにおける収容空間3に面する上面)の法線方向に沿って延びる第1部4a1と、第1部4a1よりも前記底面から離れている第2部4a2とを含み、第2部4a2は、前記底面の法線方向から見たときに第1部4a1よりも張り出した張り出し部分PRPを有する。なお、第1部4a1と第2部4a2とは一体的に形成されている。
図6には、4つの突起部4a・4b・4c・4dのうち、一例として、突起部4aのみを図示しているが、他の3つの突起部4b・4c・4dも前記底面の法線方向に沿って延びる第1部と、前記第1部よりも前記底面から離れている第2部とを含み、前記第2部は、前記底面の法線方向から見たときに前記第1部よりも張り出した張り出し部分を有する。
【0013】
本実施形態においては、接着剤を用いて、第1部の下面と収容空間3の底面を規定する底部3boとを接着して固定することで、4つの突起部4a・4b・4c・4dのそれぞれを底部3boに設けた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。4つの突起部4a・4b・4c・4dのそれぞれを底部3boに固定して設けることができるのであれば、例えば、4つの突起部4a・4b・4c・4dのそれぞれを底部3boに差し込んでもよく、他の締結部材を用いて、4つの突起部4a・4b・4c・4dのそれぞれを底部3boに固定して設けてもよい。さらには、突起部を成型する際の許容マージンが広い場合などには、セルボックス1を成型する工程で、突起部も一緒に一体的に形成してもよい。
【0014】
図1に示すように、収容空間3の側面を規定する側壁部2は第1方向H1において互いに対向し、それぞれが第1方向H1と直交する第2方向H2に沿って延びる一対の第1側壁2a・2a’と、第2方向H2において互いに対向し、それぞれが第1方向H1に沿って延びる一対の第2側壁2b・2b’とを含む。収容空間3の側面は、一対の第1側壁2a・2b及び一対の第2側壁2b・2b’それぞれの収容空間3に面する内面2ai・2a’i・2bi・2b’iによって規定される。
【0015】
本実施形態においては、
図1に示すように、一対の第1側壁2a・2a’及び一対の第2側壁2b・2b’のうちの一対の第1側壁2a・2a’のそれぞれの内面2ai・2a’iに、収容空間3とは逆側に凹んだ2つの凹部con1・con2・con3・con4が形成されており、内面2ai・2a’iのうちの凹部con1・con2・con3・con4が形成されていない部分を内面2ai・2a’iの主部と呼ぶとき、第1空間PSRの第1方向H1の両端は、一対の第1側壁2a・2a’それぞれの内面2ai・2a’iの主部によって規定される。第1空間PSRの第2方向H2の両端は、一対の第2側壁2b・2b’それぞれの内面2bi・2b’iの主部によって規定される場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。セルボックス1においては、例えば、一対の第1側壁2a・2a’及び一対の第2側壁2b・2b’のうちの少なくとも一つの側壁2a・2a’・2b・2b’の内面2ai・2a’i・2bi・2b’iに、収容空間3とは逆側に凹んだ一つ以上の凹部が形成されていてもよい。
【0016】
本実施形態においては、上述した4つの凹部con1・con2・con3・con4それぞれが、一つずつの第2空間を規定し、4つの凹部con1・con2・con3・con4が上述した4つの分離された第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4を規定する場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。複数の凹部のうちの一部(例えば、一つ)の凹部のみが第2空間を規定してもよく、この場合には、底部3boには、第2空間を規定する凹部の個数分の突起部が設けられてもよい。すなわち、セルボックス1は、第2空間を規定しない凹部を含んでいてもよく、この第2空間を規定しない凹部には、保護シート10の一部が配置されない点及び突起部が設けられていない点において、第2空間を規定する凹部とは異なる。
【0017】
本実施形態においては、
図1に示すように、一対の第1側壁2a・2a’それぞれの第2方向H2の中央部分よりも一方側と、一対の第1側壁2a・2a’それぞれの第2方向H2の中央部分よりも他方側とのそれぞれに、第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4を規定する4つの凹部con1・con2・con3・con4が形成されている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。一対の第1側壁2a・2a’それぞれの第2方向H2の中央部分に第2空間を規定する凹部が一つずつ形成されていてもよい。
【0018】
図2に示すように、保護シート10は、収容空間3の形状に合わせて収容空間3に収容可能な形状で形成されている。具体的には、保護シート10は、4つの第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4に配置され得る4つの突出部を含む形状となっている。保護シート10は、保護シート10の第1方向H1において互いに対向する2つの端部それぞれの中央部分に切り欠き部を含む形状となっている。
【0019】
また、保護シート10には、保護シート10を収容空間3に収容した際に、上述した4つの突起部4a・4b・4c・4dそれぞれと重なる4つの位置に、4つの穴10a・10b・10c・10dが形成されている。
【0020】
図4及び
図5に示すように、セルボックス1の収容空間3には、表示パネル20と保護シート10とが交互に重ねられた積層体30が収容されている。保護シート10の一部には、収容空間3の底面の法線方向から見たときに突起部4a・4b・4c・4dよりも大きい穴10a・10b・10c・10dが形成されており、保護シート10の穴10aには突起部4aが、保護シート10の穴10bには突起部4bが、保護シート10の穴10cには突起部4cが、保護シート10の穴10dには突起部4dが、それぞれ挿入されている。
【0021】
保護シート10の4つの穴10a・10b・10c・10dそれぞれの大きさは、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50a(
図7及び
図8参照)の制御精度を考慮して決定することが好ましい。例えば、4つの穴10a・10b・10c・10dそれぞれは、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて保護シート10を取り出す場合には、保護シート10を容易に取り出すことができるが、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて表示パネル20を取り出す場合であって、表示パネル20に保護シート10が貼り付いた状態で持ち上がる際に、保護シート10が突起部4a・4b・4c・4dに当たって落ちるような大きさに適宜形成することが好ましい。
【0022】
図1に示す表示パネル20が配置され得る第1空間PSRと、
図2に示す保護シート10の形状との関係から、保護シート10は、4つの第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4に配置され得る4つの突出部を含む分、表示パネル20と保護シート10とが交互に重ねられた積層体30を前記底面の法線方向から見たときに保護シート10は表示パネル20よりも張り出した張り出し部分を有する。したがって、本実施形態のセルボックス1においては、
図4及び
図5に示すように、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRは表示パネル20と保護シート10とが交互に重ねられた積層体30が収容される収容空間3の一部であり、第1空間PSRの大きさは、収容空間3の大きさよりも小さくなっている。なお、本実施形態においては、第1空間PSRの第1方向H1の幅が第1空間PSRの第2方向H2の幅よりも大きい場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、第1空間PSRの第2方向H2の幅が第1空間PSRの第1方向H1の幅よりも大きくてもよく、第1空間PSRの第1方向H1の幅と第1空間PSRの第2方向H2の幅とが同じであってもよく、表示パネル20の形状に合わせて第1空間PSRの形状を適宜変更できる。
【0023】
図21は、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて従来のセルボックス52の収容空間から表示パネル20を取り出す場合に発生する問題点を説明するための図である。
【0024】
図21に示すように、従来のセルボックス52は、本実施形態のセルボックス1とは異なり、収容空間の底面を規定する底部に突起部が設けられてなく、従来のセルボックス52の収容空間に収容された保護シート51にも、前記突起部に対応する位置に穴が設けられていない。
【0025】
従来のセルボックス52の収容空間には、表示パネル20と保護シート51とが交互に収容されており、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて、表示パネル20及び保護シート51を交互に吸着して取り出す工程において、表示パネル20を取り出す際に、表示パネル20の裏面の貼り付き箇所ADに保護シート51が貼り付いてしまい、保護シート51が表示パネル20と共に持ち上がってしまう場合が生じていた。このような保護シート51は、表示パネル取り出し装置50aの吸着部によって吸着されていないので、セルボックス52以外の表示パネル取り出し装置50a内や予測できない位置に落下するなどして、表示パネル取り出し工程の中断を引き起こすなどの問題があった。
【0026】
図7は、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて実施形態1のセルボックス1の収容空間3から表示パネル20を取り出す場合の一例を示す図である。
図8は、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて実施形態1のセルボックス1の収容空間3から保護シート10を取り出す場合の一例を示す図である。
【0027】
図7に示すように、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いてセルボックス1の収容空間3から表示パネル20を取り出す場合に、表示パネル20の裏面の貼り付き箇所ADに保護シート10が貼り付いてしまい、保護シート10が表示パネル20と共に持ち上がりかける場合がある。
【0028】
セルボックス1は、
図6に示すように、収容空間3の底面の法線方向に沿って延びる第1部4a1と、第1部4a1よりも前記底面から離れている第2部4a2とを含み、第2部4a2は、前記底面の法線方向から見たときに第1部4a1よりも張り出した張り出し部分PRPを有する突起部4aを含む。セルボックス1においては、例えば、先端が膨らんだ棒状の突起部4a・4b・4c・4dを備えており、
図2に示す保護シート10は、穴10a・10b・10c・10dを介して対応する突起部4a・4b・4c・4dのそれぞれに嵌められている。
【0029】
図7に示すように、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いてセルボックス1の収容空間3から表示パネル20を取り出す際に、表示パネル20間に配置されている保護シート10が表示パネル20の裏面に貼り付いて表示パネル20と共に持ち上がりかけても保護シート10は4つの突起部4a・4b・4c・4dのうちの1つ以上に引っ掛かって落ちる。すなわち、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて表示パネル20を吸着して持ち上げる際に、表示パネル20の裏面の貼り付き箇所ADにおいて保護シート10が貼り付くと、保護シート10は引っ張られる方向FDに一旦引っ張られるが、吸着部を更に上昇すると、保護シート10は4つの突起部4a・4b・4c・4dのうちの1つ以上に引っ掛かるので表示パネル20の裏面から剥がれてセルボックス1内に落ちる。
【0030】
したがって、セルボックス1によれば、保護シート10が表示パネル20と共に持ち上がるのを抑制することができるとともに、保護シート10がセルボックス1以外の表示パネル取り出し装置50a内や予測できない位置に落下するなどして、表示パネル取り出し工程の中断を引き起こすことを抑制できる。
【0031】
さらに、セルボックス1によれば、突起部4a・4b・4c・4dは、表示パネル20と直接接しないので、突起部4a・4b・4c・4dの形状を、表示パネル20の取り出しを考慮した形状とする必要はないが、これに限定されることはなく、例えば、突起部4a・4b・4c・4dそれぞれの張り出し部分PRPが、少なくとも第1空間PSRとは逆側に張り出している形状の突起部を用いてもよい。
【0032】
なお、本実施形態においては、セルボックス1が4つの突起部4a・4b・4c・4dを備えている場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、セルボックス1が1つ以上の突起部を備えていれば、上述した効果を得ることができるので、突起部の数は適宜決定することができる。
【0033】
なお、
図7に示す吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いてセルボックス1の収容空間3から表示パネル20を取り出す工程の後に、
図8に示す吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いてセルボックス1の収容空間3から保護シート10を取り出す場合には、吸着部が保護シート10を垂直に持ち上げるため、突起部4a・4b・4c・4dに引っ掛かることはない。
【0034】
本実施形態においては、突起部4a・4b・4c・4d以外のセルボックス1の構成部品は全て同倍率の発泡スチロール(EPS;Expanded Polystyrene)で形成しており、突起部4a・4b・4c・4dは、突起部4a・4b・4c・4d以外のセルボックス1の構成部品の形成に用いられた発泡スチロールよりも低倍率の発泡スチロールで形成した場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、例えば、突起部4a・4b・4c・4dは、例えば、ポリエチレン(PE;Polyethylene)またはポリカーボネート(PC;Polycarbonate)などの樹脂材料で形成してもよい。なお、発泡スチロールの倍率とは、発泡倍率を意味し、倍率が高いほど、成形品の感触は柔らかく、倍率が低いほど成形品の感触は硬くなる。
【0035】
なお、発泡スチロールの成形品の製造工程は、例えば、所定の倍率の予備発泡粒を形成する工程と、前記所定の倍率の予備発泡粒を金型に投入して所定の形に成形する金型成形工程とを含む。
【0036】
なお、表示パネル20は、例えば、液晶表示パネルであってもよく、自発光型の表示パネルであってもよく、表示方式は特に限定されない。また、表示パネル20は、周辺回路部品などを実装する前のものであってもよく、周辺回路部品などが実装されているものであってもよい。例えば、表示パネル20は、配線だけのプリント基板であるPWB(Printed Wired Board)が実装されたものであってもよく、周辺回路部品が搭載されたフィルムであるSOF(System On Film)が実装されたものであってもよい。
【0037】
図18は、セルボックス1の収容空間3の底部3boに設けることができる突起部の他の例を示す図である。突起部4a・4b・4c・4dの形状は、
図6に示すような平面視円形状(第1部及び第2部のそれぞれが平面視円形状)に限られず、例えば、
図18に示すような平面視略矩形状(第1部及び第2部のそれぞれが平面視略矩形状)であってもよい。なお、
図18の例では、矩形の角が面取りされている。
図18に示す突起部も、収容空間3の底面の法線方向に沿って延びる第1部4a1と、第1部4a1よりも前記底面から離れている第2部4a2とを含み、第2部4a2は、前記底面の法線方向から見たときに第1部4a1よりも張り出した張り出し部分PRPを有する。
【0038】
〔実施形態2〕
次に、本開示の実施形態2について説明する。本実施形態のセルボックス1aにおいては、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRの第1方向H1の両端は突起部14a・14b・14c・14dによって規定され、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRの第2方向H2の両端は一対の第2側壁12b・12b’それぞれの収容空間3aに面する内面によって規定されている点において、実施形態1で説明したセルボックス1とは異なる。その他については実施形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図9は、実施形態2のセルボックス1aの概略的な構成を示す平面図である。
図10は、実施形態2のセルボックス1aの収容空間3aに収容されている保護シート10’の一例を示す平面図である。
図11は、実施形態2のセルボックス1aの概略的な構成を示す斜視図である。
図12は、実施形態2のセルボックス1aの収容空間3aに表示パネル20と保護シート10’とが収容されている状態の斜視図である。
図13は、
図12のB-B’線の断面図であり、実施形態2のセルボックス1aの収容空間3aに表示パネル20と保護シート10’とが収容されている状態を示す。また、
図13は、
図12に示すように、収容空間3aの内側から第2側壁12b’の内面を向いて見た場合のB-B’線の断面図である。また、
図13に示すX部分の部分拡大図及びY部分の部分拡大図においては、表示パネル20及び保護シート10’の切断面のハッチングは省略している。
図14は、
図12のC-C’線の断面図であり、実施形態2のセルボックス1aの収容空間3aに表示パネル20と保護シート10’とが収容されている状態を示す。また、
図14は、
図12に示すように、収容空間3aの内側から第1側壁12a’の内面を向いて見た場合のC-C’線の断面図である。また、
図14に示すZ部分の部分拡大図及びW部分の部分拡大図においては、表示パネル20及び保護シート10’の切断面のハッチングは省略している。
【0040】
図9及び
図11に示すように、セルボックス1aの収容空間3aの底面を規定する底部3boには、突起部が複数個、本実施形態においては、例えば、4つの突起部14a・14b・14c・14dが設けられている。そして、セルボックス1aの収容空間3aは、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRと、表示パネル20は配置されず保護シート10’の一部が配置され得る二つの第2空間HSR1・HSR2とを含む。第2空間HSR1は、第1空間PSRよりも第1方向H1の一方側である
図9中左側に位置し、第2空間HSR2は、第1空間PSRよりも第1方向H1の他方側である
図9中右側に位置する。第2空間HSR1には、4つの突起部14a・14b・14c・14dのうちの一部である突起部14a及び突起部14cが第1突起部として設けられており、第2空間HSR2には、4つの突起部14a・14b・14c・14dのうちの残りの一部である突起部14b及び突起部14dが第2突起部として設けられている。なお、第1突起部とは、複数の突起部のうち第2空間HSR1に設けられる突起部を意味し、第2突起部とは、複数の突起部のうち第2空間HSR2に設けられる突起部を意味する。セルボックス1aにおいては、第1空間PSRの第1方向H1の両端は、第1突起部である突起部14a及び突起部14cと、第2突起部である突起部14b及び突起部14dとによって規定され、第1空間PSRの第2方向H2の両端は、一対の第2側壁12b・12b’それぞれの収容空間3aに面する内面によって規定されている。さらに、
図9に示すように、セルボックス1aにおいては、第1空間PSRの第1方向H1の両端を規定する、第1突起部である突起部14a及び突起部14cのそれぞれと、第2突起部である突起部14b及び突起部14dのそれぞれとは、第2方向H2の位置が整合している。すなわち、突起部14aと突起部14bとは第2方向H2の位置が整合しており、突起部14cと突起部14dとは第2方向H2の位置が整合している。
【0041】
以上のように、本実施形態においては、第1突起部として2つの突起部14a及び突起部14cが、第2突起部として2つの突起部14b及び突起部14dが、それぞれ設けられている場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、一つ以上の第1突起部が第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定し、一つ以上の第2突起部が第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定するのであれば、第1突起部の数及び第2突起部の数は特に限定されない。例えば、第1突起部の数と第2突起部の数とが異なっていてもよい。また、本実施形態においては、4つの突起部14a・14b・14c・14d全てが、第1空間PSRの第1方向H1の両端を規定する突起部である場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、例えば、第1突起部と第2突起部とで構成される複数の突起部のうちには、第1空間PSRの第1方向H1の両端を規定しない突起部が含まれていてもよく、第1空間PSRの第1方向H1の両端を規定しない突起部は、第1突起部であっても第2突起部であってもよい。また、本実施形態においては、突起部14aと突起部14bとは第2方向H2の位置が整合しており、突起部14cと突起部14dとは第2方向H2の位置が整合している場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、一つ以上の第1突起部のうちの全部又は一部と一つ以上の第2突起部のうちの全部又は一部とは第2方向H2の位置が整合していなくてもよい。なお、第1突起部と第2突起部の第2方向H2の位置が整合しているとは、第2方向H2の位置が完全に一致している場合だけでなく、第2方向H2と直交する第1方向H1から見たときに、第1突起部と第2突起部の少なくとも一部が重畳する場合を含む。
【0042】
上述した実施形態1のセルボックス1においては、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRが側壁部2の一部によって規定されており、表示パネル20は側壁部2とのみ接し得る構成となっていたが、本実施形態のセルボックス1aにおいては、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRが側壁部2aの一部と、4つの突起部14a・14b・14c・14dとによって規定されており、表示パネル20は側壁部2a及び4つの突起部14a・14b・14c・14dと接し得る構成となっている。
【0043】
収容空間3aの底面を規定する底部3boに設けられた突起部14a・14b・14c・14dのそれぞれは、
図11及び
図19(突起部14aの拡大図)に示すように、収容空間3aの底面(すなわち、底部3boにおける収容空間3に面する上面)の法線方向に沿って延びる第1部と、第1部よりも前記底面から離れている第2部とを含み、第2部は、前記底面の法線方向から見たときに第1部よりも張り出した張り出し部分を有する。例えば、突起部14a・14b・14c・14dのそれぞれは、先端が膨らんだ棒状の突起部となっている。
図13のX部分及びY部分の部分拡大図及び
図14のZ部分及びW部分の部分拡大図に示すように、例えば、第2部14b2・14c2・14d2は、前記底面の法線方向から見たときに第1部14b1・14c1・14d1よりも張り出した張り出し部分を有する。
【0044】
図9及び
図11に示すように、セルボックス1aの収容空間3aは、平面視において、第1方向H1における幅が第1方向H1と直交する第2方向H2における幅よりも大きい矩形状であるので、
図10に示すように、保護シート10’も矩形状とすることが可能となる。
【0045】
保護シート10’には、保護シート10’を収容空間3aに収容した際に、上述した4つの突起部14a・14b・14c・14dそれぞれと重なる4つの位置に、4つの穴10a’・10b’・10c’・10d’が形成されている。
【0046】
図12、
図13及び
図14に示すように、セルボックス1aの収容空間3aには、表示パネル20と保護シート10’とが交互に重ねられた積層体30aが収容されている。保護シート10’の一部には、収容空間3aの底面の法線方向から見たときに突起部14a・14b・14c・14dよりも大きい穴10a’・10b’・10c’・10d’が形成されており、保護シート10’の穴10a’には突起部14aが、保護シート10’の穴10b’には突起部14bが、保護シート10’の穴10c’には突起部14cが、保護シート10’の穴10d’には突起部14dが、それぞれ挿入されている。
【0047】
4つの穴10a’・10b’・10c’・10d’それぞれの大きさは、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50a(
図7及び
図8参照)の制御精度を考慮して決定することが好ましい。例えば、4つの穴10a’・10b’・10c’・10d’それぞれは、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて保護シート10’を取り出す場合には、保護シート10’を容易に取り出すことができるが、吸着部を備えた汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いて表示パネル20を取り出す場合であって、表示パネル20に保護シート10’が貼り付いた状態で持ち上がる際に、保護シート10’が突起部14a・14b・14c・14dに当たって落ちるような大きさに適宜形成することが好ましい。
【0048】
図9に示す表示パネル20が配置され得る第1空間PSRと、
図10に示す保護シート10’の形状との関係から、本実施形態のセルボックス1aにおいては、
図12、
図13及び
図14に示すように、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRは表示パネル20と保護シート10’とが交互に重ねられた積層体30aが収容される収容空間3aの一部であり、第1空間PSRの大きさは、収容空間3aの大きさよりも小さくなっている。
図13のX部分及びY部分の部分拡大図と
図14のZ部分及びW部分の部分拡大図とに示すように、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRには、積層体30aのうちの保護シート10’と表示パネル20とが重ねられた部分が収容されており、表示パネル20は配置されず保護シート10’の一部が配置され得る第2空間HSR1・HSR2には、積層体30aのうちの保護シート10’のみが重ねられた部分(積層体30aにおける第1方向H1の両端部分)が収容されている。
【0049】
図13のX部分及びY部分の拡大図並びに
図19の突起部14aの拡大図に示すように、突起部14c・14d(突起部14a・14bも同様)のそれぞれは、第2方向H2から見たとき第1空間PSR側が平坦であり、第2部14c2・14d2の第1空間PSRとは逆側に張り出し部PRPを有している。このように、突起部の張り出し部分は、少なくとも第1空間PSRとは逆側に張り出していることが好ましい。また、第1空間PSRの端を規定する突起部(本実施形態では、第1方向H1の両端を規定する第1突起部及び第2突起部)の張り出し部分は、第1空間PSR側には張り出していないことが好ましい。後述する実施形態においても同様である。
【0050】
以上のように、セルボックス1aにおいては、突起部14a・14b・14c・14dのそれぞれは、少なくとも第1空間PSR側に張り出していないので、表示パネル20を取り出す際の表示パネル20の突起部14a・14b・14c・14dへの引っ掛かりを抑制できる。
【0051】
なお、
図13のX部分及びY部分の部分拡大図に示すように、表示パネル20が配置され得る第1空間PSRにおける突起部の内側端部IE近くには、保護シート10’のみが積層された部分があるが、この部分は、表示パネル20を汎用的な表示パネル取り出し装置50aを用いてセルボックス1aの収容空間3aに収容する工程における、装置の位置精度やセルボックスの成型時の公差を吸収するために必要となるクリアランスである。
【0052】
セルボックス1aによれば、保護シート10’が表示パネル20と共に持ち上がるのを抑制することができるとともに、保護シート10’がセルボックス1a以外の表示パネル取り出し装置50a内や予測できない位置に落下するなどして、表示パネル取り出し工程の中断を引き起こすことを抑制できる。
【0053】
図15A~
図15Eは、実施形態2のセルボックスの第1変形例~第5変形例の概略的な構成を示す平面図である。
図16A~
図16Eは、実施形態2のセルボックスの第6変形例~第10変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【0054】
図15A、
図15C及び
図15Eに示すセルボックス1b・1d・1fのように、第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定する第2空間HSR1に設けられる少なくとも一つの第1突起部は、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分に設けられた第1突起部を含み、第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定する第2空間HSR2に設けられる少なくとも一つの第2突起部は、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分に設けられた第1突起部を含んでもよい。なお、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分とは、第2空間HSR1の第2方向H2の中間位置及びその近方を意味し、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分とは、第2空間HSR2の第2方向H2の中間位置及びその近方を意味する。
【0055】
図15B~
図15Eに示すセルボックス1c・1d・1e・1fのように、第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定する少なくとも一つの第1突起部である突起部14は、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分よりも一方側に設けられた第1突起部と、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分よりも他方側に設けられた第1突起部とを含み、第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定する少なくとも一つの第2突起部である突起部14は、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分よりも一方側に設けられた第2突起部と、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分よりも他方側に設けられた第2突起部とを含んでもよい。
【0056】
図15Aに示すセルボックス1bは、突起部14の対を1組備えており、
図15Bに示すセルボックス1cは、突起部14の対を2組備えており、
図15Cに示すセルボックス1dは、突起部14の対を3組備えており、
図15Dに示すセルボックス1eは、突起部14の対を4組備えており、
図15Eに示すセルボックス1fは、突起部14の対を5組備えている。なお、
図15Bに示すセルボックス1cにおいては、2組の突起部14の対のそれぞれが収容空間3aの4隅に設けられている。
【0057】
図16A、
図16C及び
図16Eに示すセルボックス1g・1i・1kのように、第1空間PSRの第2方向H2の両端の一方側を規定する第2空間HSR3に設けられる少なくとも一つの第1突起部は、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分に設けられた第1突起部を含み、第1空間PSRの第2方向H2の両端の他方側を規定する第2空間HSR4に設けられる少なくとも一つの第2突起部は、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分に設けられた第1突起部を含んでもよい。なお、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分とは、第2空間HSR3の第1方向H1の中間位置及びその近方を意味し、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分とは、第2空間HSR4の第1方向H1の中間位置及びその近方を意味する。
【0058】
図16B~
図16Eに示すセルボックス1h・1i・1j・1kのように、第1空間PSRの第2方向H2の両端の一方側を規定する少なくとも一つの第1突起部である突起部14は、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分よりも一方側に設けられた第1突起部と、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分よりも他方側に設けられた第1突起部とを含み、第1空間PSRの第2方向H2の両端の他方側を規定する少なくとも一つの第2突起部である突起部14は、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分よりも一方側に設けられた第2突起部と、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分よりも他方側に設けられた第2突起部とを含んでもよい。
【0059】
図16Aに示すセルボックス1gは、突起部14の対を1組備えており、
図16Bに示すセルボックス1hは、突起部14の対を2組備えており、
図16Cに示すセルボックス1iは、突起部14の対を3組備えており、
図16Dに示すセルボックス1jは、突起部14の対を4組備えており、
図16Eに示すセルボックス1kは、突起部14の対を5組備えている。なお、
図16Bに示すセルボックス1hにおいては、2組の突起部14の対のそれぞれが収容空間3aの4隅に設けられている。
【0060】
図16A~
図16Eに示すセルボックス1g・1h・1i・1j・1kにおいては、突起部14の対それぞれの第1方向H1の位置が整合している場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、一つ以上の第1突起部のうちの全部又は一部と一つ以上の第2突起部のうちの全部又は一部とは第1方向H1の位置が整合していなくてもよい。なお、第1突起部と第2突起部の第1方向H1の位置が整合しているとは、第1方向H1の位置が完全に一致している場合だけでなく、第1方向H1と直交する第2方向H2から見たときに、第1突起部と第2突起部の少なくとも一部が重畳する場合を含む。
【0061】
図20は、セルボックス1a~1kの収容空間3aの底部3boに設けることができる突起部の他の例を示す図である。セルボックス1a~1kの突起部の形状は、
図19に示すような形状(すなわち、平面視円形状の第2部の第1空間PSR側の一部を切り欠いた形状)に限られず、例えば、
図20に示すような側面視L字形状(フック形状)であってもよい。
図20に示す突起部24aにおいて、収容空間3aの底面の法線方向に沿って延びる第1部24a1は、第1空間PSR側に平坦部を有する。また、第1部24a1よりも収容空間3aの底面から離れている第2部24a2は、第1部24a1から第1空間PSRとは逆側に延びて張り出し部分PRPを構成している。
図20に示す突起部24aにおいても、表示パネル20を取り出す際の表示パネル20の突起部24aへの引っ掛かりを抑制できる。なお、
図19及び
図20に示す突起部の形状は、後述する実施形態3の突起部にも適用できる。
【0062】
〔実施形態3〕
次に、
図17A~
図17Fに基づき、本開示の実施形態3について説明する。本実施形態のセルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1qにおいては、実施形態2で説明した第1方向H1に沿って設けられた第1突起部と第2突起部とで構成された突起部の対と、実施形態2で説明した第2方向H2に沿って設けられた第3突起部と第4突起部とで構成された突起部の対とを組み合わせて設けている点において、実施形態2で説明したセルボックスとは異なる。その他については実施形態2において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図17A~
図17Fは、実施形態3のセルボックス及び実施形態3のセルボックスの第1変形例~第5変形例の概略的な構成を示す平面図である。
【0064】
図17A~
図17Fに示すセルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1qにおいては、収容空間3aの底面を規定する底部3boに突起部14が複数個設けられており、第1空間PSRは、第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4に取り囲まれている。第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4における第1空間PSRよりも第1方向H1の一方側の部分、すなわち、第2空間HSR1には、前記複数個の突起部14のうちの一部である一つ以上の第1突起部が設けられている。第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4における第1空間PSRよりも第1方向H1の他方側の部分、すなわち、第2空間HSR2には、前記複数個の突起部14のうちの一部である一つ以上の第2突起部が設けられている。第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4における第1空間PSRよりも第2方向H2の一方側の部分、すなわち、第2空間HSR3には、前記複数個の突起部14のうちの一部である一つ以上の第3突起部が設けられている。第2空間HSR1・HSR2・HSR3・HSR4における第1空間PSRよりも第2方向H2の他方側の部分、すなわち、第2空間HSR4には、前記複数個の突起部14のうちの残りの一部である一つ以上の第4突起部が設けられている。第1空間PSRの第1方向H1の両端は、前記一つ以上の第1突起部のうちの少なくとも一つの第1突起部と前記一つ以上の第2突起部のうちの少なくとも一つの第2突起部とによって規定され、第1空間PSRの第2方向H2の両端は、前記一つ以上の第3突起部のうちの少なくとも一つの第3突起部と前記一つ以上の第4突起部のうちの少なくとも一つの第4突起部とによって規定されている。
【0065】
また、本実施形態においては、
図17A~
図17Fに示すセルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1qのように、第1空間PSRの第1方向H1の両端を規定する第1突起部及び第2突起部のそれぞれが第2方向H2の位置が整合しており、第1空間PSRの第2方向H2の両端を規定する第3突起部及び第4突起部のそれぞれが第1方向H1の位置が整合している場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはない。第1空間PSRの第1方向H1の両端を規定する、前記少なくとも一つの第1突起部の全部又は一部と前記少なくとも一つの第2突起部の全部又は一部とが、第2方向H2の位置が整合していなくてもよい。また、第1空間PSRの第2方向H2の両端を規定する、前記少なくとも一つの第3突起部の全部又は一部と前記少なくとも一つの第4突起部の全部又は一部とが、第1方向H1の位置が整合していなくてもよい。
【0066】
図17B、
図17D及び
図17Fに示すセルボックス1m・1o・1qにおいては、第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第1突起部は、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分に設けられた第1突起部を含み、第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第2突起部は、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分に設けられた第2突起部を含む。また、第1空間PSRの第2方向H2の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第3突起部は、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分よりも一方側に設けられた第3突起部と、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分よりも他方側に設けられた第3突起部とを含む。また、第1空間PSRの第2方向H2の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第4突起部は、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分よりも一方側に設けられた第4突起部と、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分よりも他方側に設けられた第4突起部とを含む。
【0067】
また、
図17Aに示すセルボックス1lにおいては、第1空間PSRの第2方向H2の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第3突起部は、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分に設けられた第3突起部を含み、第1空間PSRの第2方向H2の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第4突起部は、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分に設けられた第4突起部を含む。また、第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第1突起部は、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分よりも一方側に設けられた第1突起部と、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分よりも他方側に設けられた第1突起部とを含む。また、第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第2突起部は、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分よりも一方側に設けられた第2突起部と、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分よりも他方側に設けられた第2突起部とを含む。
【0068】
また、
図17C、
図17D、
図17E及び
図17Fに示すセルボックス1n・1o・1p・1qにおいては、第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第1突起部は、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分よりも一方側に設けられた第1突起部と、第2空間HSR1における第2方向H2の中央部分よりも他方側に設けられた第1突起部とを含む。また、第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第2突起部は、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分よりも一方側に設けられた第2突起部と、第2空間HSR2における第2方向H2の中央部分よりも他方側に設けられた第2突起部とを含む。また、第1空間PSRの第2方向H2の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第3突起部は、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分よりも一方側に設けられた第3突起部と、第2空間HSR3における第1方向H1の中央部分よりも他方側に設けられた第3突起部とを含む。また、第1空間PSRの第2方向H2の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第4突起部は、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分よりも一方側に設けられた第4突起部と、第2空間HSR4における第1方向H1の中央部分よりも他方側に設けられた第4突起部とを含む。
【0069】
また、
図17A~
図17Fに示すセルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1qのように、第1空間PSRの第1方向H1の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第1突起部と第1空間PSRの第1方向H1の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第2突起部と第1空間PSRの第2方向H2の両端の一方側を規定する前記少なくとも一つの第3突起部と第1空間PSRの第2方向H2の両端の他方側を規定する前記少なくとも一つの第4突起部とのそれぞれの張り出し部分PRPは、第1空間PSR側には張り出していないことが好ましい。このようなセルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1qによれば、表示パネル20を取り出す際の表示パネル20の突起部への引っ掛かりを抑制できる。
【0070】
図17A及び
図17Bに示すセルボックス1l・1mは、突起部14の対を3組備えており、
図17Cに示すセルボックス1nは、突起部14の対を4組備えており、
図17Dに示すセルボックス1oは、突起部14の対を6組備えており、
図17Eに示すセルボックス1pは、突起部14の対を8組備えており、
図17Fに示すセルボックス1qは、突起部14の対を10組備えている。
【0071】
セルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1qによれば、保護シート10’が表示パネル20と共に持ち上がるのを抑制することができるとともに、保護シート10’がセルボックス1l・1m・1n・1o・1p・1q以外の表示パネル取り出し装置50a内や予測できない位置に落下するなどして、表示パネル取り出し工程の中断を引き起こすことを抑制できる。
【0072】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0073】
1、1a~1q セルボックス
2、12 側壁部
2a、2a’ 一対の第1側壁
2b、2b’ 一対の第2側壁
2ai、2a’i、2bi、2b’i 内面
3、3a 収容空間
3bo 底部
4a~4d 突起部
4a1 突起部の第1部
4a2 突起部の第2部
10、10’ 保護シート
10a~10d、10a’~10d’ 保護シートの穴
12a、12a’ 一対の第1側壁
12b、12b’ 一対の第2側壁
14、14a~14d、24a 突起部
14b1、14c1、14d1、24a1 突起部の第1部
14b2、14c2、14d2、24a2 突起部の第2部
20 表示パネル
30、30a 保護シートと表示パネルの積層体
30’ 複数枚の保護シートの積層体
50a 汎用的な表示パネル取り出し装置
PSR 第1空間
HSR1~HSR4 第2空間
con1~con4 凹部
PRP 張り出し部分
H1 第1方向
H2 第2方向
AD 貼り付き箇所
FD 保護シートが引っ張られる方向
IE 突起部の内側端部