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特開2024-175724情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175724
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20241212BHJP
【FI】
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093651
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 翔
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA05
5E555AA22
5E555AA25
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA07
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC08
5E555BC17
5E555CA12
5E555CA17
5E555CB12
5E555CB14
5E555CB40
5E555CB42
5E555CC03
5E555DB11
5E555DB22
5E555DB51
5E555DC02
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC31
5E555DC35
5E555DD07
5E555EA02
5E555EA05
5E555EA07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とする。
【解決手段】情報処理装置は、表示部による表示対象となっているコンテンツに、当該コンテンツ内の第1情報との間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報が含まれている場合に、少なくとも1つの関連情報を所定の表示方法でユーザに提示し、提示した少なくとも1つの関連情報のうちユーザの第1操作により選択された関連情報を、表示部に表示されているコンテンツにおいて第1の表示態様で表示させる、制御部を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部による表示対象となっているコンテンツに、当該コンテンツ内の第1情報との間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報が含まれている場合に、前記少なくとも1つの関連情報を所定の表示方法でユーザに提示し、
提示した前記少なくとも1つの関連情報のうち前記ユーザの第1操作により選択された関連情報を、前記表示部に表示されている前記コンテンツにおいて第1の表示態様で表示させる、
制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記少なくとも1つの関連情報の前記コンテンツにおける表示態様を、通常の表示態様から、前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様に変更させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の表示態様で表示された前記少なくとも1つの関連情報のうち、所定のタイミングまでに前記ユーザの前記第1操作により選択されなかった関連情報の表示態様を前記通常の表示態様に戻す、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1情報は、前記コンテンツに含まれる情報のうち前記ユーザの第2操作により選択された情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンテンツは、辞書コンテンツにおける見出し語と、当該見出し語の説明情報と、を含み、
前記第1情報は、前記見出し語である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記説明情報に含まれる或る第2情報について、他のユーザによる所定条件を満たす選択履歴がある場合に、前記第2情報が前記第1情報との間で前記関連性を有する前記関連情報であると判別する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定条件を満たす選択履歴は、前記ユーザとの間で所定の属性が共通する他のユーザが所定の方法で前記第2情報を選択した履歴である、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1情報は、辞書コンテンツに含まれる或る単語であり、
前記関連情報は、前記単語と同一の単語と、前記単語の訳語と、前記単語の類義語と、前記同一の単語、前記訳語、又は前記類義語を含む文と、のうち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、互いに異なる複数の前記第1の表示態様のうち、前記ユーザの第3操作により選択された第1の表示態様で、前記第1操作により選択された前記関連情報を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第1制御部を有する情報処理装置と、
第2制御部及び記憶部を有する管理装置と、
を備え、
前記第1制御部は、辞書コンテンツにおける見出し語である第1情報と、前記見出し語の説明情報と、を含むコンテンツを表示部に表示させ、
前記記憶部には、前記説明情報に含まれる情報についての複数のユーザによる選択履歴に係る履歴情報が記憶されており、
前記第2制御部は、前記履歴情報に基づいて、前記説明情報に含まれる或る第2情報について、所定条件を満たす前記選択履歴があると判別された場合に、前記第2情報を、前記第1情報との間で関連性を有する関連情報として前記情報処理装置に送信し、
前記第1制御部は、前記管理装置から受信した前記関連情報を所定の表示方法でユーザに提示し、提示した前記関連情報のうちユーザの第1操作により選択された関連情報を、前記表示部に表示されている前記コンテンツにおいて第1の表示態様で表示させる、
情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
表示部による表示対象となっているコンテンツに、当該コンテンツ内の第1情報との間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報が含まれている場合に、前記少なくとも1つの関連情報を所定の表示方法でユーザに提示し、
提示した前記少なくとも1つの関連情報のうち前記ユーザの第1操作により選択された関連情報を、前記表示部に表示されている前記コンテンツにおいて第1の表示態様で表示させる、
情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
表示部による表示対象となっているコンテンツに、当該コンテンツ内の第1情報との間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報が含まれている場合に、前記少なくとも1つの関連情報を所定の表示方法でユーザに提示する処理、
提示した前記少なくとも1つの関連情報のうち前記ユーザの第1操作により選択された関連情報を、前記表示部に表示されている前記コンテンツにおいて第1の表示態様で表示させる処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、辞書等のコンテンツを表示する電子機器において、ユーザが所望する単語等の情報を所定の表示態様で表示させることで、他の情報に対して識別可能な状態とする(例えば、マーカーを付与する)技術が知られている(例えば、特許文献1)。ユーザは、コンテンツにおける所望の情報を選択した上で所定の決定操作を行うことで、選択した情報を上記表示態様で表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4324377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、識別可能に表示させたい所望の情報が複数ある場合には、複数の情報の各々について情報の選択と決定操作とを繰り返す必要があり手間が掛かるという課題がある。
【0005】
本発明は、識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、
表示部による表示対象となっているコンテンツに、当該コンテンツ内の第1情報との間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報が含まれている場合に、前記少なくとも1つの関連情報を所定の表示方法でユーザに提示し、
提示した前記少なくとも1つの関連情報のうち前記ユーザの第1操作により選択された関連情報を、前記表示部に表示されている前記コンテンツにおいて第1の表示態様で表示させる、
制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】学習支援システムの構成を示す図である。
図2】端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】サーバの機能構成を示すブロック図である。
図4】コンテンツ画面の例を示す図である。
図5】マーカー付与モードへの移行後のコンテンツ画面を示す図である。
図6】関連情報が選択された状態のコンテンツ画面を示す図である。
図7】色ボタンが選択された場合のコンテンツ画面を示す図である。
図8】マーカーの確定後のコンテンツ画面を示す図である。
図9】単語帳データの内容例を示す図である。
図10】選択履歴データの内容例を示す図である。
図11】他のユーザの選択履歴に応じて関連情報が抽出されたコンテンツ画面を示す図である。
図12】マーカー付与処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(学習支援システムの構成)
図1は、学習支援システム1の構成を示す図である。
本実施形態の学習支援システム1(情報処理システム)は、複数の端末装置10(情報処理装置)と、サーバ20(管理装置)とを備える。各端末装置10は、ネットワークNを介してサーバ20とデータ通信が可能に接続されている。ネットワークNは、例えばインターネットであるが、これに限定されない。本実施形態の端末装置10は、各種の辞書コンテンツの情報等を表示可能な電子辞書端末である。ただし、これに限られず、端末装置10は、スマートフォン、タブレット端末、又はノートPCといった汎用機器であってもよい。複数の端末装置10は、互いに異なる複数のユーザにより使用される。端末装置10のユーザは、例えば学校等(小学校、中学校、高校、大学、専門学校、学習塾又は予備校等)の生徒や学生等であるが、これに限られず、学校等に在籍していない一般ユーザであってもよい。
【0011】
図2は、端末装置10の機能構成を示すブロック図である。
端末装置10は、CPU11(Central Processing Unit)(制御部、第1制御部)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、表示部14と、操作部15と、通信部16と、バス17などを備える。端末装置10の各部は、バス17を介して接続されている。
【0012】
CPU11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、端末装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、端末装置10は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより制御部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0013】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0014】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。プログラム131は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。
記憶部13に記憶されるデータとしては、コンテンツDB(データベース)132及び単語帳データ133等がある。コンテンツDB132には、辞書コンテンツが登録されている。辞書コンテンツは、複数の見出し語と、各見出し語に対応付けられた説明情報と、を含む。コンテンツDB132には、複数種類の辞書に対応する複数の辞書コンテンツが登録されていてもよい。辞書の種類は、見出し語に説明情報が対応付けられた形式であれば特に限られず、国語辞書、英和辞書といった語学の辞書のほか、百科事典や、各種分野の用語辞典等であってもよい。単語帳データ133は、コンテンツDB132の辞書コンテンツのうちユーザにより選択された見出し語が抽出されて登録された仮想的な単語帳のデータである。
【0015】
表示部14は、CPU11から送信される制御信号及び画像データに従って、辞書コンテンツ等の各種情報を表示する。表示部14としては、例えば、ドットマトリクス方式で表示を行う液晶表示装置を用いることができるが、これに限られない。
【0016】
操作部15は、例えば、表示部14の表示部に重ねられて設けられたタッチパネルと、各種操作キー等を備える。操作部15は、タッチパネルに対する接触操作を検出し、当該接触操作が検出された位置を表す操作情報をCPU11に出力する。また、操作部15は、操作キーを押下する入力操作に応じた操作信号をCPU11に出力する。
【0017】
通信部16は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部16は、この通信動作により、ネットワークNを介してサーバ20との間でデータの送受信を行う。
【0018】
図3は、サーバ20の機能構成を示すブロック図である。
サーバ20は、CPU21(第2制御部)と、RAM22と、記憶部23と、通信部24と、バス25等を備える。サーバ20の各部は、バス25を介して接続されている。なお、サーバ20は、サーバ20の管理者により使用される操作部や表示部等をさらに備えていてもよい。
【0019】
CPU21は、記憶部23に記憶されているプログラム231を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、サーバ20の各部の動作を制御するプロセッサである。なお、サーバ20は、複数のプロセッサ(例えば複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU21が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0020】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0021】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム231及び各種データを記憶する。記憶部23は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。記憶部23に記憶されるデータとしては、選択履歴データ232(履歴情報)等がある。選択履歴データ232の内容については後述する。
【0022】
通信部24は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部24は、この通信動作により、ネットワークNを介して端末装置10との間でデータの送受信を行う。
【0023】
(学習支援システムの動作)
次に、学習支援システム1の動作について、端末装置10に表示されるコンテンツC(図4参照)の一部にマーカーを付与する動作を中心に説明する。
【0024】
端末装置10においては、コンテンツCを表示させるための操作がユーザにより操作部15に対して行われると、コンテンツCを含むコンテンツ画面141が表示部14に表示される。コンテンツCを表示させるための操作は、例えば、図示略の検索画面において見出し語を入力する操作と、当該操作に応じて表示された見出し語のリストの中から1つの見出し語を選択する操作と、を含む。
【0025】
図4は、コンテンツ画面141の例を示す図である。
コンテンツ画面141には、辞書コンテンツに含まれる1つの見出し語30と、当該見出し語30の説明情報40と、を含むコンテンツCが表示されている。図4では、英和辞典に含まれる見出し語30としての「player」と、その説明情報40と、を含むコンテンツCが表示されている。図4に例示する説明情報40は、見出し語30の類義語41(ここでは「sportsman」)と、見出し語30の派生語42(ここでは「play」)と、見出し語30の類音語43(ここでは「prayer」)と、見出し語30の訳語44(ここでは、「競技者」、「選手」、「大物」、「大手」)と、見出し語30と同一の単語である同一語45を含む例文46と、を含む。説明情報40には、必ずしも図4に示した全ての情報が含まれていなくてもよく、また、図4に例示しない情報が含まれていてもよい。説明情報40の内容は、辞書の種類に応じて異なっていてもよい。コンテンツCが表示部14の表示画面に入りきらない場合には、図示略のスクロールバーがコンテンツ画面141に表示され、スクロールバーを上下に移動させるスクロール操作により、コンテンツCの任意の部分を表示させることができる。「表示部による表示対象となっているコンテンツ」は、コンテンツCのうち表示部14の表示画面に入っている部分と、スクロール操作により表示させることが可能な部分と、を含む全体を指すものとする。
【0026】
本実施形態の端末装置10においては、コンテンツCに含まれる所望の情報(単語、語句又は文など)にマーカーM(図8参照)を付与することができる。情報にマーカーMを付与する、とは、情報の背景色をデフォルトの背景色(例えば白)とは異ならせて目立たせることを指す。情報にマーカーMを付与することは、情報を第1の表示態様で表示させることに相当する。
【0027】
通常、マーカーMの付与は、コンテンツCにおける所望の1つの情報を選択した上で、マーカーMの付与を決定する決定操作を行うことにより実行される。従来、複数の情報に対してマーカーMを付与する場合には、複数の情報の各々について情報の選択と決定操作とを繰り返す必要があった。
これに対し、本実施形態の端末装置10では、マーカーMを付与する候補としての関連情報Ibがユーザに提示され、このうちユーザにより選択された関連情報Ibに対してまとめてマーカーMを付与することが可能となっている。以下では、このマーカーMの付与に係る一連の動作について説明する。
【0028】
マーカーMを付与する場合には、ユーザは、スタイラス90又は指等の操作手段を用いて、コンテンツ画面141内においてマーカーMを付与したい1つの第1情報Iaを選択する。図4では、スタイラス90により、第1情報Iaとして見出し語30が選択されている。本実施形態では、第1情報Iaとしての見出し語30を選択する操作が、「第2操作」に相当する。コンテンツC内の情報を選択する方法は、特には限られないが、例えば、選択する範囲をドラッグ操作する方法であってもよいし、単語内の任意の位置をタップすることで単語が自動的に選択される方法であってもよい。第1情報Iaが見出し語30である場合には、類義語41、派生語42、類音語43、訳語44、同一語45及び例文46は、第1情報Iaとの間で所定の関連性を有する関連情報Ibに相当する。このうち例文46は、同一語45を含む文であるが、説明情報40に、類義語41、派生語42、類音語43又は訳語44を含む文がある場合には、当該文を関連情報Ibとしてもよい。
【0029】
第1情報Iaが選択されると、図4に示すように、第1情報Iaに第1の暫定マーカーMaが付与される。すなわち、第1情報Iaの背景色が所定の色に変更される。第1の暫定マーカーMaの色は、最終的に付与されるマーカーMの色と同一であってもよい。第1の暫定マーカーMaは、選択されている情報を示すためのものである。
【0030】
また、第1情報Iaが選択されると、コンテンツ画面141の下部にタッチメニュー50が表示される。タッチメニュー50は、見出し語ジャンプボタン51と、例文ジャンプボタン52と、成句ジャンプボタン53と、マーカーボタン54と、キャンセルボタン55と、を含む。キャンセルボタン55が選択されると、タッチメニュー50が消去され、また、第1情報Iaの選択が解除されて第1の暫定マーカーMaが消去される。見出し語ジャンプボタン51が選択されると、選択されている第1情報Iaを見出し語30として含むコンテンツCを表示する画面に遷移する。なお、図4の例では、第1情報Iaを見出し語30として含むコンテンツCが既に表示されているので、見出し語ジャンプボタン51が選択されても表示は遷移しない(あるいは、見出し語ジャンプボタン51が選択できない状態となっていてもよい)。例文ジャンプボタン52が選択されると、第1情報Iaを含む例文を表示する画面に遷移する。成句ジャンプボタン53が選択されると、第1情報Iaを含む成句を表示する画面に遷移する。マーカーボタン54が選択されると、第1情報Ia及びその関連情報IbにマーカーMを付与するためのマーカー付与モードに移行する。
【0031】
図5は、マーカー付与モードへの移行後のコンテンツ画面141を示す図である。
マーカー付与モードに移行すると、選択されている第1情報Iaとの間で所定の関連性を有する関連情報Ibが抽出される。また、抽出された関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbが付与される。第2の暫定マーカーMbの色は、第1の暫定マーカーMaの色とは異なる色とされる。図5に示す例では、関連情報Ibとしての類義語41、派生語42、類音語43、訳語44、同一語45及び例文46に第2の暫定マーカーMbが付与されている。なお、例文「a baseball player」においては、当該例文に含まれる同一語45に第2の暫定マーカーMbが付与されており、例文「an important player in the car market」は、その全体に第2の暫定マーカーMbが付与されている。このように、同一語45のみに第2の暫定マーカーMbを付与する態様、及び、同一語45を含む例文46の全体に第2の暫定マーカーMbを付与する態様のいずれとしてもよく、また、いずれの態様とするかについて、予めユーザが設定することが可能であってもよい。
関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbが付与されることで、ユーザに対して関連情報Ibが視覚的に提示される。関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与することは、関連情報Ibの表示態様を、通常の表示態様から第2の表示態様に変更させること(第2の表示態様で表示させること)に相当する。ここで、本実施形態における通常の表示態様は、第2の暫定マーカーMbが付与される前の図4における関連情報Ibの表示態様、すなわち、白色の背景に関連情報Ibを表示する表示態様である。
【0032】
また、マーカー付与モードに移行すると、タッチメニュー50に代えてマーカー色選択メニュー60が表示される。マーカー色選択メニュー60は、異なる複数の色に対応する複数の(ここでは3つの)色ボタン61~63と、決定ボタン64と、キャンセルボタン65と、を含む。キャンセルボタン65が選択されると、マーカー付与モードが終了し、図4の状態に戻る。色ボタン61~63は、第1の暫定マーカーMaの色(及び、第1の暫定マーカーMaがマーカーMとして確定された後のマーカーMの色)を指定するためのボタンである。マーカー付与モードへの移行時には、その時点における第1の暫定マーカーMaと同一の色の色ボタン61が選択状態となっている。他の色の色ボタン62、63を選択することで、第1の暫定マーカーMaを当該色に変更することができる。図5では、3色に対応する3つの色ボタン61~63を例示したが、色ボタンの数は、変更可能な色の数に応じて2つ又は4つ以上としてもよい。
【0033】
ユーザは、第2の暫定マーカーMbにより提示された少なくとも1つの関連情報Ibのうち所望の関連情報Ibを選択することで、選択した関連情報Ibを、マーカーMの付与対象とすることができる。関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbが付与された状態で、いずれかの関連情報Ibを選択する操作がなされると、図6に示すように、選択された関連情報Ibの第2の暫定マーカーMbが第1の暫定マーカーMaに変更される。すなわち、選択された関連情報Ibの暫定マーカーの色が、第2の暫定マーカーMbの色から第1の暫定マーカーMaの色に変更される。図6に示す例では、ユーザは、関連情報Ibとしての類音語43、並びに訳語44のうち「競技者」及び「選手」をマーカーMの付与対象とすることを所望しており、これらの関連情報Ibがスタイラス90により選択されている。この結果、選択された関連情報Ibに付与されていた第2の暫定マーカーMbが、第1の暫定マーカーMaに変更されている。関連情報Ibを選択する操作は、「第1操作」に相当する。また、選択された関連情報Ibに第1の暫定マーカーMaを付与すること(第2の暫定マーカーMbから第1の暫定マーカーMaに変更すること)は、コンテンツCにおいて関連情報Ibを第1の表示態様で表示させることに相当する。
【0034】
このように付与された第1の暫定マーカーMaの色は、色ボタン61~63を選択することで変更することができる。
図7は、色ボタン63が選択された場合のコンテンツ画面141を示す図である。
図7では、図6に示す状態から色ボタン63が選択された状態が示されている。色ボタン63が選択されたことに応じて、4つの第1の暫定マーカーMaの色が、色ボタン63と同一の色に変更されている。色ボタン61~63のいずれかを選択する操作が、「第3操作」に相当する。また、互いの色の異なる第1の暫定マーカーMaが、「互いに異なる複数の第1の表示態様」に相当する。また、第1の暫定マーカーMaの色を、選択された色ボタンの色に変更することが、「互いに異なる複数の第1の表示態様のうち、第3操作により選択された第1の表示態様で関連情報を表示させる」ことに相当する。
なお、第1の暫定マーカーMaの色を個別に変更することが可能であってもよい。例えば、或る第1の暫定マーカーMaをタップすることで当該第1の暫定マーカーMaを選択状態とし、この状態で色ボタン61~63を選択することで、選択状態となっている1つの第1の暫定マーカーMaの色が変更されてもよい。
【0035】
決定ボタン64を選択する操作がなされると、その時点で付与されている第1の暫定マーカーMaがマーカーMとして確定される。
図8は、マーカーMの確定後のコンテンツ画面141を示す図である。
図8に示すように、決定ボタン64が選択されると、図7において見出し語30及び一部の関連情報Ibに付与されていた第1の暫定マーカーMaがそのままマーカーMとして確定される。なお、第1の暫定マーカーMa及びマーカーMは同一色であるので、確定の前後で見た目は変化しない。あるいは、第1の暫定マーカーMaとマーカーMとの間で表示態様を一部異ならせてもよい。例えば、第1の暫定マーカーMa及びマーカーMのうちの一方のみに枠線を表示することとしてもよい。
また、決定ボタン64が選択されると、未選択の関連情報Ibに付与されていた第2の暫定マーカーMbが消去される。すなわち、ユーザの第1操作により選択されなかった関連情報Ibの表示態様が通常の表示態様に戻る。本実施形態では、決定ボタン64が選択されたタイミングが、関連情報Ibの表示態様を通常の表示態様に戻す「所定のタイミング」に相当する。
なお、関連情報Ibが1つも選択されない状態で決定ボタン64が選択された場合には、第1情報Iaに付与された1つの第1の暫定マーカーMaがマーカーMとして確定され、関連情報Ibに付与されていた第2の暫定マーカーMbが全て消去される。
【0036】
また、図8に示すように、決定ボタン64が選択されると、マーカー色選択メニュー60に代えて単語帳選択メニュー70が表示される。単語帳選択メニュー70は、異なる複数の単語帳に対応する複数の(ここでは4つの)単語帳ボタン71~74と、キャンセルボタン75と、を含む。キャンセルボタン75が選択されると、決定ボタン64による決定内容が破棄されて、図7の状態に戻る。単語帳ボタン71~74は、表示中の見出し語30を登録する単語帳を指定するためのボタンである。単語帳ボタン71~74のいずれかが選択されると、単語帳データ133において見出し語30及びマーカーMの情報が登録される。
【0037】
図9は、単語帳データ133の内容例を示す図である。
図9では、図8に示す状態において「単語帳4」に対応する単語帳ボタン74が選択された場合の単語帳データ133が例示されている。
単語帳データ133は、「単語帳」、「見出し語」、「マーカー対象」、「マーカー色」のデータ項目を有する。
「単語帳」は、複数の単語帳のうちそのデータ行の見出し語30が登録されている単語帳を表す。
「見出し語」は、単語帳に登録されている見出し語30を表す。
「マーカー対象」は、そのデータ行の見出し語30及びその説明情報40のうち、マーカーMが付与されている情報(単語、語句又は文章)を表す。
「マーカー色」は、そのデータ行の「マーカー対象」に付与されているマーカーMの色を表す。
【0038】
図9に例示する単語帳データ133においては、図4図8に示す一連の動作で付与された4つのマーカーMの情報が、「単語帳4」に記録されている。単語帳データ133に記録されたマーカーMの情報は、サーバ20に送信され、後述する選択履歴データ232に登録される。
【0039】
単語帳データ133は、所望の単語帳の内容を表示するための図示略の単語帳表示モードにおいて参照される。単語帳表示モードにおいては、或る単語帳が選択されると、単語帳データ133が参照されて、選択された単語帳に登録されている見出し語30のリストが表示される。当該リストから1つの見出し語30を選択すると、当該見出し語30のコンテンツCを含むコンテンツ画面141が表示される。このコンテンツ画面141においては、単語帳データ133が参照されて、「マーカー対象」となっている情報に「マーカー色」の色のマーカーMが付与される。上述のリストにおいて、マーカーMの有無やマーカーMの色が確認可能であってもよい。
【0040】
上記では、関連情報Ibとして、類義語41、派生語42、類音語43、訳語44、同一語45及び例文46を例示したが、関連情報Ibはこれらに限られない。
例えば、コンテンツCの説明情報40に含まれる或る第2情報Ic(図11参照)について、他のユーザによる所定条件を満たす選択履歴がある場合に、この第2情報Icが、第1情報Iaの関連情報Ibである(すなわち、マーカーMの付与対象の候補である)と判別されてもよい。選択履歴の有無は、サーバ20の選択履歴データ232を参照することで判別される。
【0041】
図10は、選択履歴データ232の内容例を示す図である。
選択履歴データ232の1つのデータ行は、複数の端末装置10のいずれかから送信された1つのマーカーMの付与履歴に対応する。選択履歴データ232は、「ユーザID」、「学校ID」、「学年」、「クラス」、「グループID」、「見出し語」、「マーカー対象」のデータ項目を有する。
「ユーザID」は、そのデータ行に対応する端末装置10のユーザに割り当てられた固有の符号である。以下では、例えばユーザIDが「U0001」であるユーザを、「ユーザU0001」などと記す。
「学校ID」は、そのデータ行に対応するユーザが在籍している学校に割り当てられた固有の符号である。
「学年」及び「クラス」は、そのデータ行に対応するユーザが在籍している学年及びクラスを表す。
「グループID」は、そのデータ行に対応するユーザが属しているグループを表す固有の符号である。グループは、学習支援システム1の2人以上のユーザにより構成される。グループへのユーザの加入及び脱退の方法は、特には限られない。例えば、グループは、各ユーザが自由に生成でき、他のユーザを招待したり、他のユーザからの加入申請を許可したりすることでグループの構成メンバーが更新されてもよい。
上記のうち「学校ID」、「学年」、「クラス」、「グループID」は、ユーザの属性に相当する。ただし、ユーザの属性はこれらに限られず、例えば、年齢、性別等がさらに含まれていてもよい。ユーザの属性に係る情報は、端末装置10からサーバ20にマーカーMの付与履歴が送信される際に、付与履歴とともにサーバ20に送信されてもよいし、サーバ20においてユーザIDに対応付けられて予め登録され、更新管理されていてもよい。
「見出し語」は、そのデータ行に対応するユーザの端末装置10においてマーカーMが付与されたコンテンツCの見出し語30を表す。
「マーカー対象」は、「見出し語」のコンテンツCのうちマーカーMが付与された第1情報Ia又は関連情報Ibを表す。
【0042】
図10におけるユーザU0001が、或る端末装置10において、図4に示すように第1情報Iaとしての見出し語30「player」を選択したものとする。この選択に応じて、選択履歴データ232の「マーカー対象」のデータ列から、選択中の見出し語30「player」の説明情報40に含まれる第2情報Icが抽出される。見出し語30「player」の説明情報40には、単語「有力企業」が含まれるので、図10においては、ユーザU0031がマーカーMを付与した「有力企業」が第2情報Icとして抽出される。そして、ユーザU0001との間で所定の属性が共通する他のユーザにより第2情報Icにマーカーが付与されている場合に、当該第2情報Icが関連情報Ibであると判別される。図10に示す例において、「所定の属性」は「学校ID」であるものとする。この場合、ユーザU0031は、ユーザU0001と所定の属性が共通する。よって、このユーザU0031によりマーカーMが付与されている第2情報Icとしての「有力企業」は、関連情報Ibとして抽出される。
上記のように「所定の属性」を「学校ID」とすることで、同一の学校に在籍している他のユーザによるマーカーMの付与履歴に基づいて関連情報Ibを抽出することができる。「所定の属性」は、「学校ID」に限られず、他の属性であってもよい。また、「所定の属性」を2以上の属性とすることで、当該2以上の属性が一致する他のユーザによるマーカーMの付与履歴に基づいて関連情報Ibを抽出することができる。
【0043】
図11は、他のユーザU0031の選択履歴に応じて関連情報Ibが抽出されたコンテンツ画面141を示す図である。
図11においては、上記の第2情報Icに相当する関連情報Ib「有力企業」にも第2の暫定マーカーMbが付与されている。ユーザU0001は、この関連情報Ibを選択することで、「有力企業」をマーカーMの付与対象に指定することができる。
【0044】
なお、図10及び図11に示す例においては、他のユーザがマーカーMを付与した履歴を選択履歴として参照しているが、マーカーMの付与以外の所定の方法で選択した履歴を参照してもよい。例えば、或る第2情報Icについて、図4に示す見出し語ジャンプボタン51、例文ジャンプボタン52、又は成句ジャンプボタン53により情報が表示された履歴を選択履歴として選択履歴データ232に記録し、関連情報Ibの抽出のために参照してもよい。
また、選択履歴データ232に基づいて関連情報Ibとして抽出された第2情報Icのみに第2の暫定マーカーMbを付与してもよい。言い換えると、他のユーザによる所定条件を満たす選択履歴があることを、関連情報Ibとする条件としてもよい。
【0045】
なお、上記では、ユーザが第1情報Iaとして見出し語30を選択した場合を例示したが、ユーザが選択可能な第1情報Iaは見出し語30に限られず、説明情報40内の任意の情報を第1情報Iaとして選択することができる。見出し語30以外の情報が第1情報Iaとして選択された場合、選択された第1情報Iaについての同一語、訳語、類義語等が関連情報Ibとして抽出される。
【0046】
また、上記では、ユーザが第2操作により選択した単語(見出し語30)を第1情報Iaとする態様を例示したが、第1情報Iaは、ユーザが選択した単語に限られない。例えば、コンテンツ画面141が表示される際に、コンテンツCの見出し語30を自動的に第1情報Iaとみなし、第1情報Ia(見出し語30)の関連情報Ibに自動的に第2の暫定マーカーMbを付与してもよい。
【0047】
次に、上述した動作を実現するために端末装置10のCPU11が実行するマーカー付与処理について説明する。
図12は、マーカー付与処理の制御手順を示すフローチャートである。
マーカー付与処理は、端末装置10において或る見出し語30のコンテンツCを含むコンテンツ画面141が表示部14に表示された場合に開始される。
【0048】
マーカー付与処理が開始されると、CPU11は、ユーザによりスタイラス90等を用いて情報が選択されたか否かを判別する(ステップS1)。情報が選択されていないと判別された場合には(ステップS1で“NO”)、CPU11は、再度ステップS1を実行する。情報が選択されたと判別された場合には(ステップS1で“YES”)、CPU11は、選択された情報を第1情報Iaとし、当該第1情報Iaに第1の暫定マーカーMaを付与する(ステップS2)。また、CPU11は、タッチメニュー50を表示させる(ステップS3)。
【0049】
CPU11は、タッチメニュー50のマーカーボタン54が選択された場合に(ステップS4で“YES”)、マーカー付与モードに移行し、マーカー色選択メニュー60を表示させる(ステップS5)。また、CPU11は、選択されている第1情報Iaの類義語41、派生語42、類音語43、訳語44、同一語45、例文46等を関連情報Ibとして抽出する(ステップS6)。
【0050】
CPU11は、選択されている第1情報Iaが見出し語30である場合に(ステップS7で“YES”)、サーバ20の選択履歴データ232を参照して、見出し語30の説明情報40に、他のユーザによる所定条件を満たす選択履歴のある第2情報Icがあるか否かを判別する(ステップS8)。なお、ここでは、端末装置10のCPU11がサーバ20の選択履歴データ232を参照して選択履歴のある第2情報Icの有無を判別する例を用いて説明したが、これに限られない。例えば、端末装置10からの要求に応じて、サーバ20のCPU21が、選択履歴データ232を参照して選択履歴のある第2情報Icの有無を判別し、判別結果(選択履歴のある第2情報Icを含む)を端末装置10に送信してもよい。
第2情報Icがあると判別された場合には(ステップS8で“YES”)、CPU11は、第2情報Icを関連情報Ibに追加する(ステップS9)。ステップS9が終了した場合、又はステップS7及びS8のいずれかにおいて“NO”に分岐した場合には、CPU11は、抽出された関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与する(ステップS10)。
【0051】
CPU11は、ユーザによりスタイラス90等を用いていずれかの関連情報Ibが選択されたか否かを判別する(ステップS11)。いずれかの関連情報Ibが選択されたと判別された場合には(ステップS11で“YES”)、CPU11は、選択された関連情報Ibの第2の暫定マーカーMbを第1の暫定マーカーMaに変更する(ステップS12)。
【0052】
ステップS12が終了した場合、又はステップS11において関連情報Ibが選択されていないと判別された場合には(ステップS11で“NO”)、CPU11は、色ボタン61~63のいずれかが選択されたか否かを判別する(ステップS13)。色ボタン61~63のいずれかが選択されたと判別された場合には(ステップS13で“YES”)、CPU11は、第1の暫定マーカーMaの色を、選択された色ボタンの色に変更する(ステップS14)。
【0053】
ステップS14が終了した場合、又はステップS13において色ボタン61~63が選択されていないと判別された場合には(ステップS13で“NO”)、CPU11は、決定ボタン64が選択されたか否かを判別する(ステップS15)。決定ボタン64が選択されたと判別された場合には(ステップS15で“YES”)、CPU11は、第2の暫定マーカーMbを消去し、第1の暫定マーカーMaをマーカーMとして確定させる(ステップS16)。
【0054】
CPU11は、単語帳選択メニュー70を表示させ(ステップS17)、単語帳ボタン71~74によりいずれかの単語帳が選択されたか否かを判別する(ステップS18)。いずれかの単語帳が選択されたと判別された場合には(ステップS18で“YES”)、CPU11は、マーカーMが付与されたマーカー対象、及びマーカーMの色を、選択された単語帳に対応付けて単語帳データ133に登録する(ステップS19)。また、CPU11は、マーカーMの登録内容をサーバ20に送信する(ステップS20)。
ステップS20が終了すると、CPU11は、マーカー付与処理を終了させる。
【0055】
(効果)
以上のように、本実施形態に係る端末装置10は、CPU11を備える。CPU11は、表示部14による表示対象となっているコンテンツCに、当該コンテンツC内の第1情報Iaとの間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報Ibが含まれている場合に、少なくとも1つの関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与することで関連情報Ibをユーザに提示する。また、CPU11は、提示した少なくとも1つの関連情報Ibのうちユーザの第1操作により選択された関連情報Ibを、表示部14に表示されているコンテンツCにおいて第1の表示態様で表示させる。すなわち、CPU11は、関連情報Ibに第1の暫定マーカーMaを付与し、マーカーMを付与する。これにより、識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とすることができる。よって、複数の情報にマーカーMを付与する際の手間を低減することができる。また、マーカーMを付与する情報の候補として適切な関連情報Ibが提示されるので、情報の選択漏れや誤選択を生じにくくすることができる。よって、より簡易な操作で適切に所望の情報にマーカーMを付与することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、端末装置10を用いたユーザの学習を補助し、また促進させて、学習効率を向上させることができる。
【0056】
また、CPU11は、上記少なくとも1つの関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与する(通常の表示態様から第2の表示態様に変更させる)。これにより、視覚的に分かりやすく関連情報Ibをユーザに提示することができる。
【0057】
また、CPU11は、第2の暫定マーカーMbを付与した上記少なくとも1つの関連情報Ibのうち、所定のタイミングまでにユーザの第1操作により選択されなかった関連情報Ibの第2の暫定マーカーMbを消去する(通常の表示態様に戻す)。これにより、ユーザに選択されなかった関連情報IbにマーカーMを付与しないようにすることができる。
【0058】
また、第1情報Iaは、コンテンツCに含まれる情報のうちユーザの第2操作により選択された情報である。これにより、ユーザが任意の第1情報Iaを選択することができる。
【0059】
また、コンテンツCは、辞書コンテンツにおける見出し語30と、当該見出し語30の説明情報40と、を含み、第1情報Iaは、見出し語30であってもよい。これにより、コンテンツ画面141が表示される際に、コンテンツCの見出し語30を自動的に第1情報Iaとみなし、第1情報Ia(見出し語30)の関連情報Ibを自動的にユーザに提示することができる。よって、ユーザの手間をより低減することができる。
【0060】
また、CPU11は、説明情報40に含まれる或る第2情報Icについて、他のユーザによる所定条件を満たす選択履歴がある場合に、第2情報Icが第1情報Iaとの間で関連性を有する関連情報Ibであると判別する。これにより、他のユーザによる学習に係るトレンドを反映した関連情報Ibを提示することができる。
【0061】
また、所定条件を満たす選択履歴は、ユーザとの間で所定の属性が共通する他のユーザが所定の方法で第2情報Icを選択した履歴である。これにより、ユーザの属性に合った関連情報Ibを提示することができる。例えば、ユーザと同一の学校に在籍している他のユーザがマーカーMを付与している情報を関連情報Ibとして提示する、といったことが可能となる。
【0062】
また、第1情報Iaは、辞書コンテンツに含まれる或る単語であり、関連情報Ibは、上記単語の同一語45と、上記単語の訳語44と、上記単語の類義語41と、同一語45、訳語44又は類義語41を含む文と、のうち少なくとも1つを含む。これにより、第1情報Iaに対する適切な関連情報IbをマーカーMの付与候補として提示することができる。
【0063】
また、CPU11は、互いに色の異なる複数の第1の暫定マーカーMaのうち、ユーザの第3操作により選択された色の第1の暫定マーカーMaを関連情報Ibに付与する。これにより、選択した関連情報Ibに、ユーザが所望する色(表示態様)のマーカーMを付与することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る学習支援システム1は、CPU11を有する端末装置10と、CPU21及び記憶部23を有するサーバ20と、を備える。CPU11は、辞書コンテンツにおける見出し語30である第1情報Iaと、見出し語30の説明情報40と、を含むコンテンツCを表示部14に表示させる。記憶部23には、説明情報40に含まれる情報についての複数のユーザによる選択履歴に係る選択履歴データ232が記憶されている。CPU21は、選択履歴データ232に基づいて、説明情報40に含まれる或る第2情報Icについて、所定条件を満たす選択履歴があると判別された場合に、当該第2情報Icを、第1情報Iaとの間で関連性を有する関連情報Ibとして端末装置10に送信する。CPU11は、サーバ20から受信した関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与することで関連情報Ibをユーザに提示し、提示した関連情報Ibのうちユーザの第1操作により選択された関連情報Ibを、表示部14に表示されているコンテンツCにおいて第1の表示態様で表示させる。すなわち、CPU11は、関連情報Ibに第1の暫定マーカーMaを付与し、マーカーMを付与する。これにより、識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とすることができる。よって、複数の情報にマーカーMを付与する際の手間を低減することができる。また、他のユーザによる学習に係るトレンドを反映した関連情報Ibを提示することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る情報処理方法において、コンピュータとしてのCPU11は、表示部14による表示対象となっているコンテンツCに、当該コンテンツC内の第1情報Iaとの間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報Ibが含まれている場合に、少なくとも1つの関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与することで関連情報Ibをユーザに提示する。また、CPU11は、提示した少なくとも1つの関連情報Ibのうちユーザの第1操作により選択された関連情報Ibを、表示部14に表示されているコンテンツCにおいて第1の表示態様で表示させる。すなわち、CPU11は、関連情報Ibに第1の暫定マーカーMaを付与し、マーカーMを付与する。これにより、識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とすることができる。よって、より簡易な操作で適切に所望の情報にマーカーMを付与することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態に係るプログラム131は、コンピュータとしてのCPU11に、表示部14による表示対象となっているコンテンツCに、当該コンテンツC内の第1情報Iaとの間で所定の関連性を有する少なくとも1つの関連情報Ibが含まれている場合に、少なくとも1つの関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与することで関連情報Ibをユーザに提示する処理を実行させる。また、プログラム131は、提示した少なくとも1つの関連情報Ibのうちユーザの第1操作により選択された関連情報Ibを、表示部14に表示されているコンテンツCにおいて第1の表示態様で表示させる処理(関連情報Ibに第1の暫定マーカーMaを付与し、マーカーMを付与する処理)を実行させる。これにより、識別可能に表示させる所望の情報をより簡易な操作で選択可能とすることができる。よって、より簡易な操作で適切に所望の情報にマーカーMを付与することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0067】
(その他)
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、電子辞書端末である端末装置10のCPU11が、コンテンツDB132等に基づいてコンテンツ画面141の表示制御を行う例を用いて説明したが、これに限られない。例えば、端末装置10がスマートフォン等の汎用機である場合等において、サーバ20が端末装置10におけるコンテンツ画面141の表示制御を行ってもよい。すなわち、サーバ20の記憶部23にコンテンツDB132及び単語帳データ133を記憶させておき、サーバ20のCPU21が、端末装置10からの表示要求に応じてコンテンツ画面141の表示データを端末装置10に送信することで、端末装置10の表示部14にコンテンツ画面141を表示させてもよい。この場合には、第1の暫定マーカーMa、第2の暫定マーカーMb及びマーカーMの表示制御もCPU21が行うこととなる。よって、この場合には、サーバ20が「情報処理装置」に相当し、CPU21が「制御部」に相当する。
【0068】
また、抽出された関連情報Ibのユーザへの提示方法として、関連情報Ibに第2の暫定マーカーMbを付与する方法を例示したが、これ以外の表示方法で関連情報Ibを提示してもよい。例えば、抽出された関連情報Ibのリストをコンテンツ画面141に表示させて、当該リスト内の関連情報Ibの選択を受け付けてもよい。
【0069】
また、第1の表示態様として第1の暫定マーカーMa及びマーカーMが付与された表示態様を例示し、第2の表示態様として第2の暫定マーカーMbが付与された表示態様を例示したが、これらに限られない。第1の表示態様及び第2の表示態様は、通常の表示態様よりもユーザの目を引く任意の表示態様とすることができる。例えば、情報に下線を付したり、情報を太字及び/又は斜体で表示させたり、情報の文字色を変更したり、情報を枠線で囲んだり、情報を点滅させたりする表示態様であってもよい。
また、第1の表示態様及び第2の表示態様は、必ずしも強調表示態様でなくてもよい。第1の表示態様は、当該第1の表示態様への変更前の表示態様と異なる表示態様であればよい。また、第2の表示態様は、当該第2の表示態様への変更前の表示態様と異なる表示態様であればよい。
【0070】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のフラッシュメモリや記憶部23のSSD、HDDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、通信回線を介して本発明に係るプログラムのデータを提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0071】
また、上記実施形態における学習支援システム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0072】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0073】
1 学習支援システム(情報処理システム)
10 端末装置(情報処理装置)
11 CPU(制御部、第1制御部、コンピュータ)
13 記憶部
131 プログラム
14 表示部
141 コンテンツ画面
20 サーバ(管理装置)
21 CPU(第2制御部)
23 記憶部
232 選択履歴データ(履歴情報)
30 見出し語
40 説明情報
41 類義語
44 訳語
45 同一語(同一の単語)
46 例文
C コンテンツ
Ia 第1情報
Ib 関連情報
Ic 第2情報
M マーカー(第1の表示態様)
Ma 第1の暫定マーカー(第1の表示態様)
Mb 第2の暫定マーカー(第2の表示態様)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12