(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175559
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
A47B 67/02 20060101AFI20241211BHJP
A47K 1/02 20060101ALI20241211BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
A47B67/02 502E
A47K1/02 B
A47K1/02 C
A47K1/00 V
A47B67/02 502D
A47B67/02 502G
A47B67/02 503A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093434
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】西村 夏子
(57)【要約】
【課題】意図せずに照明を操作してしまうことを抑制可能な洗面化粧台を提供することを目的とする。
【解決手段】収納部と、前記収納部よりも前方に位置し、鏡面を含む前面を有する複数の鏡と、照明センサの検知結果によって操作される照明と、を備え、前記複数の鏡は、第1鏡と、前記第1鏡と左右方向において並ぶ第2鏡と、を含み、前記第1鏡は、閉じた状態において前記収納部の前方の一部を覆うように、左右方向に開閉可能に支持され、前記照明センサは、前記第1鏡よりも下方を検知し、前記第1鏡は、前記第1鏡の前面に設けられた開放操作部を有し、前記開放操作部が操作されることにより開くことを特徴とする洗面化粧台が提供される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部と、
前記収納部よりも前方に位置し、鏡面を含む前面を有する複数の鏡と、
照明センサの検知結果によって操作される照明と、
を備え、
前記複数の鏡は、第1鏡と、前記第1鏡と左右方向において並ぶ第2鏡と、を含み、
前記第1鏡は、閉じた状態において前記収納部の前方の一部を覆うように、左右方向に開閉可能に支持され、
前記照明センサは、前記第1鏡よりも下方を検知し、
前記第1鏡は、前記第1鏡の前面に設けられた開放操作部を有し、前記開放操作部が操作されることにより開くことを特徴とする洗面化粧台。
【請求項2】
前記第1鏡の後方に設けられたラッチ機構をさらに備え、
前記ラッチ機構は、前記収納部の前方を覆う閉位置に前記第1鏡をラッチし、前記第1鏡をラッチした状態において前記第1鏡の前記前面の一部が後方へ押されると、前記第1鏡のラッチを解除して、前記第1鏡を前方へ押し出すことを特徴とする請求項1に記載の洗面化粧台。
【請求項3】
吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、
前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、
前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、
前記ラッチ機構は、前記水栓ユニットと前記仕切板との間の隙間に位置することを特徴とする請求項2に記載の洗面化粧台。
【請求項4】
前記水栓ユニットは、前記水栓ユニットの前面よりも後方に凹んだ後方部を有し、
前記隙間は、前記後方部の前方であることを特徴とする請求項3に記載の洗面化粧台。
【請求項5】
前記水栓ユニットは、前記隙間の下方を覆う壁部を有することを特徴とする請求項4に記載の洗面化粧台。
【請求項6】
吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、
前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、
前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、
前記ラッチ機構は前記仕切板の下端に位置することを特徴とする請求項2に記載の洗面化粧台。
【請求項7】
吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、
前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、
前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、
前記仕切板は、前方に開口する穴部を有し、
前記ラッチ機構は、前記穴部に配置されることを特徴とする請求項2に記載の洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
検知範囲内の物体を検知するセンサを、機器を操作するスイッチに用いる技術が提案されている。これにより、使用者は、スイッチに直接触れることなく機器を操作することができる。非接触スイッチを用いることで、スイッチをより衛生的にし、清掃性を高めることができる。
例えば特許文献1においては、ミラーキャビネットの収納部の下部であって、鏡扉の後方に、非接触式のセンサを有する照明操作部が設けられている。センサは、前方斜め下方の所定距離を検知範囲として、この範囲内に進入した使用者の手等の物体を検知する。
例えば使用者が鏡扉の下方に手を差し込むようにして鏡扉の下部に指を掛けて鏡扉を開く場合、鏡扉を開くために差し出された手をセンサが検知し、意図せずに照明が操作されてしまうことが考えられる。
一方、特許文献2においては、収納扉を開くときに使用者が指をかける指掛け範囲を避けてセンサを配置することが記載されている。指掛け範囲は、収納扉の背面の下側の範囲のうち、収納扉の反吊元側(収納扉の左右方向における中央よりも蝶番から遠い側)に設けられている。一方、センサは、例えば吊元側(収納扉の左右方向における中央よりも蝶番に近い側)に設けられる。特許文献2によれば、収納扉を開くために差し出された手をセンサが検出して、意図せず照明ユニットが操作される事態が生じるのを抑止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-080724号公報
【特許文献2】特開2019-103759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用者が鏡の下方に手を差し込んで鏡(扉)を開く構成においては、意図しない照明操作を防ぐことが困難な場合がある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、意図せずに照明を操作してしまうことを抑制可能な洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、収納部と、前記収納部よりも前方に位置し、鏡面を含む前面を有する複数の鏡と、照明センサの検知結果によって操作される照明と、を備え、前記複数の鏡は、第1鏡と、前記第1鏡と左右方向において並ぶ第2鏡と、を含み、前記第1鏡は、閉じた状態において前記収納部の前方の一部を覆うように、左右方向に開閉可能に支持され、前記照明センサは、前記第1鏡よりも下方を検知し、前記第1鏡は、前記第1鏡の前面に設けられた開放操作部を有し、前記開放操作部が操作されることにより開くことを特徴とする洗面化粧台である。
【0007】
この洗面化粧台によれば、第1鏡の前面に開放操作部を設けたことにより、第1鏡の下方に手を差し込まずに、第1鏡を開くことができる。そのため、使用者が第1鏡と開くときに、照明センサが使用者の手を検知することを抑制できる。したがって、意図せずに照明を操作してしまうことを抑制することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1鏡の後方に設けられたラッチ機構をさらに備え、前記ラッチ機構は、前記収納部の前方を覆う閉位置に前記第1鏡をラッチし、前記第1鏡をラッチした状態において前記第1鏡の前記前面の一部が後方へ押されると、前記第1鏡のラッチを解除して、前記第1鏡を前方へ押し出すことを特徴とする洗面化粧台である。
【0009】
この洗面化粧台によれば、第1鏡の前面を押すだけで、鏡を開くことができる。これにより、例えば摘みのように前方に突出する開放操作部が不要であり、清掃性に優れる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、前記ラッチ機構は、前記水栓ユニットと前記仕切板との間の隙間に位置することを特徴とする洗面化粧台である。
【0011】
この洗面化粧台によれば、ラッチ機構によって収納スペースが圧迫されることを抑制でき、ラッチ機構を好適に設置することができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記水栓ユニットは、前記水栓ユニットの前面よりも後方に凹んだ後方部を有し、前記隙間は、前記後方部の前方であることを特徴とする洗面化粧台である。
【0013】
この洗面化粧台によれば、水栓ユニットの一部を凹ませるだけでラッチ機構を配置することができるため、ラッチ機構によって収納スペースが圧迫されることを抑制できる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記水栓ユニットは、前記隙間の下方を覆う壁部を有することを特徴とする洗面化粧台である。
【0015】
この洗面化粧台によれば、ラッチ機構が配置される隙間を形成する水栓ユニットの凹みは、水栓ユニットを上下方向に貫通せず、壁部によって下方から隠される。これにより、美観の低下や清掃性の悪化を抑制することができる。
【0016】
第6の発明は、第2の発明において、吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、前記ラッチ機構は前記仕切板の下端に位置することを特徴とする洗面化粧台である。
【0017】
この洗面化粧台によれば、ラッチ機構を配置するために、水栓ユニットを小型化しなくてよい。また、ラッチ機構によって収納スペースが圧迫されることを抑制でき、ラッチ機構を好適に設置することができる。
【0018】
第7の発明は、第2の発明において、吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、前記仕切板は、前方に開口する穴部を有し、前記ラッチ機構は、前記穴部に配置されることを特徴とする洗面化粧台である。
【0019】
この洗面化粧台によれば、ラッチ機構を配置するために、水栓ユニットを小型化しなくてよい。また、下方からラッチ機構が隠されるため、美観の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、意図せずに照明を操作してしまうことを抑制可能な洗面化粧台が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、実施形態に係る洗面化粧台を例示す正面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る洗面化粧台のミラーキャビネットの一部を例示する正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る洗面化粧台のミラーキャビネットを例示する正面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る洗面化粧台の水栓ユニットを例示する正面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る洗面化粧台のミラーキャビネットを例示する斜視図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、ラッチ機構を例示する斜視図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す正面図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す斜視図及び正面図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す斜視図及び正面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す正面図である。
【
図11】
図11(a)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す正面図である。
図11(b)は、
図11(a)に示したA-A線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る洗面化粧台を例示す正面図である。
図1に示すように、実施形態に係る洗面化粧台100は、洗面器20と、支持台30と、ミラーキャビネット40と、を有する。ミラーキャビネット40の下部には水栓ユニット50が設けられている。なお、本願明細書においては、洗面化粧台100から洗面化粧台100を使用する使用者へ向かう方向を「前」方向とする。「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、それぞれ、前方を向いた状態を基準とした方向である。
【0023】
洗面器20は、洗面ボウル22と、バックガード部24と、を有する。洗面ボウル22は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。洗面ボウル22は、水栓ユニット50から吐出された水を、底部に設けられた排水口を介して排水管に排出する。
【0024】
バックガード部24は、洗面ボウル22の後端から上方に延びる。バックガード部24は、必要に応じて設けられ、省略可能である。洗面器20の形状は、少なくとも洗面ボウル22を有する任意の形状でよい。
【0025】
支持台30は、例えば、床上に載置される。洗面器20は、支持台30の上に設けられる。支持台30は、洗面器20を支持する。支持台30は、例えば本体部30aと、2つの引き出し30bを有する。本体部30aは、例えば前方および上方を開口させた略直方体の開口箱状である。各引き出し30bは、本体部30aに前後に移動可能に支持され、内部に物品を収納可能である。本体部30aの上方は、洗面器20によって塞がれる。洗面ボウル22の少なくとも一部は、本体部30aの上方の開口から本体部30a内に入り込む。
【0026】
このように、支持台30は、物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。なお、引き出しの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、支持台30は、引き出し式のキャビネットに限ることなく、扉式のキャビネットでもよい。
【0027】
支持台30は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台30は、洗面器20を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器20は、例えば建築躯体の壁(例えば洗面所または脱衣所など壁面)に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台30は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0028】
ミラーキャビネット40は、支持台30の上方に配置される。ミラーキャビネット40は、内部に収納空間を有する収納部41と、収納部41よりも前方に位置する複数の鏡42と、を有する。鏡42は、鏡面を含む前面42fを有する。鏡42は、収納部41の収納空間を開閉可能に覆う鏡扉である。
図1は、鏡扉が閉じた状態を表している。複数の鏡42は、左右方向において並べられている。この例では、洗面化粧台100は、三面鏡タイプである。すなわち、複数の鏡42として、第1鏡421、第2鏡422及び第3鏡423の3枚の鏡(鏡扉)が設けられている。なお、鏡42の数は、3枚に限ることなく、2枚でもよいし、4枚以上でもよい。
【0029】
例えば、第1鏡421は、主鏡である。この例では、第1鏡421は、第2鏡422と第3鏡423との間に位置する中央鏡である。第1鏡421は、第2鏡422の鏡面よりも大きく、第3鏡423の鏡面よりも大きな鏡面を有する鏡でもよい。
【0030】
ミラーキャビネット40は、例えば建築躯体の壁などの支持体に、ボルトなどの固定部材によって取り付けられる。これに限らず、ミラーキャビネット40は、壁以外の支持体(例えば別途設けられたカウンタ、パネル、または支持台30など)に取り付けられ、支持されてもよい。
【0031】
水栓ユニット50は、洗面ボウル22およびバックガード部24の上方に配置される。水栓ユニット50は、吐水部51と吐水操作部52とを有する。吐水部51は、湯又は水を吐出する。吐水操作部52は、吐水部51からの吐水を操作するための操作部である。水栓ユニット50は、例えばボルトなどの固定部材によって、ミラーキャビネット40の収納部41に対して取り付けられる。これに限らず、水栓ユニット50は、例えば、建築躯体の壁に直接的または間接的に取り付けられてもよい。
【0032】
洗面化粧台100は、さらに照明60を有する。照明60は、洗面化粧台100の前方を照らす。この例では、照明60は、ミラーキャビネット40の上部に設けられている。これにより、照明60は、鏡42の鏡面、鏡42の前方、吐水部51、洗面ボウル22などを照らす。照明60には、例えばLEDなどの光源を用いることができる。
【0033】
図2は、実施形態に係る洗面化粧台のミラーキャビネットの一部を例示する正面図である。
図2では、ミラーキャビネット40の鏡42等の図示を省略し、収納部41を示す。
図3は、実施形態に係る洗面化粧台のミラーキャビネットを例示する正面図である。
図3は、第1鏡421が開き、第2鏡422及び第3鏡423が閉じた状態を示す。
【0034】
図2に表したように、ミラーキャビネット40の収納部41は、前方が開口した箱状である。収納部41は、天板部41Tと背板部41Bと右側板部41Rと左側板部41Lとを有する。収納部41は、これら板部(天板部41T、背板部41B、右側板部41R、左側板部41L)で囲まれた収納空間SPを形成する。収納部41の下方は開口していてもよいし、一部に底板を設けてもよい。
【0035】
さらに収納部41は、第1仕切板431及び第2仕切板432を含む。第1仕切板431及び第2仕切板432は、天板部41Tの下面の位置から背板部41Bの下端の位置まで上下方向に延びる。第1仕切板431及び第2仕切板432は、収納空間SPを左右に仕切る。この例では、収納空間SPは、左右方向に並ぶ第1収納空間SP1と第2収納空間SP2と第3収納空間SP3とに分割されている。第1収納空間SP1は、第1鏡421の後方の空間であり、第2収納空間SP2は、第2鏡422の後方の空間であり、第3収納空間SP3は、第3鏡423の後方の空間である。
【0036】
第1仕切板431は、第1収納空間SP1と第2収納空間SP2との間に位置し、第1収納空間SP1と第2収納空間SP2とを仕切る。第2仕切板432は、第2収納空間SP2と第3収納空間SP3との間に位置し、第2収納空間SP2と第3収納空間SP3とを仕切る。各収納空間には、左右方向に延びる棚板などの棚部44が設けられている。
【0037】
図3に表したように、鏡42は、左右方向に開閉可能に支持される。鏡42は、鏡42の左辺側又は右辺側に位置し上下に延びる軸の周りに、左右方向に回動して開閉する。なお、鏡42の右側(右辺側)及び左側(左辺側)とは、閉じた状態における鏡42の右側(右辺側)及び左(左辺側)をいう。
【0038】
図3の例では、ヒンジ62が、第1鏡421の背面の左側と、第2仕切板432の右側面432R(
図2参照)と、を接続するように設けられている。これにより、第1鏡421は、その左辺側においてヒンジ62を介して収納部41に支持されている。つまり、この例では、第1鏡421の左側が、第1鏡421の吊元である。第1鏡421は、ヒンジ62を中心として回動可能である。ただし、実施形態においては、第1鏡421の右側を第1鏡421の吊元としてもよい。すなわち、第1鏡421の背面右側と第1仕切板431の左側面431Lとを接続するヒンジを設け、そのヒンジの周りに回動可能に第1鏡421を設けてもよい。第1鏡421は、閉じた状態において、第1収納空間SP1の前方を覆う。
【0039】
同様に、第2鏡422の背面左側と第1仕切板431の右側面431R(
図2参照)とを接続するヒンジを設け、そのヒンジの周りに回動可能に第2鏡422を設けてもよい。あるいは、第2鏡422の背面右側と右側板部41Rの左側面41RL(
図2参照)とを接続するヒンジを設け、そのヒンジの周りに回動可能に第2鏡422を設けてもよい。第2鏡422は、閉じた状態において、第2収納空間SP2の前方を覆う。
【0040】
同様に、第3鏡423の背面左側と左側板部41Lの右側面41LR(
図2参照)とを接続するヒンジを設け、そのヒンジの周りに回動可能に第3鏡423を設けてもよい。あるいは、第3鏡423の背面右側と第2仕切板432の左側面432L(
図2参照)とを接続するヒンジを設け、そのヒンジの周りに回動可能に第3鏡423を設けてもよい。第3鏡423は、閉じた状態において、第3収納空間SP3の前方を覆う。
【0041】
図3に表したように、水栓ユニット50は、第1収納空間SP1の下部に位置する。なお、水栓ユニット50が第1収納空間SP1の下部に位置する状態は、
図1~
図4に表したように、吐水部51や吐水操作部52などの水栓ユニット50の一部が第1鏡421よりも下方に突出している状態であってもよい。
【0042】
水栓ユニット50は、第1仕切板431及び第2仕切板432と接していてもよい。例えば、正面視において、水栓ユニット50と第1仕切板431との間には隙間が設けられなくてもよい。例えば、正面視において、水栓ユニット50と第2仕切板432との間には隙間が設けられなくてもよい。
【0043】
図4は、実施形態に係る洗面化粧台の水栓ユニットを例示する正面図である。
なお、
図4では、水栓ユニット50に設けられた各要素を、便宜上、簡略化して模式的に表している。水栓ユニット50は、筐体56と、排水操作部55と、吐水部51と、吐水制御部53と、吐水操作部52と、を有する。
【0044】
筐体56(ケース)は、下面56bと、前面56fとを有する。筐体56は、例えば箱状でもよい。
【0045】
吐水部51は、いわゆるスパウトである。吐水部51は、先端部に設けられた吐水口から、洗面器20の洗面ボウル22に向けて水を吐出する。
図4に表したように、吐水部51の少なくとも一部は、筐体56内に配置されてもよく、吐水部51の先端部は、筐体56の下面56bの下方に突出していてもよい。例えば、吐水部51は、左右方向において、水栓ユニット50の略中央、すなわち第1収納空間SP1や閉じた状態の第1鏡421の略中央に位置する。
【0046】
例えば水栓ユニット50には、吐水部51からの吐水及び止水を操作するための吐水操作用センサ(不図示)が設けられてもよい。この吐水操作用センサは、例えば吐水部51に設けることができる。吐水操作用センサは、吐水口の下方の空間(吐水口からの水が到達する空間)に差し出された使用者の手など、吐水部51の付近の物体を検知することができる。吐水操作用センサは、検知結果に応じた検知信号を吐水制御部53へ送信する。吐水操作用センサには、例えば赤外線センサなどを用いることができる。
【0047】
吐水制御部53は、筐体56内に配置されている。吐水制御部53は、制御回路を含む。吐水制御部53は、吐水操作用センサからの検知信号に基づいて、吐水部への給水路(自動吐水用の給水路)の開閉を制御する。例えば、吐水制御部53は、自動吐水用の給水路が閉じており吐水部51が吐水しない止水状態において、吐水操作用センサから使用者の手が存在することに対応する検知結果を受信すると、その給水路に設けられた電磁弁(不図示)を開く制御を行う。これにより、その給水路が開いて、吐水部51は、吐水状態となる。逆に、吐水制御部53は、例えば、自動吐水用の給水路が開いており吐水部51が吐水する吐水状態において、吐水操作用センサから使用者の手が存在しないことに対応する検知結果を受信すると、その給水路に設けられた電磁弁を閉じる制御を行う。これにより、その給水路が閉じて、吐水部51は、止水状態となる。使用者が、吐水用センサに手を近づけたり離したりすることで、吐水状態と止水状態が切り替えられる。
【0048】
吐水操作部52は、例えば吐水部51からの吐水量を手動で操作するための操作レバーである。吐水操作部52の先端は、筐体56の下面56bから突出している。吐水操作部52の一部は、筐体56内に配置され、筐体56内に配置されたバルブ(不図示)に接続されている。バルブは、吐水部51への給水路(手動吐水用の給水路)を開閉したり、その給水路における流量を調節したりする。使用者が操作レバーを手動で動かすことにより、バルブが操作される。これにより、バルブが手動吐水用の給水路を開いて吐水部51が吐水する吐水状態と、バルブがその給水路を閉じて吐水部51が吐水しない止水状態と、が切り替えられる。また、例えば吐水部51が吐出する水量が調節される。バルブは湯水の混合比を調整する湯水混合弁であってもよい。
【0049】
排水操作部55は、筐体56の下面56bから下方に突出している。排水操作部55は、洗面ボウル22の排水口に設けられた排水栓の開閉を操作するための操作部である。排水操作部55の一部は、筐体56の内部に位置し、排水栓に接続されたワイヤと接続されている。例えば、排水操作部55を下方に引っ張ることで、排水栓が排水口を開く位置に移動する。例えば、排水操作部55を押し上げることで、排水栓が排水口を閉じる位置に移動する。
【0050】
洗面化粧台100は、さらに照明センサ65を有する。この例では、照明センサ65は、水栓ユニット50の筐体56の下部に設けられている。照明センサ65は、照明センサ65の下方の空間の物体の有無を検知する。なお、照明センサ65の検知範囲は、照明センサ65の真下に限らず、斜め下方の空間を含んでもよい。
【0051】
照明センサ65は、閉じた状態の第1鏡421の下部の後方に位置する。そのため、照明センサ65は、第1鏡421よりも下方を検知することができる。照明センサ65の検知範囲は、例えば、収納部41の下方の空間を含む。照明センサ65の検知範囲は、閉じた状態の第1鏡421の下方の空間を含んでもよい。照明センサ65の検知範囲は、第1鏡421の下端よりも上方の空間や、閉じた状態の第1鏡421の前方(真正面)の空間を含まなくてよい。
【0052】
具体的には、照明センサ65には、赤外線センサを用いることができる。例えば、照明センサ65は、測距センサ又はモーションセンサでもよい。照明センサ65にはToF(Time of Flight)方式を用いてもよい。照明センサ65は、PIR(Passive Infrared Ray)センサでもよい。照明センサ65には、超音波センサ又はマイクロ波センサなど、その他の非接触式のセンサを用いてもよい。
【0053】
この例では、後述する
図5等に表したように、筐体56の下面56bに、開口65W(例えばセンサ窓)が設けられている。照明センサ65の下部は、開口65Wにおいて下方に露出している、または開口65Wの上方に配置されている。照明センサ65は、センサ窓を通った信号(赤外線)を受信してもよい。開口65Wは、赤外線などの信号を透過するカバーで覆われていてもよい。
【0054】
図1等に表した照明60は、照明センサ65の検知結果によって操作される。例えば、照明センサ65の検知結果に基づいて、照明60の点灯や消灯を制御する照明制御回路が設けられる。照明制御回路は、照明60が消灯した状態において、照明センサ65から使用者の手等の物体が検知範囲内に入ったことに対応する検知結果を受信すると、照明60を点灯させる。また、照明制御回路は、照明60が点灯した状態において、照明センサ65から使用者の手等の物体が検知範囲内に入ったことに対応する検知結果を受信すると、照明60を消灯させる。このように、使用者は照明センサ65に手をかざすことで、スイッチに触れることなく、照明60のオンオフを操作することができる。照明センサ65の左右方向の位置は、吐水部51の左右方向の位置と、排水操作部55の左右方向の位置との間である。なお、照明制御回路の配置は任意であるが、例えば筐体56内に配置してもよい。
【0055】
吐水操作部52及び吐水制御部53は、第1鏡421の吊元側に配置されている。すなわち、
図1~
図4のように正面から見たときに、吐水操作部52及び吐水制御部53の左右方向における位置は、閉じた状態の第1鏡421の左右方向における中央と、第1鏡421の吊元(この例ではヒンジ62が取り付けられた左端部)と、の間である。
【0056】
排水操作部55及び照明センサ65は、第1鏡421の反吊元側に配置されている。すなわち、正面から見たときに、排水操作部55及び照明センサ65の左右方向における位置は、閉じた状態の第1鏡421の左右方向における中央と、第1鏡421の吊元と反対側(この例では右端部)と、の間である。
【0057】
図5は、実施形態に係る洗面化粧台のミラーキャビネットを例示する斜視図である。
図5に表したように、第1鏡421は、第1鏡421の前面42fに設けられた開放操作部45を有する。第1鏡421は、開放操作部45が操作されることにより開く。
【0058】
この例では、閉じた状態の第1鏡421の後方にラッチ機構70が設けられている。ラッチ機構70は、第1収納空間SP1内であって、水栓ユニット50の上方に位置する。ラッチ機構70は、例えば第1仕切板431にネジなどの任意の固定手段により固定されていてもよい。
【0059】
ラッチ機構70には、例えば、いわゆるプッシュラッチ又はマグネットラッチなどを用いることができる。ラッチ機構70は、第1鏡421を、収納部41の前方を覆う閉位置にラッチ(保持)する。第1鏡421を閉位置にラッチした状態において、第1鏡421の前面42fのラッチ機構70の前方に位置する部分が後方へ押されると、第1鏡421によってラッチ機構70は、後方へ押される。これにより、ラッチ機構70は、第1鏡421のラッチを解除して第1鏡421を前方へ押し出す。
【0060】
つまり、第1鏡421の前面42fのうち、第1鏡421が閉じた状態においてラッチ機構70の前方に位置する領域を含む部分を開放操作部45としている。言い換えれば、第1鏡421の平坦な前面42f(例えば鏡面)の一部が開放操作部45として機能する。
【0061】
このように、この洗面化粧台によれば、第1鏡421の前面42fに開放操作部45を設けたことにより、第1鏡421の下方に手を差し込まずに、第1鏡421を開くことができる。そのため、使用者が第1鏡421と開くときに、照明センサ65が使用者の手を検知することを抑制できる。したがって、意図せずに照明60を操作してしまうことを抑制することができる。
【0062】
例えば、水栓ユニットにおいては、鏡扉の吊元側に吐水操作部などの機能部を配置するため、照明センサは鏡扉の反吊元側に配置される場合がある。一方、鏡扉を開く際に鏡扉に指を掛ける参考例においては、指掛け範囲は、鏡扉の反吊元側の下部に配置されることがある。そのため、参考例においては、照明センサと指掛け範囲とが近接することとなる。指掛け範囲に指を掛けるために鏡扉の下方に差し込んだ手を照明センサが検知してしまうことが考えられる。これに対して、実施形態によれば、第1鏡421の下方に手を差し込まずに、第1鏡421を開くことができるため、第1鏡421を開く手を照明センサ65が検知することを抑制できる。
【0063】
なお、この例では、第1鏡421の前面42fの一部を開放操作部45としているが、開放操作部45はこれに限らない。例えば、第1鏡421の前面42fに設けられた開放操作部45は、第1鏡421の前面42fに取り付けられた摘みや取っ手等であってもよい。例えば、摘み等が引っ張られることにより、第1鏡421が回動して開く。
【0064】
ラッチ機構70を用いた場合には、第1鏡421の前面42fを押すだけで、第1鏡421を開くことができる。これにより、例えば摘みのように前方に突出する開放操作部45が不要であり、清掃性に優れる。
【0065】
図6(a)及び
図6(b)は、ラッチ機構を例示する斜視図である。
なお、ここでは、一例として角柱形状のラッチ機構を例示しているが、ラッチ機構の形状はその機能を満たす任意の形状でよく、例えば
図5や
図7等に表したように円柱形であってもよい。
図6(a)及び
図6(b)は、模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0066】
ラッチ機構70は、例えば保持部71(ラッチ機構本体)を含む。保持部71は、被保持部72の位置を保持する。保持部71は、ネジなどの任意の固定手段により収納部41に対して固定される。被保持部72は、ネジなどの任意の固定手段により、第1鏡421の背面であって、保持部71に対応した位置に固定される。
【0067】
図6(a)は、プッシュラッチを例示している。被保持部72の後端側には、突部72pが設けられている。保持部71の本体部71aの前端側には、突部72pが当接する当接部71cと、当接部72cの両側に位置する2つの爪部71fとが設けられている。また、本体部71aの内部には、不図示の弾性体(コイルバネなど)が設けられている。
【0068】
第1鏡421が閉じるときに、突部72pは、当接部71cに当接する。第1鏡421が後方へ押し込まれると、突部72pは、保持部71の内部へ向けて、当接部71cを押し込む。2つの爪部71fが突部72pを挟むようにして閉じ、突部72pが保持される。当接部71cは、押し込まれた状態に保持される。このように被保持部72が保持部71に保持されることにより、第1鏡421は、閉位置に保持されたラッチ状態となる。第1鏡421がラッチされている状態においては、突部72pが押し込まれた力によって、保持部71内の弾性体に弾性力が蓄積されている。
【0069】
再び、第1鏡421を後方へ押し込み、突部72p及び当接部71cが後方へ押し込まれると、2つの爪部71fが開く。そして、保持部71内の弾性体に蓄積されていた弾性力が解放され、当接部71cを介して突部72pを前方へ押し出す。このように、突部72pが爪部71fに保持されて第1鏡421が閉位置に保持されたラッチ状態から、突部72pが爪部71fに保持されず第1鏡421が閉位置に保持されない状態となる。すなわち、第1鏡421のラッチが解除される。
【0070】
図6(b)は、マグネットラッチを例示している。被保持部72の後端側には、磁石72mが設けられている。保持部71の前端側には、本体部71aから前方に突出した突出部71pが設けられている。突出部71pの先端には、磁石72mと互いに引きつけ合う磁石71mが設けられている。
【0071】
第1鏡421が閉じるときに、磁石72mは、突出部71p(磁石71m)に当接する。第1鏡421が後方へ押し込まれると、磁石72mは、保持部71の内部へ向けて、突出部71pを押し込む。磁石72mは、磁力によって磁石71mに引きつけられ、磁石71mに当接した位置に保持される。突出部71pは、押し込まれた状態に保持される。このように被保持部72が保持部71に保持されることにより、第1鏡421は、閉位置に保持されたラッチ状態となる。
【0072】
再び、第1鏡421を後方へ押し込み、磁石72m及び突出部71pが後方へ押し込まれると、保持部71内の弾性体に蓄積されていた弾性力が解放され、突出部71pを介して磁石72mを前方へ押し出す。磁石72mは、磁石71mから離れる。このように、磁石72mが磁石71mに保持されて第1鏡421が閉位置に保持されたラッチ状態から、磁石72mが磁石71mに保持されず第1鏡421が閉位置に保持されない状態となる。すなわち、第1鏡421のラッチが解除される。なお、上記は一例であり、実施形態には、その機能を満たす一般的なプッシュラッチまたはマグネットラッチを用いることができる。
【0073】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す正面図である。
図7(b)は、
図7(a)の一部の拡大図である。この例では、ラッチ機構70(保持部71)は、水栓ユニット50と第1仕切板431との間の隙間Gとの間に位置する。保持部71は、前後方向においては、水栓ユニット50の前面56fと重ならない。保持部71は、左右方向においては第1仕切板431及び水栓ユニット50のそれぞれと重なる。例えば、保持部71は、第1仕切板431の左側面431Lに対してネジ固定されている。
【0074】
ラッチ機構70を隙間Gに配置することにより、ラッチ機構70によって収納スペースが圧迫されることを抑制でき、ラッチ機構を好適に設置することができる。例えば、ラッチ機構によって収納空間SPの物品を収納する範囲が狭くなり、使い勝手が悪くなることを抑制できる。
【0075】
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す斜視図及び正面図である。
この例では、水栓ユニット50は、前面56fよりも後方に凹んだ後方部57を有する。
図8(b)に表したように、正面視において、後方部57は、前面56fと第1仕切板431との間に位置する。隙間Gは、後方部57の前方である。つまり、ラッチ機構70(保持部71)は、後方部57の前方に位置して、前後方向において後方部57と重なる。この例では、隙間G及び後方部57は、水栓ユニット50の上端位置から下端位置まで上下方向に延在している。
【0076】
このようにして、水栓ユニット50の一部を凹ませるだけでラッチ機構70を配置することができるため、ラッチ機構70によって収納スペースが圧迫されることを抑制できる。例えば、ラッチ機構によって水栓ユニット50を配置するスペースが狭くなることを抑制できる。例えば、水栓ユニット50が小さくなり、水栓ユニット50内の要素を配置することが困難になることを抑制できる。
【0077】
図9(a)及び
図9(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す斜視図及び正面図である。
この例では、水栓ユニット50は、隙間Gの下方を覆う壁部58を有する。壁部58は、上下方向において、隙間G及びラッチ機構70(保持部71)のそれぞれと重なる。
隙間Gは水栓ユニット50の上端位置から、水栓ユニット50の下端位置よりも上方の位置まで、上下方向に延在する。すなわち、隙間Gは、水栓ユニット50を上下方向に貫通しない。壁部58の底面は、筐体56の下面56bの一部を形成してもよい。壁部58の前面は、筐体の前面56fの一部を形成してもよい。
図9(b)に表したように、この例では、後方部57を設けてもよいし、後方部57を設けなくてもよい。
【0078】
このように、ラッチ機構70が配置される隙間Gを形成する水栓ユニット50の凹みは、水栓ユニット50を上下方向に貫通せず、壁部58によって下方から隠される。これにより、美観の低下や清掃性の悪化を抑制することができる。
【0079】
図10は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す正面図である。
この例では、ラッチ機構70(保持部71)は、第1仕切板431の下端431bに位置する。保持部71は、第1仕切板431よりも下方に位置し、例えば第1仕切板431の下端(下面)に接する。保持部71は、例えば第1仕切板431の下端に取り付けられている。第1鏡421の側端部は、閉じた状態において、第1仕切板431及びラッチ機構70(保持部71)の前方に位置する。
【0080】
このようにラッチ機構70を第1仕切板431の下端431bに配置することにより、ラッチ機構70を配置するために、水栓ユニット50を小型化しなくてよい。また、ラッチ機構70によって収納スペースが圧迫されることを抑制でき、ラッチ機構70を好適に設置することができる。
【0081】
図11(a)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の例を表す正面図である。
図11(b)は、
図11(a)に示したA-A線の断面図である。なおラッチ機構70の断面は概形を表している。
この例では、第1仕切板431は、前方に開口する穴部431cを有する。ラッチ機構70(保持部71)は、穴部431cに配置されている。穴部431cは、第1仕切板431の下端部において、第1仕切板431の前面431fから後方へ凹んだ凹部である。保持部71の後端は、穴部431c内に配置され、保持部71の前端(例えば突出部71p)は、穴部431cから前方に突出するように配置されている。
【0082】
このようにラッチ機構70を穴部431cに配置することにより、ラッチ機構70を配置するために、水栓ユニット50を小型化しなくてよい。また、下方からラッチ機構70が隠されるため、美観の低下を抑制することができる。
【0083】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
収納部と、
前記収納部よりも前方に位置し、鏡面を含む前面を有する複数の鏡と、
照明センサの検知結果によって操作される照明と、
を備え、
前記複数の鏡は、第1鏡と、前記第1鏡と左右方向において並ぶ第2鏡と、を含み、
前記第1鏡は、閉じた状態において前記収納部の前方の一部を覆うように、左右方向に開閉可能に支持され、
前記照明センサは、前記第1鏡よりも下方を検知し、
前記第1鏡は、前記第1鏡の前面に設けられた開放操作部を有し、前記開放操作部が操作されることにより開くことを特徴とする洗面化粧台。
(構成2)
前記第1鏡の後方に設けられたラッチ機構をさらに備え、
前記ラッチ機構は、前記収納部の前方を覆う閉位置に前記第1鏡をラッチし、前記第1鏡をラッチした状態において前記第1鏡の前記前面の一部が後方へ押されると、前記第1鏡のラッチを解除して、前記第1鏡を前方へ押し出すことを特徴とする構成1に記載の洗面化粧台。
(構成3)
吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、
前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、
前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、
前記ラッチ機構は、前記水栓ユニットと前記仕切板との間の隙間に位置することを特徴とする構成2に記載の洗面化粧台。
(構成4)
前記水栓ユニットは、前記水栓ユニットの前面よりも後方に凹んだ後方部を有し、
前記隙間は、前記後方部の前方であることを特徴とする構成3に記載の洗面化粧台。
(構成5)
前記水栓ユニットは、前記隙間の下方を覆う壁部を有することを特徴とする構成4に記載の洗面化粧台。
(構成6)
吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、
前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、
前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、
前記ラッチ機構は前記仕切板の下端に位置することを特徴とする構成2に記載の洗面化粧台。
(構成7)
吐水部と、前記吐水部からの吐水を操作するための吐水操作部と、を含む水栓ユニットをさらに備え、
前記収納部は、前記第1鏡の後方に位置する第1収納空間と、前記第2鏡の後方に位置する第2収納空間と、を仕切る仕切板を含み、
前記水栓ユニットは、前記第1収納空間の下部に位置し、
前記仕切板は、前方に開口する穴部を有し、
前記ラッチ機構は、前記穴部に配置されることを特徴とする構成2に記載の洗面化粧台。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0085】
20:洗面器
22:洗面ボウル
24:バックガード部
30:支持台
30a:本体部
30b:引き出し
40:ミラーキャビネット
41:収納部
41B:背板部
41L:左側板部
41LR:右側面
41R:右側板部
41RL:左側面
41T:天板部
42:鏡
42f:前面
44:棚部
45:開放操作部
50:水栓ユニット
51:吐水部
52:吐水操作部
53:吐水制御部
55:排水操作部
56:筐体
56b:下面
56f:前面
57:後方部
58:壁部
60:照明
62:ヒンジ
65:照明センサ
65W:開口
70:ラッチ機構
71:保持部
71a:本体部
71c:当接部
71f:爪部
71m:磁石
71p:突出部
72:被保持部
72c:当接部
72m:磁石
72p:突部
100:洗面化粧台
421:第1鏡
422:第2鏡
423:第3鏡
431:第1仕切板
431L:左側面
431R:右側面
431b:下端
431c:穴部
431f:前面
432:第2仕切板
432L:左側面
432R:右側面
G:隙間
SP:収納空間
SP1:第1収納空間
SP2:第2収納空間
SP3:第3収納空間