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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175604
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093528
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西 匡宏
(72)【発明者】
【氏名】増田 高宏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 真吾
(72)【発明者】
【氏名】山中 宏一
(72)【発明者】
【氏名】村上 勇太
(72)【発明者】
【氏名】後藤 祐志
(72)【発明者】
【氏名】折目 祐人
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA24
2G036BB02
(57)【要約】
【課題】コンデンサの劣化検出を低コストで実現する。
【解決手段】電子装置は、少なくとも1つのプロセッサを有する。プロセッサは、電源ラインに接続されたトランジスタがオンオフを繰り返すようにトランジスタを動作させるための第1の制御信号を出力し、電源ラインに接続され、トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの電極間電圧を取得し、電極間電圧に基づいてコンデンサの充電が完了したか否かを判定し、コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでのトランジスタのオン回数に基づいて、コンデンサの劣化状態を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを有する電子装置であって、
前記プロセッサは、
電源ラインに接続されたトランジスタがオンオフを繰り返すように前記トランジスタを動作させるための第1の制御信号を出力し、
前記電源ラインに接続され、前記トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの電極間電圧を取得し、
前記電極間電圧に基づいて前記コンデンサの充電が完了したか否かを判定し、
前記コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでの前記トランジスタのオン回数に基づいて、前記コンデンサの劣化状態を判定する
電子装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでの前記トランジスタのオン回数が所定値未満であった場合、警報を発出する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記電極間電圧が所定値に達した場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記電源ラインの電圧と前記電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタの、今回のオン時における電極間電圧と前回のオン時における電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの充電電流が一定となるように前記トランジスタが制御される
請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間は一定である
請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間は、前記トランジスタのオン回数の増加に伴って長くなる
請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間はマイクロ秒オーダーである
請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
前記トランジスタを制御する制御回路を更に有する
請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記電源ラインに流れる電流の大きさが所定値になるように、前記トランジスタを制御する
請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記制御回路は、前記電源ラインに流れる電流の大きさが前記所定値にある状態が所定期間継続した場合に、前記トランジスタをオフさせる制御を行う
請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記電源ラインに流れる電流の大きさが所定に達した状態が所定期間継続した場合に、警報を発出する
請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
起動時に実行される第1のモードにおいて、前記第1の制御信号を前記制御回路に供給し、
前記第1のモードにおいて判定される前記コンデンサの劣化状態に応じて実行される第2のモードにおいて、前記コンデンサの充電が完了するまで前記トランジスタがオン状態を維持するように前記トランジスタを動作させるための第2の制御信号を前記制御回路に供給する
請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記プロセッサからの指令に応じて、前記電源ラインを通じて供給される電力によってモータを駆動するモータドライブ回路を更に有する
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサの静電容量の低下を検出する技術として、以下の技術が知られている。例えば、特許文献1には、電源が投入されると、抵抗を通じて平滑コンデンサを充電し、充電時に測定される充電時間が所定値よりも短い場合、異常信号を発するように構成された交流エレベータの制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭62-60349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンデンサは経年劣化等によって静電容量が低下することが知られている。コンデンサの劣化を検出する方法として、コンデンサを一定電流で充電したときの充電時間を計測し、計測した充電時間が所定値よりも短い場合に、コンデンサが劣化していると判定する方法が挙げられる。この方法は、静電容量が比較的大きいコンデンサに対しては有効であるが、静電容量が比較的小さいコンデンサに対しては適用が困難となる場合がある。コンデンサの静電容量が小さくなると充電時間が短くなるためである。例えば、マイクロ秒オーダーの充電時間を計測するためには、当該コンデンサを含む装置において、マイクロコンピュータの処理能力の向上及び/又はハードウェア構成の変更が必要となる場合がある。
【0005】
開示の技術は、上記の点に鑑みてなされたものであり、コンデンサの劣化検出を低コストで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術に係る電子装置は、少なくとも1つのプロセッサを有する。前記プロセッサは、電源ラインに接続されたトランジスタがオンオフを繰り返すように前記トランジスタを動作させるための第1の制御信号を出力し、前記電源ラインに接続され、前記トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの電極間電圧を取得し、前記電極間電圧に基づいて前記コンデンサの充電が完了したか否かを判定し、前記コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでの前記トランジスタのオン回数に基づいて、前記コンデンサの劣化状態を判定する。
【0007】
前記プロセッサは、前記コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでの前記トランジスタのオン回数が所定値未満であった場合、警報を発出してもよい。前記プロセッサは、前記電極間電圧が所定値に達した場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定してもよい。前記プロセッサは、前記電源ラインの電圧と前記電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定してもよい。前記プロセッサは、前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタの、今回のオン時における電極間電圧と前回のオン時における電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定してもよい。
【0008】
開示の技術に係る電子装置において、前記トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの充電電流が一定となるように前記トランジスタが制御されてもよい。前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間は一定であってもよい。前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間は、前記トランジスタのオン回数の増加に伴って長くなってもよい。前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間はマイクロ秒オーダーであってもよい。
【0009】
開示の技術に係る電子装置は、前記トランジスタを制御する制御回路を更に有していてもよい。前記制御回路は、前記電源ラインに流れる電流の大きさが所定値になるように、前記トランジスタを制御してもよい。前記制御回路は、前記電源ラインに流れる電流の大きさが前記所定値にある状態が所定期間継続した場合に、前記トランジスタをオフさせる制御を行ってもよい。前記プロセッサは、前記電源ラインに流れる電流の大きさが所定に達した状態が所定期間継続した場合に、警報を発出してもよい。
【0010】
前記プロセッサは、起動時に実行される第1のモードにおいて、前記第1の制御信号を前記制御回路に供給してもよい。前記プロセッサは、前記第1のモードにおいて判定される前記コンデンサの劣化状態に応じて実行される第2のモードにおいて、前記コンデンサの充電が完了するまで前記トランジスタがオン状態を維持するように前記トランジスタを動作させるための第2の制御信号を前記制御回路に供給してもよい。
【0011】
開示の技術に係る電子装置は、前記プロセッサからの指令に応じて、前記電源ラインを通じて供給される電力によってモータを駆動するモータドライブ回路を更に有していてもよい。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術によれば、コンデンサの劣化検出を低コストで実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】開示の技術の実施形態に係るコントローラの構成の一例を示す図である。
図2】開示の技術の実施形態に係るCPUの機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】開示の技術の実施形態に係る制御信号の一例を示す信号波形図である。
図4】コンデンサの静電容量とコンデンサの満充電までのトランジスタのオン回数との関係を示すグラフである。
図5】開示の技術の実施形態に係るCPUが劣化判定プログラムを実行することによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】開示の技術の実施形態に係るCPUが電源制御プログラムを実行することによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】開示の技術の実施形態に係る制御信号の一例を示す信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、開示の技術の実施形態に係る電子装置の一例であるコントローラ10の構成を示す図である。コントローラ10は、モータコネクタ82に接続されるモータ(図示せず)への電力供給を制御する機能を有する。モータは、例えば産業用ロボットの電動アクチュエータを構成するものであってもよい。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)20、コンデンサ70、トランジスタ63、電流検出抵抗62、ダイオード61、制御回路90、不揮発性メモリ30、モータドライブ回路40、DC-DCコンバータ50を含んで構成されている。
【0016】
コントローラ10には、電源コネクタ81を介して直流の電源電圧V1が供給される。電源電圧V1の電圧レベルは例えば24Vである。電源電圧V1が供給される電源ライン60には、ダイオード61、電流検出抵抗62及びトランジスタ63が、この順で直列に接続されている。コンデンサ70は、一端がトランジスタ63の負荷側(モータ側)において電源ライン60に接続され、他端がグランドに接続されている。
【0017】
コンデンサ70は、所謂バイパスコンデンサとしての機能を有する。すなわち、コンデンサ70が電源ライン60とグランドとの間に接続されることにより、電源ライン60に混入するノイズの除去、電源ライン60における電圧変動抑制、負荷(モータ)への電力補充等が可能となる。コンデンサ70は、典型的にはアルミ電解コンデンサなどの電解コンデンサである。また、コンデンサ70には、電気二重層コンデンサなど、寿命が温度に依存する全てのコンデンサが含まれる。コンデンサ70の静電容量は、特に限定されないが、数十μFから数千μFのオーダーである。トランジスタ63がオン状態となることにより電源ライン60に電流が流れ、コンデンサ70が充電される。
【0018】
トランジスタ63は、例えばnチャネル型のMOSFST(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、ドレインが電流検出抵抗62の一端に接続され、ソースがコンデンサ70の一端及びモータドライブ回路40に接続され、ゲートが制御回路90に接続されている。トランジスタ63は制御回路90によって制御される。
【0019】
電流検出抵抗62は、トランジスタ63がオン状態となることにより電源ライン60に流れる電流を検出するための抵抗素子である。電流検出抵抗の両端には、電源ライン60に流れる電流の大きさに応じた大きさの電圧が生じる。
【0020】
制御回路90は、トランジスタ63のゲート電圧を制御することによってトランジスタ63のオンオフ及びトランジスタ63に流れる電流を制御する。具体的には、制御回路90は、電流検出抵抗62によって検出される電流(すなわち電源ライン60に流れる電流)の大きさが所定値Iとなるようにトランジスタ63のゲート電圧を制御する。これにより、トランジスタ63に流れる電流が制限されるので、負荷側に過大な突入電流が流入することを防止することが可能となる。この突入電流抑制機能は、例えば、制御回路90に内蔵された演算増幅回路(図示せず)により実現することが可能である。演算増幅回路の非反転入力端子には基準電圧が入力され、反転入力端子には電流検出抵抗62の両端電圧が入力される。演算増幅回路は、電流検出抵抗62の両端電圧が基準電圧に一致するように、トランジスタ63のゲート電圧を制御する。
【0021】
また、制御回路90は、電源ライン60に流れる電流の大きさが所定値Iにある状態が所定期間継続した場合に、トランジスタ63をオフさせる制御を行う。これにより、モータドライブ回路40又はケーブル等の異常により電源ライン60に過電流が流れ続けることを防止することが可能となる。この過電流保護機能は、例えば、制御回路90に内蔵されたタイマ回路(図示せず)によって実現することが可能である。タイマ回路によって設定される期間は、トランジスタ63がオン状態となってからコンデンサ70の充電が完了するまでの期間よりも十分に長い時間であり、且つ過電流によって各部が損傷に至る時間よりも十分に短い期間である。制御回路90は、過電流保護機能を作動させた場合、過電流保護機能が作動したことを示す通知信号YをCPU20に供給する。制御回路90は、CPU20からの指令に応じてもトランジスタ63のオンオフ制御を行う。
【0022】
モータドライブ回路40は、CPU20からの指令に応じて、電源ライン60を通じて供給される電力によってモータ(図示せず)を駆動する。DC-DCコンバータ50は、電源コネクタ81を介して供給される電源電圧Vを降圧した直流電圧Vを出力するダウンコンバータである。直流電圧Vは、CPU20、制御回路90及びモータドライブ回路40の電源電圧として使用される。
【0023】
CPU20は、制御回路90及びモータドライブ回路40と通信可能に接続されている。また、CPU20には、ダイオード61のアノードと電流検出抵抗62の間のノードnに生じる電圧を抵抗素子71及び72によって分圧した電圧V10が入力される。電圧V10は、電源電圧Vに比例した電圧である。また、CPU20には、電源ライン60のコンデンサ70が接続されたノードnに生じる電圧を抵抗素子73及び74によって分圧した電圧V20が入力される。電圧V20は、コンデンサ70の電極間電圧に比例した電圧である。CPU20は、不揮発性メモリ30に格納された劣化判定プログラム31及び電源制御プログラム32を実行することにより、制御回路90及びモータドライブ回路40を統括的に制御する機能を有する。
【0024】
CPU20は、コントローラ10の起動時(電源投入時)に劣化判定プログラム31を実行することにより、コンデンサ70の劣化判定を行う。CPU20がコンデンサの劣化判定を行う動作モードを、以下において「劣化判定モード」と称する。劣化判定モードは、開示の技術における「第1のモード」の一例である。CPU20は、劣化判定モードにおいて、モータドライブ回路40を無効化する。すなわち、劣化判定モードにおいてモータは駆動されない。CPU20は、劣化判定モードにおけるコンデンサ70の劣化判定において、コンデンサ70の劣化の状態が許容範囲内であると判定した場合、電源制御プログラム32を実行することにより、モータドライブ回路40を有効化し、モータ駆動のための電源制御を行う。CPU20がこの電源制御を行う動作モードを、以下において「電源制御モード」と称する。電源制御モードは、開示の技術における「第2のモード」の一例である。
【0025】
このように、コントローラ10においては、モータの駆動制御を行う前にコンデンサ70の劣化判定が行われる。ここで、一般的に電解コンデンサの静電容量は、経年劣化により低下することが知られている。静電容量の低下のスピードは個体ばらつきが大きく、静電容量は、比較的短い期間に静電容量が急激に低下するものもあれば、比較的長い期間をかけて徐々に低下するものもある。コントローラ10が劣化判定モードにおいてコンデンサ70の劣化判定を行うことで、コンデンサ70の劣化の予兆を検出することが可能となる。
【0026】
図2は、劣化判定モードにおけるCPU20の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。劣化判定モードにおいて、CPU20が劣化判定プログラム31を実行することにより、CPU20は、制御信号出力部21、電極間電圧取得部22、充電状態判定部23、劣化状態判定部24及び警報発出部25として機能する。
【0027】
制御信号出力部21は、トランジスタ63がオンオフを繰り返すようにトランジスタ63を動作させるための制御信号Xを出力し、これを制御回路90に供給する。制御信号Xは、開示の技術における「第1の制御信号」の一例である。図3は、制御信号Xの一例を示す信号波形図である。制御信号Xは、複数のパルスからなるパルス列を含むパルス信号である。制御回路90は、制御信号出力部21から出力される制御信号Xに応じてトランジスタ63のオンオフを制御する。制御信号Xのハイレベル期間はトランジスタ63のオン期間TONに相当し、制御信号Xのローレベル期間はトランジスタ63のオフ期間TOFFに相当する。制御信号Xにおいて、ハイレベル期間(TON)及びローレベル期間(TOFF)はそれぞれ一定であり、したがってデューティは一定である。
【0028】
制御信号Xに応じてトランジスタ63が断続的にオン状態となることによりコンデンサ70が段階的に充電される。コンデンサ70の充電が開始されてから満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数が例えば数十回程度となるように、制御信号Xのハイレベル期間(TON)が設定されることが好ましい。コンデンサ70の静電容量が例えば数百μFである場合、制御信号Xのハイレベル期間を例えば100μs、ローレベル期間(TOFF)を例えば10msに設定してもよい。トランジスタ63の各オン時に流れるコンデンサ70の充電電流は、制御回路90が備える突入電流抑制機能により一定とされる。
【0029】
電極間電圧取得部22は、トランジスタ63のオンに応じて充電されるコンデンサ70の電極間電圧を取得する。コンデンサ70の電極間電圧は、トランジスタ63のオン回数の増加に伴って上昇する。電極間電圧取得部22は、制御信号Xに応じてオンオフを繰り返すトランジスタ63のオン毎に、CPU20に入力される電圧V20又は電圧V20に所定の係数を乗じた値を電極間電圧として取得する。
【0030】
充電状態判定部23は、電極間電圧取得部22によって取得された電極間電圧に基づいてコンデンサ70が満充電であるか否かを判定する。なお、コンデンサ70が満充電である状態とは、厳密な満充電に限定されず、満充電に近い状態を含み、コンデンサ70の充電が完了した状態を意味する。充電状態判定部23は、例えば、電極間電圧取得部22によって取得された電極間電圧が所定値Vに達した場合に、コンデンサ70が満充電であると判定してもよい。コンデンサ70の電極間電圧が電源電圧Vに近づくにつれて、トランジスタ63の1回のオンによる電極間電圧の上昇幅が小さくなる。所定値Vは、コンデンサ70の電極間電圧がトランジスタ63のオン回数に比例する領域に設定されることが好ましい。換言すれば、所定値Vは、コンデンサ70の電極間電圧が飽和する領域以外の領域に設定されることが好ましい。具体的には、所定値Vは、例えば電源電圧Vの60%以上90%以下の値に設定されることが好ましい。ただし、これに限るものではなく、所定値Vは、例えば電源電圧Vの60%未満であってもよい。所定値Vは不揮発性メモリ30に格納されている。
【0031】
劣化状態判定部24は、コンデンサ70の充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタのオン回数に基づいて、コンデンサ70の劣化状態を判定する。具体的には、劣化状態判定部24は、最初にトランジスタ63がオンされたときから、充電状態判定部23によってコンデンサ70が満充電であると判定されるまでのトランジスタ63のオン回数を計数する。劣化状態判定部24は、コンデンサ70の充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタのオン回数が所定値N未満であると判定した場合に、コンデンサ70が劣化状態にあると判定する。
【0032】
トランジスタ63の1回のオン(換言すれば、制御信号Xの1パルス)に対応するコンデンサ70の充電電流及び充電時間は一定である。すなわち、トランジスタ63の1回のオンによるコンデンサ70の充電電荷量Qは一定である。コンデンサ70の静電容量をCとし、電極間電圧をVとすると、下記の(1)式が成立する。
Q=CV ・・・(1)
【0033】
(1)式より、トランジスタ63のオン毎に上昇するコンデンサ70の電極間電圧の上昇幅は一定である。また、コンデンサ70の電極間電圧が所定値Vに達するまでに必要なトランジスタ63のオン回数は、コンデンサ70の静電容量Cに応じた値となる。コンデンサ70が劣化して静電容量Cが低下すると、コンデンサ70の電極間電圧が所定値Vに達するまでに必要なトランジスタ63のオン回数は低下する。したがって、コンデンサ70の充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数に基づいて、コンデンサ70の劣化状態を判定することが可能である。
【0034】
トランジスタ63を繰り返しオンオフさせることにより、静電容量がaμF、bμF及びcμF(a<b<c)の3種類のコンデンサをそれぞれ段階的に充電したときの、各コンデンサが満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数を計数する予備実験を行った。図4は、この予備実験の結果を示すグラフである。図4に示すグラフにおいて、横軸はコンデンサの静電容量であり、縦軸は各コンデンサが満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数である。なお、トランジスタ63の1回のオン期間TONを例えば50μsから300μsの間の任意の値で一定とした。また、コンデンサが満充電になったものと判定する電極間電圧を例えば10Vから20Vの任意の値とした場合について、トランジスタ63のオン回数の計数を行った。
【0035】
図4に示すように、コンデンサの静電容量と、満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数は比例する結果が得られた。このことは、満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数に基づいて、コンデンサの劣化状態を判定することが可能であることを裏付けている。
【0036】
コンデンサ70の劣化状態の判定において閾値として用いる所定値Nは、劣化後のコンデンサ70の静電容量の想定値に基づいて設定される。劣化後のコンデンサ70の静電容量の想定値は、適宜設定することが可能であるが、例えば、初期の静電容量の70%程度の値に設定することが可能である。この場合、初期の静電容量に応じて想定される満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数の70%となる値を、所定値Nとして設定することが可能である。
【0037】
警報発出部25は、コンデンサ70の充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数が所定値未満であった場合、すなわち、劣化状態判定部24によってコンデンサ70が劣化状態にあると判定された場合、警報を発出する。警報発出部25は、例えば、コントローラ10が有する表示パネル(図示せず)又はコントローラ10に接続可能な表示装置(図示せず)に、コンデンサ70が劣化状態にあることを示すエラーコードを表示してもよい。また、警報発出部25は、コンデンサ70の充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタ63のオン回数に基づいて算出されるコンデンサ70の静電容量の推定値を表示してもよい。なお、警報としては、表示等に限らず、コントローラ10に接続されたPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの上位装置への通知やアラーム等の警報音であってもよい。
【0038】
図5は、CPU20が、劣化判定プログラム31を実行することによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。劣化判定プログラム31は、例えば、コントローラ10の起動時(電源投入時)に実行される。
【0039】
ステップS1においてCPU20は、制御信号出力部21として機能し、トランジスタ63がオンオフを繰り返すようにトランジスタ63を動作させるための制御信号Xを出力し、これを制御回路90に供給する。制御回路90は、制御信号Xのハイレベル期間(TON)においてトランジスタ63をオン状態に制御し、制御信号Xのローレベル期間(TOFF)においてトランジスタ63をオフ状態に制御する。トランジスタ63が断続的にオン状態となることによりコンデンサ70が段階的に充電される。トランジスタ63の1回のオン(換言すれば、制御信号Xの1パルス)に対応するコンデンサ70の充電電流及び充電時間は一定である。
【0040】
ステップS2においてCPU20は、電極間電圧取得部22として機能し、トランジスタ63のオンに応じて充電されるコンデンサ70の電極間電圧を取得する。コンデンサ70の電極間電圧は、トランジスタ63のオン回数の増加に伴って上昇する。CPU20は、制御信号Xに応じてオンオフを繰り返すトランジスタ63のオン毎に、CPU20に入力される電圧V20又は電圧V20に所定の係数を乗じた値をコンデンサ70の電極間電圧として取得する。
【0041】
ステップS3においてCPU20は、充電状態判定部23として機能し、ステップS2において取得された電極間電圧に基づいてコンデンサ70が満充電であるか否かを判定する。CPU20は、例えば、ステップS2において取得された電極間電圧が所定値Vに達した場合に、コンデンサ70が満充電であると判定してもよい。コンデンサ70が満充電であると判定された場合、処理はステップS4に移行され、コンデンサ70が満充電ではないと判定された場合、処理はステップS2に戻される。
【0042】
ステップS4においてCPU20は、劣化状態判定部24として機能し、最初にトランジスタ63がオンされたときから、ステップS3においてコンデンサ70が満充電であると判定されるまでのトランジスタ63のオン回数を計数し、そのオン回数が所定値N未満であるか否かを判定する。CPU20は、トランジスタのオン回数が所定値N未満であると判定した場合、処理をステップS5に移行し、コンデンサ70が劣化状態にあるものと判定する。この判定結果は、不合格判定に相当する。この場合、処理はステップS7に移行される。
【0043】
ステップS7においてCPU20は、警報発出部25として機能し、コンデンサ70が劣化状態にあることを報知するための警報を発出する。
【0044】
一方、CPU20は、ステップS4において、トランジスタのオン回数が所定値N以上であると判定した場合、処理をステップS6に移行し、コンデンサ70が劣化状態にはないものと判定する。この判定結果は、合格判定に相当する。
【0045】
劣化判定モードにおけるコンデンサ70の劣化判定において合格判定がなされた場合、すなわちコンデンサ70が劣化状態にないものと判定された場合、コントローラ10の動作モードは、電源制御モードに移行する。動作モードが電源制御モードに移行されるとCPU20は、電源制御プログラム32を実行する。
【0046】
図6は、CPU20が、電源制御プログラム32を実行することによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS11においてCPU20は、制御信号Xを出力し、これを制御回路90に供給する。制御信号Xは、コンデンサ70が満充電に至るまでトランジスタ63がオン状態を維持するようにトランジスタ63を動作させるための信号である。すなわち、制御信号Xは、劣化判定モードにおける制御信号Xよりも長いパルス幅を有する信号である。制御回路90は、制御信号Xに応じてトランジスタ63をオン状態に制御する。トランジスタ63がオン状態となることによりコンデンサ70が充電される。コンデンサ70の充電電流は、制御回路90が備える突入電流抑制機能により一定とされる。
【0048】
ステップS12においてCPU20は、制御回路90において、過電流保護機能が作動したか否かを判定する。制御回路90は、上記したように、電源ライン60に流れる電流の大きさが所定値Iにある状態が所定期間継続した場合に、トランジスタ63をオフさせる過電流保護機能を備える。制御回路90は、過電流保護機能を作動させた場合、過電流保護機能が作動したことを示す通知信号YをCPU20に供給する。CPU20は、この通知信号Yを受信した場合、過電流保護機能が作動したものと判定し、処理をステップS13に移行する。一方、CPU20は、過電流保護機能が作動していないものと判定した場合、処理をステップS14に移行する。
【0049】
ステップS13においてCPU20は、過電流保護機能が作動したことを報知するための警報を発出する。CPU20は、例えば、コントローラ10が有する表示パネル(図示せず)又はコントローラ10に接続可能な表示装置(図示せず)に、過電流保護機能が作動したことを示すエラーコードを表示することにより警報の発出を行ってもよい。なお、警報としては、表示等に限らず、コントローラ10に接続されたPLCなどの上位装置への通知やアラーム等の警報音であってもよい。
【0050】
ステップS14においてCPU20は、トランジスタ63のオンに応じて充電されるコンデンサ70の電極間電圧を取得する。コンデンサ70の電極間電圧は、トランジスタ63がオン状態とされてからの経過時間に伴って上昇する。CPU20は、電圧V20又は電圧V20に所定の係数を乗じた値をコンデンサ70の電極間電圧として取得する。
【0051】
ステップS15においてCPU20は、ステップS14において取得された電極間電圧に基づいてコンデンサ70が満充電であるか否かを判定する。CPU20は、例えば、ステップS14において取得された電極間電圧が所定値に達した場合に、コンデンサ70が満充電であると判定してもよい。コンデンサ70が満充電であると判定された場合、処理はステップS16に移行され、コンデンサ70が満充電ではないと判定された場合、処理はステップS12に戻される。
【0052】
ステップS16においてCPU20は、制御信号Xの制御回路90への供給を停止させる。これにより、トランジスタ63がオフ状態となり、コンデンサ70への充電が停止する。
【0053】
ステップS17においてCPU20は、本ルーチンによる電源制御を停止させるか否かを判定する。CPU20は、例えば上位システムからの指令又はユーザ操作に応じて、電源制御を停止させるものと判定した場合、本ルーチンを終了させ、電源制御を継続させるものと判定した場合、処理をステップS11に戻す。ステップS11からステップS16までの処理が繰り返されることにより、コンデンサ70の充電が断続的に行われ、モータ(図示せず)への電力供給が可能となる。
【0054】
以上のように、本実施形態に係るコントローラ10において、CPU20は、電源ライン60に接続されたトランジスタ63がオンオフを繰り返すようにトランジスタを動作させるための制御信号Xを出力する。CPU20は、トランジスタ63のオンに応じて充電されるコンデンサ70の電極間電圧を取得し、電極間電圧に基づいてコンデンサ70が満充電であるか否かを判定する。CPU20は、コンデンサの充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタのオン回数に基づいて、コンデンサ70の劣化状態を判定する。
【0055】
本実施形態に係るコントローラ10によれば、コンデンサ70の充電を開始してから満充電に至るまでのトランジスタのオン回数に基づいてコンデンサ70の劣化状態が判定されるので、充電時間を計測することなくコンデンサ70の劣化状態を判定することが可能となる。したがって、コンデンサ70の静電容量が小さく、充電時間が短くなる場合でも、CPU20の処理能力の向上及び/又はハードウェア構成の変更することなく、コンデンサ70の劣化状態を判定することが可能となる。すなわち、本実施形態に係るコントローラ10によれば、コンデンサの劣化検出を低コストで実現することが可能となる。
【0056】
更に、突入電流抑制機能及び過電流保護機能を備えた制御回路90及びCPU20を、既存構成として有するシステムに対しては、劣化判定プログラム31を実装するのみで、本実施形態に係るコンデンサ70の劣化判定を行うことが可能となる。
【0057】
なお、以上の説明では、コンデンサ70の電極間電圧が所定値Vに達した場合に、コンデンサ70が満充電であると判定する場合を例示したが、開示の技術は、この態様に限定されない。充電状態判定部23は、電源ライン60の電圧とコンデンサ70の電極間電圧との差分が所定値未満である場合にコンデンサ70が満充電であると判定してもよい。コンデンサ70が満充電に近づくにつれて、コンデンサ70の電極間電圧は、電源ライン60の電圧に近づき、両電圧の差分が小さくなるからである。電源ライン60の電圧は、ノードnに生じる電圧を抵抗素子71及び72によって分圧した電圧V10をCPU20が取得することにより検出することが可能である。
【0058】
他の方法として、充電状態判定部23は、制御信号Xに応じてオンオフするトランジスタ63の、今回のオン時におけるコンデンサ70の電極間電圧と前回のオン時におけるコンデンサ70の電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、コンデンサが満充電であると判定してもよい。なお、コンデンサ70の充電が進むにつれて、コンデンサ70の電極間電圧は飽和するので、この方法によって判定される満充電までのトランジスタ63のオン回数が、コンデンサ70の静電容量に対して比例しない場合がある。この場合、図7に例示するようなデューティが不均一な制御信号Xを用いることにより、トランジスタ63のオン期間をトランジスタ63のオン回数の増加に伴って長くすることで、トランジスタ63のオン回数とコンデンサ70の静電容量との関係を比例関係に近づけることが可能となる。
【0059】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
少なくとも1つのプロセッサを有する電子装置であって、
前記プロセッサは、
電源ラインに接続されたトランジスタがオンオフを繰り返すように前記トランジスタを動作させるための第1の制御信号を出力し、
前記電源ラインに接続され、前記トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの電極間電圧を取得し、
前記電極間電圧に基づいて前記コンデンサの充電が完了したか否かを判定し、
前記コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでの前記トランジスタのオン回数に基づいて、前記コンデンサの劣化状態を判定する
電子装置。
【0060】
(付記2)
前記プロセッサは、前記コンデンサの充電を開始してから充電が完了するまでの前記トランジスタのオン回数が所定値未満であった場合、警報を発出する
付記1に記載の電子装置。
【0061】
(付記3)
前記プロセッサは、前記電極間電圧が所定値に達した場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定する
付記1又は付記2に記載の電子装置。
【0062】
(付記4)
前記プロセッサは、前記電源ラインの電圧と前記電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定する
付記1又は付記2に記載の電子装置。
【0063】
(付記5)
前記プロセッサは、前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタの、今回のオン時における電極間電圧と前回のオン時における電極間電圧との差分が所定値未満である場合に、前記コンデンサの充電が完了したと判定する
付記1又は付記2に記載の電子装置。
【0064】
(付記6)
前記トランジスタのオンに応じて充電されるコンデンサの充電電流が一定となるように前記トランジスタが制御される
付記1から付記5のいずれか1つに記載の電子装置。
【0065】
(付記7)
前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間は一定である
付記1から付記6のいずれか1つに記載の電子装置。
【0066】
(付記8)
前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間は、前記トランジスタのオン回数の増加に伴って長くなる
付記1から付記6のいずれか1つに記載の電子装置。
【0067】
(付記9)
前記第1の制御信号に応じてオンオフする前記トランジスタのオン期間はマイクロ秒オーダーである
付記1から付記8のいずれか1つに記載の電子装置。
【0068】
(付記10)
前記トランジスタを制御する制御回路を更に有する
付記1から付記9のいずれか1つに記載の電子装置。
【0069】
(付記11)
前記制御回路は、前記電源ラインに流れる電流の大きさが所定値になるように、前記トランジスタを制御する
付記10に記載の電子装置。
【0070】
(付記12)
前記制御回路は、前記電源ラインに流れる電流の大きさが前記所定値にある状態が所定期間継続した場合に、前記トランジスタをオフさせる制御を行う
付記11に記載の電子装置。
【0071】
(付記13)
前記プロセッサは、前記電源ラインに流れる電流の大きさが所定に達した状態が所定期間継続した場合に、警報を発出する
付記12に記載の電子装置。
【0072】
(付記14)
前記プロセッサは、
起動時に実行される第1のモードにおいて、前記第1の制御信号を前記制御回路に供給し、
前記第1のモードにおいて判定される前記コンデンサの劣化状態に応じて実行される第2のモードにおいて、前記コンデンサの充電が完了するまで前記トランジスタがオン状態を維持するように前記トランジスタを動作させるための第2の制御信号を前記制御回路に供給する
付記13に記載の電子装置。
【0073】
(付記15)
前記プロセッサからの指令に応じて、前記電源ラインを通じて供給される電力によってモータを駆動するモータドライブ回路を更に有する
付記1から付記14のいずれか1つに記載の電子装置。
【符号の説明】
【0074】
10 コントローラ
20 CPU
21 制御信号出力部
22 電極間電圧取得部
23 充電状態判定部
24 劣化状態判定部
25 警報発出部
30 不揮発性メモリ
31 劣化判定プログラム
32 電源制御プログラム
40 モータドライブ回路
60 電源ライン
61 ダイオード
62 電流検出抵抗
63 トランジスタ
70 コンデンサ
90 制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7