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  • 特開-ゼリー状飲料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017572
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ゼリー状飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20240201BHJP
   A23L 29/231 20160101ALI20240201BHJP
   A23L 2/66 20060101ALI20240201BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20240201BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A23L2/00 A
A23L29/231
A23L2/66
A23L2/60
A23L2/52
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120293
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】306007864
【氏名又は名称】ユニテックフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】名倉 美咲
(72)【発明者】
【氏名】坂井 二千佳
(72)【発明者】
【氏名】坂本 有宇
【テーマコード(参考)】
4B041
4B117
【Fターム(参考)】
4B041LC03
4B041LC10
4B041LD01
4B041LH04
4B041LH05
4B041LH07
4B041LH08
4B041LH10
4B041LH16
4B041LK11
4B041LK14
4B041LK15
4B041LK16
4B041LK22
4B041LK24
4B041LK27
4B041LK36
4B041LK37
4B041LP01
4B041LP04
4B041LP10
4B041LP16
4B041LP18
4B041LP22
4B117LC02
4B117LE10
4B117LG07
4B117LG11
4B117LG22
4B117LG29
4B117LK01
4B117LK08
4B117LK12
4B117LK13
4B117LK15
4B117LK17
4B117LK18
4B117LL02
4B117LL04
4B117LL09
4B117LP16
4B117LP17
(57)【要約】
【課題】蛋白質及び糖質の含有量が多く、容器への充填作業性が高く、かつ離水が少ないゼリー状飲料を提供する。
【解決手段】ゼリー状飲料が、蛋白質と、糖質と、ゲル化剤とを含有し、このゼリー状飲料中の蛋白質の含有量が0.1~20.0質量%の範囲であり、このゼリー状飲料の糖度が10~55度の範囲であり、糖質としてデキストリンを含有し、このゼリー状飲料中のデキストリンの含有量が1~20質量%の範囲であり、ゲル化剤としてペクチンと二価の金属イオンとを含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛋白質と、糖質と、ゲル化剤とを含有するゼリー状飲料であって、
前記ゼリー状飲料中の前記蛋白質の含有量が0.1~20.0質量%の範囲であり、
糖度が10~55度の範囲であり、
前記糖質としてデキストリンを含有し、前記ゼリー状飲料中のデキストリンの含有量が1~20質量%の範囲であり、
前記ゲル化剤としてペクチンと二価の金属イオンとを含有することを特徴とするゼリー状飲料。
【請求項2】
前記ゼリー状飲料中の前記ペクチンの含有量が0.55~2質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載されたゼリー状飲料。
【請求項3】
前記ペクチンがエステル化度25以上のペクチンを含有することを特徴とする請求項1に記載されたゼリー状飲料。
【請求項4】
前記デキストリンのデキストロース当量が9~20の範囲であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載されたゼリー状飲料。
【請求項5】
前記蛋白質は、乳由来蛋白質、牛由来蛋白質、豚由来蛋白質、魚由来蛋白質、豆科植物由来蛋白質、穀類由来蛋白質および野菜由来蛋白質からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載されたゼリー状飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼリー状飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者ニーズの多様化に伴い、種々のゼリー状飲料が販売されている。ゼリー状飲料は、スプーン等を使わずに容器から直接飲用できる程度の固さを有しており、その腹持ち及び喉越しの良さが消費者に受け入れられ、その消費量は拡大している。また、疾病、老化などの原因により飲食物の咀嚼と飲み込みが困難になる障害、いわゆる嚥下障害を有する嚥下困難者にとって、ゼリー状飲料の摂食及び嚥下が容易であることが知られており、嚥下困難者の水分及び栄養補給の目的でゼリー状飲料が注目されている。
【0003】
引用文献1には、寒天と、タラガム、ジェランガム、カラギナン及びキサンタンガムからなる糊料と、デキストリンを含むゼリー飲料が開示されている。
【0004】
しかしながら、従来のゼリー状飲料中の蛋白質及び糖質の含有量を大きくすると、当該ゼリー状飲料の容器への充填作業性が低くなる。さらに当該ゼリー状飲料の離水量は多くなり、嚥下困難者が多量に離水したゼリー状飲料を容易に嚥下できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4684055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、蛋白質及び糖質の含有量が多く、容器への充填作業性が高く、かつ離水が少ないゼリー状飲料が希求されていたが、そのようなゼリー状飲料は提供されていなかった。本発明が解決しようとする課題は、蛋白質及び糖質の含有量が多く、容器への充填作業性が高く、かつ離水が少ないゼリー状飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、糖質としてデキストリンを特定の含有量で含有し、更にゲル化剤としてペクチンと二価の金属イオンを含有するゼリー状飲料は、蛋白質及び糖質の含有量が多くても、容器への充填作業性が高く、かつ離水が少なくなることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明は、蛋白質と、糖質と、ゲル化剤とを含有するゼリー状飲料であって、前記ゼリー状飲料中の前記蛋白質の含有量が0.1~20.0質量%の範囲であり、糖度が10~55度の範囲であり、前記糖質としてデキストリンを含有し、前記ゼリー状飲料中のデキストリンの含有量が1~20質量%の範囲であり、前記ゲル化剤としてペクチンと二価の金属イオンとを含有するゼリー状飲料に関する。
前記ゼリー状飲料中の前記ペクチンの含有量は、好ましくは0.55~2質量%の範囲である。
前記ペクチンは、好ましくはエステル化度25以上のペクチンを含有する。
前記デキストリンのデキストロース当量は、好ましくは12~20の範囲である。
前記蛋白質は、好ましくは、乳由来蛋白質、牛由来蛋白質、豚由来蛋白質、魚由来蛋白質、豆科植物由来蛋白質、穀類由来蛋白質および野菜由来蛋白質からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、蛋白質及び糖質の含有量が多く、容器への充填作業性が高く、かつ離水が少ないゼリー状飲料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ゼリー状飲料の保形性及び離水性の測定方法を示す模式図。
図2】ゼリー状飲料の流動距離の測定方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について更に詳細に説明する。
なお、数値範囲の「~」は、断りがなければ、以上から以下を表し、両端の数値をいずれも含む。また、数値範囲を示したときは、上限値および下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示したものとする。
また、本発明でいう「離水」とは、ゼリー状飲料とは別の液体が存在することである。口付きのアルミパウチにゼリー状飲料を充填する場合、当該パウチを開封したときにゼリーとは別の液体が出てくることをいう。
【0012】
本発明のゼリー状飲料は、蛋白質、糖質及びゲル化剤を含有する。
<蛋白質>
前記蛋白質として、乳由来蛋白質、牛由来蛋白質、豚由来蛋白質、魚由来蛋白質、昆虫由来蛋白質等の動物由来蛋白質;豆科植物由来蛋白質、穀類由来蛋白質、野菜由来蛋白質等の植物由来蛋白質、蛋白質分解物が挙げられる。前記蛋白質は、これらの蛋白質の1種又は2種以上を含有してよい。前記蛋白質は、好ましくは乳由来蛋白質、牛由来蛋白質、豚由来蛋白質、魚由来蛋白質、豆科植物由来蛋白質、穀類由来蛋白質および野菜由来蛋白質からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。前記蛋白質は、より好ましくはコラーゲンペプチド、じゃがいも由来蛋白質、エンドウ由来蛋白質、及び小麦由来蛋白質からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、更に好ましくはコラーゲンペプチドを含有する。
【0013】
本発明のゼリー状飲料中の前記蛋白質の含有量は0.1~20.0質量%の範囲であり、好ましくは1.0~20.0質量%の範囲であり、更に好ましくは2.0~20.0質量%の範囲である。前記蛋白質の含有量が少なすぎると、ゼリー状飲料の栄養価が低くなる。前記蛋白質の含有量が多すぎると、ゼリー状飲料の容器への充填作業性が低下し、更に当該ゼリー状飲料の離水量が多くなる傾向がある。
【0014】
<糖類>
前記糖類はデキストリンを含有する。本発明のゼリー状飲料中のデキストリンの含有量は1~20質量%の範囲である。デキストリンの含有量が少なすぎると、ゼリー状飲料の栄養価が低くなる。デキストリンの含有量が多すぎると、ゼリー状飲料の容器への充填作業性が低下し、更に当該ゼリー状飲料の離水量が多くなる傾向がある。
【0015】
前記デキストリンのデキストロース当量は、好ましくは9~20の範囲であり、より好ましくは13~19の範囲である。本発明のゼリー状飲料が、前記範囲のデキストロース当量を有するデキストリンを含有すると、当該ゼリー状飲料の容器への充填作業性がより高くなり、当該ゼリー状飲料からの離水量がより少なくなる。
【0016】
デキストリン以外の前記糖類として、グラニュー糖、上白糖、三温糖、中ざら糖、白ざら糖、氷砂糖、液糖等の分みつ糖、黒糖、加工黒糖、和三盆、赤糖等の含みつ糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、及びトレハロースが挙げられる。デキストリン以外の前記糖類は、これらの中の1種又は2種以上を含有してよい。
【0017】
本発明のゼリー状飲料の糖度は10~55度の範囲である。前記糖度が低すぎると、ゼリー状飲料の栄養価が低くなる。前記糖度が高すぎると、ゼリー状飲料の容器への充填作業性が低下し、更に当該ゼリー状飲料の離水量が多くなる傾向がある。前記糖度は、好ましくは10~50であり、より好ましくは12~45であり、更に好ましくは15~45である。
【0018】
<ゲル化剤>
前記ゲル化剤はペクチンと二価の金属イオンを含有する。本発明のゼリー状飲料中の前記ペクチンの含有量は、好ましくは0.55~2質量%の範囲であり、より好ましくは0.8~2質量%の範囲であり、更に好ましくは1~2質量%の範囲である。前記ペクチンの含有量が前記範囲であると、本発明のゼリー状飲料を茶こしに通した後であってもゼリー状のまとまりとして保形性を発揮することができ、その離水量がより少なくなる。
【0019】
前記ペクチンは、好ましくはエステル化度25以上のペクチンを含有する。本発明のゼリー状飲料がエステル化度25以上のペクチンを含有すると、当該ペクチンと二価の金属イオンとの反応性があまり高くならず、その保形性がより高くなり、その離水量がより少なくなる。前記ペクチンのエステル化度の上限は特に限定されないが、好ましくは38である。前記ペクチンのエステル化度が38以下であると、当該ペクチンと二価の金属イオンとの反応性が低くなりすぎず、その保形性がより高くなり、その離水量がより少なくなる。前記ペクチンのエステル化度のより好ましい範囲は31~38である。前記ペクチンはアップル起源のもの、シトラス起源のものなど、起源を問わず、アミド化度も問わない。
【0020】
本発明におけるペクチンの分子量は、市販で入手できるペクチンの分子量範囲内であれば特に限定されず、例えば重量平均分子量300,000g/mol~700,000g/mol、好ましくは350,000g/mol~650,000g/mol、更に好ましくは400,000g/mol~600,000g/molである。ペクチンの重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて測定されてよい。重量平均分子量算出用の検量線には、標準プルラン(昭和電工(株)製Shodex STANDARD P-82)を用いてよい。GPC用分析から得られたクロマトチャートより、重量平均分子量を算出できる。GPC操作条件は、例えば以下の通りである。
カラム1:TSKgel guardcolumn PWXL(6.0 mm I.D.×4cm)(東ソー株式会社製)
カラム2:TSKgel G5000PWXL(7.8 mm I.D.×30 cm, 10μm)(東ソー株式会社製)
カラム3:TSKgel G3000PWXL(7.8 mm I.D.×30 cm, 7μm)(東ソー株式会社製)
カラム1、2、3の順で連結される。
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
移動相:50mmol/L硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.5mL/min
【0021】
前記二価の金属イオンとして、食品として使用できるものをすべて使用できる。前記二価の金属イオンの形態は特に限定されず、粉末状のものを使用してもよく、二価の金属イオンを含む液体を使用してもよい。前記二価の金属イオンを供給する金属塩として、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。これらの金属塩の1種又は2種以上を使用できる。
【0022】
二価の金属イオンの種類は、本発明のゼリー状飲料が所望の保形性を保つように適宜調整されてもよい。二価の金属イオン濃度も、本発明のゼリー状飲料がプレゲルを引き起こさず、その保形性が保たれるように適宜調整されてよい。
【0023】
<副原料>
本発明のゼリー状飲料は、ビタミン、食物繊維、増粘安定剤、食塩、塩化カリウムなどの塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸などの酸味料、甘味料、着色料、酸化防止剤、植物性クリーム、香料、アーモンドパウダー等の調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、及び香辛料等の副原料を含有してよい。これらの副原料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。前記pH調整剤として、無水クエン酸、クエン酸三ナトリウムが挙げられる。本発明のゼリー状飲料のpHは、好ましくは3~5、より好ましくは3.5~4、更に好ましくは3.7~4に調整される。上記のpH範囲となるように適宜pH調整剤の種類および含有量を調整してもよい。
【実施例0024】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
<原材料の説明>
実施例及び比較例に用いた原材料は以下の通りである。
デキストリン:松谷化学工業株式会社製TK-16(デキストロース当量16~19)
グラニュー糖:フジ日本精糖株式会社製グラニュー糖
コラーゲン:ルスロ社製Peptan(登録商標)P5000HD
ホエイ:日本新薬株式会社製Weyco W80Instant
大豆蛋白質:谷神日本株式会社製GS5200D
ペクチン1:ユニテックフーズ株式会社製、エステル化度33
ペクチン2:ユニテックフーズ株式会社製、エステル化度31~38
ペクチン3:ユニテックフーズ株式会社製、エステル化度25~32
脱アシルジェランガム:住友ファーマフード&ケミカル株式会社製ケルコゲル(登録商標)
ネイティブジェランガム:住友ファーマフード&ケミカル株式会社製ケルコゲル(登録商標)HM
寒天:伊那食品工業株式会社製UP-700
グルコマンナン:清水化学株式会社製レオレックスRS
ローカストビーンガム:ユニテックフーズ株式会社製L175HQ
キサンタンガム:ユニテックフーズ株式会社製CX90
タラガム:ユニテックフーズ株式会社製SP175
【0026】
実施例及び比較例において、各種物性は以下のとおりに評価された。
<パウチへの充填性>
各ゼリー状飲料をパウチに充填し、下記基準に従ってパウチへの充填性を評価した。
-パウチへの充填性の評価基準-
合格:パウチに充填できた。
不合格:パウチに充填できなかった。
【0027】
<保形性>
各ゼリー状飲料がパウチに充填される場合、図1に示されるように、パウチから40メッシュの茶こしに通した5.5gの各ゼリー状飲料1を、直径125mmの濾紙2上の内径30.5mm、高さ10mmの塩化ビニル製パイプ型3に注入し、当該型を取り除く。型を取り除いた直後にゼリー状飲料が流動した距離を定規、ノギス等の長さの計測が可能な器具を用いて測定する。流動距離は、図2に示すようにA-A′、B-B′、C-C′、D-D′の4つの直線を測定し、その平均値を算出した。下記基準に従って各ゼリー状飲料の保形性を評価した。
-保形性の評価基準-
合格:型を取り除いた直後にゼリー状飲料の流動距離が40mm以下に留まっている。
不合格:型を取り除いた直後にゼリー状飲料の流動距離が40mmを超えて、流動する。
【0028】
<離水性>
前記保形性の評価と同時に、濾紙上の離水円の広がりを目視で確認し、下記基準に従って離水性(初期離水性)を評価した。さらに濾紙上に各ゼリー状飲料を5分間静置し、濾紙上の離水円の広がりを目視で確認し、下記基準に従って離水性(静置後離水性)を評価した。
-離水性の評価基準-
合格:離水円の広がりが確認されなかった。
不合格:離水円の広がりが確認された。
【0029】
実施例1~17及び比較例1~12
表1~4に示す含有量でグラニュー糖とゲル化剤を混合し、得られた混合物をステンレス管中の水に添加し、加温して85℃に達温後、5分間かけて当該混合物を溶解した。必要に応じてデキストリン、蛋白質のそれぞれを前記ステンレス管中の水溶液に添加し、85℃で2分間攪拌して溶解した。次いで、必要に応じて乳酸カルシウムを前記ステンレス管中の水溶液に添加し、その後、pH調整剤を添加して、得られた各水溶液120gをスパウトパウチに充填すると共に各ゼリー状飲料の前記充填性を評価した。前記充填性が合格だった各ゼリー状飲料が充填された各スパウトパウチをウォーターバス中で85℃、20分間殺菌し、次いで室温まで水冷した。各ゼリー状飲料が充填された各スパウトパウチを20℃で保管し、翌日前記保形性、初期離水性、および静置後離水性を評価した。結果を表1~4に示す。なお、表1~4における各原材料の含有量の単位は質量%である。また、ゼリー状飲料の物性が不合格であることを確認できた場合、他の物性を評価せず、表1~4において「-」で示されている。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
デキストリン及びペクチンを含有しない比較例1及び2のゼリー状飲料、デキストリン、ペクチン及び二価の金属イオンを含有しない比較例3及び4のゼリー状飲料、デキストリンを含有しない比較例5及び6のゼリー状飲料、ペクチンを含有しない比較例7のゼリー状飲料、ペクチン及び二価の金属イオンを含有しない比較例8のゼリー状飲料、デキストリンを含有しない比較例9のゼリー状飲料、蛋白質、デキストリン及びペクチンを含有しない比較例10及び11のゼリー状飲料、デキストリン及び蛋白質を含有しない比較例12のゼリー状飲料はパウチへの充填性、保形性、及び離水性からなる群から選ばれる少なくとも1つに問題があった。
一方、実施例1~17のゼリー状飲料は高い充填性及び保形性を有し、その初期及び静置後の離水量は少なかった。
【符号の説明】
【0035】
1・・・ゼリー状飲料、2・・・濾紙、3・・・塩化ビニル製パイプ型。
図1
図2