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特開2024-175678ドラフト装置、紡糸ステーション、及び方法
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  • 特開-ドラフト装置、紡糸ステーション、及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175678
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】ドラフト装置、紡糸ステーション、及び方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 15/00 20060101AFI20241211BHJP
   D01H 1/115 20060101ALI20241211BHJP
   D01H 5/70 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
D01H15/00 D
D01H1/115 Z
D01H5/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091055
(22)【出願日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】504421
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイスナー、サラ
(72)【発明者】
【氏名】シファーズ、ダーク
(72)【発明者】
【氏名】セシャイヤー、チャンドラセカラン
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA19
4L056BC01
4L056BD12
4L056CB00
4L056CB03
4L056CB04
4L056CB06
4L056EB10
4L056EB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、繊維機械、特にエアジェット紡糸機械のためのドラフト装置に関する。
【解決手段】繊維機械、特にエアジェット紡糸機械のためのドラフト装置101に関し、ドラフト装置は、互いに異なるように駆動され得る複数のローラ対を有し、ローラ対は、スライバ31を延伸するために、回転動作中にローラ対のトップローラとボトムローラとの間にスライバを誘導するように設計及び配置し、ドラフト装置は、スライバがドラフト装置内で切断された後に継ぎ合わせプロセスを遂行するように設計及び構成することができ、紡糸プロセスを最適化するために、ドラフト装置は、継ぎ合わせプロセス中に、少なくとも2つのローラ対と、それらの駆動部を介して、規定された様態で係合するように設計及び構成されることが想定される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維機械、特にエアジェット紡糸機械のためのドラフト装置(101)であって、前記ドラフト装置(101)が、互いに異なるように駆動され得る複数のローラ対を有し、前記ローラ対が、スライバ(31)を延伸するために、回転動作中にそれぞれの前記ローラ対のトップローラとボトムローラとの間に前記スライバ(31)を誘導するように設計及び配置されており、
前記ドラフト装置(101)が、前記ドラフト装置(101)における前記スライバ(31)の切断後に継ぎ合わせ方法(100)を遂行するように設計及び構成されており、前記ドラフト装置(101)が、前記継ぎ合わせ方法(100)において、少なくとも2つのローラ対と、それらの駆動部を介して、規定された様態で係合するように設計及び構成されていることを特徴とする、ドラフト装置(101)。
【請求項2】
規定された係合のための前記少なくとも2つのローラ対が、
-入力ローラ対、
-中央ローラ対、及び/又は、
-エプロンローラ対、のローラ対のリストから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のドラフト装置(101)。
【請求項3】
紡糸口金(40)、特にエアジェット紡糸口金が、少なくとも1つの洗浄位置をとるように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のドラフト装置(101)。
【請求項4】
前記ドラフト装置(101)が、少なくとも1つのローラ対の協調係合によって、特に少なくとも2つのローラ対の協調係合によって、前記スライバ(31)を切断するように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)。
【請求項5】
前記ドラフト装置(101)が、少なくとも1つのローラ対の協調係合を介して、特に少なくとも2つのローラ対の協調係合を介して、前記スライバ(31)の前記切断を紡糸口金(40)の洗浄位置への移送と協調させるように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)。
【請求項6】
前記ドラフト装置(101)が、前記ローラ対のうちの少なくとも1つ、特に前記ローラ対のうちの少なくとも2つを駆動するための少なくとも1つのプロセスパラメータを、規定された期間(715)にわたって具体的に調整するように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)。
【請求項7】
前記ドラフト装置(101)が、継ぎ合わせランプ中に、前記ローラ対のうちの少なくとも1つの規定された前記駆動のためのランプアッププロファイルにおいて少なくとも2つの支持点(725、735、745)を形成するように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)。
【請求項8】
前記ドラフト装置(101)が、前記ローラ対のうちの1つの前記駆動部の、及び/又は前記ローラ対のうちの1つの前記ローラのゴムライニングの規定された温度を、特に紡糸ステーションが動作していない間、維持するように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)。
【請求項9】
紡糸ステーションであって、
-少なくとも1つの紡糸口金(40)、特にエアジェット紡糸口金と、
-少なくとも1つの糸端部準備装置と、
-少なくとも1つの糸引出し部と、を備え、
前記紡糸口金(40)及び前記糸端部準備装置が、継ぎ合わせを開始するように配置及び設計されており、
前記糸引出し部が、紡糸プロセス後に前記紡糸口金から糸を除去するように配置及び設計されており、
ドラフト装置(101)の、特に請求項1~8のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)のうちの少なくとも1つの駆動可能なローラ対が、前記ローラ対の前記駆動部を介して、協調した様態で係合されることを特徴とする、紡糸ステーション。
【請求項10】
前記糸引出し部が、前記少なくとも1つのローラ対とともに、協調した様態で係合されるように設計及び構成されており、
前記少なくとも1つのローラ対のランプアッププロファイルが、少なくとも2つの支持点(725、735、745)を含む継ぎ合わせランプ(710、720、730)を有することを特徴とする、請求項9に記載の紡糸ステーション。
【請求項11】
前記紡糸口金(40)が、少なくとも動作位置及びそれとは異なる洗浄位置をとるように設計及び構成されており、
-前記糸端部準備装置が、圧縮空気供給によって糸端部を少なくとも解きほぐすように設計及び構成されていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の紡糸ステーション。
【請求項12】
方法(100)であって、
-ドラフト装置(101)、特に請求項1~8のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)の少なくとも1つのローラ対、特に少なくとも2つのローラ対の協調係合によってスライバを切断するステップ、
-前記ドラフト装置(101)、特に請求項1~8のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)の少なくとも2つのローラ対の協調係合によって継ぎ合わせるステップ、
-特に、糸端部を、特に紡糸口金に戻すために、紡糸ステーション、特に請求項9に記載の紡糸ステーションの少なくとも1つの糸引出し部の協調係合によって継ぎ合わせるステップ、
-前記ドラフト装置(101)、特に請求項1~8のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)の糸引出し部と少なくとも1つのローラ対との協調係合を含む、糸を、特に継ぎ合わせ後に紡糸するステップ、のうちの少なくとも1つを含む、方法(100)。
【請求項13】
請求項12に記載の方法(100)を遂行するように設計及び構成された制御装置。
【請求項14】
繊維機械であって、
-請求項1~8のいずれか一項に記載のドラフト装置(101)、
-請求項9~11のいずれか一項に記載の紡糸ステーション、
-請求項13に記載の制御装置、のうちの少なくとも1つを備え、かつ/又は、
前記繊維機械が、請求項12に記載の方法(100)を行うように設計及び構成されている、繊維機械。
【請求項15】
繊維機械、特に請求項14に記載の繊維機械の制御装置、特に請求項13に記載の制御装置上で実行されるときに、請求項12に記載の方法(100)を行うように設計されたコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラフト装置に関する。本発明は、紡糸ステーションに関する。本発明は、方法に関する。本発明は、制御装置に関する。本発明は、繊維機械に関する。本発明は、コンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラフト装置は、先行技術において既知である。それらは、特に繊維機械、特にエアジェット紡糸のためのエアジェット紡糸機械において使用される。エアジェット紡糸では、練条機スライバとも呼ばれるスライバが、ドラフト装置、特に4ローラドラフト装置によって、達成されるべき番手に応じて引っ張られ、紡糸口金に供給される。紡糸口金は、特に紡糸ステーションの機能装置である。紡糸口金の内部では、供給された繊維の一部が、回転流によって平行な繊維コアの周りに巻き付けられ得る。特に、これにより、平行な繊維とラッピング繊維とからなる紡ぎ糸コアのエアジェット紡ぎ糸特有の紡ぎ糸構造が得られ、ラッピング繊維は、紡ぎ糸コアに対してある特定の角度で位置し、紡ぎ糸の強度を確保することができる。
【0003】
ドラフト装置の個々のローラが、より長い期間にわたって静止している場合、スライバは、時間の経過とともに凹む可能性がある。同様に、繊維機械及び/又はドラフト装置が頻繁に停止される場合、スライバは、エアジェット紡糸プロセスの考えられるエラー源であり得る。糸切れ、糸切断、又はスライバ切れの場合、糸の紡糸を再開するために、継ぎ合わせが提供され得る。スライバのくぼみは、継ぎ合わせを困難にし、それから作られた糸に弱点をもたらす可能性がある。
【0004】
糸を紡糸することに加えて継ぎ合わせのために使用され得る紡糸ステーションは、先行技術において既知である。例えば糸切れ後に継ぎ合わせのために糸端部が準備され、その結果、糸の紡糸を継続するために繊維を糸に再び取り付けることができる。これにより、例えば糸切れが発生した後に、紡糸プロセスを継続することが可能になる。例示的な実施形態によるエアジェット紡糸機械では、継ぎ合わせは、特に、エアジェット紡糸口金の渦室内の解きほぐされた糸端部とスライバの新たに到着する繊維とを一緒にすることに基づく。糸端部戻りのタイミング及びドラフト装置の速度並びにそれらの時間は、糸を継ぎ合わせることにとって特に重要である。継ぎ合わせは、特にタイミングが不正確である場合に、糸に不規則性をもたらす可能性があり、これは紡ぎ糸品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、結果として生じる糸をより均一にし、ひいては、紡糸プロセスに必要な資源を低減するために、紡糸プロセス、特に継ぎ合わせを改善することである。
【0006】
本目的は、請求項1の特徴を有するドラフト装置によって達成される。本目的は、請求項9の特徴を有する紡糸ステーションによって達成される。本目的は更に、請求項12の特徴を有する方法によって達成される。本目的は、請求項13の特徴を有する制御装置によって達成される。本目的は更に、請求項14の特徴を有する繊維機械によって達成される。本目的は、請求項15の特徴を有するコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0007】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
一態様によれば、本目的は、請求項1の特徴を有するドラフト装置によって達成される。
【0009】
ドラフト装置は、繊維機械用に設計することができる。特に、繊維機械は、エアジェット紡糸機械であることができる。ドラフト装置は、互いに異なるように駆動され得る複数のローラ対を有することができる。ローラ対は、スライバを延伸するために、動作中にそれぞれのローラ対のトップローラとボトムローラとの間にスライバを誘導するように設計及び配置することができる。ドラフト装置は、スライバがドラフト装置内で切断された後に継ぎ合わせプロセスを遂行するように設計及び構成することができる。ドラフト装置は、継ぎ合わせプロセス中に、少なくとも2つのローラ対と、それらの駆動部を介して、規定された様態で係合するように設計及び構成することができる。これは、ローラ対を特に、規定された様態で制御することができ、それに応じて互いに異なる動作モードで動作させることができることを意味する。異なる動作モードは、他の箇所で説明されるように、少なくとも1つのパラメータによって異なり得る。特に、ローラは、異なる速度及び/又は異なる加速度を有することができる。これは、例えば、継ぎ合わせプロセス中に完全停止から、すなわち静止から、動作状態へ(線形に)加速しないことを可能にする。これはまた、ローラを静止モードからウォームアップする必要を除去することができる。むしろ、ローラを保温することができる。これは、紡糸、特に継ぎ合わせを改善することができ、糸をより均一にすることができ、これにより、紡糸プロセスに必要な資源を低減することができる。
【0010】
ドラフト装置はまた、ドラフティングシステムを有し得、かつ/又はそのように呼ばれることもある。特に、このようなドラフティングシステムは、いくつかのローラ対を有することができる。特に、これらのローラ対は、それぞれ少なくとも1つの能動ローラを有することができ、これは、能動ローラ又は駆動ローラと呼ばれる場合がある。駆動ローラは、好ましくはローラを駆動するための個別駆動部に連結された個別従動ローラであってもよい。ローラ対の一方のローラのみが能動である場合、他方のローラは、第1の能動ローラに追従することができ、それによって駆動され得る。特に、非能動ローラは、受動ローラである。能動ローラとしての駆動ローラと受動ローラとしての追従ローラとの間の力の伝達を可能にするために、2つのローラ間に接触圧力が形成され得る。
【0011】
スライバ(繊維複合材とも呼ばれる)は、静摩擦によって一緒に保持される長手方向に平行化された個々の繊維から作られたバンドであると理解される。しかしながら、繊維は、特に他の箇所に記載されているように、糸を形成するようにまだ接合されていない。紡糸口金の内部では、スライバから供給された繊維の一部が、回転流によって、平行な繊維から作られ、紡ぎ糸コアを形成する繊維コアの周りに巻き付けられ得る。これにより、特に、平行な繊維とラッピング繊維とから作られた紡ぎ糸コアのエアジェット紡ぎ糸特有の紡ぎ糸構造が得られ、ラッピング繊維は、ある特定の角度で紡ぎ糸コアの周りに巻き付き、紡ぎ糸の強度を確保することができる。紡糸口金は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションの一部(能動的機能装置)であることができる。更に、紡糸口金は、紡糸室の一部であることができ、又は紡糸口金は、紡糸室と呼ぶことができる。
【0012】
継ぎ合わせプロセスは、紡糸プロセスを継続することができるように、スライバ端部が糸端部に接続される方法及び/又は方法のステップであることができる。特に、継ぎ合わせは、紡糸室/紡糸口金において解きほぐされた糸端部と、供給されたスライバ端部の新たに到着した繊維とを一緒にすることに基づいている。特に解きほぐされた糸端部の戻りのタイミング、並びに、特に紡糸、特に継ぎ合わせに有利な対応する量の繊維を供給するためのドラフト装置の速度及び/又は走行時間は、以下に説明するように行われ得る。
【0013】
紡糸機械、特にエアジェット紡糸機械では、継ぎ合わせは、特に、準備された糸端部を、特にエアジェット紡糸口金を形成する紡糸口金の渦室内で、新たに到着するスライバの繊維と一緒にすることに基づいている。準備された糸端部は、糸端部の繊維端部を部分的に撚られた配置からほぼ完全に、かつ好ましくは完全に長手方向に平行にされた配置にするために切断され、次に解きほぐされた糸端部であると理解される。ほぼ完全に長手方向に平行化された配置は、繊維端部の長手方向の平行化のための解きほぐすプロセスの過程で、全ての繊維端部が長手方向に平行化されていない、それよりも、繊維端部の公差に関連する小さな部分が、プロセスに関連する理由のために長手方向の平行化を受けなかった、繊維端部の配置である。
【0014】
継ぎ合わせプロセスのためには、糸端部の戻りのタイミングと、とりわけスライバ端部を供給するためのドラフト装置の速度及び/又は走行時間とが特に重要である。一実施形態によれば、継ぎ合わせプロセスは、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0015】
1つのステップにおいて、特に上糸(糸誘導巻取りボビンの表面上の糸)は、回転及び/又は並進移動可能な糸端部捕捉装置、特に負圧を受けることができる旋回可能な吸引ノズルによって、既知の様態で巻取りボビンによって捕捉することができ、糸端部準備装置に移送することができる。その間に、糸を糸引出し部に挿入するために糸引出し部を開くことができる。特に、糸引出し部は、上部ローラとボトムローラとを有するローラ対を備え、上述したように、少なくとも一方のローラが能動ローラであり、他方のローラが受動ローラである。能動ローラは、個別の駆動部によって駆動され得る。1つのステップにおいて、特に偏向輪郭を介して、糸端部捕捉装置によって、同調した糸端部を糸端部準備装置に移送するためのその移動の過程で、糸を糸引出し部(巻取り部とも呼ばれる)に挿入することができる。特に、巻取り部は、糸を巻取るように設計することができる。特に、巻取りは、特に糸端部が糸端部捕捉装置から糸端部準備装置に移送された後に、糸が、その移動の過程で、糸端部捕捉装置によって糸部分ごとに巻取り部に挿入され、次いで巻取り部によってクランプされることによって行われ得る。特に、糸端部捕捉装置によって移動された後、糸は、糸部分とともにはさみ上に位置し、及び/又は糸部分若しくは糸端部とともに糸準備装置の解きほぐしチューブの受容開口部の前に配置される。特に、糸引出し部は、その後、糸をクランプする。次のステップでは、特に、はさみが、糸を切断して、糸端部を解きほぐす次のステップに備えて切断糸端部を生成する。代替の好ましい実施形態によれば、糸端部は、糸を切断する事前のステップなしに解きほぐすことができる。
【0016】
紡糸プロセス中に、糸端部を捕捉し、それを糸走行方向とは反対の方向に誘導することは、戻り又は糸戻りと呼ばれる。特に、戻りは、1つのステップ又は複数のサブステップで行われることができ、その場合、第1、第2、...、第xの戻りについて次に言及する。
【0017】
1つのステップにおいて、(切断された)糸端部を解きほぐしチューブ内に吸引し、圧縮空気流を導入することによって解きほぐすことができる。1つのステップにおいて、糸の第1の戻りは、糸をクランプする巻取りを逆回転させることによって行われ得る。エアジェット紡糸口金の糸引出しチャネルの出口への糸端部の最初の戻りは、解きほぐされた糸端部を誘導する糸誘導チャネルに糸端部又は糸に付随する空気流を導入することによって支援することができ、糸誘導チャネルは、糸端部準備装置の一部とすることができ、特に解きほぐしチューブを備えるか又は形成することができ、更に好ましくはエアジェット紡糸口金の糸引出しチャネルの出口まで延在することができる。これにより、糸端部は、第1の戻りステップにおいて、糸誘導チャネルを通ってエアジェット紡糸口金の糸引出しチャネルの出口まで誘導されることが可能になる。
【0018】
1つのステップにおいて、特に第1の戻りの後に、糸ループを空気圧糸貯蔵部に置くことができ、この空気圧糸貯蔵部は、糸走行方向において、エアジェット紡糸口金と巻取りボビン又は巻取りボビンを回転可能に保持するための巻取りボビンホルダとの間、特に巻取り部と巻取りボビン又は巻取りボビンホルダとの間に配置される。巻取りボビンを接触駆動するための駆動シャフト、巻取りボビン、ドラフト装置、及び/又は巻取り部のうちの少なくとも1つのランプアップ時間及び加速度が異なり得るので、糸ループは補償として機能し得る。特に上述したステップの間、ドラフト装置の出力ローラ、特に出力ボトムローラは、出力ボトムローラと出力トップローラとの間にクランプされたスライバを梳くために、かつ出力ローラ、特に出力ボトムローラの駆動部及び/又は出力ローラのゴムライニングを保温するために回転する。
【0019】
1つのステップにおいて、特に、糸の第2の戻りが続く。特に、これは、渦室(紡糸室とも呼ばれる)内に直接行われ、それにより、解きほぐされた糸端部は空気流によって捕捉され得る。この目的のために、空気流は、渦室内で終端する紡糸口金を介してエアジェット紡糸口金の渦室内に導入され得、この空気流は、エアジェット紡糸口金の糸引出しチャネル内に吸引流を生成し、それによって、糸端部は、糸引出しチャネル内に吸引され、糸端部が、渦空気流によって捕捉されるように、紡糸口金のスライバガイド要素と紡糸コーン(紡ぎ糸形成要素とも呼ばれる)との間の渦室内に位置決めされる方法で、エアジェット紡糸口金の渦室に沿って輸送され得る。特に、エアジェット紡糸口金は、通常、2つの部分のハウジングで構成され、一方のハウジング部分は、スライバ入口を支持し、他方のハウジング部分は、糸引出しチャネルを備えた紡ぎ糸形成要素を支持する。2つのハウジング部分は、互いに対して移動するように設計され、結合された状態で、スライバ入口と紡ぎ糸形成要素との間に形成された渦室を形成する。
【0020】
1つのステップにおいて、回転する出力ローラ、特に出力ボトムローラが停止される。ドラフト装置は、入力パラメータに応じて始動させることができ、これはランピングアップと呼ばれる。
【0021】
特にランプアッププロファイルを規定するランプアップのための入力パラメータは、特に、リードタイム、継ぎ合わせ速度、速度プロファイル、第1段階のための速度、第1段階を動作させる持続時間、及び/又はドラフト装置若しくはその中に配置された、入力ローラ対、中央ローラ対、及び出力ローラ対を含む、少なくとも3つのローラ対の総ランプアップ時間のうちの1つであり得る。更に、中央ローラ対と出力ローラ対との間に配置された、エプロンローラ対を設けることができる。エプロンローラ対は、好ましくは、特にランピングアップ中に、出力ローラ対のランプアッププロファイルに追従し得る。
【0022】
ランプアッププロファイルを構成する速度プロファイルは、特に、4つのサブパラメータのうちの少なくとも1つを有することができる。このサブパラメータは、第1段階のための速度、第1段階の動作させる持続時間、ドラフト装置の総ランプアップ時間、及び特に糸巻取りの総ランプアップ時間を決定する糸巻取り加速度から選択することができる。
【0023】
特に、糸端部は、糸引出し部の滞留時間の間、紡糸室内に保持されることができ、これは、規定された様態でドラフト装置の準備を調整することを可能にする。
【0024】
1つのステップにおいて、糸引出し部は、特に、指定された及び/又は入力された加速度に従って、その滞留時間の終わりにランプアップする。走行とは、ここでは、糸引出し部の駆動動作を意味するものと理解される。その間に、ドラフト装置もランプアップすることができる。糸は、スライバに接続された後、糸の連続紡糸のために、糸引出し部によって紡糸室から引き出され、継ぎ合わせプロセスは、特にランプアップ時間が経過した後に完了される。
【0025】
好ましい態様によれば、規定された係合のための少なくとも2つのローラ対が、入力ローラ対、中央ローラ対、及び/又はエプロンローラ対、のローラ対のリストから選択されることが想定され得る。
【0026】
ドラフト装置の残りのローラ対(入力ローラ対、中央ローラ対及び/又はエプロンローラ対)は、好ましくは、スライバの規定された引き込み及び延伸を開始するために、規定された様態で係合され得る。これに関連して、言及されたローラ対タイプのうちの1つを残りのローラ対として参照することができる。特に、係合は、第1の戻りのステップの後に発生することができる。更に、特に、係合は、糸ループの配置に続く場合がある。代替的に又は追加的に、係合は、スライバを梳くステップの間又は後に行われ得る。代替的に又は追加的に、係合は、出力ローラ対の駆動部、特に出力ボトムローラの駆動部、及び/又は出力ローラの少なくとも1つのゴムライニングを保温するステップの間又は後に行われ得る。
【0027】
代替的に又は追加的に、上述したローラ対のうちの少なくとも1つ、特に、出力ローラ対、かつ特に、出力ボトムローラは、糸引出しのランプアップに、規定された様態で係合され得る。特に、ローラ対のうちの少なくとも1つのローラ対の規定された係合は、他の場所でも説明されているように、糸端部が解きほぐされている間、及び/又はそれが1回目及び/又は2回目の戻り並びに/又はx回目の戻りの一部である間に、スライバが、協調した様態で紡糸ステーションに供給される、そのような方法で行われ得る。ローラ対の少なくともランプアッププロファイルは、他の箇所で説明されるように、少なくとも2つの支持点を有するいわゆる継ぎ合わせランプを有することができる。これに関しては、参照先の説明が参照され、読みやすさ及び簡潔さの理由で繰り返しは省略される。
【0028】
特に、ドラフト装置は、エプロンローラ対のエプロンローラ、特にエプロンボトムローラの周りを回転するエプロンを有することができる。エプロンローラのうちの1つ、エプロンボトムローラ又はエプロントップローラは、エプロンローラ駆動部によって駆動され得る。エプロンローラ対は、特にドラフト装置の中央ローラ対と出力ローラ対との間に配置されている。スライバ輸送の方向において直接次々に配置されたローラ対の異なる調整可能な周速度は、これら2つのローラ対の間のスライバの規定された延伸を可能にする。
【0029】
好ましい実施形態によれば、スライバを梳くため及び/又は保温するために出力ボトムローラ対が回転している間、特に上糸端部の捕捉から最初の戻りまでの他の箇所で説明したステップの間、出力ローラを駆動するための出力ローラ駆動部は、作動したままであり、エプロンローラを駆動するためのエプロンローラ駆動部は、係合され得、特にエプロンボトムローラは、能動的に駆動され、一方、入力ローラ対駆動部及び/又は中央ローラ対駆動部などの残りのローラ対の駆動部は特に静止していることが想定され得る。これにより、スライバが、中央ローラ対とエプロンローラ対との間で切断されることが可能になり、切断されたスライバ片は、回転するエプロンローラ及び出力ローラによってドラフト装置から排出されることを可能にする。
【0030】
特に、スライバを梳いた後、出力ローラ駆動部及び/又はエプロンローラ駆動部は特に停止し、紡糸ステーションは特に通常の紡糸位置に対応するその動作位置に戻る(紡糸圧力がスイッチオンされ、エアジェット紡糸口金が閉じられる)。次いで、次の方法のステップは、他の箇所で説明されるように行われ得る。糸の最終的な戻りが続くことができ、ドラフト装置の能動ローラは、説明されたパラメータを使用して加速することができる。この目的のために、パラメータを特に調整することができ、それにより、パラメータは、エアジェット紡糸口金の紡ぎ糸形成要素の前まで、スライバを特に渦室内に輸送するために使用される。
【0031】
換言すれば、これは、スライバがエプロンローラ対と出力ローラ対との間に既に存在していた場合よりも、著しく長い走行時間を入れることができることを意味する。これにより、エプロンローラモータ、特にエプロンローラ駆動部及び出力ローラ駆動部の最初の始動が、この領域にスライバがない状態で行われることが可能になる。これにより、このゾーンにおいて離脱トルクが影響を受けることを回避することができる。これは、離脱トルクが、スライバに影響を及ぼすことができず、したがって糸品質又は紡ぎ糸品質に影響を及ぼすことができないことを意味する。代替的に又は追加的に、継ぎ合わせは、既に始動されたドラフト装置において行うことができる。
【0032】
本明細書及び他の箇所に記載された好ましい態様及び実施形態は、個々のドラフティングシステムローラ駆動部の始動時間の最小限の相違、並びに特に出力ローラ駆動部の、更に特に出力ボトムローラ駆動部の、目標/実際速度などの目標/実際パラメータのわずかな偏差を、低減又は完全に防止することができる。加えて、他の箇所で不利であるとして言及された要因は、例えば、ドラフティングシステムローラ上の増加した圧力を回避することによって、特に改善することができる。これは、継ぎ合わせのための不正確なドラフトを減少させるか又は完全に防止することができる。また、これにより、特に高速カメラの撮影で事前に顕著であったエプロンローラ対のふらつき加速を低減又は防止することができる。
【0033】
本明細書及び他の箇所において、これは、特に、発生頻度の発生確率から選択される事象又はリスクの低減若しくは減少を指す。
【0034】
本明細書及び他の箇所に記載された好ましい態様及び実施形態は、ソフトウェアによってプロセスを調整することによって、異なるドラフティングシステム設定を用いて、特にエプロンローラ対の異なる離脱トルクを回避すること、及び/又は特に出力ローラ駆動部の(初期)目標/実際速度偏差を回避することを可能にする。プロセスは、他の箇所で説明されるように、特に制御装置内のソフトウェアによって、及び/又は、他の箇所で説明されるように、特に制御装置上で実行され得るコンピュータプログラム製品によって調整することができる。
【0035】
好ましい態様によれば、エアジェット紡糸口金は、少なくとも1つの洗浄位置をとるように設計及び構成することができる。洗浄位置は、エアジェット紡糸口金の通常の紡糸動作が行われてエアジェット紡糸糸を製造する動作位置とは異なるエアジェット紡糸口金の位置である。洗浄位置をとるために、エアジェット紡糸口金の2つのハウジング部分は、他の箇所で説明されるように、既知の方法で互いから離れて移動して、開いたハウジング位置をとる。これにより、スライバの断片をドラフト装置から除去することが可能になる。その結果、継ぎ合わせプロセスを改善することができ、資源を節約することができる。
【0036】
エアジェット紡糸口金は、出力ローラ対を伴わない残りのローラ対のうちの少なくとも1つの開始の前に、又は遅くともそれとともに、特にエプロンローラ対の開始とともに、洗浄位置に移動され得る。続いて、動作しているローラ対を停止させることができ、エアジェット紡糸口金は、他の箇所で説明されるように、ドラフト装置を規定された様態で始動させることによって、継ぎ合わせプロセスを継続するために、動作位置を再開することができる。特に、ドラフト装置を既に停止させることができるので、上述した出力ローラ対の停止を省略することができる。
【0037】
好ましい態様によれば、ドラフト装置は、少なくとも1つのローラ対、特にローラ対のうちの少なくとも2つの協調係合によってスライバを切断するように設計及び構成することができる。これにより、既に損傷及び/又は弱化したスライバ端部を処分するために、スライバを能動的に切断することが可能になる。
【0038】
特に、他の箇所で説明されるように、中央ローラ対とエプロンローラ対との間の領域における切断を達成することができる。これは、特に、ドラフト装置の残りのローラ対の係合の前に、特にエプロンボトムローラを駆動することによって、エプロンローラ対を作動させることができることにおいて行われ得る。その結果、エプロンローラ対は、スライバが、特にエプロンローラ対の引張方向と反対側に配置された少なくとも1つの他のローラ対によってクランプされている間に、スライバに引張を加えることができる。これにより、スライバを弱い箇所で切断することが可能になる。
【0039】
好ましい態様によれば、ドラフト装置は、少なくとも1つのローラ対、特に少なくとも2つのローラ対の協調係合を介してスライバの切断を、洗浄位置へのエアジェット紡糸口金の移送と協調させるように設計及び構成することができる。これにより、洗浄されたエアジェット紡糸口金における継ぎ合わせを可能にすることができる。
【0040】
エプロンローラ対は、他の箇所で説明されるように、中央ローラ対とエプロンローラ対との間の領域でスライバが切断されることを可能にするために、ドラフト装置の残りのローラ対の係合の前に作動させることができる。特に、エプロンローラ対の係合を用いて、エアジェット紡糸口金は、切断されたスライバ部分を除去するために洗浄位置に移動される。洗浄は、他の箇所で説明されるように行われ得る。
【0041】
出力ローラ対とエプロンローラ対との間でスライバを切断する方法はまた、スライバ供給を部分的に自動化するためにも使用することができる。
【0042】
本明細書に記載の好ましい態様及び実施形態では、スライバ供給は半自動であることができる。スライバ供給のいわゆる部分的自動化は、特に、紡糸の中断後にドラフト装置内に残っている「古い」スライバ端部の廃棄と、エアジェット紡糸口金への継ぎ合わせのための新たに延伸されたスライバ端部の供給とである。特に、エアジェット紡糸口金は、他の箇所で説明されるように、同時に又は時間的に協調した様態で洗浄される。半自動化されたスライバ供給オプションは、本明細書に記載される条件下で可能である。しかしながら、全ての可能なスライバ供給が、部分的に自動化され得るわけではない。(部分的に)自動化することができないスライバ供給の例は、新しいスライバの(新しい挿入という意味での)配置である。この場合、機械オペレータは、ボタンを押すことによって手動スライバ供給を遂行することができる。部分的な自動化は、特に他の箇所で説明されるように、ソフトウェア及びプロセスに関して実施することができる。様々なローラ対は、他の箇所で説明されるように、特に協調した様態で、特に個々に又は任意の組み合わせで係合することもできる。半自動化されたスライバ供給の好ましい態様、特徴及び機能は、他の好ましい態様とは別個に形成することもできる。
【0043】
特に、出力ローラ駆動部のウォームアップ、停止、次いでゼロからの新たな加速のプロセスは、継ぎ合わせを支援することができる。代替的に又は追加的に、他のローラ対は、少なくとも部分的に回転することができる。プロセスにおいて、ゴムローラ(中実のゴムローラ及び/又はゴム被覆されたローラ)を保温することができる。その間、紡糸ステーションは、特に糸及び/又はスライバなどの品質欠陥のために停止されることがある。
【0044】
好ましい態様によれば、ドラフト装置は、規定された期間にわたってローラ対のうちの少なくとも1つを駆動するための少なくとも1つのプロセスパラメータを具体的に調整するように設計及び構成することができる。これにより、他の箇所で説明されるように、様々な利点を実現することが可能になる。代替的に、ローラ対のうちの少なくとも2つを駆動するためのプロセスパラメータは、規定された期間にわたって具体的に調整することができる。
【0045】
好ましい実施形態では、特に1つのプロセスパラメータをS字プロファイルとして構成することができる。この場合、駆動部のランプアップは、ランプアップ範囲全体にわたって線形である必要はない。その代わりに、ローラ対を駆動する駆動部は、特に、S字曲線の形態のランプアッププロファイルでランプアップされる。プロファイルの形状は、最小値付近及び/又は最大値付近で調整することができる。これは特に、ローラ又は駆動部に悪影響を有し、ローラとスライバとが接触した場合にスライバに悪影響を有する可能性もある極端な加速を回避する。S字プロファイルは、紡糸ステーションから紡糸された糸を取り出し、特に巻取りボビンを製造する繊維機械のトラバース装置を介して、糸を巻取るためのボビンスリーブ又は空スリーブに供給する糸引出しのために実現することができる。代替的に又は追加的に、ドラフト装置のローラに対してS字プロファイルを実現することもできる。これは、繊維塊のゆっくりとした増加を達成するために、より遅い速度(すなわち、時間当たりの塊によって定義される)で繊維をエアジェット紡糸口金にもたらすために使用することができる。「遅い」という用語は、ここでは、特に、糸引出し部との協調を行い、それによって紡糸速度との調整を可能にするために、繊維塊の協調した増加を指すことができる。これにより、糸が不均一に形成されること、及び/又はエアジェット紡糸口金が詰まることを防止することができる。
【0046】
好ましい実施形態では、1つのプロセスパラメータは、特にデカップリングであり得る。特に、これは、ドラフト装置のローラ対の残りのランプアッププロファイルが、出力ローラ対のランプアッププロファイルにもはや追従しないことを意味する。デカップリングにより、出力ローラ対、特に駆動される出力ボトムローラの動作又はランピングアップは、ドラフト装置の残りのローラ対とは別個に、それらの動作において(互いに対して)時間的に協調させることができる。換言すれば、これは、ドラフト装置の残りのローラ対が静止している間に、出力ローラ対、特に駆動される出力ボトムローラが既に回転することができることを意味する。代替的に又は追加的に、残りのローラ対の駆動部は、他の箇所で説明されるような異なるパラメータで動作させることができる。その結果、出力ローラ対、特に出力ボトムローラの動作における変動を克服することができる。出力ローラ対、特に出力ボトムローラが、均一にランプアップしない場合、繊維は、残りのドラフト装置のローラ対によって引き渡されるのと同じ量で引き渡されることができない。これは、繊維を更に引き伸ばすか、又は積み重ねさせる可能性がある。これは、残りのローラ対を個別に制御することによって補償することができる。これは、均一な形状のスライバを形成すること可能にする。これはまた、繊維をエアジェット紡糸口金に均一な様態で送達することを可能にする。これはまた、連続的に形成された糸が紡糸されることを可能にする。
【0047】
ローラ対の少なくとも1つの駆動部を個別に制御することによって、それぞれの従動ローラ対又はそれらの従動ボトムローラ及び/又はトップローラの速度を、規定された期間にわたって具体的に調整することができる。
【0048】
更なる態様によれば、ドラフト装置は、継ぎ合わせランプ中にランプアッププロファイル内に少なくとも2つの支持点を形成するように設計及び構成することができる。これは、特に継ぎ合わせランプによって、ランピングアップを説明することができるローラ対が、適合された加速を形成することを可能にする。これはまた、ローラ対の相対的なプロセスパラメータが、継ぎ合わせプロセスを支援するために互いに適合されることを可能にする。
【0049】
継ぎ合わせランプは、例えばX-Y図におけるプロセスパラメータの数学的進行であることができる。これは、プロセスパラメータが変化する1つ以上の点のランプアップを記述することを可能にする。このような点は、支持点として説明することができる。特に、これはプロセスパラメータ空間内の点である。これは、ドラフト装置の少なくとも1つの従動ローラの継ぎ合わせランプ中に複数の支持点を実現することを可能にする。ドラフト装置の少なくとも1つの従動ローラを有する加速ランプには、特に一実施形態では、3つの支持点を設けることができる。
【0050】
「支持点」という用語は、特に、可変時間後に到達すべき可変速度の定義を意味する。この変化は、例えば、継ぎ合わせが結合ゾーンの後に薄い点を作り出す傾向を防止することができる。特に、これは、継ぎ合わせしている間の繊維塊のより柔軟な成形をもたらす。
【0051】
好ましい態様によれば、ドラフト装置は、紡糸ステーションが作動していない間、ローラの規定された温度を維持するように設計及び構成することができる。これは、特に、ローラ対の少なくとも1つの駆動部の前述したタイプの連続動作によって達成することができる。これにより、駆動部及び/又は関連するローラのゴム被覆を、ドラフト装置の改善された動作のための温度に維持することが可能になる。これはまた、ウォームアップ時間が、低減され得るか又は完全に回避され得ることを意味する。
【0052】
独立した態様によれば、紡糸ステーションは、少なくとも1つの紡糸口金、特にエアジェット紡糸口金を有することができる。紡糸ステーションは、少なくとも1つの糸端部準備装置を有することができる。紡糸ステーションは、少なくとも1つの糸引出し部を有することができる。紡糸口金及び糸端部準備装置は、継ぎ合わせを開始するように配置及び設計することができる。糸引出し部は、紡糸プロセス後に紡糸口金から糸を除去するように配置及び設計することができる。ドラフト装置、特に他の箇所で説明されるようなドラフト装置の少なくとも1つのローラ対は、ローラ対の駆動部を介して、協調した様態で係合することができる。これにより、例えば、特に形成される糸の除去と、協調した様態で、繊維の供給を制御することができるので、紡糸口金の詰まりを防止できるようになる。代替的に又は追加的に、均一な糸を形成することができる。
【0053】
好ましい態様によれば、糸引出し部は、特に、少なくとも1つのローラ対とともに、協調した様態で係合するように設計及び構成される。少なくとも1つのローラ対は、少なくとも2つの支持点を有する継ぎ合わせランプを備えたランプアッププロファイルを有することができる。これにより、例えば、特に形成される糸の除去と、協調した様態で、繊維の供給を制御することができるので、紡糸口金の詰まりを防止できるようになる。代替的に又は追加的に、均一な糸を形成することができる。
【0054】
既に他の箇所で説明したように、「支持点」という用語は、特に、可変時間後に到達することができる可変速度の定義を指す。この変化は、特に、継ぎ合わせが結合ゾーンの後に薄い点を作り出す傾向を防止することができる。特に、これは、継ぎ合わせ中の繊維塊のより柔軟な設計をもたらす。
【0055】
継ぎ合わせランプは、出力ローラ対の駆動される出力ローラの加速ランプであることができる。駆動される出力ローラは、好ましくは、出力ボトムローラであることができる。出力ローラ対は、特に、スライバをドラフトシステムから、特に他の箇所で説明されるように、糸を紡糸するために紡糸ステーションの紡糸口金に移送するために使用される。このような移送には、予備圧縮機などの他の構造及び装置がまた、含まれ得る。言い換えれば、駆動される出力ローラ、特に出力ボトムローラは、動作速度までのランピングアップの過程で複数の加速を受けることができ、異なる時間で複数の速度に達することもできる。対応する支持点は、速度-時間図に記録することができる。ランピングアップは、完全停止から開始することができる。代替的に又は他の時点で、ランピングアップは、保温モードから、すなわち、ある種の基本速度から開始することもできる。
【0056】
ドラフト装置のローラの実施形態において、しかしまた、本明細書に記載されている紡糸ステーションの態様と組み合わせて、継ぎ合わせランプは、他の箇所で説明されるように、少なくとも2つの隣接する支持点の間に、S字プロファイルを有することができる。この場合も同様に、これは、紡ぎ糸品質又はスライバ品質に有害な影響を有し得る離脱トルクを低減し、及び/又は高い加速度を回避することができる。これにより、他の箇所で説明されるように、継ぎ合わせプロセスを改善することができる。
【0057】
特に、2つの支持点は、速度-時間図のような図において隣接しており、すなわち、それらは図において直接互いに追従する。ここで「直接」とは、特に、間に支持点がないことを意味する。
【0058】
好ましい態様によれば、紡糸口金は、他の箇所で説明されるように、少なくとも動作位置と、それとは異なる洗浄位置とをとるように設計及び構成することができる。代替的に又は追加的に、糸端部準備装置は、他の箇所で説明されるように、圧縮空気供給によって少なくとも糸端部を解きほぐすように設計及び構成することができる。これは、既に他の箇所で説明したように、継ぎ合わせプロセスを改善することができる。
【0059】
継ぎ合わせは、特にまた他の箇所で説明されているように、特に準備された、エアジェット紡糸口金の渦室内の糸端部と、スライバの新たに到着する繊維とを一緒にすることに特に基づいている。糸端部戻しのタイミングと、ドラフト装置の速度及び/又は走行時間とは、特に重要である。
【0060】
好ましい実施形態によれば、継ぎ合わせプロセスは、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0061】
1つのステップにおいて、特に上糸(糸誘導巻取りボビンの表面上の糸)は、回転及び/又は並進移動可能な糸端部捕捉装置、特に負圧を受けることができる旋回可能な吸引ノズルによって、巻取りボビンによって捕捉することができ、糸端部準備装置に移送することができる。その間に、糸を糸引出し部に挿入するために糸引出し部を開くことができる。特に、糸引出し部は、上部ローラとボトムローラとを有するローラ対を備え、上述したように、少なくとも一方のローラが能動ローラであり、他方のローラが受動ローラである。能動ローラは、個別の駆動部によって駆動され得る。1つのステップにおいて、特に偏向輪郭を介して、糸端部捕捉装置によって、同調した糸端部を糸端部準備装置に移送するためのその移動の過程で、糸を糸引出し部(巻取り部としても知られている)に挿入することができる。巻取り部は、特に糸を巻取るように設計することができる。特に、巻取りは、特に糸端部が糸端部捕捉装置から糸端部準備装置に移送された後に、糸が、その移動の過程で、糸端部捕捉装置によって糸部分ごとに巻取り部に挿入され、次いで巻取り部によってクランプされることによって行われ得る。特に、糸端部捕捉装置によって移動された後、糸は、糸部分とともにはさみ上に位置し、及び/又は糸部分若しくは糸端部とともに糸端部準備装置の解きほぐしチューブの受容開口部の前に配置される。特に、糸引出し部は、その後、糸をクランプする。次のステップでは、特に、はさみが、糸を切断して、糸端部を解きほぐす次のステップに備えて切断糸端部を生成する。代替の好ましい実施形態によれば、糸端部は、糸を切断する事前のステップなしに解きほぐすことができる。糸は、切断ステップ中に規定された長さに切断することができる。これにより、紡糸プロセスにおけるあらゆる欠陥を除去することができる。
【0062】
紡糸プロセス中に、糸端部を捕捉し、それを糸走行方向とは反対の方向に誘導することは、戻り又は糸戻りと呼ばれる。特に、戻りは、1つのステップ又は複数のサブステップで行われることができ、その場合、第1、第2、...、第xの戻りについて次に言及する。
【0063】
1つのステップにおいて、(切断された)糸端部を解きほぐしチューブ内に吸引し、圧縮空気流を導入することによって解きほぐしチューブ内で解きほぐすことができる。1つのステップにおいて、糸の第1の戻りは、特に、糸をクランプする巻取りを逆回転させることによって行われ得る。エアジェット紡糸口金の糸引出しチャネルの出口への糸端部の最初の戻りは、解きほぐされた糸端部を誘導する糸誘導チャネルに糸端部又は糸に付随する空気流を導入することによって支援することができ、糸誘導チャネルは、糸端部準備装置の一部とすることができ、特に解きほぐしチューブを備えるか又は形成することができ、更に好ましくはエアジェット紡糸口金の糸引出しチャネルの出口まで延在する。これにより、糸端部は、第1の戻りステップにおいて、糸誘導チャネルを通ってエアジェット紡糸口金の糸引出しチャネルの出口まで誘導されることが可能になる。
【0064】
1つのステップにおいて、特に第1の戻りの後に、糸ループを空気圧糸貯蔵部に置くことができ、この空気圧糸貯蔵部は、糸走行方向において、エアジェット紡糸口金と巻取りボビン又は巻取りボビンを回転可能に保持するための巻取りボビンホルダとの間、特に巻取り部と巻取りボビン又は巻取りボビンホルダとの間に配置される。巻取りボビンを接触駆動するための駆動シャフト、巻取りボビン、ドラフト装置、及び/又は巻取り部のうちの少なくとも1つのランプアップ時間及び加速度が異なり得るので、糸ループは補償として機能し得る。代替的に又は追加的に、特に上述したステップの間、ドラフト装置の出力ローラ、特に出力ボトムローラは、出力ボトムローラと出力トップローラとの間にクランプされたスライバを梳くために、かつ出力ローラ、特に出力ボトムローラの駆動部及び/又は出力ローラのゴムライニングを保温するために回転する。
【0065】
1つのステップにおいて、特に、糸の第2の戻りが続く。特に、これは、渦室(紡糸室とも呼ばれる)内に直接行われ、それにより、解きほぐされた糸端部は空気流によって捕捉され得る。この目的のために、空気流は、渦室内で終端する紡糸口金を介してエアジェット紡糸口金の渦室内に導入され得、この空気流は、エアジェット紡糸口金の糸引出しチャネル内に吸引流を生成し、それによって、糸端部は、糸引出しチャネル内に吸引され、糸端部が、渦空気流によって捕捉されるように、紡糸口金のスライバガイド要素と紡糸コーン(紡ぎ糸形成要素とも呼ばれる)との間の渦室内に位置決めされる方法で、エアジェット紡糸口金の渦室に沿って輸送され得る。特に、エアジェット紡糸口金は、通常、2つの部分のハウジングで構成され、一方のハウジング部分は、スライバ入口を支持し、他方のハウジング部分は、糸引出しチャネルを備えた紡ぎ糸形成要素を支持する。2つのハウジング部分は、互いに対して移動するように設計され、結合された状態で、スライバ入口と紡ぎ糸形成要素との間に形成された渦室を形成する。
【0066】
1つのステップにおいて、回転する出力ローラ、特に出力ボトムローラが停止される。ドラフト装置は、入力パラメータに応じて始動させることができ、これはランピングアップと呼ばれる。
【0067】
特にランプアッププロファイルを規定するランプアップのための入力パラメータは、特に、リードタイム、継ぎ合わせ速度、速度プロファイル、第1段階のための速度、第1段階を動作させる持続時間、及び/又はドラフト装置若しくはその中に配置された、入力ローラ対、中央ローラ対、及び出力ローラ対を含む、少なくとも3つのローラ対の総ランプアップ時間のうちの1つであり得る。更に、中央ローラ対と出力ローラ対との間に配置された、エプロンローラ対を設けることができる。エプロンローラ対は、好ましくは、特にランピングアップ中に、出力ローラ対のランプアッププロファイルに追従し得る。
【0068】
ランプアッププロファイルを構成する速度プロファイルは、特に、4つのサブパラメータのうちの少なくとも1つを有することができる。このサブパラメータは、第1段階のための速度、第1段階の動作させる持続時間、ドラフト装置の総ランプアップ時間、及び特に糸巻取りの総ランプアップ時間を決定する糸巻取り加速度から選択することができる。
【0069】
特に、糸端部は、糸引出しの滞留時間の間、紡糸室内に保持されることができ、これは、規定された様態でドラフト装置の準備を調整することを可能にする。
【0070】
1つのステップにおいて、糸引出し部は、特に、指定された及び/又は入力された加速度に従って、その滞留時間の終わりにランプアップする。走行とは、ここでは、糸引出し部の駆動動作を意味するものと理解される。その間に、ドラフト装置もランプアップすることができる。したがって、糸は、特に駆動される糸引出し部によって紡糸室から引き出され、継ぎ合わせプロセスは、特にランプアップ時間が経過した後に完了される。
【0071】
追加的に又は代替的に、紡糸口金、特にエアジェット紡糸口金は、特に他の箇所で説明されるように、少なくとも1つの洗浄位置をとるように設計及び構成することができる。これにより、スライバの断片をドラフト装置から除去することが可能になる。その結果、継ぎ合わせプロセスを改善することができ、資源を節約することができる。
【0072】
残りのローラ対の始動前、又は遅くとも始動とともに、エアジェット紡糸口金は、「古い」スライバを除去することができるように、洗浄位置に移動させることができる。続いて、ローラ対を停止させることができ、エアジェット紡糸口金は、他の箇所で説明されるように、ドラフト装置を規定された様態で始動させることによって、継ぎ合わせプロセスを継続するために、動作位置を再開することができる。特に、ドラフト装置を既に停止させることができるので、上述した出力ローラ対の停止を省略することができる。
【0073】
紡糸ステーションの紡糸口金は、洗浄位置において、特に紡糸口金の詰まりを防止するために、様々なローラ対及び/又は駆動部が暖まるとき、又はローラ対及び/又は駆動部が保温されるときに生じ得る繊維残留物を排出するように設計及び構成することができる。
【0074】
本明細書に記載される紡糸ステーションの態様及び/又は実施形態は、他の箇所で説明されるドラフト装置の態様及び/又は実施形態と組み合わせて、他の箇所で説明されるように、紡糸口金に供給されるようにスライバを準備することによって、繊維機械の動作を最適化することができる。代替的に又は追加的に、糸端部の戻りを改善し、特にスライバの供給と協調させることができる。ローラ対のタイミング若しくはそれらの速度及び/又は加速度の対応する協調は、スライバが引き離されること又は過度に延伸されることを防止するような方法で互いに適合させることができる。損傷したスライバは交換することもでき、これにより紡糸ステーションの紡糸口金への繊維の供給を最適化することができる。特に、これは、紡糸口金で製造される糸が均一に形成されることを可能にする。上述したように、この組み合わせはまた、紡糸糸の引出しのタイミングを、入ってくる繊維と調和させることを可能にする。これは、糸が均一に成形されることを可能にし、糸が組み込まれ得る織物に対してプラスの効果を有することができる。
【0075】
紡糸ステーションは、それ自体で、すなわち、本明細書に記載されるドラフト装置と組み合わされることなく、形成することができる。糸の糸引出し部は、対応する紡糸ステーションの紡糸口金の動作に適合させることができる。
【0076】
独立した態様によれば、方法を形成することができる。本方法は、ドラフト装置、特に他の箇所で説明されるようなドラフト装置の少なくとも1つのローラ対、特に少なくとも2つのローラ対の協調係合によってスライバを切断する少なくとも1つのステップを有することができる。
【0077】
本方法は、代替的に又は追加的に、少なくとも、ドラフト装置、特に他の箇所で説明されるようなドラフト装置の少なくとも2つのローラ対の協調係合によって継ぎ合わせるステップを含むことができる。
【0078】
本方法は、代替的に又は追加的に、少なくとも、紡糸ステーションの少なくとも1つの糸引出し部の協調係合によって継ぎ合わせるステップを含むことができる。特に、紡糸ステーションは、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションであることができる。特に、継ぎ合わせのステップは、糸端部を紡糸口金に戻すように設計することができる。
【0079】
本方法は、代替的に又は追加的に、少なくとも、糸を紡糸するステップを含むことができる。このステップは、特に継ぎ合わせが完了した後に遂行され得る。特に、紡糸ステップは、糸引出し部と、ドラフト装置、特に他の箇所で説明されるようなドラフト装置の少なくとも1つのローラ対との協調係合を含むことができる。
【0080】
本方法は、繊維機械の特徴、効果、及び利点によって、ドラフト装置の特徴、効果、及び利点によって、並びに制御装置の特徴、効果及び利点によって説明することができる。繊維機械、ドラフト装置、並びに方法は、制御装置の特徴、効果、及び利点によって説明することができる。
【0081】
独立した態様によれば、制御装置は、他の箇所で説明されるような方法を遂行するように設計及び構成することができる。制御装置は、繊維機械の特徴、効果、及び利点によって、ドラフト装置の特徴、効果、及び利点によって、並びに方法に関して提示されるような特徴、効果、及び利点によって説明することができる。繊維機械、ドラフト装置、並びに方法は、他のカテゴリに関して提示されるような特徴、効果、及び利点によって説明することができる。したがって、制御装置は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションの特徴、効果、及び利点によって説明することができる。制御装置の特徴、効果、及び利点は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションを説明することができる。
【0082】
独立した態様によれば、繊維機械は、他の箇所で説明されるような少なくとも1つのドラフト装置を有することができる。代替的に又は追加的に、繊維機械は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションを有することができる。代替的に又は追加的に、それは、上述したような制御装置を有することができる。代替的又は追加的に、繊維機械は、他の箇所で説明されるような方法を行うように設計及び構成することができる。
【0083】
特に、繊維機械は、エアジェット紡糸機械であることができる。繊維機械は、ドラフト装置の特徴、効果、及び利点によって、並びに方法によって説明することができる。ドラフト装置並びに方法は、繊維機械の特徴、効果、及び利点によって説明することができる。したがって、繊維機械は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションの特徴、効果、及び利点によって説明することができる。繊維機械の特徴、効果、及び利点は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションを説明することができる。
【0084】
独立した態様によれば、コンピュータプログラム製品は、特に上述したような繊維機械の制御装置、特に上述したような制御装置上で実行されるときに、上述したような方法を行うように設計することができる。これにより、上述した装置及び方法の利点及び効果が形成されることが可能になる。装置及び方法は、コンピュータプログラム製品の特徴、効果、及び利点によって説明することができる。したがって、コンピュータプログラム製品は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションの特徴、効果、及び利点によって説明することができる。コンピュータプログラム製品の特徴、効果、及び利点は、他の箇所で説明されるような紡糸ステーションを説明することができる。
【0085】
コンピュータプログラム製品は、特に、メモリに記憶された機械可読コードであり、コンピュータプログラム製品が制御装置の計算ユニット上で実行されるときに、対応して装備された繊維機械を制御及び監視することができるか、又は繊維機械を少なくとも部分的に制御するために、この点に関して対応する命令を提供する。
【0086】
要約すると、換言すれば、これは、特に、部分的に自動化されたスライバ供給が遂行され得る場合、例えば、品質欠陥及び糸切れによる紡糸ステーションのシャットダウンなど、並びに紡糸ステーションがより長い期間生産していない場合、走行時間及びパラメータが、ソフトウェアによって可変的に設定され得ることを意味する。特に、スライバ供給は、紡糸ステーションのシャットダウン(品質欠陥、糸切れ)又は長い休止時間後に紡糸ステーションが始動される前に遂行される。特に、ドラフト装置のローラ又はローラ対は、それらのドラフトに従って調整可能な速度及び調整可能な走行時間を使用して動作させられる(これは、生産される番手に依存するので、可変である)。特に、スライバの新しい部分が延伸され、紡糸口金の方向に送出され、任意の不規則性を有する古いスライバが除去される。特にこの時間の間、紡糸ステーションは洗浄位置をとる。スライバ供給中に生じる余分な繊維は、より容易に除去することができる。これにより、特に紡糸ステーションにおける繊維の詰まりを排除/防止することができる。洗浄位置は特に可変であり、特に少なくとも2つの異なる変形例を含む。
【0087】
第1の変形例では、紡糸圧力をオフにすることができ、特に紡糸口金は開かない。繊維は、吸引ユニット、特に上部及び/又は下部吸引ユニットのいずれかに入ることができる。
【0088】
第2の変形例では、紡糸圧力がスイッチオンされて、紡糸口金を開くことができる。繊維は、特に、繊維入口を通して吸引され、紡糸口金の下で吸い出される。
【0089】
代替的に又は追加的に、スライバ供給は、例えば出力ローラ対、特に出力ボトムローラのウォームアップ中に、エプロン駆動部をスイッチオンにすることによって部分的に自動化することができる。これにより、いわゆる主ドラフトゾーンにおいてスライバを切断することが可能になる。この目的のために、スライバは、特に継ぎ合わせプロセスの開始前ではなく、特にウォームアップの後に供給される。特に、スライバは、他の箇所で説明されるように、出力ローラ駆動部及び/又は少なくとも1つのローラのゴム被覆を梳く及び/又は保温するステップと、第2の戻りとの間に供給することができる。洗浄位置は、特に第2の戻りのステップにおいて行われる。紡糸口金は、特に糸戻りの開始時に短時間開かれる。紡糸圧力は、特に継ぎ合わせプロセスのこの部分の間、既にオンである。これは、特に、洗浄位置の第2の変形例を、特に後の時点でもたらす。
【0090】
スライバ供給は、特に、ドラフト装置の設定に依存して、すなわち、ローラ対間の設定された距離に依存して生じ、走行時間は、可変的に調整され得る。ローラ対の間の距離は、特に可変に調整可能であり、スライバの延伸を支援することができる。
【0091】
代替的に又は追加的に、制御装置又は制御装置上で実行される機械可読コードは、紡糸ステーション、特に紡糸口金及び/又は糸端部準備装置、特に糸端部を解きほぐすための圧縮空気供給装置及び/又は糸を解きほぐすための解きほぐしチューブの動作を、特にドラフトシステムの少なくとも1つの駆動可能なローラ、特にボトムローラとともに、協調した様態制御するために使用することができる。少なくとも1つの駆動可能なローラ、特に少なくとも1つのボトムローラに対して、他の箇所で説明されるように、ランプアップ内に複数の支持点を形成することができる。駆動可能なローラは、出力ローラ、特に出力ボトムローラであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0092】
以下において、本発明の例示的な実施形態が、概略的に、かつ例として示す図面を参照してより詳細に説明される。
図1】継ぎ合わせ方法の概略図である。
図2A】シャットダウン後のドラフト装置の一実施形態におけるスライバ位置の図である。
図2B】ドラフト装置の一実施形態におけるエプロンボトムローラ及び/又は出力ボトムローラのウォームアップの開始の図であり、スライバは切断されている。
図2C】ドラフト装置の一実施形態におけるエプロンボトムローラ/出力ボトムローラのウォームアップの終了後のスライバ位置の図である。
図3A】ドラフト装置の一実施形態における第1の洗浄位置の図である。
図3B】ドラフト装置の一実施形態における第2の洗浄位置の図である。
図4】出力ボトムローラの継ぎ合わせランプ及び糸引出し部の概略図である。
図5】支持点を有する継ぎ合わせランプの概略図である。
図6】S字プロファイルを有する継ぎ合わせランプの概略図である。
図7】支持点を有する継ぎ合わせランプの概略図である。
図8】3つの支持点を有する継ぎ合わせランプの概略図である。
【0093】
同じ効果を有する及び/又は同じタイプの要素及び構造には、同じ参照符号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1は、繊維機械、特にエアジェット紡糸機械における継ぎ合わせ方法100の概略図を示す。ステップ1において、巻取りボビン上に置かれた糸(上糸とも呼ばれる)の糸端部の捕捉が設定され得る。このステップ1では、糸端部は、吸引ノズルのような可動糸端部捕捉装置によって捕捉され得る。一方、ローラ対によって形成される糸引出し部は、糸が糸引出し部に挿入されることを可能にするために開くことができる。
【0095】
糸の糸部分を配置するステップ2では、糸は、糸端部捕捉装置を移動させる過程で、偏向輪郭を介して糸巻取り部、いわゆる巻取り部に挿入され得る。特に、巻取り部は、糸を巻取るように設計することができる。特に、糸は、特に糸端部捕捉装置の移動の終わりに、はさみの切断領域に、及び/又は糸端部準備装置の解きほぐしチューブの開口部の前に配置される。糸引出し部は、特に糸端部が上述のように配置された後に、糸をクランプする。
【0096】
ステップ3では、はさみを使用して糸を切断することができる。規定された長さの糸を切断することができる。
【0097】
糸端部を解きほぐすステップ4では、圧縮空気の流れを解きほぐしチューブ内に導入することによって糸端部を解きほぐすことができる。
【0098】
エアジェット紡糸口金の糸巻取りチャネルの出口への糸の第1の戻りのステップ5では、糸の第1の戻りは、糸をクランプする巻取りを逆回転させることによって、及び、解きほぐされた糸端部を誘導する糸誘導チャネルに糸端部又は糸に付随する空気流を導入することによって支持され得、糸誘導チャネルは、糸端部準備装置の構成要素であり得、特に解きほぐしチューブを備え得るか又は形成し得、更に好ましくはエアジェット紡糸口金の糸巻取りチャネルの出口まで延在する。紡糸圧力は、糸引出しチャネル内の空気を伴う輸送のために使用することができ、代替的に又は追加的に、糸は、圧縮空気供給によって糸ガイドチャネル内で更に吹き飛ばすことができる。
【0099】
糸ループを配置するステップ6では、特に第1の戻りのステップ5の後に、糸ループを配置するステップ6は、空気圧糸貯蔵部において行われることができ、空気圧糸貯蔵部は、糸走行方向において、エアジェット紡糸口金と巻取りボビン又は巻取りボビンを回転可能に保持するための巻取りボビンホルダとの間、特に巻取り部と巻取りボビン又は巻取りボビンホルダとの間に配置される。駆動シャフト、巻取りボビン、ドラフト装置101、及び/又は巻取り部のうちの少なくとも1つのランプアップ時間及び加速度が異なり得るので、糸ストレージは補償として機能し得る。
【0100】
特に前述のステップ1~6の間に、梳いて保温するステップ7では、出力ローラ対は、出力ローラ間に配置されたスライバ31を梳くために、及び出力ボトムローラ駆動部36及び/又は出力ローラのゴムライニングを保温するために、出力ボトムローラ26を駆動することによって回転する。
【0101】
部分的に自動化されたスライバ供給の場合、上記ステップ7が、特に適合され得る。換言すれば、特にステップ6の後又はステップ7とともに、ドラフト装置101の残りのローラ対(入口ローラ対、中央ローラ対、及び存在する場合にはエプロンローラ対)は、スライバの規定された引き込み及び延伸を開始するために規定された様態で係合される。残りのローラ対の始動前、又は遅くとも始動とともに、エアジェット紡糸口金は、「古い」スライバを除去することができるように、洗浄位置(他の場所で説明される2つの変形例を参照)に移動させることができる。続いて、ローラ対を停止させることができ、エアジェット紡糸口金は、特に、他の箇所で説明されるように、特にドラフト装置101を規定された様態で始動させることによって、継ぎ合わせプロセスを継続するために、動作位置を再開する(ステップ9参照)。この場合、ドラフト装置101のローラ対を既に停止させることができるので、他の箇所で説明した出力ボトムローラ駆動部36の停止を省略することができる。
【0102】
これは、中央ローラ対とエプロンローラ対との間の領域において、スライバ31の切断を達成するために、ドラフト装置101の残りのローラ対の係合の前に、エプロンボトムローラを動作させることによって、特にエプロンローラ対を駆動することによって、補足することができる。エプロンローラ対の係合を用いて、エアジェット紡糸口金は、特に、切断されたスライバ部分を除去するための洗浄位置に移動される。
【0103】
追加的に又は代替的に、それぞれのローラ対のそれぞれの従動ローラ、特に従動ボトムローラの速度は、規定された期間にわたって具体的に調整することができる。特に、ローラの動作は、ローラのランプアッププロファイルの継ぎ合わせランプ又は加速ランプにおけるランプアップ中に少なくとも2つの支持点を有することができる。これについては、他の箇所で詳細に説明する。
【0104】
第2の戻りのステップ8では、糸の第2の戻りが特に続く。特に、これは、渦室(紡糸室とも呼ばれる)内に直接行われ、それにより、糸端部は空気流によって捕捉され得る。
【0105】
出力ローラ対を停止させるステップ9では、出力ローラ又は出力ローラ対の回転は、停止される。続いて、ドラフト装置101は、入力パラメータに応じて始動され得る。
【0106】
ランプアッププロファイルを規定するランプアップのための入力パラメータは、特に、リードタイム、継ぎ合わせ速度、速度プロファイル、第1段階のための速度、第1段階を動作させる持続時間、及び/又はドラフト装置101の総ランプアップ時間のうちの1つであり得る。従動エプロンボトムローラ24、中央ボトムローラ22、及び/又は入力ボトムローラ20は、ランプアップにおいて出力ボトムローラ26に追従することができる。
【0107】
ランプアッププロファイルを構成する速度プロファイルは、特に、4つのサブパラメータのうちの少なくとも1つを有することができる。これらは、第1段階のための速度、第1段階を動作させる持続時間、ドラフト装置101の総ランプアップ時間、及び特に糸巻取りの総ランプアップ時間を決定する糸巻取り加速度から選択することができる。
【0108】
糸端部は、糸引出し部の滞留時間の間、紡糸室内に保持されることができ、これは、規定された様態でドラフト装置101の準備を調整することを可能にする。
【0109】
滞留時間滞留するステップ10では、糸引出し部は、特に、指定された及び/又は入力された加速度に従って、その滞留時間の終わりにランプアップする。
【0110】
糸引出し部の走行時間における走行のステップ11では、ドラフト装置101もまた、特にこの時間中にランプアップする。走行とは、ここでは、糸引出し部の駆動動作を意味するものと理解される。糸は、スライバ31に接続された後、糸の連続紡糸のために、駆動される糸引出し部によって紡糸室から引き出され、継ぎ合わせプロセスは、特にランプアップ時間が経過した後に完了される。
【0111】
図2Aは、ローラ対の図示されたボトムローラ20、22、24、26のシャットダウン後のドラフト装置101の一実施形態におけるスライバ位置の図を示し、ローラ対は各々、ボトムローラ20、22、24、26のうちの1つと、図示されたボトムローラ20、22、24、26によって駆動されるローラ対が回転している間、閉じた状態で中間スライバ31を輸送するためにそれぞれに割り当てられたトップローラとから構成されている。特に、入力ローラ対の入力ボトムローラ20と、中央ローラ対の中央ボトムローラ22と、エプロンローラ対のエプロンボトムローラ24と、出力ローラ対の出力ボトムローラ26とが一列に示されており、これらはドラフト装置101の一部である。ドラフト装置101は、ロッキング装置16を介してキャリア12に取り付けられている。特に、入力ボトムローラ20は、入力ボトムローラ駆動部30によって回転駆動される。特に、中央ボトムローラ22は、中央ボトムローラ駆動部32によって回転駆動される。特に、エプロンボトムローラ24は、エプロンボトムローラ駆動部34によって回転駆動される。特に、出力ボトムローラ26は、出力ボトムローラ駆動部36によって回転駆動される。特に、エプロン28は、エプロンボトムローラ26の周りを走行し、また、エプロン28の張力を高めるためにエプロンブリッジ29の周りに誘導され得る。ボトムローラ20、22、24、26は、調整装置18を介して互いの相対位置を調整することができる。ここに示されるドラフト装置101の下部は、それぞれのローラ対のトップローラ(図示せず)を保有するトップローラキャリア(図示せず)を介して接続可能であり得、トップローラは、それ自体の駆動がない場合に受動ローラを形成する。
【0112】
図2Bは、ドラフト装置101の一実施形態におけるエプロンボトムローラ24及び/又は出力ボトムローラ26のウォームアップの開始の図を示し、スライバ31は、切断領域25において切断される。
【0113】
図2Cは、ドラフト装置101の一実施形態におけるエプロンボトムローラ24及び/又はアウトプットボトムローラ26のウォームアップの終了後のスライバ位置の図を示す。切断領域25は、エプロンボトムローラ24の上流に位置するコンプレッサの領域に位置付けすることができる。
【0114】
図1を参照して説明したステップ7の間、洗浄ノズルを有する紡糸ステーションは、洗浄位置に移動することができる。ウォームアップ中に生じる過剰な繊維は、特に紡糸口金40において、繊維の詰まりを引き起こすことなく、より容易に除去することができる。洗浄位置は、特に可変であり、図3A及び図3Bに示され、以下で説明されるような2つの異なる変形例を有することができる。
【0115】
図3Aは、ドラフト装置101の一実施形態における第1の洗浄位置の図を示す。スライバ31は、出力トップローラ27と出力ボトムローラ26との間に誘導され、ローラの回転によって輸送される。紡糸口金40内の紡糸圧力は、スイッチオフされ得、2つのハウジング部分から形成される紡糸口金40は、閉じられ得る、すなわち開くことができない。その結果、スライバ31の繊維又はその断片14は、出力ボトムローラ26及び出力トップローラ27によって形成される出力ローラ対の領域に対応して配置され、それらに割り当てられた上部吸引ユニット13又は下部吸引ユニット15のいずれかに入ることができ、したがって吸引される。
【0116】
図3Bは、ドラフト装置101の一実施形態における第2の洗浄位置の図を示す。紡糸圧力をスイッチオンすることができ、紡糸口金40は、開いていてもよく、又は紡糸口金40の紡糸コーン42を保有する2つのハウジング部分のうちの一方の、繊維入口21を保有する他方のハウジング部分に対する二重矢印の方向の相対的動きによって開くことができる。特に、スライバ31の繊維又はその断片14は、紡糸口金40の開位置において、すなわち紡糸コーン42が繊維入口21から離間した位置(図示せず)において、繊維入口21を通して、かつ紡糸室と連通する繊維吸引ユニット23を介して吸引される。出力ボトムローラ駆動部36及びエプロンボトムローラ駆動部34を停止するステップ7が経過した後、紡糸ステーションは、特に、その通常の紡糸位置(紡糸圧力がオンであり、図3Aに示されるように紡糸口金40が閉じられている)を再開する。次いで、次のプロセスステップは、他の箇所で説明されるように行われる。糸の第2の戻り8が続き、ドラフト装置101又はそのボトムローラ20、22、24、26は、他の箇所で説明されたステップ9におけるパラメータを使用して加速される。特に、ステップ9におけるパラメータは、繊維を紡糸口金40に輸送するために使用することができるように適合される。特に、この目的のためにかなり長い時間が入力される。この場合の継ぎ合わせランプは、図4に概略的に図示されている(正確な縮尺ではない)。
【0117】
図4は、糸引出し部の従動ローラの継ぎ合わせランプ410と比較した、従動出力ボトムローラ26の継ぎ合わせランプ420の概略図を示す。時間415は、ミリ秒(millisecond、ms)でX軸上にプロットされている。出力ボトムローラ26又は糸引出し部の従動ローラの速度は、おおよそ毎分回転数の単位でY軸上にプロットされている。スライバ供給400は、特に時間範囲(負の時間範囲)内で実現化されている。特に、出力ボトムローラ26は既に作動しており、そのため、この時点で継ぎ合わせランプ420が既に形成されている。糸引出し部は、ゼロ時間(継ぎ合わせランプ420における従動出力ボトムローラ26の速度増加の開始点として選択される)において依然として停止している。これにより、以下のことが可能になる:
特に、スライバ31を伴わないエプロンボトムローラ駆動部34及び出力ボトムローラ駆動部36の最初の始動は、この第1の時間範囲において行われる。特に、これは、離脱トルクがこのゾーンにおいて影響を有するのを防止する。更に、特に、ドラフト装置101が既に始動しているときに継ぎ合わせが行われ、スライバ31における応力を低減することができる。
【0118】
図5は、支持点550を有する継ぎ合わせランプ530の概略図を示す。速度505は、時間515に対してプロットされている。これは、糸引出しローラ駆動部又は従動糸引出しローラのための継ぎ合わせランプ510と、出力ボトムローラ駆動部36又は従動出力ボトムローラ26のための継ぎ合わせランプ520と、エプロンボトムローラ駆動部34又は従動エプロンボトムローラ24のための支持点を有する継ぎ合わせランプ530とをもたらしている。第1の支持点550の前には、第1の速度段551が形成されている。糸引出しは、滞留時間540において留まることができる。糸引出しの滞留時間540は、特に、糸端部が紡糸室内に保持され、ドラフト装置101の準備を調整することを可能にするような方法で経過する。これは、図1のステップ10に示されており、それを参照して説明されている。特に、糸引出し部は、入力された加速度に従って、その滞留時間540の終わりにランプアップし、一方、ドラフト装置101も特にランプアップする。特に、糸は紡糸室から引き出され、継ぎ合わせプロセスは、特にランプアップ時間が経過した後に完了する。ドラフト装置101の総ランプアップ時間560が、糸引出し部の総ランプアップ時間570と同様に示されている。
【0119】
図6は、プロセスパラメータの例として、S字プロファイル610、620を有する出力ボトムローラ駆動部又は従動出力ボトムローラ26のための継ぎ合わせランプ630の概略図を示す。速度605は、時間615にわたってプロットされている。特に、(ボトムローラ20、22、24、26の)駆動部のランプアップは、直線的にのみ行われるのではなく、調整可能なS字曲線で行われる。これは、極端な加速が回避され得ることを意味する。S字プロファイル610、620は、糸引出し部に対して、及びドラフト装置101又はその従動ボトムローラ20、22、24、26に対しての両方で実現することができる。
【0120】
図7は、ドラフト装置101の加速ランプ(時間715にわたる速度705)を示しており、ここでは、1つの支持点725のみが、糸引出し部ローラ駆動の加速ランプ710におけるランプアップ中に形成され得る。入力ボトムローラ20の加速ランプ730と同様に、出力ボトムローラ26の加速ランプ720が示されている。図5の対応する説明がまた、ここで適用される。
【0121】
図8は、ドラフト装置101の加速ランプ(時間715にわたる速度705)を示しており、ここでは、3つの支持点725、735、745が、例として、出力ボトムローラ26の加速ランプ720のランプアップ中に形成され得る。図5及び図7の対応する説明がまた、ここで適用される。3つの支点725、735、745は、特に、可変時間715の後に到達することができる可変速度705の定義を意味する。この変化は、例えば、継ぎ合わせが結合ゾーンの後に薄い点を作り出す傾向を防止することができる。特に、これは、継ぎ合わせ中の繊維塊のより柔軟な設計をもたらす。
【0122】
「できる(Can)」は、特に、本発明のオプションの特徴を指す。したがって、追加的に又は代替的に、それぞれの特徴又はそれぞれの特徴(複数)を有する本発明の発展形態及び/又は例示的な実施形態も存在する。
【0123】
本件で開示される特徴の組み合わせから、分離された特徴がまた、必要に応じて取得され得、請求項の主題の範囲を定めるための他の特徴と組み合わせて、特徴間に存在する可能性のある構造的及び/又は機能的関係を解決することによって使用され得る。
【符号の説明】
【0124】
参照符号の一覧
1 糸の糸端部を捕捉する
2 巻取り部内の糸の糸部分の配置
3 はさみで糸を切断する
4 糸端部を解きほぐす
5 糸の第1の戻り
6 糸ループを敷く
7 梳いて保温する
8 第2の戻り
9 出力ボトムローラを停止する
10 滞留時間
11 糸引出しの走行時間
12 キャリア
13 上部吸引ユニット
14 断片
15 下部吸引ユニット
16 ロック装置
18 調整装置
20 入力ボトムローラ
21 繊維入口
22 中央ボトムローラ
23 繊維吸引ユニット
24 エプロンボトムローラ
25 切断領域
26 出力ボトムローラ
27 出力トップローラ
28 エプロン
29 エプロンブリッジ
30 入力ボトムローラ駆動部
31 スライバ
32 中央ボトムローラ駆動部
34 エプロンボトムローラ駆動部
36 出力ボトムローラ駆動部
40 紡糸口金
42 紡糸コーン
100 継ぎ合わせ方法
101 ドラフト装置
400 スライバ供給装置
410 糸引出し駆動部のための継ぎ合わせランプ
405 速度
415 時間
420 出力ボトムローラ駆動部のための継ぎ合わせランプ
505 速度
510 糸引出し駆動部のための継ぎ合わせランプ
515 時間
520 継ぎ合わせランプ
530 1つの支持点を有する継ぎ合わせランプ
540 滞留時間
550 単一支持点
551 速度レベル
560 ドラフト装置の総ランプアップ時間
570 糸引出し部の総ランプアップ時間
605 速度
610、620 S字プロファイル
615 時間
630 S字プロファイルを有する出力ボトムローラの継ぎ合わせランプ
705 速度
710 糸引出しローラ駆動部の加速ランプ
715 時間
720 出力ボトムローラの加速ランプ
730 入力ボトムローラの加速ランプ
725、735、745 支持点
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8