(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175568
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】板離れ防止システム
(51)【国際特許分類】
B21B 37/50 20060101AFI20241211BHJP
B21B 37/00 20060101ALI20241211BHJP
B21B 39/08 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B21B37/50
B21B37/00 300
B21B39/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093451
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】魏 喬
【テーマコード(参考)】
4E124
【Fターム(参考)】
4E124AA01
4E124BB04
4E124BB05
4E124CC03
4E124EE01
4E124EE13
(57)【要約】
【課題】ルーパの板離れを予測して板離れの防止に役立てることができる板離れ防止システムを提供する。
【解決手段】実施形態は、2台の圧延スタンド間に設けられたルーパと、前記ルーパ上を搬送される圧延材の形状とを撮像して画像データを生成するカメラと、前記画像データにもとづいて、前記ルーパと前記圧延材との接触が失われる板離れの予兆を判定して、検出結果に応じて設定された所定の第1指令を前記2台の圧延スタンドおよび前記ルーパを制御する制御装置に出力する画像処理装置と、を備える。前記画像処理装置は、あらかじめ設定された判定基準と前記画像データとを比較して、前記板離れの予兆を判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2台の圧延スタンド間に設けられたルーパと、前記ルーパ上を搬送される圧延材の形状とを撮像して画像データを生成するカメラと、
前記画像データにもとづいて、前記ルーパと前記圧延材との接触が失われる板離れの予兆を判定して、検出結果に応じて設定された所定の第1指令を前記2台の圧延スタンドおよび前記ルーパを制御する制御装置に出力する画像処理装置と、
を備え、
前記画像処理装置は、あらかじめ設定された判定基準と前記画像データとを比較して、前記板離れの予兆を判定する板離れ防止システム。
【請求項2】
前記画像処理装置は、前記画像データにもとづいて、前記ルーパと前記圧延材との間の距離である板離れ程度を計測して、前記板離れ程度が所定のしきい値以上の場合に、板離れによって生じる事故を防止するように設定された所定の第2指令を前記制御装置に出力する請求項1記載の板離れ防止システム。
【請求項3】
前記判定基準は、前記圧延材の材料属性ごとに設定された学習データを含む請求項1記載の板離れ防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、圧延システムに設けられたルーパの板離れ防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼プラントの仕上圧延は、圧延材に微細な加工を施すための重要な工程である。仕上圧延設備中には、圧延材を圧延するための複数の圧延スタンドが設けられており、圧延スタンドの間にルーパが設置されている。ルーパは、圧延スタンド間を搬送される圧延材を下から支えながら、上下に移動することにより、圧延材の張力変動を抑えて、安定した通板状態を確保する。
【0003】
仕上圧延において、圧延材が突発的にルーパから離れる現象が生じることがあり、この現象は板離れと呼ばれている。圧延材がルーパから離れたまま圧延材が搬送されると、圧延材が圧延スタンド間で詰まり、通過できないとの問題が生じる。このような状態を放置すると、圧延スタンドの間で圧延材が積み重なってしまい、圧延材に損傷を生じるほか、機器に障害を生じさせるおそれがある。そのような場合には、圧延ラインを停止させる必要があり、操業復旧に長大な時間を要する。
【0004】
特許文献1では、ルーパを駆動する電動機の回転速度をルーパの張力制御系に組み込むことにより、圧延条件に変動があっても常に安定したルーパ高さ制御が可能となるとの技術が開示されている。しかし、この制御系は張力に強く依存しているため、板離れが発生して無張力状態となると機能しないおそれがある。
【0005】
特許文献2では、ルーパ角度と圧延材張力を目標値にして制御するルーパ多変数制御をルーパ制御系に組み込み、板離れが発生した際にコントローラが異常を検出して、通板を優先するようルーパの高さとスタンド速度を制御する技術が開示されている。この技術では、ルーパを圧延材に接触させて張力を再び検出できるようにして、安定した通板状態へ戻すことが可能とされている。しかし、板離れ状態時においては、ルーパの高さとスタンド速度を制御するための定量的な目標値を得られないため、これらを最適に制御することは困難であり、誤った制御量を出力することによって、過張力等の問題が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-305322号公報
【特許文献2】特開2006-181582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来知られた技術では、板離れが発生した場合、張力がゼロに固定され、制御不能に陥るおそれがある。板離れが発生する前に、板離れを予測し、圧延システムに対して、板離れを防止するように処理を行わせることによって、制御不能の状態を回避することが望まれる。
【0008】
本発明の実施形態は、ルーパの板離れを予測して板離れの防止に役立てることができる板離れ防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、2台の圧延スタンド間に設けられたルーパと、前記ルーパ上を搬送される圧延材の形状とを撮像して画像データを生成するカメラと、前記画像データにもとづいて、前記ルーパと前記圧延材との接触が失われる板離れの予兆を判定して、検出結果に応じて設定された所定の第1指令を前記2台の圧延スタンドおよび前記ルーパを制御する制御装置に出力する画像処理装置と、を備える。前記画像処理装置は、あらかじめ設定された判定基準と前記画像データとを比較して、前記板離れの予兆を判定する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態によれば、ルーパの板離れを予測して板離れの防止に役立てることができる板離れ防止システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係るルーパの板離れ防止システムを例示する模式的なブロック線図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(c)は、ルーパの位置と圧延材の位置との関係を例示する模式図である。
【
図3】実施形態に係る板離れ防止システムの動作を説明するためのフローチャートの例である。
【
図4】実施形態に係る板離れ防止システムの動作を説明するためのフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
図1は、実施形態に係るルーパの板離れ防止システムを例示する模式的なブロック線図である。
図1に示すように、実施形態に係る板離れ防止システム100は、カメラ5a、5bと、画像処理装置8と、を備える。カメラ5a、5bは、ルーパ3の位置と圧延材4の位置との関係を撮像して画像データDa、Dbを生成し、画像処理装置8に出力する。画像処理装置8は、画像データDa、Dbにもとづいて、板離れの有無および板形状の異常の有無を判定して、それぞれの状態に応じた処理指令を生成して、コントローラ10、11に出力する。
【0014】
より具体的には、画像処理装置8は、板離れを発生したと判断した場合には、板離れ発生アラートを生成して、コントローラ10、11に出力する。画像処理装置8は、板離れを発生する可能性ありと判断した場合には、板離れ予測アラートD1を生成して、コントローラ10、11に出力する。コントローラ10、11は、これらのアラートを受信した場合の処理プログラムがあらかじめ設定されており、処理プログラムを起動して、適切な事故防止処理を実行する。適切な事故防止処理は、たとえば、ラインの緊急停止処理であり、あるいは、自動運転から手動運転に切り替える処理等である。
【0015】
実施形態に係る板離れ防止システム100の構成について、より詳細に説明する。
図1には、圧延スタンド1、圧延スタンド2およびルーパ3が示されている。この例では、圧延スタンド1は、圧延ラインの上流側に配置されている。圧延スタンド2は、圧延スタンド1よりも下流側に配置されている。ルーパ3は、2台の圧延スタンド1、2の間に配置されている。圧延材4は、上流側の圧延スタンド1を通過し、ルーパ3を経て、下流の圧延スタンド2に至る。
【0016】
圧延スタンド2は、ドライブ装置13によって速度制御されたモータ12によって駆動される。
図1では図示しないが、圧延スタンド1の圧延ミルもドライブ装置によって速度制御されたモータによって駆動される。ドライブ装置13には、コントローラ10が接続されており、ドライブ装置13は、コントローラ10が生成する速度基準DNにしたがって、モータ12等を速度制御する。
【0017】
ルーパ3は、2つの圧延スタンド1、2間で圧延材4の下方に配置され、圧延材4を下方から支持する。ルーパ3の高さは、コントローラ11が生成する高さ基準DHにしたがって制御されるアクチュエータ14によって調整される。圧延材4は、ルーパ3の高さによって所定の張力となるように制御される。
【0018】
カメラ5aは、圧延スタンド1、2およびルーパ3の配列のワークサイドに配置され、ルーパ3およびルーパ3によって支持される圧延材4をワークサイドから撮像する。カメラ5aは、ルーパ3および圧延材4がカメラ5aの撮像範囲6aに入るように位置を設定される。
【0019】
カメラ5bは、圧延スタンド1、2およびルーパ3の配列のドライブサイドに配置され、ルーパ3およびルーパ3によって支持される圧延材4をドライブサイドから撮像する。カメラ5bは、ルーパ3および圧延材4がカメラ5bの撮像範囲6bに入るように位置を設定される。
【0020】
カメラ5a、5bは、撮像範囲6a、6b内のルーパ3および圧延材4を撮像する。カメラ5a、5bは、撮像した画像を所定の画像データDa、Dbに変換して、画像処理装置8に出力する。なお、カメラは、圧延材4を撮像する角度を代えて、3台以上を配置するようにしてもよいし、カメラを配置可能な場所が制限される場合等には、1台を配置するだけでもよい。2台以上のカメラを配置することによって、1つの撮像範囲では、取得することが困難な圧延材4の傾き等の様子を画像データとして取得し、異常の有無について、より詳細な形状の判定を行うことが可能になる。
【0021】
図2(a)~
図2(c)は、ルーパの位置と圧延材の位置との関係を例示する模式図である。
図2(a)~
図2(c)は、ドライブサイドに設置されたカメラ5bがその撮像範囲6bで撮像するルーパ3および圧延材4の異なる状態を表している。
図2(a)~
図2(c)に示すように、カメラ5bは、撮像範囲6bのルーパ3および圧延材4の画像を撮像する。なお、図示しないが、ワークサイドに設置されたカメラ5aが撮像するルーパ3および圧延材4の状態も同様であり、カメラ5aは、撮像範囲6aのルーパ3および圧延材4の画像を撮像する。
【0022】
図2(a)は、圧延材4がルーパ3に接しており、ルーパ3が圧延材4を正常に支持している状態を示している。
図2(b)は、圧延材4がルーパ3から離れており、板離れを生じている状態を示している。
図2(c)は、圧延材4がルーパ3に接しているが、圧延材4の形状が異常であり、ルーパ3は圧延材4を正常に支持していないことを示している。
【0023】
画像データDbは、
図2(a)~
図2(c)のルーパ3および圧延材4の形状を表しており、画像処理装置8は、このような画像データDbを画像処理して、異常の有無を判断する。
【0024】
画像処理装置8は、画像データDbを画像処理して、「板離れ程度DS」を測定する。また、画像処理装置8は、画像データDbを画像処理して「板形状」を判定する。「板離れ程度DS」は、ルーパ3のロールと圧延材4との間の距離であり、ルーパ3のロールの最上部と、最上部の鉛直上方の圧延材4との間の距離である。
【0025】
画像処理装置8は、たとえば、板離れ程度DSについてのしきい値をあらかじめ有しており、画像データDbにもとづいて、測定した板離れ程度DSの値がしきい値よりも小さい場合には、少なくとも板離れを生じていないと判定する。画像処理装置8は、測定した板離れ程度DSの値がしきい値異常の場合には、板離れを生じていると判定する。
【0026】
また、画像処理装置8は、圧延材4の形状に関する判定基準をあらかじめ有している。判定基準は、たとえば、正常と判定される基準と異常と判定される基準とからなる。正常と判定される基準および異常と判定される基準は、機械学習の学習データとして設定されており、画像処理装置8は、取得した画像データDb中の圧延材4の形状の異常の有無を判定する。
【0027】
図3は、実施形態に係る板離れ防止システムの動作を説明するためのフローチャートの例である。
図3のフローチャートは、画像処理装置8が、カメラ5a、5bによって撮像されたルーパ3上の圧延材4の形状を含む画像データを学習データとして収集し、板離れの予兆を判定する基準に適用するために実行される。
【0028】
図3に示すように、ステップS11において、画像処理装置8は、カメラ5a、5bが撮像したルーパ3上の圧延材4の形状を含む画像データDa、Dbを収集する。画像データを収集する場合には、画像データには、圧延材4の材質や厚さ、幅等の属性情報等を関連付けてデータベースに格納する。
【0029】
ステップS12において、画像処理装置8のために、画像データDa、Dbを判定するための基準である学習データを作成する。判定の基準は、たとえばデータベースに格納された情報にしたがって、圧延材4の属性情報ごとに設定される。判定基準は、たとえば
図2(c)に示したような、ルーパ3上の圧延材4の形状ごとに、板離れを生じるか、板離れを生じないかにより決定される。より多数の判定基準となる画像データを収集するために、画像処理装置8を他の圧延ラインや他のプラントで収集された判定可能な画像データを収集して、データベースとするようにしてもよい。
【0030】
ステップS13において、画像処理装置8は、作成した判定基準である学習データを学習モデルに適用し、板離れ防止システム100を運転する。画像処理装置8は、設定されている学習モデルにしたがって、判定基準を追加修正し、都度、学習モデルに適用する。
【0031】
ステップS14において、たとえばあらかじめ設定された時間が経過した時点で、画像処理装置8によって行われた判定が適切であったか否かが評価される。学習モデルの性能評価は、オフラインで操作者が他のプログラムを用いて行ってもよいし、画像処理装置8に導入された評価プログラムを用いる等してもよい。
【0032】
ステップS15において、ステップS14での性能評価が十分であったと判定された場合には、処理が終了される。ステップS14での性能評価が十分でなかった場合には、処理はステップS16に遷移される。
【0033】
ステップS16において、性能評価の結果にもとづいて、学習モデルを改修する。
【0034】
ステップS17において、改修した学習モデルについて、さらに学習モデルのパラメータを調整して、ステップS13の板離れ防止システム100に適用する。
【0035】
上述のサイクルは、所定期間ごとにオフラインで行ってもよいし、たとえば、操作者が監視し、異常時には手動介入できる体制にして、オンラインで学習モデルの最適化を図るようにしてもよい。
【0036】
図4は、実施形態に係る板離れ防止システムの動作を説明するためのフローチャートの例である。
図4には、板離れ防止システム100の全体の動作の流れが示されている。
図4に示すように、ステップS21において、画像処理装置8は、カメラ5a、5bで撮像したルーパ3上の圧延材の位置および形状を含む画像データDa、Dbを取得する。
【0037】
ステップS22において、画像処理装置8は、画像データDa、Dbを画像処理して、ルーパ3とルーパ3の直上の圧延材4との間の距離である板離れ程度DSを計測する。
【0038】
ステップS23において、画像処理装置8は、計測した板離れ程度DSと所定のしきい値とを比較する。画像処理装置8は、板離れ程度DSがしきい値よりも小さい場合には、板離れが発生していないと判定し、処理をステップS24に遷移させる。画像処理装置8は、板離れ程度DSがしきい値以上の場合には、板離れが発生したと判定して、処理をステップS27に遷移させる。
【0039】
ステップS24において、板離れが発生していないと判定した画像処理装置8は、ルーパ3上の圧延材4の形状を分析する。圧延材4の形状の分析では、時間経過とともに、どのように圧延材4の形状が変化するかを監視する。
【0040】
ステップS25において、画像処理装置8は、学習モデルを用いて、圧延材の形状およびその形状の変化が板離れの予兆を示すものであるか否かを判定する。画像処理装置8は、板離れ発生の可能性がないと判定した場合には、処理を終了する。画像処理装置8は、板離れ発生の可能性があると判定した場合には、処理をステップS26に遷移させる。
【0041】
ステップS26において、画像処理装置8は、圧延材4の形状が板離れの発生を予測させる異常状態を示しているとして、たとえば、コントローラ10、11に所定時間後に手動介入に切り替える旨の指令を送信する。また、コントローラ10、11は、HMI端末に対して、手動介入をうながす旨の表示を出力する指令を送信する。
【0042】
ステップS23で、板離れが発生したと判定された場合には、ステップS27において、画像処理装置8は、板離れ程度DSの値を出力する。
【0043】
ステップS28において、画像処理装置8は、板離れが発生し、圧延状態が異常である旨のアラームを生成して、コントローラ10、11に送信する。アラームを受信したコントローラ10、11では、あらかじめ設定された処理を実行する。板離れが発生している状況では制御が困難になり、そのまま放置すると、圧延スタンド1、2間で圧延材4が積み重なり、圧延材4や機器等に損傷を生じさせるおそれがあるので、たとえばコントローラ10、11は、該当の圧延ラインを緊急停止させる指令を生成し、各機器に出力する。
【0044】
本実施形態に係る板離れ防止システム100の効果について説明する。
本実施形態に係る板離れ防止システム100は、画像処理装置8を備えており、画像処理装置8は、ルーパ3上の圧延材4の形状を監視し、画像処理を用いて、その形状が圧延状態の異常の予兆であるか否かを判定する。画像処理装置8は、圧延材4の形状が圧延以上の予兆を示すと判定した場合には、板離れが発生することが予測される旨のアラームを出力するので、アラームを受信したコントローラ10、11は、板離れを防止するための処理を実行することができる。
【0045】
画像処理装置8が生成し、出力する板離れの予兆を表すアラームは、1種類に限らず、圧延材4の形状の時系列的な変化のパターンに応じて、複数種類とすることができる。画像処理装置8は、これらのパターンごとに設定されたアラームをコントローラ10、11に出力する。コントローラ10、11には、パターンごとに設定された板離れ回避のための処理を実行するので、板離れが生じ得る異常状態となる前に、適切な処理が実行される。
【0046】
このようにして、ルーパの板離れを予測する板離れ防止システムを実現することができる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1、2…圧延スタンド、3…ルーパ、4…圧延材、5a、5b…カメラ、8…画像処理装置、10、11…コントローラ、12…モータ、13…ドライブ装置、14…アクチュエータ、100…板離れ防止システム