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特開2024-175671同期ネットワークに基づく値札通信方法、値札システムおよびコンピュータ機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175671
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】同期ネットワークに基づく値札通信方法、値札システムおよびコンピュータ機器
(51)【国際特許分類】
   G06K 17/00 20060101AFI20241211BHJP
   H04W 4/35 20180101ALI20241211BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20241211BHJP
   A47F 5/00 20060101ALN20241211BHJP
【FI】
G06K17/00
H04W4/35
H04W56/00 110
A47F5/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024089983
(22)【出願日】2024-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-25
(31)【優先権主張番号】202310666787.4
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520367544
【氏名又は名称】漢朔科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hanshow Technology Co.Ltd.
【住所又は居所原語表記】Floor 4,Building 1 and Floor 7,Building 5,Jiaxing Guangfu Innovation Park,No.1288 Kanghe Road,Xiuzhou District,Jiaxing,Zhejiang 314031 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】梁敏
(72)【発明者】
【氏名】吉亞平
(72)【発明者】
【氏名】王宇晶
(72)【発明者】
【氏名】高龍飛
(72)【発明者】
【氏名】姜起
(72)【発明者】
【氏名】張舉
(72)【発明者】
【氏名】陳庚鋒
(72)【発明者】
【氏名】張国鋒
【テーマコード(参考)】
3B118
5K067
【Fターム(参考)】
3B118FA11
5K067BB28
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】定時サービス命令を大量の電子値札に事前に送信し、電子値札のローカルシステム時刻を周期的に循環校正するによって、サーバ命令時刻に対応するサービスを大量の電子値札にほぼ同時に実行させる。
【解決手段】本発明は、同期ネットワークに基づく値札通信方法、値札システムおよびコンピュータ機器を提供し、前記方法は、電子値札が定時サービス命令を受信すると、タイマーによる第1の定時タスクを生成するステップと、定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定し、前記第1の定時タスクを起動するステップと、前記電子値札が周期的に受信した基地局システム時刻に基づいて、第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得るステップと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子値札が、同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信すると、タイマーによる第1の定時タスクを生成するステップであって、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれるステップと、
電子値札が、定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定し、前記第1の定時タスクを起動するステップと、
前記電子値札が、基地局から送信された基地局システム時刻を含む同期信号を周期的に受信すると、前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信したときの現在のローカルシステム時刻および第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得るステップと、
前記電子値札が、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップと、を含む
ことを特徴とする同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項2】
電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信する前に、
前記サーバにより第1の同期期間および第2の同期期間を確立するステップであって、各第2の同期期間は、N個の第1の同期期間を含み、Nは1以上の正の整数であるステップと、
前記サーバにより同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造に基づいて、前記第1の同期期間における送受信タイムスロットを各基地局に割り当て、前記送受信タイムスロットを制御命令によって対応する基地局に送信するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項3】
前記同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造は、1つのマスタ基地局と、マスタ基地局に直接接続された第1の階層のセカンダリ基地局と、第iの階層のセカンダリ基地局に直接接続された第i+1の階層のセカンダリ基地局とを含み、iは1以上の正の整数であり、各基地局は1つの上位基地局のみに接続された
ことを特徴とする請求項2に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項4】
前記同期ネットワークが最初に作成されるとき、
前記サーバによりサーバの初期システム時刻を含む同期信号を前記同期ネットワークにおけるマスタ基地局に送信して、前記マスタ基地局に前記サーバの初期システム時刻に基づいて動作を開始させるステップと、
前記マスタ基地局により前記第1の同期期間の送信タイムスロットにマスタ基地局システム時刻を含む同期信号を送信して、前記マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記マスタ基地局システム時刻に基づいて動作を開始させるステップと、
第iの階層のセカンダリ基地局により第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記第iの階層のセカンダリ基地局と通信する電子値札および第i+1の階層のセカンダリ基地局に前記第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻に基づいてそれぞれ動作を開始させるステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項3に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項5】
第iの階層のセカンダリ基地局が第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信した後、
前記マスタ基地局がシステム時刻要求をサーバに周期的に送信し、サーバの現在システム時刻を取得するステップと、
前記マスタ基地局が前記サーバの現在システム時刻に基づいてマスタ基地局のローカルシステム時刻を校正した後、各第2の同期期間における最初の第1の同期期間の送信タイムスロットに、校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻に基づいて電子値札のローカルシステム時刻および第1の階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻をそれぞれ校正させるステップと、
第iの階層のセカンダリ基地局が第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記第iの階層のセカンダリ基地局と通信する電子値札および第i+1の階層のセカンダリ基地局に前記第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻に基づいて電子値札のローカルシステム時刻および第i+1の階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻をそれぞれ校正させるステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項6】
前記マスタ基地局が各第2の同期期間における最初以外の第1の同期期間の送信タイムスロットにマスタ基地局のローカルシステム時刻を含まない同期信号を送信するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項5に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項7】
前記基地局システム時刻は、校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻または第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項8】
前記定時サービス命令にサービス実行時間長がさらに含まれる場合、前記電子値札が、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップの後に、
電子値札がタイマーによる第2の定時タスクを生成し、前記サービス実行時間長を前記第2の定時タスクの定時時間長に決定するステップと、
前記第2の定時タスクの現在の計時時間長が前記サービス実行時間長に等しい場合、前記電子値札が前記定時サービス命令の前の最新の履歴サービス命令を実行するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項9】
電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された少なくとも2つの定時サービス命令を受信すると、前記少なくとも2つの定時サービス命令のサービス命令のタイプが同じであるか否かを判断するステップと、
前記少なくとも2つの定時サービス命令のサービス命令のタイプがいずれも同じではない場合、または前記少なくとも2つの定時サービス命令の命令のタイプが同じであるが、命令実行システム時刻に重なりがない場合、前記電子値札が異なる定時サービス命令に対して対応する定時タスクを生成するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項10】
前記少なくとも2つの定時サービス命令に、サービス命令のタイプが同じであり且つ命令実行システム時刻にも有効な重なりがある2つのターゲット定時サービス命令が存在する場合、電子値札が前記2つのターゲット定時サービス命令を融合処理した後に対応する定時タスクを生成するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項9に記載の同期ネットワークに基づく値札通信方法。
【請求項11】
サーバと、複数の基地局と、いくつかの電子値札とを含み、
前記サーバは、命令実行システム時刻の前に定時サービス命令を送信するためのものであり、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれ、
前記基地局は、受信した前記定時サービス命令を電子値札に送信し、上位基地局から送信された基地局システム時刻付きの同期信号を受信してローカルシステム時刻を校正し、校正されたローカルシステム時刻を現在の基地局の基地局システム時刻として下位セカンダリ基地局または/および電子値札に周期的に送信するためのものであり、
前記電子値札は、前記定時サービス命令を受信するときにタイマーによる第1の定時タスクを生成し、定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定して前記第1の定時タスクを起動し、前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信した時の現在のローカルシステム時刻と第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するためのものである
ことを特徴とする値札システム。
【請求項12】
前記サーバと、前記複数の基地局と、前記いくつかの電子値札との間で同期ネットワークが形成され、前記同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造は、1つのマスタ基地局と、マスタ基地局に直接接続された第1の階層のセカンダリ基地局と、第iの階層のセカンダリ基地局に直接接続された第i+1の階層のセカンダリ基地局とを含み、iは1以上の正の整数であり、各基地局は1つの上位基地局のみに接続された
ことを特徴とする請求項11に記載の値札システム。
【請求項13】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器において、
前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1に記載の方法のステップが実現される
ことを特徴とするコンピュータ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の技術分野に関し、特に、同期ネットワークに基づく値札通信方法、値札システムおよびコンピュータ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子値札システムの様々な分野での応用がますます広くなるにつれて、サービス速度に対する要求もますます高くなり、例えば、店舗内で大量の値札に指定された時刻にある命令を迅速に実行させることを店舗管理者に望まれている。従来の電子値札システムにおいて、指定された時刻に店舗内の大量の値札にサービス命令を配信する時間長は、値札の数によって異なり、大量の値札にサービス命令を配信する時間長は、数十分間ひいては数時間を必要とする可能性があり、値札が次々とサービス命令を実行する時間長もより長い時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これにより分かるように、従来の技術の電子値札通信方法では、サービス命令が大量の値札に順次配信される時間が長いため、サービス命令に対する大量の値札の応答時間が長いという問題が発生し、大量の値札に指定された時刻にサービスを迅速に実行させるという顧客のニーズを満たすことができない。
【0004】
従来の技術に存在する欠点に対して、本発明に係る同期ネットワークに基づく値札通信方法、値札システムおよびコンピュータ機器は、従来の技術におけるサービス命令に対する大量の電子値札の応答時間が長いという問題を解決し、定時サービス命令を大量の電子値札に事前に送信し、電子値札のローカルシステム時刻を周期的に循環校正することによって、サーバに指定された時刻に大量の電子値札にほぼ同時に対応するサービスを実行させることができ、指定された時刻に大量の値札にサービスを迅速に実行させるという顧客のニーズを満たす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様により、本発明は、同期ネットワークに基づく値札通信方法を提供し、前記方法は、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信すると、タイマーによる第1の定時タスクを生成するステップであって、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれるステップと、電子値札が定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定し、前記第1の定時タスクを起動するステップと、基地局から送信された基地局システム時刻を含む同期信号を周期的に受信すると、前記電子値札が前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信したときの現在のローカルシステム時刻および第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得るステップと、前記電子値札が、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップと、を含む。
【0006】
また、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信する前に、前記方法は、前記サーバにより第1の同期期間および第2の同期期間を確立するステップであって、各第2の同期期間は、N(1以上の正の整数)個の第1の同期期間を含むステップと、前記サーバにより同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造に基づいて、前記第1の同期期間における送受信タイムスロットを各基地局に割り当て、前記送受信タイムスロットを制御命令によって対応する基地局に送信するステップと、をさらに含む。
【0007】
また、前記同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造は、1つのマスタ基地局と、マスタ基地局に直接接続された第1の階層のセカンダリ基地局と、第iの階層のセカンダリ基地局に直接接続された第i+1の階層のセカンダリ基地局とを含み、iは1以上の正の整数であり、各基地局は1つの上位基地局のみに接続された。
【0008】
また、前記同期ネットワークが最初に作成されるとき、前記方法は、前記サーバによりサーバの初期システム時刻を含む同期信号を前記同期ネットワークにおけるマスタ基地局に送信して、前記マスタ基地局に前記サーバの初期システム時刻に基づいて動作を開始させるステップと、前記マスタ基地局により前記第1の同期期間の送信タイムスロットにマスタ基地局システム時刻を含む同期信号を送信して、前記マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記マスタ基地局システム時刻に基づいて動作を開始させるステップと、第iの階層のセカンダリ基地局により第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記第iの階層のセカンダリ基地局と通信する電子値札および第i+1の階層のセカンダリ基地局に前記第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻に基づいてそれぞれ動作を開始させるステップとをさらに含む。
【0009】
また、第iの階層のセカンダリ基地局が第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信した後、前記方法は、前記マスタ基地局がシステム時刻要求をサーバに周期的に送信し、サーバの現在システム時刻を取得することと、前記マスタ基地局が前記サーバの現在システム時刻に基づいてマスタ基地局のローカルシステム時刻を校正した後、各第2の同期期間における最初の第1の同期期間の送信タイムスロットに、校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻に基づいて電子値札のローカルシステム時刻および第1の階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻をそれぞれ校正させ、第iの階層のセカンダリ基地局が第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記第iの階層のセカンダリ基地局と通信する電子値札および第i+1の階層のセカンダリ基地局に前記第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻に基づいて電子値札のローカルシステム時刻および第i+1の階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻をそれぞれ校正させることと、をさらに含む。
【0010】
また、前記方法は、前記マスタ基地局が各第2の同期期間における最初以外の第1の同期期間の送信タイムスロットにマスタ基地局のローカルシステム時刻を含まない同期信号を送信するステップをさらに含む。
【0011】
また、前記基地局システム時刻は、校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻または第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻を含む。
【0012】
また、前記電子値札が、前記定時サービス命令にサービス実行時間長がさらに含まれる場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップの後に、前記方法は、電子値札がタイマーによる第2の定時タスクを生成し、前記サービス実行時間長を前記第2の定時タスクの定時時間長として決定するステップと、前記第2の定時タスクの現在の計時時間長が前記サービス実行時間に等しい場合、前記電子値札が前記定時サービス命令の前の最新の履歴サービス命令を実行するステップと、をさらに含む。
【0013】
また、前記方法は、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された少なくとも2つの定時サービス命令を受信すると、前記少なくとも2つの定時サービス命令のサービス命令のタイプが同じであるか否かを判断するステップと、前記少なくとも2つの定時サービス命令のサービス命令のタイプがいずれも同じではない場合、または前記少なくとも2つの定時サービス命令の命令のタイプが同じであるが、命令実行システム時刻に重なりがない場合、前記電子値札が異なる定時サービス命令に対して対応する定時タスクを生成するステップと、をさらに含む。
【0014】
また、前記方法は、前記少なくとも2つの定時サービス命令に、サービス命令のタイプが同じであり且つ命令実行システム時刻にも有効な重なりがある2つのターゲット定時サービス命令が存在する場合、電子値札が前記2つのターゲット定時サービス命令を融合処理した後に対応する定時タスクを生成するステップをさらに含む。
【0015】
第2の態様により、本発明は、値札システムを提供し、前記値札システムは、サーバと、複数の基地局と、いくつかの電子値札とを含み、前記サーバは、命令実行システム時刻の前に定時サービス命令を送信するためのものであり、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれ、前記基地局は、受信した前記定時サービス命令を電子値札に送信し、上位基地局から送信された基地局システム時刻付きの同期信号を受信してローカルシステム時刻を校正し、校正されたローカルシステム時刻を現在の基地局の基地局システム時刻として下位セカンダリ基地局または/および電子値札に周期的に送信するためのものであり、前記電子値札は、前記定時サービス命令を受信するときにタイマーによる第1の定時タスクを生成し、定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定して前記第1の定時タスクを起動し、前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信した時の現在のローカルシステム時刻と第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するためのものである。
【0016】
また、前記サーバと、前記複数の基地局と、前記いくつかの電子値札との間で同期ネットワークが形成され、前記同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造は、1つのマスタ基地局と、マスタ基地局に直接接続された第1の階層のセカンダリ基地局と、第iの階層のセカンダリ基地局に直接接続された第i+1の階層のセカンダリ基地局とを含み、iは1以上の正の整数であり、各基地局は1つの上位基地局のみに接続された。
【0017】
第3の態様により、本発明は、コンピュータ機器を提供し、前記コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信すると、タイマーによる第1の定時タスクを生成するステップであって、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれるステップと、電子値札が定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定し、前記第1の定時タスクを起動するステップと、基地局から送信された基地局システム時刻を含む同期信号を周期的に受信すると、前記電子値札が前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信したときの現在のローカルシステム時刻および第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得るステップと、前記電子値札が、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップと、を実現する。
【発明の効果】
【0018】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0019】
本発明における電子値札は、サーバから送信された定時サービス命令を事前に受信した場合、定時サービス命令における実行システム時刻に基づいて定時タスクの定時時間長を決定し、また周期的に受信した基地局システム時刻に基づいて定時時間長を循環校正することによって、精確な定時時間長を得ることができ、最後に定時タスクの現在の計時時間長が現在の定時時間長に等しい場合、命令実行のシステム時刻に達したと決定し、対応するサービス命令を実行するため、本発明は、定時サービス命令を大量の電子値札に事前に送信し、電子値札のローカルシステム時刻を周期的に循環校正することによって、サーバに指定された時刻に大量の電子値札に対応するサービスをほぼ同時に実行させることができ、異なる値札間のタイミング誤差は、msレベルのみであり、人間の目で識別できないmsレベルの精確な定時サービスの実行効果に達し、店舗内の大量値札のサービス命令に対する応答時間長を大幅に低減し、指定された時刻に大量の値札にサービスを迅速に実行させるという顧客のニーズを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係る同期ネットワークに基づく値札通信方法の概略フローチャートである。
図2】本発明の実施例に係る値札システムの概略構造図である。
図3】本発明の実施例に係る基地局トポロジの概略構造図である。
図4】本発明の実施例に係る同期ネットワークにおけるシステム時刻校正の概略図である。
図5】本発明の実施例に係る基地局がターゲット同期信号を送信するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確で完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、全部の実施例ではなく、本願の一部の実施例である。本願の実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、本願の権利範囲に属する。
【0022】
第1の態様により、本発明は、同期ネットワークに基づく値札通信方法を提供し、具体的には、以下の実施例を含む。図1は、本発明の実施例に係る同期ネットワークに基づく値札通信方法の概略フローチャートを示す。図1に示すように、前記同期ネットワークに基づく値札通信方法は、値札システムに適用され、且つ前記値札システムがサーバ、基地局および電子値札を含む場合、具体的に以下のステップを含み、ステップS101であって、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信すると、タイマーによる第1の定時タスクを生成する。
【0023】
なお、図2に示すように、本実施例における各店舗の値札システムは、いずれもサーバと、複数の基地局と、いくつかの電子値札とを含み、サーバが基地局を介して同期信号を電子値札に送信する。
【0024】
本実施例において、同期ネットワークにおける基地局は、図3に示すような基地局トポロジ構造を有し、1つのマスタ基地局と、マスタ基地局に直接接続された第1の階層のセカンダリ基地局と、第iの階層のセカンダリ基地局に直接接続された第i+1の階層のセカンダリ基地局とを含み、iは1以上の正の整数であり、各基地局は1つの上位基地局のみに接続され、図3におけるAP1は基地局1を示し、AP2は基地局2、…、AP11は基地局11を示す。基地局トポロジ構造の生成方式は、サーバが測距信号を順次送信させるように店舗内の全ての基地局を制御して、各基地局が受信した且つ他の基地局から送信されたフィードバック信号の強度に基づいて、各基地局と他の基地局との測距結果を得て、前記サーバがさらに全ての基地局の間の測距結果に基づいて基地局トポロジ構造を生成することであってもよい。
【0025】
本実施例において、サーバに定時サービス命令設定インターフェースが提供され、定時サービス命令設定インターフェースは、具体的には、命令のタイプ、定時命令が実行されるシステム時刻、命令を実行する大量の値札のリストを設定し、つまり、定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれ、サーバは、定時サービス命令を同期ネットワークの基地局を介して事前に転送することによって、定時サービス命令に係る全ての電子値札が前記定時サービス命令を受信できるようにする。また、本実施例における電子値札は、定時サービス命令を受信するときに、電子値札におけるタイマーに対して第1の定時タスクを生成し、前記定時サービス命令は、サーバが電子値札に事前に送信したものであり、電子値札に直ちに実行される必要がなく、定時サービス命令において指定された命令実行システム時刻に実行されるため、指定されたシステム時刻に電子値札に命令をタイムリーに実行させるために、タイマーによる第1の定時タスクによって注意喚起する。
【0026】
これにより分かるように、本実施例におけるサーバは、命令実行のシステム時刻に達したと命令を配信する必要がなく、命令を実行しようとするために必要なデータまたはパラメータを命令実行時刻の前の一つの保護時間内に、指定された大量の値札に事前に配信し、大量の電子値札に定時サービス命令をローカルに記憶させ、指定された時刻に達した時に実行させる。
【0027】
ステップS102であって、電子値札が定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定して、前記第1の定時タスクを起動する。
【0028】
実施例において、前記第1の定時タスクの定時時間長は、電子値札が定時サービス命令を受信した現在のローカルシステム時刻と定時サービス命令における命令実行システム時刻との時間差である。第1の定時タスクの定時時間長を決定した後、第1の定時タスクを起動することができる。
【0029】
ステップS103であって、基地局から送信された基地局システム時刻を含む同期信号を周期的に受信すると、前記電子値札が前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信したときの現在のローカルシステム時刻および第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得る。
【0030】
なお、同期ネットワークのシステム同期を維持するために、サーバは、マスタ基地局を介して同期信号を各セカンダリ基地局および各電子値札に周期的に送信し、各セカンダリ基地局および電子値札に同期信号における基地局システム時刻、周波数および送信タイムスロットなどのパラメータに基づいて校正させ、本実施例において、基地局システム時刻を含む同期信号をターゲット同期信号とし、基地局システム時刻を含まない同期信号を正常な同期信号とする。
【0031】
本実施例において、第1の定時タスクを起動した後、電子値札が基地局システム時刻を含むターゲット同期信号を受信した場合、前記基地局システム時刻に基づいてターゲット同期信号を受信した時の現在のローカルシステム時刻を校正し、現在のローカルシステム時刻と前記ターゲット同期信号を送信した基地局のローカルシステム時刻とを一致させ、且つ電子値札は、さらに校正された現在のローカルシステム時刻に基づいて第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を校正して校正された現在の定時時間長を得て、なお、第1の定時タスクの定時時間長の期間において、複数回に循環校正する可能性があり、毎回に校正された現在の定時時間長は、次回に校正されるときに第1の定時タスクにおける現在の定時時間長とされる。前記基地局システム時刻は、校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻または第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻を含む。
【0032】
これにより分かるように、本実施例において、各基地局が取得したサーバシステム時刻は、それぞれサーバから取得されたものではなく、基地局間の同期ネットワークを利用し、システム時刻は、同期信号に従ってマスタ基地局から第1の階層のセカンダリ基地局へ、また第2の階層のセカンダリ基地局へ、店舗内の全ての基地局に階層的に拡張され、全ての基地局のシステム時刻は、いずれも相同され、且つ同期によりローカルのシステム時刻を絶えず校正し、基地局と基地局との間の無線伝送誤差は、μsレベルのみであり、有線ネットワーク伝送遅延よりも遥かに小さい。同時に、値札は、基地局と同期に基地局から送信されたシステム時刻を周期的に取得し、ローカルのシステム時刻とローカル計時を周期的に校正し、ローカルタイマーを校正し、異なる値札間のタイミング誤差は、msレベルのみであり、人間の目で識別できないmsレベルの精確な定時サービスの実行効果に達することができる。
【0033】
ステップS104であって、前記電子値札が、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行する。
【0034】
本実施例において、前記校正された現在の定時時間長は、第1の定時タスクにおける一定時間長閾値であり、前記現在の計時時間長は、第1の定時タスクを起動した後にゼロからカウントアップを開始し徐々に累積する時間長であり、したがって、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、つまり、電子値札の現在のローカルシステム時刻が定時サービス命令において実行される命令実行システム時刻に等しい場合、電子値札は、前記定時サービス命令を実行し、前記サービス命令のタイプは、ページ切り替え命令、点滅命令および更新命令を含むが、これらに限定されず、設定パラメータは、ページ切り替えのページ番号、点滅状態、点滅色および更新内容を含むが、これらに限定されない。
【0035】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0036】
本実施例における電子値札は、サーバから送信された定時サービス命令を事前に受信した場合、定時サービス命令における実行システム時刻に基づいて定時タスクの定時時間長を決定し、また周期的に受信した基地局システム時刻に基づいて定時時間長を循環校正することによって、精確な定時時間長を得ることができ、最後に定時タスクの現在の計時時間長が現在の定時時間長に等しい場合、命令を実行するシステム時刻に達したと決定し、対応するサービス命令を実行するため、本実施例は、定時サービス命令を大量の電子値札に事前に送信し、電子値札のローカルシステム時刻を周期的に循環校正することによって、サーバに指定された時刻に大量の電子値札に対応するサービスをほぼ同時に実行させることができ、異なる値札間のタイミング誤差は、msレベルのみであり、人間の目で識別できないmsレベルの精確な定時サービスの実行効果に達し、店舗内の大量値札のサービス命令に対する応答時間長を大幅に低減し、指定された時刻に大量の値札にサービスを迅速に実行させるという顧客のニーズを満たす。
【0037】
図4は、本発明の実施例に係る同期ネットワークにおけるシステム時刻校正の概略図である。図4に示すように、同期ネットワークにおけるシステム時刻校正は、具体的には、サーバによって第1の同期期間および第2の同期期間を確立するステップであって、各第2の同期期間は、N個の第1の同期期間を含むステップS201と、サーバにより同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造に基づいて、前記第1の同期期間における送受信タイムスロットを各基地局に割り当て、前記送受信タイムスロットを制御命令によって対応する基地局に送信するステップS202と、前記マスタ基地局がシステム時刻要求をサーバに周期的に送信し、サーバの現在システム時刻を取得するステップS203と、前記マスタ基地局がサーバの現在システム時刻に基づいてマスタ基地局のローカルシステム時刻を校正した後、各第2の同期期間における最初の第1の同期期間の送信タイムスロットに、校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記校正されたマスタ基地局のローカルシステム時刻に基づいて電子値札のローカルシステム時刻および第1の階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻をそれぞれ校正させるステップS204と、第iの階層のセカンダリ基地局が第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記第iの階層のセカンダリ基地局と通信する電子値札および第i+1の階層のセカンダリ基地局に前記第iの階層のセカンダリ基地局の校正されたローカルシステム時刻に基づいて電子値札のローカルシステム時刻および第i+1の階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻をそれぞれ校正させるステップS205と、を含む。
【0038】
本実施例において、前記同期ネットワークが最初に作成されるとき、前記方法は、前記サーバによりサーバの初期システム時刻を含む同期信号を前記同期ネットワークにおけるマスタ基地局に送信して、前記マスタ基地局に前記サーバの初期システム時刻に基づいて動作を開始させるステップと、前記マスタ基地局により前記第1の同期期間の送信タイムスロットにマスタ基地局システム時刻を含む同期信号を送信して、前記マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記マスタ基地局システム時刻に基づいて動作を開始させるステップと、第iの階層のセカンダリ基地局により第1の同期期間の送信タイムスロットに第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻を含む同期信号を送信して、前記第iの階層のセカンダリ基地局と通信する電子値札および第i+1の階層のセカンダリ基地局に前記第iの階層のセカンダリ基地局のローカルシステム時刻に基づいてそれぞれ動作を開始させるステップと、をさらに含む。
【0039】
なお、図5に示すように、本実施例は、第1の同期期間T1および第2の同期期間T2を含み、且つ、各第2の同期期間は、N個の第1の同期期間を含み、各第1の同期期間において、サーバは、基地局トポロジ構造に従って各基地局に送受信タイムスロットを割り当て、図5に示すように、第1の同期期間において、基地局1は、最初に送信し、次は基地局2であり、順次類推して基地局Mまでであり、送受信タイムスロットの具体的な割り当て原則は、マスタ基地局が最初に送信し、次は第1の階層のセカンダリ基地局、第2の階層のセカンダリ基地局、最後の階層のセカンダリ基地局までであってもよく、隣接する基地局はタイムスロットが隣接するという原則であってもよい。
【0040】
本実施例において、各T2周期の最初のT1周期における同期信号にいずれも基地局システム時刻が携帯され、T2周期の他のT1周期における同期信号に基地局システム時刻が携帯されず、これは、同期ネットワークにおける全ての基地局および電子値札がT2周期に従って時刻校正することに相当する。なお、各基地局が送信した同期信号における基地局システム時刻は異なり、各基地局は、受信した同期信号における基地局システム時刻に基づいて基地局のローカルシステム時刻を校正し、現在の校正されたローカルシステム時刻を得て、その後、基地局は、ローカルシステム時刻を校正した直後、同期信号を他の基地局または電子値札に送信するものではなく、各T2周期における最初のT1周期において、且つ現在の基地局の送信タイムスロットの時点に同期信号を送信するため、受信した基地局システム時刻に基づいてローカルシステム時刻を校正してから、該現在の基地局が同期信号を送信するまでの時間帯に遅延時間差が存在し、すると、現在の基地局が送信した基地局システム時刻は、現在の校正されたローカルシステム時刻+前記遅延時間差なはずである。
【0041】
なお、同期ネットワークが最初に通信するとき、全ての電子値札および全ての基地局にローカルシステム時刻がなく、マスタ基地局は、受信したサーバの初期システム時刻をローカルシステム時刻として動作を開始し、マスタ基地局システム時刻を携帯している同期信号を電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に送信し、マスタ基地局と通信する電子値札および第1の階層のセカンダリ基地局に前記マスタ基地局システム時刻に基づいて動作を開始させ、前記マスタ基地局システム時刻は、マスタ基地局が同期信号を送信する時のローカルシステム時刻であり、順次類推して、他のセカンダリ基地局および電子値札も上位セカンダリ基地局から送信されたローカルシステム時刻に基づいて動作を開始する。
【0042】
また、同期ネットワークが正常に通信した後、全ての電子値札と全ての基地局がいずれも自体のローカルシステム時刻を有するため、受信したターゲット同期信号における基地局システム時刻でローカルシステム時刻を校正する必要があり、その校正の原理は、2つの時刻を比較し、両者が同じであると更新せず、両者が異なると、同期信号における基地局システム時刻をローカルシステム時刻とすることである。
【0043】
従来技術に比べて、本実施例は以下の有益な効果を有する。
【0044】
従来の電子値札システム通信方法において、同一の店舗の複数の基地局がそれぞれバックグラウンドサーバから取得したシステム時刻は、基地局間でmsレベルの誤差要求を満たすことが困難であり、値札システムの値札は、基地局を介してシステム時刻を取得することしかできないと同時に、値札のローカル計時にも累積誤差が存在するため、値札間で計時されたシステム時刻誤差は実際に基地局間の誤差よりも大きく、店舗全体の値札が統一され、ミリ秒レベルの誤差まで精確にされるシステム時刻を有する精確な定時サービスの要求を満たすことができない一方、本願における基地局システム時刻は、それぞれバックグラウンドサーバから取得されたものではなく、基地局間の同期ネットワークを利用し、システム時刻は同期信号に従ってマスタ基地局から第1の階層のセカンダリ基地局へ、さらに第2の階層のセカンダリ基地局へ、店舗内のすべての基地局に階層的に拡張され、すべての基地局のシステム時刻はいずれも相同され、かつ同期によりローカルのシステム時刻を絶えずに校正し、基地局と基地局との間の無線伝送誤差はusレベルのみであり、有線ネットワーク伝送遅延よりも遥かに小さい。同時に、値札は、基地局と同期に基地局から送信されたシステム時刻を周期的に取得し、ローカルのシステム時刻とローカルのタイミングを周期的に校正し、バックグラウンドシステムから配信された定時サービスのタイマーを校正し、異なる値札間のタイミング誤差は、msレベルのみであり、人間の目で識別できないmsレベルの精確な定時サービスの実行効果に達することができる。
【0045】
本発明の他の実施例において、前記電子値札が、前記定時サービス命令にサービス実行時間長がさらに含まれる場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップの後に、前記方法は、電子値札がタイマーによる第2の定時タスクを生成し、前記サービス実行時間長を前記第2の定時タスクの定時時間長として決定するステップと、前記第2の定時タスクの現在の計時時間長が前記サービス実行時間長に等しい場合、前記電子値札が前記定時サービス命令の前の最新の履歴サービス命令を実行するステップと、をさらに含む。
【0046】
なお、定時サービス命令の実行内容または更新内容が一時実行状態のみである場合、定時サービス命令を配信するときに、実行時間長を明かにし、実行時間長に達した後、電子値札の表示内容が元の画面の表示内容に戻り、例を挙げて説明すると、指定された時刻に指定された大量の値札に画面表示内容、例えば、販促イベントを更新させることを店舗管理者に望まれる場合、イベント開始時刻に値札に表示される商品価格などの販促情報を迅速に変更する必要があり、店舗管理者は、まずバックグラウンドサーバを介して更新内容を基地局を介して値札に送信して予め記憶させるとともに、更新内容に従って画面表示を更新する必要があるシステム時刻および表示保持時間を定時命令に携帯させることができる。値札の計時時刻が指定されたシステム時刻となると、値札は、命令に基づいて予め記憶された更新内容で画面表示を更新し、大量の値札は、更新タスクを迅速に完了することができる。値札は、表示保持時間に基づいて計時し続け、表示保持時間がタイムアウトした後、値札は画面表示内容を元の画面表示内容に変更させるように制御し、販促イベントが終了する。
【0047】
本発明の別の実施例において、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された少なくとも2つの定時サービス命令を受信すると、前記少なくとも2つの定時サービス命令のサービス命令のタイプが同じであるか否かを判断し、前記少なくとも2つの定時サービス命令のサービス命令のタイプがいずれも同じではない場合、または前記少なくとも2つの定時サービス命令の命令のタイプが同じであるが、命令実行システム時刻に重なりがない場合、前記電子値札が異なる定時サービス命令に対して対応する定時タスクを生成する。
【0048】
なお、店舗管理者は、バックグラウンドサーバを介して1つまたは複数の定時サービス命令を一度に設定することができ、同じ値札を対象にしても異なる値札を対象にしてもよく、サービス命令のタイプは同じであっても異なってもよい。バックグラウンドサーバは、定時命令を値札に送信し、値札は1つまたは複数の定時サービス命令をキャッシュし、それぞれタイムアウト時間を計算して複数のタイマーを同時に起動し、あるタイマーがタイムアウト時間に達したと、それに対応する命令実行をトリガーする。
【0049】
例を挙げて説明すると、店舗管理者は、あるシステム時刻に在庫を棚卸することを計画し、在庫を棚卸した後に賞味期限間近の商品を整理することを計画する。バックエンドサーバは、2つの定時サービス命令を設定することができ、バックエンドサーバは、在庫を棚卸する必要がある値札に定時ページ切り替えサービスを配信し、定時ページ切り替えサービスにおいて在庫ページを表示するシステム時刻および保持時間を指定し、次に、賞味期限間近の商品を整理する必要がある値札に定時点滅サービスを配信し、点滅時刻を在庫が棚卸された後の時刻と指定し、点滅色、点滅時間長、点滅頻度などのパラメータを指定する。値札は、受信した2つの定時サービス命令を記憶し、ローカル時刻と指定システム時刻との差に基づいて、2つのタスクのタイムアウト時間を設定し2つのタイマーを起動し、定時ページ切り替えサービス時刻になると、値札は、命令における表示ページに従って画面表示を指定された在庫ページに切り替え、表示保持時間に基づいて計時を継続し、タイムアウトした後、値札は、画面表示内容を元の画面表示内容に変更させるように制御する。その後、値札の2番目の定時点滅サービス時刻になると、値札は、命令における点滅パラメータに従って点滅を開始し、店員に点滅値札にバインドされた賞味期限間近の商品を処理するように注意喚起し、値札は点滅時間長に基づいて計時を継続し、タイムアウトした後、値札は消灯させるように制御し、全てのタスクが終了する。
【0050】
本発明の別の実施例において、前記方法は、前記少なくとも2つの定時サービス命令に、サービス命令のタイプが同じであり且つ命令実行システム時刻にも有効な重なりがある2つのターゲット定時サービス命令が存在する場合、電子値札が前記2つのターゲット定時サービス命令を融合処理した後に対応する定時タスクを生成するステップをさらに含む。
【0051】
本実施例において、前記有効な重なりは、同じ時間帯に前記2つのターゲット定時サービス命令がいずれも有効になることを含み、前記電子値札が前記2つのターゲット定時サービス命令を融合処理することは、有効時間が後の定時サービス命令が実行されると、有効時間が前の定時サービス命令が失効になることを含む。
【0052】
第2の態様により、本発明は、値札システムを提供し、前記値札システムは、サーバと、複数の基地局と、いくつかの電子値札とを含む。前記サーバは、命令実行システム時刻の前に定時サービス命令を送信するためのものであり、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれ、前記基地局は、受信した前記定時サービス命令を電子値札に送信し、上位基地局から送信された基地局システム時刻付きの同期信号を受信してローカルシステム時刻を校正し、校正されたローカルシステム時刻を現在の基地局の基地局システム時刻として下位セカンダリ基地局または/および電子値札に周期的に送信するためのものであり、前記電子値札は、前記定時サービス命令を受信するときにタイマーによる第1の定時タスクを生成し、定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定して、前記第1の定時タスクを起動し、前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信した時の現在のローカルシステム時刻と第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するためのものである。
【0053】
また、前記サーバと、前記複数の基地局と、前記いくつかの電子値札との間で同期ネットワークが形成され、前記同期ネットワークにおける基地局トポロジ構造は、1つのマスタ基地局と、マスタ基地局に直接接続された第1の階層のセカンダリ基地局と、第iの階層のセカンダリ基地局に直接接続された第i+1の階層のセカンダリ基地局とを含み、iは1以上の正の整数であり、各基地局は1つの上位基地局のみに接続された。
【0054】
第3の態様により、本発明の実施例は、コンピュータ機器を提供し、前記コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、電子値札が同期ネットワークにおける基地局を介してサーバから事前に送信された定時サービス命令を受信すると、タイマーによる第1の定時タスクを生成するステップであって、前記定時サービス命令に少なくとも1つの電子値札のID識別子と、サービス命令のタイプと、設定パラメータと、命令実行システム時刻とが含まれるステップと、電子値札が定時サービス命令を受信したときの現在のローカルシステム時刻と前記命令実行システム時刻との時間差に基づいて、第1の定時タスクの定時時間長を決定し、前記第1の定時タスクを起動するステップと、基地局から送信された基地局システム時刻を含む同期信号を周期的に受信すると、前記電子値札が前記基地局システム時刻に基づいて、同期信号を受信したときの現在のローカルシステム時刻および第1の定時タスクにおける現在の定時時間長を循環校正して、校正された現在の定時時間長を得るステップと、前記電子値札が、前記第1の定時タスクの現在の計時時間長が前記校正された現在の定時時間長に等しい場合、前記サービス命令のタイプおよび前記設定パラメータに基づいて前記定時サービス命令を実行するステップと、を実現する。
【0055】
上記実施例の方法における全部または一部のフローを実現するには、コンピュータプログラムにより関連するハードウェアを命令することによって完成されることができ、前記プログラムは、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができ、該プログラムが実行される場合、上記各方法の実施例のフローを含むことができることを当業者に理解されることができる。ここに、本願により提供される各実施において言及されているメモリ、ストレージ、データベース、または他の媒体は、いずれも不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)またはフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)または外部キャッシュメモリを含むことができる。例示的には、RAMは、例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクロナスリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、メモリバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトメモリバスダイナミックRAM(DRDRAM)、およびメモリバスダイナミックRAM(RDRAM)などの様々な形式で得られるが、これらに限られない。
【0056】
なお、本明細書において、例えば「第1の」および「第2の」などのような関係用語は、1つのエンティティまたは動作を他のエンティティまたは動作から区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティまたは動作の間にこのような実際の関係または順序が存在することを要求または暗示するものではない。そして、用語「含む」、「包含」またはその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図することによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品またはデバイスは、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、または、このようなプロセス、方法、物品またはデバイスに固有の要素も含む。より多くの制限がない場合、「1つの…を含む」という語句によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品またはデバイスに他の同じ要素が存在することを排除されない。
図1
図2
図3
図4
図5