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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175673
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】紡糸機械及び方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 15/00 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
D01H15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024090054
(22)【出願日】2024-06-03
(31)【優先権主張番号】504423
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェルター、デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】ユーディンガー、ローター
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シュピッツァー、ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056CB25
4L056EB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ボビン上の糸端部を見つけるために負圧に供することができる吸引ノズルとともに、糸を生産するための負圧に供することができる紡糸装置においてより柔軟な負圧配分を実現できる繊維機械を提供する。
【解決手段】繊維機械は、少なくとも1つの第2の負圧システムを備えることができる。この第2の負圧システムを、第2の負圧点との流体接続部に引き入れることができるように設計及び配置することができる。代替的に、第2の負圧システムを、第2の負圧点との流体接続部になるように設計及び配置することができる。繊維機械の構造をより柔軟にし、負圧の配分を更に改善し、負圧の配分をより柔軟にするために、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部は、接続部を選択的に確立又は遮断することができるように設計されることが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維機械(18)、具体的には紡糸機械、更に具体的にはロータ紡糸機械であって、
-糸を生産するための少なくとも1つの第1の負圧点(11)と、
-前記糸を吸引するための少なくとも1つの第2の負圧点(12)と、
-前記第1の負圧点(11)との流体接続部(13)に引き入れるように設計及び配置されているか、又は前記第1の負圧点(11)との流体接続部(13)にあるように設計及び配置されている、少なくとも1つの第1の負圧システム(1)と、
-前記第2の負圧点(12)との流体接続部(14)に引き入れるように設計及び配置されているか、又は前記第2の負圧点(12)との流体接続部(14)にあるように設計及び配置されている、少なくとも1つの第2の負圧システム(3)と、を備え、
接続部(15、16、17)、具体的にはバイパス接続部が、前記接続部(15、16、17)を選択的に確立又は遮断することができるように、前記第1の負圧システム(1)と前記第2の負圧システム(3)との間に形成されることを特徴とする、繊維機械(18)。
【請求項2】
前記第1の負圧点(11)が、前記糸を生産するための紡糸装置を備えることを特徴とする、請求項1に記載の繊維機械(18)。
【請求項3】
前記糸を吸引するための前記第2の負圧点(12)が、以下:
-巻き取りボビン、具体的には綾巻きボビンから糸をピックアップするための吸引ノズル、
-糸をピックアップするための糸格納ノズル、及び
-負圧に供することができる作業要素、のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の繊維機械(18)。
【請求項4】
前記第1の負圧システム(1)と前記第2の負圧システム(3)との間の前記接続部が、以下の領域:
-負圧源チャンバ(6、8)、具体的にはファンチャンバ、
-フィルタチャンバ(9、10)、及び
-負圧チャネル(13、14)、のうちの少なくとも1つに配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の繊維機械(18)。
【請求項5】
前記第1の負圧システム(1)と前記第2の負圧システム(3)との間の前記接続部(15、16、17)が、調整することができることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の繊維機械(18)。
【請求項6】
前記第1の負圧システム(1)と前記第2の負圧システム(3)との間の前記接続部(15、16、17)が、以下:
-少なくとも1つの制御デバイス(5)、及び
-少なくとも1つの周波数変換器(7)、のうちの少なくとも一方を介して調整することができ、
各場合において、少なくとも1つの負圧源(2、4)を制御するように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の繊維機械(18)。
【請求項7】
前記接続部(15、16、17)が、前記負圧システム(1、3)のそれぞれの動作状態に応じて自動的に調整されるように、具体的には完全に又は部分的に開放又は閉鎖されるように設計及び配置されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の繊維機械(18)。
【請求項8】
前記接続部(15、16、17)が、流体流調整装置(19)によって流体流を調整するように、具体的には前記流体流調整装置(19)を少なくとも部分的に閉鎖するように、設計及び配置されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の繊維機械(18)。
【請求項9】
負圧を配分するための、具体的には請求項1~8のいずれか一項に記載の繊維機械のための方法(20)であって、:
-少なくとも1つの流体流調整装置(19)を作動させる(26)ステップであって、第1の負圧システム(1)と第2の負圧システム(3)との間の流体流を調整するように、具体的には、第1の負圧システム(1)と第2の負圧システム(3)との間の接続部(15、16、17)を調整するように、具体的には、前記流体流調整装置(19)を少なくとも部分的に閉鎖するように、作動させるステップによって特徴付けられる、方法(20)。
【請求項10】
制御デバイス(5)であって、請求項9に記載の方法(20)を実施するように設計され、かつ/又は請求項1~8のいずれか一項に記載の繊維機械(18)のために設計及び構成されている、制御デバイス(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維機械に関する。本発明はまた、負圧を配分するための方法に関する。本発明は、制御デバイスに更に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維機械は、先行技術から既知である。これにより、ワークステーションで糸を生産するための負圧を紡糸装置に供することが可能である。少なくとも1つの吸引ノズルを提供することもでき、この吸引ノズルは、例えば、糸切れ後にボビンから上糸をピックアップするために負圧に供される。
【0003】
欧州特許第3901336(A1)号は、紡糸機械の形態のそのような繊維機械を説明する。これは、互いに隣接して配置された複数のワークステーションを備え、ワークステーションの各々は、ボビン上の糸端部を見つけるために負圧に供することができる吸引ノズルとともに、糸を生産するための負圧に供することができる紡糸装置を備える。ピックアップされるこのような糸端部の糸は、上糸と称され得る。繊維機械は、少なくとも第1の負圧システムを備える。これは、少なくとも1つの第1の負圧源とともに、紡糸機械のワークステーションに沿って延在する少なくとも1つの第1の負圧チャネルを備える。各ワークステーションの紡糸装置は、第1の負圧システムに接続されている。紡糸機械は、少なくとも第2の負圧システムを備える。これは、紡糸機械のワークステーションに沿って延在する少なくとも1つの第2の負圧チャネルと、少なくとも1つの第2の負圧源と、を備える。ワークステーションの少なくとも第1の部分的数、好ましくは全てのワークステーションの吸引ノズルは、第2の負圧システムに接続されている。第1の負圧システム及び第2の負圧システムは、互いに空気圧的に完全に分離されている。
【0004】
このことは、紡糸真空と上糸を収集するための負圧とを別々に調節することを可能にする。これにより、「紡糸」及び「上糸処理」の2つの機能グループの各々を、最適化された負圧に別々に割り当てることができる。負圧の出力は、それぞれの負圧システムによって指定される。制限的な効果を有することができる負圧の設計及び寸法決めが指定される。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、繊維機械の構造をより柔軟にすることである。本発明の目的は、負圧の配分を更に改善することである。本発明の目的は、負圧の配分をより柔軟にすることである。
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する繊維機械によって達成される。この目的は、請求項9の特徴を有する方法によって更に達成される。この目的は、請求項10の特徴を有する制御デバイスによって更に達成される。
【0007】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
一態様によれば、この目的は、請求項1に記載の繊維機械によって達成することができる。
【0009】
繊維機械は、糸を生産するための少なくとも1つの第1の負圧点を備えることができる。繊維機械は、糸を吸引するための少なくとも1つの第2の負圧点を備えることができる。繊維機械は、少なくとも1つの第1の負圧システムを備えることができる。この第1の負圧システムを、第1の負圧点との流体接続部に引き入れることができるように設計及び配置することができる。代替的に、第1の負圧システムを、第1の負圧点との流体接続部にあるように設計及び配置することができる。繊維機械は、少なくとも1つの第2の負圧システムを備えることができる。この第2の負圧システムを、第2の負圧点との流体接続部に引き入れることができるように設計及び配置することができる。代替的に、第2の負圧システムを、第2の負圧点との流体接続部にあるように設計及び配置することができる。第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部は、必要に応じて接続部を選択的に確立又は遮断することができるように設計することができる。結果として、第1の負圧点における第1の負圧システムと第2の負圧点における第2の負圧システムとの間の流体接続部によって作り出される異なる負圧レベルを互いに接続するために、負圧システムを互いに適合させるように設計することができるので、繊維機械をより柔軟に設計することができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第1の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに関連して設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0010】
繊維機械は、具体的には紡糸機械、更に具体的にはロータ紡糸機械とすることができる。紡糸装置が、負圧点のうちの1つを備える作業要素として提供されることが提供され得る。そのような負圧点は、紡糸装置に提供することができる。紡糸装置は、提供される繊維から糸を紡糸するために設計することができる。
【0011】
具体的には、繊維機械は、少なくとも1つのワークステーションを備えることができる。代替的に、繊維機械は、複数のワークステーションを備えることができる。具体的には、ワークステーションは、具体的には他の箇所で説明されるように、紡糸装置において繊維から糸を紡糸するために設計されている。更に、ワークステーションは、糸をボビンに巻き付けるために、具体的には他の箇所で説明されるボビン形成装置を備えることができる。
【0012】
負圧システムは、1つ以上のワークステーション又はその中に配置される負圧点の吸引流体要件を充足するように設計することができる。これは、ワークステーション又は負圧点の要件に応じて変化し得る。これらの異なる負圧要件を充足するために、異なる負圧システムを提供することができる。繊維機械自体の吸引空気システムに負圧源を提供することができる。負圧源は、駆動モータを備えることができる。これは、周波数変換器に接続することができ、その速度は、負圧レベルを設定することができるように、規定された様式で設定することができる。結果として、繊維機械又は負圧点の負圧要件、具体的には吸引空気要件は、駆動モータの速度を設定することによってある限度内で適合させることができる。
【0013】
例えば、駆動モータは、最初に、負圧システム内の負圧が、ある特定の最小レベルを形成することができる速度で動作し、この最小レベルでは、例えば、負圧点が割り当てられている作業要素の機能を適切に実施することは、具体的にはアンダーカットされない。
【0014】
代替的に、他の箇所で説明されるように、駆動モータを制御するために制御デバイスを提供することができる。
【0015】
具体的には、流体接続部は、負圧システムと負圧点との間に流体流を形成するように設計することができる。流体流は、具体的には、負圧点から負圧システムの負圧源まで流れるように、すなわち、具体的には(例えば空気粒子の)粒子流運動に従うように規定される。負圧源と負圧点との間に流体接続部を形成するために、負圧システムを提供することができる。負圧システムは、負圧チャネルを備えることができる。代替的に又は追加的に、負圧システムは、糸及び/又は繊維残留物のための少なくとも1つの収集装置を備えることができる。この収集装置は、フィルタシステムを備えることができる。代替的に又は追加的に、収集装置は、対応する糸及び/又は繊維残留物を受容するための容器などの格納装置を備えることができる。
【0016】
第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部は、具体的には、バイパス接続部とすることができる。接続部は、少なくとも一時的に形成することができる。換言すれば、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間に、これらの負圧システムを互いに流体的に接続するために、横方向接続部又は交差接続部を形成することができる。この流体接続部は、具体的には、サイズ(すなわち、同様に形成することができる負圧レベル)に関して制限されるが、それに応じて要件に適合される別の(第2の又は第1の)負圧システムを選択することによって、具体的には、サイズ(すなわち、同様に形成することができる負圧レベル)に関して制限される(第1の又は第2の)負圧システムの設置出力を補償するために使用される。換言すれば、2つの負圧システムを通じて、負圧源を用いて、これらの負圧点の流体接続部によって、異なる(第1の及び第2の)負圧点で負圧レベルを形成することができる。異なる(第1の及び第2の)負圧点における異なる負圧レベルの全体的な要件を、流体接続部を介して適合させることができるように、2つの負圧システムのサイズを互いに適合させることもできる。
【0017】
ボビン生産装置、具体的には綾巻きボビン生産装置において、紡績糸からボビンを形成することを提供することができる。糸、具体的には上糸、又は糸の端部、具体的には上糸の端部を、生産されるボビン、具体的には綾巻きボビンからピックアップするために、ボビン生産装置に作業要素を提供することができる。第2の負圧点は、作業要素に割り当てるか、又は作業要素上若しくは作業要素内に配置することができる。
【0018】
生産されるボビンは、巻き取りボビンとも称される。巻き取りボビンは、必ずではないが、ワークステーションの上部領域に位置することが多いので、巻き取りボビンに巻き取られるか、又は巻き取りボビンから回収される糸は、上糸と称される。
【0019】
巻き取りボビンから回収される糸は、糸切れ又はクリーナーカット(糸継ぎと称される)の後に糸紡糸プロセスを再開するために必要とされる。
【0020】
一態様によれば、糸を生産するための第1の負圧点は、紡糸装置、具体的には紡糸口金とすることができる。結果として、糸を紡糸させるために負圧を加えることができる。負圧は、具体的には繊維を形成糸に付着させるために使用される。結果として、第2の負圧システムの負圧レベルによって、紡糸装置における負圧レベルを補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0021】
他の実施形態では、すなわち言い換えれば、紡糸装置、具体的には紡糸口金は、第1の負圧点を備えることができる。具体的には、負圧点は、紡糸装置における技術的構造形成部とすることができる。具体的には、これは、負圧接続部及び/又は負圧ノズル及び/又は流体出口などの負圧接続部とすることができる。
【0022】
具体的には、吸引ノズルは、吸引流体流、具体的には吸引空気流を形成するように設計することができる。ロータ紡糸機械の場合、紡糸装置は、吸引空気流を形成することができるロータハウジングを備えることができる。そのようなロータハウジング内には、いわゆる紡糸真空を形成することができる。これによって、例えば紡糸動作中に、給送スライバから開繊ローラによってコーミングされる個々の繊維が、繊維誘導チャネルを介して紡糸ロータ内に給送され、そこで撚られて糸になることが保証される。
【0023】
一態様によれば、糸を吸引するための第2の負圧点は、巻き取りボビンから糸をピックアップするための少なくとも1つの吸引ノズルを備えることができる。負圧は、具体的には糸を巻き取りボビンからピックアップするために使用される。結果として、第1の負圧システムの負圧レベルによって、吸引ノズルにおける負圧レベルを補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0024】
代替的に又は追加的に、糸を吸引するための第2の負圧点は、糸をピックアップするための少なくとも1つの糸格納ノズルを備えることができる。負圧は、具体的には、糸を再糸継ぎのために張力下に保つために、糸ノズル、具体的には空気圧式糸ノズル内の糸をピックアップするために使用される。結果として、第1の負圧システムの負圧レベルによって、糸格納ノズルにおける負圧レベルを補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0025】
代替的に又は追加的に、糸を吸引するための第2の負圧点は、負圧に供することができる少なくとも1つの作業要素とすることができる。負圧は、具体的には、更なる作業要素に負圧を分散するために使用される。具体的には、これは、第1の負圧点に関連して他の箇所で説明される負圧点ではない。作業要素において、第1の負圧システムの負圧レベルによって負圧レベルを補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0026】
そのような作業要素の実施例は、具体的には、糸継ぎデバイスにおける糸継ぎのための負圧ノズルである。具体的には、糸継ぎは、糸継ぎプロセスを再開するように、糸端部、具体的には上糸の糸端部をほぐして「ほつれ」させるように設計することができる。負圧は、流体流、具体的には吸引空気流の形成をもたらすことができる。流体流は、糸端部と相互作用するように設計することができ、紡績糸は糸端部から分離し始める。結果として、繊維の巻きが具体的には緩められ、具体的には、継ぎ合わせのための更なる繊維の取り付けを可能にするために、取り付け点又は取り付け領域が生じる。
【0027】
ここで及び他の箇所で、「ボビン」又は「巻き取りボビン」という用語は、具体的には、綾巻きボビンを指すことができる。具体的には、紡糸装置から形成された糸は、糸綾振り装置を介してボビンスリーブ、又は部分的に形成された綾巻きボビンに巻き付けることによって、綾巻きボビンが形成される。綾巻きボビンの構成は、ボビンの特に安定した巻き付けを可能にするが、これは、糸が、巻き付けのタイプに起因して綾巻きボビン上に保持されるからである。
【0028】
好ましい実施形態によれば、負圧システムは、各場合において、少なくとも1つの負圧源チャンバ、具体的にはファンチャンバ、フィルタチャンバ、及び負圧チャネルを備える。
【0029】
一態様によれば、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の(流体)接続部は、少なくとも負圧源チャンバ、具体的にはファンチャンバ内に配置することができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに関連して設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0030】
第1の負圧源チャンバ、具体的には第1ファンチャンバを、第1の負圧システム内に提供することができる。代替的に又は追加的に、第2の負圧源チャンバ、具体的には第2ファンチャンバを、具体的には第2の負圧システム内に提供することができる。具体的には、これら2つの負圧源チャンバを、互いに流体的に接続することができる。結果として、第1の負圧源及び第2の負圧源に応じて、具体的には第1の負圧チャネル又は第2の負圧チャネルを介して、及びこれらによって形成される第1の負圧点又は第2の負圧点への流体接続部を介して、第1の負圧点又は第2の負圧点に負圧を形成することができる。下流の、すなわち負圧源の近くの流体接続部により、2つの負圧源間の直接的な相互作用を複製することができる。単一の負圧源は「シミュレートされる」ことができる。これに関連して、「シミュレートされる」という用語は、具体的には、流体接続部から生じるシステム全体が、具体的には2つの負圧点において、単一の負圧源(対応する出力を有する)からのような負圧及び/又は流動ダイナミクスを受けることを意味する。
【0031】
代替的に又は追加的に、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の(流体)接続部を、少なくともフィルタチャンバ内に配置することができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第1の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに関連して設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0032】
具体的には、第1の負圧システムの第1のフィルタチャンバは、繊維フィルタを備えることができる。具体的には、流体が周囲領域に排出される前に流体を浄化するために、流体流から繊維及び/又は繊維片をフィルタリングし、及び/又はそれらを容器に排出するように設計されたフィルタを提供することができる。周囲領域への排出の代替として、又はそれに加えて、繊維機械の(異なる)部分への(部分的な)再循環も提供することができる。
【0033】
第2の負圧システムの第2のフィルタチャンバは、具体的には、糸の一部、具体的には糸片を、例えば流体流からフィルタリングすることによって、及び/又は流体を周囲領域に排出する前に流体を浄化するために容器に排出することによって保持するように設計することができる。周囲への排出の代替として、又はそれに加えて、繊維機械の別の部分への(部分的な)再循環を可能にすることもできる。
【0034】
フィルタチャンバ間に流体接続部を形成することによって、負圧をフィルタチャンバに直接加えることができるので、具体的には濾過を改善することができる。加えて、負圧を加えることが後濾過を形成するように設計されている実施形態があり得る。具体的には、これは、正味の流体流を形成することができるような方式で行うことができ、この正味の流体流を用いて、最初に粗大フィルタリングを実施し、その後に微細フィルタリングを実施することができる。具体的には、微細濾過はまた、糸屑及び/又は繊維屑をフィルタリングすることができる。
【0035】
代替的に又は追加的に、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の(流体)接続部を、少なくとも1つの負圧チャネル内に配置することができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第1の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに関連して設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。
【0036】
第1の負圧源と第1の負圧点との間に流体接続部を形成するために、第1の負圧チャネルを設計することができる。第1の負圧点と第1の負圧源との間に流体流を形成することができる。結果として、第1の負圧システム(の一部)を形成することができる。
【0037】
第2の負圧源と第2の負圧点との間に流体接続部を形成するために、第2の負圧チャネルを設計することができる。第2の負圧点と第2の負圧源との間に流体流を形成することができる。結果として、第2の負圧システム(の一部)を形成することができる。
【0038】
第1の負圧チャネルと第2の負圧チャネルとの間の流体(横断/交差)接続部は、具体的には、負圧条件の迅速な適合を可能にするように設計することができる。具体的には、第1の負圧システム及び/又は第2の負圧システムの間の流体接続部を、第1の負圧点及び/又は第2の負圧点の近く(可能な限り上流及び/又は実用的な意味で)で可能にすることができる。
【0039】
ここで及び他の箇所で、流れ、具体的には流体流は、負圧点から負圧源まで流れることができる。流れは、負圧勾配に沿って流れることができる。
【0040】
一態様によれば、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部は調整可能とすることができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第1の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに調整可能な関係で設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。更に、作業要素の少なくとも1つの動作状態の変化など、少なくとも1つの負圧点における条件の変化を考慮に入れることができる。
【0041】
調節は、流体流調整装置を作動させることによって行うことができる。流体流調整装置の実施例は、具体的には、少なくとも1つの調整可能な弁、少なくとも1つの調整可能なスライド弁、及び/又は第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の調整可能なバイパスを備えることができる。
【0042】
一態様によれば、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部は、少なくとも1つの制御デバイスを介して調整可能とすることができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第1の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに調整可能な関係で設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。更に、作業要素の少なくとも1つの動作状態の変化など、少なくとも1つの負圧点における条件の変化を考慮に入れることができる。
【0043】
制御デバイスは、コンピュータコントローラとすることができる。制御デバイスは、プログラム可能な又はプログラムされた機械コントローラを含むことができる。機械可読コードを機械コントローラに読み込むことができ、機械コントローラは、機械可読コードが制御デバイス上で実行されるとき、他の箇所で説明される方法を実行することができる。この目的のために、繊維機械又はその部品は、他の箇所で説明される方法を実施するために信号を受信及び/又は送信するために、少なくとも1つの制御デバイスとの対応する通信チャネルを形成するように設計及び構成することができる。具体的には、調整可能な流体流調整装置、具体的には調整可能な弁、調整可能なスライド弁、及び/又は調整可能なバイパスを有する流体流調整装置を、2つの負圧システム、具体的には2つの流体搬送(空気搬送)負圧チャネルの間に提供することができる。具体的には、負圧チャネルは、上糸を収集するための空気チャネル及び/又は空気圧式糸格納ユニットとともに紡糸チャネルを備えることができる。具体的には、制御デバイスはまた、他の箇所で説明されるように、少なくとも1つの負圧源、具体的にはファンを作動させることができる。具体的には、流体流及び/又は圧力を測定するために、センサを提供することができる。具体的には、センサは、他の箇所で説明されるように、調整を可能にするために制御信号を生成することができるように、具体的には制御デバイスに信号を送信するように設計することができる。
【0044】
代替的に又は追加的に、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部は、少なくとも1つの周波数変換器を介して調整することができる。周波数変換器は、少なくとも1つの負圧源(同義語:負圧発生器)を制御するように設計及び構成することができる。結果として、第1の負圧システム内のすなわち第1の負圧点における第1の負圧レベルは、第2の負圧システム内のすなわち第2の負圧点における負圧レベルによって互いに調整可能な関係で設定することができる。具体的には、負圧レベルは、互いに補完及び/又は補償することができる。結果として、負圧の配分を更に改善することができ、具体的には、より柔軟にすることができる。更に、作業要素の少なくとも1つの動作状態の変化など、少なくとも1つの負圧点における条件の変化を考慮に入れることができる。
【0045】
動作状態は、ある特定の負圧レベル(同義語:負圧レベル)での吸引強度とすることができる。スイッチオフはまた、動作状態において提供することができる。動作状態はまた、流体流調整装置の開放状態を含むことができる。
【0046】
動作状態は、ワークステーションの負圧要求、又は糸接続、具体的には糸継ぎ器のための指定されたワークステーション数の同時負圧要求とすることができる。ワークステーションにおいて糸接続を実施するために、糸を吸引するための第2の負圧点、具体的には、巻き取りボビンから糸をピックアップするための吸引ノズル及び/又は糸をピックアップするための糸格納ノズルは、負圧増加の要件を有する。これは、対応する負圧要件で、第1の負圧システムは、必要な負圧レベルを維持する際に第2の負圧システムをサポートすることができるように、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部を完全に又は部分的に開放することができることを意味する。
【0047】
調節(同義語:制御、調整)はまた、負圧源を作動させる2つの周波数変換器のうちの1つを介して行うことができ、この目的のために第2の負圧源の周波数変換器と通信することもできる。
【0048】
具体的には、周波数変換器は、供給された交流電圧から異なる交流電圧を生成することができる出力変換器である。出力周波数及び出力振幅は変更することができる。「単純な」変換器とは対照的に、これらのデバイスは、モータ及びその電流負荷の用途に応じてセンサ技術によって交流出力電圧の周波数及び振幅を調節することができるので、主として三相非同期モータに供給するために使用される。サーボ変換器はまた、ロータの角度位置の入力部を有することができ、位置決め駆動装置として使用することができる。これにより、具体的には流体流調整装置の中間開放ステップを実現することができる。設計に応じて、周波数変換器には、単相交流電圧、三相交流電圧、又は直流電圧を供給することができ、三相モータに供給するために周波数変換器から三相交流電圧を生成することができる。周波数変換器は、具体的には、機械的に移動する構成要素を有さない電子デバイスである。
【0049】
一態様によれば、接続部は、負圧システムのそれぞれの動作状態に応じて自動的に調整されるように、具体的には完全に又は部分的に開放又は閉鎖されるように設計及び配置することができる。結果として、具体的には、上で説明される動作状態に応じて調整を可能にすることが可能である。これにより、上で説明される利点及び効果を実現することができる。ここでは、具体的には、流体流調整装置に関する注釈を参照する。
【0050】
一態様によれば、(流体)接続部は、流体流調整装置を通る流体流を調整するために、具体的には流体流調整装置を少なくとも部分的に閉鎖するために、設計及び配置することができる。ここでは、具体的には、他の箇所で説明されるように、流体流調整装置に関する注釈を参照する。具体的には、これは、他の箇所で説明される効果及び利点をもたらす。読みやすさ及び簡潔さのために、そのようなテキストの一節は繰り返されず、そのような一節が参照される。
【0051】
独立した態様によれば、この目的は、具体的には、負圧を配分する方法によって達成される。本方法は、第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の流体流を調整するために、具体的には第1の負圧システムと第2の負圧システムとの間の接続部を少なくとも部分的に閉鎖するように、少なくとも1つの流体流調整装置を作動させるステップを含むことができる。ここでは、具体的には、他の箇所で説明されるように、流体流調整装置及び制御デバイスに関する注釈を参照する。具体的には、これは、他の箇所で説明される効果及び利点をもたらす。読みやすさ及び簡潔さのために、そのようなテキストの一節は繰り返されず、そのような一節が参照される。
【0052】
独立した態様によれば、この目的は、具体的には、他の箇所で説明される制御デバイスによって達成される。制御デバイスは、他の箇所で説明される方法を実行するように設計及び構成することができる。制御デバイスは、他の箇所で説明されるように、繊維機械に配置することができる。制御デバイスが、他の箇所で説明されるように、具体的には分散コンピューティングシステムにおいて、具体的にはクラウドにおいて繊維機械を調整することによって、制御デバイスが繊維機械の外部にあるように設計されている実施形態もあり得る。代替的に又は追加的に、制御デバイスは、繊維機械にわたって分散されるように、例えば、複数のワークステーションにわたって分散されるように設計することができる。少なくとも1つの制御デバイスの少なくとも部分的に冗長な「コピー」を、例えば特定のワークステーションに提供することもできる。
【0053】
1つのカテゴリ(装置、システム、方法)の説明された特徴、効果及び利点を有する実施形態及び態様はまた、具体的には、他のカテゴリ(装置、システム、方法)の実施形態及び態様を説明している。換言すれば、これは、制御デバイス又は方法の特徴、効果及び利点によって繊維機械を説明することができることを意味する。代替的に又は追加的に、本方法は、制御デバイス及び/又は繊維機械の特徴、効果及び利点によって説明することができる。代替的に又は追加的に、制御デバイスは、方法及び/又は繊維機械の特徴、効果及び利点によって説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
以下では、本発明の例示的な実施形態を、概略的に実施例として示す図を参照してより詳細に説明する。
図1】繊維機械の第1の実施形態の概略図。
図2】繊維機械の第2の実施形態の概略図。
図3】繊維機械の第3の実施形態の概略図。
図4】方法の実施形態の概略図。
【0055】
同じ効果及び/又は同じタイプを有する要素及び構造には、同じ参照符号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、繊維機械18の第1の実施形態の概略図を示している。繊維機械18は、具体的には紡糸機械、更に具体的にはロータ紡糸機械とすることができる。
【0057】
繊維機械18は、糸を生産するための少なくとも1つの第1の負圧点11を備えることができる。この第1の負圧点11は、具体的には紡糸装置、具体的には紡糸口金とすることができる。これにより、第1の負圧点11は、具体的には糸を紡糸するために使用される。
【0058】
繊維機械18は、追加的に又は代替的に、糸を吸引するための少なくとも1つの第2の負圧点12を備えることができる。糸を吸引するためのこの第2の負圧点12は、具体的には綾巻きボビンの形態のボビンから上糸をピックアップするための少なくとも1つの吸引ノズルを備えることができる。代替的に又は追加的に、糸を吸引するための第2の負圧点12は、糸をピックアップするための糸格納ノズルを備えることができる。代替的に又は追加的に、第2の負圧点12は、負圧に供することができる作業要素を備えることができる。具体的には、この作業要素は、新たな糸継ぎを可能にするために、糸切れ後に糸端部を再びほぐすように設計及び配置することができる糸継ぎ装置を備えることができる。
【0059】
繊維機械18は、追加的に又は代替的に、少なくとも1つの第1の負圧システム1を備え、第1の負圧システム1は、具体的には、第1の負圧点11を有する流体接続部13に引き入れることができるように設計及び配置されている。代替的に、第1の負圧システム1は、具体的には恒久的に第1の負圧点11を有する流体接続部13にあるように設計及び配置することができる。
【0060】
繊維機械18は、追加的に又は代替的に、少なくとも1つの第2の負圧システム3を備え、第2の負圧システム3は、具体的には、第2の負圧点12を有する流体接続部14に引き入れることができるように設計及び配置されている。代替的に、第2の負圧システム3は、具体的には恒久的に第2の負圧点12を有する流体接続部14にあるように設計及び配置することができる。
【0061】
繊維機械は、流体流調整装置19によって、第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間の接続部15、16、17を、具体的にはバイパス接続部、交差接続部、又は横断接続部として選択的に確立又は遮断することができる。
【0062】
結果として、上糸を収集するために限られたサイズのファンを選択することによって、第1の負圧源2の設置出力を限度内に保つことができる。このようにして、リソースを節約することができる。それにもかかわらず、糸継ぎのための能動的な第2の負圧点12又は能動的な作業要素として、第2の負圧源4の出力のみが提供し得たよりも多くの数の同時糸継ぎ器(糸継ぎのためのワークステーションの作業要素又は部品)を保証することができる。結果として、接続部15、16、17は、2つの負圧システム間の流体接続部を調整することができるように設計することができる。第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間の接続部15、16、17は、調整することができる。
【0063】
糸を吸引するための第2の負圧点12は、具体的にはボビン、具体的には綾巻きボビンから上糸をピックアップするための吸引ノズルを有する。これは、糸をピックアップするための糸格納ノズルとすることができる。代替的に又は追加的に、それは、他の箇所で説明されるように、負圧に供することができる作業要素とすることができる。
【0064】
第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間の接続部15、16、17は、具体的には少なくとも1つの制御デバイス5を介して調整することができる。代替的に又は追加的に、第1の負圧システム1は、少なくとも周波数変換器7を介して調整することができる。この周波数変換器7は、具体的には、少なくとも1つの負圧源2、4を制御するように設計及び構成されている。明確にするために、ケーブル接続部(通信チャネルの形態としての)はここでは示されていない。ワイヤレスアプリケーションも可能である。
【0065】
接続部15、16、17は、具体的には、負圧システム1、3のそれぞれの動作状態に応じて自動的に調整されるように設計され配置されている。この調整は、具体的には弁を完全に又は部分的に開放又は閉鎖することによって行うことができる。
【0066】
接続部15、16、17は、具体的には、流体流調整装置19によって流体流を調整するために、具体的には、それを少なくとも部分的に閉鎖するために、設計され配置されている。流体流調整装置19は、具体的には、調整可能な弁、調整可能なスライド弁、及び/又は2つの(空気搬送)負圧チャネル(紡糸チャネル及び上糸を収集するための空気チャネル及び/又は空気圧式糸格納ユニット)の間の調整可能なバイパスからなることができる。調整は、対応してプログラムされた機械コントローラを介して、又は代替的に、負圧源2、4を作動させる2つの周波数変換器7のうちの一方を介して選択的に行うことができる。この目的のために、第1の負圧源2の周波数変換器7は、第2の負圧源4の周波数変換器7(明確にするために別個の装置としてここでは図示せず)と通信することができる。この追加の調節は、追加の出力又はそれに対応してより強力な(又はより大きい)負圧源2、4を設置することを回避することを可能にし、これはコストを増加させるが、例えば高い要件の場合に時々使用されるだけである。このため、繊維機械をセットアップするのに必要なリソースが低減される。実施形態では、適用される負圧の要件は、特に類似している。結果として、いくつかの実施形態では、基本流体流とのバイパス接続部も恒久的に開放したままにすることもできる。
【0067】
ここに説明される実施形態は、具体的には、個々の負圧システム1、3に対する要件に基づいて、負圧を生成するための設置された負圧源2、4(負圧ドライブとも呼ばれる)のうちの一方が出力限界を著しく下回って動作する場合に、それぞれの他方の負圧源2、4を、第1の負圧システム1又は第2の負圧システム3の負圧源2、4のうちの一方の依然として利用可能な予備出力で、負圧システム1、3間の接続部15、16、17を使用してサポートすることができることを可能にする。例えば、複数の同時上糸プロセス及び/又は同時糸継ぎプロセスを追加的に可能にすることができ、これは、負圧源2が紡糸真空のための予備出力を依然として有している限り、それぞれの設置された負圧源4が単独で上糸を吸引すること(上糸処理とも称される)を保証することはできない。
【0068】
具体的には、具体的には2つの負圧システム1、3の間に置くことができるバイパスの形態で置くことができる接続部15、16、17を作り出すことにより、2つの負圧システム1、3の間の完全な分離を排除することによって、負圧の配分を更に改善することができる。
【0069】
具体的には、この接続部15、16、17は、負圧システム1、3のそれぞれの動作状態に応じて、完全に又は部分的に自動的に開放又は閉鎖することができる。具体的には、これは、他の箇所で説明されるように、調整可能な様式で行うことができる。
【0070】
図1は、具体的には繊維機械18を示しており、接続部15、16、17、並びにこの接続部15に割り当てられる流体流調整装置19が、負圧源チャンバ6、8の領域内で第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間に配置されている。負圧源チャンバ6、8は、具体的にはファンチャンバとすることができる。具体的には、ファンは、関連する負圧チャネル13、14を介した空気流によって負圧点11、12のうちの一方に負圧を作り出すように設計される。具体的には、流体連通は、第1の負圧源2又は第2の負圧源4と第1の負圧点11又は第2の負圧点12との間に形成されている。結果として、他の箇所で説明されるように、単一の負圧源の使用をシミュレートするために、流体接続部を上流に形成することができる。
【0071】
図2は、繊維機械18の第2の実施形態の概略図を示している。示された実施形態によれば、接続部16は、繊維フィルタチャンバ9及び糸フィルタチャンバ10の領域において、第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間に配置することができる。繊維フィルタチャンバ9は、具体的には、紡糸プロセスからの繊維片をフィルタリングするために使用される。フィルタ装置を提供することもできる(ここでは図示せず)。追加的に又は代替的に、紡糸プロセスからの残留物として生じ得る繊維及び繊維片を収集するために、繊維収集容器(図示せず)を提供することができる。糸フィルタチャンバ10は、具体的には、例えば糸継ぎ時に糸片をフィルタリングするために使用される。糸切れ及び/又は糸継ぎの際に生じ得る糸片を収集するために、糸収集容器(図示せず)を提供することもできる。結果として、流体接続部16は、他の箇所で説明されるように、フィルタリングを改善するように設計することができる。
【0072】
図3は、繊維機械18の第3の実施形態の概略図を示している。示された実施形態によれば、接続部17は、負圧チャネル13、14の少なくとも1つの領域において、第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間に配置することができる。具体的には、負圧点11、12の近くに流体連通を位置させるために、接続部17を下流に確立することができる。結果として、接続部17の調整は、負圧点11、12の動作の要件に直接適合させることができる。
【0073】
図4は、負圧を配分するための方法20の実施形態の概略図を示している。本方法20は、少なくとも1つの負圧点11、12の動作状態に関する少なくとも1つの情報項目を記録するステップ22を含むことができる。本方法20は、少なくとも1つの負圧点11、12の動作状態に関する情報に基づいて生成される少なくとも1つの制御信号を提供するステップ24を含むことができる。本方法20は、第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間の接続部15、16、17を調整して、具体的にはそれを少なくとも部分的に閉鎖することによって、第1の負圧システム1と第2の負圧システム3との間の流体流を調整するために少なくとも1つの流体流調整装置19を作動させるステップ26を含むことができる。
【0074】
「することができる」は、具体的には、本発明の任意選択の特徴を指す。そのため、それぞれの特徴を追加的に又は代替的に有する本発明の発展形態及び/又は例示的な実施形態も存在する。
【0075】
本件に開示される特徴の組み合わせから、独立した特徴は、必要に応じて、請求項の主題の範囲を定める他の特徴と組み合わせて、特徴間に存在する可能性のある構造的及び/又は機能的関係を解決することによって使用することもできる。
【0076】
参照符号の一覧
1 第1の負圧システム
2 第1の負圧源
3 第2の負圧システム
4 第2の負圧源
5 制御デバイス
6 第1の負圧源チャンバ
7 周波数変換器
8 第2の負圧源チャンバ
9 第1のフィルタチャンバ/繊維フィルタチャンバ
10 第2のフィルタチャンバ/糸フィルタチャンバ
11 第1の負圧点
12 第2の負圧点
13 第1の負圧点と第1の負圧源との間の流体接続部としての第1の負圧チャネル
14 第2の負圧点と第2の負圧点との間の流体接続部としての第2の負圧チャネル
15 負圧源チャンバの領域内の流体接続部
16 フィルタチャンバの領域内の流体接続部
17 負圧チャネルの領域内の流体接続部
18 繊維機械
19 流体流調整装置
20 負圧を配分するための方法
22 少なくとも1つの負圧点の動作状態に関する少なくとも1つの情報項目の記録
24 少なくとも1つの制御信号の提供
26 少なくとも1つの流体流調整装置の作動
図1
図2
図3
図4