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  • 特開-焼入れ深さ測定装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175573
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】焼入れ深さ測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/26 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G01B7/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093458
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】390029089
【氏名又は名称】高周波熱錬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127513
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(74)【代理人】
【氏名又は名称】奥井 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100206829
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 悟
(72)【発明者】
【氏名】堀野 孝
(72)【発明者】
【氏名】大仁田 俊
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA15
2F063BB02
2F063BB05
2F063BC03
2F063BC05
2F063DA01
2F063DA05
2F063GA03
2F063GA05
2F063GA29
2F063GA42
(57)【要約】
【課題】焼入れした鋼材の焼入れ深さ(硬化層の深さ)の測定精度をより向上させた焼入れ深さ測定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る焼入れ深さ測定装置は、焼入れした鋼材の表層に形成された硬化層の深さを測定する焼入れ深さ測定装置であって、磁束を発生させて鋼材を磁化する励磁コイルと、励磁コイルで発生させた磁束を検出する検出部と、を備え、励磁コイルは、両磁極と両磁極の基端部同士を連結する基部を有するものであり、両磁極の先端部が鋼材に対向し、検出部は、両磁極の間であって鋼材の表面に沿って配置され、鋼材と検出部との間の距離を測定する距離センサを設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼入れした鋼材の表層に形成された硬化層の深さを測定する焼入れ深さ測定装置であって、
磁束を発生させて前記鋼材を磁化する励磁コイルと、前記励磁コイルで発生させた磁束を検出する検出部と、を備え、
前記励磁コイルは、両磁極と前記両磁極の基端部同士を連結する基部を有するものであり、前記両磁極の先端部が前記鋼材に対向し、前記検出部は、前記両磁極の間であって前記鋼材の表面に沿って配置され、
前記鋼材と前記検出部との間の距離を測定する距離センサを設けた
ことを特徴とする焼入れ深さ測定装置。
【請求項2】
前記鋼材を固定する磁石を設けて、前記鋼材と前記検出部との間の距離を一定に保つ、請求項1に記載の焼入れ深さ測定装置。
【請求項3】
前記検出部に、磁束を検出する検出用センサを2つ設けた、請求項1に記載の焼入れ深さ測定装置。
【請求項4】
前記鋼材は、溝を有する部材であり、前記溝を焼入れて表層に形成された硬化層の深さを測定する、請求項3に記載の焼入れ深さ測定装置。
【請求項5】
前記鋼材を支持する支持部材を、前記励磁コイル、前記検出部及び前記距離センサと一体に設けた、請求項1に記載の焼入れ深さ測定装置。
【請求項6】
前記鋼材を支持する支持部材における前記鋼材の導入口にテーパー部を設けた、請求項5に記載の焼入れ深さ測定装置。
【請求項7】
前記鋼材の温度を測定する温度センサを設けた、請求項1~6のいずれか1項に記載の焼入れ深さ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼入れ深さ測定装置、すなわち、鋼材を焼入れして表層に形成された焼入れ深さ(硬化層の深さ)を測定する焼入れ深さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波焼入れは、焼入れ時間が短く、焼入れ深さを容易にコントロールできるため、高強度を必要とする様々な鋼材に対して利用されている。鋼材の焼入れ深さにより機械的特性が変化するため、製造後に、鋼材を焼入れして表層に形成された焼入れ深さ(硬化層の深さ)を測定する必要がある。
【0003】
従来から、上記の硬化層の深さを測定するために、鋼材(ワーク)を励磁コイルで磁化することにより磁束を発生させ、発生させた磁束を検出コイルで検出することが行われていたが、検出コイルの位置を変えることにより、測定精度を向上させた硬化層深さ測定装置が公知である(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、「ワークを焼入れて表層に形成された硬化層の深さを測定する装置であって、磁束を発生させて前記ワークを磁化する励磁コイルと、前記励磁コイルで発生させた磁束を検出する検出コイルと、前記励磁コイルと前記検出コイルとを一体に保持する保持部材と、を備え、前記励磁コイルは、両磁極の先端が前記ワークに対向する門形の励磁用コア部に励磁用コイルを巻回し、
前記検出コイルは、前記励磁用コア部の両磁極の間であって前記ワークの表面に沿って配置され磁性板を積層した検出用コア部に検出用コイルを巻回し、
前記保持部材は、前記ワークの断面形状に沿って形成された部分と、前記ワークに対して位置決めする位置決め部とを有する
ことを特徴とする硬化層深さ測定装置。」(請求項1)が記載されている。
【0005】
一方、ワークを焼入れして表層に形成された硬化層の深さを測定する場合、焼入れ時(熱処理時)の高温から常温に戻るまで待たなくても測定が可能となる硬化層深さ測定装置及び硬化層深さ測定方法も公知であり(特許文献2参照)、その測定装置には、ワークの温度を測定する温度センサが設けられ、高温下の測定値を、予め求められている測定時のワーク温度と前記硬化層の深さとの関係から、常温下での硬化層の深さに補正することが行われ、測定精度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6675676号公報
【特許文献2】特許第6662575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2に記載された硬化層深さ測定装置においては、検出コイルは、励磁コイルとは離れた位置に配置されているため、門形の励磁用コア部に流れる磁束の影響が及ぶことが少なく、従来に比べて、測定精度を高くできるものである(特許文献1の段落[0008]、特許文献2の段落[0009]参照)が、前記励磁コイルと前記検出コイルとを一体に保持する保持部材を備え、前記保持部材により、ワークを位置決めするものであるから、焼入れした鋼材と検出コイルとの距離の違いによって、硬化層の深さの測定値が変化するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような状況に鑑み、焼入れした鋼材の焼入れ深さ(硬化層の深さ)の測定精度をより向上させた焼入れ深さ測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
(1)焼入れした鋼材の表層に形成された硬化層の深さを測定する焼入れ深さ測定装置であって、
磁束を発生させて前記鋼材を磁化する励磁コイルと、前記励磁コイルで発生させた磁束を検出する検出部と、を備え、
前記励磁コイルは、両磁極と前記両磁極の基端部同士を連結する基部を有するものであり、前記両磁極の先端部が前記鋼材に対向し、前記検出部は、前記両磁極の間であって前記鋼材の表面に沿って配置され、
前記鋼材と前記検出部との間の距離を測定する距離センサを設けた
ことを特徴とする焼入れ深さ測定装置。
(2)前記鋼材を固定する磁石を設けて、前記鋼材と前記検出部との間の距離を一定に保つ、前記(1)の焼入れ深さ測定装置。
(3)前記検出部に、磁束を検出する検出用センサを2つ設けた、前記(1)又は(2)の焼入れ深さ測定装置。
(4)前記鋼材は、溝を有する部材であり、前記溝を焼入れて表層に形成された硬化層の深さを測定する、前記(1)~(3)のいずれかの焼入れ深さ測定装置。
(5)前記鋼材を支持する支持部材を、前記励磁コイル、前記検出部及び距離センサと一体に設けた、前記(1)~(4)のいずれかの焼入れ深さ測定装置。
(6)前記鋼材を支持する支持部材における前記鋼材の導入口にテーパー部を設けた、前記(5)の焼入れ深さ測定装置。
(7)前記鋼材の温度を測定する温度センサを設けた、前記(1)~(6)のいずれかの焼入れ深さ測定装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、焼入れした鋼材の焼入れ深さ(硬化層の深さ)の測定精度をより向上させた焼入れ深さ測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る焼入れ深さ測定装置の概略を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る励磁コイル及び検出部の概略を示す拡大図である。
図3】本発明の一実施形態に係る焼入れ深さ測定装置の測定原理を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係る焼入れ深さ測定装置に温度センサを設けた場合の制御部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(焼入れ)
本発明において焼入れとは、鋼材を所定の高温状態から急冷させる熱処理であり、鋼を金属組織がオーステナイト組織になるまで加熱した後、急冷してマルテンサイト組織を得る熱処理を指す。鋼材を硬くして、耐摩耗性や引張強さ、疲労強度の向上を目的とする。広義には、炭素鋼に限らず金属を所定の高温状態から急冷させる操作を行う処理を指し、ステンレス鋼、マルエージング鋼などに適用される溶体化処理などの熱処理操作を含む。
【0013】
(鋼材)
本発明において測定対象物である鋼材は、焼入れして硬化層を形成させることができるものであれば、特に限定されない。炭素鋼、ステンレス鋼、マルエージング鋼などの焼入れ可能な鋼材が対象となる。
素材鋼は、例えば、SCM440(C:0.38~0.43%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.60~0.90%、P≦0.030%、S≦0.030%、Ni≦0.25%、Cr:0.90~1.20%、Mo:0.15~0.30%)が用いられる。
【0014】
以下、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係る焼入れ深さ測定装置について説明する。
図1は、本実施形態の焼入れ深さ測定装置の概略を示す斜視図である。図2は、本実施形態の励磁コイル及び検出部の概略を示す拡大図である。図3は、本実施形態の焼入れ深さ測定装置で、溝を有する鋼材の硬化層の深さを測定する模式図である。
本実施形態の焼入れ深さ測定装置は、図1及び図2に示すように、励磁コイル1、検出部2、焼入れした鋼材(以下、「ワーク」という。)Wと検出部2との間の距離を測定する距離センサ3、及びワークWを前記測定装置に固定する磁石4とを備える。
【0015】
(励磁コイル)
励磁コイル1は、ワークWを磁化するものであり、励磁用コア部11と、励磁用コア部11に設けられた励磁用コイル部12とを有する。
励磁用コア部11は、一対の磁極(両磁極ともいう。)111と一対の磁極111の基端部同士を連結する基部110を有し、一対の磁極111の先端部がそれぞれRを有し、平面視でコ字状である。
励磁用コイル部12は、基部110に巻回されており、その端部は、図示しない電源装置に接続されている。
一対の磁極111のRを有する先端部がワークWに対向する。
励磁用コア部11は、強磁性体(例えば鉄)で構成されている。
【0016】
(検出部)
検出部2は、励磁用コア部11の両磁極111の間に配置される検出用コア部21と、検出用コア部21の突起の上に取り付けられた検出用センサ22とを有する。
検出用コア部21は、励磁用コア部11の一対の磁極111の中間位置において、その長さ方向が基部110の長さ方向に沿うようにワークWに配置されている。
検出用コア部21は、ケイ素鋼板、その他の磁性金属板で構成されている。
検出用センサ22には、磁束密度を検出できる検出用コイルが用いられ、図示しない演算装置に接続されている。演算装置は、検出用センサ22から出力される信号(例えば電圧)に基づいて、ワークWの硬化層Hの深さを演算する。
【0017】
検出部2において、磁束を検出するための検出用センサ22は2つ(検出用センサ22A、22B)設けることが好ましい。ワークWが溝を有する金属部材であり、前記溝を焼入れて表層に形成された硬化層の深さを測定する場合、溝の両側の2つの位置のデータを、検出部2の検出用センサ22A、22Bにより一度で測定し、取得することができる。従来は、検出用コイル部が1つ(特許文献1の段落[0029]、図7、特許文献2の段落[0016]、図2参照)であり、溝加工ワーク(断面形状は略半円状内周面を有する)の2つの位置のデータを取得するために、二度測定する必要があったが、検出用センサ22を2つ設ければ、一度測定することで済むので、効率化される。
【0018】
(距離センサ)
ワークWは、図1において手前側にある。励磁コイル1、検出部2をワークWの方に移動させ、距離センサ3によりワークWと検出部2との間の距離を測定し、検出部2をワークWに対して位置決めし、ワークWと検出部2との間が最適な距離になった場合、ランプが点灯し、検出部2により磁束密度を測定可能となるようにする。距離センサ3は、検出部2近傍の両側に取り付けることが好ましい。
距離センサ3で測定したワークWと検出部2との間の距離の測定値、距離判定の可否などをモニタで表示する。
ワークWと検出用センサ22との距離は、例えば、0.4mm±0.1mmとすることができる。ワークWと検出用センサ22との距離を精密に制御することができるので、測定精度が向上する。
【0019】
(ワーク固定磁石)
ワークWを固定する磁石(ワーク固定磁石)4を設けて、ワークWと検出コイル2との間の距離を一定に保つ。ワーク固定磁石4は、焼入れ深さ測定装置の両側に取り付けることが好ましい。
ワーク固定磁石4は弱すぎると検出部2の検出用センサ22からの距離が一定に保てない。また、逆に強すぎるとワークW(例えば鋼)が磁化してしまう。したがって、ワーク固定磁石には、最適な磁力範囲がある。鋼製品の場合、磁力範囲は100mT~150mTが好ましい。
ワーク固定磁石4の材質は限定されないがSS400材などを用いることができる。
【0020】
(ワーク支持部材)
本実施形態の焼入れ深さ測定装置には、ワークWを支持する支持部材(ワーク支持部材)5を設けることが好ましい。
焼入れ深さ測定装置に、ワーク支持部材5を、励磁コイル1、検出部2、距離センサ3、及びワーク固定磁石4と一体に設ける。
ワーク支持部材5におけるワークWの導入口にテーパー部6を設けて、ワークWの導入をし易くすることが好ましい。
ワーク支持部材5の材質は、基本的にプラスチックでよいが、測定継続による熱変形(塑性変形)で測定困難になるような箇所は、熱変形防止のためにアルミ合金で固定する。
図3に示すような溝を有するワークの場合、支持部材5により、焼入れ深さ測定装置をワークの溝に取り外し可能に固定して測定する。
【0021】
(測定原理)
次に、本実施形態の焼入れ深さ測定装置の測定原理を図3に基づいて説明する。図3は、焼入れ深さ測定装置の磁束の流れを説明するための図である。
図3(A)には、ワークWの表層に硬化層Hが形成されている場合が示されている。ワークWの硬化層Hは非硬化層に比べて透磁率が低い。硬化層Hが表層に形成されたワークWにおいて、励磁用コイル部12に通電すると、励磁用コア部11のコ字状の平面形状に沿って大きな磁束M1が発生し、この磁束M1とともに閉ループを構成する磁束M21が発生する。磁束M21は、透磁率の低い硬化層Hにのみ生じることになり、磁束M1より小さい。
【0022】
図3(B)には、ワークWの表層に硬化層が形成されていない場合が示されている。ワークWの表層を含めて全体の透磁率が均一である。ワークWにおいて、励磁用コイル部12に通電すると、励磁用コア部11のコ字状の平面形状に沿って大きな磁束M1が発生するとともに、この磁束M1とともに閉ループを構成する磁束M22が発生する。ワークWでは、透磁率の低い硬化層がないため、磁束M22は磁束M21より大きくなる。
硬化層Hの有無にかかわらず、磁束M1に伴って空間磁束(漏磁束)N1がワークWの表面に沿って発生する。空間磁束N1を検出部2の検出用センサ22で検出することになるが、空間磁束N1は、硬化層Hが表層に形成されたワークWでは、大きく、硬化層Hが表層に形成されていないワークWでは小さい。つまり、硬化層Hの深さに従って空間磁束(磁束密度)N1の大きさが変化し、これを検出用センサ22で検出することで、硬化層Hの深さが測定できる。
【0023】
(温度センサ)
本実施形態の焼入れ深さ測定装置においては、測定時のワークWの温度を測定する温度センサを設けることが好ましい。温度センサは、検出部2の近傍に設けられる。
温度センサには、ワークWから放射される赤外線の強度を測定することでワークWの温度を検出する放射温度計などを用いることができる。
【0024】
ワーク温度を変えて、硬化層深さと検出用センサ22で検出した磁束密度に対応する電圧(検出電圧)との関係を調べて検量線を作成しておく。
例えば、ワーク温度が50℃で硬化層深さを測定し、その際の硬化層深さがD1であるとする。検量線において、50℃での硬化層深さがD1である場合、検出電圧がV1であり、一方、常温(20℃)での検出電圧V1での硬化層深さがD2であるとすると、検量線により、ワーク温度が50℃での硬化層深さD1を、常温(20℃)での硬化層深さD2に補正することができる。
【0025】
温度センサを設けた場合の本実施形態に係る硬化層深さ測定装置の制御部を図4に示す。
[演算工程]
励磁コイル1の励磁用コイル部12に通電すると、励磁用コア部11及びワークWの内部に磁束が発生するとともに、この磁束に伴って空間磁束がワークWの表面に生じる。この空間磁束を検出部2の検出用センサ22で検出する。
検出用センサ22で検出される信号は、制御部7の検出信号入力部71に送られる。検出信号入力部71から演算部74に信号が送られ、演算部74では、測定時のワークWの硬化層深さが演算される。
【0026】
[補正工程]
測定時のワークWの温度は、温度センサから制御部7の温度情報入力部72に送られる。
補正部75では、演算部74及び温度情報入力部72からのデータを受領するとともにメモリー73からデータを呼び出して測定時のワーク温度での硬化層深さを常温下での硬化層深さに補正する。
補正された硬化層深さは、表示部76により、図示しないディスプレイに表示される。
【0027】
上記のように、温度センサを設けた場合には、温度センサから出力される温度情報を入力する温度情報入力部72を備え、補正部75が、温度情報入力部72からのデータを受領して硬化層深さを補正するので、加熱した後のワークWの温度に基づいて、硬化層深さの補正を正確に行うことができるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の焼入れ深さ測定装置によれば、焼入れした鋼材の焼入れ深さ(硬化層の深さ)の測定精度をより向上させることができるので、種々の金属の焼入れに有効に用いることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 励磁コイル
11 励磁用コア部
110 基部
111 磁極
12 励磁用コイル部
2 検出部
21 検出用コア部
22 検出用センサ
3 距離センサ
4 ワーク固定磁石
5 ワーク支持部材
6 ワーク導入口のテーパー部
7 制御部
図1
図2
図3
図4