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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017561
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240201BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120279
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232140
【氏名又は名称】NECフィールディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】本多 共和
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】特定の仕様を充足する商品を漏れなく選出し、提案することに貢献する提案装置、提案方法、及びプログラムの提供。
【解決手段】商品の仕様である商品仕様データを保持する保持部と、商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する取得部と、前記要求仕様データに基づいて、前記保持部内の商品を選出する選出部と、前記選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う評価部と、評価結果を出力する出力部と、を有する提案装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の仕様である商品仕様データを保持する保持部と、
商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する取得部と、
前記要求仕様データに基づいて、前記保持部内の商品を選出する選出部と、
前記選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う評価部と、
評価結果を出力する出力部と、
を有する提案装置。
【請求項2】
前記選出部は、前記商品仕様データが前記要求仕様データを少なくとも一の項目で満たす商品を選出する、請求項1の提案装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記選出された商品の仕様が、前記要求仕様データの仕様を充足する項目数に応じて評価を行う、
請求項2の提案装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記選出された商品の仕様が、前記要求仕様データの仕様を充足する項目の割合に応じて評価を行う、
請求項2の提案装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記要求仕様データの各項目と重み付けデータとを関連付けて取得し、
前記評価部は、前記重み付けデータに基づいて、前記選出された商品の商品仕様データを評価する、
請求項2の提案装置。
【請求項6】
前記要求仕様データに含まれる作成日を参照し、所定期間内に作成されたか否かを確認する確認部と、
確認の結果、所定期間外に作成されたものである場合には、所定期間内に作成された要求仕様データを前記取得部に提示するように通知する通知部と、
を有する請求項1から5のいずれか一の提案装置。
【請求項7】
前記評価部の評価結果に基づいて商品を選定する商品選定部と、
前記選定された商品毎に市場価格を取得する市場価格取得部と、
前記市場価格に基づいて入札予定金額を算出する入札予定金額算出部と、
を有する請求項2の提案装置。
【請求項8】
落札予想価格を受付ける落札予想価格受付部、
をさらに有し、
前記商品選定部はさらに前記落札予想価格に基づいて、商品を選定する、
請求項7の提案装置。
【請求項9】
商品に要求される仕様である要求仕様データをコンピュータが取得するステップと、
前記要求仕様データに基づいて、商品の仕様である商品仕様データを保持する商品データベース内の商品を前記コンピュータが選出するステップと、
前記選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいて前記コンピュータが評価を行うステップと、
評価結果を前記コンピュータが出力するステップと、
を有する提案方法。
【請求項10】
商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する処理と、
前記要求仕様データに基づいて、商品の仕様である商品仕様データを保持する商品データベース内の商品を選出する処理と、
前記選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う処理と、
評価結果を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提案装置、提案方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、官公庁の入札案件の際には、営業担当者が入札仕様に対応した商品をカタログなどから探し出し提案資料を作成している。必要な要件を満たす商品を探し出すのに時間を要してしまい、とりわけ要件が複雑な案件の場合、仮に相当の技術知識を有する営業担当者であっても、提案しようとしている商品が本当に要件に適合しているか確認するのは容易ではない。このような事情に鑑みて、特定の仕様に対して適切な商品を効率的、且つ的確に選定することが営業担当者の課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-139613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0005】
特許文献1には次のような発明が開示されている。すなわち、利用者の指示に応じて、対象顧客に関しての商品についての商品提案文書を生成するシステムであって、その商品の機能の有用性に関する有用条件を満たすか否かを判定する判定手段を有する。ここで有用条件とは、顧客の業務課題に関して、商品の機能が有用であるか否かを判定するために用いる条件である。例えば、商品の機能と顧客が有する設備に備えられている機能とを比較し、顧客の設備に不足している機能を商品が有する場合には、その商品に関する有用条件を満たすと判定する。
【0006】
このように特許文献1の発明は、顧客にとっての有用性という観点から商品の選出を行い、提案することが可能である。一方で、官公庁等の競争入札案件においては、商品の要求仕様が仕様書において明確化されており、その要求仕様を満たした商品を選出し、提案することが必要である。
【0007】
また、大規模な調達案件では仕様書に記載の商品仕様が多数に上り、また商品仕様が属する技術分野も、多岐に渡るため、その全てを漏れなく充足した商品を選出し、提案することは非常に困難である。
【0008】
そこで、本発明は特定の仕様を充足する商品を漏れなく選出し、提案することに貢献する提案装置、提案方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明乃至開示の第一の視点によれば、商品の仕様である商品仕様データを保持する保持部と、商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する取得部と、要求仕様データに基づいて、保持部内の商品を選出する選出部と、選出された商品の商品仕様データを、要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う評価部と、評価結果を出力する出力部と、を有する提案装置が提供される。
【0010】
本発明乃至開示の第二の視点によれば、商品に要求される仕様である要求仕様データをコンピュータが取得するステップと、前記要求仕様データに基づいて、商品の仕様である商品仕様データを保持する商品データベース内の商品をコンピュータが選出するステップと、前記選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいてコンピュータが評価を行うステップと、評価結果をコンピュータが出力するステップと、を有する提案方法が提供される。
【0011】
本発明乃至開示の第三の視点によれば、商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する処理と、前記要求仕様データに基づいて、商品の仕様である商品仕様データを保持する商品データベース内の商品を選出する処理と、前記選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う処理と、評価結果を出力する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明乃至開示の各視点によれば、本発明は特定の仕様を充足する商品を漏れなく選出し、提案することに貢献する提案装置、提案方法、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る提案装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における、商品データベース内のデータの一例を示す図である。
図3】第1の実施形態における要求仕様データの一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る提案装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態に係る提案装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態による提案装置の一構成例を示す図である。
図7】第2の実施形態に係る提案装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェースも同様である。
【0015】
図1は一実施形態に係る提案装置の構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように、一実施形態に係る提案装置10は、保持部11と、取得部12と、選出部13と、評価部14と、出力部15と、を有する。
【0016】
保持部11は、商品の仕様である商品仕様データを保持する。取得部12は、商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する。選出部13は、要求仕様データに基づいて、保持部11内の商品を選出する。評価部14は、選出された商品の商品仕様データを、要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う。出力部15は、評価結果を出力する。
【0017】
このように、一実施形態の提案装置10は、要求仕様データを満たす商品を商品データベース内より選出を行い、要求仕様を満たす程度に基づいて、その商品を評価することが可能である。このため複雑かつ多岐に渡る要求仕様を満たす商品を抽出し、商品選択に寄与する事が可能である。特に、商品の種類が多い調達案件等における商品選定に有効である。
【0018】
一実施形態における提案装置10の対象は、必ずしも物品である商品に限られず、広く役務(サービス)に関しても適用可能である。
【0019】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0020】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る提案装置の構成の一例は図1と同様である。この図にあるように本実施形態にかかる提案装置10は、保持部11と、取得部12と、選出部13と、評価部14と、出力部15と、を有する。
【0021】
保持部11は商品の仕様である商品仕様データを保持する。例えば、商品データベース等が該当する。商品データベースは、特定のデータベースに閉じたものでも良いが、ネットワーク等を介して接続可能な複数のデータベースへクエリを送り、収集するといったオープンな態様でも良い。例えば、Webサイトをクローリングして商品仕様データとなる情報を収集し、その収集したデータを加工蓄積したものでも良い。
【0022】
「商品の仕様」とは、商品の(市場)価格を含む品名、型番、機能、性能等を列挙したデータである。商品の仕様は特定の商品分類に応じた仕様項目の共通の集まりであるスキーマを持ったものでも良い。図2は商品データベース内のデータの一例を示す図である。この図に示すように、商品仕様データはタグとなっている各項目名に、項目内容を記述する形式をとっていても良い。
【0023】
取得部12は、商品に要求される仕様である要求仕様データを取得する。例えば官公庁等が執り行う一般競争入札における仕様書の各項目のデータ等が該当する。通常仕様書は自然言語で記述してあるため、各項目のデータは提案装置で処理可能なように、仕様書の書面から加工して抽出される。仕様書の各項目を示す書面の中で一定の構造を有する場合にはその構造を指定する定義ファイルを別途有していて、この定義ファイルに記載している定義に基づいて各項目を取得しても良い。
【0024】
選出部13は、要求仕様データに基づいて、前記保持部内の商品を選出する。選出は要求仕様データの項目名と、商品データベース内の項目名とをマッチさせ、マッチされた項目にかかるデータを比較することにより実行される。必ずしも要求仕様データの項目名と、商品データベース内の項目名は一致しないため、例えば両者の対応関係を記した辞書を有していて、項目名の相違を辞書により吸収し、両者をマッチさせると言った処理を行ってもよい。
【0025】
図3は要求仕様データの一例を示す。このように、要求仕様データにおいては自然言語で記述してあるため、その中から項目名(フィールド)と項目データ(レコード)を抽出する必要がある。好ましくは、形態素解析を行うことで分かち書きを行い、抽出された単語を項目名とし、項目名に関連するデータを項目データとして関連付けて付加するといった処理を実行する。
【0026】
項目データに項目名が付加されると、商品データベースと商品仕様データとでマッチした項目の項目データについて比較を行う。数値であれば数値の大小関係を算出し、要求仕様データの要求仕様(条件)を満たしているか否かの判断を行う。判断の結果、例えば商品仕様データが要求仕様データを少なくとも一の項目で満たす商品を選出しても良い。
【0027】
評価部14は、選出された商品の商品仕様データを、前記要求仕様データを充足する程度に基づいて評価を行う。「要求仕様データを充足する程度」とは、種々の基準が考えられる。例えば、選出された商品の商品仕様データが要求仕様データを充足している数や、商品仕様データが要求仕様データを充足している項目の割合に基づいて評価の高低を算出しても良い。
【0028】
評価部14は、要求仕様データの項目についてその重要性等に基づいて重み付けを付与して評価を行ってもよい。この場合取得部12が要求仕様データの各項目と重み付けデータとを関連付けて取得し、重み付けデータに基づいて、前記選出された商品の商品仕様データを評価する。例えば図2において、レイヤ3スイッチの要求仕様内の機能要件において、「SFPスロットを8スロット標準搭載すること」が必須である場合には重み付けを1.0と設定する。これに対して「SFP+スロットを4スロット標準搭載すること」については比較的重要性が低い場合には0.5と設定するといった態様でも良い。このようにして重み付けを行い、最終的に項目数で割ることで相対的な重み付け(重要度)に基づいたスコアが算出され、商品間で比較を行う際などに利用することが可能である。
【0029】
出力部15は評価部14における評価結果を出力する。評価結果は例えば、所定の評価スコアが基準を満たしているか否かの出力や、選定された複数の商品をスコアとともにディスプレイ等にリスト形式で表示する出力態様でも良い。
【0030】
提案装置10は、要求仕様データに含まれる作成日を参照し、所定期間内(例えば、過去3月以内)に作成されたか否かを確認する確認部16(図示せず)と確認の結果、所定期間外に作成されたものである場合には、所定期間内に作成された要求仕様データを前記取得部に提示するように通知する通知部17(図示せず)とを有していても良い。このように提案装置10は両部を有する構成により顧客の最新の要望に基づいた商品を選定することが可能となる。
【0031】
[動作の説明]
本実施形態の提案装置10の動作の一例について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係る提案装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0032】
この図にあるように、動作を開始すると、要求仕様データを取得する(ステップS11)。次に取得された要求仕様データが所定期間内に作成されているか否かを判断する(ステップS12)。その結果、所定期間内ではない場合(ステップS12,N)には所定期間内に作成された要求仕様データを取得すべき旨を通知し(ステップS13)、再び要求仕様データの取得処理に戻る。所定期間内であった場合には(ステップS12,Y)には商品データベース内の商品を選出する(ステップS14)。選出の結果、要求仕様を充足する商品があるか否かを判断する(ステップS15)。要求仕様を充足する商品がない場合(ステップS15,N)には、仕様を充足する商品が無かった旨の表示を出力し(ステップS16)処理は終了する。要求仕様を充足する商品があった場合には(ステップS15,Y)、選出された商品の商品仕様データを評価し(ステップS17)、評価結果を出力して(ステップS18)、処理は終了する。なお要求仕様データが複数の商品にわたる際にはこの図4のStartからEndまでの処理を商品毎に繰り返す。
【0033】
[ハードウエア構成]
本実施形態の提案装置10は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、図5に例示する構成を備える。例えば、提案装置10は、内部バス55により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)51、メモリ52、入出力インタフェース53及び通信手段であるNIC(Network Inte Card)54等を備える。
【0034】
但し、図5に示す構成は、提案装置10のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。提案装置10は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース53を備えていなくともよい。また、提案装置10に含まれるCPU等の数も図5の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが提案装置10に含まれていてもよい。
【0035】
メモリ52は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0036】
入出力インタフェース53は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、タッチパネル、キーボードやマウス等のユーザ操作を受付ける装置である。
【0037】
提案装置10の機能は、メモリ52に格納された取得プログラム、選出プログラム、評価プログラム、確認プログラム、通知プログラム等といったプログラム群(処理モジュール)と、選出プログラムが使用する商品仕様データを格納している商品データべース等のデータ群により実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ52に格納された各プログラムをCPU51が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0038】
[ハードウエアの動作]
提案装置10は動作を開始すると、まず取得プログラムがメモリ52から呼び出されCPU51にて実行状態となる。取得プログラムはNIC54や入出力インタフェース53等から要求仕様データを読み込み、メモリ52に保持する。
【0039】
次に確認プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51にて実行状態となる。同プログラムは、要求仕様データを参照してその作成日が所定期間内か否かを判断する。その結果、作成日が所定期間内でない場合には、ディスプレイ等の入出力インタフェース53より、所定期間内に作成された要求仕様データを入力するようにとの表示を出力する。
【0040】
作成日が所定期間内であった場合には、選出プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51にて実行状態となる。同プログラムはメモリ52に保持されている要求仕様データを項目名とともに配列に読み込む。次に配列の各要素の項目名をキーとして、メモリ52上の商品データベース内を検索する。検索の結果、該当する項目があった場合にはその項目にかかるデータと、キーとした項目にかかるデータとを対照させ、商品データベースのデータが要求仕様データを充足しているか否かを比較演算等により算出する。
【0041】
算出の結果、商品データベースのデータが要求仕様データを充足している場合には、選出プログラムは、その商品に係るデータベースのレコードを取得してメモリ52に格納する。このようにしてそれぞれの要求仕様について、それぞれの仕様の項目について、選出を行い、該当するレコードをメモリ52へ格納する。なお該当レコードが一つもない場合には入出力インタフェース53を介してその旨の表示を出力する。
【0042】
次に評価プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51にて実行状態となる。同プログラムは、メモリ52に格納されている要求仕様に該当する商品データのレコードを読み込み、例えば特定の要求仕様に該当する項目数をカウントし、所定の(それぞれの)商品についての評価スコアを算出する。要求仕様の項目に重みづけがある場合には、所定の仕様毎の重みづけテーブルを参照しながら算出を実行する。算出の結果はディスプレイ等の入出力インタフェース53を介して出力される。出力はスコア順に各商品レコードをリストアップしたり、発売日や販売価格等をキーとして並び替えて表示したりしてもよい。
【0043】
[効果の説明]
上記第1の実施形態に係る提案装置により、特定の仕様を充足する商品を漏れなく選出し、提案することが可能である。
【0044】
[第2の実施形態]
第2の実施形態以降では、上記実施形態の提案装置10の発明を、商品を競争入札にて調達する場面において実施する形態について述べる。
【0045】
[構成]
本発明の第2の実施形態として、図6に本実施形態による提案装置10の一構成例を示す。この図にあるように、一実施形態に係る提案装置10は、保持部11と、取得部12と、選出部13と、評価部14と、出力部15と、を有する。また図示しないが確認部16及び通知部17を有していてもよい。上記構成要件については、既に記載済みであるから説明は省略する。本実施形態の提案装置の特徴は新たに商品選定部18と、市場価格取得部19と、入札予定金額算出部20と、落札予想価格受付部21とを有する点である。
【0046】
商品選定部18は、評価部14の評価結果に基づいて商品を選定する。具体的には、評価部14の評価結果を受け取り、最も多くの要求仕様データの仕様を充足する商品を抽出したり、評価スコアが最も高い商品を抽出したり、最も販売価格の低い商品を抽出したり、種々の観点から商品を選定し、抽出を行う。例えば、一般競争入札の入札仕様書に記載されている複数の商品に係る要求仕様データを満たすそれぞれの商品毎の評価済みのレコードを評価部14から取得し、商品を選定し、仕様書の要求仕様を充足する商品の組み合わせのリストを算出する。算出するリストは複数あってよい。なお官公庁等の一般競争入札においては、原則全ての要求仕様を満たすことが入札の条件であるから、評価部14は全ての要求仕様データを満たす商品を抽出し、商品選定部18は全ての要求仕様データを満たす商品の組み合わせを算出する必要がある。
【0047】
市場価格取得部19は、選定された商品毎に市場価格を取得する。具体的には商品データベースに記載されている商品仕様データに販売価格が含まれている場合と、又は商品仕様データに販売価格が含まれていない場合と、においてその商品に係る市場価格を取得する。実際に入札を行う際には購入先の市場価格(仕様に記載されている販売価格と異なる場合が多い)に基づいて商品を選定する必要があり、市場価格を取得して把握する必要があるからである。
【0048】
市場価格は、例えば取扱店のWebサイトや、ECサイト、商品の価格を取りまとめたランキングサイト等に掲載されており、これらを例えばクローラやAPI経由などで取得して販売価格を取得することが可能である。
【0049】
入札予定金額算出部20は、市場価格取得部19にて取得した市場価格に基づいて入札予定金額を算出する。例えば、取得された市場価格のうち、各選定された商品毎の最低価格を採用し、その総和を入札予定金額として算出してもよい。また例えば取得した販売価格の妥当性を向上するために複数の価格を取得して、その中央値や平均値、(第一)四分位値に近い価格(及び購入先)を採用するといった処理を市場価格取得部19は実行してもよい。さらに、所定の比率で販売管理費等の費用を上乗せした価格を算出してもよい。
【0050】
落札予想価格受付部21は落札予想価格を受付ける。キーボードなどの入出力インタフェースにより、落札予想価格を入力する。落札予想価格は、通常予定価格より低い価格を設定する。予定価格は、公表されている場合と非公表の場合があるが、非公表の場合は、一旦入札予定金額算出部20で市場価格に基づく価格を算出して、予定価格を予想した上でこれを下回る価格を落札予想価格受付部にて受付し、商品選定部18にて商品の再選定をおこなってもよい。
【0051】
商品選定部18はさらに落札予想価格に基づいて商品を選定する。商品選定部18は選定した商品の組み合わせの販売価格の総額が落札予想価格に最も近付くか、又は落札予想価格を最も下回るか、を条件として商品を選定してもよい。
【0052】
[動作の説明]
本実施形態の提案装置10の動作の一例について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態に係る提案装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
商品の商品仕様データが評価され(図4、ステップS17)、評価結果が出力され(図4、ステップS18)た後に、落札予想価格を受付ける(ステップS71)。次に、出力された評価結果に基づいて商品の選定を行う(ステップS72)。次に、選定された商品の市場価格を取得する(ステップS73)。取得された市場価格に基づいて入札予定金額を算出する(ステップS74)。次に算出された入札予定金額が落札予想価格を下回っているか否かの判断を行う。下回っているとの判断結果の場合(ステップS75,Y)には処理を終了する。下回っていないとの判断結果の場合(ステップS75,N)には再び商品の選定(ステップS72)を行う処理に戻る。
【0054】
[効果の説明]
本実施形態の提案装置10により、競争入札において要求仕様を満たし、かつ妥当な価格の入札を実行することが可能である。
【0055】
前述の実施形態の一部又は全部は、以下の各付記のようにも記載することができる。しかしながら、以下の各付記は、あくまでも、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
[付記1]
上述の第一の視点に係る提案装置のとおりである。
[付記2]
選出部は、商品仕様データが要求仕様データを少なくとも一の項目で満たす商品を選出する、好ましくは付記1の提案装置。
[付記3]
評価部は、選出された商品の仕様が、要求仕様データの仕様を充足する項目数に応じて評価を行う、好ましくは付記2の提案装置。
[付記4]
評価部は、選出された商品の仕様が、要求仕様データの仕様を充足する項目の割合に応じて評価を行う、好ましくは付記2の提案装置。
[付記5]
取得部は、要求仕様データの各項目と重み付けデータとを関連付けて取得し、評価部は、重み付けデータに基づいて、選出された商品の商品仕様データを評価する、好ましくは付記2の提案装置。
[付記6]
要求仕様データに含まれる作成日を参照し、所定期間内に作成されたか否かを確認する確認部と、確認の結果、所定期間外に作成されたものである場合には、所定期間内に作成された要求仕様データを前記取得部に提示するように通知する通知部と、を有する好ましくは付記1から5のいずれか一の提案装置。
[付記7]
評価部の評価結果に基づいて商品を選定する商品選定部と、前記選定された商品毎に市場価格を取得する市場価格取得部と、前記市場価格に基づいて入札予定金額を算出する入札予定金額算出部とを有する、好ましくは付記1から6のいずれか一の提案装置。
[付記8]
落札予想価格を受付ける落札予想価格受付部をさらに有し、商品選定部はさらに落札予想価格に基づいて、商品を選定する、好ましくは付記7の提案装置。
[付記9]
上述の第二の視点に係る提案方法のとおりである。
[付記10]
上述の第三の視点に係るプログラムのとおりである。
なお、付記9及び10は、付記1と同様に、付記2~8に展開することが可能である。
【0056】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0057】
10 :提案装置
11 :保持部
12 :取得部
13 :選出部
14 :評価部
15 :出力部
16 :確認部
17 :通知部
18 :商品選定部
19 :市場価格取得部
20 :入札予定金額算出部
21 :落札予想価格受付部
33 :入出力インタフェース
51 :CPU
52 :メモリ
53 :入出力インタフェース
54 :NIC
55 :内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7