(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175656
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241211BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241211BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082235
(22)【出願日】2024-05-20
(62)【分割の表示】P 2023195304の分割
【原出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】森 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】馬場 一
(72)【発明者】
【氏名】青柳 麻紀
(72)【発明者】
【氏名】チン リンサイ
(72)【発明者】
【氏名】カンデルウォル シュバム
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L030BB72
(57)【要約】
【課題】電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを向上させること。
【解決手段】実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおいて使用可能な割引クーポンの割引率を設定し、前記割引率が設定された割引クーポンを生成する生成部と、前記割引クーポンの生成を、利用者が使用する利用者端末装置に通知する通知部と、を備え、前記生成部は、前記電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、前記割引率を設定する、情報処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおいて使用可能な割引クーポンの割引率を設定し、前記割引率が設定された割引クーポンを生成する生成部と、
前記割引クーポンの生成を、利用者が使用する利用者端末装置に通知する通知部と、を備え、
前記生成部は、前記電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、前記割引率を設定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記動的に変化する指標値は、前記実店舗が販売する物品又はサービスの在庫情報を表し、
前記生成部は、前記在庫情報に基づいて、前記割引率を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記実店舗の店舗端末装置に、前記物品に設定された前記割引率に関する情報を含む割引コードを印刷するための情報を通知し、
前記情報処理装置は、前記店舗端末装置が印刷された前記割引コードを読み取ることに応じて、前記物品に対して、前記割引率が設定された前記割引クーポンを適用して決済を処理する決済処理部を更に備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記店舗端末装置に、前記割引率に応じて異なる表示の割引コードを印刷するための情報を通知する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動的に変化する指標値は、時間の推移に応じた、前記実店舗が販売する物品又はサービスの購買量の推移を表し、
前記生成部は、前記時間に対応する前記購買量に基づいて、前記割引率を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動的に変化する指標値は、天候の推移に応じた、前記実店舗が販売する物品又はサービスの購買量の推移を表し、
前記生成部は、前記天候に対応する前記購買量に基づいて、前記割引率を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記動的に変化する指標値は、発生した外部イベントの流行度を表す指標値であり、
前記生成部は、前記指標値に基づいて、前記割引率を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおいて使用可能な割引クーポンの割引率を設定し、前記割引率が設定された割引クーポンを生成し、
前記割引クーポンの生成を、利用者が使用する利用者端末装置に通知し、
前記生成は、前記電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、前記割引率を設定することを含む、
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおいて使用可能な割引クーポンの割引率を設定し、前記割引率が設定された割引クーポンを生成させ、
前記割引クーポンの生成を、利用者が使用する利用者端末装置に通知させ、
前記生成は、前記電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、前記割引率を設定することを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスを利用した利用者に割引などの特典を付与する技術が知られている。例えば、特許文献1には、利用者の居住地域ごとの電子決済情報に基づいて、当該居住地域ごとの電子決済サービスの利用傾向を特定し、特定した利用傾向に応じて居住地域ごとに割引率を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、特定した利用傾向に応じて決定した割引率を所定期間(例えば、1ヵ月)、適用するものである。この場合、利用者は、所定期間ごとに割引率を確認した上で電子決済を行うこととなるが、利用者は、所定期間外については、電子決済サービスに関する情報を確認する動機付けがなく、当該電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティが低い場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおいて使用可能な割引クーポンの割引率を設定し、前記割引率が設定された割引クーポンを生成する生成部と、前記割引クーポンの生成を、利用者が使用する利用者端末装置に通知する通知部と、を備え、前記生成部は、前記電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、前記割引率を設定する、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図7】決済アプリ20のトップ画面IM1の一例を示す図である。
【
図8】利用者端末装置10による第1クーポンの利用方法の一例を示す図である。
【
図9】利用者端末装置10による第2クーポンの利用方法の一例を示す図である。
【
図10】利用者端末装置10による第2クーポンの利用方法の別の例を示す図である。
【
図11】利用者端末装置10が第2クーポンの割引率を表示する方法の一例を示す図である。
【
図12】店舗の管理者が、第2店舗端末装置70の加盟店向けインターフェース72上で第2クーポンを設定する方法の一例を示す図である。
【
図13】第2クーポンを用いた電子決済の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図14】変形例4に係る決済アプリ20の店舗コード読み取り画面300の一例を示す図である。
【
図15】変形例4に係る決済アプリ20の商品コード読み取り画面310の一例を示す図である。
【
図16】変形例4に係る決済アプリ20の支払い画面330の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの制御方法の実施形態について説明する。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及び情報配信サーバ(在庫管理サーバ)200のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。第2店舗端末装置70は、加盟店の店舗ごとに用意され、店舗の管理者(従業員など)によって利用されてもよい。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、クーポン生成部150と、情報通知部160と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、クーポン情報178などの情報が格納される。クーポン情報178は、後述する第1クーポンと第2クーポンに関する情報を記憶するものである。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、フォロー加盟店、第1クーポン、保有ポイントなどの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。フォロー加盟店、第1クーポン、および保有ポイントの詳細については後述する。
【0026】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0027】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0028】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0029】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0030】
[トップ画面]
図7は、決済アプリ20のトップ画面IMの一例を示す図である。トップ画面IMには、コード画像CDが表示される。コード画像CDは、例えばバーコードとQRコードを含む。また、コード画像CDと共に、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを示すテキスト(図では「残高で支払う」)が表示される。このテキストは、切替スイッチSWが操作される度に決済アプリ20が更新する情報に基づいて決済アプリ20が描画する。また、トップ画面IMは、切替スイッチSWを含む操作領域CAと、遷移ボタンTBとを含む。これについては後述する。なお、「スイッチ」、「ボタン」とはタッチパネルと協働して実現されるGUI(Graphical User Interface)である。切替スイッチSWは、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを切り替える操作を受け付けるものである。切替スイッチSWは、デフォルトではチャージ残高による電子決済を行う設定になっており、利用者によって操作される度に、チャージ残高による電子決済を行う設定と、後払いによる電子決済を行う設定との間で設定が切り替わる。図では「残高払い」と説明表示がされているが、これはチャージ残高による電子決済を行う設定になっていることを意味する。操作領域CAには、スキャン(ユーザスキャンの開始)を指示するボタンやチャージを指示するボタンなど、電子決済における主要な操作を指示するボタンが設けられている。遷移ボタンTBが操作されると、電子決済に用いられるコード画像と利用可能額を表示する支払い画面に遷移する。
【0031】
さらに、トップ画面IMは、電子決済サービスの決済時に、決済金額から割引(本実施形態では、次回の電子決済において利用可能なポイントを付与することを意味する)を適用するための第1クーポンおよび第2クーポンに関する情報を提供するための領域CP1およびCP2を含む。
図7に示す通り、領域CP1は、利用者に、第1クーポンに関する情報を提供するための領域を表し、領域CP2は、利用者に、第2クーポンに関する情報を提供するための領域を表す。利用者が、決済アプリ20上で領域CP1を押下すると、決済アプリ20は第1クーポンに関する画面に遷移する一方、利用者が、決済アプリ20上で領域CP2を押下すると、決済アプリ20は第2クーポンに関する画面に遷移する。以下で説明する通り、第1クーポンは、電子決済サービスに登録する加盟店または店舗の管理者が、独自の判断に基づいて、割引率や利用期間などのクーポンの条件を事前に設定するものであるのに対して、第2クーポンは、電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、クーポンの条件が自動的に(又は管理者による簡易的な指定によって)設定されるものである。第2クーポンは、特許請求の範囲における「割引クーポン」の一例である。以下、第1クーポンおよび第2クーポンの詳細について説明する。
【0032】
[第1クーポン]
図8は、利用者端末装置10による第1クーポンの利用方法の一例を示す図である。
図8の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスすることによって利用者端末装置10に表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が
図7のトップ画面IMにおいて、第1クーポンCP1を表す領域をクリックし、第1クーポンを提供する店舗を検索した場合に表示されるものである。
【0033】
加盟店専用ページは、例えば、加盟店の店舗の概要情報が表示される領域A1、加盟店をフォローするためのボタンB1、加盟店の店舗の詳細情報がタブによって切り替え可能に表示される領域A2等を含む。利用者がフォローボタンB1を押下すると、決済アプリ20は、フォローボタンB1が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者情報172の「フォロー加盟店」に当該加盟店の識別情報(例えば、加盟店ID)を格納する。これにより、例えば、加盟店が加盟店専用ページの内容をアップデートする度に、決済サーバ100は、加盟店専用ページの内容をアップデートされたことを示す通知を、決済アプリ20を介して利用者に通知する。
【0034】
図8において、例えば、ユーザが領域A2に含まれる一つのタブである「第1クーポン」をタップした場合、現時点においてユーザが当該店舗での電子決済に使用可能な第1クーポンが表示される。ユーザが、例えば、加盟店をフォローし、かつ第1クーポンを獲得するためのボタンB2を押下すると、決済アプリ20は、獲得ボタンB2が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者が獲得した第1クーポンの情報を利用者情報172の「第1クーポン」に記憶する。
【0035】
利用者が第1クーポンを獲得した後、利用者端末装置10が電子決済を実行すると、決済処理部130は、当該電子決済が、利用者が獲得している第1クーポンの利用条件に一致しているか否かを判定し、クーポンの利用条件に一致していると判定された場合、利用者に第1クーポン内容に応じた特典を付与する。例えば、
図8の場合、決済処理部130は、電子決済の決済金額が300円以上であるか否かを判定し、決済金額が300円以上である場合に、当該決済金額の5%に相当するポイントを付与する。
【0036】
その後、決済アプリ20は、決済完了画面として、決済店舗を表示する領域A3と、決済金額を表示する領域A4と、付与された特典を表示する領域A5とを合わせて表示する。
図8の右部は、一例として、利用者が5%オフの第1クーポンを獲得したことに応じて、500円の決済に対して25円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、25円分のポイントを利用者情報172の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。なお、他の態様として、クーポンは、決済に利用可能なポイントして加算されることなく、当日の決済金額からそのまま金額が減算されるものであってもよい。
【0037】
このように、第1クーポンは、加盟店または店舗の管理者が、独自の判断に基づいて、割引率などの第1クーポンの条件を事前に設定し、利用者は、加盟店の加盟店専用ページにアクセスして、条件が事前に設定された第1クーポンを獲得するものである。このような第1クーポンの提供は、利用者が電子決済サービスを利用することに対するインセンティブを付与するものであるが、その条件は固定的かつ、意外性に欠け、顧客ロイヤリティが向上しにくい場合があった。また、第1クーポンは、一般的に、所定の時間幅(例えば、1か月)にわたって利用可能とすべく加盟店または店舗の管理者が作成するものであり、サムネイル画像や宣伝の文言などを手動で設定することが求められるため、消費期限が近い商品(例えば、食品)や、提供期限が近いサービス(例えば、映画やコンサート)の購買を促進するための用途としては適切ではない場合があった。
【0038】
[第2クーポン]
上記の事情を背景にして、クーポン生成部150は、電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて、クーポンの割引率を設定し、第2クーポンとして提供する。ここで、動的に変化する指標値とは、例えば、加盟店の店舗が販売する商品又はサービスの在庫情報である。クーポン生成部150は、ネットワークNWを介して、加盟店の在庫管理サーバである情報配信サーバ200から店舗の在庫情報を取得し、取得した在庫情報のうち、消費期限が近い商品(又は提供期限が近いサービス)について割引率を設定し、商品の識別子および割引率が設定されたコード情報を第2クーポンとして生成する。このとき、クーポン生成部150は、消費期限(又は提供期限)が現時点から近ければ近いほど、より高い割引率を設定してもよい。
【0039】
別の態様として、クーポン生成部150は、動的に変化する指標値として、商品またはサービスの消費期限又は提供期限に限定されず、商品またはサービスの在庫量を用いて、割引率を設定してもよい。その場合、クーポン生成部150は、商品またはサービスの在庫量が多ければ多いほど、高い割引率を設定してもよい。例えば、クーポン生成部150は、食品の消費期限が近く、かつ当該食品の在庫量が多ければ多いほど、高い割引率を設定してもよいし、映画の放映時間が近く、かつ当該映画を放映する映画館の空席が多ければ多いほど、高い割引率を設定してもよい。
【0040】
さらに、別の態様として、クーポン生成部150は、動的に変化する指標値として、在庫情報に新規に登録された新商品に対して、第2クーポンを生成してもよい。例えば、クーポン生成部150は、在庫情報に商品が新規に登録された登録日時から現時点が近ければ近いほど、高い割引率を設定してもよい。また、例えば、クーポン生成部150は、在庫情報に商品またはサービスが新規に追加された場合、過去に同一の商品またはサービスが、当該加盟店または電子決済サービス全体において提供されたか否かを判定し、新規に追加された商品またはサービスが過去に提供されていないと判定された場合、当該商品またはサービスに対して第2クーポンを生成してもよい。このとき、クーポン生成部150は、当該商品またはサービスが新規に登録された登録日時から現時点が近ければ近いほど、又は利用者による購入量が少なければ少ないほど、高い割引率を設定してもよい。これにより、販売実績のない新商品の購入に躊躇する利用者に対して、当該商品を購入するインセンティブを与えることができる。
【0041】
情報通知部160は、生成された第2クーポンをクーポン情報178として記憶部170に記憶するとともに、コード情報として店舗の第2店舗端末装置70に送信する。店舗の管理者は、第2店舗端末装置70によって受信された第2クーポンのコード情報を印刷して、対応する商品に貼り付ける。さらに、情報通知部160は、利用者端末装置10に、新たに第2クーポンが発行された旨の通知を行う。利用者は、通知を確認すると、第2クーポンを発行した店舗に来店して、利用者端末装置10を用いて第2クーポンを利用する。以下、第2クーポンの利用方法の詳細について説明する。
【0042】
図9は、利用者端末装置10による第2クーポンの利用方法の一例を示す図である。
図9の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスにおいて提供されている第2クーポンを検索するための画面にアクセスすることによって利用者端末装置10に表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が
図7のトップ画面IMにおいて、第2クーポンCP2を表す領域をクリックした場合に表示されるものである。
【0043】
情報通知部160は、まず、利用者端末装置10から位置情報(例えば、GPS情報)を受信し、受信した位置情報の周辺において第2クーポンを提供している店舗Sの位置Pを表示させる。例えば、
図9の左部の画面の場合、情報通知部160は、マップ上に、店舗S1の位置P1および店舗S2の位置P2を表示させている。さらに、情報通知部160は、マップの下部に、第2クーポンを提供している店舗の詳細情報を表示させる。ここで、詳細情報は、例えば、第2クーポンを提供している店舗の店舗名や、提供している第2クーポンの割引率に関する情報を含む。例えば、
図9の左部の画面の場合、情報通知部160は、店舗S1が、割引率20%、10%、5%の割引率を有する第2クーポンを提供していると共に、店舗S2が、割引率20%、15%、10%の割引率を有する第2クーポンを提供している旨を表す情報を表示させる。さらに、個々の割引率には、利用者が店舗に来店した際に商品の割引率を確認するためのマークM1が付与されている。
【0044】
利用者は、マップ上で第2クーポンを提供している店舗Sを確認すると、実際に店舗Sに来店し、第2クーポンが発行されている対象の商品を探す。例えば、
図9の中央部に示す通り、利用者は、店舗S1に来店し、第2クーポンが発行されている対象の商品であることを示すラベルLが貼られた商品を探す。ここで、ラベルLには、例えば、割引率を示すマークM2が付与されているため、利用者は、第2クーポンの検索画面に表示されたマークM1と照合することによって、当該商品の割引率を認識することができる。
【0045】
次に、店舗S1の管理者が、第1店舗端末装置50を用いてラベルLのバーコードBを読み取ると、第1店舗端末装置50は、読み取ったバーコードBからコード情報を取得する。その後、店舗S1の管理者が、第1店舗端末装置50を用いて、例えば、ストアスキャンを実行すると、第1店舗端末装置50は、決済サーバ100に、利用者の識別情報と合わせて、取得したコード情報を送信する。決済処理部130は、受信した識別情報に紐づく利用者に対して、取得したコード情報に紐づく第2クーポンを適用して、電子決済を行う。
【0046】
図9の右部は、一例として、利用者が20%オフの第2クーポンを獲得したことに応じて、200円の決済に対して40円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、第1クーポンの場合と同様に、40円分のポイントを利用者情報172の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。第1クーポンの利用によって付与されたポイントと、第2クーポンの利用によって付与されたポイントは、利用者情報172の「保有ポイント」として合算されてもよい。
【0047】
上記で説明した
図8は、動的に変化する指標値が、加盟店の店舗が販売する商品の在庫情報である場合に発行される第2クーポンの一例を表している。上述した通り、クーポン生成部150は、動的に変化する指標値が、加盟店の店舗が販売するサービスの在庫情報である場合においても、同様に第2クーポンを発行することができる。
【0048】
図10は、利用者端末装置10による第2クーポンの利用方法の別の例を示す図である。
図10の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスにおいて映画館が提供する第2クーポンを検索するための画面にアクセスすることによって、利用者端末装置10に表示される画面を表す。このように、決済アプリ20は、第2クーポンを検索するための画面を、加盟店の業種ごとに表示する機能を提供してもよい。
【0049】
情報通知部160は、まず、利用者端末装置10から位置情報(例えば、GPS情報)を受信し、受信した位置情報の周辺において第2クーポンを提供している映画館Tの位置Pを表示させる。例えば、
図9の左部の画面の場合、情報通知部160は、マップ上に、映画館T1の位置P1および映画館T2の位置P2を表示させている。さらに、情報通知部160は、マップの下部に、第2クーポンを提供している映画館の詳細情報を表示させる。ここで、詳細情報は、例えば、第2クーポンを提供している映画館の店舗名や、提供している第2クーポンの割引率に関する情報を含む。例えば、
図9の左部の画面の場合、情報通知部160は、映画館T1が、割引率20%、10%、5%の割引率を有する第2クーポンを提供していると共に、映画館T2が、割引率20%、15%、10%の割引率を有する第2クーポンを提供している旨を表す情報を表示させる。さらに、個々の割引率には、利用者が映画館に来店した際に、映画の割引率を確認するためのマークM1が付与されている。
【0050】
利用者は、マップ上で第2クーポンを提供している映画館Tを確認すると、実際に映画館Tに来店し、第2クーポンが発行されている対象の映画を探す。例えば、
図9の中央部に示す通り、利用者は、映画館T1の案内板に表示されている映画タイトルを参照して、第2クーポンが発行されている対象の映画を探す。
図8の場合と同様、第2クーポンが発行されている対象の映画には、割引率を示すマークM2が付与されているため、利用者は、第2クーポンの検索画面に表示されたマークM1と照合することによって、当該商品の割引率を認識することができる。
【0051】
映画などの無形のサービスの場合、有形の商品とは異なり、バーコード付きのラベルを付与することは困難である。そのため、第2クーポンが映画などの無形のサービスについて生成された場合、決済処理部130は、ラベルLを用いることなく、第2クーポンを利用した電子決済を行ってもよい。より具体的には、映画館T1の管理者が、会計時に、第1店舗端末装置50を用いて、会計の対象となる映画の識別情報を入力して、ストアスキャンを実行すると、第1店舗端末装置50は、決済サーバ100に、利用者の識別情報と合わせて映画の識別情報を送信する。決済処理部130は、受信した利用者の識別情報に紐づく利用者に対して、映画の識別情報に紐づく第2クーポンを適用して、電子決済を行う。
【0052】
図10の右部は、一例として、利用者が20%オフの第2クーポンを獲得したことに応じて、1000円の決済に対して200円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、第1クーポンの場合と同様に、200円分のポイントを利用者情報172の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。
【0053】
なお、上記の
図9および
図10の説明では、店舗S又は映画館Tの管理者が手動でストアスキャンを実行しているが、上記の管理者の動作は、無人レジ又は自動券売機による動作によって代替することができる。
【0054】
このように、加盟店または店舗の管理者が、条件を事前に設定する第1クーポンと異なり、クーポン生成部150は、動的に変化する指標値、例えば、加盟店の店舗が販売する商品又はサービスの在庫情報に基づいて、第2クーポンを発行する対象となる商品又はサービスをリアルタイムに変動させたり、第2クーポンの割引率を設定する。すなわち、第2クーポンの生成は、流動的かつ意外性に富んだものであり、電子決済サービスの利用者は、決済アプリ20のトップ画面IMから、そのような意外性に富む第2クーポンを検索して、利用することができる。これにより、本実施形態に係るクーポン生成部150および情報通知部160は、利用者にとって、電子決済サービスに関する情報を高頻度で確認する動機付けを与え、当該電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを向上させることができる。さらに、第2クーポンは、消費期限が近い商品や、提供期限が近いサービスの購買を促進することが可能であるため、本実施形態に係るクーポン生成部150および情報通知部160は、第2クーポンを発行する加盟店の収支を改善しつつ、利用者に、環境に優しい購買行動を促すことができる。
【0055】
なお、上記の
図9の説明では、店舗の管理者が、決済サーバ100から送信された第2クーポンを印刷して、対応する商品に貼り付け、利用者は、第2クーポンに貼り付けられたラベルLのマークM2を見つけることによって、当該第2クーポンの割引率を認識している。しかしながら、本発明は、そのような構成に限定されず、利用者端末装置10は、第2クーポンに貼り付けられたラベルLのバーコードBを利用して、利用者に、第2クーポンの割引率を認識させてもよい。
【0056】
図11は、利用者端末装置10が第2クーポンの割引率を表示する方法の一例を示す図である。
図11に示す通り、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を起動させ、ラベルLのバーコードBを撮影すると、決済アプリ20は、バーコードBに含まれるコード情報を読み取り、例えば、決済サーバ100に問い合わせることによって、コード情報から、商品の割引率を特定する。決済アプリ20は、商品の割引率を特定すると、特定した割引率に対応する態様で、当該割引率を通知する。例えば、
図11に示す通り、決済アプリ20は、異なる割引率に対して異なる色を設定し、特定した割引率に対応する色で撮影したバーコードBを発光させる。また、例えば、決済アプリ20は、特定した割引率を文字情報として表示させてもよい。このような構成により、利用者は、より高い割引率の第2クーポンが提供されている商品を店舗で探すというゲーム性を楽しむことができ、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを更に向上させることができる。
【0057】
さらに、上記の説明では、クーポン生成部150は、情報配信サーバ200から、加盟店の店舗の在庫情報を取得し、第2クーポンを提供する対象となる商品又はサービスや、その割引率を自動的に設定している。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、情報配信サーバ200は、加盟店の店舗の在庫情報を、決済サーバ100を介して第2店舗端末装置70に送信し、店舗の管理者が、第2店舗端末装置70の加盟店向けインターフェース72上で第2クーポンを提供する対象となる商品又はサービスや、その割引率を設定してもよい。
【0058】
図12は、店舗の管理者が、第2店舗端末装置70の加盟店向けインターフェース72上で第2クーポンを設定する方法の一例を示す図である。
図12において、加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けインターフェース72にログインした加盟店およびそのアカウント(加盟店アカウントまたは店舗アカウント)を表す領域A6と、加盟店向けインターフェース72を介して操作可能なメニューを表す領域A7と、メニューA7から選択された項目に関する情報を表示する領域A8を表示している。
図12は、一例として、店舗の管理者が、店舗アカウントによって加盟店向けインターフェース72にログインし、メニュー上で第2クーポンを選択した場合に表示される画面を表している。
【0059】
図12に示す通り、例えば、加盟店の店舗が商品として食品を取り扱う場合、第2店舗端末装置70は、情報配信サーバ200から、当該店舗が販売する商品のうち、消費期限が近い商品(換言すると、消費期限と現時点との間の期間が閾値以内である商品)に関する情報を取得し、取得した情報をテーブルTBとして表示させる。この場合、第2店舗端末装置70は、情報配信サーバ200から、直接的に情報を取得してもよいし、決済サーバ100を経由して取得してもよい。そのとき、情報通知部160は、
図12に示す通り、加盟店向けインターフェース72の画面上に、消費期限が近い商品の第2クーポンを発行することを提案する提案情報を表示させてもよい。
【0060】
次に、店舗の管理者は、テーブルTBとして表示された商品の中から、第2クーポンの発行を希望する商品と、その割引率を選択し、ボタンB3を押下する。店舗の管理者がボタンB3を押下すると、第2店舗端末装置70は、店舗の管理者によって入力された第2クーポンの設定内容を決済サーバ100に送信し、クーポン生成部150は、受信した第2クーポンの設定内容に基づいて、第2クーポンのコード情報を生成してクーポン情報178として記憶する。
【0061】
同時に、情報通知部160は、生成された第2クーポンのコード情報を第2店舗端末装置70に送信し、第2店舗端末装置70は、受信したコード情報を印刷する。このように、サムネイル画像や宣伝の文言などを手動で設定することが求められる第1クーポンとは異なり、第2クーポンは、クーポン生成部150によって自動的に又は店舗の管理者による簡単な選択を通じて、生成することができる。特に、消費期限が近い商品に対するクーポンは、その作成に時間をかけることが困難であるため、このような構成により、店舗の管理者に対するクーポン作成の負担を軽減することができる。
【0062】
なお、
図12は、一例として、商品に対する第2クーポンを生成するための加盟店向けインターフェース72を表しているが、サービスに対する第2クーポンを生成するための加盟店向けインターフェース72も同様に提供することができる。例えば、第2店舗端末装置70は、情報配信サーバ200から、映画館が当日上映する映画およびその空席数に関する情報を取得し、取得した情報をテーブルTBとして表示させる。このとき、第2店舗端末装置70は、情報配信サーバ200から、空席数が閾値以上の映画に関する情報のみを取得し、テーブルTBとして表示させ、第2クーポンの生成を提案してもよい。映画館の管理者は、テーブルTBとして表示された映画の中から、第2クーポンの発行を希望する映画と、その割引率を選択し、ボタンB3を押下すると、第2店舗端末装置70は、映画館の管理者によって入力された第2クーポンの設定内容を決済サーバ100に送信し、クーポン生成部150は、受信した第2クーポンの設定内容に基づいて、第2クーポンのコード情報を生成してクーポン情報178として記憶する。
【0063】
さらに、
図12では、情報通知部160は、加盟店の在庫管理サーバである情報配信サーバ200から、消費期限が近い商品またはサービスに関する情報を取得し、ルールベースで第2クーポンの生成を提案している。これに加えて、決済サーバ100は、外部の情報配信サーバからAPI(Application Programing Interface)を介して外部配信情報を取得し、取得した外部配信情報と加盟店における商品またはサービスの購買量との推移を紐づけて記録し、記録された情報に基づいて第2クーポンの生成を提案するための機械学習モデルを事前に生成しておいてもよい。例えば、決済サーバ100は、天候情報を配信する情報配信サーバ200から、APIを介して、天候情報(例えば、天候分類、気温、湿度など)を取得し、取得した天候情報と加盟店における商品の購買量との推移を紐づけて記録し、記録された情報に基づいて、天候情報の入力に応じて、加盟店における商品の購買量の予測値を出力する機械学習モデルを事前に生成する。そして、情報通知部160は、生成された機械学習モデルに当日の天候情報を時系列に入力し、購買量の予測値が所定値未満となったタイミング(例えば、悪天候により購買量の著しい減少が予測されたタイミング)で、加盟店向けインターフェース72に、第2クーポンを生成することを提案する提案情報を表示する。また、例えば、決済サーバ100は、新商品情報を配信する情報配信サーバ200から、APIを介して、加盟店によって新規に発売される新商品に関する新商品情報を取得し、加盟店向けインターフェース72に、当該新商品に対する第2クーポンを生成することを提案する提案情報を表示する。店舗の運営者は、提案情報を確認の上、加盟店向けインターフェース72上で、第2クーポンを生成および印刷し、店舗の商品に第2クーポンを貼り付ける。このような構成により、在庫情報に関する単純なルールベースに当てはまらない複雑な状況下においても、店舗の運営者に第2クーポンの生成を提案することにより、加盟店にとっての収益向上に寄与することができる。
【0064】
[処理の流れ]
次に、
図13を参照して、第2クーポンを用いた電子決済の流れについて説明する。
図13は、第2クーポンを用いた電子決済の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、情報配信サーバ200は、決済サーバ100に対して、商品に関する在庫情報を送信する(S21)。次に、決済サーバ100は、在庫情報を受信すると、商品のうち、消費期限が近いものについて、第2クーポンを生成して、クーポン情報178として記憶する(S22)。次に、決済サーバ100は、生成された第2クーポンに関する情報を決済アプリ20と第2店舗端末装置70に通知する(S23)。より具体的には、決済サーバ100は、第2店舗端末装置70には、第2クーポンを特定するコード情報を通知する一方、決済アプリ20には、加盟店の店舗によって第2クーポンが生成された旨を示す情報を通知する。この場合、決済サーバ100は、決済アプリ20に対してプッシュ通知を行ってもよいし、利用者が決済アプリ20を起動した際に、
図7のトップ画面IM上で、新たな第2クーポンが生成されたことを示す情報を表示してもよい。また、例えば、決済サーバ100は、各種SNSやアプリに第2クーポンが生成されたことを示す情報を広告として表示してもよい。
【0065】
次に、第2店舗端末装置70は、通知されたコード情報に基づいて、第2クーポンを印刷し、店舗の管理者は、印刷された第2クーポンを商品に貼り付ける(S24)。一方、利用者は、新たな第2クーポンが生成されたことを確認すると、当該第2クーポンが発行された商品を販売する店舗に来店して、決済アプリ20を用いて、当該商品の電子決済を行う(S25)。これに応じて、決済サーバ100は、利用者が利用した第2クーポンの割引率に相当するポイントを利用者に付与する(S26)。次に、決済アプリ20は、決済完了画面を表示させる(S27)。これにより、本シーケンス図の処理が終了する。
【0066】
以上説明した本実施形態によれば、クーポン生成部150は、実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおいて使用可能な割引クーポンの割引率を設定し、当該割引率が設定された割引クーポンを生成し、情報通知部160は、割引クーポンの生成を、利用者が使用する利用者端末装置に通知し、クーポン生成部150は、電子決済サービスに関連し、かつ動的に変化する指標値に基づいて割引率を設定する。これにより、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを向上させることができる。
【0067】
なお、上記の実施形態では、説明の便宜上、加盟店又は店舗の管理者が条件を事前に設定する第1クーポンと、クーポン生成部150によって自動的に又は管理者による簡単な選択を通じて生成される第2クーポンとが別個に利用される場合について説明した。しかし、本発明は、そのような構成に限定されず、決済処理部130は、利用者に、第1クーポンと第2クーポンの併用を許可してもよい。これにより、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを更に向上させることができる。
【0068】
さらに、上記の実施形態では、クーポン生成部150は、第2クーポンに適用する割引率を、複数の候補の中から、指標値に応じて決定している(例えば、商品の消費期限が近いほど、割引率を高く設定している)。しかし、本発明は、そのような構成に限定されず、クーポン生成部150は、第2クーポンに適用する割引率を、複数の候補の中からランダムに設定してもよいし、指標値に応じて決定された割引率を基準として、上下にランダムに変動させてもよい。これにより、利用者は、より高い割引率の第2クーポンが提供されている商品を店舗で探すというゲーム性を楽しむことができ、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを更に向上させることができる。
【0069】
[変形例1]
上記の実施形態では、第2クーポンを生成するために参照する動的な指標値が、加盟店の店舗が販売する商品又はサービスの在庫情報である場合について説明した。一方、変形例1として、第2クーポンを生成するために参照する動的な指標値は、時間の推移に応じた、実店舗が販売する商品又はサービスの購買量の推移であってもよい。より具体的には、例えば、クーポン生成部150は、加盟店の情報配信サーバ200から、各時間帯(例えば、1時間ごと)と、実店舗が販売する商品又はサービスの購買量との関係を表す情報を取得し、商品又はサービスの購買量が低い時間帯について利用可能な第2クーポンを発行してもよい。この場合、クーポン生成部150は、購買量が低い時間帯ほど、より高い割引率を設定してもよい。これにより、利用者は、各時間帯において、どのような第2クーポンが発行されているかを、決済アプリ20を用いて閲覧するというクーポンの変動性を楽しむことができ、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを更に向上させることができる。
【0070】
[変形例2]
また、例えば、変形例2として、第2クーポンを生成するために参照する動的な指標値は、天候の推移に応じた、実店舗が販売する商品又はサービスの購買量の推移であってもよい。より具体的には、例えば、クーポン生成部150は、天候情報(例えば、「晴れ」、「曇り」、「雨」などの天候に関する分類を表す情報、および気温や湿度などの情報を含んでもよい)を配信する情報配信サーバ200から、各天候と、実店舗が販売する商品又はサービスの購買量との関係を表す情報を取得し、商品又はサービスの購買量が低い時間帯について利用可能な第2クーポンを発行してもよい。この場合、クーポン生成部150は、購買量が低い天候のときほど、より高い割引率を設定してもよい。
【0071】
さらに、クーポン生成部150は、天候情報と、各商品の購買量との関係を記録し、天候に合わせて、購買量が高い商品に対する第2クーポンを発行してもよい。例えば、クーポン生成部150は、「雨」かつ「気温が10度以下」の場合に、「ホットコーヒー」の購買量が高い傾向を把握した場合、当該条件が当てはまっている天候の期間においてのみ使用可能な第2クーポンを発行してもよい。これにより、利用者は、各天候において、どのような第2クーポンが発行されているかを、決済アプリ20を用いて探すというクーポンの変動性を楽しむことができ、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを更に向上させることができる。
【0072】
[変形例3]
また、例えば、変形例3として、第2クーポンを生成するために参照する動的な指標値は、発生した外部イベントの流行度を表す指標値であってもよい。より具体的には、例えば、クーポン生成部150は、SNS(social networking service)やニュース配信サイト等の情報配信サーバ200から、トレンド情報を取得し、当該トレンド情報に合わせた第2クーポンを発行してもよい。例えば、クーポン生成部150は、あるSNSのトレンド情報として、「サッカー」に関するキーワードを取得した場合、サッカーに関連するグッズを対象とする第2クーポンを発行してもよい。このとき、クーポン生成部150は、流行度を表す指標値が高いほど、より高い割引率を設定してもよい。例えば、クーポン生成部150は、あるSNSで「サッカー」に関する話題に言及するユーザの数が高いほど、又は、ニュース配信サイトで「サッカー」に関する記事の閲覧数が多いほど、サッカーに関連するグッズを対象とする第2クーポンの割引率を高めてもよい。これにより、利用者は、世間で流行イベントが発生した際に、どのような第2クーポンが発行されているかを、決済アプリ20を用いて探すというクーポンの変動性を楽しむことができ、電子決済サービスに対する顧客ロイヤリティを更に向上させることができる。
【0073】
なお、上記の実施形態および変形例1~3で説明した動的に変化する複数の指標値(在庫情報、時間の推移に応じた購買量の推移、天候の推移に応じた購買量の推移、外部イベントの流行度)は、互いに組み合わされて、第2クーポンを生成するための参照情報として用いられてもよい。その場合、クーポン生成部150は、これら複数の指標値と、第2クーポンの割引率と、各商品の購買量との関係を機械学習によって学習し、各商品の購買量を最大化するにように第2クーポンの割引率を設定し、第2クーポンを発行してもよい。
【0074】
[変形例4]
さらに、上記の実施形態では、一例として、ストアスキャンを活用して第2クーポンによる電子決済を行う場合について説明した。一方、変形例4として、第2のパターンに係るユーザスキャン(以下、第2ユーザスキャンと称する)を活用して第2クーポンによる電子決済を行ってもよい。以下、第2ユーザスキャンの詳細について説明する。
【0075】
[決済アプリの表示画面]
図14は、変形例4に係る決済アプリ20の店舗コード読み取り画面300の一例を示す図である。利用者端末装置10で決済アプリ20を起動し、利用者が決済アプリ20のホーム画面上の第2ユーザスキャンに対応するアイコンを選択(タップ)することで、
図14に示される店舗コード読み取り画面300が利用者端末装置10の表示部に表示される。
【0076】
図14に示されるように、利用者端末装置10は、光学読取機能によって店舗コード画像60を読み取り、デコードする。これによって、利用者端末装置10は、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加された店舗URLを取得することができる。利用者端末装置10は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、加盟店名、および店舗名を利用者端末装置10に送信する。
【0077】
このように、利用者端末装置10の制御部240は、利用者端末装置10に搭載されたカメラを用いて店舗に設置された店舗コード画像(第1コード情報)60を読み取り、読み取った店舗コード画像60をデコードし、デコードによって得られた店舗URLに基づき、決済サーバ100から加盟店IDを取得する。これによって、利用者端末装置10は、利用者が商品を購入しようとする加盟店などを特定することができる。
【0078】
図15は、変形例4に係る決済アプリ20の商品コード読み取り画面310の一例を示す図である。
図14の店舗コード読み取り画面300で店舗コード画像60の読み取りが行われると、
図15に示される商品コード読み取り画面310が利用者端末装置10の表示部220に表示される。
【0079】
商品コード読み取り画面310には、読取領域311と、買い物かごボタン312と、支払いボタン313とが含まれる。読取領域311は、利用者端末装置10のカメラによって読み取られる領域である。商品には、商品IDがコード化されたバーコードが付されている。利用者が読取領域311内に商品のバーコードが見えるように商品を配置することで、利用者端末装置10の光学読取機能によって商品のバーコードが読み取られ、デコードされる。
【0080】
このように、利用者端末装置10の制御部240は、利用者端末装置10に搭載されたカメラを用いて商品に付されたバーコード(第2コード情報)を読み取り、読み取ったバーコードをデコードする。これによって、利用者端末装置10は、商品を識別するための商品IDを取得することができる。
【0081】
利用者端末装置10は、加盟店IDおよび商品IDを決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、利用者端末装置10から受信した加盟店IDおよび商品IDに対応する商品情報を利用者端末装置10に送信する。このとき、決済サーバ100は、当該商品IDによって示される商品が第2クーポンの適用対象であるか否かを、クーポン情報178を参照して特定し、商品が第2クーポンの適用対象である場合、当該商品に対する第2クーポンの割引率を合わせて利用者端末装置10に送信する。利用者端末装置10は、決済サーバ100から第2クーポンの割引率を受信すると、例えば、読取領域311の下部に当該商品に対する第2クーポンの割引率を表示させる。
【0082】
利用者端末装置10は、決済サーバ100から受信した情報に基づき、買い物かごに商品を追加する。買い物かごは、購入予定の商品を一時的に保存しておくための機能である。買い物かごボタン312は、買い物かごに追加された商品に関する詳細情報を表示部220に表示させるためのボタンである。支払いボタン313は、以下で説明する支払い画面330を表示部220に表示させるためのボタンである。
【0083】
図16は、決済アプリ20の支払い画面330の一例を示す図である。利用者が
図15に示される支払いボタン313を選択(タップ)すると、
図16に示される支払い画面330が利用者端末装置10の表示部220に表示される。
【0084】
支払い画面330には、購入予定の商品情報331と、獲得予定のポイント情報332と、合計金額333と、支払い完了ボタン334と、戻るボタン335とが含まれる。購入予定の商品情報331は、購入予定の商品に関する情報(商品名、価格)を示す情報である。獲得予定のポイント情報332は、今回の購入により第2クーポンの適用によって獲得予定のポイントに関する情報である。合計金額333は、購入予定の商品の合計金額を表す、利用者が支払うべき金額である。
【0085】
支払い完了ボタン334は、合計金額333に示される金額の支払いを指示するためのボタンである。利用者が支払い完了ボタン334を選択(タップ)すると、利用者端末装置10は、決済金額などを含む決済情報を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、利用者端末装置10から受信した決済情報に基づいて電子決済を行う。以上の通り説明した変形例4の構成により、第2クーポンを用いた電子決済をユーザスキャンに実装することができる。
【0086】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0087】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
110 通信部
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 クーポン生成部
160 情報通知部
170 記憶部