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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175583
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】除霜運転の制御システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/06 20060101AFI20241211BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
F25D21/06 Q
F25D11/00 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093477
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】北尾 洸一
【テーマコード(参考)】
3L045
3L046
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA14
3L045NA15
3L045NA17
3L045NA22
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L046AA02
3L046BA01
3L046CA06
3L046CA12
3L046GA01
3L046GB03
3L046HA00
3L046JA11
3L046JA13
3L046LA22
3L046MA01
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
(57)【要約】
【課題】物品が定期的に補充される物品収納部を冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することが可能な除霜運転の制御システムを提供する。
【解決手段】この除霜運転の制御システム100では、店舗内制御装置3は、ショーケース1に物品5を補充するタイミングを取得して、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻に冷却器2の除霜運転のタイミングが重なるように冷却器2の除霜運転を開始するタイミングを調整するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収納される物品収納部と、
前記物品収納部に収納された前記物品を冷却する冷却器と、
所定の間隔ごとに行われる前記冷却器の除霜運転を開始するタイミングを調整する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記物品収納部に前記物品の補充を開始する補充開始予定時刻を取得して、前記補充開始予定時刻に前記冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように前記冷却器の除霜運転を開始するタイミングを調整するように構成されている、除霜運転の制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記冷却器の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲を決定するための基準開始時刻と、前記冷却器の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲で前記冷却器の除霜運転開始時刻設定を更新した除霜運転更新時刻とが設定されており、前記複数の基準開始時刻に基づいて、除霜運転更新時刻を変更することにより、前記補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている、請求項1に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記除霜運転更新時刻を変更可能な変更可能時間範囲内において、前記除霜運転更新時刻を変更することにより、前記補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている、請求項2に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲である前記変更可能時間範囲内において、前記除霜運転更新時刻を変更することにより、前記補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている、請求項3に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記基準開始時刻よりも早く前記物品の補充が開始されたことを取得するとともに、物品の補充が開始されたことを取得したタイミングが前記変更可能時間範囲内である場合に、前記除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている、請求項4に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記基準開始時刻までに前記物品の補充が開始されたことを取得できない場合であって、前記変更可能時間範囲内に、前記物品の補充が開始されたことを取得した場合は、前記除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている、請求項4に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記基準開始時刻までに前記物品の補充が開始されたことを取得できない場合であって、前記変更可能時間範囲内に、前記物品の補充が開始されたことを取得できない場合は、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻に除霜運転を開始するように構成されている、請求項6に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、変更可能時間範囲に基づいて、所定の間隔ごとに行われる前記冷却器の除霜運転の開始時間の各々を変更した変更パターンを複数生成し、複数の前記変更パターンの前記除霜運転の開始時刻と前記物品の補充時刻との一致度が最も大きい前記変更パターンを前記基準開始時刻と前記除霜運転更新時刻として設定するように構成されている、請求項3に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、複数の前記変更パターンの前記除霜運転の開始時刻と前記物品の補充時刻との一致度が最も大きい前記変更パターンにおいて、変更された前記冷却器の除霜運転の開始時刻と前記補充時刻とが一致する時刻を、前記除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯として取得するように構成されている、請求項8に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項10】
前記物品収納部は、検知センサまたは温度検出部を含み、
前記制御部は、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯に、前記検知センサまたは前記温度検出部の検知結果に基づいて、前記物品の補充が開始したことを取得するとともに、前記物品の補充が開始されたタイミングに基づいて、前記物品の補充が開始されたタイミングに前記冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように前記除霜運転更新時刻を調整するように構成されている、請求項1に記載の除霜運転の制御システム。
【請求項11】
前記制御部に、前記物品が到着する到着タイミング情報を送信するサーバをさらに備え、
前記サーバから取得した到着タイミング情報と、前記物品の補充が開始されたタイミングとに基づいて、前記物品の補充が開始されたタイミングに前記冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように前記除霜運転更新時刻を調整するように構成されている、請求項10に記載の除霜運転の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、除霜運転の制御システムに関し、特に、物品収納部に収納された物品を冷却する冷却器の除霜運転の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品収納部に収納された物品を冷却する冷却器の除霜運転の制御システムが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、共通の冷凍機から供給される冷媒を用いて品物(物品)を冷却する複数のショーケース内の冷却器の除霜運転を制御する冷却器の除霜運転の制御システムが開示されている。特許文献1では、除霜運転を行うことにより冷却器の冷却性能の低下を抑制し、熱効率を向上させることにより消費電力量の増加を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-070872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、物品の補充を行う物品収納部(ショーケース)に物品を補充する場合、たとえば、物品収納部から外部に冷気が流れないようにするために扉が設けられている物品収納部では、扉を開いて物品の補充を行う。このため、扉が開くことにより、冷却器から供給される冷却された空気が物品収納庫の外部に流れるため、物品収納部内の温度が上昇する。この結果、冷却された空気が外部に流れるため、冷却運転を強くする必要があり、熱効率が低下する。そのため、物品が定期的に補充される物品収納部を冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することが求められている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、物品が定期的に補充される物品収納部を冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することが可能な除霜運転の制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による除霜運転の制御システムは、物品が収納される物品収納部と、物品収納部に収納された物品を冷却する冷却器と、所定の間隔ごとに行われる冷却器の除霜運転を開始するタイミングを調整する制御部と、を備え、制御部は、物品収納部に物品の補充を開始する補充開始予定時刻を取得して、補充開始予定時刻に冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように冷却器の除霜運転を開始するタイミングを調整するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による除霜運転の制御システムでは、上記のように、制御部は、物品収納部に物品の補充を開始する補充開始予定時刻を取得して、補充開始予定時刻に冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように冷却器の除霜運転を開始するタイミングを調整するように構成されている。これにより、物品収納部内の温度が上昇する除霜運転と物品の補充とを同時に行うことができることにより、除霜運転終了後に温度が上昇した物品収納部内を設定温度に冷却するための冷却運転と、物品の補充後に温度が上昇した物品収納部内を設定温度に冷却するための冷却運転とを合わせて行うことができる。これにより、温度が上昇した物品収納部を設定温度に冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することができる。また、物品の補充時に冷却運転を行わずに除霜運転を行うことにより、冷却運転を行いながら除霜運転を行う場合と異なり、冷却された空気が外部に流れることを抑制することができるため、熱効率を向上させることができる。この結果、物品収納部を冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による除霜運転の制御システムにおいて、好ましくは、制御部は、冷却器の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲を決定するための基準開始時刻と、冷却器の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲で冷却器の除霜運転開始時刻設定を更新した除霜運転更新時刻が設定されており、複数の基準開始時刻に基づいて、除霜運転更新時刻を変更することにより、補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている。このように構成すれば、物品の補充が複数回行われる場合に、各々の補充開始予定時刻と、除霜運転更新時刻とが重なるように調整することができるため、補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとが多く重なるように調整することができる。この結果、補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとが重なる回数が多くなるほど、物品収納部を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を減らすことができるため、消費電力量の増加をより抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、除霜運転更新時刻を変更可能な変更可能時間範囲内において、除霜運転更新時刻を変更することにより、補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている。このように構成すれば、変更可能時間範囲を設けることにより、補充開始予定時刻に基づいて除霜運転のタイミングをより柔軟に変更することができるため、除霜運転のタイミングと補充開始予定時刻とが重なるように調整することがより容易になる。
【0011】
上記一の局面による除霜運転の制御システムにおいて、好ましくは、制御部は、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲である変更可能時間範囲内において、除霜運転更新時刻を変更することにより、補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている。このように構成すれば、変更可能時間範囲が、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲であることにより、補充開始予定時刻に基づいて、除霜運転更新時刻を早めるまたは遅くすることができる。これにより、補充開始予定時刻に基づいて除霜運転のタイミングをさらに柔軟に変更することができるため、除霜運転のタイミングと補充開始予定時刻とが重なるように調整することがさらに容易となる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、基準開始時刻よりも早く物品の補充が開始されたことを取得するとともに、物品の補充が開始されたことを取得したタイミングが変更可能時間範囲内である場合に、除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている。このように構成すれば、物品の補充が基準開始時刻よりも早く行われた場合であっても、物品の補充が開始されたことを取得したタイミングから除霜運転を開始することにより、物品の補充時刻と、除霜運転のタイミングとを重ねることができる。これにより、物品の補充時刻と、除霜運転のタイミングとが全く重ならない場合と比べて、物品収納部を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を減らすことができるため、消費電力量の増加を抑制することができる。
【0013】
上記制御部は、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲である変更可能時間範囲内において、除霜運転更新時刻を変更する構成において、好ましくは、制御部は、基準開始時刻までに物品の補充が開始されたことを取得できない場合であって、変更可能時間範囲内に、物品の補充が開始されたことを取得した場合は、除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている。このように構成すれば、物品の補充が基準開始時刻よりも遅く行われた場合に、変更可能時間範囲内においては、物品の補充が開始されるまで除霜運転を開始せずに待機することができるとともに、物品の補充が開始したタイミングにおいて除霜運転を開始することができる。この結果、補充開始予定時刻と、除霜運転のタイミングとを重ねることができるため、補充開始予定時刻と、除霜運転のタイミングとが全く重ならない場合と比べて、物品収納部を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を減らすことができるため、消費電力量の増加をさらに抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、制御部は、基準開始時刻までに物品の補充が開始されたことを取得できない場合であって、変更可能時間範囲内に、物品の補充が開始されたことを取得できない場合は、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻に除霜運転を開始するように構成されている。このように構成すれば、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻に除霜運転開始することにより、除霜運転を行う所定の間隔を保ちつつ、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻以降に商品の補充が開始された場合に、除霜運転のタイミングと補充開始予定時刻とが重なる可能性を高くすることができる。
【0015】
上記一の局面による除霜運転の制御システムにおいて、好ましくは、制御部は、変更可能時間範囲に基づいて、所定の間隔ごとに行われる冷却器の除霜運転の開始時間の各々を変更した変更パターンを複数生成し、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンを基準開始時刻と除霜運転更新時刻として設定するように構成されている。このように構成すれば、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンを基準開始時刻と除霜運転更新時刻として設定しているため、複数回行われる除霜運転のタイミングと複数回行われる補充開始予定時刻とが重なる回数が多くなる。この結果、物品収納部を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を効果的に減らすことができるため、消費電力量の増加を効果的に抑制することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンにおいて、変更された冷却器の除霜運転の開始時刻と補充時刻とが一致する時刻を、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯として取得するように構成されている。このように構成すれば、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯を取得することにより、物品の補充時刻が、除霜運転更新時刻を設定可能な時刻に該当するか否かを判断することにより、容易に補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとを重ねることができるか否かを容易に判断することができる。
【0017】
上記一の局面による除霜運転の制御システムにおいて、好ましくは、物品収納部は、検知センサまたは温度検出部を含み、制御部は、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯に、検知センサまたは温度検出部の検知結果に基づいて、物品の補充が開始したことを取得するとともに、物品の補充が開始されたタイミングに基づいて、物品の補充が開始されたタイミングに冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻を調整するように構成されている。このように構成すれば、検知センサまたは温度検出部の検知結果に基づいて物品の補充が開始したことを精度よく取得することができる。また、検知結果に基づいて除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻が調整されるため、物品の補充が開始されたタイミングと、冷却器の除霜運転のタイミングとが重なるように容易に調整することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、制御部に、物品が到着する到着タイミング情報を送信するサーバをさらに備え、サーバから取得した到着タイミング情報と、物品の補充が開始されたタイミングとに基づいて、物品の補充が開始されたタイミングに冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻を調整するように構成されている。このように構成すれば、到着タイミングに基づいて除霜運転更新時刻を設定することができるため、物品の補充の開始を取得する前に物品の補充が開始されるタイミングと除霜運転を開始するタイミングとが重なるように調整することができる。また、物品の補充が開始されたタイミングに冷却器の除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻を調整するように構成されていることにより、到着タイミングに基づいて設定された除霜運転更新時刻を、実際に物品の補充が開始されたタイミングに合わせて調整することができる。これにより、物品の補充が開始されるタイミングと除霜運転を開始するタイミングとが重なるように精度よく調整することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、物品が定期的に補充される物品収納部を冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することが可能な除霜運転の制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態における除霜運転の制御システムを示したブロック図である。
図2】ショーケースの一例を示す図である。
図3】除霜運転のタイミングの変更を説明するための図である。
図4】基準開始時刻の取得を説明するための図である。
図5】除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯を説明するための図である。
図6】基準開始時刻と除霜運転更新時刻の設定および除霜運転更新時刻の調整の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】基準開始時刻の設定の処理を示すフローチャートである。
図8】初回処理の流れを示すフローチャートである。
図9】物品の補充を開始する補充開始予定時刻と、除霜運転のタイミングとを重ねる処理を示すフローチャートである。
図10】除霜運転更新時刻の調整の制御を示すフローチャートである。
図11】変形例における除霜運転の制御システムを示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(除霜運転の制御システムの構成)
図1図5を参照して、本実施形態による除霜運転の制御システム100の構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、除霜運転の制御システム100は、ショーケース1と、冷却器2と、店舗内制御装置3とを備える。また、除霜運転の制御システム100は、サーバ4を含む。除霜運転の制御システム100は、店舗内に配置される複数のショーケース1に設けられる冷却器2の除霜運転を制御するために用いられる。なお、ショーケース1は、特許請求の範囲に記載した「物品収納部」の一例である。また、店舗内制御装置3は、特許請求の範囲に記載した「制御部」の一例である。
【0024】
図2に示すように、ショーケース1は、内部に物品5が収納される。ショーケース1には、たとえば、物品5を載置するための棚1aが設けられる。ショーケース1は、冷蔵ショーケースと、冷凍ショーケースとを含む。
【0025】
ショーケース1は、冷却器2を内部に含む。ショーケース1は、内部に後述するコンプレッサーが設けられていない別置型ショーケースと、内部にコンプレッサーが設けられている内蔵型ショーケースとを含む。
【0026】
別置型ショーケースは、別置型リーチインショーケースと、別置型ウォークインショーケースとを含む。別置型リーチインショーケースは、主にガラスドアで密閉されたショーケースであり、ガラスドアを開けて商品が補充される。また、別置型リーチインショーケースでは、冷蔵、冷凍温度帯の機器がある。
【0027】
別置型ウォークインショーケースとは、冷却された室内に人が入り、商品の保管および補充を行うことができるプレハブ配置型のショーケースである。
【0028】
内蔵型ショーケースは、内蔵型リーチインケースと、内蔵型アイスケースとを含む。内蔵型リーチインケースと、内蔵型アイスケースとは、別置型リーチインショーケースと同様に、主にガラスドアで密閉されたショーケースであり、ガラスドアを開けて商品が補充される。
【0029】
図2に示すように、ショーケース1は、検知センサ6を備える。検知センサ6は、棚1aの引き出しを検知するセンサと、扉検知センサと、商品補充開始ボタンとを含む。なお、検知センサ6は、これらのセンサのうち少なくとも1つが設けられている。棚1aの引き出しを検知するセンサは、棚1aを引き出して補充するショーケース1に用いられる。
【0030】
棚1aの引き出しを検知するセンサは、棚1aが引き出されていない場合には棚1aにより押下されるとともに、補充時に棚1aが引き出されることにより押下されていない状態になる。棚1aの引き出しを検知するセンサが押下されている状態と、棚1aの引き出しを検知するセンサが押下されていない状態の変化から、店舗内制御装置3は、物品5の補充が開始されたことを検知する。扉検知センサは、扉が設けられているショーケース1に用いられる。
【0031】
扉検知センサは、扉が閉状態の場合に、押下され、扉が開状態の場合に押下されていない状態になる。扉検知センサが押下されている状態と、扉検知センサが押下されていない状態の変化から、店舗内制御装置3は、物品5の補充が開始されたことを検知する。なお、扉検知センサは、補充業者の物品5の補充時に加えて、客が物品5を選択し、取り出す際にも押下されていない状態になる。ここで、物品5の補充時のショーケース1内の温度変化は、物品5を取り出す場合よりも大きくなる。そこで、店舗内制御装置3は、ショーケース1内の温度変化を経過時間で割ることにより求められるショーケース1内の時間毎の温度変化を示す温度変化の傾きが、閾値よりも大きい場合に商品の補充が開始されたことを取得する。
【0032】
商品補充開始ボタンは、物品5を補充する業者が補充を開始する際に、押下するボタンである。商品補充開始ボタンが押下されることにより、店舗内制御装置3は、物品5の補充が開始されたことを検知する。
【0033】
図2に示すように、冷却器2は、運転モードとして、冷却運転と、除霜運転と、停止とが行われる。冷却運転では、冷却器2は、ショーケース1に収納された物品5を冷却する。冷却器2は、ショーケース1内に冷却された空気を供給する。図2は、ウォークインショーケースを示す。図2の矢印で示すように、冷却器2で冷却された空気は、ショーケース1の背面側(X2側)に向かって排出され、底面側(Z2側)から上面側(Z1側)に向かって流れる。その途中で、物品5に向かって冷却された空気が流れる。上面側(Z1側)に到達した空気は、背面側(X2側)から正面側(X1側)に流れた後、上面側(Z1側)から底面側(Z2側)に向かって流れる。そして、冷却器2に空気が流れる。上面側(Z1側)から底面側(Z2側)に向かって冷却された空気が流れることにより、エアカーテンが形成されて、ショーケース1内の温度の上昇を抑制することができる。なお、扉が設けられているリーチインショーケースの場合は、扉によりショーケース1内の温度の上昇を抑制することができるため、エアカーテンを形成しなくてもよい。
【0034】
冷却器2は、冷凍サイクルを構成する。冷却器2は、蒸発器である。冷凍サイクルは、蒸発器の他、コンプレッサーと、凝縮器と、膨張弁とから構成される。コンプレッサーから送られた高温高圧の冷媒は、凝縮器で凝縮された後、膨張弁により低温低圧の冷媒に変化する。膨張弁から供給された冷媒は、冷却器2に供給され、ショーケース1内の空気との間で熱交換を行い、冷媒が高温になるとともに、ショーケース1内の空気が低温となる。低温となった空気により、ショーケース1内が冷却されるとともに、物品5が冷却される。これにより、ショーケース1は冷却運転モードとなる。なお、冷凍サイクルの運転は、コンプレッサーの駆動周波数を変えることにより調整される。冷凍サイクルにおいて、電力を消費するのは主にコンプレッサーである。
【0035】
冷却器2の運転モードの一つである停止は、コンプレッサーを停止して冷媒の循環を停止することにより、ショーケース1内に冷却された空気が送られない状態である。
【0036】
冷却器2は、ショーケース1内の空気を冷却する際に、熱交換が行われる伝熱面に霜が付着する。そのため、除霜運転が行われる。除霜運転は、たとえば、コンプレッサーの駆動を停止することにより冷凍サイクルを止めて、ショーケース1内の冷却を停止した状態で行われる。除霜運転は、熱交換が行われる伝熱面を加熱することにより行われる。除霜運転の具体的な方法は、たとえば、図示しないヒータで伝熱面を加熱してもよく、図示しないファンにより除霜してもよい。
【0037】
店舗内制御装置3は、店舗内に設けられる。店舗内制御装置3は、店舗内に設けられる複数のショーケース1の動作を制御する。店舗内制御装置3は、所定の間隔ごとに行われる冷却器2の除霜運転を開始するタイミングを調整する。所定の間隔とは、たとえば、6時間おきである。店舗内制御装置3は、冷却器2に対して行う複数回の除霜運転を各々開始する時刻である複数の基準開始時刻と除霜運転更新時刻が設定されている。店舗内制御装置3の制御は後述する。基準開始時刻は、冷却器2の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲を決定するため時刻である。除霜運転更新時刻は、冷却器2の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲で冷却器2の除霜運転開始時刻設定を変更(更新)した時刻である。
【0038】
図1に示すように、サーバ4は、店舗内制御装置3に物品5が店舗に到着する到着タイミング情報を送信する。サーバ4は、たとえば、複数の店舗を管理するための管理サーバである。サーバ4は、ネットワーク10を介して店舗内制御装置3の図示しない通信部と情報の送受信を行う。
【0039】
店舗内制御装置3は、ショーケース1に物品5を補充するタイミングを取得して、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻に冷却器2の除霜運転のタイミングが重なるように冷却器2の除霜運転を開始するタイミングを調整する。具体的には、店舗内制御装置3は、基準開始時刻に基づいて、除霜運転更新時刻を更新し、除霜運転を開始する時刻である複数の除霜運転開始時刻設定を変更することにより、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整する。また、店舗内制御装置3は、除霜運転更新時刻を変更可能な変更可能時間範囲内において、除霜運転更新時刻を変更することにより、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整する。除霜運転時は、コンプレッサーを停止して行う。これにより、消費電力量の増加を抑制することができる。また、コンプレッサーが停止されることにより、ショーケース1に冷気が送られないため、物品5の補充中に補充業者が寒さを感じることを抑制することができる。
【0040】
変更可能時間範囲は、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲である。所定時間は、たとえば、1時間である。除霜運転を行う所定の間隔が6時間の場合は、変更可能時間範囲は、前回の除霜運転開始時から5時間経過後から7時間経過後までの間である。以下、本実施形態では、所定の間隔が6時間であり、所定時間が1時間であり、変更可能な範囲が5時間から7時間の間である場合を例に説明する。
【0041】
図3に示すように、物品5の補充開始予定時刻が21時と、5時と、10時の場合であって、かつ、除霜運転の基準開始時刻が21時と、3時と、9時との場合について説明する。図3の場合、店舗内制御装置3は、21時に変更可能時間範囲内の7時間を足して、除霜運転更新時刻を3時から4時に変更し、除霜運転開始時刻設定を4時に更新するとともに、4時に変更可能時間範囲内の6時間を足して除霜運転更新時刻を9時から10時に変更し、除霜運転開始時刻設定を10時に更新する。これにより、変更前は、21時の除霜運転だけが、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻と重なっていたが、変更後は、21時と10時との除霜運転が物品5の補充を開始する補充開始予定時刻と重なる。このように、店舗内制御装置3は、なるべく多くの除霜運転のタイミングと物品5の補充を開始する補充開始予定時刻とが重なるように除霜運転開始時刻設定を調整する。
【0042】
店舗内制御装置3は、基準開始時刻よりも早く物品5の補充が開始されたことを取得した場合、物品5の補充が開始されたことを取得したタイミングが設定の変更可能時間範囲内であれば、除霜運転更新時刻を変更し、冷却器2の除霜運転開始時刻設定を更新し、更新した冷却器2の除霜運転開始時刻設定に基づいて、冷却器2の除霜運転を開始する。基準開始時刻が、21時であり、変更可能時間範囲が20時から22時の場合を例に説明する。この場合において、20時に物品5の補充が開始され、店舗内制御装置3が20時5分に物品5の補充が開始されたことを取得した場合、店舗内制御装置3は、冷却器2の除霜運転更新時刻を20時5分に変更し、冷却器2の除霜運転開始時刻の設定を更新し、更新した冷却器2の除霜運転開始時刻設定に基づいて、冷却器2の除霜運転を開始する。
【0043】
店舗内制御装置3は、基準開始時刻までに物品5の補充が開始されたことを取得できない場合であって、設定の変更可能時間範囲内に、物品5の補充が開始されたことを取得した場合は、除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている。基準開始時刻が、21時であり、変更可能時間範囲が20時から22時の場合を例に説明する。この場合において、基準開始時刻より少し前である20時59分ごろから、除霜運転更新時刻の更新を開始する。たとえば、20時59分に物品5の補充の開始を取得できない場合は、21時1分に除霜運転更新時刻を変更し、物品5の補充の開始を取得するまで1分単位で除霜運転更新時刻を変更する。その後、21時35分に物品5の補充の開始を取得した場合、21時35分を除霜運転更新時刻に変更し、冷却器2の除霜運転更新時刻の設定を更新し、更新した冷却器2の除霜運転開始時刻設定に基づいて、冷却器2の除霜運転を開始する。
【0044】
店舗内制御装置3は、基準開始時刻までに物品5の補充が開始されたことを取得できない場合であって、設定の変更可能時間範囲内に、物品5の補充が開始されたことを取得できない場合は、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻に除霜運転を開始するように構成されている。基準開始時刻が、21時であり、変更可能時間範囲が20時から22時の場合を例に説明する。この場合において、上記の通り、基準開始時刻より少し前である20時59分ごろから、除霜運転更新時刻の更新を開始する。たとえば、20時59分に物品5の補充の開始を取得できない場合は、21時1分に除霜運転更新時刻を変更し、物品5の補充の開始を取得するまで1分単位で除霜運転更新時刻を変更する。その後、21時59分までに物品5の補充の開始を取得できなかった場合、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻である22時を霜運転更新時刻に変更し、冷却器2の除霜運転更新時刻の設定を更新し、22時に冷却器2の除霜運転を開始する。
【0045】
図1および図4に示すように、店舗内制御装置3は、変更可能時間範囲に基づいて、所定の間隔ごとに行われる冷却器2の除霜運転の開始時間の各々を変更した変更パターンを複数生成し、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンを基準開始時刻として設定する。変更パターンは、数字が小さい程、最初の基準開始時刻が早くなる(午前0時に近づく)ように構成されている。図4では、物品5の補充時刻(補充が行われると予想される時刻)を黒塗りの四角で表し、基準開始時刻を黒塗りのひし形で表し、変更可能時間範囲を白抜きのひし形で表している。また、前回の除霜運転から所定の間隔をあける必要があるため、除霜運転の基準開始時刻に設定できない時刻をハッチングで示している。
【0046】
店舗内制御装置3は、前日の物品5の補充時間のデータまたはサーバ4からの到着タイミング情報に基づいて物品5の補充時刻を取得する。店舗内制御装置3は、各パターンの基準開始時刻(黒塗りひし形)と、物品5の補充が行われる時間(黒塗り四角)との一致度を取得する。基準開始時刻(黒塗りひし形)と、物品5の補充が行われる時間(黒塗り四角)との一致度を取得するのは、基準開始時刻が変更可能時間範囲の中央値であり、中央値に設定するほうが好ましいからである。図4の場合、4番目の変更パターンが、一致度が最も大きいため、4番目の変更パターンが選択される。なお、基準開始時刻(黒塗りひし形)と、物品5の補充が行われる時間(黒塗り四角)との一致度が最も大きい変更パターンが複数ある場合は、変更可能時間範囲(白抜きひし形)と、物品5の補充が行われる時間(黒塗り四角)との一致度が最も大きい変更パターンを選択し、物品5の補充が行われる時間(黒塗り四角)との一致度が最も大きい変更パターンが大きい場合は、変更パターンの番号が最も小さいほうを選択する。
【0047】
図5に示すように、店舗内制御装置3は、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最も大きい前記変更パターンにおいて、変更された冷却器2の除霜運転の開始時刻と補充時刻とが一致する時刻を、基準開始時刻を設定可能な時刻として取得する。図4において、4番目の変更パターンを選択した場合を例に説明する。
【0048】
図5では、物品5の補充時刻に除霜運転と同じ変更可能時間範囲を適用した場合における補充の変更可能時間範囲を白抜き四角で表している。店舗内制御装置3は、基準開始時刻(黒塗りひし形)および変更可能時間範囲(白抜きひし形)のいずれか一方と、物品5の補充が行われる時間(黒塗り四角)および変更可能時間範囲(白抜き四角)のいずれか一方とが一致する時刻を、除霜運転更新時刻を設定可能な時刻として取得する。図5の場合、2時、3時、9時、10時、14時、15時、16時、20時、21時、および22時である。店舗内制御装置3は、除霜運転更新時刻を設定可能な時刻に物品5の補充が行われると除霜運転を開始する。
【0049】
図6図10に基づいて、店舗内制御装置3の処理と制御の流れとについて説明する。
【0050】
図6は、店舗内制御装置3の除霜運転の基準開始時刻と除霜運転更新時刻との決定の大まかな流れを示す。ステップS1としては、冷却器2の除霜運転の基準開始時刻と除霜運転更新時刻とを設定する。ステップS2は、ステップS1で設定した除霜運転の除霜運転更新時刻を物品5の補充時間に基づいて調整する。ステップS3は、サーバ4より到着タイミング情報が更新されたか否かで異なる。更新された場合は、ステップS1に戻り、除霜運転更新時刻を設定し直す。更新されていない場合は、除霜運転の除霜運転更新時刻の調整を終了する。
【0051】
図7は、図6のステップS1の冷却器2の除霜運転の基準開始時刻を設定する詳細な処理を示す。ステップS11では、サーバ4から、送信された物品5の店舗への到着タイミング情報を受信する。ステップS12では、本実施形態における除霜運転の制御システム100が設定されているか否かで進むステップが異なる。設定済みの場合は、ステップS13に進む。ステップS13では、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとを重ねる処理を行う。なお、この処理の詳細は後述する。ステップS14に進み、ステップS13の結果から、基準開始時刻を設定可能な時刻を取得し、設定する。そして、ステップS15において、冷却器2に除霜運転の設定の更新を送信する。ステップS16では、冷却器2が除霜運転開始時刻を更新する。ステップS16は、店舗内制御装置3の処理ではないため、破線で表している。
【0052】
ステップS12で本実施形態における除霜運転の制御システム100が設定されていない場合は、ステップS17に進む。ステップS17では、冷却器2の情報が取得できているか否かにより進むステップが異なる。取得できていれば、ステップS18に進み、取得できていなければ、処理を終了する。冷却器2の情報とは、たとえば、除霜運転および冷却運転に関する情報である。ステップS18では、制御対象の冷却器2に対して除霜運転を行ったことがあるか否かで進むステップが異なる。制御対象の冷却器2に対して除霜運転を行ったことがある場合は、ステップS13に進み、無い場合は、ステップS19に進む。ステップS19では、初回処理が行われる。ステップS19の詳細は後述する。ステップS20では、基準開始時刻の設定が決定したか否かで進むステップが異なる。決定された場合は、ステップS14に進み、決定されていない場合は、ステップS13に進む。
【0053】
図4および図8に基づいて、初回処理について説明する。ステップS21では、除霜運転の間隔と、変更可能時間範囲とから複数の変更パターンを作成する。作成された変更パターンの一例は図4に示すとおりである。ステップS22では、前日の除霜運転の実績から、カウント範囲を決定する。カウント範囲とは、図4で示すハッチングをした時間以外の時間の範囲のことである。店舗内制御装置3は、前日の除霜運転の実績から、最終の除霜運転時刻を取得し、所定の間隔をあけるために基準開始時刻および変更可能範囲を設定不可な時間帯を取得する。ステップS23では、店舗内制御装置3は、ステップS21で作成した複数の変更パターンごとに物品5の補充時刻と基準開始時刻とが一致する数をカウントする。補充時刻は、到着タイミング情報に基づいて予測されてもよく、前日の補充時間に基づいて予測されてもよい。
【0054】
ステップS24では、ステップS23でカウントした結果、除霜運転の基準開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最大値の変更パターンが2つ以上あるか否かで進むステップが異なる。2つ以上ない場合は、ステップS25に進み、2つ以上ある場合は、ステップS26に進む。ステップS25では、最大値が0か否かで進むステップが異なる。最大値が0の場合は、処理を終了する。最大値が0ではない場合は、ステップS29に進み、除霜運転の基準開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最大値の変更パターンを基準開始時間に設定する。
【0055】
ステップS26では、除霜運転の基準開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最大値の変更パターンにおいて、物品5の補充時刻と除霜運転の変更可能範囲とが一致する数をカウントする。ステップS27では、ステップS26でカウントした結果、除霜運転の変更可能範囲と物品5の補充時刻との一致度が最大値の変更パターンが2つ以上あるか否かで進むステップが異なる。2つ以上ない場合は、ステップS29に進み、2つ以上ある場合は、ステップS28に進む。ステップS28では、除霜運転の変更可能範囲と物品5の補充時刻との一致度が最大値の変更パターンのうち変更パターン番号が小さい(1日のうち最初の除霜運転の開始時刻が午前0時に近い)変更パターンを基準開始時刻と除霜運転更新時刻とに設定する。そして、ステップS29に進む。
【0056】
図9に基づいて、物品5の補充を開始する補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとを重ねる処理を説明する。ステップS31では、除霜運転の間隔と、変更可能時間範囲とから、複数の変更パターンを作成する。ステップS32では、ステップS31で作成された変更パターンから所定条件を満たす変更パターンを探索する。所定の条件とは、除霜運転の開始時刻と、物品5の補充時刻とが一致すること、および、物品5の補充時刻から1つ前の除霜運転から、所定の間隔をあけることである。ステップS33では、ステップS32の探索結果に基づいて進むステップが異なる。所定の条件を満たす変更パターンがある場合は、ステップS34に進み。ない場合は、ステップS36に進む。ステップS34では、所定条件を満たした変更パターンを基準開始時刻と除霜運転更新時刻とに設定する。ステップS35では、除霜運転のタイミングと重ねていない補充時間があるか否かで進むステップが異なる。ある場合は、ステップS32に戻り、無い場合はステップS36に進む。ステップS36では、最後に補充時刻と重なった基準開始時刻以降は、冷却器2の除霜運転開始時刻を6時間おきに設定する。
【0057】
図10に基づいて、冷却器2の除霜運転更新時刻の調整について説明する。ステップS41では、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯か否かで進むステップが異なる。除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯であれば、ステップS42に進み、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯でなければ、終了する。ステップS42では、冷却器2に除霜運転設定の更新を送信する。これにより、冷却器2は、除霜運転の設定を更新する。ステップS43では、物品5の補充中の判定を行い、補充中であればステップS44に進み、補充中でなければ、ステップS42に戻る。物品5の補充中の判定は、サーバ4からの到着タイミング情報を取得するとともに、ショーケース1の現在の状態を取得する。ステップS44では、変更可能時間範囲を経過したか否かで進むステップが異なる。経過していなければ、ステップS42に進み、経過していれば、終了する。
【0058】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、ショーケース1に物品5の補充を開始する補充開始予定時刻を取得して、補充開始予定時刻に冷却器2の除霜運転のタイミングが重なるように冷却器2の除霜運転を開始するタイミングを調整するように構成されている。これにより、ショーケース1内の温度が上昇する除霜運転と物品5の補充とを同時に行うことができることにより、除霜運転終了後に温度が上昇したショーケース1内を設定温度に冷却するための冷却運転と、物品5の補充後に温度が上昇した物品収納部内を設定温度に冷却するための冷却運転とを合わせて行うことができる。これにより、温度が上昇した物品収納部を設定温度に冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することができる。また、物品5の補充時に冷却運転を行わずに除霜運転を行うことにより、冷却運転を行いながら除霜運転を行う場合と異なり、冷却された空気が外部に流れることを抑制することができるため、熱効率を向上させることができる。この結果、ショーケース1を冷却する冷却運転の消費電力量の増加を抑制することができる。
【0060】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、冷却器2の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲を決定するための基準開始時刻と、冷却器2の除霜運転開始時刻設定を変更可能な変更可能時間範囲で冷却器2の除霜運転開始時刻設定を更新した除霜運転更新時刻とが設定されており、複数の基準開始時刻と除霜運転更新時刻とを変更することにより、補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている。これにより、物品5の補充が複数回行われる場合に、各々の補充開始予定時刻と、除霜運転更新時刻とが重なるように調整することができるため、補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとが多く重なるように調整することができる。この結果、補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとが重なる回数が多くなるほど、ショーケース1を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を減らすことができるため、消費電力量の増加をより抑制することができる。
【0061】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、除霜運転更新時刻を変更可能な変更可能時間範囲内において、除霜運転更新時刻を変更することにより、補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている。これにより、変更可能時間範囲を設けることにより、補充開始予定時刻に基づいて除霜運転のタイミングをより柔軟に変更することができるため、除霜運転のタイミングと補充開始予定時刻とが重なるように調整することがより容易になる。
【0062】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲である変更可能時間範囲内において、除霜運転更新時刻を変更することにより、補充開始予定時刻に除霜運転のタイミングが重なるように調整するように構成されている。これにより、変更可能時間範囲が、基準開始時刻よりも所定時間早い時刻から、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻までの時間の範囲であることにより、補充開始予定時刻に基づいて、除霜運転更新時刻を早めるまたは遅くすることができる。これにより、補充開始予定時刻に基づいて除霜運転のタイミングをさらに柔軟に変更することができるため、除霜運転のタイミングと補充開始予定時刻とが重なるように調整することがさらに容易となる。
【0063】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、基準開始時刻よりも早く物品5の補充が開始されたことを取得するとともに、物品5の補充が開始されたことを取得したタイミングが変更可能時間範囲内である場合に、除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている。これにより、物品5の補充が基準開始時刻よりも早く行われた場合であっても、物品5の補充が開始されたことを取得したタイミングから除霜運転を開始することにより、物品5の補充時刻と、除霜運転のタイミングとを重ねることができる。これにより、物品5の補充時刻と、除霜運転のタイミングとが全く重ならない場合と比べて、ショーケース1を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を減らすことができるため、消費電力量の増加を抑制することができる。
【0064】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、基準開始時刻までに物品5の補充が開始されたことを取得できない場合であって、変更可能時間範囲内に、物品5の補充が開始されたことを取得した場合は、除霜運転更新時刻を変更し、除霜運転を開始するように構成されている。これにより、物品5の補充が基準開始時刻よりも遅く行われた場合に、変更可能時間範囲内においては、物品5の補充が開始されるまで除霜運転を開始せずに待機することができるとともに、物品5の補充が開始したタイミングにおいて除霜運転を開始することができる。この結果、補充開始予定時刻と、除霜運転のタイミングとを重ねることができるため、補充開始予定時刻と、除霜運転のタイミングとが全く重ならない場合と比べて、ショーケース1を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を減らすことができるため、消費電力量の増加をさらに抑制することができる。
【0065】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、基準開始時刻までに物品5の補充が開始されたことを取得できない場合であって、変更可能時間範囲内に、物品5の補充が開始されたことを取得できない場合は、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻に除霜運転を開始するように構成されている。これにより、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻に除霜運転開始することにより、除霜運転を行う所定の間隔を保ちつつ、基準開始時刻よりも所定時間遅い時刻以降に商品の補充が開始された場合に、除霜運転のタイミングと補充開始予定時刻とが重なる可能性を高くすることができる。
【0066】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、変更可能時間範囲に基づいて、所定の間隔ごとに行われる冷却器2の除霜運転の開始時間の各々を変更した変更パターンを複数生成し、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンを基準開始時刻と除霜運転更新時刻として設定するように構成されている。これにより、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンを基準開始時刻と除霜運転更新時刻として設定しているため、複数回行われる除霜運転のタイミングと複数回行われる補充開始予定時刻とが重なる回数が多くなる。この結果、ショーケース1を設定温度に冷却するための冷却運転の回数を効果的に減らすことができるため、消費電力量の増加を効果的に抑制することができる。
【0067】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3は、複数の変更パターンの除霜運転の開始時刻と物品5の補充時刻との一致度が最も大きい変更パターンにおいて、変更された冷却器2の除霜運転の開始時刻と補充時刻とが一致する時刻を、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯として取得するように構成されている。これにより、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯を取得することにより、物品5の補充時刻が、除霜運転更新時刻を設定可能な時刻に該当するか否かを判断することにより、店舗内制御装置3は、容易に物品5の補充を開始する補充開始予定時刻と除霜運転のタイミングとを重ねることができるか否かを容易に判断することができる。
【0068】
本実施形態では、上記のように、ショーケース1は、検知センサ6または温度検出部を含み、店舗内制御装置3は、除霜運転更新時刻を調整可能な時間帯に、検知センサ6または温度検出部の検知結果に基づいて、物品5の補充が開始したことを取得するとともに、物品5の補充が開始されたタイミングに基づいて、物品5の補充が開始されたタイミングに冷却器2の除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻を調整するように構成されている。これにより、店舗内制御装置3は、検知センサ6または温度検出部の検知結果に基づいて物品5の補充が開始したことを精度よく取得することができる。また、検知結果に基づいて除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻が調整されるため、店舗内制御装置3は、物品5の補充が開始されたタイミングと、冷却器2の除霜運転のタイミングとが重なるように容易に調整することができる。
【0069】
本実施形態では、上記のように、店舗内制御装置3に、物品5が到着する到着タイミング情報を送信するサーバ4をさらに備え、サーバ4から取得した到着タイミング情報と、物品5の補充が開始されたタイミングとに基づいて、物品5の補充が開始されたタイミングに冷却器2の除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻を調整するように構成されている。これにより、到着タイミングに基づいて、除霜運転更新時刻を設定することができるため、店舗内制御装置3は、物品5の補充の開始を取得する前に物品5の補充が開始されるタイミングと除霜運転を開始するタイミングとが重なるように調整することができる。また、物品5の補充が開始されたタイミングに冷却器2の除霜運転のタイミングが重なるように除霜運転更新時刻を調整するように構成されていることにより、到着タイミングに基づいて設定された除霜運転更新時刻を、実際に物品5の補充が開始されたタイミングに合わせて調整することができる。これにより、物品5の補充が開始されるタイミングと除霜運転を開始するタイミングとが重なるように精度よく調整することができる。
【0070】
(変形例)
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0071】
たとえば、上記実施形態では、物品収納部がショーケース1である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、物品収納部が、自動販売機51であってもよい。この場合、図11に示すように制御部53は、自動販売機51内に設けられ、自動販売機51の動作を制御する制御部であってもよい。また、冷却器52は、自動販売機51内に設けられる。
【0072】
また、上記実施形態では、除霜運転の間隔が6時間である例を示したが、本発明ではこれに限られない、除霜運転の間隔は、6時間よりも短くてもよく、長くてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、所定時間が1時間である例を示したが、本発明ではこれに限られない。本発明では、所定時間が1時間よりも短くてもよく、長くてもよい。この場合、除霜運転の間隔の半分の時間から、除霜運転を強制的に終了するために必要な時間を引いた時間で所定時間が設定される。そのため、除霜運転を強制的に終了するために必要な時間が0.5時間とすると、除霜運転の間隔6時間の半分の時間である3時間から0.5時間を引いた2.5時間を最大値とし、0時間から2.5時間の間で設定される。
【0074】
また、上記実施形態では、検知センサを設ける例を示したが、本発明ではこれに限られない。本発明では、検知センサに代えて、温度検出部を設けてもよい。温度検出部は、物品収納部内の温度を測定できれば特に限定されない。また、制御部は、温度変化と温度変化の経過時間とから物品の補充が開始されたか否かを検知する。
【符号の説明】
【0075】
1 ショーケース(物品収納部)
2 冷却器
3 店舗内制御装置(制御部)
4 サーバ
5 物品
6 検知センサ
100 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11