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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175614
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】取付部材
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20241211BHJP
   A01G 25/00 20060101ALI20241211BHJP
   A01G 25/02 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
F16K27/00 B
A01G25/00 501F
A01G25/02 601P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093553
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】505142964
【氏名又は名称】株式会社クボタケミックス
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】四元 友治
(72)【発明者】
【氏名】平尾 和弘
(72)【発明者】
【氏名】伊庭 弘貴
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC13
3H051DD01
3H051FF02
(57)【要約】
【課題】ヨークに対して容易に固定することが可能な取付部材を提供する。
【解決手段】弁体を開閉するための弁開閉機構に、前記弁開閉機構を駆動させるための弁駆動機構を取り付けるための取付部材100であって、前記弁開閉機構のヨーク20の上面に載置されると共に、前記弁駆動機構を支持する第一取付部110と、前記ヨーク20の上面の下方において前記第一取付部110と対向するように配置され、前記第一取付部110との間で前記ヨーク20を挟持する第二取付部120と、を具備した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体を開閉するための弁開閉機構に、前記弁開閉機構を駆動させるための弁駆動機構を取り付けるための取付部材であって、
前記弁開閉機構のヨークの上面に載置されると共に、前記弁駆動機構を支持する第一取付部と、
前記ヨークの上面の下方において前記第一取付部と対向するように配置され、前記第一取付部との間で前記ヨークを挟持する第二取付部と、
を具備する取付部材。
【請求項2】
前記第一取付部と前記第二取付部は、別部材により構成されている、
請求項1に記載の取付部材。
【請求項3】
前記第一取付部は、
前記ヨークに載置されると共に、前記第二取付部に連結される、一対の底面部と、
前記弁駆動機構が載置される上面部と、
一対の前記底面部と前記上面部とを接続する一対の接続部と、
を具備する、
請求項1に記載の取付部材。
【請求項4】
前記底面部は、
前記第二取付部に連結される連結部を具備し、
前記連結部は、
前記第一取付部と前記第二取付部とが対向する方向から見て、前記上面部と重複しないように形成されている、
請求項3に記載の取付部材。
【請求項5】
前記底面部は、
前記第二取付部に連結される連結部を具備し、
前記連結部は、
前記ヨークの外面の外側に位置する、
請求項3に記載の取付部材。
【請求項6】
前記底面部は、
前記第二取付部に連結される連結部を具備し、
前記上面部は、
前記第一取付部と前記第二取付部とが対向する方向から見て、前記連結部と重複する位置に形成された貫通孔を具備している、
請求項3に記載の取付部材。
【請求項7】
前記一対の接続部は、
当該一対の接続部が対向する方向において、少なくとも一部が前記ヨークよりも外側に位置するように形成されている、
請求項3に記載の取付部材。
【請求項8】
前記一対の接続部は、
当該一対の接続部が対向する方向において、少なくとも一部が前記ヨークよりも内側に位置するように形成されている、
請求項3に記載の取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁開閉機構に弁駆動機構を取り付けるための取付部材の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁開閉機構に弁駆動機構を取り付けるための取付部材の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、弁口を開閉するための弁機構と、弁機構を駆動させるための駆動機構と、が記載されている。駆動機構は、架台によって弁機構のヨークに取り付けられている。
【0004】
ここで特許文献1に記載の技術では、側方から見て、架台の下部がヨークと重なるように配置されている。この状態で、当該架台とヨークに対して、水平方向からボルト等(第1固定具)が挿通されることで、架台がヨークに固定される。
【0005】
しかしながら、一般的に特許文献1に記載のような弁は、側方が桝によって囲まれた状態で設置されることが多く、側方の作業スペースが限られている。このため、特許文献1に記載のように水平方向から固定具で固定する方法では、ヨークに架台を固定するのが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-159009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の一態様は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ヨークに対して容易に固定することが可能な取付部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
本開示の一態様に係る取付部材は、弁体を開閉するための弁開閉機構に、前記弁開閉機構を駆動させるための弁駆動機構を取り付けるための取付部材であって、前記弁開閉機構のヨークの上面に載置されると共に、前記弁駆動機構を支持する第一取付部と、前記ヨークの上面の下方において前記第一取付部と対向するように配置され、前記第一取付部との間で前記ヨークを挟持する第二取付部と、を具備するものである。
【0010】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記第一取付部と前記第二取付部は、別部材により構成されているものである。
【0011】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記第一取付部は、前記ヨークに載置されると共に、前記第二取付部に連結される、一対の底面部と、前記弁駆動機構が載置される上面部と、一対の前記底面部と前記上面部とを接続する一対の接続部と、を具備するものである。
【0012】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記底面部は、前記第二取付部に連結される連結部を具備し、前記連結部は、前記第一取付部と前記第二取付部とが対向する方向から見て、前記上面部と重複しないように形成されているものである。
【0013】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記底面部は、前記第二取付部に連結される連結部を具備し、前記連結部は、前記ヨークの外面の外側に位置するものである。
【0014】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記底面部は、前記第二取付部に連結される連結部を具備し、前記上面部は、前記第一取付部と前記第二取付部とが対向する方向から見て、前記連結部と重複する位置に形成された貫通孔を具備しているものである。
【0015】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記一対の接続部は、当該一対の接続部が対向する方向において、少なくとも一部が前記ヨークよりも外側に位置するように形成されているものである。
【0016】
また、本開示の一態様に係る取付部材において、前記一対の接続部は、当該一対の接続部が対向する方向において、少なくとも一部が前記ヨークよりも内側に位置するように形成されているものである。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一態様によれば、取付部材をヨークに対して容易に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る取付部材を有する弁装置の全体的な構成を示した正面図。
図2】ヨーク及び取付部材を示した正面図。
図3】ヨーク及び取付部材を示した斜視図。
図4】ヨーク及び取付部材を示した分解斜視図。
図5】ヨーク及び取付部材を示した側面図。
図6】(a)ヨーク及び取付部材を示した平面図。(b)ヨーク及び取付部材を示した底面図。
図7】(a)接続部がヨークの外側に位置する例を示した正面図。(b)接続部がヨークの内側及び外側に位置する例を示した正面図。
図8】(a)連結部が上面部を上下に重複する取付部材を示した斜視図。(b)連結部が上面部を上下に重複する取付部材を示した平面図。
図9】(a)変形例に係る取付部材を示した正面図。(b)取付部材の左下部を示した拡大斜視図。
図10】(a)一対の挟持部に亘ってボルトを挿通する例を示した側面断面模式図。(b)一対の挟持部それぞれにボルトを締結する例を示した側面断面模式図。(c)一方の挟持部にボルトを締結する例を示した側面断面模式図。
図11】他の変形例に係る取付部材を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0020】
まず、図1及び図2を用いて、弁装置1の全体的な構成について説明する。
【0021】
弁装置1は、水路を開閉することで、給排水を制御することが可能なものである。本実施形態では一例として、水田へ給水するための給水管Pを開閉する弁装置1を例に挙げて説明するが、弁装置1の用途はこれに限るものではなく、各種圃場等への給排水に用いることが可能である。弁装置1は、主として弁開閉機構10、弁駆動機構30及び取付部材100を具備する。
【0022】
弁開閉機構10は、給水管Pを開閉することで、給水管Pからの給水の可否を切り替えるものである。弁開閉機構10は、主として弁座11、ヨーク20、弁軸12、弁体13及びハンドル14を具備する。
【0023】
弁座11は、上向きに開口した給水管Pの上端部に設けられる。弁座11は、上下に貫通する貫通孔を有し、給水管Pから供給される水は弁座11の貫通孔を介して上方に向かって流通することができる。
【0024】
ヨーク20は、弁軸12を上下に移動可能となるように支持するものである。ヨーク20は、弁座11の上部に固定される。弁軸12は、ヨーク20の上部(後述する接続部22)を上下に貫通するように配置される。なお、ヨーク20の上部(接続部22)には、弁軸12を挿通可能な貫通孔が形成されているが、本実施形態では当該貫通孔の図示を省略している。
【0025】
弁軸12の下部には、弁体13が設けられる。弁体13は、弁座11の上方に配置される。弁体13は、弁座11の貫通孔を上方から閉塞可能な形状に形成される。ヨーク20の上側には、ハンドル14が回転可能に設けられる。ハンドル14は、弁軸12とネジによって嵌合している。ハンドル14を回転させることで、弁軸12及び弁体13を上下に移動させることができる。
【0026】
ハンドル14を一方向に回転させ、弁体13を下降させることで、弁体13によって弁座11の貫通孔を閉塞することができる。またハンドル14を他方向に回転させ、弁体13を上昇させることで、弁座11の貫通孔を開放することができる。このように、ハンドル14の回転により、給水管Pを開閉することができる。
【0027】
図1に示す弁駆動機構30は、弁開閉機構10を駆動するためのものである。弁駆動機構30は、後述する取付部材100を介してヨーク20の上部に取り付けられる。弁駆動機構30は、主として筐体31、モータ32、連結部33及び制御部34を具備する。
【0028】
筐体31は、取付部材100の上面に固定される。筐体31には、弁駆動機構30を構成するその他の部材(モータ32等)が適宜収容される。モータ32は、ハンドル14を回転させるための駆動源である。モータ32の出力軸は、連結部33を介してハンドル14と連結される。これによって、モータ32を駆動させることで、ハンドル14を回転させることができる。
【0029】
制御部34は、モータ32の動作等を制御するためのものである。制御部34は、各種の情報(例えば、水田の水位、天気等)に基づいてモータ32を駆動させることで、水田への給水を制御することができる。
【0030】
以下では、ヨーク20、及び、ヨーク20に取り付けられる取付部材100について説明する。
【0031】
図2から図4に示すように、ヨーク20は、主として支柱部21及び接続部22を具備する。
【0032】
支柱部21は、長手方向を上下に向けた棒状(柱状)に形成される部分である。支柱部21は、左右一対設けられる。支柱部21の上面には、長手方向に対して垂直な平面状の外側上面21aが形成される。一対の支柱部21は、適宜の間隔をあけて配置される。
【0033】
接続部22は、一対の支柱部21の上部同士を接続する部分である。接続部22は、長手方向を左右に向けるように形成される。接続部22の左右一端は一方の支柱部21の上部に連結されると共に、左右他端は他方の支柱部21の上部に連結される。接続部22の上面は、左右の外側上面21aから内側に向かって上方へと傾斜する左右一対の傾斜面(傾斜面22a)と、左右中央において外側上面21aと平行(水平)な平面状に形成された水平面(中央上面22b)と、を含む。このように、接続部22の左右中央部は、上方に向かって膨出するように形成されている。
【0034】
ヨーク20において、一対の支柱部21及び接続部22は、一体的に形成される。ヨーク20は、前後方向に一定の厚みを有するように形成される。
【0035】
図2から図4に示す取付部材100は、ヨーク20(弁開閉機構10)に対して弁駆動機構30を取り付けるための部材である。取付部材100は、主として第一取付部110及び第二取付部120を具備する。
【0036】
第一取付部110は、ヨーク20の上面(外側上面21a)に載置されると共に、弁駆動機構30を支持するものである。第一取付部110は、主として底面部111、上面部112及び接続部113を具備する。
【0037】
底面部111は、第一取付部110の下部を構成する部分である。底面部111は、板面を上下に向けた平板状に形成される。底面部111は、左右一対形成される。左右一対の底面部111の間隔は、ヨーク20の左右一対の支柱部21の間隔と略同一となるように形成される。底面部111は、主として載置部111a及び連結部111bを具備する。
【0038】
載置部111aは、ヨーク20の外側上面21aに載置される部分である。連結部111bは、第二取付部120と連結される部分である。連結部111bは、載置部111aの前後両側に形成される。連結部111bは、載置部111aから前後外側、かつ、左右内側に突出するように形成される。連結部111bの内側端部には、当該連結部111bを上下に貫通する貫通孔111cが形成される。
【0039】
図3から図6に示すように、載置部111aをヨーク20の外側上面21aに載置した状態では、連結部111bが、ヨーク20から前後に突出するように配置される。また、載置部111aをヨーク20の外側上面21aに載置した状態では、前後一対の連結部111bは、ヨーク20の接続部22の膨出部分(傾斜面22aが形成された部分)を前後から挟むように配置される。これによって、ヨーク20に対する第一取付部110の位置決めを容易に行うことができる。
【0040】
上面部112は、第一取付部110の上部を構成すると共に、弁駆動機構30が載置される部分である。上面部112は、板面を上下に向けた平板状に形成される。上面部112は、左右に長い長手状に形成される。上面部112の中央部には、当該上面部112を上下に貫通する貫通孔112aが形成される。上面部112は、底面部111との間に上下方向に適宜の間隔をあけて形成される。
【0041】
接続部113は、左右一対の底面部111と上面部112とを接続する部分である。接続部113は、板面を左右に向けた平板状に形成される。接続部113は、左右一対形成される。左側の接続部113は、左側の底面部111の左端と、上面部112の左端と、を接続するように形成される。右側の接続部113は、右側の底面部111の右端と、上面部112の右端と、を接続するように形成される。左右一対の接続部113の間隔は、ヨーク20の左右幅よりも若干小さくなるように形成される。これによって、第一取付部110がヨーク20に取り付けられた際に、一対の接続部113がヨーク20の左右両側面よりも内側に位置する。
【0042】
第一取付部110において、一対の底面部111、上面部112及び一対の接続部113は、一体的に形成される。第一取付部110は、例えば一枚の板材を適宜切断、屈曲等させることで形成することができる。第一取付部110において、上面部112及び一対の接続部113の前後幅は一定となるように形成される。これに対して、底面部111の連結部111bは、当該上面部112及び接続部113よりも前後に突出するように形成される。すなわち連結部111bは、上下方向から見て、上面部112と重複しないように形成されている(図6(a)参照)。
【0043】
また第一取付部110の連結部111bは、ヨーク20の外面(外側を向く側面)よりも外側に位置するように形成される。本実施形態では、連結部111bは、ヨーク20の前後両側面よりも、前後外側に位置するように形成されている(図6参照)。
【0044】
図2から図4に示す第二取付部120は、ヨーク20の上面の下方において第一取付部110と対向するように配置され、第一取付部110との間でヨーク20を挟持するものである。第二取付部120は、板面を上下に向けた平板状に形成される。第二取付部120は、主として連結部121及び接続部122を具備する。
【0045】
連結部121は、第一取付部110と連結される部分である。連結部121は、長手方向を前後に向けて配置される。連結部121の前後方向の長さは、ヨーク20の前後幅よりも長くなるように形成される。また連結部121の前後方向の長さは、第一取付部110の前後一対の連結部111bの前後幅と略同一となるように形成される。連結部121は、左右一対形成される。一対の連結部121は、左右方向に適宜の間隔をあけて配置される。一対の連結部121の間隔は、ヨーク20の左右一対の支柱部21の内幅と略同一となるように形成される。連結部121の前後両端部には、当該連結部121を上下に貫通する貫通孔121aが形成される。連結部121の貫通孔121aは、第一取付部110の貫通孔111cと対応する位置(平面視において重複する位置)に形成される。
【0046】
接続部122は、左右一対の連結部121を接続する部分である。接続部122は、長手方向を左右に向けて配置される。接続部122は、左右一対の連結部121の後端部同士を接続する。
【0047】
このようにして、第二取付部120は、平面視において前方が開放した略C字状に形成される。
【0048】
以下では、取付部材100をヨーク20に取り付ける方法について説明する。
【0049】
取付部材100をヨーク20に取り付ける場合、第一取付部110がヨーク20の上方に配置されると共に、第二取付部120がヨーク20の接続部22の下方に配置される。
【0050】
この際、第一取付部110の載置部111aが、ヨーク20の外側上面21aに載置される。またこの際、前後一対の連結部111bの間にヨーク20の接続部22(膨出部分)が挟まれるように配置することで、第一取付部110の位置決めを容易に行うことができる。
【0051】
また第二取付部120の連結部121が、ヨーク20の接続部22の下面に当接される。この際、第二取付部120の貫通孔121aが、第一取付部110の貫通孔111cと上下方向に対向するように配置される。
【0052】
次に、第一取付部110の貫通孔111cと、第二取付部120の貫通孔121aに上方からボルトBが挿通され、第二取付部120の下側に配置されたナットNに締結される(図3参照)。当該ナットNは、第二取付部120に予め溶接等により固定してもよい。これによって、第一取付部110と第二取付部120とによって、ヨーク20が上下から挟み込まれることで、ヨーク20に取付部材100(第一取付部110及び第二取付部120)が固定される。
【0053】
このように本実施形態では、上下に対向する第一取付部110及び第二取付部120をボルトB等によって固定することができるため、ヨーク20や取付部材100の側方の作業スペースが限られている場合であっても、取付部材100を比較的容易にヨーク20に固定することができる。
【0054】
以上の如く、本実施形態に係る取付部材100は、
弁体13を開閉するための弁開閉機構10に、前記弁開閉機構10を駆動させるための弁駆動機構30を取り付けるための取付部材100であって、
前記弁開閉機構10のヨーク20の上面に載置されると共に、前記弁駆動機構30を支持する第一取付部110と、
前記ヨーク20の上面の下方において前記第一取付部110と対向するように配置され、前記第一取付部110との間で前記ヨーク20を挟持する第二取付部120と、
を具備するものである。
このように構成することにより、取付部材100をヨーク20に対して容易に固定することができる。すなわち、ヨーク20を上下方向から挟持する構成とすることで、周囲の作業スペースが確保しにくい場合であっても、取付部材100をヨーク20に対して容易に固定することができる。
【0055】
また、前記第一取付部110と前記第二取付部120は、別部材により構成されているものである。
このように構成することにより、取付部材100をヨーク20に対して容易に固定することができる。すなわち、第一取付部110と第二取付部120とを別部材で構成することにより、各部材の形状の簡素化や小型化を図ることができ、限られたスペースでも固定作業を容易に行うことができる。
【0056】
また、前記第一取付部110は、
前記ヨーク20に載置されると共に、前記第二取付部120に連結される、一対の底面部111と、
前記弁駆動機構30が載置される上面部112と、
一対の前記底面部111と前記上面部112とを接続する一対の接続部113と、
を具備するものである。
このように構成することにより、第一取付部110を簡素な構成とすることができる。
【0057】
また、前記底面部111は、
前記第二取付部120に連結される連結部111bを具備し、
前記連結部111bは、
前記第一取付部110と前記第二取付部120とが対向する方向(上下方向)から見て、前記上面部112と重複しないように形成されているものである。
このように構成することにより、連結部111bが上面部112と重複しないため、ボルトB等の連結具を容易に取り付けることができる。
【0058】
また、前記底面部111は、
前記第二取付部120に連結される連結部111bを具備し、
前記連結部111bは、
ヨーク20の外面(本実施形態では、前後両側面)の外側に位置するものである。
このように構成することにより、連結部111bがヨーク20の外面より外側に位置するため、ボルトB等の連結具を容易に取り付けることができる。
【0059】
また、前記一対の接続部113は、
当該一対の接続部113が対向する方向(左右方向)において、少なくとも一部が前記ヨーク20よりも内側に位置するように形成されているものである。
このように構成することにより、第一取付部110をコンパクトに構成することができ、周囲に配置された部材(例えば、飛散防止用のカバーや、逆流防止用の桝など)と干渉するのを防止することができる。
【0060】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態において説明した弁装置1の各部(ヨーク20、取付部材100等)の具体的な構成は一例であり、各部の形状、寸法等は任意に変更することが可能である。
【0062】
また、本実施形態においては、第一取付部110と第二取付部120を別部材により構成した例(図4等参照)を示したが、例えば、第一取付部110と第二取付部120を一体的に形成することも可能である。この場合、例えば取り付けられるヨーク20(接続部22)の上下幅に合わせて、第一取付部110と第二取付部120との間隔を予め設定することが可能である。
【0063】
また、本実施形態においては、取付部材100に形成された前後一対の連結部111bによって、上方に向かって膨出したヨーク20(接続部22)を前後から挟むような構成(図3図4等参照)を例示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、前後一対の連結部111bによって必ずしもヨーク20を挟み込む必要はない。従って、例えば上面が膨出していない(上面全体が平坦面に形成された)ヨーク20に対して、取付部材100を適用することも可能である。
【0064】
また、本実施形態において、第二取付部120を平面視略C字状に形成した例を示したが、第二取付部120の形状は任意に変更することが可能である。また、例えば、第二取付部120の左右一対の連結部121を別部材で構成することも可能である。
【0065】
また、本実施形態においては、図3に示すように、取付部材100の左右一対の接続部113が、ヨーク20の左右両側面よりも内側に位置するように構成された例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図7(a)に示すように、取付部材100の左右一対の接続部113が、ヨーク20の左右両側面よりも外側に位置するように構成することも可能である。これによって取付部材100の内側のスペースを広く確保することができ、各種の作業(例えば、作業者によるハンドル14の操作や、各部のメンテナンス等)を行い易くすることができる。
【0066】
また、必ずしも取付部材100の左右一対の接続部113全体が、ヨーク20の左右両側面よりも内側、又は、外側に位置するように構成する必要はなく、接続部113の一部が内側、その他の部分が外側にそれぞれ位置するように構成してもよい。例えば、図7(b)には、接続部113の下部がヨーク20の左右両側面よりも内側に位置し、接続部113の上部がヨーク20の左右両側面よりも外側に位置している例を示している。このように、必要に応じて第一取付部110の形状を変更することが可能である。
【0067】
また、本実施形態においては、第一取付部110の連結部111bは、上下方向から見て上面部112と重複しないように形成されるものとしたが(図6(a)等参照)、本発明はこれに限るものではない。例えば、図8に示すように、連結部111bと上面部112は、上下方向から見て重複するように形成することも可能である。この場合、図8に示すように、上面部112のうち、連結部111bの貫通孔111cと重複する位置に貫通孔112bを設けてもよい。これによって、貫通孔112bを介してボルトB等の締結に用いられる工具を使用することができるため、取付部材100をヨーク20に対して容易に固定することができる。
【0068】
また、本実施形態においては、取付部材100は、第一取付部110及び第二取付部120によって上下方向からヨーク20を挟持することで、当該ヨーク20に固定されるものとしたが(図4等参照)、例えば前後方向からヨーク20を挟持する構成とすることも可能である。以下では、ヨーク20を前後方向から挟持する取付部材200(取付部材100の変形例)について説明する。
【0069】
図9に示す取付部材200は、主として底面部211、上面部212、接続部213及び挟持部214を具備する。
【0070】
底面部211は、ヨーク20(外側上面21a)に載置される部分である。底面部211は、板面を上下に向けた平板状に形成される。底面部211は、左右一対形成される。
【0071】
上面部212は、取付部材200の上部を構成すると共に、弁駆動機構30が載置される部分である。上面部212は、板面を上下に向けた平板状に形成される。上面部212は、左右に長い長手状に形成される。
【0072】
接続部213は、左右一対の底面部211と上面部212とを接続する部分である。接続部213は、板面を左右に向けた平板状に形成される。接続部213は、左右一対形成される。左右一対の接続部213は、取付部材200がヨーク20に取り付けられた際に、ヨーク20の左右両側面よりも外側に位置するように形成される。
【0073】
挟持部214は、ヨーク20を前後から挟持する部分である。挟持部214は、板面を前後に向けた平板状に形成される。挟持部214は、底面部211を挟んで前後一対形成される。前後の挟持部214の間隔は、ヨーク20の前後幅(厚さ)と略同一となるように形成される。挟持部214は、底面部211の前後両側から下方に延びるように形成される。挟持部214は、取付部材200がヨーク20に取り付けられた際に、ヨーク20の左右両側面よりも内側に位置するように形成される。
【0074】
また、取付部材200には、底面部211、上面部212及び接続部213に亘って、補強のためのリブ215が適宜形成されている。
【0075】
取付部材200をヨーク20に取り付ける場合、底面部211がヨーク20の外側上面21aに載置される。またこの際、前後の挟持部214の間に、ヨーク20の上部が挿入される。この状態で、ボルトB等の固定具を用いることで、前後の挟持部214によってヨーク20が挟持される。
【0076】
例えば、図10(a)に示すように、一方(図例では、前方)から前後の挟持部214に亘るようにボルトBが挿通され、挟持部214の後方においてナットNを締結することができる。ボルトBとナットNの締結力により、一対の挟持部214でヨーク20を挟み込む(挟持する)ことで、ヨーク20に取付部材200を固定することができる。
【0077】
その他の方法として、図10(b)に示すように、前後の挟持部214にそれぞれ雌ネジ部を形成し、それぞれの雌ネジ部にボルトBを締め込み、当該ボルトBの先端で前後からヨーク20を押さえつけることも可能である。このように前後の挟持部214にボルトBを締結することで、ボルトBを介して、前後一対の挟持部214によりヨーク20を挟み込む(挟持する)こともできる。なおこの場合、図例のようにヨーク20にボルトBの位置決めのための凹部20aを設けることも可能である。
【0078】
また図10(c)に示すように、一方の挟持部214(図例では、前方の挟持部214)にボルトBを締め込み、当該ボルトBと他方(後方)の挟持部214とによって前後からヨーク20を押さえつけることも可能である。このように一方の挟持部214にボルトBを締結することで、ボルトBを介して、前後一対の挟持部214によりヨーク20を挟み込む(挟持する)こともできる。
【0079】
なお、図9及び図10(a)では、ヨーク20を前後に貫通するようにボルトBを設けた例を示しているが、ヨーク20を貫通しない位置(例えば、左右一対の支柱部21の内側)にボルトBを設けることも可能である。
【0080】
取付部材200がヨーク20に固定された状態において、取付部材200の下部(挟持部214)は、ヨーク20の左右幅内に収まっている。このように構成することで、ヨーク20の上面(外側上面21a)と同じ高さまでは、取付部材200をヨーク20の左右幅内に収めることができる。これによって、例えばヨーク20の周囲(ヨーク20のすぐ外側)に逆流防止用の桝などが配置されている場合であっても、取付部材200を取り付けることができる。
【0081】
また、取付部材200の上部(底面部211よりも上側の部分)は、ヨーク20の左右幅よりも外側に位置するように構成されていてもよい。このように構成することで、取付部材200の内側のスペースを広く確保することができ、各種の作業(例えば、作業者によるハンドル14の操作や、各部のメンテナンス等)を行い易くすることができる。
【0082】
なお、図9では、取付部材200の上部(底面部211よりも上側の部分)がヨーク20の左右幅よりも外側に位置する例を示したが、例えば図11に示すように、取付部材200全体がヨーク20の左右幅内に収まるように構成することも可能である。このように構成することによって、例えばヨーク20だけでなく取付部材200の周囲まで逆流防止用の桝などが配置されている場合であっても、取付部材200を取り付けることができる。
【0083】
また、上記変形例(図9及び図11)では、取付部材200に底面部211を設け、当該底面部211をヨーク20の上面に載置する例を示したが、底面部211は必ずしも設ける必要はない。
【0084】
また、上記実施形態では、ヨーク20を上下方向から挟持する取付部材100(図2等参照)、並びに、ヨーク20を前後方向から挟持する取付部材200(図9等参照)をそれぞれ説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えばヨーク20を異なる2方向(例えば、上下方向及び前後方向など)から挟持する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0085】
10 弁開閉機構
20 ヨーク
30 弁駆動機構
100 取付部材
110 第一取付部
111 底面部
111b 連結部
112 上面部
113 接続部
120 第二取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11