(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175653
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】ベルトシステムを有する車両座席
(51)【国際特許分類】
B60R 22/26 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
B60R22/26
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062514
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】10 2023 114 893.1
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】512112699
【氏名又は名称】グラマー アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】GRAMMER Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ペルカ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル クレム
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018CA05
3D018CC01
3D018CD04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ベルト要素の良好なベルトガイダンスおよび偏向を可能にし、車両座席に座っている人の快適性を著しく改善することができる車両座席を提供すること。
【解決手段】ベルトシステム2が、ベルト要素3と、ベルト要素3を巻き取りおよび繰り出すように設けられ設計された巻取りおよび繰出し機構とを有し、ベルトシステム2が、偏向要素6を有する偏向ユニット5を有し、偏向要素6が、ベルト要素3を人の方向に偏向させるように設けられ設計され、偏向ユニット5が、車両座席1に配置されたスペーサ要素を有し、偏向要素6が、ベルト要素3を人の方向に偏向させるように設けられ設計され、ベルト要素3を人の方向に偏向させ、偏向ユニット5が、車両座席1に配置されたスペーサ要素を有し、偏向要素6が車両座席1から離間するようにスペーサ要素7に配置され、スペーサ要素7が弾性変形可能である、車両座席1に関する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトシステム(2)を有する車両座席(1)であって、前記ベルトシステム(2)が、ベルト要素(3)と、前記ベルト要素(3)を巻き取りおよび繰り出すように設けられ設計された巻取りおよび繰出し機構(4)とを有し、前記ベルトシステム(2)が、偏向要素(6)を有する偏向ユニット(5)を有し、前記偏向要素(6)が、前記ベルト要素(3)を人の方向に偏向させるように設けられ設計される、車両座席(1)において、
前記偏向ユニット(5)が、前記車両座席(1)に配置されたスペーサ要素(7)を有し、前記偏向要素(6)が、前記偏向要素(6)が前記車両座席(1)から離間するように前記スペーサ要素(7)に配置され、前記スペーサ要素(7)が弾性変形可能であることを特徴とする、車両座席(1)。
【請求項2】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、少なくとも2つの層(9)を有する層状設計を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両座席(1)。
【請求項3】
各層(9)が板ばね要素であることを特徴とする、請求項2に記載の車両座席(1)。
【請求項4】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、前記スペーサ要素(7)が所定の臨界角(10)まで変形されるとき、前記スペーサ要素(7)の変形が弾性的であり、前記臨界角(10)以降、前記スペーサ要素(7)の変形が塑性的であるように設計されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項5】
前記スペーサ要素(7)が細長く、第1の端部(11)および第2の端部(12)を有し、前記第1の端部(11)が前記車両座席(1)に接続され、前記偏向要素(6)が前記第2の端部(12)に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項6】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、前記車両座席(1)に対して変位可能および/または回転可能であるように配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項7】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、1つまたは複数の金属および/または金属合金から作製され、前記スペーサ要素(7)が、好ましくは耐食性ばね鋼から作製されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項8】
前記偏向要素(6)が、前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)に回転可能に接続されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項9】
前記車両座席(1)が背もたれ(RL)を有し、前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、好ましくは前記スペーサ要素(7)が前記背もたれ(RL)の後部(13)、前記背もたれ(RL)の側部(14)および/または前記背もたれ(RL)の上部(15)に配置されるように、前記背もたれ(RL)に接続されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項10】
前記巻取りおよび繰出し機構(4)が、前記背もたれ(RL)の背面、好ましくは前記車両座席(1)の座部(ST)および/または車両座席ベース(UT)に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の車両座席(1)。
【請求項11】
前記ベルト要素(3)をガイドするために、前記巻取りおよび繰出し機構(4)と前記偏向要素(6)との間にガイド要素(16)が配置されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項12】
前記ガイド要素(16)が、前記車両座席(1)と前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)との間に配置されることを特徴とする、請求項11に記載の車両座席(1)。
【請求項13】
前記ガイド要素(16)が、前記車両座席(1)から離れて対向して、前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)の側に配置されることを特徴とする、請求項11に記載の車両座席(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトシステムを有する車両座席に関し、ベルトシステムは、ベルト要素と、ベルト要素を巻き取りおよび繰り出すように設けられ設計された巻取りおよび繰出し機構とを有し、ベルトシステムは、偏向要素を有する偏向ユニットを有し、偏向要素は、ベルト要素を人の方向に偏向させるように設けられ設計される。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムは、最新技術から周知であるが、車両座席または車両座席の比較的近くに接続されているため、偏向または人間工学的なベルトガイダンスが背の高い運転者および背の低い運転者に一様に提供されないという基本的な欠点を有する。さらに、ベルト偏向器またはベルトガイドは比較的剛性であるため、車両座席に座っている人の小さな移動に追従することができないことが最新技術から知られている。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の課題は、ベルト要素の良好なベルトガイダンスおよび偏向を可能にし、車両座席に座っている人の快適性を著しく改善することができる車両座席を提供することである。
【0004】
この根本的な課題は、請求項1の特徴を有するベルトシステムを有する車両座席によって解決される。
【0005】
本発明の中心的な着想は、ベルトシステムを有する車両座席を提供することに関し、ベルトシステムは、ベルト要素と、ベルト要素を巻き取りおよび繰り出すように設けられ設計された巻取りおよび繰出し機構とを有し、ベルトシステムは、偏向要素を有する偏向ユニットを有し、偏向要素は、ベルト要素を人の方向に偏向させるように設計される。本発明によれば、本出願は、偏向ユニットが、車両座席に配置された弾性変形可能なスペーサ要素を有し、偏向要素は、偏向要素が車両座席から離間するようにスペーサ要素に配置されることを特徴とする。
【0006】
偏向要素が車両座席から離間しているという事実は、偏向要素が車両座席から一定の距離にあることを意味する。したがって、偏向要素は、スペーサ要素によって、特に間接的に、車両座席に接続される。
【0007】
代替的に、ベルト要素という用語は、ベルトストラップとして理解することもできる。巻取りおよび繰出し機構は、ベルト引込み器またはベルト巻取り要素として理解することもできる。
【0008】
ベルト要素が人の方向に偏向され得るという定式化は、特に、ベルト要素が巻取りおよび繰出し機構によって人の方向に偏向またはガイドされ得るように、ベルト要素が偏向ユニットによって、特に偏向要素によってガイドおよび偏向され得ることを意味する。特に、人は、車両座席に着座し、それに座っている人である。
【0009】
既に述べたように、スペーサ要素は、偏向要素と車両座席との間の中間要素として作用する。
【0010】
スペーサ要素が弾性変形可能に設計されているという事実は、特に力、好ましくは引張力が発生したときに、弾性変形可能要素が弾性変形され得ることを意味する。これは、スペーサ要素に力が作用しない状態では、スペーサ要素はそのゼロ位置に配置されることを意味する。力、特に引張力が弾性変形可能なスペーサ要素に作用する場合、スペーサ要素は、力、すなわちスペーサ要素に作用する力によって弾性変形することができ、すなわち、スペーサ要素は、曲げられる、すなわち変形状態に曲げられる。スペーサ要素が変形状態にあり、それ以上の力がスペーサ要素に作用しない場合、スペーサ要素は、変形状態からそのゼロ位置に戻るように移動する。
【0011】
スペーサ要素に作用する力は、特に、ベルト要素に作用する力によって、またはベルト要素に作用する力に起因してベルト要素に伝達され得る力を指す。例えば、加速操作中、事故などの場合に、車両座席に座っている人が移動するとき、力がベルト要素に作用する可能性がある。これらの場合、人は車両座席に対して移動しようとするので、人の移動がベルト要素に、対応してスペーサ要素に伝えられる。
【0012】
したがって、本発明によれば、車両座席上の人の小さな移動にも変形可能なスペーサ要素を十分に追従させることができるため、車両座席上のより小さな移動に関して改善された快適性を人に提供することができることが特に好ましい。
【0013】
最新技術では、スペーサ要素のこのような追従が提供されないため、ベルト要素に力が発生するとき、巻取りおよび繰出し機構がブロックされ、それに応じて、車両座席上の人の移動もブロックされる。
【0014】
この欠点は、本発明、特に弾性変形可能なスペーサ要素によって改修され、改善され、より快適なベルトガイダンスが保証される。
【0015】
特に好ましい実施形態によれば、スペーサ要素が所定の臨界角まで変形されるとき、スペーサ要素の変形が弾性的であり、臨界角以降、スペーサ要素の変形が塑性的であるように、弾性変形可能なスペーサ要素が設計されることが提供される。
【0016】
臨界角に達したとき、スペーサ要素に対する荷重は、曲げ荷重から引張荷重に変化し、弾性変形から塑性変形に切り替わる。
【0017】
スペーサ要素が一定の臨界角から塑性変形する、または塑性変形することができるという事実は、特に高い力または臨界力が発生したときにスペーサ要素が塑性変形することを意味し、これは、車両座席に座っている人に対する荷重を吸収するために力が吸収され得ることを意味する。より小さい力の場合、スペーサ要素は臨界角まで弾性変形することができることが意図されている。したがって、塑性変形または変形は、特に事故、衝突などの場合に安全面を有する。
【0018】
所定の臨界角は45°であることが特に好ましい。
【0019】
特に、本発明による車両座席は、特に所定の臨界角と併せて、SAE J2292の要件または要求も満たすことができ、そこに規定された引張試験にも十分に合格することができる。
【0020】
特に好ましい実施形態によれば、スペーサ要素は、弾性変形可能なスペーサ要素が層状構造を有する場合に特に簡単に表すことができる。したがって、特に好ましくは、スペーサ要素は層構造を有し、好ましくは層構造は少なくとも2つの層を含む。好ましくは、層構造の層は同じタイプのものとすることができる。いくつかの層、すなわち3つ以上の層の場合、個々の層が互いに同一に形成され、さらに個々の層または追加の層が異なるように形成されるようにすることができる。これにより、手元の要件に従ってスペーサ要素を設計することが可能になる。
【0021】
さらに好ましい実施形態によれば、スペーサ要素は、スペーサ要素の異なる層を相互接続するロック要素を備え、好ましくは、所定の臨界角よりも大きい角度にならず、したがってスペーサ要素の塑性変形を可能にするように意図および設計されるようにすることができる。
【0022】
さらに、好ましい実施形態によれば、弾性変形可能なスペーサ要素は、層構造の各層が板ばね要素であるように設計することができる。特に好ましい実施形態では、層は、既に説明したように、異なるように設計することができ、その結果、板ばね要素も互いに異なり得る。
【0023】
さらに好ましい実施形態によれば、スペーサ要素は細長いものとすることができる。したがって、好ましくは、スペーサ要素は、スペーサ要素の細長い延在が延在する延在方向を有する。さらに、細長いとは、延在方向の延在と比較して、高さの延在および幅の延在が、延在方向の延在よりも小さいことを意味する。
【0024】
これにより、スペーサ要素を車両座席によく配置し、ベルトシステムを有する車両座席の課題またはニーズに適合させることが可能になる。
【0025】
さらに好ましくは、一実施形態によれば、スペーサ要素は、第1の端部および第2の端部を有する。特に好ましくは、第1の端部は車両座席に接続される。さらに好ましくは、偏向要素がスペーサ要素の第2の端部に配置されるようにすることができる。好ましくは、スペーサ要素が車両座席に固定して接続されるようになっている。
【0026】
車両座席に座っている人の快適性をさらに改善するために、弾性変形可能なスペーサ要素が車両座席に対して変位されるおよび/または回転可能に配置されることが特に好ましい。しかしながら、偏向要素が運転者にとって正しい位置に配置されるように、人が車両座席に対する偏向要素の位置を調整することが可能であり得る。上述したように、弾性変形可能なスペーサ要素は、車両座席に対して変位することができる。例えば、ここでは、1つまたは複数の舌要素および溝要素によってガイドを設けることが可能であり、好ましくは、溝はスペーサ要素に、舌は車両座席に配置される。代替的または累積的に、弾性変形可能なスペーサ要素が車両座席に対して回転可能に配置されることが可能であり得る。これは、スペーサ要素を回転させることによって、それに応じてスペーサ要素が位置合わせされ得ることを意味し得る。
【0027】
特に好ましくは、車両座席に対するスペーサ要素の変位または回転が取り外し可能な接続を構成し、それによってスペーサ要素と車両座席との間の接続は完全に取り外すことができ、スペーサ要素は、特にスペーサ要素の変位および/または回転後に、車両座席にしっかりと再接続することもできるようにすることができる。
【0028】
スペーサ要素の車両座席への固定接続により、車両座席に対する偏向要素の対応する良好な配置を有し、偏向要素またはスペーサ要素に対する力または力偏向の良好な適用を保証するために、スペーサ要素の意図しない移動を防止することができる。
【0029】
弾性変形可能なスペーサ要素は、スペーサ要素が1つまたは複数の金属および/または金属合金からなる場合、特に有利な様式で提供することができる。スペーサ要素が耐食性ばね鋼、特にステンレスばね鋼からなるか、またはそれらから作製されることが特に好ましい場合がある。スペーサ要素を金属または金属合金から形成することによって、変形と安定性または剛性との間の良好なバランスが提供され得る。
【0030】
耐食性ばね鋼の材料は、まさにこの材料がスペーサ要素に必要な特性を提供することができるので、特に好都合である。ステンレス鋼はまた、容易に入手可能であり、しかも好都合な価格で購入することができる。
【0031】
車両座席の使用者または車両座席上の人の快適性をさらに高めるために、特に好ましい実施形態によれば、偏向要素が弾性変形可能なスペーサ要素に回転可能に接続されるようにすることができる。これは、偏向要素がスペーサ要素に回転可能に接続されることを意味し、それによって、偏向要素を通って延在するか、または偏向要素によって偏向され得るベルト要素は、側方への応力によって、すなわち引張力に垂直な力の適用によってベルト要素の偏向に容易に追従することができる。
【0032】
さらに、好ましい実施形態によれば、車両座席が背もたれを有するものとすることができる。さらに好ましくは、弾性変形可能なスペーサ要素が背もたれに接続されるようになっている。好ましくは、スペーサ要素と背もたれとの間のこの接続は、スペーサ要素が背もたれの後部、背もたれの側部および/または背もたれの上部に配置されるようなものである。
【0033】
これは、スペーサ要素、それに応じて偏向要素が、ベルト要素が車両座席に座っている人に対して可能な限りよく配置され得るように、それに応じて配置され得ることを意味する。スペーサ要素は、運転時または車両座席の使用時に人に干渉しないように配置されるべきである。スペーサ要素が背もたれの後部に配置されることが特に好ましい。これは、巻取りおよび繰出し機構も背もたれの後部に配置されるか、または背もたれの背面に配置される場合に特に有利である。背もたれの側部への取付けは、車両内または車両座席に対して左または右の利用可能な空間に依存する。当然、同じことが背もたれの上部に同様に当てはまるため、ヘッドレストが設けられることが好ましい場合がある。このヘッドレストが設けられる場合、偏向要素がヘッドレストと同じ高さに配置されることが特に好ましい。
【0034】
さらに好ましい実施形態によれば、巻取りおよび繰出し機構が背もたれの背面に配置されるようにすることができる。さらに好ましくは、巻取りおよび繰出し機構が車両座席の座部および/または車両座席ベースに配置されるようにすることができる。したがって、座部は、人が座ることができる車両座席の要素として理解することができる。車両座席ベースは、車両座席自体が配置される支持部を表すように理解することができる。
【0035】
巻取りおよび繰出し機構のこの配置により、それに応じて、長手方向調整、幅調整および/または高さ調整中に車両座席が移動されるときに、巻取りおよび繰出し機構が車両座席と共に、または対応する要素と共に移動されることが可能である。これは、車両座席の回転についても当てはまる。これは、巻取りおよび繰出し機構が車両座席または車両座席ベースと同様に移動することができるため、この機構がそれに応じて配置され得ることを意味する。
【0036】
さらに好ましい実施形態によれば、ベルト要素をガイドするために、巻取りおよび繰出し機構と偏向要素との間にガイド要素が配置されるようにすることができる。これは、ガイド要素が、それに応じて設けられたベルト要素をガイドするように、すなわちこの場合にはベルト要素を偏向要素に向かってガイドするように意図および設計されることを意味する。
【0037】
さらに好ましい実施形態によれば、ガイド要素が車両座席と弾性変形可能なスペーサ要素との間に配置されるようにすることができる。これにより、車両座席とスペーサ要素との間、または背もたれとスペーサ要素との間の空間を効率的に利用することが可能になる。
【0038】
代替的に、さらに好ましい実施形態によれば、ガイド要素が、車両座席から離れて対向して、弾性変形可能なスペーサ要素の側に配置されるようにすることができる。結果として、対応するガイド要素は、ベルト要素が特によくガイドされることを保証するために、特に有利な方法で設計することができる。
【0039】
代替的な実施形態によれば、ベルト要素が車両座席と弾性変形可能なスペーサ要素との間に配置され、それによってガイド要素が省かれ得るようにすることができる。ガイド要素が省かれ、ベルト要素がスペーサ要素と車両座席との間に配置される場合、ベルト要素のガイダンスは既に本質的に予め決定されている。
【0040】
さらなる実施形態および実施形態内のさらなる構成は、他の実施形態に適用可能であり、それらが対向する実施形態に対応しない限り、互いに自由に組み合わせることができる。
【0041】
さらなる有利な実施形態が従属請求項に示されている。
【0042】
本発明のさらなる目的、利点および有用性は、図面と併せて以下の説明において見出すことができる。
【0043】
本発明は、図に関連して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図2A】好ましい実施形態による車両座席の正面図である。
【
図2C】
図2Aに示される車両座席の後方からの斜視図である。
【
図3A】一実施形態による車両座席の正面図である。
【
図4A】一実施形態による車両座席の正面図である。
【
図5A】一実施形態による車両座席の正面図である。
【0045】
図において、同一の構成要素は、対応する参照符号で理解されるべきである。明確にするために、構成要素は、いくつかの図では参照符号が付されていない場合があるが、他の場所で指定されている。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1Aは、公知技術による車両座席1を示し、車両座席1は、偏向要素6を有する偏向ユニット5が示されている背もたれRLを有する。明確にするために、ベルト要素3および巻取りおよび繰出し機構4を有するベルトシステム2は、この時点では省略されている。
【0047】
図1Aに見られるように、偏向要素6は背もたれRLの比較的近くに配置されているため、ベルト要素3の人間工学的または快適なガイダンスおよび偏向は提供することができない。
【0048】
対照的に、本発明の好ましい実施形態による車両座席1が
図1Bに示されており、偏向ユニット5の偏向要素6は、車両座席1の背もたれRLに再び配置されている。偏向要素6は、スペーサ要素7によって背もたれRLに接続されている。スペーサ要素7は、図示のように、背もたれRLから比較的大きな距離に偏向要素6を配置することを可能にする。
【0049】
従来技術による車両座席1と本発明による車両座席1との比較が
図1Cに示されており、それぞれの偏向要素6の、背もたれRLまたは車両座席1からの配置がどのように異なるかを明確に見ることができる。
【0050】
偏向要素6をさらに外側に配置することにより、より良好なまたはより最適化されたベルトシステム2の人間工学またはベルト要素3のガイダンスが可能になる。特に好ましくは、
図1Aに示される従来技術と比較して、偏向要素6は、図全体で、車両座席1に対して幅方向Bに100mmを超えて、高さ方向Hに50mmを超えてさらに外側に配置することができる。特に好ましくは、偏向要素6は、従来技術と比較して、幅方向Bに最大130mm、高さ方向Hに最大80mm、さらに外側に配置することができる。
【0051】
以下の図では、本発明のさらなる実施形態、構成および特徴がより詳細に示される。
【0052】
図2Aでは、好ましい実施形態による車両座席1が前方から示され、
図2Bでは側面図で、
図2Cでは後方からの斜視図で示されている。
【0053】
図から分かるように、好ましい実施形態による車両座席1は、背もたれRLと、座部STと、車両座席ベースUTとを備え、車両座席ベースUTは、座部STの下方に配置され、座部STは、車両座席ベースUTに接続されている。車両座席ベースUTは、さらに好ましくは、ばねおよび/または減衰ユニット18を備え、これらは、この例では単なる例として特徴付けられ、ばねユニットおよび減衰ユニット自体は省略されている。
【0054】
さらに、車両座席1は、ヘッドレストKを備えることができる。
【0055】
さらに、ベルトシステム2は、ベルト要素3と共に示されており、ベルトシステム2は、従来技術から知られている3点ベルトとすることができる。偏向ユニット5の偏向要素6は、スペーサ要素7によって車両座席1、この場合は背もたれRLに接続され、車両座席1から離間されている。偏向要素6は、それに応じてベルト要素3を偏向させ、ベルト要素3を人に向かってガイドするように意図および設計されている。人は、ここでは図示されていないが、座部STまたは車両座席1に座っていることが想像され得る。3点ベルトに関するさらなる詳細は省略され得る。
【0056】
図2Bでは、
図2Aによる車両座席1が側面図で示されており、これによって、巻取りおよび繰出し機構4もここで認識することができ、巻取りおよび繰出し機構4は、この場合は車両座席ベースUTに接続されており、好ましくは車両座席1の背面で車両座席1に配置および接続される。この場合、巻取りおよび繰出し機構は車両座席ベースUTに接続されているが、巻取りおよび繰出し機構4は車両座席1の座部ST、背もたれRLまたは他の要素に接続され得ることも考えられる。
【0057】
【0058】
特に好ましくは、偏向要素6および偏向ユニット5は、
図2A、
図2Bおよび
図2Cに示される実施形態に示される巻取りおよび繰出し機構4から提供され得るベルト要素3を、巻取りおよび繰出し機構4から、車両座席1に対して比較的かなり下方かつ車両座席1の背面の位置から上方に、および偏向要素6から、後方の上方から前方の上方および再び下方にガイドするように設計される。
【0059】
ベルト要素3のガイダンスに関する様々な可能性または実施形態は、以下の図により詳細に示される。
【0060】
図3Aおよび
図3Bでは、ベルトガイドは、巻取りおよび繰出し機構4と偏向要素6との間にさらなるガイドが配置されないように設計されており、すなわち、ベルト要素3は、巻取りおよび繰出し機構4ならびに偏向要素6によって背もたれRLの背面でのみガイドされる。
【0061】
ベルト要素3は、車両座席1から離れて対向して、スペーサ要素7の側に配置されることが意図されている。これは、長手方向Lから見て、スペーサ要素が車両座席1の背面に配置され、ベルト要素3がスペーサ要素7の背面に配置されていることを意味する。
【0062】
図4Aおよび
図4Bは、
図3Aおよび
図3Bの代替的な実施形態を示し、ベルト要素3はスペーサ要素7の背面に配置されていないが、ベルト要素3が車両座席1とスペーサ要素7との間に配置されるように配置されている。これは、長手方向Lから見て、ベルト要素3が車両座席1の背面に配置され、スペーサ要素7がベルト要素3の背面に配置されていることを意味する。
【0063】
図5Aおよび
図5Bを参照すると、ベルト要素3のガイドのさらなる実施形態が示されており、ベルト要素3またはそのガイドに対して巻取りおよび繰出し機構4と偏向要素6との間に配置されたガイド要素16が設けられている。本願
図5Bによれば、ガイド要素16がスペーサ要素7に接続されるようになっている。原則として、ガイド要素16が車両座席1、例えば背もたれRLに接続されることも可能である。この場合、ガイド要素16は、ベルト要素3をガイドすることが可能であり、必要に応じてベルト要素3をわずかに偏向させることが可能であるように設計される。
【0064】
図5Bによる本実施形態では、ガイド要素16が長手方向Lから見てスペーサ要素7の背面に配置され、それに接続されるようになっている。
【0065】
原則として、ガイド要素16が車両座席1または背もたれRLとスペーサ要素7との間に配置されることも可能であり、これは、ベルト要素3のベルトガイドが、ベルト要素3が車両座席1とスペーサ要素7との間に配置されるようなものである場合に特に有利である。
【0066】
さらなる図では、スペーサ要素7の動作モードおよびスペーサ要素7に関する実施形態または設計が、ここでより詳細に示されている。
【0067】
本発明によれば、スペーサ要素7が弾性変形可能であるように設計される、すなわち、弾性変形可能なスペーサ要素7として設計されるようになっている。さらに好ましくは、ベルト要素3の移動によってスペーサ要素7に力が加えられない場合、スペーサ要素7はゼロ位置にあり、すなわち変形されないようになっている。しかしながら、特にベルト要素3に作用する引張力がスペーサ要素7に作用する場合、スペーサ要素7はそれに応じて変形され、したがって変形状態になる。特に引張力がスペーサ要素7に作用するという事実により、スペーサ要素7はそれに応じて引張力の方向に、すなわち好ましくは長手方向Lに前方に変形される。
【0068】
図6Aでは、スペーサ要素7はゼロ位置に示されている。これは、ベルト要素3に力が作用していないため、スペーサ要素7に力が作用していないことを意味する。
【0069】
一方、
図6Bでは、スペーサ要素7は変形状態で示されており、その際、長手方向Lに前方に向かうベルト要素3に対する力の作用は、それに応じて、偏向要素6を介してスペーサ要素7にも力を伝達することができ、結果として、スペーサ要素7は前方に向かって変形される。
図6Bは、スペーサ要素7が前方に変形される実施形態も示す。
図6Bは、ベルト要素3が車両座席1とスペーサ要素7との間にゼロ位置に配置され、偏向要素6と共にスペーサ要素7によって前方にそれに応じて移動される実施形態も示す。
【0070】
図6Cでは、初期状況は
図6Bと同様であるが、この場合、ベルト要素3はスペーサ要素7の背面に配置され、その結果、ベルト要素3はスペーサ要素7と共にそれに応じて移動する。
【0071】
図7は、車両座席1の一部の断面図を示し、この断面は、スペーサ要素7、偏向要素6および偏向ユニット5の他の特徴が断面図で分かるようなものである。
【0072】
偏向要素6が、スペーサ要素7が偏向要素6内に部分的に延在するように、スペーサ要素7に差し込まれるように設計および意図されたスロット20を有することが特に好ましい。さらに好ましくは、スロット20は、スペーサ要素7が変形されるときにスペーサ要素7の移動のための設置スペースおよび空きスペースを提供するように設計される。さらに、偏向要素6とスペーサ要素7との間の接続のためにも設けられる第1のねじ接続19が設けられるようになっている。第1のねじ接続19のさらなる詳細は、以下の図に提供される。
【0073】
スペーサ要素7は、少なくともいくつかの層9を有する層構造8を有することも分かる。層9は、互いに重なり合うように配置される。それぞれの層9は、特に好ましくは、板ばね要素から形成される。これにより、スペーサ要素7の特に簡単な構築を提供することが可能になる。特に、層9を有する層構造8は、スペーサ要素7が変形されるときに層9が互いに対して移動することができる、すなわち、層9が互いに対してシフトまたは移動することができるようなものである。これは、力の作用によるスペーサ要素7の変形または移動に追従できるようにするために有利である。
【0074】
図8Aは、偏向要素6を有するスペーサ要素7を再び示し、この際、車両座席1またはベルト要素3を有するベルトシステム2は省略されている。
図8Aは、さらなる断面、すなわち、最初に
図8Bに示される断面B-B、
図8Cに示される断面C-C、および
図8Dに示される断面D-Dを示す。
【0075】
図8Bは、偏向要素6をより詳細に示す。特に、偏向要素6はガイドスロット21を備え、ガイドスロットは、ベルト要素3が偏向要素6を通ってガイドスロット21を後方から前方に通過することができるように設けられ設計されている。第1のねじ接続19も再び示されており、偏向要素6は、第1のねじ接続19がガイド溝22に配置されるように設計されたガイド溝22をさらに有する。第1のねじ接続19は、スペーサ要素7に対して固定位置に配置され、その結果、ベルト要素3が偏向要素6、例えばガイドスロット21内を移動するとき、偏向要素6は、第1のねじ接続19に対するガイド溝22の移動により移動し、その結果、偏向要素6は角度23だけ回転され得る。角度23は、
図8Bに概略的に示されている。角度23は、ガイド溝22の設計または構成、すなわちガイド溝22の長さによって限定される。
【0076】
図8Cおよび
図8Dは、変形の臨界角10を可能にするかまたは提供するように設計されたロック要素17をより詳細に示す。ロック要素17は、層構造8の層9がロック要素17によって互いに接続されるようなものである。ロック要素17の設計は、以下により詳細に説明される。
図8Cおよび
図8Dに見られるように、好ましくはねじ接続として設計することもできるロック接続24が設けられている。第1のねじ接続19は、ロック接続24としても機能することができる。ロック接続24は、スペーサ要素7の層構造8の層9が互いに接続されるようなものである。スペーサ要素7の一方の側または第1の側25において、ロック接続24は、対応する穴27に正確に嵌合される。穴27は、好ましくは貫通開口として設計される。
図8Dに示されるように、スペーサ要素7の他方の側または第2の側26において、ロック接続24はそれぞれスロット穴28に配置される。スペーサ要素7が変形されるとき、層構造はそれに応じて互いに対してシフトし、その結果、ロック接続24も対応する移動を受け、その際、ロック接続24は、第2の側26のスロット穴28の設計または提供により、この移動によく追従することができる。スロット穴28は、ロック接続24が、スロット穴28のそれぞれの端部に達するまでスペーサ要素7の移動に追従することができるように、設計される。スロット穴28の端部に達することは、特に好ましくは臨界角10に対応する。
【0077】
車両座席1へのスペーサ要素7の接続または配置は、以下の図により詳細に示される。
【0078】
スペーサ要素7が接続板29によって車両座席1、例えば背もたれRLに接続され得ることが特に好ましい。設けられた接続板29によって、スペーサ要素7の回転性または変位性に関してさらなる機能が提供され得る。これは、以下の図にさらに説明される。
【0079】
特に、接続板29は、穴30を有し、穴30は、穴30を通って延在する対応する要素によって車両座席1または背もたれRLに接続されるように設けられ設計されている。
【0080】
さらに、接続板29は、第1の穴31および第2の穴32を有する。特に好ましくは、第1の穴31は、高さ方向Hから見て、第2の穴32の上方に設けられる。第1の穴31は、幅方向Bにおいて互いに離間している。同じことが第2の穴32に当てはまる。
【0081】
特に好ましくは、スペーサ要素7は、第1の穴31および第2の穴32によって接続板29に接続される。
【0082】
スペーサ要素7が接続板29に接続される穴31、32に応じて、スペーサ要素7の異なる位置が、接続板29に対して、およびそれに対応して車両座席1または背もたれRLに対して実現され得る。
【0083】
本願
図9Bによれば、スペーサ要素7が配置される接続板29が示されている。一方、スペーサ要素7が第1の穴31および第2の穴32に接続されるか、またはこれらの穴31、32を介して接続板29に接続され得るようになっている。ねじ接続34が穴31、32に設けられており、これは、スペーサ要素7が接続板29に接続され得るようなものである。第1の穴31に対する接続は、スペーサ要素がここでの回転軸23を形成するようなものである。さらに好ましくは、スペーサ要素7のスロット穴35が設けられ、これは、スロット穴35がねじ接続34に対して移動可能であるように設計される。しかしながら、好ましくは、ねじ接続34が、スペーサ要素7が接続板29に対してしっかりと配置されることを可能にして、スロット穴35内の移動またはスロット穴35の移動が防止されるようにもなっている。スペーサ要素7の回転は、スロット穴35の構成に応じて可能である。
【0084】
原則として、スペーサ要素7が任意の第1の穴31および任意の第2の穴32において接続板29に接続され得ることが考えられる。スペーサ要素7を接続板29に締結するためにどの穴31、32が形成されるかに応じて、接続板29に対するスペーサ要素7の配置も、車両座席1に対してそれに応じて変化する。
【0085】
また、スペーサ要素7が接続板29に取り外し可能に接続され、その結果、車両座席1の使用中に、スペーサ要素7の配置が人の仕様に応じて調整され得るようになっている。
【0086】
図9Cを参照すると、上述したようなスペーサ要素7の配置が示されている。ここで、スペーサ要素7が第1の穴31から解放され、接続板29に対して回転され、さらなる第1の穴31に接続されることが想定される。第2の穴32との接続は変更されないままである。図から分かるように、結果として、第2の穴32によって形成される、回転軸を中心としたスペーサ要素7の回転または枢動が生じる。
【0087】
図9Dは、第1の穴31および第2の穴32に対する位置も接続も両方が変更されるようにスペーサ要素7の配置が変更された別の状況を示す。
【0088】
出願書類に開示されたすべての特徴は、それらが従来技術と比較して個々にまたは組み合わせて新規であることを条件として、本発明に不可欠であると主張される。列挙されたすべての特徴は、任意の方法で互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 車両座席
2 ベルトシステム
3 ベルト要素
4 巻取りおよび繰出し機構
5 偏向ユニット
6 偏向要素
7 スペーサ要素
8 層構造
9 層
10 臨界角
11 スペーサ要素の第1の端部
12 スペーサ要素の第2の端部
13 後部
14 側部
15 上部
16 ガイド要素
17 ロック要素
18 ばねおよび/または減衰ユニット
19 第1のねじ接続
20 スロット
21 ガイドスロット
22 ガイド溝
23 角度
24 ロック接続
25 第1の側
26 第2の側
27 穴
28 スロット穴
29 接続板
30 穴
31 第1の穴
32 第2の穴
33 回転軸
34 ねじ接続
35 スロット穴
RL 背もたれ
ST 座部
UT 車両座席ベース
K ヘッドレスト
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトシステム(2)を有する車両座席(1)であって、前記ベルトシステム(2)が、ベルト要素(3)と、前記ベルト要素(3)を巻き取りおよび繰り出すように設けられ設計された巻取りおよび繰出し機構(4)とを有し、前記ベルトシステム(2)が、偏向要素(6)を有する偏向ユニット(5)を有し、前記偏向要素(6)が、前記ベルト要素(3)を人の方向に偏向させるように設けられ設計される、車両座席(1)において、
前記偏向ユニット(5)が、前記車両座席(1)に配置されたスペーサ要素(7)を有し、前記偏向要素(6)が、前記偏向要素(6)が前記車両座席(1)から離間するように前記スペーサ要素(7)に配置され、前記スペーサ要素(7)が弾性変形可能であることを特徴とする、車両座席(1)。
【請求項2】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、少なくとも2つの層(9)を有する層状設計を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両座席(1)。
【請求項3】
各層(9)が板ばね要素であることを特徴とする、請求項2に記載の車両座席(1)。
【請求項4】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、前記スペーサ要素(7)が所定の臨界角(10)まで変形されるとき、前記スペーサ要素(7)の変形が弾性的であり、前記臨界角(10)以降、前記スペーサ要素(7)の変形が塑性的であるように設計されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項5】
前記スペーサ要素(7)が細長く、第1の端部(11)および第2の端部(12)を有し、前記第1の端部(11)が前記車両座席(1)に接続され、前記偏向要素(6)が前記第2の端部(12)に配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項6】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、前記車両座席(1)に対して変位可能および/または回転可能であるように配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項7】
前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、1つまたは複数の金属および/または金属合金から作製され、前記スペーサ要素(7)が、好ましくは耐食性ばね鋼から作製されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項8】
前記偏向要素(6)が、前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)に回転可能に接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項9】
前記車両座席(1)が背もたれ(RL)を有し、前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)が、好ましくは前記スペーサ要素(7)が前記背もたれ(RL)の後部(13)、前記背もたれ(RL)の側部(14)および/または前記背もたれ(RL)の上部(15)に配置されるように、前記背もたれ(RL)に接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項10】
前記巻取りおよび繰出し機構(4)が、前記背もたれ(RL)の背面、好ましくは前記車両座席(1)の座部(ST)および/または車両座席ベース(UT)に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の車両座席(1)。
【請求項11】
前記ベルト要素(3)をガイドするために、前記巻取りおよび繰出し機構(4)と前記偏向要素(6)との間にガイド要素(16)が配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両座席(1)。
【請求項12】
前記ガイド要素(16)が、前記車両座席(1)と前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)との間に配置されることを特徴とする、請求項11に記載の車両座席(1)。
【請求項13】
前記ガイド要素(16)が、前記車両座席(1)から離れて対向して、前記弾性変形可能なスペーサ要素(7)の側に配置されることを特徴とする、請求項11に記載の車両座席(1)。
【外国語明細書】