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  • 特開-衛生薄葉紙製品包装体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017573
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】衛生薄葉紙製品包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/56 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65D75/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120298
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小坂 亜弓
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA24
3E067AB77
3E067AC03
3E067AC11
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067CA03
3E067CA24
3E067EA06
3E067EE12
3E067FA01
3E067FC01
3E067GB02
(57)【要約】
【課題】持ち手部の全体に亘ってその剛性および強度を低コストかつ効果的に向上することができる衛生薄葉紙製品包装体を提供する。
【解決手段】本発明は、天面側に持ち手部11を有するフィルムガゼット包装袋1p内に複数個の衛生薄葉紙製品2が収納されているとともに、持ち手部11のフィルム2枚重ね部分に指掛け孔112を有する衛生薄葉紙製品包装体1であって、持ち手部11において互いに重ね合わされたフィルムが持ち手部11全域に亘って部分的にヒートシール結合されているものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面側に持ち手部を有するフィルムガゼット包装袋内に複数個の衛生薄葉紙製品が収納されているとともに、前記持ち手部のフィルム2枚重ね部分に指掛け孔を有する衛生薄葉紙製品包装体であって、前記持ち手部において互いに重ね合わされたフィルムが前記持ち手部全域に亘って部分的にヒートシール結合されていることを特徴とする衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項2】
前記持ち手部において互いに重ね合わされたフィルムが前記持ち手部全域に亘って網点状にヒートシール結合されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【請求項3】
前記指掛け孔が前記持ち手部の幅方向に離間して複数設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衛生薄葉紙製品包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生薄葉紙製品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットロールやフィルム包装されたティシュペーパー(以下、「フィルム包装ティシュペーパー」とも言う)などの衛生薄葉紙製品が収納されている衛生薄葉紙製品包装体として、天面側に持ち手部を有するガゼット包装内に複数個の衛生薄葉紙製品が収納されている衛生薄葉紙製品包装体が知られている。
【0003】
この種の衛生薄葉紙製品包装体では、持ち手部の剛性が低いと、指掛け孔に指を掛け難くなり、指掛け部の強度が低いと、持ち運び時に指掛け孔の形状が変化するように持ち手部が伸びたり、破断したりするという問題があった。
【0004】
特に、ガゼット包装の持ち手部において、フィルムの2枚重ね部分に指掛け孔を有する構成、例えば特許文献1に開示されるフィルム包装ティシュ集合包装体にあっては、フィルムの4枚重ね部分に指掛け孔を有する構成と比べて、そのような問題が顕著であった。
【0005】
そこで、特許文献2に開示される包装袋のように、持ち手部に指掛け孔を被覆する補強フィルムを貼り付けて持ち手部の剛性および指掛け部の強度を向上することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-50026号公報
【特許文献2】特許第5396917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来構造にあっては、補強フィルムによって部品点数が増加してコスト高となるばかりでなく、持ち手部について部分的に剛性および強度を向上し得るものであり、持ち手部の全体に亘ってその剛性および強度を効果的に向上し得ないという問題があった。
【0008】
本発明は、持ち手部の全体に亘ってその剛性および強度を低コストかつ効果的に向上することができる衛生薄葉紙製品包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1形態に係る衛生薄葉紙製品包装体は、天面側に持ち手部を有するフィルムガゼット包装袋内に複数個の衛生薄葉紙製品が収納されているとともに、前記持ち手部のフィルム2枚重ね部分に指掛け孔を有する衛生薄葉紙製品包装体であって、前記持ち手部において互いに重ね合わされたフィルムが前記持ち手部全域に亘って部分的にヒートシール結合されていることを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、衛生薄葉紙製品包装体の持ち手部の全体に亘ってその剛性および強度を低コストかつ効果的に向上することができる。
【0011】
また、本発明の第2形態に係る衛生薄葉紙製品包装体は、前記持ち手部において互いに重ね合わされたフィルムが前記持ち手部全域に亘って網点状にヒートシール結合されていることを特徴とする第1形態として記載のものである。
【0012】
この構成により、衛生薄葉紙製品包装体の持ち手部の全体に亘って凹凸が付与され、ひいては、持ち手部の滑りが防止されて運搬時の作業性が向上する。
【0013】
さらに、本発明の第3形態に係る衛生薄葉紙製品包装体は、前記指掛け孔が前記持ち手部の幅方向に離間して複数設けられていることを特徴とする第1形態または第2形態として記載のものである。
【0014】
この構成により、衛生薄葉紙製品包装体の持ち運び時に衛生薄葉紙製品包装体の持ち手部に作用する力が分散し、持ち手部の全体に亘って強度をより効果的に向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、天面側に持ち手部を有するフィルムガゼット包装袋において、持ち手部において互いに重ね合わされたフィルムが当該持ち手部全域に亘って部分的にヒートシール結合されているので、衛生薄葉紙製品包装体の持ち手部の全体に亘ってその剛性および強度を低コストかつ効果的に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る衛生薄葉紙製品包装体の全体斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る衛生薄葉紙製品包装体の正面図である。
図3図2のIII部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1から図3を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0018】
本発明に係る衛生薄葉紙製品包装体は、複数個の衛生薄葉紙製品を収納してガゼット包装したものであり、本発明に係る衛生薄葉紙製品包装体に収納される衛生薄葉紙製品は、トイレットロール、フィルム包装ティシュペーパー、キッチンタオルロール、ハンドタオルロール等である。以下、本発明の一実施形態では、2枚のティシュペーパーを1組として、複数組のティシュペーパーを交互に折り畳み積層した積層体をフィルムによってピロー包装またはキャラメル包装したフィルム包装ティシュペーパーを衛生薄葉紙製品として説明する。図中、衛生薄葉紙製品包装体に収納されるフィルム包装ティシュペーパーを二点鎖線で表す。
【0019】
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「天面」および「底面」とは、フィルムガゼット包装袋の面自体を指すものとして参照される。但し、これらの用語はあくまで便宜上のものであり、重力方向における絶対的な位置を規定するものではないことは勿論である。また、「上」、「下」などの用語についても同様である。
【0020】
さらに、本明細書、特許請求の範囲、および図面の記載において、「高さ方向」、「幅方向」、および「奥行き方向」はそれぞれ直交するものとする。
【0021】
また、本明細書の記載において、「矩形」とは、長方形のほか正方形を含むだけでなく、略長方形や略正方形を含むものである。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る衛生薄葉紙製品包装体1の全体斜視図であり、図2は本実施形態に係る衛生薄葉紙製品包装体1の正面図であり、図3図2のIII部分の拡大図である。
【0023】
本実施形態では、図1に示すように、天面側に持ち手部11を有するフィルムガゼット包装袋1p内に複数個の衛生薄葉紙製品(フィルム包装ティシュペーパー)2が収納されているとともに、持ち手部11のフィルム2枚重ね部分に指掛け孔112を有する衛生薄葉紙製品包装体1であって、持ち手部11において互いに重ね合わされたフィルムが持ち手部11全域に亘って部分的にヒートシール結合されている。すなわち、天面側封止部を兼ねる持ち手部11と底面側封止部13との間にある袋状の空間に、被包装物であるフィルム包装ティシュペーパー2が複数個内包されている。持ち手部11には、幅方向両端部にフィルムが4枚重ね合わされた4枚重ね部11aが形成されているとともに、幅方向両側の4枚重ね部11aの間にフィルムが2枚重ね合わされた2枚重ね部11bが形成され、この2枚重ね部11bに指掛け孔112が形成され、かつ互いに重ね合わされたフィルムが全域に亘って部分的にヒートシール結合されている。なお、底面側封止部13については、持ち手部11と同様に、幅方向両端部にフィルムが4枚重ね合わされた4枚重ね部13aが形成されているとともに、幅方向両側の4枚重ね部13aの間にフィルムが2枚重ね合わされた2枚重ね部13bが形成され、互いに重ね合わされたフィルムが幅方向に沿って直線状にヒートシール結合されている。
【0024】
この構成により、衛生薄葉紙製品包装体1の持ち手部11の全体に亘ってその剛性および強度を低コストで向上することができる。
【0025】
本実施形態では、衛生薄葉紙製品包装体1は、図1および図2に示すように、持ち手部11と一対の傾斜面部12を有する頂部1Aと、5個のフィルム包装ティシュペーパー2を横詰めで収納している胴部1Bとで構成される。本発明では、フィルム包装ティシュペーパー2については、その底面を天面に乗せていき平積みするような横詰めに限らず、側面をフィルムガゼット包装袋1pの底面に向けて並置するような縦詰めするようしてもよい。
【0026】
ガゼット包装は、天底側の熱融着等による接着部分の間にある袋状の空間に、被包装物である被包装物が複数個内包され、正面と背面との間にマチを有する包装形態であり、本実施形態においても、天面側封止部を兼ねる持ち手部11と底面側封止部13との間であって、正面と背面との間にマチ14が形成されている。
【0027】
このようなガゼット包装は、例えば、ガゼットチューブともいわれる筒状のフィルムガゼット包装袋の側部を袋内側に折り込みして偏平にしたガゼットチューブの天面側となる部分を熱融着してヒートシール部111を形成することにより、天面側の開口を封止する天面側封止部を兼ねる持ち手部11を形成し、その後に天面側が封止されたフィルムガゼット包装袋前駆体の底面側開口を拡開してそこから被包装物であるフィルム包装ティシュペーパー2を(本実施形態では5個を横詰めで)挿入し、その後に底面側も熱融着等の適宜の封止手段にて封止して底面側封止部13を形成するようにして製造される。
【0028】
なお、本発明では、天面側に持ち手部11を有するフィルムガゼット包装袋1p内に複数個の衛生薄葉紙製品(フィルム包装ティシュペーパー2)が収納される構成であればよく、底面側封止部13については、互いに重ね合わされたフィルムを幅方向に沿って直線状にヒートシール結合する構成に限らず、合わせ包みヒートシール包装により封止するようにしてもよい。また、持ち手部11が天面側封止部を兼ねる構成に限らず、例えば、持ち手部11とフィルム包装ティシュペーパー2の収納部との間において、互いに重ね合わされたフィルムを幅方向に沿って直線状にヒートシール結合して封止する天面側封止部を別途設けるようにしてもよい。
【0029】
本実施形態では、指掛け孔112が持ち手部11の幅方向に離間して2箇所設けられている。この構成により、持ち運び時に持ち手部11に作用する力が分散し、持ち手部11の全体に亘って強度を効果的に向上することができる。本発明では、指掛け孔112は、持ち手部11に1箇所設けられても良いし、持ち手部11の幅方向に離間して3箇所以上設けられても良い。
【0030】
本実施形態では、持ち手部11において互いに重ね合わされたフィルムが持ち手部11全域に亘って網点状にヒートシール結合されている。この構成により、持ち手部11の全体に亘って凹凸が付与され、ひいては、持ち手部11の滑りが防止されて運搬時の作業性が向上する。持ち手部11には、図1から図3に示すように、互いに重ね合わされたフィルムをヒートシール結合することで、複数の矩形状のヒートシール部111が縦横方向において所定間隔をもって整列して形成されている。
【0031】
複数の矩形状のヒートシール部111の大きさはそれぞれ、図3に示すように、同一であり、高さ方向および幅方向に隣接する複数の矩形状のヒートシール部111の間には、間隙dを有する。本発明では、ヒートシール部111の大きさ、形状、配列パターン、間隙は、持ち手部11の剛性や指で摘まんだ時の把持しやすさ等を考慮して設計されうるが、本発明の効果を奏する上で、持ち手部11の面積に対するヒートシール接着面の総面積の比率が20%以上60%以下であることが好ましい。持ち手部11の総面積に対するヒートシール接着面の総面積の比率が20%未満であると、持ち手部11の全体に亘って強度を効果的に向上できなくなり、持ち手部11の面積に対するヒートシール接着面の総面積の比率が60%を超えると、ヒートシール部111による凹凸感が小さくなり、持ち手部11の滑りを効果的に抑制できなくなり、運搬時の作業性を効果的に向上できなくなる。
【0032】
ヒートシール部111の網点状の点の形状は、本実施形態では矩形であるが、本発明ではこれに限られず、例えば、正方形や、曲線を含む角丸多角形、円、楕円等が採用されうる。また、ヒートシール部111の網点状のパターンは、本実施形態では矩形のヒートシール部111が縦横方向に所定間隔dをもって整列した格子パターンとしたが、本発明ではこれに限られず、本発明の効果を奏する限りにおいて、斜め格子パターンなど様々な配列パターンが採用可能である。特に、ヒートシール部111の網点パターンについて、非ヒートシール結合部(非接着部)が連続しない網点パターンとすることも好ましく、この場合には持ち手部11の強度をより効果的に向上することができる。
【0033】
なお、本発明では、持ち手部11において、互いに重ね合わされたフィルムが全域に亘って部分的にヒートシール結合される構成あればよく、互いに重ね合わされたフィルムを全域に亘って網点状にヒートシール結合する場合に限らず、互いに重ね合わされたフィルムを全域に亘って高さ方向または幅方向に沿って直線状にヒートシール結合したストライプ状のヒートシールパターンとするようにしてもよい。また、互いに重ね合わされたフィルムを全域に亘って高さ方向および幅方向に沿って直線状にヒートシール結合した格子状のヒートシールパターンとすることが好ましく、この場合には持ち運び時に持ち手部11に作用する力を高さ方向および幅方向に効果的に分散させて持ち手部11の強度を効果的に向上することができる。また、持ち手部11において、互いに重ね合わされたフィルムを全域に亘って高さ方向に沿って直線状にヒートシール結合したストライプ状のヒートシールパターンとする場合には、補強用として、指掛け孔の上方において互いに重ね合わされたフィルムを持ち手部11の幅方向全域に亘って幅方向に沿って直線状にヒートシール結合することが好ましい。
【0034】
本実施形態では、フィルムガゼット包装袋1pの一対の傾斜面部12には、持ち手部11を基準として線対称に、衛生薄葉紙製品包装体1の膨張を防ぐための抜気孔121が二対形成されている。抜気孔121は、図1および図2に示すように、フィルムガゼット包装袋1pの傾斜面部12に円形に切れ込みを入れていき一部を残すことで形成される。本発明では、抜気孔121は、傾斜面部12ではなく、フィルムガゼット包装袋1pの側面(例えば幅面や長さ面)に設けても良く、また、抜気孔121がフィルムガゼット包装袋1pの何処にも形成されない態様も許容されうる。
【0035】
フィルムガゼット包装袋1pの持ち手部11において、フィルムが2枚重ね合わされた2枚重ね部11bに指掛け孔112を有する構成とするための好ましい要件としては、図1および図2を参照して、(1)衛生薄葉紙製品包装体1の奥行き寸法L2≦衛生薄葉紙製品包装体1の幅寸法L1×0.6、かつ(2)持ち手部11の幅寸法L3≦衛生薄葉紙製品包装体1の幅寸法L1×1.1である。
【0036】
本実施形態に係るフィルム包装ティシュペーパー2は、ティシュペーパーの束をオーバーラップ包装したものであり、当該オーバーラップ包装は、キャラメル包装または合せ包み包装とも呼ばれる包装である。
【0037】
フィルム包装ティシュペーパー2の外装を構成する柔軟性のある樹脂製の包装フィルムの具体例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビニリデンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体の単層フィルム、または、それらのフィルムを含む適宜積層されたラミネートフィルムや、それらのフィルムにアルミ蒸着などの表面処理を施したガスバリアフィルムが挙げられる。また、環境保護の観点から、サトウキビ、芋(デンプン)、トウモロコシといった植物原料に由来するバイオマスフィルムを用いることが望ましい。コストの観点からはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0038】
また、フィルム包装ティシュペーパー2の外装を構成する包装フィルムは、意匠性や手触り性に優れる梨地フィルムであってもよいし、さらに、香り付きのティシュペーパーなど臭気のあるものを包装するのであれば、保香性に優れるエチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いることができる。エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの一方面または両面に、ポリエチレン樹脂製フィルムやポリプロピレン樹脂製フィルムを積層して熱融着性が高められた複層の樹脂フィルムを用いてもよい。
【0039】
フィルムガゼット包装袋1pのフィルムとしては、ポリプロピレンフィルム及びポリエチレンフィルムであるのがコスト面及び開封性の点で望ましく、ポリエチレンフィルムとしては、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビニリデンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体の単層フィルム、または、それらのフィルムを含む適宜積層されたラミネートフィルムや、それらのフィルムにアルミ蒸着などの表面処理を施したガスバリアフィルムを用いることが可能である。フィルム包装ティシュペーパー2の外装を構成する包装フィルムと同様に、環境保護の観点から、サトウキビ、芋(デンプン)、トウモロコシといった植物原料に由来するバイオマスフィルムを用いることが望ましい。
【0040】
従来、天面側に持ち手部を有しガゼット包装内に複数個の衛生薄葉紙製品が収納されている衛生薄葉紙製品包装体では、持ち手部の剛性が低いと、指掛け孔に指を掛け難くなり、指掛け部の強度が低いと、持ち運び時に指掛け孔の形状が変化するように持ち手部が伸びたり、破断したりするという問題があった。
【0041】
特に、ガゼット包装の持ち手部において、フィルムの2枚重ね部分に指掛け孔を有する構成、例えば特許文献1に開示されるフィルム包装ティシュ集合包装体にあっては、フィルムの4枚重ね部分に指掛け孔を有する構成と比べて、そのような問題が顕著であった。
【0042】
そこで、特許文献2に開示される包装袋のように、持ち手部に指掛け孔を被覆する補強フィルムを貼り付けて持ち手部の剛性および指掛け部の強度を向上することが考えられる。
【0043】
しかしながら、上記従来構造にあっては、補強フィルムによって部品点数が増加してコスト高となるばかりでなく、持ち手部について部分的に剛性および強度を向上し得るものであり、持ち手部の全体に亘ってその剛性および強度を効果的に向上し得ないという問題があった。
【0044】
本実施形態によれば、天面側に持ち手部11を有するフィルムガゼット包装袋1pにおいて、持ち手部11において互いに重ね合わされたフィルムが当該持ち手部11全域に亘って部分的にヒートシール結合されているので、衛生薄葉紙製品包装体1の持ち手部11の全体に亘ってその剛性および強度を低コストで向上することができる。
【0045】
本発明は、上述した各実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 衛生薄葉紙製品包装体
1p フィルムガゼット包装袋
1A 頂部
11 持ち手部
111 ヒートシール部
112 指掛け孔
12 傾斜面部
121 抜気孔
1B 胴部
2 衛生薄葉紙製品(フィルム包装ティシュペーパー)
図1
図2
図3