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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175558
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】固形廃棄物の判別方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3581 20140101AFI20241211BHJP
【FI】
G01N21/3581
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093433
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】田近 英之
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB08
2G059BB20
2G059EE01
2G059EE11
2G059GG03
2G059HH05
2G059JJ05
2G059JJ11
2G059JJ23
2G059JJ30
2G059KK01
2G059LL10
2G059MM05
(57)【要約】
【課題】 100GHz~10THzのテラヘルツ波を用いることで、樹脂内に含まれる添加剤の違いを高精度に判別する固形廃棄物の判別方法及び装置を提供する。
【解決手段】 判別に使用する電磁波生成器を順次切り替える際、電磁波生成器の周波数に応じてレンズ部への入射ビーム径を第1のビーム径調整部3で調整すると共に、周波数に依存してビーム径が異なる固形廃棄物からの出射電磁波のビーム径を、周波数に依存しない一定のビーム径へと第2のビーム径調整部6で調整した後に検出部7へ入射し、電磁波強度と材料とが対応付けられた電磁波強度情報と検出部で得られた電磁波強度とに基づいて、固形廃棄物を構成する材料を判別部8で判別する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100GHz~10THzのうちの互いに異なる周波数を有する複数の電磁波生成器を順次切り替えて各電磁波生成器から出射された電磁波が光路調整部によって同軸光路に調整された後、レンズ部によって固形廃棄物へ集光照射され、前記固形廃棄物を構成する材料を判別する、固形廃棄物の判別方法であって、
判別に使用する前記電磁波生成器を順次切り替える際、前記電磁波生成器の周波数に応じて前記レンズ部への入射ビーム径を第1のビーム径調整部で調整すると共に、前記周波数に依存してビーム径が異なる前記固形廃棄物からの出射電磁波のビーム径を、前記周波数に依存しない一定のビーム径へと第2のビーム径調整部で調整した後に検出部へ入射し、
電磁波強度と材料とが対応付けられた電磁波強度情報と前記検出部で得られた電磁波強度とに基づいて、前記固形廃棄物を構成する材料を判別部で判別する、固形廃棄物の判別方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の固形廃棄物の判別方法であって、前記固形廃棄物の裏面に電磁波に対する反射部の電磁波反射面を設置し、1回の照射で前記固形廃棄物内を表面側から裏面側に透過したのち前記電磁波反射面で反射して裏面側から表面側に透過した電磁波の電磁波強度を測定する、固形廃棄物の判別方法。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2に記載の固形廃棄物の判別方法であって、移動している前記固形廃棄物の位置を把握し、測定電磁波搬送追従機構により、測定に使用する電磁波を前記固形廃棄物の位置に追従して照射する、固形廃棄物の判別方法。
【請求項4】
前記請求項1又は請求項2に記載の判別方法であって、前記固形廃棄物を判別する前に前記固形廃棄物の厚みを厚み計測部で測定し、前記測定された固形廃棄物の厚みに基づいて前記固形廃棄物に対する判別に使用する電磁波の入射ビーム径を前記第1のビーム径調整部で調整する、固形廃棄物の判別方法。
【請求項5】
100GHz~10THzのうちの互いに異なる周波数を有する複数の電磁波生成器と、
前記複数の電磁波生成器を順次切り替えて各電磁波生成器から出射された周波数の異なる複数の電磁波を同軸光路へと調整する光路調整部と、
前記光路調整部で光路調整された電磁波のビーム径を調整する第1のビーム径調整部と、
前記第1のビーム径調整部でビーム径を調整された電磁波を固形廃棄物へと集光照射する第1のレンズ部と、
前記固形廃棄物から出射された電磁波を平行光へと変換する第2のレンズ部と、
前記第2のレンズ部で平行光化された電磁波のビーム径を調整する第2のビーム径調整部と、
前記第2のビーム径調整部でビーム径調整された電磁波の強度を検出する検出部と、
電磁波強度と材料とが対応付けられた電磁波強度情報と前記検出部で検出された電磁波の強度とに基づいて前記固形廃棄物の材料を判別する判別部と、を備える固形廃棄物の判別装置。
【請求項6】
固形廃棄物の裏面に測定に使用する電磁波に対する電磁波反射面を有する反射部を備えて、1回の照射で前記固形廃棄物内を表面側から裏面側に透過したのち前記電磁波反射面で反射して裏面側から表面側に透過した電磁波の電磁波強度を測定する、前記請求項5に記載の固形廃棄物の判別装置。
【請求項7】
移動している前記固形廃棄物の位置を把握し、電磁波を固形廃棄物の位置に追従して照射する測定電磁波搬送追従機構を備える前記請求項5に記載の固形廃棄物の判別装置。
【請求項8】
前記固形廃棄物の厚みを測定する厚み計測部をさらに備えて、前記厚み計測部での厚み測定の結果に基づいて前記固形廃棄物への入射ビーム径を前記第1のビーム径調整部で調整する、前記請求項5に記載の固形廃棄物の判別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形廃棄物の構成材料を推定し、判別する固形廃棄物の判別方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大量消費及び大量廃棄型の経済活動によって、地球温暖化または資源の枯渇など、地球規規模での環境問題が発生している。
【0003】
このような状況の中、資源循環型社会の構築に向けて、日本国内では、平成13年4月から家電リサイクル法が施行され、使用済みの家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、及び衣類乾燥機など)のリサイクルが義務づけられており、使用済みの家電製品は、家電リサイクル工場で破砕されて小片となった後に、磁気、風力、又は振動などを利用して、材種ごとに選別回収され、リサイクル材料として再資源化されている。樹脂材料においては、ポリプロピレン(以下、PPと表記。)、ポリスチレン(以下、PSと表記。)、又はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(以下、ABSと表記。)が家電製品に多く用いられており、樹脂の分子構造による近赤外線領域の吸光特性を利用した選別装置によって、樹脂種ごとに選別回収されている。
【0004】
しかしながら、近赤外線領域の吸光特性を利用した選別装置は、樹脂の母材を選別することは可能だが、樹脂内に含まれる添加剤の違いを判別することは困難であった。その為、使用されている添加剤が不明な樹脂を再利用する際は、母材ごとに選別し、添加剤が異なる樹脂を混ぜて再生利用することになるため、元の製品の品質には戻らないカスケードリサイクルになることが一般的であった。
【0005】
一方で、近年、世界規模で環境対策に向けた法規制化が進み、EU及び中国では自動車、家電製品などの一般製品生産時の再生プラスチック使用量の2025年における目標値が明示されるなど、良質な再生樹脂の需要が急速に高まっている。この需要を満たす為には、元の製品同等の品質に戻す水平リサイクルの拡大が必要であり、その為に、樹脂内の添加剤を含めた選別を可能にすることが求められている。
【0006】
樹脂内の添加剤の違いを検出する方法として、物質の分子間振動を検出することが可能な100GHz~10THzの領域の周波数帯の電磁波(テラヘルツ波)を利用した選別方法がある。(例えば、特許文献1参照。)特許文献1に記載の技術では、図11に示すように、複数の第1周波数検出部171Dと、複数の第2周波数検出部172Dと、搬送部3Dと、を備えている。
図11における各第1周波数検出部171Dは、10GHz~10THzのいずれかの周波数を有する電磁波源1711Dと、絞り部1712Dと、レンズ部1713Dと、透過波検出部1714Dと、反射波検出部1715Dと、を備えており、電磁波源1711Dにより生成され、かつ、絞り部1712Dを通過した電磁波は、レンズ部1713Dにより第3直線L3に平行な平行光へと変換されて固形廃棄物202へと照射される。このような構成により、透過波検出部1714Dが固形廃棄物202を透過することにより固形廃棄物202から出射された電磁波の強度を検出すると共に、反射検出部1715Dが、固形廃棄物202にて反射されることにより固形廃棄物202から出射された電磁波の強度を検出する。
第1周波数検出部171Dと同様の構成を持ち、第1周波数と異なる第2周波数を有する電磁波を生成する電磁波源1721Dを有する第2周波数検出部172Dにおいても、第1周波数検出部171Dと比べて搬送部3Dにおける搬送時間だけ遅れた時間に置いて、透過波検出部1724Dが固形廃棄物202を透過することにより固形廃棄物202から出射された電磁波の強度を検出すると共に、反射検出部1725Dが、固形廃棄物202にて反射されることにより固形廃棄物202から出射された電磁波の強度を検出する。
推定装置1Dは、これらは第1周波数検出部171Dと第2周波数検出部172Dで検出された各透過強度と反射強度を使用し、周波数間の透過強度差又は反射強度差に基づき、固形廃棄物202の構成を判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-120625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電磁波は媒質又は空間を伝わる際に障害物が存在すると、その背後に回り込む回折という現象が発生する特徴を有している。この回折の影響は伝搬する電磁波の周波数が低いほど大きくなる特徴を持つ。10GHz~10THzの周波数を有するテラヘルツ波においては、従来の分光計測で一般的に使用される可視光~近赤外光に対し、周波数が1/10と低く、障害物の裏面にテラヘルツ波が回り込む回折の影響が大きくなる。
【0009】
しかしながら、前記従来の構成では、電磁波源1711D、及び、電磁波源1721Dから出射されたテラヘルツ波をレンズ部1713D、及び、レンズ部1723Dによって平行光化されて固形廃棄物202に照射しており、この構成では固形廃棄物202の端面付近に照射されたテラヘルツ波が、回折現象によって固形廃棄物202の裏面に回り込み、透過波検出部1714D、及び、透過波検出部1724Dへと入射してしまう。又は、固形廃棄物202の裏面に回り込んだテラヘルツ波が、固形廃棄物202以外の反射源によって反射され、反射検出部1715D、及び、反射検出部1725Dに入射してしまう。従って、透過波検出部1714D、及び、透過波検出部1724D、反射検出部1715D、及び、反射検出部1725Dで検出されたテラヘルツ波強度が、電磁波源1711D、及び、電磁波源1712Dによって発生されたテラヘルツ波と固形廃棄物202から出射されたテラヘルツ波が混在してしまう。
【0010】
上記推定装置においては、固形廃棄物を透過、及び反射する際に固形廃棄物から出射される電磁波の強度に基づいて固形廃棄物を構成する材料を推定する装置である。
しかしながら、電磁波源から出射されるテラヘルツ波と、固形廃棄物から出射されるテラヘルツ波が混在した強度になってしまうと、固形廃棄物を構成する材料を推定することが困難になる。換言すると、上記推定装置に置いては、固形廃棄物を構成する材料を高い精度にて推定出来ないという課題があった。
【0011】
本発明の目的は、固形廃棄物を構成する材料を高い精度で判別できる固形廃棄物の判別方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる固形廃棄物の判別方法によれば、
100GHz~10THzのうちの互いに異なる周波数を有する複数の電磁波生成器を順次切り替えて各電磁波生成器から出射された電磁波が光路調整部によって同軸光路に調整された後、レンズ部によって固形廃棄物へ集光照射され、前記固形廃棄物を構成する材料を判別する、固形廃棄物の判別方法であって、
判別に使用する前記電磁波生成器を順次切り替える際、前記電磁波生成器の周波数に応じて前記レンズ部への入射ビーム径を第1のビーム径調整部で調整すると共に、前記周波数に依存してビーム径が異なる前記固形廃棄物からの出射電磁波のビーム径を、前記周波数に依存しない一定のビーム径へと第2のビーム径調整部で調整した後に検出部へ入射し、
電磁波強度と材料とが対応付けられた電磁波強度情報と前記検出部で得られた電磁波強度とに基づいて、前記固形廃棄物を構成する材料を判別部で判別する。
また、上記目的を達成するために、本発明の別の態様にかかる固形廃棄物の判別装置によれば、
100GHz~10THzのうちの互いに異なる周波数を有する複数の電磁波生成器と、
前記複数の電磁波生成器を順次切り替えて各電磁波生成器から出射された周波数の異なる複数の電磁波を同軸光路へと調整する光路調整部と、
前記光路調整部で光路調整された電磁波のビーム径を調整する第1のビーム径調整部と、
前記第1のビーム径調整部でビーム径を調整された電磁波を固形廃棄物へと集光照射する第1のレンズ部と、
前記固形廃棄物から出射された電磁波を平行光へと変換する第2のレンズ部と、
前記第2のレンズ部で平行光化された電磁波のビーム径を調整する第2のビーム径調整部と、
前記第2のビーム径調整部でビーム径調整された電磁波の強度を検出する検出部と、
電磁波強度と材料とが対応付けられた電磁波強度情報と前記検出部で検出された電磁波の強度とに基づいて前記固形廃棄物の材料を判別する判別部と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の前記態様にかかる固形廃棄物の判別方法及び装置によれば、固形廃棄物に対して周波数の異なる電磁波を同一のビーム径で集光照射することが可能となり、回折の影響を受けることなく、固形廃棄物を透過した電磁波の強度を測定することができて、固形廃棄物を構成する材料を高い精度で判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1における判別装置を表す図
図2】本発明の実施の形態1における判別装置における判定動作の順番を表す図
図3】本発明の実施の形態1における変形例の判別装置を表す図
図4】ポリプロピレンの透過率の、電磁波の周波数に対する変化を表すグラフ
図5】本発明の実施の形態2における判別装置を表す図
図6】本発明の実施の形態3における判別装置を表す図
図7】本発明の実施の形態3における判別装置における判定動作の順番を表す図
図8】本発明の実施の形態4における判別装置を表す図
図9A】本発明の実施の形態4における判別装置を表す図
図9B】本発明の実施の形態4における判別装置を表す図
図10】本発明の実施の形態4における判別装置における判定動作の順番を表す図
図11】従来技術の実施の形態における推定装置を表す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態にかかる固形廃棄物の判別方法及び装置について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における固形廃棄物の判別方法を実施可能な判別装置の模式図である。
【0016】
図1の判別装置は、電磁波生成部1と、光路調整部2と、第1のビーム径調整部3と、第1のレンズ部4と、第2のレンズ部5と、第2のビーム径調整部6と、検出部7と、判別部8とを備える。さらに、図1の判別装置は、制御部100も備える。
電磁波生成部1は、100GHz~10THzのうちの互いに異なる電磁波を生成する複数の電磁波源1a,1b,1cを有する電磁波生成器である。
光路調整部2は、電磁波生成部1で生成された周波数の異なる複数の電磁波を同軸光路へと調整する。
第1のビーム径調整部3は、電磁波生成部1の周波数に応じて、光路調整部2で光路調整された電磁波のビーム径を調整する。
第1のレンズ部4は、第1のビーム径調整部3でビーム径調整された電磁波を載置台43上の固形廃棄物15へと集光させる。
第2のレンズ部5は、電磁波が集光された固形廃棄物15から出射されて載置台43を透過した電磁波を平行光化する。
第2のビーム径調整部6は、第2のレンズ部5によって平行光化された電磁波のビーム径を調整する。
検出部7は、第2のビーム径調整部6でビーム径調整された電磁波の強度を検出する。
判別部8は、検出部7で検出された電磁波の強度に基づいて材料を判別する。
制御部100は、第1のビーム径調整部3と、第2のビーム径調整部6と、検出部7と、判別部8となどの動作制御を行う。制御部100は演算部101を有して、判別動作のための各種演算を可能としている。なお、図3以降では、制御部100と演算部101との図示を省略している場合がある。
【0017】
以下、これらの構成について詳しく説明する。
電磁波生成部1は、前記したように、100GHz~10THzの互いに異なるいずれかの周波数の電磁波をそれぞれ生成する、電磁波生成器の一例としての複数の電磁波源1a,1b,1cを保有する。本例では、3個の電磁波源1a,1b,1cを保有しており、それぞれの周波数は100GHz、360GHz、600GHzである。更に、これら3個の電磁波源1a,1b,1cは、順次切り替えて各電磁波源1a,1b,1cから出射された電磁波が、光路調整部2に対して所定の入射角で入射するように、各周波数に基づき、光路調整部2に対して所定の角度で固定されている。
【0018】
電磁波生成部1が保有する各電磁波源1a,1b,1cと、光路調整部2との間には第3のレンズ部10がそれぞれ配置されており、各電磁波源1a,1b,1cから出射された電磁波を平行光化し、光路調整部2の同じ位置へと入射する。
【0019】
更に、第3のレンズ部10と光路調整部2の間には、制御部100の制御に基づきそれぞれが個別動作可能な電磁波遮蔽部9であるシャッターが配置されている。これらの電磁波遮蔽部9は、制御部100の制御に基づき順番に開閉を切り替えることで一度の測定に使用する電磁波の周波数を1種類に限定することを目的としている。これは、複数の電磁波源1a,1b,1cから出射された電磁波が光路調整部2に対し、同軸光路に同時に入射すると、干渉により強度が変調してしまい、判別精度が低下することを防ぐためである。
光路調整部2は、透過型の回折格子で構成されており、電磁波生成部1内の複数の電磁波源1a,1b,1cからそれぞれ出射された電磁波を同一光軸の光路へと調整する。このとき、光路調整部2に対する各電磁波源1a,1b,1cの配置は、式1に従って定めることができ、式1中に記載の光路調整部2を透過後の電磁波の出射角θtが同一光路になるように、光路調整部2に対する各電磁波源1a,1b,1cの周波数に依存する入射角度θcを設定する。
(式1) a[sin(θc) ― sin(θt)]=λ
ここで、aは回折格子のスリットの間隔を示す。また、λは測定電磁波の波長を示しており、周波数の逆数と光速を掛け合わせることで求まる値である。
【0020】
第1のビーム径調整部3は、移動不可に固定された固定レンズ11と、制御部100の制御に基づき移動機構3aにより光軸方向に進退移動可能な可動レンズ12とで構成されており、第1のレンズ部4によって固形廃棄物15に照射される際のビーム径を測定に使用する電磁波の周波数に依存せずに同一にするために、可動レンズ12を光軸方向に移動させ、光路調整部2で光路調整された電磁波のビーム径の調整を行う。入射ビーム径の倍率に合わせて可動レンズ12を光軸方向に動かすことで、ビーム径の調整を行う。
【0021】
第1のレンズ部4は、レンズにより、第1のビーム径調整部3によってビーム径を調整された電磁波を、第1の反射ミラー41を介して、固形廃棄物15に集光照射する。
【0022】
第2のレンズ部5は、レンズにより、固形廃棄物15から出射された電磁波を平行光化したのち、第2の反射ミラー42を介して、第2のビーム径調整部6に入射する。
第2のビーム径調整部6は、第1のビーム径調整部3と同様に、移動不可に固定された固定レンズ13と、制御部100の制御に基づき移動機構6aにより光軸方向に進退移動可能な可動レンズ14とで構成されており、第2のレンズ部5によって平行光化された電磁波のビーム径を検出部7の検出素子と同等になるように調整する。固形廃棄物15から出射された電磁波が第2のレンズ部5を透過した後のビーム径は、電磁波の周波数に依存してビーム径が異なる。このときの電磁波のビーム径と検出部7の大きさとの比率に基づき、可動レンズ14を光軸方向に移動させることにより測定電磁波のビーム径を調整し、電磁波の周波数に依存せずに同じビーム径で検出部7に入射することを実現する。
【0023】
検出部7は入射した電磁波の強度を検出する。
判別部8は、検出部7により検出された電磁波の強度と、判別部8に記憶されている電磁波強度情報とに基づき、固形廃棄物15を構成する材料を判別する。電磁波強度情報は、電磁波強度と材料とが対応付けられたものであって、検出された電磁波の強度に基づいて材料を特定できる情報である。
【0024】
この電磁波強度情報は、判別対象となる樹脂を測定する前に一般的なテラヘルツ分光計を用いて実験的に取得しておくものであり、例えば添加剤無しのポリプロピレンにおいては、100GHzの透過率は70%、360GHzの透過率は89%、500GHzの透過率は92%という値になる。また、添加剤としてガラスファイバーを含んだポリプロピレンについては、100GHzの透過率は70%、360GHzの透過率は68%、500GHzの透過率は58%といった値となる。
【0025】
図2は本実施の形態1における固形廃棄物の判別方法の測定を含む判定動作の順番を表している。各ステップの動作は制御部100での制御の下に実施される。
まず、ステップS1では、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6とを稼働させて、1番目に測定する電磁波源例えば1aの電磁波の周波数に合わせたビーム径に調整する。
次いで、ステップS2では、1番目に測定を行う電磁波源例えば1aの前に設置されている電磁波遮蔽部9を開く。
次いで、ステップS3では、検出部7で、電磁波源1aから出射されて固形廃棄物15を透過してきた電磁波強度を測定する。
次いで、ステップS4では、検出部7で取得された電磁波強度を判別部8で記録する。
次いで、ステップS5では、1番目に測定を行った電磁波源1aの前に設置されている電磁波遮蔽部9を閉じる。
次いで、ステップS6では、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6とを稼働し、2番目に測定する電磁波源例えば1bの電磁波の周波数に合わせたビーム径に調整する。
次いで、ステップS7では、2番目に測定を行う電磁波源1bの前に設置されている電磁波遮蔽部9を開く。
ステップS8では、検出部7で、電磁波源1bから出射されて固形廃棄物15を透過してきた電磁波強度を測定する。
次いで、ステップS9では、検出部7で取得された電磁波強度を判別部8で記録する。
次いで、ステップS10では、2番目に測定を行った電磁波源1bの前に設置されている電磁波遮蔽部9を閉じる。
次いで、ステップS11では、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6を稼働し、3番目に測定する電磁波源例えば1cの電磁波の周波数に合わせたビーム径に調整する。
次いで、ステップS12では、3番目に測定を行う電磁波源1cの前に設置されている電磁波遮蔽部9を開く。
次いで、ステップS13では、検出部7で、電磁波源1cから出射されて固形廃棄物15を透過してきた電磁波強度を測定する。
次いで、ステップS14では、検出部7で取得された電磁波強度を判別部8で記録する。
次いで、ステップS15では、3番目に測定を行った電磁波源1cの前に設置されている電磁波遮蔽部9を閉じる。
次いで、ステップS16では、判別部8が取得した全周波数の電磁波強度と電磁波強度情報とを基に固形廃棄物15を構成する材料を判別部8で判別する。
【0026】
なお、本実施の形態において、電磁波生成部1からの出射される周波数の異なる複数の電磁波を同一光路に調整する光路調整部として光路調整部2を設けているが、図3に示すような反射型の回折格子2aであってもよい。
【0027】
図4は、ポリプロピレンが主成分であるプラスチックの透過率の、電磁波の周波数に対する変化を表す。データD1は添加剤を含まないポリプロピレンを示し、データD2はタルクを添加剤として含むポリプロピレンを示し、データD3はガラスファイバーを添加剤として含むポリプロピレンを示す。
【0028】
図4が示すように、100GHzの周波数においては3つの樹脂の間で透過率の差は大きくないが、360GHzと600GHzとの周波数においては、添加材無しのポリプロピレンとその他2種の添加剤入りポリプロピレンとの間では透過率差は顕著となる。例えば、これら3つの周波数の透過率の傾きを用いることで、固形廃棄物15を構成する材料を高い精度で判別することが出来る。すなわち、基本的には、各樹脂に対する測定で得られる電磁波強度を基に透過率を算出し、算出される透過率の値を基に樹脂の材質を同定する。その他の方法として、取得した複数の周波数の透過率の値の傾き又は比率などを用いて樹脂の材質を同定することもできる。
【0029】
なお、透過率の傾きの代わりに、異なる周波数の透過率の比率を用いて、固形廃棄物15を構成する材料を判別しても良い。
かかる構成によれば、電磁波源1a,1b,1cの周波数に基づいて電磁波のビーム径を調整する第1のビーム径調整部3の作用によって第1のレンズ部4に入射するビーム径を調整することに加え、第1のレンズ部4の作用により固形廃棄物15へ電磁波を集光照射することにより、周波数に依存せずに電磁波を同一集光径で集光照射することが可能となり、固形廃棄物15の端面において発生する回折の影響を最小化させることが出来ることに加え、測定時に電磁波が固形廃棄物15内を透過する体積を周波数に依存せず同等にすることが出来る。この為、複数の周波数のデータ間の感度差が発生することを抑制することが可能となり、固形廃棄物15を構成する材料を高い精度で判別することが出来る。
【0030】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における固形廃棄物の判別方法を実施可能な判別装置の模式図である。図5において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図5の判別装置は、第1実施形態の判別装置に加え、反射部16の電磁波反射面16aと、ビームスプリッター17とを備えるように構成されている。
反射部16の電磁波反射面16aは、固形廃棄物15の電磁波の入射側とは反対側の固形廃棄物15の裏面(すなわち図5では下面)に配置されている。
ビームスプリッター17は、光路において、第1のビーム径調整部3と第1のレンズ部4との間、具体的には、第1のビーム径調整部3と第1のミラー41との間に配置されている。
【0031】
反射部16は、固形廃棄物15に入射された電磁波を、固形廃棄物15の裏面の電磁波反射面16aで反射し、かつ反射した電磁波を入射時と同軸で固形廃棄物15を再び透過して第1のレンズ部4に入射させることを可能とする。
【0032】
電磁波反射面16aは、100GHz~10THzの周波数の電磁波に対して、高い反射率を示す物質が望ましい。そのような物質としては、例えば、金属又はシリコンなどが挙げられる。
【0033】
ビームスプリッター17は、電磁波反射面16aから反射された電磁波を、固形廃棄物15への入射電磁波と分離して検出部7へと入射することを可能とする。
【0034】
かかる構成によれば、電磁波反射面16aにより固形廃棄物15内を2度透過した際の透過率のデータを取得することが可能となることから、樹脂間の各周波数の透過率差が顕著となり、判別部8において固形廃棄物15を構成する材料を判別する精度を更に向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態2における判定動作の順番は、実施の形態1と同様、図2に示す通りである。
【0035】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における固形廃棄物の判別方法を実施可能な判別装置の模式図である。図6において、図1および図5と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0036】
図6の判別装置は、第2実施形態の判別装置に加え、搬送部18と、電磁波搬送追従機構21とを備えるように構成されている。
搬送部18は、固形廃棄物15を載置して搬送移動可能に配置されている。
電磁波搬送追従機構21は、第1のミラー41に代えて配置されている。
【0037】
搬送部18は、一対のローラー19と、ベルト20と、を備える。
本実施の形態3では、一対のローラー19のうちの少なくとも一方のローラー19を回転駆動してベルト20を進退させるモータなどの駆動部19aを備える。
【0038】
ベルト20は、一対のローラー19に巻回される。ベルト20は、100GHz~10THzの周波数を有する電磁波に対して、高い透過性を示す材質からなる。例えばプラスチック又はゴムなどが挙げられる。本実施の形態3においては、一例として、ベルト20の主成分はポリウレタンからなる。
【0039】
ベルト20の上側の走行駆動領域の下方に電磁波反射面16aが配置されており、
ベルト20の上側の走行駆動領域の上面に固形廃棄物15が載置されて、例えば搬入位置から電磁波照射位置を経て搬出位置まで搬送される。ベルト20の走行駆動領域の電磁波照射位置では、固形廃棄物15に入射された電磁波を、固形廃棄物15の裏面のベルト20を透過して電磁波反射面16aで反射し、かつ反射した電磁波を入射時と同軸でベルト20及び固形廃棄物15を再び透過して第1のレンズ部4に入射させる。
【0040】
電磁波搬送追従機構21は、第1のビーム径調整部3からの電磁波を第1のレンズ部4へ屈曲させる照射角度を変更可能な1軸のガルバノミラーで構成されている。電磁波搬送追従機構21は、電磁波遮蔽部9による測定に使用する電磁波源1a,1b,1cの切替時間と、搬送部18の搬送速度とに基づき、モータなどの駆動部21aの駆動により測定電磁波の出射角度を変化させる。
【0041】
図7は本実施の形態3における固形廃棄物の判別方法の測定を含む判定動作の順番を表している。各ステップの動作は制御部100での制御の下に実施される。
まず、ステップT1では、搬送部18の搬入位置に取り付けられている、図示しないセンサー(例えば近接センサー)により測定対象物である固形廃棄物15を検出して制御部100に通知する。
次いで、ステップT2では、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6とを稼働させて、1番目に測定する電磁波源例えば1aの電磁波の周波数に合わせたビーム径に調整する。
次いで、ステップT3では、搬送部18の搬送速度と搬送部18の搬入位置に取り付けられている近接センサーによって固形廃棄物15を検出してからの時間とから演算部101で求まる固形廃棄物15の搬送位置に対し、測定に使用する電磁波が照射されるように電磁波搬送追従機構21の角度を調整する。
次いで、ステップT4では、1番目に測定を行う電磁波源例えば1aの前に設置されている電磁波遮蔽部9を開く。
次いで、ステップT5では、検出部7で、電磁波源1aから出射されて固形廃棄物15を透過してきた電磁波強度を測定する。
次いで、ステップT6では、検出部7で取得された電磁波強度を判別部8で記録する。
次いで、ステップT7では、1番目に測定を行った電磁波源1aの前に設置されている電磁波遮蔽部9を閉じる。
次いで、ステップT8では、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6とを稼働し、2番目に測定する電磁波源例えば1bの電磁波の周波数に合わせたビーム径に調整する。
次いで、ステップT9では、2番目に測定を行う電磁波源1bの前に設置されている電磁波遮蔽部9を開く。
次いで、ステップT10では、搬送部18の搬送速度と近接センサーによって固形廃棄物15を検出してからステップT9で電磁波遮蔽部9を開くまでに要した時間とから演算部101で求まる固形廃棄物15の搬送位置に対し、測定に使用する電磁波が照射されるように電磁波搬送追従機構21の角度を調整する。
次いで、ステップT11では、検出部7で、電磁波源1bから出射されて固形廃棄物15を透過してきた電磁波強度を測定する。
次いで、ステップT12では、検出部7で取得された電磁波強度を判別部8で記録する。
次いで、ステップT13では、2番目に測定を行った電磁波源1bの前に設置されている電磁波遮蔽部9を閉じる。
次いで、ステップT14では、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6とを稼働し、3番目に測定する電磁波源例えば1cの電磁波の周波数に合わせたビーム径に調整する。
次いで、ステップT15では、3番目に測定を行う電磁波源1cの前に設置されている電磁波遮蔽部9を開く。
次いで、ステップT16では、搬送部18の搬送速度と近接センサーによって固形廃棄物15を検出してからステップT15で電磁波遮蔽部9を開くまでに要した時間とから演算部101で求まる固形廃棄物15の搬送位置に対し、測定に使用する電磁波が照射されるように電磁波搬送追従機構21の角度を調整する。
次いで、ステップT17では、検出部7で、電磁波源1cから出射されて固形廃棄物15を透過してきた電磁波強度を測定する。
次いで、ステップT18では、検出部7で取得された電磁波強度を判別部8で記録する。
次いで、ステップT19では、3番目に測定を行った電磁波源1cの前に設置されている電磁波遮蔽部9を閉じる。
次いで、ステップT20では、判別部8が取得した全周波数の電磁波強度と電磁波強度情報とを基に固形廃棄物15を構成する材料を判別部8で判別する。
かかる構成によれば、制御部100での制御の下に、測定に使用する電磁波源1a,1b,1cの切替時間における、搬送部18の作用によって移動する固形廃棄物15の移動距離に基づき、電磁波搬送追従機構21の照射角度を調整することで、周波数の異なる複数の電磁波源1a,1b,1cを使用した場合でも、搬送中の固形廃棄物15に常に電磁波を照射することが可能となり、固形廃棄物15を構成する材料を高い精度で判別することが可能となる。
【0042】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における固形廃棄物の判別方法を実施可能な判別装置の模式図である。図8において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0043】
図8の判別装置は、第3実施形態の判別装置に加え、固形廃棄物15の厚み計測部22を備えるように構成されている。
【0044】
ところで、図1に示す判別装置では、固形廃棄物15に対して電磁波を集光して照射している為、図9Aに示す通り、大気中と固形廃棄物15の界面で屈折が発生する。もし、測定対象となる固形廃棄物15の厚みが増した場合、図9Bに示す通り、電磁波反射面16aに達する前に固形廃棄物15内で集光されてしまい、電磁波反射面16aからの反射光が第1のレンズ部4に戻る際の電磁波のビーム径が入射時と異なる。この為、第2のビーム径調整部6でビーム径を調整した場合でも、検出部7よりも大きくなり、検出部7で検出される電磁波強度が、電磁波反射面16aで反射された時の強度よりも低くなってしまう。言い換えれば、固形廃棄物15を構成する材料の判別精度が低下してしまう。
【0045】
図8に示すように、固形廃棄物15の厚み計測部22は、固形廃棄物15への電磁波照射位置に対して、搬送部18の搬送方向の手前すなわち上流側に配置されている。固形廃棄物15の厚み計測部22は、搬送部18の作用により固形廃棄物15を下流側へと搬送させながら厚みの計測を行い、測定された固形廃棄物15の厚みデータを判別部8へと転送する。
【0046】
判別部8は、固形廃棄物15の厚み計測部22で取得された固形廃棄物15の厚みデータに基づき、第1のレンズ部4によって電磁波が集光される位置が電磁波反射面16a上になるように、第1のビーム径調整部3の可動レンズ12を動かす。すなわち、測定された固形廃棄物15の厚みに基づいて、固形廃棄物15に対する測定に使用する電磁波の入射ビーム径を第1のビーム径調整部3で調整する。
【0047】
更に電磁波反射面16aで反射された電磁波のビーム径を検出部7の検出素子と同じになるように、第2のビーム径調整部6の可動レンズ14を調整する。
【0048】
図10は、本実施の形態4における固形廃棄物の判別方法の測定を含む判定動作の順番を表しており、各ステップの動作は制御部100での制御の下に実施される。ここでは、図7に示した実施の形態3の測定を含む判定動作の順番のステップT1とステップT2との間に、ステップU2とステップU3が追加されている。
ステップU2において、固形廃棄物15の厚み計測部22により固形廃棄物15の厚みを計測する。
次いで、ステップU3において、固形廃棄物15の厚み計測部22の測定結果を判別部8で記録する。
次いで、ステップT2で、第1のビーム径調整部3と第2のビーム径調整部6とを稼働させるとき、厚み計測部22で取得され判別部8に記録された固形廃棄物15の厚みデータに基づき、第1のレンズ部4によって電磁波が集光される位置が電磁波反射面16a上になるように、第1のビーム径調整部3の可動レンズ12を動かす。この動作は、ステップT8、T14でも同様に実施する。
かかる構成によると、固形廃棄物15の厚みと測定に使用する電磁波の周波数とに寄らず、回折の影響なしに同一条件での電磁波強度測定が可能となり、固形廃棄物15を構成する材料を高精度に判別することが可能となる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の前記態様による、固形廃棄物の判別方法及び装置を用いることにより、特に樹脂内に含まれる添加剤が異なる樹脂種を高精度に判別することが可能となる。従来、母材の樹脂種に基づく判別は可能であったが、添加剤の違いを高精度に判別することは困難であった。この課題を解決することにより、前記固形廃棄物の判定方法及び装置では、更なる樹脂の活用促進が可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1 電磁波生成部
1a,1b,1c 電磁波源
2 光路調整部
2a 反射型の回折格子
3 第1のビーム径調整部
3a 移動機構
4 第1のレンズ部
5 第2のレンズ部
6 第2のビーム径調整部
6a 移動機構
7 検出部
8 判別部
9 電磁波遮蔽部
10 第3のレンズ部
11 固定レンズ
12 可動レンズ
13 固定レンズ
14 可動レンズ
15 固形廃棄物
16 反射部
16a 電磁波反射面
17 ビームスプリッター
18 搬送部
19 ローラー
19a 駆動部
20 ベルト
21 電磁波搬送追従機構
21a 駆動部
22 固形廃棄物の厚み計測部
41 第1のミラー
42 第2のミラー
43 載置台
100 制御部
101 演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11