(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175672
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】非代替性トークンを用いた偽造を防止するためのシステム、方法、及び媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/018 20230101AFI20241211BHJP
【FI】
G06Q30/018 342
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024089993
(22)【出願日】2024-06-03
(31)【優先権主張番号】18/206,531
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ロレス,ウラ
(72)【発明者】
【氏名】ナリマン,ニール ジャファー
(72)【発明者】
【氏名】ダシュコフ,イワン
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB24
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】非代替性トークンを使用して偽造を防止する方法は、ユーザインタフェースを含み、通信ネットワークを介して無線通信するデバイスによって認識されるIDタグを有する物理的な製品を製造することと、物理的な製品の表現とメタデータを有するデジタル資産を提供することと、を含む。デジタル資産は、非代替性トークンによって暗号的に保護され、メタデータは物理的な製品のIDタグに対応する固有の製品識別子を含む。方法はさらに、非代替性トークンをブロックチェーンに格納し、物理的な製品のIDタグをデジタル資産に関連付けることを含む。
【効果】IDタグがデバイスによって読み取られると、デバイスのユーザインタフェースは、物理的な製品の表現とともに暗号的に保護されたデジタル資産を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースを含み、通信ネットワークを介して無線通信するデバイスによって認識されるように構成されたIDタグを有する物理的な製品を製造し、
前記物理的な製品及びメタデータの表現を有するデジタル資産を提供し、ここで、前記デジタル資産は、非代替性トークンによって暗号的に保護され、前記メタデータは、前記物理的な製品の前記IDタグに対応する固有の製品識別子を含み、
前記非代替性トークンをブロックチェーンに保存し、
前記物理的な製品の前記IDタグを前記デジタル資産に関連付けることを含み、前記IDタグが前記デバイスによって読み取られると、前記デバイスのユーザインタフェースは、前記物理的な製品の表現と共に前記暗号的に保護された前記デジタル資産を表示することを含む、
非代替性トークンを用いた偽造防止方法。
【請求項2】
前記物理的な製品は一対の履物製品である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスは、スマートフォンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記IDタグは、バーコード、QRコード(登録商標)、RFIDタグ、NFCタグのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
オンラインプラットフォームは、前記IDタグが読み取られたときに前記デバイスの前記ユーザインタフェース上に表示され、前記オンラインプラットフォームは、複数の暗号的に保護されたデジタル資産を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メタデータは、前記物理的な製品に関連する属性を含み、前記属性は、色、サイズ、材料、又は製造日のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
デジタル化された履物製品の属性に対応するデータを受信し、
前記デジタル化された履物製品の属性を含む履物の物理的な製品を製造し、
非代替性トークンによって暗号的に保護されたデジタル資産を生成し、ここで、前記デジタル資産は、アドレスによって前記デジタル化された履物製品に関連付けられ、前記非代替性トークンが、前記デジタル化された履物製品の属性に対応するメタデータと、前記履物の物理的な製品の製造日と、を含み、
前記非代替性トークンをブロックチェーンに格納する、
非代替性トークンを用いた偽造防止方法。
【請求項8】
前記デジタル資産は、第三者に譲渡できるように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記属性は、履物の色、履物のサイズ、プレートのデザイン、シグネチャー(signature)、購入日の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記非代替性トークンは、シングルトークン(single token)である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記非代替性トークンは、並べ替え生成器(permutation generator)を部分的に使用して作成された、複数のデジタル資産に関連する非可換性トークンの集合である、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記ブロックチェーンのネットワークは、プライベートブロックチェーンネットワークである、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
ホスト管理者を有するプライベートブロックチェーンと通信する複数の事業体からなるネットワークを提供し、ここで、それぞれの事業体が、前記プライベートブロックチェーンへの限定されたアクセスを付与されており、かつ それぞれの事業体が、前記プライベートブロックチェーンと通信する在庫管理システムを維持することを含み、
物理的な履物製品の製造に関連するデータを受信し、ここで、前記データは、前記履物製品に関連する第1の情報及び第2の情報を含み、
前記第1の情報及び前記第2の情報が非代替性トークンによって暗号的に保護されるように、前記第1の情報及び前記第2の情報を前記プライベートブロックチェーンに記録し、
前記複数の事業体の間で、前記非代替性トークンに関連付けられた前記第1の情報及び前記第2の情報に関する通知を生成し、
前記複数の事業体のうちの第1の事業体の前記在庫管理システムを、前記第1の情報に従って更新し、
前記複数の事業体のうちの第2の事業体の前記在庫管理システムを、前記第2の情報に従って更新し、
前記複数の事業体のうちの第1の事業体の前記在庫管理システムを、前記第1の情報に従って更新し、
前記非代替性トークンに関連する取引を記録し、ここで前記取引は前記複数の事業体いずれか1つによって開始される、
非代替性トークンを用いた偽造防止方法。
【請求項14】
第1の情報は、素材、サイズ、色、モデル、オプション機能の少なくとも1つである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の事業体は、輸送業者、マテリアルサプライヤ、アセンブリサプライヤ、アンバサダー(ambassador)の少なくとも1つが含まれる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ホスト管理者によりレポートが生成され、前記レポートには、前記非代替性トークンに関連付けられた前記プライベートブロックチェーンに記録された前記取引のリストが含まれる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記レポートは、パブリックブロックチェーン上に保存される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
偽造品に関連するデータを受信し、ここで、前記データが、オンラインプラットフォームに登録されたユーザから受信され、前記データが、偽造製品が販売されている電子商取引サイトへのアドレスを含むものであり、
前記データに基づいて、非代替性トークンによって暗号的に保護された仮想オブジェクトを有するデジタル資産を生成し、
前記非代替性トークンをブロックチェーンネットワークに格納し、
前記電子商取引サイトへの通知を生成し、ここで、 前記通知は前記データを含み、
前記オンラインプラットフォームを介して前記デジタル資産を前記ユーザに転送する、
非代替性トークンを用いた偽造防止方法。
【請求項19】
前記電子商取引サイトは、個人販売者、マーケットプレイス、販売業者、小売業者、製造業者のいずれである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記デジタル資産は、前記ユーザに対応するメタデータを含み、前記メタデータは、前記プラットフォームの上で前記ユーザに関連付けられたスコアを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記電子商取引サイトにスコアが生成される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
模倣品を防止する技術は、組織(organizations)が模倣品や模倣業者から自社製品を守るために有用である。高品質のアパレルやスポーツ用品の製造業者のような組織は、市場において消費者との信頼関係を築きながら、模倣品と長い間闘ってきている。特に、模倣品は、真の組織が製造した商品を模倣する目的で製造され、希釈化し、混乱させ、時には購入者を欺き、真の組織の高品質な商品を購入していると信じ込ませ、実際には低品質で疑わしい価値の模倣品が購入されたことに気づくことになる。このようなことは、物理的な領域では以前から発生していたが、同様の問題はデジタル領域にも存在し、デジタル化された製品や物理的な製品のデジタル版は、しばしば無許可の販売や複製の対象となっている。
【0003】
物理的な領域と同様に、このような無許可の模倣品製造及び/又はデジタルの複製は、組織のブランド、信用、独占性を希釈化し、混乱させ、欺く可能性があり、組織の収益性と評判に悪影響を与え、組織の商品の価値、品質、真正性、時には「収集可能」な側面に対するユーザの主観的な認識を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示された主題のいくつかの実施形態に従い、暗号トークン、例えば、非代替性トークンを使用して偽造を防止するためのシステム、方法、及び媒体が提供される。
【0005】
いくつかの態様において、非代替性トークンを用いた偽造防止方法は、ユーザインタフェースを含み、通信ネットワークを介して無線通信するデバイスによって認識されるように構成されたIDタグを有する物理的な製品を製造することを含む。本方法はさらに、物理的な製品及びメタデータの表現を有するデジタル資産を提供することを含み、デジタル資産は、非代替性トークンによって認証又は暗号化され、メタデータは、物理的な製品のIDタグに対応する固有の製品識別子を含む。さらに、本方法は、非代替性トークンをブロックチェーンに格納し、物理的な製品のIDタグをデジタル資産に関連付けることを含む。IDタグがデバイスによって読み取られると、デバイスのユーザインタフェースは、物理的な製品を表現するとともに暗号的に保護されたデジタル資産を表示する。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、物理的な製品は、一足の履物である。いくつかの実施形態によれば、デバイスはスマートフォンである。IDタグが読み取られると、オンラインプラットフォームがデバイスのユーザインタフェース上に表示されることがある。オンラインプラットフォームは、暗号的に保護された複数のデジタル資産から構成されることができる。いくつかの実施形態によれば、メタデータは、物理的な製品に関連する属性を含み、属性は、色、サイズ、材料、又は製造日のうちの少なくとも一つを含む。
【0007】
いくつかの態様において、非代替性トークンを用いて偽造を防止する方法は、デジタル化された履物製品の属性に対応するデータを受信することを含む。本方法はさらに、デジタル化された履物製品の属性を含むように物理的な履物製品を製造することを含む。さらに、本方法は、非代替性トークンによって暗号的に保護されたデジタル資産を生成することを含み、デジタル資産は、アドレスによってデジタル化された履物製品に関連付けられる。非代替性トークンは、デジタル化された履物製品の属性及び物理的な履物製品の製造日に対応するメタデータを含むことができる。さらに、本方法は、非代替性トークンをブロックチェーンネットワークに格納することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、デジタル資産は、第三者に譲渡可能に構成される。いくつかの実施形態によれば、属性は、履物の色、履物のサイズ、プレートのデザイン、シグネチャー(signature)、又は購入日のうちの少なくとも1つを含む。非代替性トークンは、シングルトークンであってもよい。いくつかの実施形態によれば、非代替性トークンは、並べ替え生成器(permutation generator)を部分的に使用して作成された、複数のデジタル資産に関連付けられた非代替性トークンの集合である。いくつかの実施形態によれば、ブロックチェーンネットワークは、プライベートブロックチェーンネットワークである。
【0009】
いくつかの態様において、非代替性トークンを使用して偽造を防止する方法は、ホスト管理者を有するプライベートブロックチェーンと通信する複数の事業体から成るネットワークを提供することを含み、それぞれの事業体は、プライベートブロックチェーンへの限定されたアクセスを付与されており、それぞれの事業体は、プライベートブロックチェーンと通信する在庫管理システムを維持する。本方法は、物理的な履物製品の製造に関連するデータを受信することをさらに含み、データは、履物製品に関連する第1の情報及び第2の情報を含む。さらに、本方法は、第1の情報及び第2の情報が非代替性トークンによって暗号的に保護されるように、第1の情報及び第2の情報をプライベートブロックチェーンに記録することを含む。本方法は、複数の事業体の間で、非代替性トークンに関連付けられた第1の情報及び第2の情報に関する通知を生成することを備える。本方法はさらに、第1の情報に従って、複数の事業体のうちの第1の事業体の在庫管理システムを更新することを備える。さらに、本方法は、第2の情報に従って、複数の事業体のうちの第2の情報の在庫管理システムを更新することを備える。さらに、本方法は、非代替性トークンに関連する取引を記録することを含み、該取引は、複数の事業体のいずれか1つによって開始される。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第1の情報は、材料、サイズ、色、モデル、又はオプション機能のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態によれば、複数の事業体は、輸送業者(shipping provider)、マテリアルサプライヤ(material supplier)、アセンブリサプライヤ(assembly supplier)、アンバサダー(ambassador)のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態によれば、レポートがホスト管理者によって生成され、レポートは、非代替性トークンに関連付けられたプライベートブロックチェーン上に記録された取引のリストを含む。レポートはパブリックブロックチェーンに保存されてもよい。
【0011】
いくつかの態様において、非代替性トークンを使用して偽造を防止する方法は、偽造製品に関連付けられたデータを受信することを含み、データは、オンラインプラットフォームに登録されたユーザから受信され、データは、偽造製品が販売のために提供されている電子商取引サイトへのアドレスを含む。本方法はさらに、データに基づいて仮想オブジェクトを有するデジタル資産を生成し、非代替性トークンによって暗号的に保護することを含む。さらに、本方法は、非代替性トークンをブロックチェーンネットワークに格納することを含む。本方法は、電子商取引サイトへの通知を生成することを含み、通知はデータを含む。さらに、本方法は、オンラインプラットフォームを介してデジタル資産をユーザに転送することを備える。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、電子商取引サイトは、個人販売者、マーケットプレイス、販売業者、小売業者、又は製造業者であってもよい。いくつかの実施形態によれば、デジタル資産は、ユーザに対応するメタデータを含み、メタデータは、プラットフォーム上のユーザに関連するスコアを含む。いくつかの実施形態によれば、電子商取引サイトに関連するスコアが生成される。
【0013】
開示された主題のさまざまな目的、特徴、及び利点は、開示された主題の以下の詳細な説明を参照することにより、より十分に理解することができる。以下の図面に関連して考察される場合、同様の参照番号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、開示される主題のいくつかの実施形態に従って、偽造を防止するための非代替性トークンを生成するためのシステムの一例を示す。
【
図2】
図2は、開示される主題のいくつかの実施形態に従って、
図1に示されるコンピューティングデバイス及びサーバを実装するために使用することができるハードウェアの例を示す。
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なブロックチェーンネットワークの概略図を示す。
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なブロックチェーンネットワークの別の概略図を示す。
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による非代替性トークンによって保護されたデジタル資産を生成する例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態によるサプライチェーンネットワークの例を示す。
【
図7】
図7は、開示された主題のいくつかの実施形態に従った、非代替性トークンを使用した履物製品の偽造を防止する方法の一例について、
図6のサプライチェーンネットワークに関連したフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、開示された主題のいくつかの実施形態に従った、非代替性トークンを使用して履物製品の偽造を防止する別の例示的方法のフローチャートを示す。
【
図9】
図9は、開示された主題のいくつかの実施形態に従い、非代替性トークンを使用して履物製品の偽造を防止するさらに別の例示的方法のフローチャートを示す。
【
図10】
図10は、開示された主題のいくつかの実施形態に従った、非代替性トークンを使用して履物製品の偽造を防止するさらに別の例示的方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
高品質のアパレル製品や履物製品を製造するメーカーは、長い間模倣品の販売に悩まされてきた。このような模倣品は、購入者を欺き、真のメーカーの正規品を購入していると信じ込ませる意図で作られている。同様の問題はデジタル領域にも存在し、デジタル化された製品はしばしば無許可販売や複製の対象となる。デジタル化された製品の無許可又は模倣品製造及び/又はデジタル化による複製は、ブランドの価値及び/又は独占性を損ない、企業の収益性に悪影響を及ぼし、「コレクション」としてのデジタル化された製品に対するユーザの主観的認識を損なう可能性がある。
【0016】
自由市場における市場参加者やブランド愛好家は、通常、供給が限られている場合、及び/又は、その対象物に対する需要が過剰である場合、その対象物により高い価値を与える。このような現実は、物理的な現実世界では(特に熱心なコレクターにとっては)明らかだが、同様の市場の現実はデジタル領域にも存在する。
【0017】
物理的な世界では、偽造品の識別を支援し、不正販売を防止するために、多くの偽造防止技術が開発されてきた。しかし、従来の偽造防止技術は、個人が偽造品の識別方法を習得するのに時間がかかるため、導入が困難な場合がある。さらに、模倣品は時代とともに洗練され、適応力が増しているため、偽造防止技術を開発し実施するスピードが速くなっている。
【0018】
さらに、デジタルの領域(メタバースなど)では、供給が制約されないことが多く、オリジナルの開発者でなくても、後続の当事者が、デジタルオブジェクトの全体を自由に(又は不正に)複製することが可能である。このことはブランド所有者が、デジタルオブジェクトの独占性を管理する能力をしばしば困難にしている。さらに、デジタルオブジェクトの創作を管理できないことは、デジタルオブジェクトの価値に影響を与える可能性がある。デジタルオブジェクトの独占性を管理できないことは、そのオブジェクトを求める製品愛好家やコレクターによる無料のブランドを宣伝する機会が失われることになる。
【0019】
日常生活におけるテクノロジーの普及に伴い、現実世界において偽造された物理的な製品を比較的迅速かつ容易に識別する必要性が生じている。さらに、デジタル領域における不正なデジタル資産の供給を特定し、防止する必要性も生じている。
【0020】
本発明は、これらの欠陥及びその他の欠陥に対処する。例えば、本開示のいくつかの実施形態は、暗号トークン、例えば、非代替性トークン(NFT)によって認証又は暗号的に保護されたデジタル資産を生成するためのメカニズム(例えば、システム、方法、及び媒体)を含み、物理的オブジェクト(例えば、アパレル製品、又は履物製品)に対応する。より具体的には、本開示は、例えば、履物製品、アパレル、ヘッドギア、又はスポーツギアなどの有形物、他の製品、例えば、時計、荷物、宝石、保管庫などの製品又は物体のための暗号化デジタル資産に関する、また、製品又はオブジェクトは、グラフィックデザイン、仮想アバター又はキャラクタ、グラフィックユーザインタフェース、又は他の通信形態を含む無形オブジェクトであってもよい。
【0021】
さらに、本開示は、そのような暗号デジタル資産及び製品の供給方法及び偽造防止方法のための暗号デジタル資産、並びにブロックチェーン対応デジタル資産及び製品のマイニング、交換、共同作業、修正、結合、及び/又は混合のための付随するブロックチェーン制御ロジックを有する分散コンピューティングシステムに関する。現在説明されている技術は、ブロックチェーン技術において確立され、ブロックチェーン技術によって確立される信頼に依存して、企業が、自社ブランドを表すデジタルオブジェクトの作成、配布、表現、及び使用を制御することを可能にする。コンテンツや品質を損なうことなく自由に複製可能な典型的なデジタル資産とは異なり、ブロックチェーン技術を介した所有権の離散的な記録の使用は、デジタルオブジェクトの単純なデジタル化による複製の能力を排除する。そうすることで、製造者は、デジタルオブジェクト又はその特徴/側面の全体的な供給を制御又は制限する能力を有し、所望に応じて制御された希少性を創出することができる。本開示は、いくつかの例において、デジタルオブジェクトが、販売のために提供される物理的オブジェクト、将来の生産に適している可能性のある2D又は3D設計レンダリング又は設計ファイル、物理的な作成/生産を現在意図していないオブジェクトの仮想表現、又は他のそのようなオブジェクトを代表することができることを想定している。さらに、本開示のいくつかの実施形態は、コンピューティングデバイス上の仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、及び/又はグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を使用して暗号トークンを生成するメカニズムを含む。
【0022】
本出願はさらに、物理的世界とデジタル領域との間の溝を埋めるメカニズムを開示する。例えば、本開示のいくつかの実施形態によれば、個人はデジタル化された製品をカスタマイズし、デジタル化された製品のNFTをミント(mint)し、デジタル化された製品とNFTの両方に対応する物理的な製品を受け取る。別の例として、組織は、物理的な製品(例えば、製造品、又はアパレル製品)に対応するデジタル化された製品(例えば、NFT)の生成に基づいて、製造のための原材料の物理的在庫を追跡及び管理することができる。
【0023】
限定ではなく例として、取引ブロックのブロックチェーン台帳を通じて提供され、物理的な靴のような現実世界の製品をデジタル化された靴のような仮想収集物に関連付けるために部分的に機能する暗号デジタル資産が提示される。本明細書で使用する「ユーザ」という用語は、消費者、購入者、オンラインプラットフォームの登録メンバーを含む。消費者が本物の靴又は履物製品を購入すると、靴のデジタル化された表現が生成され、消費者と関連付けられ、暗号トークンが割り当てられる場合があり、デジタル化された靴及び暗号トークンは集合的に履物NFTを表す。デジタル化による表現には、コンピュータで生成された靴のアバターや、限定版のアーティストによる靴の演出が含まれる場合がある。デジタル資産は、分散型ブロックチェーンの関連ブロックへのリンクとしてのハッシュポインタ、取引タイムスタンプ、及び取引データを含む暗号化保護ブロックによって保護される場合がある。デジタル資産を使用することで、買い手は、有形の一足の靴を安全に取引又は売却し、デジタル化された靴を取引又は売却し、デジタル化された靴を暗号通貨ウォレット又は他のデジタルブロックチェーンウォレットに保管し、許容可能な靴の製造可能性の規則に基づいて、カスタムメイドの、新品同様の、有形の一足の靴を作成することが可能になる。
【0024】
さらに、ユーザは、有形の靴のオリジナルの製造元に登録されているパーソナルユーザアカウント、例えば、プーマファムアカウントを開発することができ、このアカウントは、ユーザの暗号ウォレットにリンクされ、ユーザは、有形の商品にリンクされているか、又は有形の商品を代表するものであるかどうかにかかわらず、デジタル資産及び関連する暗号トークンを表示、購入、販売、取引、ミント(minting)、及びバーニング(burning)するためのプラットフォームにアクセスすることができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「暗号化デジタル資産」、又は単に「デジタル資産」は、デジタル化された履物製品、アパレル、ヘッドギア、アバター、アート、コレクション、チケット、コイン、クリーチャー(creatures)、又はそれらのサブ要素など、他の仮想オブジェクトの中でも、ブロックチェーンプラットフォームに登録され、それによって検証されるか、又は他の方法で不変データベースに登録された、固有の、腐敗しないトークン化コード(「トークン」)を有する、コンピュータで生成された任意の仮想オブジェクトを指す場合がある。さらに、デジタル資産は、有形の物理的オブジェクトのデジタルアートの形式であってもよいし、有形の物理的オブジェクトと切り離されたオブジェクトであってもよい。例えば、デジタル資産は、同一又は実質的に同一の外観を有する物理的な履物製品のデジタルアートの形式であってもよい。または、デジタル資産は、物理的領域内で生成されたデジタル化された履物製品であってもよく、物理的な履物製品に連結されることなく、又は物理的な履物製品を代表するものでなくてもよい。さらに、デジタル資産は、物理的な履物製品を作成するための入力として取り込まれるデジタル化された履物製品の側面に基づく製造方法など、さまざまな技術によって物理的なものになる可能性がある。
【0026】
本明細書で使用する場合、「暗号トークン」という用語は、ブロックチェーン上に格納/記録されるデジタル価値単位である。暗号トークンには、コイン(例えば、ビットコイン)などの支払トークン、ユーティリティトークン、セキュリティトークン、及び非代替性トークンが含まれる。本明細書で使用する場合、「非代替性トークン」又は「NFT」は、例えば、デジタル化された履物製品及び/又はデジタル化されたアパレル製品のような、コンピュータで生成された仮想オブジェクトを含むデジタル資産に対応する固有の暗号トークンの形態の暗号資産を指す。NFTは、ブロックチェーンに基づくデジタル所有権証書及び/又はデジタル資産の真正性証明書であってもよい。本明細書において、NFTはデジタル資産ではないが、デジタル資産の所有権を示すために使用される。NFTは、例えば、他の関連規格の中でもERC(Ethereum Request for Comments)721(Non-Fungible Token Standard)又はERC1155(Multi Token Standard)のような現代の関連規格に従って、また、特定のブロックチェーンネットワーク及びそこで使用されるアプリケーションに適切なように構築することができる。さらに、NFTは「スマートコントラクト」上に構築され、NFTに関連するさまざまな機能や取引を指示するための特定の条件や条項が付される。要するに、NFTは取引の認証を表し、ブロックチェーン台帳(ビットコイン、イーサリアム等)上での認証の記録として機能する。そのため、NFT自体の価値は、取引のさまざまな側面、例えば、関係者、交換された価値、時 間及び/又は日付、排他性、又はその他の要因の組み合わせに応じて変動する可能性がある。さらに、取引の回数及び/又は頻度もNFTの価値を変動させる原因となる。
【0027】
デジタル資産は、それを確保する非代替性トークンで参照されるウェブアドレス(すなわち、URI)でアクセスすることができる。ウェブアドレスは、アクセスするとデジタル資産に提供できるリンクであることもあれば、デジタル資産の情報やメタデータに提供できるリンクであることもある。非代替性トークンに情報を保存することに関連する費用のため、トークン自体はデジタル資産を識別し、所有権を証明するのに十分な情報のみを含み、デジタル資産に関する残りの情報はブロックチェーンのノードではないコンピュータシステムに存在する可能性がある。ウェブアドレスにアクセスすると、グラフィカルユーザインタフェースを介してデジタル資産のプロパティのリストをユーザに返すことができ、又は、デジタル資産にアクセスする可能性のあるコンピュータプログラムやアプリケーションによって消費可能なフォーマットで返すこともできる。例えば、ウェブアドレスは、デジタル資産に関する情報をJSON形式又はXML形式で返すことができ、デジタル資産自体のアドレスは、プロパティのリストに含まれることができる。従って、ゴルフクラブを表すデジタル資産は、クラブの種類、クラブの製造に使用される製造方法、シャフトの長さ、番手の指定、クラブの重量などを指定するプロパティを持つことができる。場合によっては、非代替性トークンで参照されるアドレスは、ユーザに返される情報を変化させるか、APIエンドポイントがアクセスされるHTTPメソッドに基づく機能を実装するAPIエンドポイントである可能性がある。APIエンドポイントは、例えば、ユーザ又はシステムがGET、HEAD、PUT、又はPOSTを実行することを可能にし、実行された操作に基づいてデジタル資産のデジタルプロパティを変更することを可能にすることができる。GET及びHEAD操作は読み取り専用であり、認証を必要とせずにデジタル資産に関する一般に利用可能な情報を提供することができる。NFTで参照されるAPIエンドポイントの書き込み操作(POST、PUTなど)へのアクセスには認証が必要なため、例えば、NFT及びデジタル資産の製造者のみがアクセスできる。
【0028】
「Uniform Resource Identifier」又は「URI」は、ウェブ技術で使用される論理的又は物理的な資源を識別する固有の文字列である。URIは、場所や人などの非仮想オブジェクトや、ウェブページなどのデジタル情報リソースを含む、あらゆるリソースを識別するために使用することができる。URIは、「Uniform Resource Name」(「URN」)又は「Uniform Resource Locator」(「URL」)を構成することができる。
【0029】
「スマートコントラクト」は一般的に、ブロックチェーンネットワーク上で実行される自己強制的なソフトウェアプログラムの形をとる契約と理解されており、パブリックデータベースに保存され、それ自体は不変である。しかし、NFTのようなスマートコントラクトの条項は、当事者の1人又は複数によって決定される。スマートコントラクトを作成する際、1人の当事者又は複数の当事者は、交渉、修正、全面的又は部分的な受諾、全面的又は部分的な拒否、そして最終的には全面的又は部分的な強制又は放棄を可能にするプログラミングを含めることができる。本明細書で使用される場合、対価とは、一方の当事者から他方の当事者への交換に与えられる単に価値のあるものであり、不動産又は動産であってもよく、例えば、通貨、返却の約束、行為、又は留保であってもよいことが理解される。また、オプションはオファー側が未解決のオファーを撤回しないことを約束する対価をオファー側が提供する契約であり、オプションはより大規模な契約の一部として提供されることもあれば、オプションが契約自体の基礎となることもある。NFTのスマートコントラクトは法的強制力を持つ可能性があるが、その必要はない。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態は、履物のデジタル化された製品、又はアパレルのデジタル化された製品(例えば、ジャケット、シャツ、パンツ、ショーツ、帽子、ネックレス、時計)などの、コンピュータで生成された仮想又はデジタルコレクション又は資産に向けられている。いくつかの実施形態によれば、デジタルコレクションは、暗号トークン、例えば、NFTによって安全かつ/又は固有に識別される場合がある。デジタル資産は、履物製品の有形物品及び/又はアパレルの有形物品などの現実の物理的な製品と関連付けられ、及び/又は配布されてもよい。デジタル資産は、コンピュータ支援設計(CAD)モデル、グラフィカルレンダリング、画像、図面パッケージなどの2G又は3D設計ファイルと関連付けられ又は配布され、そこから物理的な製品が構築又はその他の方法で表現される可能性がある。
【0031】
NFTは、ブロックチェーンネットワークに格納されたブロックチェーン台帳に作成、記録、又は「ミント(minted)」することができ、それによって1つ又は複数のブロックチェーンノードのメモリに格納される。さらに、このような暗号トークンは、ブロックチェーンネットワークにおける流通から永久に除去することによって破壊又は「バーニング(burning)」することができる。バーニングは、暗号トークンの所有権を、アクセス不能で所有されていない一般的なヌルアドレスに移転することなど、さまざまな方法で達成することができる。または、暗号トークンに含まれるメタデータ、たとえばユニフォームリソースロケータ(URL)を変更又は破壊することによっても、バーニングを実行することができる。本明細書ではブランド又は組織とも呼ばれる製造業者は、市場内で希少性を創出するため、ある条件を引き起こすため、ある条件の結果として、又はセキュリティ目的のために、暗号トークンをバーン(burn)することができる。たとえば、ブランドは、暗号トークンによって保護又は識別されたデジタル資産の集合体をリリース(たとえば「売却」)し、その集合体内で売れ残った暗号トークンをバーン(burn)して、売却したトークンの排他性を維持することができる。別の例では、ブランドは、購入者が購入したデジタル資産にアクセスできるのは、その集合体のすべて又は特定の数量が購入された場合のみという条件付きで、NFTで保護又は識別されたデジタル資産の集合体を売却することがある。
【0032】
ユーザが暗号資産のロックを解除し、又は取得できるようにする方法はいくつかある。一例として、最初の購入時にPOS端末で物理的な履物製品をスキャンすると、固有のNFTと対応する秘密鍵が自動的に生成され、ユーザのブロックチェーンウォレットに割り当てられる。別の例では、印刷されたレシート又はデジタルレシート、物理的な靴に隠された又は取り付けられた視覚的又は電子的なIDタグ(RFID又はNFC)、個人ユーザのアカウントに送信されるポップアップメッセージ又は電子メール、スマートフォンに送信されるプッシュ通知又はテキストメッセージ、又はその他の記録を通じて秘密鍵がユーザに提供され、消費者は秘密鍵を使用して暗号資産をデジタルブロックチェーンウォレットにリンクする。別の例では、靴に関連付けられた物理的なコード又は固有の製品識別子(UPID)、例えば、シリアル番号(包装又は箱、下げ札、ラベルの下、中敷き、物理的な靴又は包装上のQRコード(登録商標)内に埋め込まれたもの、配色パターン又はソールトレッドパターン内に埋め込まれたものなど)を介して、また取引認証コードを介して(すなわち、消費者が靴を試着しただけで暗号資産を収集することを防止するために)、部分的に秘密鍵を組み立てることをユーザに要求することができる。
【0033】
一部の実施形態では、ブランドは、秘密鍵の第1の部分を、印刷、接着、固定などの物理的な形態で、製品、例えば、履物製品とともに提供し、秘密鍵の第二の部分は、電子メール、テキストメッセージ、電話、プッシュ通知、登録及び/又はログイン認証情報を必要とするオンラインプラットフォームへのアクセスなどを通じて、ブランドから消費者に直接伝達される。一部の実施形態では、ブランドは秘密鍵の第1の部分を製品とともに提供し、秘密鍵の第2の部分は製品の小売業者に提供される。このように、製品の取引又は購入によってのみ、消費者は小売業者から秘密鍵の第2の部分を受け取り、秘密鍵の第1の部分と組み立てることができる。一部の実施形態では、秘密鍵は、登録及び/又はログイン認証情報を必要とするオンラインプラットフォームを介して消費者が取得する複数の部分に分割される。例えば、オンラインプラットフォームは、ユーザがゲームに参加することで、秘密鍵の連続する部分を取得することを可能にし、ゲームのそれぞれのレベルを完了することで、秘密鍵の別の部分のロックが解除されるようにすることができる。一部の実施形態では、オンラインプラットフォームは、消費者が、例えば、広告の視聴、フィードバック又はレビューの投稿などのタスクを完了することによって、秘密鍵の一部のロックを解除することを許可する。
【0034】
別の例では、物理的な店舗であれメタバースやゲーム内の仮想店舗であれ、携帯型パーソナルコンピューティングデバイスの写真キャプチャ機能や拡張現実(「AR」)機能を使用して、ユーザが店舗で暗号資産を「探す」必要があるかもしれない。この方法では、有効な取引を介して秘密鍵が提供される場合があるが、デジタル資産をウォレットに転送する前に、ユーザは店舗又はローカルエリア内に隠されたARで隠された暗号資産を別途見つける必要がある(すなわち、転送が発生する前に暗号鍵と仮想オブジェクトの両方を別途取得する必要がある)。
【0035】
代表的な例では、認証された一足の物理的な靴が作成され、UPIDが割り当てられる。消費者が購入すると、UPIDを使用して、収集可能なデジタル化された靴とブロックチェーンベースの分散コンピューティングプラットフォーム上で動作する固有の非代替性トークン(NFT)から構成される暗号デジタル資産のロックを解除することができる。一般的に、消費者は、暗号化資産を購入、ロック解除、又は取得するために、ブロックチェーンウォレットアドレス(例えば、イーサリアムハードウェアウォレット)を有するか、又は調達しなければならない。ブロックチェーンウォレットは、暗号資産に属する秘密鍵を保管するために使用され、物理的な履物製品のオリジナルの製造者に登録される個人アカウントにリンクされる場合がある。
【0036】
場合によっては、暗号資産が元々物理的な製品に関連付けられているのではなく、ブランドの販促キャンペーン、イベント、モーメント、又は体験の一環として贈呈又は販売されることもある。ブランドは、抽選会、ゲーム、コンテスト、その他の仮想的な販促キャンペーン、イベント、モーメント、体験などを主催又は委託し、デジタル資産を贈呈又は販売したり、NFTを出席証明や入場券として生成したりする場合がある。
成形品の物理的属性に対応するNFTの構造
【0037】
図1は、開示された主題のいくつかの実施形態に従って、対になったデジタル及び物理的な履物製品に対応する履物NFTを生成するための例示的なシステム100を示す。
図1に示すように、システムは、1つ以上のコンピューティングデバイス又はユーザデバイス110と、1つ以上のサーバ120とを含むことができる。デジタル化された履物製品は、つま先、踵、アウトソール、ミッドソール、アッパー、つま先支持部、インソール、プレート、及び/又は踵サポート部(図示せず)を含むことができる。
【0038】
引き続き
図1を参照すると、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、1つ以上のデジタル化された履物製品に対応するデータを受け取ることができる。追加的に又は代替的に、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、1つ以上のデジタル化された履物製品の属性に対応する入力データをユーザから受け取ることができる。1つ以上のコンピューティングデバイス110は、システム100の少なくとも一部を実行して、1つ以上のデジタル化された履物製品に対応する1つ以上のNFTを生成することができる。追加的に又は代替的に、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、1つ以上の通信ネットワーク又は接続130を介して、1つ以上のサーバ120に1つ以上のデジタル化された履物製品に対応するデータを通信することができる。
【0039】
1つ以上のサーバ120は、システム100の少なくとも一部を実行することができる。そのような実施形態では、1つ以上のサーバ120は、1つ以上のデジタル化された履物製品に対応するデータを受け取ることができる。追加的に又は代替的に、1つ以上のサーバ120は、1つ以上のデジタル化された履物製品の属性に対応するユーザからの入力を受け取ることができる。1つ以上のサーバ120は、1つ以上のデジタル化された履物製品に対応する1つ以上のNFTを生成するためにシステム100の少なくとも一部を実行することができる。
【0040】
図2は、開示された主題のいくつかの実施形態に従って、コンピューティングデバイス110及び/又はサーバ120を実装するために使用することができるハードウェア200の例を示す。
図2に示されるように、いくつかの実施形態によれば、コンピューティングデバイス110は、プロセッサ202、ディスプレイ204、1つ以上の入力206、1つ以上の通信システム208、及び/又はメモリ210を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ202は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、任意の適切なハードウェアプロセッサ又はプロセッサの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態によれば、ディスプレイ204は、コンピュータモニタ、タッチスクリーン、テレビなどの任意の適切なディスプレイデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、入力206は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、カメラなど、ユーザ入力を受信するために使用することができる任意の適切な入力デバイス及び/又はセンサを含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、通信システム208は、通信ネットワーク130及び/又は他の任意の適切な通信ネットワークを介して情報を通信するための任意の適切なハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば、通信システム208は、1つ以上のトランシーバ、1つ以上の通信チップ及び/又はチップセットなどを含むことができる。より特定の例では、通信システム208は、Wi-Fi接続、ブルートゥース(登録商標)接続、セルラー接続、イーサネット接続などを確立するために使用することができるハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、メモリ210は、例えば、プロセッサ202によって、非代替性トークンを生成するため、ディスプレイ204を使用してデジタル資産を提示するため、通信システム208を介してサーバ120と通信するためなどに使用されることができ、命令、値などを記憶するために使用されることができ、任意の適切な記憶装置又はデバイスを含むことができる。メモリ210は、任意の適切な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ストレージ、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えば、メモリ210は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電子消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のフラッシュドライブ、1つ以上のハードディスク、1つ以上のソリッドステートドライブ、1つ以上の光学ドライブなどを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、メモリ210は、コンピューティングデバイス110の動作を制御するためのコンピュータプログラムをその上にエンコードすることができる。例えば、そのような実施形態によれば、プロセッサ202は、コンピュータプログラムの少なくとも一部を実行して、履物製品をカスタマイズするためのグラフィカルユーザインタフェースからの入力を受信し、ユーザのカスタマイズに基づくデジタル資産の画像をメモリに記憶し、デジタル資産に基づいて非代替性トークンを生成し、コンピューティングデバイス110及び/又はサーバ120で構成されるブロックチェーンネットワークに非代替性トークンをミント(mint)することができる。別の例として、プロセッサ202は、コンピュータプログラムの少なくとも一部を実行して、ペアになったデジタル的及び物理的な履物製品に対応するNFTを生成するためのシステム110を実装することができる。さらに別の例として、プロセッサ202は、
図5及び
図7~
図10に関連して後述するプロセス500、700、800、900、及び1000の少なくとも一部を実行することができる。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、サーバ120は、プロセッサ212、ディスプレイ214、1つ以上の入力216、1つ以上の通信システム218、及び/又はメモリ220を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ212は、CPU、GPU、ASIC、FPGAなどの任意の適切なハードウェアプロセッサ又はプロセッサの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態によれば、ディスプレイ214は、コンピュータモニタ、タッチスクリーン、テレビなどの任意の適切なディスプレイデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、入力216は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、カメラなど、ユーザ入力を受信するために使用することができる任意の適切な入力デバイス及び/又はセンサを含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、通信システム218は、通信ネットワーク108及び/又は他の任意の適切な通信ネットワークを介して情報を通信するための任意の適切なハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば、通信システム218は、1つ以上のトランシーバ、1つ以上の通信チップ及び/又はチップセットなどを含むことができる。より具体的な例では、通信システム218は、Wi-Fi接続、ブルートゥース(登録商標)接続、セルラー接続、イーサネット接続などを確立するために使用することができるハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、メモリ220は、例えば、プロセッサ212がディスプレイ214を使用してコンテンツを提示するため、1つ以上のコンピューティングデバイス110と通信するためなどに使用することができる、命令、値などを記憶するために使用することができ、任意の適切な記憶装置又はデバイスを含むことができる。メモリ220は、任意の適切な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ストレージ、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えば、メモリ220は、RAM、ROM、EEPROM、1つ以上のフラッシュドライブ、1つ以上のハードディスク、1つ以上のソリッドステートドライブ、1つ以上の光学ドライブなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ220は、サーバ120の動作を制御するためのサーバプログラムをその上にエンコードすることができる。例えば、そのような実施形態では、プロセッサ212は、サーバプログラムの少なくとも一部を実行して、履物製品をカスタマイズするためのGUIから入力を受信し、ユーザのカスタマイズに基づくデジタル資産の画像をメモリ(例えば、メモリ220)に記憶し、デジタル資産に基づいてNFTを生成し、及び/又はコンピューティングデバイス110及び/又はサーバ120で構成されるブロックチェーンネットワークにNFTをミント(mint)することができる。別の例として、プロセッサ212は、ペアになったデジタル的及び物理的な履物製品に対応するNFTを生成するためのシステム100を実装するために、サーバプログラムの少なくとも一部を実行することができる。さらに別の例として、プロセッサ202は、
図5及び
図7~
図10に関連して後述するプロセス500、700、800、900、及び1000の少なくとも一部を実行することができる。
【0046】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なブロックチェーンネットワーク300を示す。ブロックチェーンネットワーク300は、1つ以上のブロックチェーンノードを含むことができる。ブロックチェーンノードはそれぞれ、互いに(例えば、
図1及び
図2の通信ネットワーク130と同様の通信ネットワークを介して)通信しているコンピューティングデバイス110(例えば、
図1及び
図2のコンピューティングデバイス110と同様のもの)、又はサーバ120(例えば、
図1及び
図2のサーバ120と同様のもの)であってもよい。履物NFTは、ブロックチェーンノードの1つ以上に格納されたブロックチェーン台帳に格納することができる(例えば、ブロックチェーンネットワークに格納されたブロックチェーン台帳に「ミント(minted)」され、それによってブロックチェーンノードの1つ以上のメモリに格納される)。例えば、履物NFTのメタデータは、ローカルコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス110)上のメモリに格納され、1つ以上のブロックチェーンノード(例えば、サーバ120などのサーバ、及び/又はコンピューティングデバイス110と類似する可能性のあるコンピューティングデバイス)のメモリにコピーされてもよい。1つ以上のブロックチェーンノードは、ブロックチェーン台帳に含まれるデータを格納する役割を担う場合がある。1つ以上のブロックチェーンノードのそれぞれは、ブロックチェーン台帳(例えば、履物のデジタル化された製品などのデジタル資産のさまざまな取引、及びそれに対する変更を追跡する証書)のコピーを(例えば、メモリ210又は220などのメモリに)記憶することができる。
【0047】
1つ以上のブロックチェーンノードは、それぞれ、1つ以上の地理的位置に配置されたコンピューティングデバイスであってもよく、それにより、分散型コンピューティングアーキテクチャが構築される。ブロックチェーンネットワークは、パブリックネットワーク(例えば、任意のユーザが利用可能)である場合もあれば、プライベートネットワーク(例えば、特定のユーザが利用可能)である場合もある。例えば、ある組織は、デジタル化された製品及び物理的な製品(例えば、履物製品やアパレル製品)の両方に対応するNFTを保存するためのアプリケーションを開発することができる。アプリケーションは、モバイルアプリケーション、デスクトップアプリケーション、又はウェブベースのアプレット(applet)であってもよく、例えば、メモリ210又は220に格納され、例えば、プロセッサ202又は212(
図2参照)により実行されるように構成されたコンピュータ読み取り可能な命令を含む。アプリケーションをコンピューティングデバイスにダウンロードしたユーザは誰でも、その後、自分のコンピューティングデバイスをブロックチェーンノードとしてブロックチェーンネットワークに追加することができる。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンネットワークは、プライベートであってもよく、したがって、組織のアプリケーションをダウンロードし、参加承認を得たユーザに限定される。アプリケーションが一般に利用可能である場合、ブロックチェーンネットワークはパブリックネットワークであってもよい。しかし、組織がアプリケーションにアクセスできる人を制限したり、アプリケーションをダウンロードした選ばれた個人がブロックチェーンノードになることを承認することを制限したりする場合、ブロックチェーンネットワークは、例えば、許可制ネットワークなどのプライベートネットワークになる可能性がある。一般的に言えば、許可されたネットワークは、一般にはアクセスできず、特定の権原を持つユーザのみがアクセスできる分散型台帳であり、ユーザは、中央の所有者又は台帳管理者から付与された特定のアクションのみを実行することができ、証明書又は他のデジタル的な手段を通じて自分自身を識別する必要がある。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンネットワークは、既知のブロックチェーンネットワーク(例えば、ビットコイン、イーサリアムなど)であってもよく、許可されたネットワークは、既知のブロックチェーンネットワークに関連するサブセット又はサービスであってもよい。
【0048】
ブロックチェーンネットワークは、オープンでありながら暗号化されたピアツーピアネットワーク(peer-to-peer network)であってもよく、このネットワークにおいて、資産取引記録は、相互接続されたブロックの分散型不変台帳において暗号化されたハッシュ関数を介してリンクされる。それぞれのブロックチェーンノードは、ピア検証デバイス(peer-validation devices)(例えば、ブロックチェーンネットワーク内の他のブロックチェーンノード)によって評価されたそれぞれの取引の有効性を表す裏付け情報を伴う1つ以上のデジタル資産取引を含むブロックの元帳を含むことができる。暗号化された分散コンピューティングアーキテクチャは、ブロックチェーンネットワークに登録された暗号で保護された(「暗号化された」)デジタル資産の複製を防止しながら、取引された資産の認証を可能にする。分散型資産管理は、専有資産ファイルを暗号化し、暗号化されたコードをセグメントに分割し、ブロックチェーンネットワーク内の多数の異なるブロックチェーンノード(例えば、ブロックチェーンノード)にセグメントを送信することによって機能する場合がある。有効な所有者には、デジタル資産がネットワーク内のどこに位置し、ファイルを再組み立て又は「復号化」する方法を示す秘密鍵が提供されてもよい。分散型台帳として使用する場合、個々のブロックチェーンはホスト管理者によって管理され、ノード間通信と取引検証のためのプロトコルを集団的に遵守する複数のピア(multiple peers)に分散されることがある。
【0049】
履物NFTは、ブロックチェーンネットワークに格納されるデジタル資産であってもよい。履物NFTは、デジタル化された履物製品(例えば、2D表現、又は仮想履物製品の3D表現)に対応するメタデータ、及び履物トークンIDを含むことができる。履物トークンIDは、個々のセグメントに分割された32ビット、64ビット、128ビットの英数字コードであってもよい。例えば、英数字コードは、2セグメント、4セグメント、8セグメント、16セグメント、又は32セグメントに分割することができる。コードセグメントの1つ以上は、デジタル化された履物製品と、デジタル化された履物製品に対応する物理的な履物製品との間の共通の属性に対応することができる。追加的に又は代替的に、1つ以上のコードセグメントは、物理的な履物製品のみ、又はデジタル化された履物製品のみの属性に対応してもよい。例えば、履物NFT及びトークンは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721(Non-Fungible Token Standard)又はERC1155(Multi Token Standard)などの現代的かつ関連する標準に従って構築することができ、他の関連する標準の中でも、特定のブロックチェーンネットワーク及びそれに使用されるアプリケーションに適切なものとすることができる。
【0050】
例えば、コードセグメントは、履物の画像、履物のサイズ、履物のスタイル、履物のフィット感、履物の色、アウトソールのパターン、製造場所、製造日、又は購入日のグループからの1つ以上の属性に対応するメタデータを含むことができる。上記の属性の追加的な組み合わせは、当業者であれば認識できるはずである。
【0051】
属性の履物製品の形態は、ロー、ミッド、サンダル、又はブーツに対応するメタデータを含むことができる。履物製品のサイズは、米国男性サイズの4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、又は18.5に対応するメタデータから構成されてもよい。メタデータは、女性用サイズ、子供用サイズ、男女兼用サイズ、及び外国の靴のサイズ測定における同様のサイズに対応することができることを理解されたい。履物製品の色の区分けは、ブラック、グレー、ブラウン、ブルー、グリーン、オレンジ、タン、イエロー、レッド、ホワイト、マルチカラー、又はピンクに対応するメタデータから構成されてもよい。履物製品の種類の区分けは、バスケットボール、ランニング、モータースポーツ、サッカー、又はトレーニングに対応するメタデータから構成されてもよい。履物製品のフィット感の区分けは、レギュラーフィット、又はナローフィットに対応するメタデータから構成されてもよい。
【0052】
開示されたシステム及び技術は、仮想収集物のユーザ間の取引を表すデジタル資産ブロックチェーンの構築及び保存を含む、多くの有利な技術的効果を提供することを理解すべきである。さらに、ブロックチェーン技術は、(従来の保護されていないデジタルファイルとは異なり)ロスレスコピー(lossless copies)を作成することができない一般的な方法によって価値を維持する、唯一かつ完全に転送可能なデジタル資産の作成を可能にする。
【0053】
図4は、
図3のブロックチェーンネットワーク300と同様の、分散型コンピューティングシステム又はブロックチェーンネットワーク400の機能的な構造の概略図を示す。一般的に図示されているように、ユーザ404は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スタンドアロンビデオゲーム機、スマート履物/アパレル、又は他の同様のインターネット対応デバイス、例えば、テレビ、運動マシン又はデバイス、又は車両、他の例のうちの1つ以上を含むことのできるユーザデバイス110を操作しながら接続することができる。ユーザデバイス110は、変更不可能な公開データベース(例えば、ブロックチェーンサービス/ネットワーク408「ブロックチェーンネットワーク408」として参照される)、仮想オブジェクトジェネレータ412、オンラインデジタルマーケットプレイス又はプラットフォーム416、及び/又は第三者(サード)統合サービス420のうちの1つ以上と通信するように動作可能に構成されてもよい。
【0054】
一般に、ブロックチェーンネットワーク408は、デジタル資産を代表する情報を含む、そこに登録された少なくとも1つの非代替性トークンを含むことができる。ユーザ404は、ユーザデバイス110を介して、ユーザデバイスがトークンに関連付けられた暗号化されたデータを読み取ることを可能にする秘密暗号鍵を含むウォレットを所持しているか、又は保有している場合がある。この鍵はさらに、ユーザ404がトークンの所有権を自由に移転することを可能にする。
【0055】
トークンに関連付けられた情報に基づいてデジタルオブジェクトを作成するために、仮想オブジェクトジェネレータ412が提供することができる。仮想オブジェクトジェネレータ412は、結果として得られるデジタルオブジェクトが固有でありながら、予め定義されたシルエット、スタイル、記事、又は文字に従って認識可能であるように、複数のスタイル規則及び芸術的規則を採用することができる。いくつかの実施形態では、又は、資産の年齢、(ユーザデバイスを介して追跡される)ユーザアクティビティ、又はサードパーティプラットフォームを介した使用などの補助的な要因に基づいて、デジタルオブジェクトが認識される。仮想オブジェクトジェネレータ412及び/又はブロックチェーンネットワーク408は、ホストされたデジタルマーケットプレイス416、フォーラム、ソーシャルプラットフォームなどとさらに通信することができる。デジタルマーケットプレイスは、当事者間の仮想オブジェクトの組織的な取引及び/又は販売/購入を可能にする方法で、複数の仮想オブジェクトを表すことができる。売却又は譲渡が完了すると、デジタルマーケットプレイス416は、ブロックチェーンネットワーク408を新たな所有者情報で更新し、新たな資産保有者への新規又は既存の鍵の移転を促進することができる。いくつかの実施形態において、マーケットプレイス416は、表された仮想オブジェクトに対する投票又はコメントなどのさまざまな社会的関与機能をさらに可能にすることができる。同様に、いくつかの実施形態において、マーケットプレイス416は、オブジェクトの表現された特徴又は特性の合計、及び補助的な要因のいずれかを考慮して、特定の仮想オブジェクトの希少性を評価し、スコア付けするように構成される場合がある。このような希少性スコアにより、マーケットプレイス(及び/又はマーケットプレイス内に参加するユーザ)は、オブジェクトの価値をより適切に評価することができる。
【0056】
さらに、システム400は、異なる文脈又は態様での仮想オブジェクトの使用を可能にするサードパーティ統合サービス420をさらに含むことができる。サードパーティ統合サービス420は、ユーザのデバイス上で提供されるアプリ上のAPIとして、又は専用のクラウドベースのサービスとして動作することができる。いくつかの実施形態において、サードパーティ統合サービス420は、仮想オブジェクト(例えば、仮想オブジェクトジェネレータ412によって表現されるような)、及び/又は情報を外部使用のために利用可能にすることができる。そのような使用の一例には、サードパーティのビデオゲームキャラクタ上のスキン、サードパーティのビデオゲームキャラクタによって使用可能なオブジェクト、デジタルアートワーク表示、物理的な2Dプリントの生成、例えば、3Dプリントの生成などの生産で使用可能なオブジェクトなどを含むことができる。一実施形態では、情報及び/又は希少性スコアを利用可能にし、ユーザデバイス110でプレイされるビデオゲームにおけるユーザのビデオゲームキャラクタの特性又は能力を変更することができる。
【0057】
企業のホストシステム424は、新しいデジタル資産をプロビジョニング及び/又は最初に作成する目的で、ブロックチェーンネットワーク408と通信することができるさらに、ホストシステム424は、ブロックチェーンネットワーク408からのゲノム情報が視覚的/芸術的形態で表現される方法及び様式を制約するために、仮想オブジェクトジェネレータ412に1つ以上の規則を提供することができる。
【0058】
図5を参照して、ブロックチェーン台帳上のNFTによって保護されたデジタル資産を生成する方法を、本開示の態様に従って一般的に説明する。
図5の動作の一部又はすべて、及び以下でさらに詳細に説明される動作の一部又はすべては、開示される概念に関連する上記又は以下に説明される機能のいずれか又はすべてを実行するために、例えば、主又は補助リモートメモリに記憶され、例えば、常駐又はリモートコントローラ、中央処理装置(CPU)、制御論理回路、又は他のモジュール若しくはデバイス若しくはデバイスのネットワークによって実行されることのできる、プロセッサ実行可能命令に対応するアルゴリズムの代表的なものであってもよい。図示された動作ブロックの実行順序は変更されてもよく、追加のブロックが追加されてもよく、説明されたブロックの一部が修正され、組み合わされ、又は削除されてもよいことが認識されるべきである。
【0059】
図5に示す方法500は、端末ブロック502において、プログラマブルコントローラ又は制御モジュール、又は、同様に適切なプロセッサが、消費者製品のためのコンピュータ生成デジタル化された靴及び暗号化されたトークンキーなどの暗号化デジタル資産を生成するプロトコルの初期化手順を呼び出すためのプロセッサ実行可能命令で開始する。このルーチンは、リアルタイム、連続的、体系的、散発的、及び/又は一定間隔で呼び出され、実行されてもよい。
図5に記載された方法論の代表的な実施態様として、ブロック502における初期化手順は、サプライチェーン及び製造プロセスのさまざまな段階において、本物の靴が製造されるたびに、ユーザ404が現実世界の靴を購入するたびに、又はユーザ404がアクセスキーをロック解除するたびに、自動的に開始することができる。または、初期化手順は、POS端末の従業員又は製造業者によって手動で起動されることもある。
【0060】
例えば、スマートフォンを含む携帯型電子デバイスなどのユーザデバイス110を使用して、ユーザ404は、分散コンピューティングシステム400上のさまざまなピアデバイスと通信するために、サーバクラス(バックエンド又はミドルウェア)のコンピュータ(例えば、リモートホストシステム)と協働する専用のモバイルソフトウェアアプリケーション(アプリ)又はウェブベースのアプレットを起動することができる。例えば、ホストシステム424との通信セッション中に、ユーザ404は、アプリによって提供される対応する機能を使用して、一足の履物製品を購入することができる。ユーザ404は、個人情報と支払い方法を入力して取引を完了する。
【0061】
有効な支払いが完了すると、ホストシステム424は、例えば、オンラインストアの取引モジュール又は承認された第三者の電子決済システムから、ユーザ404への履物製品の有効な譲渡が完了したことを示す取引確認を受信する。上記で示したように、履物製品の有効な譲渡は、実店舗、オンラインオークションウェブサイト、アフターマーケットの消費者間取引/販売など、利用可能なあらゆる手段を通じて行うことができる。
【0062】
次に、方法500は、決定ブロック504に進み、ユーザ404が、例えば、暗号化され、分散化された方法で保存されるデジタル資産の位置情報及び検索情報をアップロードし、維持するように動作可能な、暗号通貨ウォレット又は他の同様に適切なデジタルブロックチェーンアカウントを調達したかどうかを決定する。暗号通貨ウォレットは通常、公開鍵と秘密鍵のペアを保管するが、暗号通貨自体は保管しない。暗号通貨は分散的に保管され、一般に利用可能なブロックチェーン台帳に維持される。暗号通貨は分散保管され、公開可能なブロックチェーン台帳に保持される。保管された鍵を使って、所有者は取引にデジタル的に署名し、ブロックチェーン台帳に書き込むことができる。ウォレットに関連付けられたプラットフォームが指示するスマートコントラクトは、保管資産の移転を容易にし、同じことの検証可能な監査証跡を作成することができる。ユーザ404がまだデジタルブロックチェーンウォレットを取得していない場合、方法500は、ウォレットをセットアップするために事前定義されたプロセスブロック508に進む。非限定的な例として、ユーザ404は、MyEtherWalletによって提供されるERC20互換イーサリアムウォレット、又は他の実行可能なソース又はプロバイダの中のMetamaskなどの暗号通貨のコールドストレージのためのハードウェアウォレットを提供する、一般に利用可能なウェブサイトの品揃えのいずれかを訪問するよう促されるか、又は自動的にルーティングされる場合もある。
【0063】
システムがブロック504でユーザ404が適切なデジタルブロックチェーンウォレットを持っていることを確認すると、方法500は、決定ブロック510でウォレットがパーソナルユーザカウントにリンクされているかどうかをチェックすることができる。場合によっては、ユーザ404は、以前の取引で既にウォレットをユーザアカウントにリンクしている可能性があり、したがって、方法500は処理ブロック516に進む可能性がある。ユーザ404がウォレットをリンクしていない場合、方法500は、
図5のプロセスブロック512に示されているように、デジタルブロックチェーンウォレットをパーソナルユーザアカウントに自動的にリンクするか、又はリンクするようユーザ404に促すことができる。プロセスブロック512におけるこのリンクは、ウォレットがプロセスブロック508で生成された場合、ウォレットがリンクされたかどうかの決定ブロック510でのチェックを実行する必要なく、自動的に進行する可能性がある。プロセスブロック512でウォレットを個人アカウントにリンクすることは、リモートホストシステム424が、例えば、クラウドコンピューティングシステム130を通じて提供される暗号化されたリレーショナルデータベースから、購入当事者(例えば、ユーザ404)に関連付けられた固有の所有者IDコードを取得することを必要とする場合がある。このとき、購入されたゴルフクラブに関連付けられた固有の物理的ゴルフクラブIDコードが、ユーザの個人アカウントにリンクされることがある。
【0064】
ユーザ404がデジタルブロックチェーンウォレットを取得したこと、すなわちブロック504=イエス(YES)、ウォレットがパーソナルユーザアカウントにリンクされていること、すなわちブロック510=イエス(YES)、又はブロック512でユーザのブロックチェーンウォレットをパーソナルユーザアカウントにリンクした後、方法500は入力/出力ブロック516に進み、ゴルフクラブに関連する暗号化デジタル資産を有効にする。上記に示したように、ゴルフクラブを購入した後、普遍的に認識されたUPID製品コードを使用して、暗号化されたトークンキーによって識別され、一般に収集可能なデジタル化されたゴルフクラブに関連付けられた収集可能なゴルフクラブNFTを取得することができる。一部の実施形態では、UPIDを使用して、ゴルフクラブNFTのメタデータに関連する、又は特定される第三者、例えば、フィッター(fitter)に対する補償など、ゴルフクラブNFTの機能を起動させることができる。POS端末の第三者又は小売業者、又は、ユーザデバイス110を使用するユーザ404は、ゴルフクラブ又はゴルフクラブを収納する箱のUPID又はUPCをスキャンすることができる。したがって、ブロック516で暗号化デジタル資産を有効にすることは、自動的、ランダム、系統的、賞金ベース、又は任意の論理的に適切な方法で行うことができる。
【0065】
入出力ブロック516で暗号化デジタル資産が認可されたことの確認を受信した後、方法500は、取引されたゴルフクラブの暗号化デジタル資産を生成する。これは、予め定義されたプロセスブロック520で示されるように、契約アドレス(すなわち、スマートコントラクトがブロックチェーンネットワーク上に展開されるアドレス)、トークン、及び公開鍵と秘密鍵のペアを有する固有の暗号化されたアセットコードを生成することを含むことができる。ホスストシステム424は、トークンを公開鍵及び所有者IDとともに分散ブロックチェーン台帳に送信して、取引ブロック上でユーザ404への暗号デジタル資産の移転を記録し、相互検証(peer-validate)することができる。ホストシステム424はまた、デジタル資産のメタデータ、及び/又はNFTで提供されたアドレスを介してアクセス可能なデジタル資産自体を格納することができる。方法500は、暗号化デジタル資産を固有の所有者IDコードと関連付けるために処理ブロック524へ進む。この制御ロジックは、暗号化されたアセットコードをユーザ404に割り当て、公開鍵と秘密鍵をユーザのデジタルブロックチェーンウォレットに格納するための実行可能命令を含むことができる。
【0066】
図5に示すように、デジタル資産を確保するNFTのユーザへの転送により、デジタル資産がユーザと関連付けられると、オプションのプロセスブロック540は、暗号化デジタル資産へのアクセス、転送、及び相互接続のためのすべての関連情報を含む、電子メール又はプッシュ通知などのデジタル化された通知をユーザのスマートフォン110又は他の電子デバイスに発行することができる。追加的に又は代替的に、リモートホストシステム424は、任意のプロセスブロック544において、暗号化キーに格納されたデータをユーザ404に表示される視覚的画像に変換するように動作可能なウェブベースのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をホスティングするウェブサーバとして動作することができる。デジタル資産の操作及び使用はまた、ユーザのデジタルブロックチェーンウォレットを通じて実施されてもよい。これは、オプションのプロセスブロック548で提供されるように、暗号化デジタル資産をオンラインの暗号収集可能なマーケットプレイス又はプラットフォームに投稿することを含むことができる。
【0067】
引き続き
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、ブロック516でデジタル資産が有効化又は初期化された後、方法500は、暗号化デジタル資産の仮想表現又は「デジタルアート」を生成するために処理ブロック528に進むことができる。仮想表現には、ゴルフクラブのコンピュータ生成アバター又は限定版のアーティストによるゴルフクラブの演出を含むことができる。また、暗号化デジタル資産の仮想表現の1つ以上の属性は、ユーザ404を介して全体的又は部分的に作成されることも想定される。または、プロセスブロック528でデジタルアートを生成するために、ニューラルネットワークを介してイメージの特徴を生成する機械学習機能が実行されてもよい。デジタルアートの完成後、ブロック536において、画像をホストサーバ140にアップロードし、デジタルアートをデジタル資産の一部として含めることができる。
【0068】
一般に、物理的な履物製品の属性に対応するメタデータを非代替性トークン(NFT)に組み込むことにより、NFTに対応するデジタル化された履物製品は物理的な履物製品と関連付けられる。例えば、デジタル化された履物製品は、ディスプレイの画面(例えば、コンピューティングデバイス110のディスプレイの画面)上で、対応する物理的な履物製品と同じサイズ、色、材質であるように見せることができる。一部の実施形態において、メタデータは、物理的な履物製品に関連する物理的なコード又はそのバージョンに対応するUUPIDへの参照を含み、それにより、履物NFTを物理的な履物製品に一対一で関連付けられる。一部の実施形態では、履物NFTは、例えば、属性や外観、基礎となるメタデータのバリエーションや属性の置換を有する履物NFTの集合又はファミリーとして提供される場合があるが、集合の中のそれぞれの履物NFTは、メタデータ内のUPIDを参照することにより、同一の物理的な履物製品に関連付けられる。このように、それぞれが固有のデジタル化された履物製品を含む履物NFTの集合として生成される複数の履物NFTにおいて、1つの共通の物理的な履物製品を関連付けることができる。従って、履物NFTは、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12以上の集合、20以上の集合、50以上の集合体、100以上の集合、250以上の集合、又は500以上の集合など、2つ以上の集合とすることができる。
サプライチェーンマネジメント
【0069】
製品は、例えば、部品表を構成するような、製品の原材料や投入材の調達から消費者への製品の配送に至るサプライチェーンに関連付けられることが多い。したがって、サプライチェーンのそれぞれの側面は、トークン化され、ブロックチェーン上に記録/保存されることができる。製品、例えば、
図1の履物のデジタル化された製品は、部品表に関連付けられてもよい。例えば、履物製品又はアパレルの製品のサイズ及び材料は、NFTのメタデータに格納されることができるため、本明細書に記載されるメカニズムは、履物製品又はアパレルの製品を作成するために必要な材料の数量を計算する可能性がある。追加的に又は代替的に、履物製品又はアパレルの製品を作製するために必要な材料の量は、予め知られた情報であってもよい。
【0070】
倉庫の材料の数量は、例えば、マンハッタン・アソシエイツ社又は他のプロバイダが提供するソリューションを通じて在庫を追跡及び更新するソフトウェア等の在庫管理システムに格納されてもよい。アパレル製品又は履物製品についてNFTがミント(minted)されるたびに、在庫管理システムは、ミント(minted)されたNFTの部品表に基づいて材料の数量を更新することができる。例えば、製品が0.25ポンドの熱可塑性ポリウレタンを必要とする場合、在庫管理システムは、製品のデジタル的な表示がミント(minted)されたときに、利用可能な熱可塑性ポリウレタンの数量を0.25ポンド減らすことができる。
【0071】
さらに、在庫管理システムは、在庫の材料の量に対する最小及び/又は最大の閾値を有することができる。例えば、材料の最大閾値は、所定の材料を保管する1つ以上の倉庫に保管できるその材料の最大量であってもよい。材料の最小閾値は、その材料を追加注文する前に、組織が利用可能な材料の最小量とすることができる。
【0072】
図6を参照すると、サプライチェーンブロックチェーンネットワーク(SCBC)600の一実施形態は、オリジナルメーカー又はブランドと、サプライチェーンの上流又は下流にある事業体との間で通信するために提供されるプライベートブロックチェーン604で構成される。例えば、そのような事業体には、ブランド製品の生産、アセンブリ、流通、及び配送に関与する他の事業体のうち、サプライヤ、製造又はアセンブリ施設、輸送業者、及び小売業者又は流通業者を含むことができる。プライベートブロックチェーン604は、公にアクセス可能であるよりもむしろ非公開であり、含まれる当事者(すなわち、製造業者、供給業者、流通業者、小売業者など)は匿名ではなく、すべて知られている。したがって、SCBC600は、例えば、履物NFTが常駐することのできるパブリックブロックチェーンネットワーク612と並行して使用され、これに加えて使用される。プライベートブロックチェーン604は、上述のように、許可されたブロックチェーンであってもよい。ある実施態様において、プライベートブロックチェーン604は、パブリックブロックチェーン6012上の履物NFTにリンクすることができ、又は履物NFTのメタデータは、消費者及び/又は公衆による可視性のために、SCBC600からの選択情報を含むことができる。
【0073】
図6を引き続き参照すると、SCBC600は、製品、例えば、履物の生産の個別の側面に責任を負うさまざまな事業体間のノード及び通信、例えば、無線通信のネットワークから構成される。SCBC600は、ブロックチェーンネットワーク300又は400(
図3及び
図4を参照)と同様に、又は、ブロックチェーンネットワーク300又は400上で機能することを理解することができる。特に、ノードには、マテリアルサプライヤA、マテリアルサプライヤB、及びマテリアルサプライヤCを含むことのできる複数のマテリアルサプライヤと、アセンブリサプライヤA及びアセンブリサプライヤBを含むことのできる複数のアセンブリサプライヤとが含まれる。図示される実施形態では、マテリアルサプライヤA、B、及びCのそれぞれとアセンブリサプライヤA及びNのそれぞれが、ユーザデバイス110を介してプライベートブロックチェーン604に接続されている。プライベートブロックチェーンは、ホスト又は台帳管理者としてのブランド(例えば、ホストシステム424)によって制御又は管理されるが、場合によっては、プライベートブロックチェーン604は、台帳管理者、又は分散型自律組織(DAO)、又は別の第三者サービスプロバイダによって管理されてもよいことが理解される。マテリアルサプライヤA、B及びCのそれぞれ並びにアセンブリサプライヤA及びBのそれぞれは、コンピュータによってアクセス可能であり、メモリ、ストレージ及び通信メカニズムに動作可能に接続され、及び/又はメモリ、ストレージ及び通信メカニズムを採用する、サーバに接続され、又はサーバ上に存在する在庫管理システムを維持する。さらに、マテリアルサプライヤA、B及びCのそれぞれ、並びにアセンブリサプライヤA及びBのそれぞれは、プライベートブロックチェーン604への限定的なアクセスを付与されている。したがって、マテリアルサプライヤA、B及びCのそれぞれ、並びにアセンブリサプライヤA及びBのそれぞれは、通信機構、コンピュータ及びサーバを介して、プライベートブロックチェーン604とそれぞれの在庫管理システムとの間で双方向通信が可能である。
【0074】
マテリアルサプライヤA、B及びCのそれぞれ、並びにアセンブリサプライヤA及びBのそれぞれの在庫管理システムは、SCBCに提供される機能及び/又はサービスに関連する情報を含む責任を負う。一部の実施形態では、マテリアルサプライヤAは、例えば、履物製品のアッパーを製造するために使用される繊維材料を提供することがあり、そのためマテリアルサプライヤAは繊維材料のさまざまな特性、例えば、量、種類、価格、可用性などを保存する在庫管理システムを有し、一例として、アセンブリサプライヤBは、上流のサプライヤ、例えば、マテリアルサプライヤA及びBに関連する情報と変更を記録する在庫管理システムを有している。同様に、ブランドは、それぞれのサプライヤに関連する情報と変更を記録する在庫管理システムを有している。物理的な材料がマテリアルサプライヤAからアセンブリサプライヤAに渡るとき、輸送業者(図示せず)もSCBC600の一部としてプライベートブロックチェーン604を利用し、通信することができ、それによって関係するすべての事業体のタイミングの可視性を向上させることができる。
【0075】
さらに、SCBC600は、パブリックブロックチェーン612から隠蔽され、ブランドの管理下においてバックグラウンドで動作する。そのため、事業体間の取引の詳細もプライベートブロックチェーン604から隠蔽され、したがって、単にプライベートブロックチェーン604によって事業体又は当事者間の開示から隠蔽される可能性がある。このようにして、SCBC600への参加は過度に包括されることはなく、所望の製品を生産するためにSCBC600内で契約上の義務を果たすそれぞれの事業体の機能に関連する情報など、適切かつ必要な情報のみがプライベートブロックチェーン604に記録されることができる。
【0076】
さらに、プライベートブロックチェーン604が物理的な履物製品の製造に関連するそれぞれの取引の詳細が更新されるにつれて、物理的な履物製品のデジタル的な表現が、例えば、
図4の仮想オブジェクトジェネレータ412のような仮想オブジェクトジェネレータの動作によって、リアルタイムで提供されてもよい。そのため、NFTのメタデータは、NFTのメタデータ内に格納され、製造される物理的な履物製品に対応するUPIDにより物理的な履物製品に関連付けられる。物理的な履物製品のデジタル的な表現に関連するメタデータは、特定の取引/製造の詳細に関連する所定のテンプレート又は画像ファイルにより、又はブランドを含むSCBC600を構成する事業体からの手動入力により、更新及び修正される可能性がある。このようにして、物理的な履物製品のデジタル的な表現は、SCBC600を通じて製造される物理的な履物製品の製造経過をリアルタイムで追跡し、反映することができる。デジタル化された履物製品は、さまざまなコンピューティングデバイス110上のメモリ210、及び/又はブランドを含むSCBC600を構成する事業体のさまざまなサーバ120上のメモリ220に保存又は常駐することができる。さらに、製造の進行を表すデジタル化された靴は、例として、静止画像として、又はアニメーション化された短編動画として生成することができる。
【0077】
図7は、SCBC600を実施する例示的なプロセスを示す。
図7の方法700において、プロセスブロック又はステップ704は、ブランドがプライベートブロックチェーン604を提供することから成り、次に、ステップ708は、SCBC600を形成するために複数の事業体及び在庫管理システムをプライベートブロックチェーン604に接続することを含む。方法700のステップ712は、ブランドが物理的な履物製品の製造に関連する注文データを受信することを含み、所定のテンプレート及び部品表に従って、ブランドはステップ716で、固有の製品識別子UPIDを割り当てるブランドのローカル在庫管理システムにデータを記録する。さらに、ブランドは、固有のNFTを持つプライベートブロックチェーン604に注文の詳細をミント(mints)し、そのNFTは、製造される履物製品のUPIDに関連付けられる。履物製品の製造に関連するデータは、プライベートブロックチェーン604に記録され、不変であり、SCBC600内の全ての事業体が見ることができる。続いて、ステップ720は、SCBC600内の関連する事業体に通知、例えば、自動的に生成される電子メール又は請求書が生成されることを含む。一例では、注文の詳細において特定の数量の生地材料が提供され、マテリアルサプライヤAの在庫管理システムは、ステップ724において、他の関連する詳細、例えば、タイミング又は期限、様式、出荷場所などと共に、生地に関する注文の詳細を満たすために必要な数量又は量を反映するように更新される。
【0078】
マテリアルサプライヤAが生地材料の注文を履行すると、在庫管理システム上のUPIDに関連付けられた注文データが数量の変更で更新され、履行の詳細が、ステップ728のように、NFTに関連付けられてプライベートブロックチェーン604に伝達され、記録される。このようにして、サプライチェーンに沿ったそれぞれの履行ステップの完了は、プライベートブロックチェーン604上に、不変的に、即座に、かつ可視的に記録され保存される取引を引き起こす。データは、例えば、アッパー、ミッドソール、アウトソールなどの材料などの標準的又は慣例的な特徴、並びに、例えば、レーシングシステム、特徴的なエンブレム又はロゴなどのオプションの特徴、又は履物製品のために想定することのできる任意の他の特徴又は詳細を含む、履物製品の製造に関連するさまざまな態様及び詳細を含むことができることが理解される。
【0079】
さまざまな材料及び組立ステップが受け入れられ、履行されるにつれて、それぞれがプライベートブロックチェーン604上に記録される取引を構成し、それぞれの事業体のそれぞれの在庫管理システムもUPIDに従って更新され、在庫数量が削減又は増加され、又は受取及び出荷ステータスが変更されるように、すべてがリアルタイムで行われる。いくつかの実施形態では、暗号化された履物ID又は注文詳細に組み込まれたスマートコントラクト機能により、手動入力又はさまざまな異なるシステム間の通信に関連する典型的な遅延なしに、迅速な取引、通知、追跡更新などを提供することができる。
【0080】
一部の実施形態では、ブランドは履物製品の最終組立を行い、それに応じてプライベートブロックチェーン604が注文の履行状態で更新される。次に、ステップ732において、ブランドは、自動的又は操作により、プライベートブロックチェーン604から、履物製品の製造に関与したSCBC600のさまざまな側面に関するレポートを生成する。レポートは、NFTに関連するプライベートブロックチェーン604からのそれぞれの取引のリスト及び対応する詳細を含むことができる。さらに、レポートは、SCBC600内の事業体の所在地及び経歴、使用された材料及び組立技術、履物製品のさまざまな側面の重量及びサイズ、及び所望に応じてその他の詳細を含むことができる。一部の例では、ブランドはレポート内に組み立てられた履物製品の画像を含む。一部の例では、ブランドは、レポート内に3Dモデル又は組み立てられた履物製品の3Dモデルを組み立てるための指示を含む。
【0081】
その後、ステップ736において、レポートは、パブリックブロックチェーン612などの別のブロックチェーンに保存又はミント(mint)され、プラットフォーム上でユーザがアクセスできるようにされる。いくつかの例では、ユーザが履物製品を受け取る際に、ステップ740のように、特定の履物NFTへのアクセスをユーザに与えるIDタグが提供される場合がある。一部の実施形態では、IDタグは、盗難や介入を回避するために、二段階認証、電子メール認証などで確認する必要がある部分的なトークン又はコードのみを含む場合がある。履物製品がユーザに輸送又は発送された後、ユーザはユーザデバイス110、例えば、スマートフォンから履物NFTにアクセスして閲覧することができ、またユーザデバイスや他の適切な機器を使用して履物NFTをユーザの暗号ウォレットにリンクすることもできる。SCBC600は、履物製品及びアパレルとの使用に限定されないことが理解されるはずである。
【0082】
最後に、ユーザは、ステップ744のように、サプライチェーンレポートの転送又は単なる閲覧アクセスによって、サプライチェーンレポートを提供することができる。したがって、サプライチェーンレポートは、ユーザのために、プライベートブロックチェーン604と、少なくとも部分的に、パブリックブロックチェーン612の両方に不変に記録され、真正性を示すことができる。その後、ユーザ及び/又は他の消費者は、履行詳細を閲覧することができ、これは、調達に関係するユーザにとって有用なものとなる。ユーザは、個人ではなく、小売業者又は販売業者であってもよいことを理解することができる。さらに、本方法700は、個々のユニットに限定されるのではなく、履物製品やその他の消費財の大量注文に適用可能であることを理解することができる。
【0083】
同様の方法で、オリジナル製造者に対する下流のサプライチェーンを構成する第三者の輸送業者及び小売業者も、有形の靴又は靴の注文に対応するデジタル資産にアクセスし、相互作用することを可能にすることができる。第三者の輸送業者には、例えば、United Parcel Service(UPS)、FedEx(登録商標)、DHL(登録商標)などのさまざまな組織が含まれることが理解される。さらに、小売業者には、例えば、Puma Stores、Footlocker、Famous Footwear、DSW、Kohl‘s、Stadium Goodsなどのような、さまざまな規模及び元の製造業者との関係を有する販売業者及び加盟店、並びに例えば、StockX、Zapposなどのようなオンラインプラットフォーム又は小売業者を含むことができる。サードパーティの輸送業者や小売業者を総称して、本明細書ではミッドチェーン加盟店(mid-chain merchants)と呼ぶ。物理的な履物製品がサプライチェーンを移動する際、対応するデジタル資産又は履物NFTを使用して、それぞれの在庫管理システムを更新することができる。
【0084】
このように、靴のNFTのようなNFTは、購入者とブランドの双方に真正性を保証する偽造防止ツールとして利用することができる。
【0085】
靴の偽造防止技術の一部の実施形態では、例えば、
図7に開示されているように、本明細書に開示されている他の実施形態と別個に、又は併用することができ、ブランドは、物理的な靴の最終組立時に履物NFTをミント(mint)し、その時点で靴に関連するメタデータが履物NFTに含まれる。メタデータには、例えば、UPC/UPID、型番、形状、サイズ、配色、最終組立日時、BOMなどが含まれることが理解される。さらに、履物製品は、IDタグ、例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、RFIDタグなどが貼付されたパッケージ又は箱の中に収納される。他の周辺ハードウェア又はデバイスには、ユーザデバイス110(例えば、スマートフォン又はスキャナ)、サーバ120、通信ネットワーク130又はバス、常駐メモリ210及び/又はリモートメモリ220及び/又は220などが含まれる。履物製品及び/又はパッケージがブランドから最終的には消費者へとサプライチェーンを通じて移動する際、IDタグはいくつかのチェックポイントで手動又は自動で感知又はスキャンされる可能性がある。例えば、1つのチェックポイントには、再販のために履物製品自体を購入する小売業者への履物製品の譲渡が含まれる。小売業者への履物製品の譲渡に際し、譲渡のチェックポイントの詳細、例えば、関係者、取引の詳細等が、履物NFTに関連するブロックチェーン上の取引として提供される。
【0086】
さらに、履物NFTのメタデータは、ブランドと小売業者の両方の在庫管理システムにカタログ化され、ブランドと小売業者に確認のための通知が提供される。従って、履物NFTが個人デバイス110を経由してIDタグからアクセスされると、履物NFTに関連するチェックポイントの詳細がブロックチェーン上の取引として可視化され、ユーザはブランドとの関連で履物製品の真正性を確認することができる。サプライチェーンには、このようなチェックポイントが複数含まれることがあり、そのため、履物NFTは、反復的に複数回更新されることがある。例えば、履物製品及び/又はパッケージが輸送のために車両に積み込まれる際、輸送業者(例えば、輸送ドライバー)がIDタグを感知又はスキャンして履物NFTにアクセスし、履物製品の真正性を確認することができる。また、輸送業者は、それぞれの履物NFTに関連する取引をプライベートブロックチェーン604に記録させることができ、この取引は、輸送中の関連付けられた物理的な履物製品のさまざまなチェックポイントデータ(例えば、時間位置)を記録することができる。その後、輸送業者が履物製品及び/又は荷物を降ろした後、IDタグを再びスキャン又は感知して、関連付けられた履物NFTに関連する別の取引をプライベートブロックチェーン604に記録させることができる。一部の実施形態では、履物製品及び/又は荷物の積荷は、安全が確保されていない車両内で長距離にわたって日常的に輸送される大量のものを含む場合があり、履物製品の積荷が紛失又は盗難の影響を受けやすくなる可能性がある。したがって、プライベートブロックチェーン604上の関連付けられた履物NFTに関連する取引にチェックポイントデータを記録することで、途中で紛失や盗難がなかったことを認証することができる。
【0087】
一部の実施形態では、履物NFTは、それぞれのチェックポイントにおけるブランドと第三者との間の履物製品の現物の移転に関連して更新される条件及び/又は条項を有することができる。例えば、履物NFTは、第三者、例えば、ブランドアンバサダー、輸送業者、販売業者、又はその他の公認団体が請求するロイヤリティ又は手数料の割当てを含むことができ、手数料の割当ては、予め決定された金額又は値に設定され、予め決定された条件に従うことができる。消費者は、特定の有名人に関連する、又は有名人が推薦するシグニチャー商品に対して、その商品が本物であり偽造品でないことを条件に、より多くの金額を支払うことはよく知られている。そのため、ブロックチェーンネットワーク上の履物NFTを利用した偽造防止技術により、このような認証を独自の方法で迅速、安全かつ大規模に運用することが可能となる。
【0088】
一例として、第三者がIDタグをスキャン又は感知することにより、割当てられた料金が請求される。第三者のスキャナ又はその他のデバイスは、履物NFTの所有者又は作成者(例えば、ブランド)に通知又は要求を送信する。承認されると、第三者の認証情報、トークン、及びチェックポイントの詳細が履物NFTの所有者と交換される。手数料のスロットは任意とすることができ、第三者は、手数料を請求する権利を放棄する意図的な選 択により、又は故意若しくは偶発的な1つ以上の条件違反により、手数料の請求を拒否することができる。手数料のスロットは、条件を満たす見返りとして手数料の割当てを請求する第三者に支払われるロイヤリティ又は固定料金として機能することができる。条件には、IDタグをスキャン/読み取ることによる受領の承認、倉庫やショールームや車両内での安全かつ持続可能な履物製品の保管又は提示、メタデータに表示される履物製品の位置とタイムスタンプの更新、第三者の在庫状況のリアルタイムでの伝達、又はそれらの組み合わせ、又はその他の条件が含まれる。さらに、ブランドは、特定の条件が満たされた場合にのみ、第三者が手数料を請求できるようにするロイヤリティ条件を設定することができる。例えば、小売業者や販売業者の場合、第三者が、(a)模倣品や競合品の在庫がないこと、又は、(b)模倣品や競合品の在庫がないことを約束することを条件とすることができる。このような条件を設定するため、履物NFTに組み込まれた検索/ルックアップ機能は、スキャン時に自動的に、又は当該機能に同意するよう第三者に促した後に、チェックポイント時に第三者の在庫データベース(例えば、オンラインでアクセス可能でクラウドサーバーに格納されたデータベース)の検索を実行することができる。さらに、サードパーティは、チェックポイント時にこのような検索/ルックアップ機能を実行する代わりに、ロイヤルティ条件違反時に手数料のスロットによって受け取った価値を放棄することに同意してもよい。その結果、サードパーティは、要求されるそれぞれの条件を実行し、ブランドとの信頼できる、相互に有益な関係を維持するよう動機付けられる。
さらに、消費者は、このような偽造防止技術の運用によって維持されるサプライチェーンネットワーク内にある「公認」された第三者からブランド製品を購入する動機付けが与えられる。
偽造品対策
【0089】
ブランドはビジネスや評判のために模倣品の防止を望むが、市場に模倣品が存在することで最大のリスクに直面するのはユーザであることが多い。例えば、運動靴の模倣品は、靴にかかる大きな磨耗や応力に耐えるのに十分な素材品質や構造を備えていない可能性があり、使用中の消費者の健康や安全に重大なリスクをもたらす可能性がある。模倣品と、模倣品が消費者、市場、ブランド、評判にもたらす損害に対抗する重要な方法の一つは、模倣品の見分け方について消費者を教育することである。消費者は模倣品が市場に蔓延するのを防ぎたいと願っているかもしれないが、ユーザにはそのための十分なツールやインセンティブが提供されていないことが多い。さらに、消費者は高品質のブランドや製品に付随する独占性や知名度といった利点を望むことが多く、ブランドは消費者の忠誠心や信頼を得ようとする。場合によっては、全員の相互利益のために共通の関心事を中心にクラブが形成される。すなわち、非ゼロサムゲームアプローチである。また、消費者がブランドと協力することで、双方に利益をもたらす場合もある。
【0090】
偽造防止技術の一実施形態において、ユーザは、偽造製品が市場に浸透又は存続するのを識別し、抑止するためにブランドを支援することができる。本開示の実施形態による偽造防止プロセス800の一例を示す
図7を参照すると、プロセスブロック又はステップ804は、例えば、
図4のデジタルプラットフォーム416のようなオンラインプラットフォームを提供することからなり、このオンラインプラットフォームは、消費者がメンバーとして参加することができ、スマートフォーム、例えば、さまざまなユーザの嗜好又はデータ(クッキー)と動作可能に接続され、ユーザがフィールドに入力するのを支援するフィールドを有するソフトウェア対応フォームからなる。このフォームは、偽造品の識別及びその証拠を提出するための予備フォームである。消費者はいつでもプラットフォームへの参加を選択することができ、偽造防止キャンペーンの一環として宣伝又は奨励されることがある。ブランドは、例えば、特定の商品に焦点を当てた季節ごとのキャンペーンなど、さまざまな時期や方法で模倣品対策キャンペーンを推進する。本明細書で言及する偽造防止プラットフォーム(ACP)は、方法800のステップ808で示すように、デジタルプロフィールの作成によって参加することができ、また、デジタルウォレットへの接続も可能である。ユーザがACPに加入した後、会員ステータスに達し、例えば、オファーやイベントへの独占的アクセス、偽造防止プロセス800への参加、本明細書で説明するフォームへのアクセスなどの利益に対するロックが解除される。ACPのメンバーとして、ブランドは、偽造品の識別方法など、偽造防止技術に関する教材やコンテンツを提供する。ある消費者は人気サイトや人気店舗で検索しながら模倣品を識別する基本的なスキルだけを望むかもしれないし、他のユーザはさまざまな形式、設定、市場、地域で模倣品を識別する、より高度なスキルを望むかもしれない。そのため、同ブランドでは、初心者向けから専門家向けの偽造品対策テクニックまで、幅広い教育コンテンツを制作するとともに、ユーザとの接点を維持し、信頼関係を構築する。
【0091】
ステップ812において、ユーザは、ブランドがACCで提供する教育コンテンツを通じて学んだ偽造防止技術を用いるか、又はユーザが偽造品を特定したと判断する任意の方法によって、偽造品を特定する。さらに、方法800のステップ812には、ユーザが、個人の販売者、電子商取引サイト又はマーケットプレイスなどによって販売された、又は販売のために提供された偽造品の証拠を収集することが含まれる。証拠の収集には、スマートフォンのカメラで写真又はビデオを撮ること、オンラインサイトからスクリーンショットを撮ること、オンライン電子商取引サイト又はマーケットプレイスへのアドレス、例えば、URLへのリンクをコピーすること、合法的手段によって偽造製品を没収すること、又は証拠を収集する他の任意の適切な方法を含むことができる。さらに、偽造品の証拠には、写真やビデオ、オンラインサイトのアドレスやURLへのリンク、オンラインサイトのスクリーンショットなどを含めることができる。
【0092】
ステップ812には、ユーザが収集した証拠を含むフォームをブランドが管理するプライベートブロックチェーン又はバウンティチェーンに送信することも含まれる。バウンティチェーンは、ACPのメンバーのみがバウンティチェーンにアクセスでき、ブランドは特定のタスクのみにさまざまな方法でアクセスを制限できる許可制ブロックチェーンなど、ACPメンバーとブランド間のプライベートブロックチェーンネットワークとすることができる。ユーザがバウンティチェーン(bounty chain)に証拠を提出するために、必須フィールドと任意フィールドを備えたスマートフォームがユーザに提供される。必須フィールドの中には、例えば、本人確認日、何らかの形式の視覚的証拠又はリンクの添付、ユーザプロファイルID又はウォレットID又はアドレス、及び提出が善意で行われたものであるというチェックボックス条件が含まれてもよい。オプションのフィールドには、例えば、偽造品の識別に係る事実の簡単な説明、追加の非視覚的証拠、追加のユーザ又は当事者による裏付けなどを含めることができる。スマートフォームの記入が完了すると、ユーザはブランドバウンティチェーンにフォームを提出することを選択する。
【0093】
ステップ816において、バウンティチェーンは、偽造品を特定するプラットフォームを通じてスマートフォームの提出を受け取り、ユーザが実際に偽造品を特定したかどうかを判断するためのレビュープロセスを開始する。次に、ステップ820は、スマートコントラクトの一部として動作するアルゴリズムによって実行することのできるレビュープロセスで構成される。追加的に又は代替的に、ステップ820のレビュープロセスは、例えば、弁護士、エンジニア、サプライチェーンマネージャー、購入者、又はブランドの他の資格のある代理人などの専門家によって、部分的に又は全体的に監督され及び/又は実行されてもよい。さらに、デューディリジェンスが実施され、模倣品を販売又は提供している事業体、提出された証拠に関連する他の模倣品の特定、模倣品を特定するために提出された証拠の有効性及び強度が調査される。次に、ステップ824は、完了したレビュー及び調査/究明プロセスの結果としての偽造品の判定を含む。判定がイエス(YES)の場合、模倣品は確かに特定される。ノー(NO)の場合、模倣品は模倣品ではないと判定されたか、又は判定を行うには証拠が不十分であり、ステップ828で示されるように、判定及び証拠のエラー又は問題点に関する関連メッセージを含む通知がユーザに提供される。
【0094】
ステップ832で、偽造品が証拠によって特定されたと判定された(判定=イエス(YES))後、審査プロセスと証拠提出に関連するすべての情報がバウンティチェーン台帳に記録され、その結果がユーザに通知される。ユーザ及び他のACPメンバーは、バウンティチェーンにアクセスすることにより、記録された提出及びレビュープロセス情報を見ることができる。次に、ステップ836は、偽造製品が販売され続けることを防止するための措置を開始するために、正式なレポートを作成し、販売者及び/又は地域の管理機関若しくは当局に送付することを含む。場合によっては、模倣品を市場から排除し、模倣品販売者及び/又はサプライチェーンに対する法的措置を追求するために、法的手続が発動されることもある。次に、ステップ840は、バウンティチェーン上の偽造記録の読み取り専用で閲覧可能なフォーマットへのリンクの形で提供されるデジタル資産を用いて、ブロックチェーン台帳又はネットワークにNFTをミント(mint)することを含む。いくつかの実施形態では、デジタル資産は、販売者及び/又は当局に送信される偽造活動報告の簡略化され修正されたバージョンであってもよい。いくつかの実施形態では、デジタル資産は、販売者及び/又は当局に送信された偽造活動報告全体、完全なものであってもよい。
【0095】
次に、オプションのステップ844は、偽造記録(複数可)のミント(minted)されたNFTを、偽造製品を特定したユーザに転送することを提供する。したがって、ユーザはブロックチェーン上のNFTで報われ、偽造品の視覚的証拠を含む偽造レポートのデジタル資産に関連付けられる。ブランドのバウンティチェーン(Brand bounty chain)への模倣品の識別と提出に成功した後、ユーザは模倣品報告NFTを収集することができる。こうして、ユーザは模倣品を特定するための評判を獲得し、その評判は時間の経過とともにユーザの利益とすることができる。さらに、ブランドは、任意で、あらかじめ決められた通貨(例えば、不換紙幣、現物、暗号など)で、あらかじめ決められた手数料に従ってユーザに支払いを行うことができる。
【0096】
少なくとも本明細書で説明した理由から、本開示のいくつかの実施形態によるメカニズムは、製造工程の材料の在庫を追跡及び維持するのに有益である。
追加的な方法
【0097】
図9を参照すると、NFTを用いた偽造防止方法900が示される。ステップ904は、ユーザデバイス(例えば、スマートフォン及びユーザインタフェースを含むユーザデバイス110)を介してオンラインプラットフォーム(例えば、プラットフォーム416)にアクセスするユーザなどのユーザからデータ又は入力を受信することを含む。いくつかの実施形態において、データ入力は、デジタル化された履物製品の少なくとも1つの属性に対応する。いくつかの実施形態において、属性は、例えば、サイズ、配色、紐システム、プレートデザイン、特徴又は特注のレタリング/シンボルなど、履物製品のさまざまな特徴又は態様を含む。次に、ステップ908は、デジタル化された履物製品の1つ以上の属性に基づいて物理的な履物製品を製造することを含む。幾つかの実施形態では、物理的な製品の製造は、
図6及び
図7のSCBC600を含むか、又は採用することができる。いくつかの実施形態において、物理的な履物製品の製造は、例えば、射出成形、織り、留め、縫い又はステッチ、熱プレス、セメント又は接着、インターロック、又は物理的な履物製品を形成する任意の他の従来の方法などの従来の製造方法の使用を含む。いくつかの実施形態では、物理的履物製品の製造は、例えば、層ごとに印刷するなどの付加的な製造法を含む。
【0098】
次に、ステップ912は、NFTによって認証されたデジタル資産を生成することを含む。いくつかの実施形態では、NFTは、デジタル的及び物理的な履物製品の少なくとも1つの属性、並びに物理的な履物製品の製造日に対応するメタデータを含む。さらに、ステップ916は、例えば、ブロックチェーンネットワーク300、ブロックチェーンネットワーク408、プライベートブロックチェーン604、又はパブリックブロックチェーン612などのブロックチェーンネットワークにNFTを記録又は保存することを含む。いくつかの実施形態では、NFTは、物理的な履物製品と一対一の関係を確立する単一の非代替性トークンである。いくつかの実施形態では、NFTは、個別に移転可能な非代替性トークンの集合又は複数である。トークンの集合は、例えば、履物製品の属性の少なくとも1つに関連する再帰的順列を生成するための並べ替え生成器(permutation generator)を用いて生成することができる。いくつかの実施形態では、トークンの集合は、例えば、カラー又はトーンフィルタ、モザイクプロット、2値画像レンダリング、8ビット画像レンダリング、16ビット画像レンダリング、グレースケールレンダリング、白黒レンダリング、白塗り、明るさ、コントラスト、シャープネス、透明度、又は任意の他の画像処理技術など、さまざまな画像処理技術又はアルゴリズムを適用することによって生成することができる。
図9の方法900は、本開示の方法500、700、800、及び1000とともに利用することができることを理解することができる。さらに、方法500、700、800、900、及び1000のいずれかを、部分的に又は全体的に、以下に説明する実施形態と組み合わせて実行することができる。
【0099】
図10を参照すると、NFTを用いて偽造を防止する方法1000が示されている。
ステップ1004は、デバイス、例えば、ユーザインタフェースを含むユーザデバイス110によって認識されるように構成され、通信ネットワーク、例えば、通信ネットワーク130を介して無線通信するIDタグを有する物理的な製品を製造することからなる。IDタグは、バーコード、QRコード(登録商標)、RFIDタグ、又はNFCタグの形態で提供されるか、又はそれを含むことができる。物理的な製品は、履物製品、アパレル、ヘッドギア、又はコレクションであるかどうかを問わず、その他の消費財が含まれてもよい。デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、バーコードスキャナ、スマートウォッチ、又はウェブ対応で電子ディスプレイを備えたユーザインタフェースを含むその他の電子デバイスであってもよい。
【0100】
ステップ1008は、物理的な製品及びメタデータの表現を有するデジタル資産を提供することを含む。デジタル資産は、非代替性トークン(NFT)であるNFTによって認証される。メタデータは、物理的な製品のIDタグに対応する固有の製品識別子(UPID)を含む。ステップ1012は、例えば、ブロックチェーンネットワーク300、ブロックチェーンネットワーク408、プライベートブロックチェーン604、又はパブリックブロックチェーン612などのブロックチェーン上に、暗号的に保護されたデジタル資産を格納することを含む。
【0101】
ステップ1016は、物理的な製品のIDタグをデジタル資産に関連付けることを含む。IDタグがデバイスによって読み取られると、デバイスのユーザインタフェースは、物理的な製品の表現とともに、暗号的に保護されたデジタル資産を表示する。オンラインプラットフォーム、例えば、プラットフォーム416は、IDタグが読み取られ、又は認識されると、デバイスのユーザインタフェース上に表示される。一部の実施形態では、オンラインプラットフォームは、例えば、そのようなデジタル資産のためのストアフロント、リスト、マーケットプレイスなどの複数の暗号化されたセキュリティで保護されたデジタル資産から構成される。いくつかの実施形態において、メタデータは、物理的な製品に関連する属性を含む。属性は、配色、サイズ、材料、製造日、又は物理的な製品に関連する他の情報を含むことができる。
図10の方法1000は、本開示の方法500、700、800、及び900とともに利用できることを理解することができる。さらに、方法500、700、800、900、及び1000のいずれかは、部分的に又は全体的に、以下に説明する実施形態と組み合わせて実行されてもよい。
仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、及び/又はグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を使用したNFTの生成
【0102】
グラフィカルユーザインタフェース(GUI):
【0103】
本開示のいくつかの実施形態は、ユーザインタフェース(例えば、ウェブサイト、コンピュータアプリケーション、モバイルアプリケーション等)上で履物製品の要素をカスタマイズすることによってNFTを生成することを含むことができる。ユーザインタフェースを用いて、ユーザは、履物製品のさまざまな属性について、好みの選択をすることができる。次に、ユーザは履物製品の向きを選択し、選択された向きで履物製品の画像をキャプチャし、キャプチャされた画像に対応するメタデータをNFTに入力する。
【0104】
グラフィカルユーザインタフェース(GUI)は、履物製品NFTを生成するために使用することができる。具体的には、グラフィカルユーザインタフェースは、デジタル化された履物製品の側面をカスタマイズし、履物NFTのメタデータセグメントに値を割り当てるために使用することができる。ユーザは、個人用のデバイス110を使用して、メニューを含むウェブサイト、コンピュータアプリケーション、ウェブベースのアプレット、又はモバイルアプリケーションにアクセスすることができる。メニューオプションを選択すると、1つ以上のカスタマイズ可能な機能のリストが表示される。ユーザは、1つ以上の機能のそれぞれについて、所定のオプションを選択することができる。1つ以上の機能のそれぞれのオプションを選択することにより、ユーザは、履物トークンのメタデータセグメントのそれぞれに値を割り当てることができる。
【0105】
履物トークンのメタデータセグメントのそれぞれに値を割り当てた後、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して表示されたデジタル化された履物製品に対応する物理的な履物製品を購入することができる。物理的な履物製品を購入すると、ブロックチェーン台帳にデジタル化された履物製品がミント(minted)される。事実上、ユーザは、物理的な履物製品と、購入された物理的な履物製品に対応するデジタル履物製品を所有することができる。
【0106】
仮想現実(VR):
【0107】
本開示のいくつかの実施形態は、(例えば、バーチャルリアリティヘッドセットを装着しながら)バーチャルリアリティ環境において履物製品の要素をカスタマイズすることによってNFTを生成することを含むことができる。バーチャルリアリティヘッドセットを装着している間、ユーザは履物製品を見ることができる。履物製品は、テーブルの上、仮想キャラクタ(例えば、人、動物)の上、又は任意の環境ディスプレイ(例えば、無地の背景、スポーツフィールドの背景、通り、小売店など)の前に表示されてもよい。バーチャルリアリティ環境の中で、ユーザは、履物製品のさまざまな属性について、好みの選択をすることができる。次に、ユーザは、(例えば、バーチャルリアリティ環境内で履物製品を回転させることによって)履物製品が向く方向を選択することができる。ユーザはさらに、選択された方向における履物製品の画像をキャプチャし、キャプチャされた画像に対応するメタデータをNFTに入力することができる。
【0108】
さらに、仮想現実環境は、履物NFTを生成するために使用することができる。具体的には、バーチャルリアリティ環境は、デジタル化された履物製品の側面をカスタマイズし、履物NFTのメタデータセグメントに値を割り当てるために使用することができる。バーチャルリアリティ環境は、ユーザが選択可能なメニューを含むことができる。メニューオプションを選択すると、1つ以上のカスタマイズ可能な機能のリストが表示される。ユーザは、1つ以上の機能のそれぞれについて所定のオプションを選択することができる。1つ又は複数の特徴のそれぞれについてオプションを選択することにより、ユーザは、履物製品のトークンのメタデータセグメントのそれぞれに値を割り当てることができる。
【0109】
履物トークンのメタデータセグメントのそれぞれに値を割り当てた後、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェースを介して表示されたデジタル化された履物製品に対応する物理的な履物製品を購入することができる。物理的な履物製品を購入すると、ブロックチェーン台帳にデジタル化された履物製品がミント(minted)される。ブロックチェーン台帳は、ブロックチェーンネットワークに保存されてもよい。事実上、ユーザは、物理的な履物製品だけでなく、購入した物理的な履物製品に対応するデジタル化された履物製品も所有することができる。
【0110】
拡張現実(AR):
【0111】
拡張現実は、コンピュータで生成された画像を、ユーザの物理的な世界観に重ね合わせる機能を提供する。事実上、拡張現実は、物理的な世界に仮想レイヤーを追加するために使用され得る。本開示のいくつかの実施形態では、拡張現実は、ブロックチェーンネットワークに保存された非代替性トークンのメタデータに保存されている2次元又は3次元画像を表示するために使用されることがある。例えば、デジタル化された履物製品及びデジタル化されたアパレル製品は、拡張現実メガネ、スマートフォン、カメラ、又はコンピュータ生成画像をユーザの物理的世界の視野に重ね合わせることができる光学レンズを備えた他のコンピュータデバイスを使用することにより、拡張現実で表示することができる。
【0112】
本開示のいくつかの実施形態は、拡張現実環境において(例えば、拡張現実眼鏡を着用しながら、又はスマートフォン若しくは他のコンピューティングデバイス上で拡張現実環境と対話しながら)履物製品の要素をカスタマイズすることによってNFTを生成することを含むことができる。拡張現実環境を操作している間(例えば、拡張現実メガネを装着している間、又は光学レンズを備えたコンピューティングデバイス上のディスプレイスクリーンと相互作用している間)、ユーザは履物製品を見ることができる。履物製品は、物理的な世界のある面に表示されてもよい。追加的に又は代替的に、履物製品はユーザの身体(例えば、足又は靴下上)に表示されてもよい。バーチャルリアリティ環境の中で、ユーザは、履物製品のさまざまな属性の好みを選択することができる。次に、ユーザは、履物製品の向きを選択することができる(例えば、バーチャルリアリティ環境内で履物製品を回転させることによって、又は拡張現実環境を回転させることによって)。ユーザはさらに、選択された方向における履物製品の画像をキャプチャし、キャプチャされた画像に対応するメタデータをNFTに入力することができる。
【0113】
拡張現実環境は、履物製品NFTを生成するために使用することができる。具体的には、拡張現実環境は、デジタル化された履物製品の側面をカスタマイズし、履物NFTのメタデータセグメントに値を割り当てるために使用することができる。仮想現実環境は、ユーザが選択可能なメニューを含むことができる。メニューオプションを選択すると、1つ以上のカスタマイズ可能な機能のリストが表示される。ユーザは、1つ以上の機能のそれぞれについて所定のオプションを選択することができる。1つ以上の機能のそれぞれについてオプションを選択することにより、ユーザは、履物トークンのメタデータセグメントのそれぞれに値を割り当てることができる。
【0114】
履物トークンのメタデータセグメントのそれぞれに値を割り当てた後、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェースを介して表示されたデジタル化された履物製品に対応する物理的な履物製品を購入することができる。物理的な履物製品を購入すると、ブロックチェーン台帳にデジタル化された履物製品がミント(minted)される。ブロックチェーン台帳は、例えば、ブロックチェーンネットワーク300、ブロックチェーンネットワーク408、プライベートブロックチェーン604、又はパブリックブロックチェーン612などのブロックチェーンネットワークに格納されてもよい。事実上、ユーザは、物理的な履物製品だけでなく、購入された物理的な履物製品に対応するデジタル化された履物製品も所有することができる。
【0115】
本明細書に開示されたプロセス及びシステムのいずれもが、あらゆる製品又は消費財に使用できることを理解することができる。例えば、靴下は、いくつかの実施形態に従って、拡張現実環境においてデジタル化された履物製品を表示するために使用することができる。靴下は、つま先、踵、内側、外側、上側、下側、及び1つ以上のビジュアルインジケータを含むことができる。着用者の足の舟状骨に対応する舟状部が上側に配置されていてもよい。第1又は上部ビジュアルインジケータは、舟状骨とつま先の間で靴下の上部に沿って延びていてもよい。第2又は内側ビジュアルインジケータは、踵とつま先の間の靴下の内側に沿って伸びていてもよい。第3又は外側ビジュアルインジケータは、踵とつま先の間の靴下の外側に沿って伸びていてもよい。第4又はつま先ビジュアルインジケータは、内側と外側の間の靴下のつま先に沿って伸びていてもよい。第5又はヒールビジュアルインジケータは、内側と外側との間の靴下の踵に沿って延びていてもよい。
【0116】
1つ以上のビジュアルインジケータは、いくつかの実施形態による視覚処理機構を使用してコンピューティングデバイスに認識可能な既知の色相又は太さを有する実線であってもよい。又は、1つ以上のビジュアルインジケータは、ダッシュ間の距離が既知の破線であってもよく、それによって、視覚インジケータは、いくつかの実施形態による視覚処理機構を使用するコンピューティングデバイスにおいて容易に認識可能とすることができる。又は、1つ以上のビジュアルインジケータは、いくつかの実施形態による視覚処理機構を使用するコンピューティングデバイスに容易に認識可能な既知のデザインを有するパターン化されたもの(例えば、斜めのダッシュ、ボックス、又はドット)であってもよい。
【0117】
コンピューティングデバイスは、上部ビジュアルインジケータに沿って投影されるように履物製品のアッパーの上部を表示することにより、デジタル化された履物製品を生成してもよい。コンピューティングデバイスは、ヒールインジケータに沿って投影されるように履物製の踵を表示することにより、デジタル化された履物製品を生成してもよい。コンピューティングデバイスは、内側インジケータに沿って投影されるように履物製品の内側を表示することにより、デジタル化された履物製品を生成してもよい。コンピューティングデバイスは、つま先インジケータに沿って投影されるように履物製品のつま先を表示することで、デジタル化された履物製品を生成してもよい。一般的に、ビジュアルインジケータは、デジタル化された履物製品を靴下に装着するために使用され、デジタル化された履物製品に対応する物理的な履物製品が物理的な世界で着用されたときにどのように見えるかをユーザが正確に確認できるようにすることができる。
NFTに基づく成形品を製造する態様
【0118】
本明細書で先に説明したように、本開示のいくつかの実施形態によるデジタル資産(例えば、本明細書で先に説明したデジタル化された履物製品、又はデジタル化されたアパレル製品)は、物理的な製品を構築又は他の方法で表現することができる(コンピュータ自動設計)CADモデル、グラフィカルレンダリング、画像、又は図面パッケージなどの2D又は3D設計ファイルと関連付け又は配布することができる。
【0119】
履物製品のいくつかの態様は、3D印刷を用いて製造することができる。3Dプリンタと通信しているコンピューティングデバイス、例えば、ユーザデバイス110は、デジタル化された履物製品に対応するメタデータを含むNFTを受信することができる。ユーザは、履物製品の一部を3Dプリンタに設置することができ、3Dプリンタは、デジタル化された履物製品に対応する3Dデザインファイルに基づいて履物製品の一部を印刷することができる。例えば、ユーザは、アッパーとミッドソールを含む履物製品を3Dプリンタに設置することができ、アッパーとミッドソールはデジタル化された履物製品のアッパーとミッドソールに対応する。次に、3Dプリンタは、3Dプリンタによって受信されたNFTのメタデータに基づいて、ミッドソールにアウトソールを印刷することができる。その後、NFTはトークンを更新してアウトソールの製造日を示すことができる。
【0120】
いくつかの実施形態において、履物の物理的な製品は、それぞれ靴ひもやプレートなどの付属品又は構成要素を含むことができる。例えば、プレートの実施形態に関連して、プレートは、つま先立ちのとき、又はその直前にユーザにエネルギーを戻すための推進プレート、又は凹凸のある地形(例えば、岩、小枝、トレイルなど)での衝撃による変形を吸収及び/又は抵抗するためのロックプレートであってもよい。ユーザは、特定のニーズに合わせて補強要素、例えば、プレート内に埋め込まれた炭素繊維の濃度を調整するなどして、特定のニーズに合わせた適切なフィット感や性能のためにプレートをカスタマイズすることを望むかもしれない。いくつかの例では、プレートは、ユーザの足及び/又は歩行分析から取得された入力、例えば、測定値に従って配置された補強要素を層ごとにカスタム印刷することが可能である。多くの場合、入力は3Dモデルを生成できるシステムに組み込まれ、シミュレーションを実行することでプレートの調整が可能になる。システムはまた、3Dモデルに従ってプレートを製造するために、3Dプリンタによって読み取られるように構成された命令を生成することもできる。
【0121】
しかし、多くの場合、プレートは靴底構造の中に完全に隠されているか、又は靴の外側から部分的にしか見えないため、3Dモデル又はレンダリングのみをプレートの視覚として利用することが可能となる。そのため、ユーザは、カスタマイズされ3Dモデルでレンダリングされたプレートが、実際に履物製品の中に取り付けられたプレートであることの検証や認証を望んでいる。
【0122】
したがって、3Dモデルは、例えば、.dwg、.prt、.model、.par、.asmなどのファイルの形態で提供され、
図9のプロセス900に従って、デジタル資産が3Dモデルと共に生成され、ブロックチェーン上でNFTとしてミント(minted)される。NFTがミント(minted)されると、カスタマイズされたプレート及び3Dモデルのさまざまな詳細及び側面、例えば、プレートのUPID、作成日時、材料組成、剛性及び/又は抵抗プロファイル、寸法、重量、形状、サイズ、デザイナー名又は識別、ユーザ名又は識別、履物への組み付け日、履物製品のUPIDなどが含まれる。さらに、NFTは、3Dモデルに基づくカスタマイズプレートのデジタル化された表現を含む場合がある。NFTはブロックチェーンでミント(minted)されるため、不変となる。その結果、ユーザにはカスタマイズされたプレートの視覚的表現と、カスタマイズされたプレートが履物製品に関連付けられ、履物製品の中に組み込まれていることをNFTの形で示す認証が提供される。
【0123】
いくつかの実施形態において、任意の適切なコンピュータ可読媒体を、本明細書に記載の機能及び/又はプロセスを実行するための命令を記憶するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、不揮発性であってもよい。例えば、不揮発性のコンピュータ可読媒体は、磁気媒体(ハードディスク、フロッピーディスクなど)、光媒体(コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスクなど)、半導体媒体(RAM、フラッシュメモリ、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)など)、転送中に一時的ではなく、永続性を欠いていない適切な媒体、及び/又は任意の適切な有形媒体などの媒体を含むことができる。
【0124】
図5及び
図7~
図10のプロセスの上述の態様は、図示及び記載された順番及びシーケンスに限定されず、任意の順番又はシーケンスで実行又は実行することができる。また、
図5及び
図7~10のプロセスにおける上記の態様のいくつかは、待ち時間及び処理時間を短縮するために、適切な場合には実質的に同時に実行又は並列に実行することができる。
【0125】
本発明を前述の例示的な実施形態において説明及び図解してきたが、本開示は例示によってのみなされたものであり、本発明の実施の細部における多数の変更が、後に続く特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。開示された実施形態の特徴は、さまざまな方法で組み合わせたり並べ替えたりすることができる。
【外国語明細書】