(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175563
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 45/375 20200101AFI20241211BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20241211BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20241211BHJP
H05B 45/36 20200101ALI20241211BHJP
【FI】
H05B45/375
H05B45/325
H05B45/34
H05B45/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093441
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 優太郎
(72)【発明者】
【氏名】大野 健
(72)【発明者】
【氏名】日野 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】関 圭介
(72)【発明者】
【氏名】森脇 淑也
(72)【発明者】
【氏名】中山 航
(72)【発明者】
【氏名】杉本 正暁
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA08
3K273BA27
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA25
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA14
3K273EA22
3K273EA24
3K273EA35
3K273EA44
3K273FA14
3K273FA26
3K273GA03
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA15
(57)【要約】
【課題】回路規模の小型化が可能な点灯装置及び照明器具を提供する。
【解決手段】点灯装置2は、整流回路4と、降圧チョッパ回路5と、補助巻線L2と、電圧変換部9と、制御部7と、を備える。降圧チョッパ回路5は、チョークコイルL1、スイッチング素子S1、及び回生ダイオードD1を有する。スイッチング素子S1は、整流回路4の一対の直流出力端42のうちローサイドの直流出力端422とチョークコイルL1との間に接続される。回生ダイオードD1は、スイッチング素子S1のオフ時にチョークコイルL1を含む閉回路を形成する。補助巻線L2はチョークコイルL1に磁気結合される。電圧変換部9は、補助巻線L2の電圧を変換して出力する。制御部7は、電圧変換部9の出力電圧が入力される入力端子PI1を有し、入力端子PI1に入力される電圧に基づいてスイッチング素子S1のオン/オフを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の交流入力端と、一対の直流出力端と、を有し、交流電源から前記一対の交流入力端に入力される交流電圧を整流した脈流電圧を、前記一対の直流出力端に出力する整流回路と、
チョークコイル、前記一対の直流出力端のうちローサイドの直流出力端と前記チョークコイルとの間に接続されたスイッチング素子、及び前記スイッチング素子のオフ時に前記チョークコイルを含む閉回路を形成するための回生ダイオードを有する降圧チョッパ回路と、
前記チョークコイルに磁気結合された補助巻線と、
電圧変換部と、
制御部と、を備え、
前記電圧変換部は、前記補助巻線の電圧を変換して出力し、
前記制御部は、前記電圧変換部の出力電圧が入力される入力端子を有し、前記入力端子に入力される電圧に基づいて前記スイッチング素子のオン/オフを制御する、
点灯装置。
【請求項2】
前記降圧チョッパ回路が有する一対の出力端の間に接続される出力コンデンサを更に備え、
前記出力コンデンサは、前記降圧チョッパ回路の出力電圧を平滑する、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記降圧チョッパ回路が有する一対の入力端の間に接続される入力コンデンサを更に備え、
前記入力コンデンサの静電容量は、1μF以下であり、
前記出力コンデンサの静電容量は、前記入力コンデンサの静電容量の100倍以上である、
請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記補助巻線の電圧を整流、平滑して前記制御部の駆動電圧を生成する電源回路を更に備える、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記降圧チョッパ回路の出力電圧の電圧値が目標電圧値に一致するように前記スイッチング素子のオン/オフを制御する、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記目標電圧値が100V以下である、
請求項5に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記降圧チョッパ回路の出力電圧を電圧変換して光源に出力する電力変換回路を、更に備える、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記制御部は、電流臨界モードで前記スイッチング素子のオン/オフを制御する、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記入力端子は第1入力端子であり、
前記制御部は、前記補助巻線の一端に、電流制限抵抗を含むフィルタ回路を介して接続される第2入力端子を更に有し、
前記制御部は、前記第2入力端子に入力される電圧に基づいて、前記スイッチング素子のオフ時に、前記チョークコイルに流れる電流がゼロレベルになる状態を検出すると、前記スイッチング素子をオフからオンに制御する、
請求項8に記載の点灯装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の点灯装置と、光源と、を備え、
前記点灯装置は、交流電源を電源として前記光源を点灯する、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置及び照明器具に関する。より詳細には、本開示は、交流電源を電源として光源を点灯させる点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、LEDに定電流を供給する電源装置を開示する。この電源装置は、制御スイッチ素子がローサイドに配置された昇降圧型コンバータと、制御回路と、を備えている。制御回路は、制御スイッチ素子と直列に接続された検出抵抗の電圧と、一次巻線が制御スイッチ素子と直列に接続されたトランスの二次巻線の巻線電圧とに基づいて、制御スイッチ素子を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電源装置は、トランスの二次巻線の巻線電圧と設定電圧との高低を比較する監視用コンパレータの比較結果を第2の制御部にフィードバックしているため、巻線電圧と設定電圧との高低を比較する監視用コンパレータが必要になり、回路基板が大型化する可能性があった。
【0005】
本開示の目的は、回路規模の小型化が可能な点灯装置及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の点灯装置は、整流回路と、降圧チョッパ回路と、補助巻線と、電圧変換部と、制御部と、を備える。前記整流回路は、一対の交流入力端と、一対の直流出力端と、を有する。前記整流回路は、交流電源から前記一対の交流入力端に入力される交流電圧を整流した脈流電圧を、前記一対の直流出力端に出力する。前記降圧チョッパ回路は、チョークコイル、スイッチング素子、及び回生ダイオードを有する。前記スイッチング素子は、前記一対の直流出力端のうちローサイドの直流出力端と前記チョークコイルとの間に接続される。前記回生ダイオードは、前記スイッチング素子のオフ時に前記チョークコイルを含む閉回路を形成する。前記補助巻線は前記チョークコイルに磁気結合される。前記電圧変換部は、前記補助巻線の電圧を変換して出力する。前記制御部は、前記電圧変換部の出力電圧が入力される入力端子を有する。前記制御部は、前記入力端子に入力される電圧に基づいて前記スイッチング素子のオン/オフを制御する。
【0007】
本開示の一態様の照明器具は、光源と、前記点灯装置と、を備える。前記点灯装置は、交流電源を電源として前記光源を点灯する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、回路規模の小型化が可能な点灯装置及び照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る点灯装置の模式的な回路図である。
【
図2】
図2は、同上の点灯装置を備える照明器具の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の点灯装置の動作を説明するための波形図である。
【
図4】
図4は、同上の点灯装置の動作を説明するための波形図である。
【
図5】
図5は、比較例の点灯装置の動作を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る点灯装置、及び点灯装置を備える照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0011】
(1)概要
以下、点灯装置2及び照明器具1の概要について、
図1を参照して説明する。
【0012】
点灯装置2は、整流回路4と、降圧チョッパ回路5と、補助巻線L2と、電圧変換部9と、制御部7と、を備える。
【0013】
整流回路4は、一対の交流入力端41と、一対の直流出力端42と、を有する。整流回路4は、交流電源PSから一対の交流入力端41に入力される交流電圧を整流した脈流電圧を、一対の直流出力端42に出力する。
【0014】
降圧チョッパ回路5は、チョークコイルL1、スイッチング素子S1、及び回生ダイオードD1を有する。スイッチング素子S1は、一対の直流出力端42のうちローサイドの直流出力端422と、チョークコイルL1との間に接続される。回生ダイオードD1は、スイッチング素子S1のオフ時にチョークコイルL1を含む閉回路LP1を形成する。
【0015】
補助巻線L2はチョークコイルL1に磁気結合される。
【0016】
電圧変換部9は、補助巻線L2の電圧を変換して出力する。
【0017】
制御部7は、電圧変換部9の出力電圧が入力される入力端子PI1を有する。制御部7は、入力端子PI1に入力される電圧に基づいてスイッチング素子S1のオン/オフを制御する。
【0018】
本実施形態の点灯装置2では、電圧変換部9が補助巻線L2の電圧を変換して制御部7の入力端子PI1に出力しており、制御部7は、入力端子PI1に入力される電圧に基づいてスイッチング素子S1のオン/オフを制御する。したがって、補助巻線L2の電圧をフィードバックするために、コンパレータやフォトカプラ等の回路部品を用いる場合に比べて、点灯装置2の回路部品を削減でき、回路規模の小型化を図ることができる。
【0019】
電圧変換部9は、例えば分圧抵抗を用いて補助巻線L2の電圧を分圧する分圧回路等で構成されており、コンパレータやフォトカプラ等の回路部品を用いる場合に比べて、補助巻線L2の電圧をフィードバックするための回路を小型化することができる。
【0020】
(2)照明器具の構成
以下に、本実施形態に係る照明器具1の構成について、
図2を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
照明器具1は、例えば、オフィスビルの執務室の天井などに直接又は取付器具を介して取り付けられる。ただし、照明器具1が設置される場所は、執務室の天井に限定されず、執務室及び執務室以外の居室などの壁面又は床面でも構わない。
【0022】
照明器具1は、
図2に示すように、長尺の棒状に形成された器具本体10と、透光性を有する合成樹脂によって形成されるカバー11と、交流電源PS(
図1参照)に電気的に接続される給電コネクタ12と、を有する。また、照明器具1は、
図1に示すように、点灯装置2と、光源3と、を備える。点灯装置2及び光源3は、器具本体10とカバー11との間の内部空間に収容され、光源3からの光がカバー11を介して下方に照射される。
【0023】
点灯装置2は、
図1に示すように、交流電源PSと光源3との間に接続されており、給電コネクタ12(
図2参照)を介して交流電源PSから光源3に供給される直流電圧を制御する。ここで、交流電源PSは、例えば商用電力系統(100V、50/60Hz)である。なお、交流電源PSは、200V系の商用電力系統であってもよい。また、光源3は、電気的に直列に接続された複数のLED(Light Emitting Diode)30を含む。以下に、点灯装置2の構成について説明する。
【0024】
点灯装置2は、
図1に示すように、整流回路4、入力コンデンサC1、降圧チョッパ回路5、出力コンデンサC2、電力変換回路6、制御部7、電源回路8、及び電圧変換部9を備える。
【0025】
整流回路4は、一対の交流入力端41と、一対の直流出力端42と、を有する。
【0026】
整流回路4は、例えばダイオードブリッジ回路である。一対の交流入力端41には、交流電源PSから交流電圧が入力される。整流回路4は、一対の交流入力端41に入力される交流電圧を全波整流することによって脈流電圧に変換し、一対の直流出力端42に脈流電圧を出力する。ここにおいて、脈流電圧の高電位側となる直流出力端42をハイサイドの直流出力端421とし、脈流電圧の低電位側となる直流出力端42をローサイドの直流出力端422とする。なお、ローサイドの直流出力端422は降圧チョッパ回路5のグランドに接続されている。
【0027】
入力コンデンサC1は、例えば無極性のフィルムコンデンサである。入力コンデンサC1の静電容量は1μF以下である。入力コンデンサC1は、整流回路4の一対の直流出力端42の間に接続される。入力コンデンサC1は、降圧チョッパ回路5等で発生するスイッチングノイズを除去するためのコンデンサであり、スイッチングノイズが交流電源PS側の電路に流出するのを抑制する。なお、入力コンデンサC1はフィルムコンデンサに限定されず、セラミックコンデンサ等でもよい。
【0028】
降圧チョッパ回路5は、
図1に示すように、スイッチング素子S1と、チョークコイルL1と、回生ダイオードD1と、補助巻線L2と、を有する。また、降圧チョッパ回路5は、一対の入力端51と、一対の出力端52と、電流検出用の抵抗R1と、を有する。なお、以下では降圧チョッパ回路5の一対の入力端51を一対の第1入力端、一対の出力端52を一対の第1出力端と言う場合もある。
【0029】
一対の入力端51は、整流回路4が有する一対の直流出力端42と各々接続される。一対の直流出力端42の間には、ノイズ除去用の入力コンデンサC1が接続されている。一対の入力端51には、交流電源PSの交流電圧を整流回路4で整流した全波整流電圧V1が入力される。ここで、一対の入力端51のうち、全波整流電圧V1の高電位側となる入力端51をハイサイドの入力端511とし、全波整流電圧V1の低電位側となる入力端51をローサイドの入力端512とする。
【0030】
降圧チョッパ回路5は、一対の入力端51に入力される全波整流電圧V1を降圧して、所定の目標電圧値の直流電圧に変換し、一対の出力端52に出力する。一対の出力端52の間には出力コンデンサC2が接続されている。つまり、本実施形態の点灯装置2は、降圧チョッパ回路5が有する一対の出力端52の間に接続される出力コンデンサC2を更に備え、出力コンデンサC2は、降圧チョッパ回路5の出力電圧を平滑する。ここで、一対の出力端52のうち、降圧チョッパ回路5の出力電圧の高電位側となる出力端52をハイサイドの出力端521とし、出力電圧の低電位側となる出力端52をローサイドの出力端522とする。なお、ハイサイドの出力端521は、ハイサイドの直流出力端421に電気的に接続されている。
【0031】
スイッチング素子S1は、例えば、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETである。なお、スイッチング素子S1は、MOSFET以外に、例えばバイポーラトランジスタなどの他の半導体スイッチング素子であってもよい。
【0032】
スイッチング素子S1の第1端(ソース電極)は、抵抗R1を介してローサイドの入力端512に接続されている。スイッチング素子S1の第2端(ドレイン電極)は、チョークコイルL1の第1端に接続されている。つまり、スイッチング素子S1はローサイドの入力端512とチョークコイルL1との間に接続されている。また、スイッチング素子S1の制御電極(ゲート電極)は、制御部7の出力端子PO1に接続されており、スイッチング素子S1は、制御部7から制御電極に入力される制御信号に応じてオン又はオフに制御される。なお、制御部7とスイッチング素子S1の制御電極との間には、スイッチング素子S1を駆動する駆動回路が接続されていてもよく、駆動回路が、制御部7からの制御信号に応じてスイッチング素子S1をオン又はオフに制御してもよい。
【0033】
チョークコイルL1の第1端はスイッチング素子S1の第2端(ドレイン電極)に接続され、チョークコイルL1の第2端はローサイドの出力端522に接続されている。
【0034】
回生ダイオードD1のアノードは、スイッチング素子S1の第2端とチョークコイルL1の第1端との間の経路上の節点に接続されている。また、回生ダイオードD1のカソードは、ハイサイドの入力端511とハイサイドの出力端521との間の経路上の節点に接続されている。回生ダイオードD1は、スイッチング素子S1のオフ時に、チョークコイルL1に蓄えられたエネルギによって電流が流れる閉回路LP1の一部を形成する。閉回路LP1は、チョークコイルL1と回生ダイオードD1と出力コンデンサC2とを含む。スイッチング素子S1のオフ時には、スイッチング素子S1のオン時にチョークコイルL1に蓄えられたエネルギによって、チョークコイルL1から回生ダイオードD1及び出力コンデンサC2を介して電流が流れる。
【0035】
補助巻線L2は、チョークコイルL1に磁気結合されている。
【0036】
補助巻線L2の第1端は、ダイオードD3のアノードに接続されている。ダイオードD3のカソードはコンデンサC4の第1端に接続され、コンデンサC4の第2端は降圧チョッパ回路5のグランドに接続されている。コンデンサC4と並列に抵抗R2,R3の直列回路が接続されており、抵抗R2,R3の接続点が制御部7の入力端子PI1に接続されている。補助巻線L2の第2端は、整流回路4のローサイドの直流出力端422に接続されている。ここにおいて、ダイオードD3とコンデンサC4と抵抗R2,R3とで、補助巻線L2の電圧を変換して出力する電圧変換部9が構成される。電圧変換部9は、補助巻線L2の電圧を整流、平滑した後、抵抗R2と抵抗R3との分圧比で分圧(降圧)した電圧を、制御部7の入力端子PI1に出力する。
【0037】
また、補助巻線L2の第1端は、電流制限抵抗R5の第1端に接続されている。電流制限抵抗R5の第2端にはコンデンサC5の第1端が接続され、コンデンサC5の第2端は降圧チョッパ回路5のグランドに接続されている。ここにおいて、電流制限抵抗R5とコンデンサC5とでRCフィルタ回路が構成されており、電流制限抵抗R5とコンデンサC5との接続点が、制御部7の入力端子PI2に接続されている。つまり、補助巻線L2の第1端は、電流制限抵抗R5を含むフィルタ回路20を介して制御部7の入力端子PI2に接続されている。
【0038】
また、補助巻線L2の第1端には、ダイオードD2のアノードが接続され、ダイオードD2のカソードとグランドとの間には平滑用のコンデンサC3が接続されている。補助巻線L2に発生する電流がダイオードD2を介してコンデンサC3に流れることによって、コンデンサC3が充電される。コンデンサC3に充電された電圧が駆動電圧として制御部7に供給される。ここにおいて、ダイオードD2及びコンデンサC3等から制御部7に駆動電圧を供給する電源回路8が構成されている。電源回路8は、補助巻線L2の電圧を整流、平滑して、制御部7の駆動電圧を生成する。
【0039】
制御部7は、例えば、降圧チョッパ回路用の制御ICで構成される。制御部7は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有する制御ICを主構成要素として備えている。つまり、制御部7による降圧チョッパ回路5の制御は、ハードウェアである制御ICと、制御ICで実行されるソフトウェアとで実現される。制御部7は、電源回路8から駆動電圧が供給されて動作する。
【0040】
制御部7は、3つの入力端子PI1~PI3と、1つの出力端子PO1と、を備える。
【0041】
入力端子PI1は、補助巻線L2に発生する電圧をフィードバックするため入力端子であり、入力端子PI1を第1入力端子という場合もある。入力端子PI1には、電圧変換部9から補助巻線L2の電圧を変換(降圧)した電圧が入力される。ここで、電圧変換部9は、補助巻線L2の電圧を整流、平滑するダイオードD3及びコンデンサC4と、コンデンサC4の電圧を分圧する分圧抵抗R2,R3とで構成されている。したがって、補助巻線L2の電圧をフィードバックする回路にフォトカプラやコンパレータ等を用いる場合に比べて、回路の規模を小さくでき、回路の小型化を実現できる。
【0042】
入力端子PI2は、チョークコイルL1に流れる電流がゼロレベルとなる状態を検知するための入力端子であり、入力端子PI2を第2入力端子という場合もある。入力端子PI2には、補助巻線L2の電圧をフィルタ回路20で平滑化して得た電圧が入力される。なお、チョークコイルL1に流れる電流がゼロレベルとなる状態とは、チョークコイルL1に流れる電流が完全にゼロになる状態に限定されず、チョークコイルL1に流れる電流がゼロ付近の閾値以下となる状態も含み得る。
【0043】
チョークコイルL1に流れる電流に応じて、補助巻線L2に二次電流が発生すると、補助巻線L2に発生する二次電流によってコンデンサC4が充電され、コンデンサC4の電圧を抵抗R2,R3で分圧した電圧が入力端子PI1に入力される。また、チョークコイルL1に流れる電流に応じて、補助巻線L2に二次電流が発生すると、電流制限抵抗R5を介してコンデンサC5が充電され、コンデンサC5の電圧が入力端子PI2に入力される。これにより、制御部7の入力端子PI1,PI2に、補助巻線L2に流れる二次電流に応じた電圧、つまり補助巻線L2の電圧に応じた電圧が入力される。
【0044】
制御部7は、出力端子PO1からスイッチング素子S1の制御電極に制御信号を出力することによって、スイッチング素子S1のオン期間とオフ期間が交互に繰り返すように、スイッチング素子S1のオン/オフを制御し、降圧チョッパ回路5に降圧動作を行わせる。制御部7は、降圧チョッパ回路5の出力電圧の電圧値が目標電圧値に一致するようにスイッチング素子S1のオン/オフを制御する。これにより、降圧チョッパ回路5の一対の出力端52の間に接続された出力コンデンサC2の電圧が目標電圧値に制御されるので、電力変換回路6に入力される電圧を一定電圧に制御することができる。
【0045】
スイッチング素子S1のオン/オフが交互に切り替わると、チョークコイルL1に流れる電流が変化し、補助巻線L2には、チョークコイルL1に流れる電流に応じた二次電流が発生する。制御部7の入力端子PI2には、補助巻線L2の電圧をフィルタ回路20で平滑化した電圧が入力される。制御部7は、スイッチング素子S1のオフ時に、入力端子PI2に入力される電圧が所定の閾値電圧以下になると、チョークコイルL1に流れる電流がゼロレベルであると判断し、スイッチング素子S1をオフからオンに切り替える。これにより、制御部7は、スイッチング素子S1を電流臨界モードでスイッチングする。ここにおいて、電流臨界モードとは、スイッチング素子S1がオフの状態で、チョークコイルL1に流れる電流(回生電流)がゼロレベルとなったときにスイッチング素子S1をオンにする動作モードである。
【0046】
また、電圧変換部9は補助巻線L2の電圧を降圧して制御部7の入力端子PI1に出力しており、制御部7は、入力端子PI1に入力される電圧(電圧変換部9の出力電圧)に基づいて、降圧チョッパ回路5の出力電圧の電圧値が所定の目標電圧に一致するように、スイッチング素子S1のオン時間を変化させる。
【0047】
また、制御部7は、入力端子PI3に入力される電圧値に基づいて、降圧チョッパ回路5に過電流等の異常電流が流れている状態を検出すると、降圧チョッパ回路5の出力電流を制限する等の保護動作を行う。
【0048】
電力変換回路6は、一対の入力端(第2入力端)61と、一対の出力端(第2出力端)62と、を備える。ここで、一対の入力端61を第2入力端と言い、一対の出力端62を第2出力端と言う場合もある。一対の入力端(第2入力端)61は、降圧チョッパ回路5の一対の出力端(第1出力端)52の各々に接続されている。一対の出力端62には光源3が接続されている。電力変換回路6は、降圧チョッパ回路5の出力電圧を電圧変換して光源3に出力する。電力変換回路6は、例えば、一対の入力端61に入力される直流電圧を降圧して、光源3の負荷の大きさに応じた電圧値に変換する降圧チョッパ回路で構成されている。なお、電力変換回路6は、例えば、光源3の明るさを設定する設定器から入力される設定信号に応じて、光源3に出力する電流の大きさを制御することによって、光源3の明るさを制御することもできる。
【0049】
なお、電力変換回路6の回路構成は降圧チョッパ回路に限定されず、昇降圧チョッパ回路でもよく、適宜変更が可能である。
【0050】
(3)降圧チョッパ回路の動作説明
制御部7は、スイッチング素子S1のオン期間とオフ期間が交互に繰り返すようにスイッチング素子S1のオン/オフを周期的に制御する。なお、スイッチング素子S1のスイッチング周波数は、交流電圧Vacの周波数に比べて十分高い周波数に設定されている。
【0051】
スイッチング素子S1のオン期間では、整流回路4のハイサイドの直流出力端421から出力コンデンサC2、チョークコイルL1、スイッチング素子S1、抵抗R1を介して整流回路4のローサイドの直流出力端422に電流が流れる。スイッチング素子S1のオン期間ではチョークコイルL1に流れる電流I2は徐々に増加し(
図4参照)、チョークコイルL1にエネルギが蓄積される。
【0052】
制御部7は、入力端子PI1に入力される電圧(つまり、補助巻線L2の電圧を電圧変換部9で降圧した電圧)に基づいて、降圧チョッパ回路5の出力電圧V2の電圧値が目標電圧に一致するように、スイッチング素子S1のオン時間を決定する。制御部7は、スイッチング素子S1をオフからオンに切り替えた時点からオン時間が経過すると、スイッチング素子S1をオンからオフに切り替える。
【0053】
スイッチング素子S1のオフ期間では、オン期間にチョークコイルL1に蓄えられたエネルギが放出され、チョークコイルL1からダイオードD1及び出力コンデンサC2を介して電流が流れる。チョークコイルL1に蓄えられたエネルギが減少するにつれて、チョークコイルL1に流れる電流I2は徐々に低下する。そして、制御部7が、入力端子PI2に入力される電圧(フィルタ回路20の出力電圧)に基づいて、チョークコイルL1に流れる電流I2がゼロレベルになった状態を検出すると、制御部7は、スイッチング素子S1をオフからオンに切り替える。スイッチング素子S1がオンになると、オン期間の電流経路で電流が流れ、チョークコイルL1に流れる電流I2は徐々に増加し、チョークコイルL1にエネルギが蓄積される。
【0054】
制御部7が、スイッチング素子S1のオン期間とオフ期間を交互に繰り返すように、スイッチング素子S1のオン/オフを制御することによって、降圧チョッパ回路5は、整流回路4から入力される脈流電圧を降圧して電圧値が一定の直流電圧に変換する。ここで、制御部7は、電流臨界モードでスイッチング素子S1のオン/オフを制御しているので、スイッチング動作によって発生するサージ電圧を抑制でき、スイッチング損失の発生を抑制することができる。
【0055】
そして、電力変換回路6が、降圧チョッパ回路5の出力電圧V2を、光源3の負荷の大きさに応じた電圧値に降圧して、光源3に出力しており、光源3を点灯させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、チョークコイルL1に設けられた補助巻線L2を、定電圧制御のためのフィードバック用、チョークコイルL1に流れる電流がゼロレベルになる状態を検出するためのゼロレベル検出用、及び、制御部7の動作電圧の生成用に用いているので、別々に巻線を設ける場合に比べて、回路構成を簡略化することができる。
【0057】
(4)利点
(4.1)利点1
本実施形態の点灯装置2が有する入力コンデンサC1は静電容量が1μF以下であるため、交流電源PSから点灯装置2に流れる入力電流Iin(
図3参照)の波形を正弦波に近づけ、交流電源PSの力率を改善することができる。以下に詳細に説明する。
【0058】
まず、比較例として、入力コンデンサC1に代わって静電容量が1μFよりも十分大きい(例えば100μF)コンデンサが一対の直流出力端42間に接続された点灯装置による脈流電圧の平滑動作について
図5を参照して説明する。
【0059】
図5に示すように、比較例のコンデンサの両端の電圧V10は、第1期間T1(T1B)において、脈流電圧Vpと等しくなる。なお、脈劉電圧Vpは交流電源PSから入力される交流電圧を全波整流した電圧である。この第1期間T1Bでは脈流電圧Vpが降圧チョッパ回路5に印加される。つまり、第1期間T1Bにおいては、交流電源PSから点灯装置2に入力電流Iinが流れる。
【0060】
一方、第2期間T2(T2B)では、コンデンサの電圧V10の降下速度が脈流電圧Vpの変化速度よりも遅いため、脈流電圧Vpが電圧V10よりも低くなる。つまり、第2期間T2Bでは、降圧チョッパ回路5には脈流電圧Vpが印加されず、コンデンサの両端の電圧V10が印加されるので、交流電源PSから点灯装置2に入力電流Iinが流れない。このため、比較例の点灯装置では入力電流Iinの波形は
図5に示すような高調波成分が重畳された歪んだ波形となる。
【0061】
ここで、入力電流Iinが流れない第2期間T2の長さは、一対の直流出力端42間に接続されたコンデンサの電圧V10の降下速度によって決まる。具体的には、一対の直流出力端42間に接続されたコンデンサの電圧V10の降下速度が速いほど、第2期間T2の長さは短くなる。つまり、一対の直流出力端42間に接続されたコンデンサの静電容量が小さいほど、第2期間T2の長さは短くなる。したがって、比較例のコンデンサよりも静電容量が小さい入力コンデンサC1が一対の直流出力端42(一対の入力端51)間に接続された本実施形態の場合、
図3に示すように、第2期間T2(T2A)の長さは、比較例での第2期間T2Bよりも短くなり、入力電流Iinの波形は正弦波に近づく。これにより、交流電源PSの力率が改善する。
【0062】
一方、本実施形態での第1期間T1(T1A)の長さは比較例の第1期間T1Bよりも長くなる。つまり、一対の入力端51に入力される全波整流電圧V1は、比較例での電圧V10と比較して脈流成分に起因するリップルを多く含んだ状態となる。このため、降圧チョッパ回路5から一対の出力端52に出力される直流電圧も、全波整流電圧V1のリップルを多く含んだ状態となる。そのため、一対の出力端52間に接続される出力コンデンサC2の静電容量を入力コンデンサC1の静電容量の100倍以上とすることが好ましい。出力コンデンサC2の静電容量を入力コンデンサC1の静電容量の100倍以上とすることにより、リップルが低減された略一定電圧の直流電圧V2を出力コンデンサC2から電力変換回路6に出力することができる。
【0063】
(4.2)利点2
本実施形態の点灯装置2では、制御部7が、降圧チョッパ回路5の出力電圧V2の目標電圧値を100V以下に制御している。制御部7が出力電圧V2の目標電圧値を100V以下に制御することによって、出力電圧V2の電圧値を変換して光源3に出力する電力変換回路6を簡易な構成とすることができる。換言すると、制御部7が、降圧チョッパ回路5の出力電圧V2の目標電圧値を100V以下に制御することによって、簡易な構成の電力変換回路6によって、光源3に出力する直流電圧を細かに制御することができる。以下に詳細に説明する。
【0064】
電力変換回路6は、例えばスイッチング素子としてMOSFETを有する降圧チョッパ部と、MOSFETのオン/オフを制御するマイクロコントローラと、降圧チョッパ回路5の出力電圧V2を降圧してマイクロコントローラの駆動電圧を生成する駆動電源部と、を有している。
【0065】
ここで、駆動電源部によって生成される駆動電圧が、マイクロコントローラの動作電圧と、MOSFETのゲート電圧とを兼ねるように構成されていれば、MOSFETのゲート電圧を生成する制御電圧回路を別途設ける必要がなく、電力変換回路6を簡易な構成とすることができる。
【0066】
マイクロコントローラの動作電圧は、一般的に5V以下(例えば5V)である。したがって、駆動電源部が生成する駆動電圧を、マイクロコントローラの動作電圧と、MOSFETのゲート電圧とに兼用するためには、MOSFETとしてゲート閾値電圧が5V以下であるMOSFETを選択する必要がある。例えば、駆動電源部が生成する駆動電圧を5Vに設定した場合、5Vの駆動電圧がゲート電圧としてゲートに入力されることよりオン状態となるMOSFETを選択する必要がある。一般的に、ゲート閾値電圧が5V以下であるMOSFETのドレイン-ソース間電圧の定格値は100V以下である。つまり、制御部7が、降圧チョッパ回路5の出力電圧の目標電圧値を100V以下に制御することによって、マイクロコントローラの駆動電圧を生成する駆動電源部の駆動電圧でMOSFETを駆動することが可能になり、電力変換回路6の構成を簡素化することができる。
【0067】
(5)変形例
以下、本実施形態の変形例を列挙する。
【0068】
上記実施形態では、降圧チョッパ回路5のスイッチング素子S1がMOSFETであったが、スイッチング素子S1はMOSFETに限定されず、バイポーラトランジスタ等でもよい。
【0069】
上記実施形態では、チョークコイルL1に設けられた補助巻線L2を、定電圧制御のためのフィードバック用、チョークコイルL1に流れる電流がゼロレベルになる状態を検出するためのゼロレベル検出用、及び、制御部7の動作電圧の生成用に兼用しているが、少なくとも定電圧制御のためのフィードバック用に利用すればよい。降圧チョッパ回路5は、補助巻線L2以外の回路要素を用いて、チョークコイルL1に流れる電流がゼロレベルになる状態を検出したり、制御部7の動作電圧を生成したりしてもよい。
【0070】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0071】
第1の態様の点灯装置(2)は、整流回路(4)と、降圧チョッパ回路(5)と、補助巻線(L2)と、電圧変換部(9)と、制御部(7)と、を備える。整流回路(4)は、一対の交流入力端(41)と、一対の直流出力端(42)と、を有する。整流回路(4)は、交流電源(PS)から一対の交流入力端(41)に入力される交流電圧を整流した脈流電圧を、一対の直流出力端(42)に出力する。降圧チョッパ回路(5)は、チョークコイル(L1)、スイッチング素子(S1)、及び回生ダイオード(D1)を有する。スイッチング素子(S1)は、一対の直流出力端(42)のうちローサイドの直流出力端(422)と、チョークコイル(L1)との間に接続される。回生ダイオード(D1)は、スイッチング素子(S1)のオフ時にチョークコイル(L1)を含む閉回路(LP1)を形成する。補助巻線(L2)はチョークコイル(L1)に磁気結合される。電圧変換部(9)は、補助巻線(L2)の電圧を変換して出力する。制御部(7)は、電圧変換部(9)の出力電圧が入力される入力端子(PI1)を有する。制御部(7)は、入力端子(PI1)に入力される電圧に基づいてスイッチング素子(S1)のオン/オフを制御する。
【0072】
この態様によれば、回路規模の小型化が可能な点灯装置(2)を提供することができる。
【0073】
第2の態様の点灯装置(2)は、第1の態様において、降圧チョッパ回路(5)が有する一対の出力端(52)の間に接続される出力コンデンサ(C2)を更に備える。出力コンデンサ(C2)は、降圧チョッパ回路(5)の出力電圧を平滑する。
【0074】
この態様によれば、光源(3)に印加する電圧の電圧変動を低減できる。
【0075】
第3の態様の点灯装置(2)は、第2の態様において、降圧チョッパ回路(5)が有する一対の入力端(51)の間に接続される入力コンデンサ(C1)を更に備える。入力コンデンサ(C1)の静電容量は、1μF以下である。出力コンデンサ(C2)の静電容量は、入力コンデンサ(C1)の静電容量の100倍以上である。
【0076】
この態様によれば、降圧チョッパ回路(5)の出力電圧のリップルを低減することができる。
【0077】
第4の態様の点灯装置(2)は、第1~第3のいずれかの態様において、補助巻線(L2)の電圧を整流、平滑して制御部(7)の駆動電圧を生成する電源回路(8)を更に備える。
【0078】
この態様によれば、スイッチング素子(S1)の制御に用いる補助巻線(L2)を、制御部(7)の駆動電圧を生成する電源回路(8)に兼用しているので、回路構成を簡素化して、回路規模の小型化を図ることができる。
【0079】
第5の態様の点灯装置(2)では、第1~第4のいずれかの態様において、制御部(7)は、降圧チョッパ回路(5)の出力電圧の電圧値が目標電圧値に一致するようにスイッチング素子(S1)のオン/オフを制御する。
【0080】
この態様によれば、降圧チョッパ回路(5)の出力電圧の電圧値を目標電圧値に制御する定電圧制御を行うことができる。
【0081】
第6の態様の点灯装置(2)では、第5の態様において、目標電圧値が100V以下である。
【0082】
この態様によれば、降圧チョッパ回路(5)の後段に設ける電力変換回路(6)の構成を簡素化することができる。
【0083】
第7の態様の点灯装置(2)は、第1~第6のいずれかの態様において、降圧チョッパ回路(5)の出力電圧を電圧変換して光源(3)に出力する電力変換回路(6)を、更に備える。
【0084】
この態様によれば、電力変換回路(6)により光源(3)に出力する電圧をより細かく制御することができる。
【0085】
第8の態様の点灯装置(2)では、第1~第7のいずれかの態様において、制御部(7)は、電流臨界モードでスイッチング素子(S1)のオン/オフを制御する。
【0086】
この態様によれば、スイッチング素子(S1)のスイッチング損失を低減することができる。
【0087】
第9の態様の点灯装置(2)では、第8の態様において、入力端子(PI1)は第1入力端子(PI1)である。制御部(7)は、補助巻線(L2)の一端に、電流制限抵抗(R5)を含むフィルタ回路(20)を介して接続される第2入力端子(PI2)を更に有する。制御部(7)は、第2入力端子(PI2)に入力される電圧に基づいて、スイッチング素子(S1)のオフ時に、チョークコイル(L1)に流れる電流がゼロレベルになる状態を検出すると、スイッチング素子(S1)をオフからオンに制御する。
【0088】
この態様によれば、スイッチング素子(S1)の制御に用いる補助巻線(L2)を、チョークコイル(L1)に流れる電流がゼロレベルになる状態を検出する用途に兼用しているので、回路構成を簡素化して、回路規模の小型化を図ることができる。
【0089】
なお、第2~第9の態様に係る構成については、点灯装置(2)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0090】
第10の態様の照明器具(1)は、第1~第9のいずれかの態様の点灯装置(2)と、光源(3)と、を備える。点灯装置(2)は、交流電源(PS)を電源として光源(3)を点灯する。
【0091】
この態様によれば、回路規模の小型化が可能な照明器具(1)を提供することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 照明器具
2 点灯装置
3 光源
4 整流回路
5 降圧チョッパ回路
6 電力変換回路
7 制御部
8 電源回路
9 電圧変換部
20 フィルタ回路
41 交流入力端
42 直流出力端
51 入力端
52 出力端
422 直流出力端
C1 入力コンデンサ
C2 出力コンデンサ
D1 回生ダイオード
L1 チョークコイル
L2 補助巻線
PI1 入力端子(第1入力端子)
PI2 入力端子(第2入力端子)
PS 交流電源
S1 スイッチング素子