(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175684
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】電気絶縁ブロックとケーブルの1つの電線に対してそれぞれが接続される中心コンタクトとを収容する金属本体からなる、絶縁電線を有するケーブルのためのコネクタサブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/502 20060101AFI20241211BHJP
H01R 13/42 20060101ALI20241211BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20241211BHJP
【FI】
H01R13/502 Z
H01R13/42 Z
H01R13/6581
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091623
(22)【出願日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】2305647
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】524214550
【氏名又は名称】レディアル
(71)【出願人】
【識別番号】310022361
【氏名又は名称】ヤザキ・ヨーロッパ・リミテッド
【住所又は居所原語表記】Beechwood House, 2-3 Commercial Way, Christy Close, Basildon, Essex, SS15 6EF United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・アンヌカン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥニ・ギャベ
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラフ・スルジッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヒカルド・ヌーノ・サントス・ヘイス
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA08
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC23
5E021FC32
5E021LA09
5E021LA15
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF07
5E087FF13
5E087GG11
5E087HH01
5E087MM05
5E087RR25
5E087RR36
(57)【要約】
【課題】電気絶縁ブロックとケーブルの1つの電線に対してそれぞれが接続される中心コンタクトとを収容する金属本体からなる、絶縁電線を有するケーブルのためのコネクタサブアセンブリを提供すること。
【解決手段】本発明は、電気絶縁ブロックおよび外方シールド本体を有するコネクタサブアセンブリから本質的になる。外方シールド本体は開口部を備え、これらの開口部は、相互に重畳され、中心コンタクトが基準差込み位置に正確に到達したか否かだけでなく、さらに中心コンタクトが差し込まれつつあるときのブロック内部における進行状況を外部から見ることが可能になるように相対配置される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタサブアセンブリ(1)であって、
電気ケーブル(2)の電線(22、23)の端部に対して接続される、好ましくは圧着されるように意図された少なくとも1つの中心コンタクト(12、13)と、
その内部において前記中心コンタクトが基準位置へと差し込まれる少なくとも1つのキャビティ(114、115)、および前記キャビティから開口する少なくとも1つの視認開口部(112、113)を備える、電気絶縁ブロック(11)と、
前記電気絶縁ブロックを保持するシート(100)を備える、シールド本体を形成する導電性本体(10)であって、前記シールド本体は外部に向かって開口する少なくとも1つの視認開口部(102、103)を備える、導電性本体(10)と、
を備え、
前記絶縁ブロックの前方部分(110)が、前記シールド本体の前方部分を越えて長手方向に突出し、前記絶縁ブロックのおよび前記シールド本体の前記視認開口部は、前記中心コンタクトが差し込まれつつあり前記中心コンタクトが基準位置に到達する前に、および前記中心コンタクトが基準位置に到達した後に、前記中心コンタクトの少なくとも自由端部を外部から視認可能になるように、相互に対して寸法設定および配置され、前記中心コンタクトの前記自由端部(120、130)と、基準面を画定する前記絶縁ブロックの前記前方部分の前方端部と、の間の距離が、光学手段を利用して外部から計測可能である、コネクタサブアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記光学手段は、前記サブアセンブリの長手方向軸に対して垂直方向に前記距離を計測するように構成される、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項3】
前記導電性本体(10)は、単体部分である、請求項1または2に記載のサブアセンブリ。
【請求項4】
前記絶縁ブロック(11)の前記1つ以上の視認開口部(112、113)は、貫通開口部ではない、請求項1から3のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項5】
前記絶縁ブロックの前記前方部分(110)は、前記絶縁ブロックの前記シートを画定する前記シールド本体の内方壁部を越えて径方向に突出する、請求項1から4のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項6】
前記絶縁ブロックの前記前方部分(110)は、前記キャビティに対面する少なくとも1つの貫通穴(116、118)と、前記穴の前方部を延長させた裁頭円錐形上壁部(117、119)の少なくとも一部分と、を備え、前記穴は、前記中心コンタクトの前記自由端部(120、130)を機械的に保護するように設計される、請求項1から5のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項7】
各中心コンタクトの前記自由端部は、ペタルの形態の相互から離間された長手方向ストリップ(120、130)を備え、前記絶縁ブロックのおよび前記シールド本体の前記視認開口部は、少なくとも1つのペタルの少なくとも一部が外部から視認可能になるように、相互に対して寸法設定および配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁ブロックのおよび前記シールド本体の前記視認開口部は、単一のペタルが外部から視認可能になるように相互に対して寸法設定および配置される、請求項4に記載のサブアセンブリ。
【請求項9】
前記絶縁ブロックのおよび前記シールド本体の前記視認開口部は、前記中心コンタクトが前記基準位置にある状態において、少なくとも1つのペタルの長さの少なくとも一部が外部から視認可能になるように相互に対して寸法設定および配置される、請求項4または5に記載のサブアセンブリ。
【請求項10】
前記シールド本体は、前記視認開口部を部分的に画定する電気接地ラグを形成するように意図された径方向可撓性ラグ(101)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項11】
2つの中心コンタクトを備え、前記2つの中心コンタクトの後方部分が、被覆を剥がされた電線の端部にて前記電線の導体の周囲に圧着されるように意図され、前記絶縁ブロックは、相互に平行な2つのキャビティであって、前記キャビティのそれぞれの中に前記2つの中心コンタクトの一方が差し込まれる、2つのキャビティと、前記後方部にて長手方向に突出し、前記2つの中心コンタクトが差し込まれつつあるときに被覆を剥がされた電線(22、23)の導体上にそれぞれ圧着される前記2つの中心コンタクトのそれぞれを案内するように設計された突起部(1100)と,を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のサブアセンブリと、
前記サブアセンブリが中に着座し固定されるハウジング(16)と,
を備える、コネクタ(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データおよび/または電気伝送コネクタの分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、中心コンタクトが電気ケーブル電線の端部に対して接続される、好ましくは電気ケーブル電線の端部に対して圧着されるコネクタに関する。
【0003】
より詳細には、本発明は、1つ以上の対のシールド付き伝送電線またはシールド無し伝送電線を備えるケーブルを使用してデータを伝送するためのコネクタに関する。
【0004】
より一般的には、本発明は、電気信号および/またはデータおよび/または高周波(RF)信号を伝送するためのあらゆるタイプのコネクタに関する。
【0005】
有益な一用途としては、自動車用のコネクタがある。
【背景技術】
【0006】
電気信号および/またはデータおよび/または高周波(RF)信号を伝送するためのコネクタの分野において、中心コンタクトが事前組付けされ、各コンタクトが電気ケーブル電線の被覆を剥がされた端部の周囲に圧着されるまたは圧着されるように意図された、電気絶縁ブロックを有するコネクタが知られる。
【0007】
かかるコネクタを組み付ける最中には、各中心コンタクトがコネクタの外側本体すなわちハウジングの内部において最終基準位置に差し込まれるすなわち組み込まれることを確保することが重要である。
【0008】
特許文献1の特許では、
図1に示される、事前組付けされたサブアセンブリを有するこのタイプのコネクタを開示している。
【0009】
事前組付けされたコネクタサブアセンブリ1は、相互に絶縁された電線を有するケーブル2に接続され組み付けられることを意図している。
【0010】
サブアセンブリ1は、切断および圧延により作製された、電磁シールド本体を形成する金属本体10を備える。
【0011】
このシールド本体10は電気絶縁ブロック11を収容し、この電気絶縁ブロック11には中心コンタクト12、13が挿入される。これらの中心コンタクト12、13は、絶縁ブロック11の後方に向かって突出することにより延在する端部圧着部分14、15を備える。
【0012】
中心コンタクト12、13のこれらの端部部分14、15は、電気ケーブルの電線導体の被覆を剥がされた端部の周囲に圧着される。
【0013】
この圧着は、中心コンタクト12、13が、シールド本体および絶縁体を備えるサブアセンブリに対して可能な限り正確であることが必要となる基準位置において絶縁ブロック11に差し込まれる前または後に行われ得る。
【0014】
さらに、特定の用途において、特に自動車においては、特にレーザまたは光学カメラを利用して、コネクタの電気絶縁ブロックに対するまたはシールド本体に対する中心コンタクトの端部の位置を計測することが可能である必要がある。
【0015】
さらに、絶縁体の前方部分は、適合するコネクタとの接続中に適合するオス中心コンタクトを案内しセンタリングするために使用される形状部を備え得るものであり、これによりメス中心コンタクトの自由端部に形成されたペタルが機械的に保護される。この裁頭円錐形状部は、貫通穴を延長させたものであり、「クローズドエントリ」または「引き込み面取り部」と通常呼ばれるが、適合するオス中心コンタクトが正しい径方向位置にある場合にのみこのオス中心コンタクトの通過を可能にする。この裁頭円錐形状部は、メス中心コンタクトの端部が絶縁体の前方部分からは視認不能であるため、メス中心コンタクトの位置確認を妨げ得る。この場合に、コネクタの側面または上部/下部からメス中心コンタクトを視認するための1つ以上の窓を介した標準的な解決策が存在する。
【0016】
上述のように、特許文献2は、コネクタの本体に組み付けられた中心コンタクトの端部を視認するための窓を提案している。ここに開示される解決策の主要な欠点は、中心コンタクトが正しく差し込まれた場合におよびその場合にのみ視認が可能となる点である。したがって、中心コンタクトが差し込まれつつあるときにその経路を追跡することは不可能となる。したがって、中心コンタクトが差し込まれつつあるときにその一部分が誤った位置合わせおよび/または望ましくない変形が生じた場合には、これは、最終的にはコネクタの動作に悪影響を及ぼす場合があるが、検出されないままとなり得る。
【0017】
さらに、提案されるこの解決策は、単一の中心コンタクトに対するコネクタ向けに実装されるものであるため、したがって
図1の構成の場合のような並置された2つの中心コンタクトに対するコネクタに置き換えることはできない。
【0018】
最後に、中心コンタクトと開示される視認窓の非常に小さな開口部との相対位置を所与とした場合には、中心コンタクトの計測を保証することは少なくとも困難である。
【0019】
さらに、この解決策では、絶縁体の前方面に対する中心コンタクトの位置を直接的に計測することができない。なぜならば、中心コンタクトが視認窓から視認可能であるときに、絶縁体は、前記中心コンタクトと同時にはモニタリングオペレータまたは計測機械の視野内に存在しないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】仏国特許第3074616号明細書
【特許文献2】米国特許第11,437,738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、中心コンタクト基準位置にある中心コンタクトの端部を電気絶縁ブロックに対して計測することを可能にすると共に、中心コンタクトの基準差込み位置がコネクタ内において正確であることを確認するのみにとどまらず、さらには中心コンタクトが前記基準位置に到達する前においてもコネクタ内への差込みステップを確認するように、コネクタをさらに改良する必要がある。
【0022】
本発明の目的は、この必要性のすべてまたは一部に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
この目的を達成するために、本発明の態様の中の1つによる本発明の1つの対象は、コネクタサブアセンブリである。このコネクタサブアセンブリは、
電気ケーブルの電線の端部に対して接続される、好ましくは圧着されるように意図された少なくとも1つの中心コンタクトと、
中において中心コンタクトが基準位置へと差し込まれる少なくとも1つのキャビティ、およびキャビティから開口する少なくとも1つの視認開口部を備える、電気絶縁ブロックと、
電気絶縁ブロックを保持するシートを備える、シールド本体を形成する導電性本体であって、シールド本体は外部に向かって開口する少なくとも1つの視認開口部を備える、導電性本体と、
を備え、
絶縁ブロックの前方部分は、シールド本体の前方部分を越えて長手方向に突出し、絶縁ブロックのおよびシールド本体の視認開口部が、中心コンタクトが差し込まれつつあり中心コンタクトが基準位置に到達する前に、および中心コンタクトが基準位置に到達した後に、中心コンタクトの少なくとも自由端部を外部から視認可能になるように、相互に対して寸法設定および配置され、中心コンタクトの自由端部と基準面を画定する絶縁ブロックの前方部分の前方端部との間の距離が、光学手段を利用して外部から計測可能である。ここで「基準位置」は、適合中心コンタクトが中で結合され得る電気絶縁ブロック内における、中心コンタクトの最終期待位置を意味する。
【0024】
有利には、光学手段は、サブアセンブリの長手方向軸に対して垂直方向に距離を計測するように構成される。換言すれば、この距離は、前方絶縁体の設計が許す限りにおいて、中心コンタクトの自由端部を前方面から見るように設計された1つ以上のミラーなどの、計測自体に必要な手段以外のいかなる追加手段も利用することなく、光学的に計測される。
【0025】
導電性本体は、好ましくは単体部分である。
【0026】
また好ましくは、絶縁ブロックの1つ以上の表示開口部は、貫通開口部ではない。
【0027】
絶縁ブロックの前方部分の長手方向の突出部は、以下に詳述するように、適合中心コンタクトのプラグ穴に裁頭円錐形状を与えるために利用することの可能な追加スペースを形成する。
【0028】
第2の有利な変形実施形態によれば、絶縁ブロックの前方部分は、絶縁ブロックのシートを画定するシールド本体の内方壁部を越えて径方向に突出する。絶縁ブロックの径方向突出部は、ハンドリングの誤りにより影響を被る可能性のあるシールド本体のすべての可撓性接地ラグを物理的に保護する。
【0029】
有利には、これら2つの変形例が組み合わされる。すなわち、絶縁ブロックの前方部分が、シールド本体の前方部分を越えて長手方向におよびシールド本体の内方壁部を越えて径方向に突出することにより、中心コンタクトとシールド本体との間の境界面におけるインピーダンス整合が最適化される。
【0030】
別の有利な変形実施形態によれば、絶縁ブロックの前方部分は、キャビティに対面する少なくとも1つの貫通穴と、穴の前方部を延長させた裁頭円錐形上壁部の少なくとも一部分と、を備え、前記穴は、中心コンタクトの自由端部を機械的に保護するように設計される。この裁頭円錐形部分により、典型的にはオスである適合中心コンタクトは、電気絶縁ブロックに挿入される最中に、基準位置にある典型的にはメスである中心コンタクトと結合する前に芯合わせ再調整されることが可能になる。
【0031】
有利な一実施形態によれば、各中心コンタクトの自由端部は、ペタルの形態の相互から離間された長手方向ストリップを備え、絶縁ブロックのおよびシールド本体の視認開口部は、少なくとも1つのペタルの少なくとも一部が外部から視認可能になるように相互に対して寸法設定および配置される。
【0032】
この実施形態によれば、有利には、絶縁ブロックのおよびシールド本体の視認開口部は、単一のペタルが外部から視認可能になるように相互に対して寸法設定および配置される。外部からの視認ゾーンは、可能な限り小さく留められ、それにより電磁リーク(EMI)が最小限に抑えられる。
【0033】
さらにこの実施形態によれば、記絶縁ブロックのおよびシールド本体の視認開口部は、中心コンタクトが基準位置にある状態において少なくとも1つのペタルの長さの少なくとも一部が外部から視認可能になるように相互に対して寸法設定および配置される。これにより、中心コンタクトが差し込まれつつあるときに変形されていないことを確認することが可能となる。
【0034】
別の有利な変形実施形態によれば、シールド本体は、視認開口部を部分的に画定する電気接地ラグを形成するように意図された径方向可撓性ラグを備える。
【0035】
別の有利な実施形態によれば、サブアセンブリは、2つの中心コンタクトを備え、この2つの中心コンタクトの後方部分が、被覆を剥がされた電線の端部にてこの電線の導体の周囲に圧着されるように意図され、絶縁ブロックは、相互に平行な2つのキャビティであって、前記キャビティのそれぞれの中に2つの中心コンタクトの一方が差し込まれる、2つのキャビティと、後方部にて長手方向に突出し、2つの中心コンタクトが差し込まれつつあるときに被覆を剥がされた電線の導体上にそれぞれ圧着される2つの中心コンタクトのそれぞれを案内するように設計された突起部と、を備える。したがって、絶縁ブロックのこの後方突起部により、電線に対して事前に個別に圧着された中心コンタクトへの差込みがさらに容易になる。
【0036】
また、本発明は、
上述のような少なくとも1つのサブアセンブリと、
サブアセンブリが中に着座し固定されるハウジングと、
を備える、コネクタに関する。
【0037】
したがって、本発明は、電気絶縁ブロックおよび外方シールド本体を有するコネクタサブアセンブリから本質的になる。外方シールド本体は開口部を備え、これらの開口部は、相互に重畳され、中心コンタクトが基準差込み位置に正確に到達したか否かだけでなく、さらに中心コンタクトが差し込まれつつあるときのブロック内部における進行状況を外部から見ることが可能になるように相対配置される。
【0038】
基準面を画定する絶縁ブロックの前方部分の前方端部に対する距離を、外部から光学手段を利用して機能的計測することにより、中心コンタクト間の電気性能、特に電気的連続性が保証される。
【0039】
本発明は、先行技術のコネクタに比べて以下を含む多くの利点を含む。
「クローズドエントリ」絶縁体の裁頭円錐形を含むいくつかの形状により、メス中心コンタクトのペタルの端部が保護される。
中心コンタクトが差し込まれつつあるときおよび基準位置に到達した後の両方において、電気絶縁ブロック内の中心コンタクトを外側から視認することにより、正確な組付けの確認を行う。
絶縁ブロックの前方壁部と基準位置にある中心コンタクトの端部との間の距離を正確に計測することが可能であることにより、絶縁体内における中心コンタクトの位置決めが最適化され、それにより結合された中心コンタクトのカバリングが最適化される。
シールド本体中に形成されたすべての可撓性接地ラグが、絶縁ブロックの径方向突出前方部分によって物理的に保護される。
視認開口部が存在するにもかかわらず、RF性能、とりわけ特性インピーダンスおよびEMIリークが少なくとも維持される。
【0040】
本発明の他の利点および特徴は、以下の図を参照として非限定的な例として示される本発明の例示の実装形態の詳細な説明を読むことによって、よりはっきりと明確なものになろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】先行技術による圧着されることとなる中心コンタクトを有する一例のコネクタサブアセンブリの斜視図である。
【
図2】事前組付けされた構成にありケーブルに対して接続された、本発明による中心コンタクトを有するコネクタサブアセンブリの斜視図である。
【
図3】中心コンタクトが差込みの最中にある位置にあることが外部から見える、
図2によるサブアセンブリの上面図である。
【
図4】中心コンタクトがその基準の差込み位置にあることが外部から見える、
図2によるサブアセンブリの上面図である。
【
図4A】中心コンタクトがその基準の差込み位置にあることが外部から見える、
図2によるサブアセンブリの長手方向断面図である。
【
図5】本発明によるコネクタサブアセンブリの電気絶縁ブロックの一変形実施形態の斜視図である。
【
図6】電気絶縁ブロックに差し込まれた中心コンタクトにより圧着されるケーブルの電線同士の相対位置を示す、
図5による電気絶縁ブロックの部分斜視図である。
【
図7】本発明によるコネクタサブアセンブリの分解図である。
【
図8】
図7によるサブアセンブリと、サブアセンブリが中に着座し固定されるコネクタハウジングとを有する、本発明によるコネクタの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本願の全体を通じて、「前方」および「後方」という語は、本発明によるコネクタサブアセンブリの接続面を基準とするものとして理解されるべきである。したがって、電気絶縁ブロックの前方部分は、適合コネクタのその部分と接触状態になるように意図された部分であり、中心コンタクトの前方部分は、適合コネクタの中心コンタクトと結合されるように意図された部分である。
【0043】
明瞭化ために、先行技術によるサブアセンブリと本発明によるサブアセンブリとの同一要素に対して、同一の参照番号を使用した。
【0044】
図1は、序文において既に詳細に説明済みである。したがって、以降では論じない。
【0045】
図2~
図4Aは、本発明によるコネクタサブアセンブリ1を示す。このコネクタサブアセンブリ1は、その2つの中心コンタクトが基準差込み位置に位置する組付け構成にある。
【0046】
コネクタサブアセンブリ1は、長手方向軸Xに沿って延在し、事前組付けされている。なぜならば、コネクタサブアセンブリ1は、電磁シールド本体を形成する単体金属本体10に予め組み付けられた電気絶縁ブロック11を備えるからである。サブアセンブリ1は、相互に絶縁された電線を有するケーブル2に接続され、組み付けられる。
【0047】
電磁シールド本体を形成する単体金属本体10は、切断および圧延により作製され、電気的結合およびインピーダンス整合を保証する。
【0048】
代替的には、この本体は、2つの長手方向部分から形成することも可能である。
【0049】
このシールド本体10は、内部においてはシート100により画定され、電気絶縁ブロック11は、このシート100に保持される。
【0050】
とりわけ、突出することにより絶縁ブロック11の後部に向かって延在する端部圧着部分(図示せず)を備える中心コンタクト12、13が、電気絶縁ブロック11内に挿入される。
【0051】
中心コンタクト12、13のこれらの端部部分は、電気ケーブル2の電線導体の被覆を剥がされた端部の周囲に圧着される。
【0052】
図示された例では、各中心コンタクト12、13がメスであり、相互に分離されてペタルを形成する材料ストリップ120、130を各中心コンタクト12、13前方端部に備える。
【0053】
シールド本体10は、その前方周縁部に沿って分散された電気接地ラグを形成する可撓性ラグ101を備え、図示する例では4つの可撓性ラグ101が存在する。
【0054】
シールド本体の前方部分の一部が、前方に開口するように切り欠かれる。この切欠部は、本体10の長手方向エッジの1つに沿って延在する接地ラグ101の両側に前方開放開口部102、103を画定し、これらの前方開放開口部102、103は、中心コンタクト12または13を視認するための開口部を形成する。
【0055】
シールド本体10は、幅狭の後方部分104をさらに備える。この幅狭部分104により、ケーブル2が、好ましくはシールド編組の下方にて圧着される位置であるサブアセンブリ1の後方部分と、中心コンタクト12、13が差し込まれる絶縁ブロック11を備える前方部分と、の間におけるインピーダンス整合が可能になる。
【0056】
絶縁ブロック11は、シールド本体10の前方部分を越えて長手方向に、およびシート100を形成するシールド本体の内方壁部を越えて径方向に、突出する前方部分110を備える。絶縁ブロック11の前方部分110の前方端部は、基準面を画定する。このようにして、本発明によるサブアセンブリ1と、このサブアセンブリ1に対して結合される適合するサブアセンブリと、の間の境界面におけるインピーダンス整合が最適化される。前方部分110の径方向突出部は、適合サブアセンブリと結合している最中にまたはサブアセンブリの他のハンドリングの最中に、接地ラグ101を機械的に保護する。
【0057】
絶縁ブロック11は、前方部分110の後方および仕切り壁111の両側に、中心コンタクト12、13のための着座キャビティ114、115を延長させる切欠部112、113を備える。この切欠部112、113は、絶縁ブロック11の外側に向かって開く開口部を画定し、この開口部は、中心コンタクト12または13を視認するための開口部を形成する。図示されたように、これらの開口部112、113は、いずれも貫通開口部ではなく、視認開口部102、103が存在するシールド本体10のエッジによって重畳される、ブロック11の長手方向エッジの側においてのみ開口している。これは、開口部112、113におけるインピーダンスの最適化に有効であり、可能な限り多くの絶縁ブロック11の誘電材料が保持され、空気に置き換えられない。シールド本体10が切欠部112、113の上方に重畳することにより、EMIリークが限定される。
【0058】
さらに、前方部分110は、中心コンタクト12、13のための各着座キャビティ114、115に対面する貫通穴116、118を有する。各穴116、118の前方に延在する周縁壁部117、119は、裁頭円錐形状である。この裁頭円錐形状により、適合コネクタのオス中心コンタクトを挿入する最中における芯合わせ再調整が可能となり、それによってペタル120、130を有する中心コンタクト12、13がその基準差込み位置においてこの適合コネクタのオス中心コンタクトに結合され得る。各穴116、118の直径は、中心コンタクト12、13の前方部分の外径よりも小さい。これにより、ペタル120、130間に存在するコンタクト12、13の空間を標的とし、ペタル120、130の前方端部とのあらゆる衝突および前記ペタルの損傷を防止するように、適合コネクタのオス中心コンタクトはこの穴116、118の直径内に正確に誘導される。換言すれば、穴116、118は、適合オスコンタクトの挿入および結合の最中にコンタクト12、13の機械的保護としての役割を果たす。
【0059】
各穴116、118および芯合わせ再調整壁部117、119の存在により、「クローズドエントリ」と呼ばれる中心コンタクト12、13に対する保護機能がもたらされる。
【0060】
サブアセンブリの前方面から中心コンタクト12、13を隠蔽する限定的な直径の各穴116、118が存在することにより、中心コンタクト12、13が基準差込み位置にあるかを確認することが不可能となる。
【0061】
この問題を解消するために、切欠部112、113が絶縁ブロック中に形成され、切欠部102、103がシールド本体中に形成され、それにより中心コンタクト12、13がその正しい差込み位置にあるかを確認することが可能となる。
【0062】
本発明によれば、絶縁ブロックの視認開口部112、113およびシールド本体10の視認開口部102、103は、中心コンタクトが差し込まれつつある中心コンタクトが基準位置に到達する前に(
図3)、および中心コンタクトが基準位置に到達した後に(
図4、
図4A)、その中心コンタクトの少なくとも自由端部を外部から視認可能になるように、相互に対して寸法設定され配置される。
【0063】
換言すれば、これらの視認開口部102、103、112、113は、相互に延在する2つの視認ゾーンZ1、Z2を画定し、これらの視認ゾーンZ1、Z2により、最初は中心コンタクト12、13が絶縁ブロック11内に差し込まれつつあるときの進行状況を視認し、次いで中心コンタクトが基準の差込み位置に到達した後には前記中心コンタクトを視認することが可能となる。
【0064】
図3~
図4Aに示す例では、シールド本体の切欠部102、103は、視認開口部102、103を可能な限り小さいものに留めることを可能にする材料凹部105によって形成され、そのため少なくともゾーンZ1に位置する一方のペタル120、130のみの視認が可能となる。これにより、シールド本体10の一部分で絶縁ブロック中の切欠部112、113を部分的に覆うことによって、EMIリークが最小限に抑えられる。さらに、シールド本体の一部分110でこれらの切欠部112、113をこのように部分的に覆うことは、伝送ラインのインピーダンスを局所的に最適化することにも有効となる。また、シールド本体中の材料凹部105は、視認ゾーンZ2を広げて、コンタクト12、13の前方端部をコンタクトの全幅にわたって視認できるようにする。ゾーンZ2により、中心コンタクトと例えば絶縁ブロックの前方部分の前方端部などとの間の距離を計測することが可能となる。
【0065】
図5および
図6は、電気絶縁ブロック11の後方部にて長手方向に突出する突起部1100を有する有利な一変形例を示す。この突起部1100は、シース21を有するケーブル2の被覆を剥がした電線22、23の導体に対して圧着された2つの中心コンタクト12、13のそれぞれを、コンタクト12、13の差込みの最中に案内するために使用される。
【0066】
上述したサブアセンブリ1の組立て方法は、以下のステップを、すなわち
i)シールド本体10の前方部を通過し、シールド本体10にこの目的のために設けられたシート100内へと電気絶縁ブロック11を組み付けるステップと、
ii)中心コンタクト12、13を電気ケーブルの電線22、23に対して圧着するステップと、
iii)好ましくは絶縁ブロック11の後方部に位置する突起部1100による案内を用いて、この目的のために絶縁ブロック11内に設けられた着座キャビティ114、115内へと各配線済み中心コンタクト12、13を差し込むステップと、
iv)各中心コンタクト12、13が差し込まれつつあるときにゾーンZ1において各中心コンタクト12、13を視認するステップと、
v)各中心コンタクト12、13がその基準差込み位置に到達したことの示唆となる、ゾーンZ2において各中心コンタクト12、13を視認するステップと、
vi)基準面を画定する絶縁ブロック11の前方端部に対する中心コンタクトの端部の位置を外側から視覚的に計測するステップと、
を含む。
【0067】
ステップii)は、ステップi)の前に実施されてもよい。
【0068】
図7は、本発明によるサブアセンブリ1の構成要素を示す。
【0069】
図8は、適合化されたハウジング16を有するコネクタ200を示す。このハウジング16内には、各中心コンタクト12、13がその圧着部分14、15にてケーブル2の電線22、23の一方の被覆を剥いた端部に対して予め圧着されている、
図7のものと同様のサブアセンブリ1が着座し固定される。
【0070】
したがって、ハウジング16は、配線済みサブアセンブリ1を受けるように形状設定された内方シート160を備える。
【0071】
本発明の範囲から逸脱することなく他の変形例および改良例が実現されてもよい。
【0072】
図示する例のコネクタサブアセンブリは、2つの中心コンタクト12、13が相互に平行な着座キャビティ114、115内に差し込まれるように構成されるが、本発明は、単一の中心コンタクトまたは3つ以上の中心コンタクトが所与の電気絶縁ブロック内に差し込まれるように実装されることも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 コネクタサブアセンブリ
2 電気ケーブル
10 金属本体、シールド本体
11 電気絶縁ブロック
12 中心コンタクト
13 中心コンタクト
14 端部圧着部分
15 端部圧着部分
16 ハウジング
21 シース
22 電線
100 シート
101 可撓性ラグ、接地ラグ
102 前方開放開口部、視認開口部、切欠部
103 前方開放開口部、視認開口部、切欠部
104 幅狭後方部分
105 材料凹部
110 前方部分
111 仕切り壁
112 切欠部、開口部、視認開口部
113 切欠部、開口部、視認開口部
114 着座キャビティ
115 着座キャビティ
116 貫通穴
117 周縁壁部、芯合わせ再調整壁部
118 貫通穴
119 周縁壁部、芯合わせ再調整壁部
120 材料ストリップ、ペタル
130 材料ストリップ、ペタル
160 内方シート
200 コネクタ
1100 突起部
Z1 視認ゾーン
Z2 視認ゾーン
【外国語明細書】