(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175756
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20241212BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20241212BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F30/13
A61B5/00 102
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093729
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】西口 絵里子
【テーマコード(参考)】
2E025
4C117
5B146
【Fターム(参考)】
2E025AA01
4C117XB01
4C117XB15
4C117XC01
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE33
4C117XE48
4C117XE75
5B146AA04
5B146FA02
(57)【要約】
【課題】建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることが可能な情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、建物内部の構造に関する第1情報を取得する第1取得部と、建物内部に設置されるセンサについて、該センサの設置条件に関する第2情報を取得する第2取得部と、建物内部におけるセンサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報を取得する第3取得部と、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、建物内部におけるセンサの設置位置を、設置条件を満たし、且つ、設置パターンに基づく位置となるように設定する第1設定部と、設定されたセンサの設置位置を提示する提示部と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内部の構造に関する第1情報を取得する第1取得部と、
前記建物内部に設置されるセンサについて、該センサの設置条件に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記建物内部における前記センサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報を取得する第3取得部と、
前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報に基づいて、前記建物内部における前記センサの設置位置を、前記設置条件を満たし、且つ、前記設置パターンに基づく位置となるように設定する第1設定部と、
設定された前記センサの設置位置を提示する提示部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1設定部は、前記第2情報が示す前記センサが検知可能な範囲に基づいて、前記建物内部に設置される前記センサの台数を設定し、設定された台数の前記センサの各々の設置位置を、前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報に基づいて設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1設定部は、前記第1情報が示す前記建物内部の部屋の数及び前記部屋内の仕切の数の少なくとも一方に基づいて、前記建物内部に設置される前記センサの台数を設定し、設定された台数の前記センサの各々の設置位置を、前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報に基づいて設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1情報が示す前記建物内部の間取り、前記部屋の形状、及び前記仕切の位置の少なくとも1つに基づいて、前記建物内部にセンサ設置空間を設定する第2設定部をさらに備え、
前記第1設定部は、前記センサ設置空間の広さと、前記第2情報が示す前記センサが検知可能な範囲との関係に応じて、前記センサ設置空間に設置される前記センサの台数を設定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2設定部は、前記第2情報が示す前記センサを設置することができない空間の情報に基づいて、前記センサ設置空間を設定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記建物の使用条件に関する第4情報を取得する第4取得部をさらに備え、
前記第1設定部は、前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報、及び前記第4情報に基づいて前記センサの設置位置を設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第3取得部は、前記第4情報に応じて設定される前記設置パターンを示す前記第3情報を取得し、
前記第1設定部は、該第3情報に基づいて、前記センサの設置位置を設定する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第3情報は、実際の住居として使用されている、又は過去に使用された建物にて採用された前記設置パターンに関する情報である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
建物内部の構造に関する第1情報を取得し、
前記建物内部に設置されるセンサについて、該センサの設置条件に関する第2情報を取得し、
前記建物内部における前記センサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報を取得し、
前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報に基づいて、前記建物内部における前記センサの設置位置を、前記設置条件を満たし、且つ、前記設置パターンに基づく位置となるように設定し、
設定された前記センサの設置位置を提示する、センサ設置位置の提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法に係り、特に、建物内部に設置されるセンサの設置位置を決める際に用いられる情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内部に設置されるセンサは、例えば、特許文献1に記載のように、建物内部に滞在する居住者の生体データを収集するために利用される。
【0003】
特許文献1に記載のシステムは、住宅内に設置され、住宅の居住者の生体データを継続的に収集するセンサと、収集された生体データを解析し、居住者の健康状態を判定する解析装置と、健康状態の判定結果に基づいて、居住者に応じた健康増進プログラムを生成するプログラム生成装置と、を含んで構成される。このシステムによれば、居住者の日常生活において得られる生体データを居住者の健康の維持及び増進のために有効に活用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建物内部にセンサを設置するにあたり、センサの設置位置を適切に決める必要がある。しかしながら、センサの設置位置は、建物の構造及び使用状況等によって建物毎に異なるため、建物毎に個別に検討して決める必要があり、新たに建設された建物においてセンサを設置する際には、その建物の構造及び使用状況等を考慮してセンサの設置位置を決める必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることが可能な情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、本発明の情報処理装置によれば、建物内部の構造に関する第1情報を取得する第1取得部と、建物内部に設置されるセンサについて、該センサの設置条件に関する第2情報を取得する第2取得部と、建物内部におけるセンサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報を取得する第3取得部と、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、建物内部におけるセンサの設置位置を、設置条件を満たし、且つ、設置パターンに基づく位置となるように設定する第1設定部と、設定されたセンサの設置位置を提示する提示部と、を備えることにより解決される。
【0008】
本発明の情報処理装置では、第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいてセンサの設置位置が設定されるので、適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0009】
また、第1設定部は、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲に基づいて、建物内部に設置されるセンサの台数を設定し、設定された台数のセンサの各々の設置位置を、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて設定してもよい。
上記の構成であれば、センサが検知可能な範囲に基づいて、台数に応じた各センサの設置位置が設定されるので、各センサについて、適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、各センサについて、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0010】
また、第1設定部は、第1情報が示す建物内部の部屋の数及び部屋内の仕切の数の少なくとも一方に基づいて、建物内部に設置されるセンサの台数を設定し、設定された台数のセンサの各々の設置位置を、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて設定してもよい。
上記の構成であれば、建物内部の部屋の数及び部屋内の仕切の数の少なくとも一方に基づいて、台数に応じた各センサの設置位置が設定されるので、各センサについて、適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、各センサについて、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0011】
また、情報処理装置は、第1情報が示す建物内部の間取り、部屋の形状、及び仕切の位置の少なくとも1つに基づいて、建物内部にセンサ設置空間を設定する第2設定部をさらに備え、第1設定部は、センサ設置空間の広さと、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、センサ設置空間に設置されるセンサの台数を設定してもよい。
上記の構成であれば、センサ設置空間の広さと、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、台数に応じた各センサの設置位置が設定されるので、各センサについて、適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、各センサについて、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0012】
また、第2設定部は、第2情報が示すセンサを設置することができない空間の情報に基づいて、センサ設置空間を設定してもよい。
上記の構成であれば、センサを設置することができない空間を考慮したセンサ設置空間に基づいてセンサの設置位置が設定されるので、より適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、建物の構造及び使用状況等に応じたより適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0013】
また、情報処理装置は、建物の使用条件に関する第4情報を取得する第4取得部をさらに備え、第1設定部は、第1情報、第2情報、第3情報、及び第4情報に基づいてセンサの設置位置を設定してもよい。
上記の構成であれば、建物の使用条件に基づいてセンサの設置位置が設定されるので、より一層適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、建物の構造及び使用状況等に応じたより一層適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0014】
また、第3取得部は、第4情報に応じて設定される設置パターンを示す第3情報を取得し、第1設定部は、該第3情報に基づいて、センサの設置位置を設定してもよい。
上記の構成であれば、第4情報に応じて設定される設置パターンに基づいてセンサの設置位置が設定されるので、さらに適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、建物の構造及び使用状況等に応じたさらに適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0015】
また、第3情報は、実際の住居として使用されている、又は過去に使用された建物にて採用された設置パターンに関する情報であってもよい。
上記の構成であれば、実績がある設置パターンに基づいてセンサの設置位置が設定されるので、より一層適切なセンサの設置位置が提示されることとなる。この結果、建物の構造及び使用状況等に応じたより一層適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0016】
また、前述の課題は、本発明のセンサ設置位置の提示方法によれば、建物内部の構造に関する第1情報を取得し、建物内部に設置されるセンサについて、該センサの設置条件に関する第2情報を取得し、建物内部におけるセンサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報を取得し、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、建物内部におけるセンサの設置位置を、設置条件を満たし、且つ、設置パターンに基づく位置となるように設定し、設定されたセンサの設置位置を提示することで解決される。
本発明のセンサ設置位置の提示方法を用いることで、適切なセンサの設置位置が提示される。この結果、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、建物の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることが可能な情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る住宅内部の間取りの一例を示す図である。
【
図2】
図1に示す間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である(その1)。
【
図3】
図1に示す間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である(その2)。
【
図4】
図1に示す間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である(その3)。
【
図5】
図1に示す間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である(その4)。
【
図6】
図1とは別の間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である。
【
図7】
図1とは別の間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である。
【
図8】
図1とは別の間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一つの実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの構成を示す図である。
【
図10】本発明の一つの実施形態に係る情報処理装置の機能についての説明図である。
【
図11】本発明の一つの実施形態に係る本提示フローの手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の
図1~11を参照しながら説明する。
なお、以下の実施形態では、「住宅」を建物の一例として挙げるが、本発明は、住宅以外の建物、例えば、事務所、店舗、病院又は学校等の施設、及び、工場内の建屋等、様々な用途の建物において実施可能である。
【0020】
また、本明細書において、「装置」という概念には、特定の機能を一台で発揮する単一の装置が含まれるとともに、分散してそれぞれが独立して存在しつつも協働(連携)して特定の機能を発揮する複数の装置の組み合わせも含まれることとする。
【0021】
また、本実施形態の内容を実現するための基礎的な情報処理技術(通信/伝送技術、情報取得技術、情報記録技術、情報加工技術、情報解析技術、画像処理技術、及び可視化技術等)は、公知の技術であるため、それに関する説明については省略することとする。
【0022】
<<本実施形態に係るセンサ設置位置の提示の概要>>
先ず、本実施形態に係る情報処理装置及びセンサ設置位置の提示方法を用いて実施される提示(以下、本提示という)の概略について、
図1~8を参照しながら説明する。
なお、
図1は、住宅内部の間取りの一例を示す図である。
図2~5は、
図1に示す間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図であり、
図2から順に
図5まで時系列に沿っている。
図6~8は、
図1とは別の間取りに対してセンサの設置位置を設定する手順の一例を示す図であり、以下の説明では、主に
図1~5に示す例を補足する際に用いる。
【0023】
本提示は、住宅内部(建物内部)におけるセンサの設置位置を提示するものであり、より詳しくは、後述する第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて、住宅内部におけるセンサの設置位置を設定し、設定されたセンサの設置位置を提示するものである。
【0024】
「住宅内部」は、住宅の居住者(以下、「被検者」ともいう)が利用する住宅内の内部空間であり、より具体的には、
図1に示すように、キッチン、ダイニング、リビング、洋室、浴室、トイレ、洗面所、廊下、玄関、及びクローゼット等の各空間の全てを含む住宅内の空間全体を意味する。
【0025】
「センサ」は、非接触式のセンサであり、住宅内に滞在する被検者について、対象部位のバイタル情報、位置情報、及び姿勢情報等を取得する。バイタル情報は、例えば、心拍数、心拍変動、呼吸数、血圧、又は体温等を含む。位置情報は、例えば、被検者の歩行速度等を含む。姿勢情報は、例えば、被検者の転倒の有無等を含む。
センサは、公知のセンサが用いられ、例えば、マイクロ波ドップラーセンサ又はミリ波ドップラーセンサ等を利用して非接触で対象部位のバイタル情報を取得するバイタルセンサであってもよい。また、センサは、発光したレーザ光を被検者に当てて反射した光を受光部で受けることにより被検者の位置情報及び姿勢情報を取得するレーザセンサであってもよい。また、センサは、被検者から放射される赤外線の量に基づき、体温を可視化する赤外線センサ(赤外線サーモグラフィカメラ等を含む)であってもよい。センサは、住宅内部に1台以上設置されているものとする。
【0026】
(第1情報について)
「第1情報」は、住宅内部の構造に関する情報であり、より具体的には、本提示の対象となる住宅の図面から得られる情報をいう。
「図面」は、広義に解釈され、2次元図面及び3次元図面等を含む。2次元図面としては、例えば、
図1に示すような平面図であり、複数階建ての住宅の場合には、各階の構成を示す階別の平面図(伏図)を含む。
「図面から得られる情報」は、部屋の数、間取り、部屋の形状、部屋内における仕切の数、仕切の位置、及び空間用途等を含む。
【0027】
「部屋」は、床、天井、及び壁(扉及び窓を含む)等によって閉じられた空間をいう。したがって、後述する仕切によって部屋内の空間が分断されていても、床、天井、及び壁の少なくとも1つに対して仕切が離間しており、当該離間した空間を介して隣り合う空間同士が連通している場合には、1つの部屋として取り扱う。具体的に説明すると、
図1に示す例では、キッチンとダイニングとの間に空間を仕切る一対の仕切Wが位置しているが、キッチン、ダイニング、及びリビングをなす空間同士が連通している。したがって、この場合、キッチン、ダイニング、及びリビングをなす空間を1つの部屋として取り扱う。以下、キッチン、ダイニング、及びリビングが一体となった部屋をLDK又はLDK一体型の部屋ともいう。
なお、本実施形態において、部屋は、被検者が所定時間以上滞在する空間と定義する。したがって、
図1に示す例では、被検者が滞在しない空間であるクローゼット、並びに、所定時間未満の滞在空間となる玄関、廊下、トイレ、及び洗面所については、部屋以外の空間として取り扱う。なお、上記はあくまで本実施形態の一例であって、例えば、玄関、廊下、トイレ、及び洗面所等を部屋として取り扱ってもよい。
「部屋の数」は、
図1に示す例では、LDK、洋室1、洋室2、及び浴室の合計4つとなる。
【0028】
「間取り」は、部屋及び部屋以外の空間について、水平方向における互いの位置関係を示すものである。
図1に示す例では、LDK、洋室1、洋室2、及び浴室の各部屋、並びに、玄関、廊下、トイレ、洗面所、及びクローゼットの部屋以外の空間の各々について、水平方向における互いの位置関係をいう。
「部屋の形状」は、
図1に示すように、住宅の各階を上方から見た場合の各部屋の形状であり、より具体的には、各部屋を囲む壁の形状をいう。
図1に示す例では、洋室1、洋室2、及び浴室の各々の部屋の形状は、矩形(四角)をなしており、LDKは、ダイニング及びリビングをなす空間がキッチンをなす空間に比べて洋室2側(図中の右側)に張り出した形をなしている。また、別の例として、
図6及び7に示す例では、LDKの形状は、L字形をなしており、
図8に示す例では、LDKの形状は、所定方向(例えば南北方向)に長い矩形となっている。なお、
図6及び7は、後述するセンサ設置空間S3の設定が異なるだけで同じ図である。
【0029】
「仕切」は、例えば、部屋内に設置された腰壁、衝立、及びパーテーション等を含む。仕切は、床、天井、及び壁の少なくとも1つに対して離間しており、当該離間した空間を介して、仕切りを挟んで隣り合う空間同士が連通している。
図1に示す一対の仕切Wは、LDK内におけるキッチンをなす空間とダイニング及びリビングをなす空間とを仕切っている。
仕切は、床、天井、及び壁のいずれに設置されていてもよい。
【0030】
「仕切の数」は、空間を仕切る仕切毎に1とカウントする。
図1を用いて説明すると、一対の仕切Wが、キッチンをなす空間と、ダイニング及びリビングをなす空間と仕切っているので、一対の仕切Wを1とカウントする。なお、一対の仕切Wではなく1つの仕切Wであった場合、例えば、
図1の一対の仕切Wにおける右側の仕切WのみがLDK内に設置されていたとした場合であっても、キッチンをなす空間と、ダイニング及びリビングをなす空間と仕切っているので、当該1つの仕切Wを1とカウントする。
「仕切の位置」は、水平方向における部屋内の仕切の位置を意味する。
「空間用途」は、住宅内の各空間に設定された用途をいい、具体的には、
図1に示すように、キッチン、ダイニング、リビング、洋室1、洋室2、浴室、トイレ、洗面所、玄関、廊下、及びクローゼット等の各々の用途をいう。空間用途は、1つの部屋内に1つ設定されていてもよいし、1つの部屋内に複数設定されていてもよい。具体的には、
図1に示すように、洋室1、洋室2、及び浴室の各部屋には、それぞれ1つの用途が設定されているが、LDK一体型の部屋には、キッチン、ダイニング、及びリビングの3つの用途が設定されている。また、空間用途は、部屋以外にも設定され、具体的には、
図1に示すように、玄関、廊下、トイレ、洗面所、及びクローゼットをなす空間にも用途が設定される。
【0031】
(第2情報について)
「第2情報」は、住宅内部に設置されるセンサについて、センサの設置条件に関する情報である。
「センサの設置条件」は、センサの仕様、及びセンサの仕様に基づくセンサの設置条件をいう。
「センサの仕様」は、センサ種類、センサ用途、取付方式、検知可能な範囲、及び設置環境等を含む。
【0032】
「センサ種類」は、前述したような、バイタルセンサ、レーザセンサ、及び赤外線センサ等をいう。センサ種類に基づくセンサの設置条件としては、例えば、センサ種類がバイタルセンサである場合には、被検者が座って静止していることが多いリビングに設置することを推奨し、センサ種類がレーザセンサの場合には、被検者が座ることなく頻繁に移動するキッチンに設置することを推奨してもよい。なお、住宅内部に設置されるセンサの種類は、本提示の前にあらかじめ決められていてもよく、例えば、住宅内部に設置されるセンサがすべてバイタルセンサであってもよい。
【0033】
「センサ用途」は、前述したように、例えば、住宅内の被検者の対象部位のバイタル情報の取得、被検者の位置情報の取得、及び被検者の姿勢情報の取得等である。
例えば、部屋以外の空間(
図1に示す例では、玄関、廊下、トイレ、洗面所、及びクローゼット)では、バイタル情報が十分に取得できない可能性がある。したがって、センサ用途に基づくセンサの設置条件としては、センサ用途がバイタル情報の取得である場合には、部屋以外の空間を、センサを設置しない空間に設定することを推奨してもよい。
また、部屋内において、被検者が滞在する可能性が高い位置の直上にセンサを設置した場合、被検者の対象部位(胸部等)のバイタル情報を取得することができない可能性がある。したがって、センサ用途に基づくセンサの設置条件としては、センサ用途がバイタル情報の取得である場合には、部屋内における被検者が滞在する可能性が低い位置の直上への設置を推奨してもよい。
【0034】
「取付方式」は、被取付け部に対してセンサを取り付ける際の方式であり、具体的には、ねじによる取付け、マグネットによる取付け、及び接着剤による取付け等を含む。
「被取付け部」としては、例えば、天井、壁(内壁)、及び床における下地(下地材)、並びに、下地に立てられたスタッド等が挙げられる。
【0035】
「検知可能な範囲」は、センサによる検知が可能な最大範囲をいう。非接触センサの場合、周囲に遮蔽物が無いほど、センサの検知可能な範囲を有効に利用することができる。したがって、検知可能な範囲に基づくセンサの設置条件としては、センサの検知可能な範囲を最大限に利用するために、例えば、各空間又は各部屋の中央へのセンサの設置を推奨してもよい。
【0036】
「設置環境」は、センサが設置される設置環境の条件であり、その条件を満たさない場合にはセンサが正常に機能しない虞がある。設置環境に関する項目としては、環境温度、環境湿度、及び遮蔽物の存在等がある。
設置環境には、センサの設置が制限される場所(環境)が含まれてもよい。例えば、浴室は、住宅内部の他の部屋に比べて環境温度及び環境湿度が高い。したがって、設置環境に基づくセンサの設置条件としては、浴室を、センサを設置することができない空間に設定することを推奨してもよい。
また、遮蔽物が被検体とセンサとの間に位置しないように、設置環境に基づくセンサの設置条件としては、遮蔽物から所定の距離を空けてセンサを設置することを推奨してもよい。また、非接触センサにおいては、遮蔽物の表面の材質が例えば金属であった場合、遮蔽物が電磁波、レーザ光、及び赤外線等を反射又は吸収してしまい、センサが正常に機能しない虞がある。したがって、設置環境に基づくセンサの設置条件としては、遮蔽物の表面が金属等である場合、遮蔽物から所定の距離を空けてセンサを設置することを推奨してもよい。
なお、「遮蔽物」としては、後述するセンサ以外の機器、扉及び窓等の建具、並びに、内装に用いられる建材等が挙げられる。
【0037】
(第3情報及び第4情報について)
「第3情報」は、住宅内部におけるセンサ以外の機器の設置パターンに関する情報をいう。
「センサ以外の機器」は、家具及び家電、照明機器、感知器、並びに、キッチン設備等を含む。
「家具及び家電」は、例えば、ダイニングテーブル、ソファー、テレビ、及びベッド等であり、主に、日常生活における被検体の滞在位置を特定する際に寄与する家具及び家電をいう。
「照明機器」は、部屋を照らすものであり、部屋の天井に設置される。
「感知器」は、火災の発生を感知するものであり、部屋の天井に設置される。
「キッチン設備」は、調理台、流し台、及びコンロ台等を含み、例えば、これらが一体化したシステムキッチン等である。
【0038】
「設置パターン」は、住宅内部の構造に関する第1情報、より具体的には、間取り、部屋の形状、又は部屋の広さ等に応じて設定される。
【0039】
以下、
図6~8を参照しながら、LDK一体型の部屋を例に2つの設置パターンを説明する。LDK一体型の部屋としては、
図6及び7に示すL字型と、
図8に示す図中の上下方向を長手とする矩形型とが代表例として挙げられる。
【0040】
図6及び7に示す設置パターンでは、図中の右側に張り出した空間において、図中の左右方向が長手となるようにキッチン設備が設置される。そして、キッチン設備の左側の空間にダイニングテーブルが設置され、ダイニングテーブルが設置された空間よりも下側の空間にリビング用のソファー及びテレビが設置される。ダイニングテーブルは、その長手方向を図中の左右に向けて設置する方法(横置き)、又はダイニングテーブルの長手方向を図中の上下に向けて設置する場合(縦置き)があり、
図6及び7に示す例では、横置きが採用される。また、リビング用のテレビ及びソファーは、図中の左右方向に互いを対向させる方法(横向き)、又は図中の上下方向に互いに対向させる方法(縦向き)があり、
図6及び7に示す例では、横向きが採用される。
【0041】
一方で、
図8に示す設置パターンでは、図中の上側の空間において、図中の上下方向が長手となるようにキッチン設備が設置される。そして、キッチン設備の下側の空間にダイニングテーブルが設置され、ダイニングテーブルが設置された空間よりも下側の空間にリビング用のソファー及びテレビが設置される。
図8に示す例では、ダイニングテーブルは縦置きが採用され、リビング用のテレビ及びソファーは横向きが採用される。
【0042】
なお、
図8に示す例では、住宅の内部空間における左右方向の中央にダイニングテーブルが設置され、ダイニングテーブル右側に位置する扉は、外側に向かって開閉する扉となっている。仮に、この扉が住宅内部に向かって開閉する扉だった場合、住宅の内部空間のうち、扉の開閉空間は有効に使える空間とは言えない。したがって、この場合には、扉の開閉空間を除く内部空間を有効空間として定義し、有効空間における左右方向の中央にダイニングテーブルが設置されてもよい。
【0043】
さらに、設置パターンは、第4情報に応じて設定される。
「第4情報」は、住宅の使用条件に関する情報であり、具体的には、建築形態、所有形態、及び居住者等に関する情報である。
「建築形態に関する情報」は、戸建て及び集合住宅(マンション又はアパート等)等に関する情報である。
「所有形態に関する情報」は、持ち家及び賃貸に関する情報である。「賃貸」は、高齢者向け賃貸、例えばサービス付き高齢者向け住宅(以下、単に「高齢者向け住宅」ともいう)等を含む。
「居住者に関する情報」は、家族構成等であり、より具体的には、独身、夫婦、子育て世代、及び二世帯等に関する情報である。また、居住者の人数、性別、及び年齢等に関する情報も含む。また、車椅子の利用に関する情報も含む。
【0044】
例えば、居住者が高齢者であり且つ車椅子を利用する場合、車椅子の動線を考慮した設置パターンが設定される。より具体的には、
図8に示す例では、ダイニングテーブルが住宅の内部空間における左右方向の中央に設置されており、キッチン設備に車椅子でアクセスする際の動線が十分に取れない。したがって、例えば、第4情報に応じて、ダイニングテーブルを図中の左右方向の一方側に寄せた設置パターンが設定されてもよい。
【0045】
また、
図8に示す例は、4人用のダイニングテーブルを想定したものであったが、例えば居住者が独身の一人暮らしであった場合、2人用のダイニングテーブルを想定した設置パターンであってもよい。
【0046】
設置パターンは、架空の住居に対して想定される仮想的な設置パターンであってもよいし、実施の住居において採用されている設置パターンであってもよい。すなわち、第3情報が示す設置パターンは、実際の住居として使用されている設置パターン、又は過去に使用された住宅にて採用された設置パターンを含んでいてもよい。換言すると、設置パターンは、住宅内部の構造、建築形態、所有形態、及び居住者等に関する現在又は過去の実績に基づいて設定されてもよい。
【0047】
(本提示の概要について)
先ず、本提示を利用するユーザは、ユーザ端末に本提示用のアプリケーションプログラム(以下、本提示用アプリ)をあらかじめインストールしておく。
「ユーザ」は、例えば、対象となる住宅を建設する建設会社(住宅メーカ等)の従業員等である。
「ユーザ端末」は、ユーザが使用するコンピュータであって、具体的には、建設会社から各ユーザに提供されるデスクトップ型若しくはノート型のPC(Personal Computer)、スマートフォン等のスマートデバイス、又はタブレット型端末等を含む。ユーザ端末は、プロセッサ、メモリ、通信用インタフェース、入力装置、及び出力装置(表示画面)を備えている。
【0048】
ユーザは、本提示用アプリをインストールした後、本提示用アプリを起動し、所定の操作を経て、ユーザ端末の表示画面を図面データ選択画面に遷移させる。ユーザは、対象となる住宅の図面データ(例えば
図1の平面図)をあらかじめユーザ端末に取り込んでおき、図面データ選択画面にて対象となる図面データを選択する。なお、ユーザは、例えば、会社内の図面データ保存用サーバを通じて対象の図面データをユーザ端末に取り込んでもよいし、紙媒体の図面をスキャナでスキャンし、図面データとしてユーザ端末に取り込んでもよい。
【0049】
図面データが選択されると、選択された図面データが後述する情報処理装置10に送信される。情報処理装置10は、送信された図面データから第1情報を取得する。より具体的には、情報処理装置10は、公知の画像解析技術及び物体検出技術等を用いて、図面データから、部屋の数、間取り、部屋の形状、部屋内における仕切の数、仕切の位置、及び空間用途等の第1情報を取得する。
なお、第1情報に不足がある場合、ユーザ端末の表示画面を、不足する第1情報を入力するための表示画面に遷移させて、ユーザに対して不足する第1情報の入力を促してもよい。不足する第1情報の入力方法としては、例えば、修正した図面データを送信してもよい。
【0050】
第1情報が取得されると、センサの設置条件に関する第2情報が後述するデータベースサーバ11から取得される。そして、
図2に示すように、第1情報が示す間取りに対して、第2情報が示すセンサを設置しない空間S1及びセンサを設置することができない空間S2がそれぞれ設定される。より具体的には、被検者が滞在しない空間であるクローゼット、並びに、所定時間未満の滞在空間となる玄関、廊下、トイレ、及び洗面所の各々が、センサを設置しない空間S1として設定される。また、周囲の部屋又は空間と比べて環境温度及び環境湿度が高い浴室が、センサを設置することができない空間S2として設定される。
【0051】
次に、第1情報が示す住宅内部の間取り、部屋の形状、及び仕切の位置、並びに、第2情報が示す空間S1及び空間S2に基づいて、
図2に示すように、1以上のセンサ設置空間S3が設定される。より詳しくは、先ず、住宅内部の間取りに対して、空間S1及びS2を除く内部空間が設定される。そして、部屋の形状及び仕切の位置に基づいて、内部空間を1以上の空間に区分し、区分された各空間がセンサ設置空間S3として設定される。
【0052】
さらに具体的に説明すると、部屋の形状が矩形をなしており且つ部屋内に仕切が無い場合、その部屋には1つのセンサ設置空間S3が設定される。
図2に示す例では、洋室1及び洋室2の各々について、部屋の形状が矩形をなしており且つ部屋内に仕切が無いので、センサ設置空間S3が1つ設定される。同様に、
図8に示す例では、LDK一体型の部屋の形状が矩形をなしており且つ部屋内に仕切が無いので、センサ設置空間S3が1つ設定される。なお、「矩形」は、厳密な矩形(四角形)でなくてもよい。
【0053】
また、部屋の形状が矩形をなしており且つ部屋内に仕切がある場合、仕切によって仕切られた各々の矩形空間がセンサ設置空間S3としてそれぞれ設定される。
【0054】
一方で、部屋の形状が矩形をなしておらず且つ部屋内に仕切が無い場合、部屋内に複数の矩形空間が設定され、設定された各々の矩形空間がセンサ設置空間S3として設定される。例えば、部屋の形状がL字形であり且つ部屋内に仕切が無い場合、L字の短辺部分又は長辺部分の一方と、もう一方の部分から短辺部分及び長辺部分の重複部分(すなわち角部)を除いた部分と、をそれぞれ矩形空間として設定する。
図6及び7に示す例を用いて具体的に説明すると、
図6及び7に示すLDK一体型の部屋の形状は、L字形であって矩形をなしておらず、且つ部屋内には仕切が無い。この場合、
図6に示すように、キッチン及びダイニングをなす空間とリビングをなす空間との各々に矩形空間が設定され、当該矩形空間がセンサ設置空間S3として設定される。あるいは、
図7に示すように、キッチンをなす空間とダイニング及びリビングをなす空間との各々に矩形空間が設定され、当該矩形空間がセンサ設置空間S3として設定される。
図6又は7のいずれの設定方法とするかは任意であるが、例えば、第1情報が示す空間用途に基づいて、より関連性のある空間同士を1つの矩形空間としてもよい。例えば、ダイニングをなす空間が、リビングをなす空間に比べて、キッチンをなす空間との関連性の方が強いと設定されている場合、
図6に示すセンサ設置空間S3の設定方法が選択される。
【0055】
また、部屋の形状が矩形をなしておらず且つ部屋内に仕切が有る場合、先ず、部屋内の仕切によって部屋内を複数の空間に仕切り、仕切られた各空間が矩形空間である場合には、当該矩形空間がセンサ設置空間S3として設定される。
図2に示す例を用いて具体的に説明すると、
図2に示すLDK一体型の部屋の形状は矩形をなしておらず且つ部屋内に一対の仕切Wがあるため、先ず、一対の仕切Wによって部屋内がキッチンをなす空間とダイニング及びリビングをなす空間と仕切られる。仕切られた各空間は矩形空間であるため、当該矩形空間がセンサ設置空間S3としてそれぞれ設定される。
なお、仕切られた各空間が矩形空間でない場合には、各空間内に、さらに複数の矩形空間を設定し、設定された各々の矩形空間がセンサ設置空間S3として設定される。
【0056】
次に、設定されたセンサ設置空間S3の広さ(範囲)と、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、センサ設置空間に設置されるセンサの台数が設定される。
より具体的には、センサが検知可能な範囲をR1とし、センサ台数をN(Nは1以上の自然数とする)とし、センサ設置空間S3の範囲をR2とした場合、R1×N≧R2を満たすようにNが設定される。
図3に示す例では、センサ台数Nについて、キッチン、洋室1、及び洋室2の各々のセンサ設置空間S3に1台ずつ設定され、ダイニング及びリビングをなすセンサ設置空間S3に複数台(2台)設定される。
【0057】
次に、センサ設置空間S3において複数台のセンサが設定された場合、当該センサ設置空間S3には、センサ台数に応じた空間S4が設定される。空間S4は、センサ設置空間S3をセンサ台数と同じ数の空間に分割したものである。
図3に示す例では、ダイニング及びリビングをなすセンサ設置空間S3には、2台のセンサが設定されるので、当該センサ設置空間S3には、2つの空間S4が設定される。
なお、2つの空間S4の位置は、例えば、第1情報が示す空間用途に応じて設定されてもよい。
図3に示す例では、図中の上下方向にダイニングをなす空間及びリビングをなす空間が並んで位置しているので、2つの空間S4の位置は、空間用途に応じて、図中の上下方向に並ぶように設定されてもよい。
【0058】
また、
図8に示す例では、LDK一体型の部屋に1つのセンサ設置空間S3が設定され、センサ台数は2台に設定されている。センサ台数に応じて設定された2つの空間S4は、空間用途に応じて、図の上下方向に並ぶように設定されてもよい。
この場合において、より関連性のある空間同士を空間S4に設定してもよく、例えば、ダイニングをなす空間は、リビングをなす空間に比べて、キッチンをなす空間との関連性の方が強いと設定されている場合、
図8に示すように、キッチン及びダイニングをなす空間を一方の空間S4として設定し、リビングをなす空間を他方の空間S4として設定してもよい。
【0059】
センサ台数、センサ設置空間S3、及びセンサ台数に応じた空間S4が設定された後、情報処理装置10からユーザ端末に対して、住宅の使用条件の入力を促す通知がされる。すなわち、ユーザ端末の表示画面に、住宅の使用条件を入力する入力画面が表示される。ユーザは、入力画面の指示に従って住宅の使用条件を入力する。住宅の使用条件は、前述したように、建築形態(戸建て及び集合住宅等)、所有形態(持ち家及び賃貸等)、及び居住者(家族構成等)等を含む。ユーザが入力を終えると、ユーザ端末から情報処理装置10に入力情報が送信される。これにより、住宅の使用条件に関する第4情報が取得される。その後、第4情報に応じて、センサ以外の機器の設置パターンを示す第3情報がデータベースサーバ11から取得される。センサ以外の機器は、前述したように、家具及び家電、照明機器、感知器、並びに、キッチン設備等を含む。
【0060】
次に、第3情報が示す1以上の設置パターンの候補に基づいて、間取り(
図3に相当)に対して、
図4に示すように、センサ以外の各機器の設置位置Dがそれぞれ設定される。なお、
図4では図示を省略しているが、ドット模様で示された領域は、すべて設置位置Dとする。間取りに対する設置位置Dは、設置パターンの候補毎に異なっている。一例としては、1つ目の候補では、
図4に示すように、ダイニングをなす空間に設置されたダイニングテーブルを空間S4における
図4中の左側に位置させ、2つ目の候補では、ダイニングテーブルを空間S4における
図4中の左右方向の中央に位置させてもよい。
【0061】
その後、情報処理装置10からユーザ端末に対して、設置パターンの候補の数に応じて、設置位置Dの提示画像(
図4に相当する画像)が送信され、ユーザ端末の表示画面に表示される。ユーザは、各候補の中から所望の設置パターンを1以上選択する。ユーザにより設置パターンが選択されると、選択された1以上の設置パターンが受け付けられる。
【0062】
なお、上記の例では、設置パターンの各候補をユーザ端末の表示画面に表示させてユーザに所望の設置パターンを選択させるとした。ただし、これに限られず、例えば、設置パターンの各候補をユーザに選択させることなく、すべての設置パターンの候補に対して、後述するセンサの設置位置Pを設定してもよい。
【0063】
1以上の設置パターンを受け付けた後、
図5に示すように、センサ設置空間S3及びセンサ台数に応じた空間S4の各々にセンサの設置位置Pが設定される。
例えば、先ず、センサ以外の各機器の設置位置Dに基づいて、部屋内において設置位置Dが設定された領域以外の領域が、被検者が滞在する可能性が高い範囲として設定される。次に、第2情報が示すセンサの設置条件に基づいて、部屋内における被検者が滞在する可能性が高い範囲を避けつつ、センサ設置空間S3及びセンサ台数に応じた空間S4の各々の中央に近い位置となるように、センサ設置空間S3及び空間S4の各々にセンサの設置位置Pが設定される。
【0064】
さらに、センサ以外の機器、扉及び窓等の建具、並びに、内装に用いられる建材等が遮蔽物となりうる場合、当該遮蔽物から所定の距離を空けた位置にセンサの設置位置Pが設置される。具体的には、照明機器及び感知器等は天井に位置するので、センサを天井に設置する場合には、少なくとも物理的に干渉しない位置にセンサの設置位置Pが設定される。また、センサ以外の機器、扉及び窓等の建具、並びに、内装に用いられる建材等の表面の材質が例えば金属であった場合、電磁波、レーザ光、及び赤外線等を反射又は吸収してしまい、センサが正常に機能しない虞がある。したがって、これらの遮蔽物が金属の表面を有する場合、該当する遮蔽物から所定の距離を空けた位置にセンサの設置位置Pが設定される。
【0065】
センサ設置空間S3及びセンサ台数に応じた空間S4の各々にセンサの設置位置Pが設定されると、設置位置Pの提示画像(
図5に相当する画像)がユーザ端末に送信される。これにより、設置位置Pの提示画像がユーザ端末の表示画面に表示される。換言すると、設定されたセンサの設置位置Pが提示されることとなる。ユーザは、表示画面に提示されたセンサの設置位置を参照しつつ、実際のセンサの設置位置を決めることができる。
なお、設置位置Pの提示画像は、ユーザが選択した、センサ以外の機器の設置パターン毎に作成され、ユーザ端末に送信される。
【0066】
<<本実施形態に係るセンサ設置位置の提示システムの構成について>>
本実施形態に係る情報処理装置を含むセンサ設置位置の提示システム(以下、「提示システムA」とする)の構成について、
図9を参照しながら説明する。
提示システムAは、
図9に示すように、情報処理装置10と、ユーザ端末100と、データベースサーバ11と、によって構成される。
なお、データベースサーバ11は、情報処理装置10の一部として構成されてもよい。
【0067】
情報処理装置10は、例えば、サーバコンピュータによって構成される。情報処理装置10は、1台のサーバコンピュータによって構成されてもよく、あるいは並列分散された複数台のサーバコンピュータによって構成されてもよい。また、情報処理装置10を構成するサーバコンピュータは、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。ユーザ端末100にて必要な情報を入力すると、上記のサーバコンピュータが入力情報に基づいて各種の処理(演算)を実施し、その演算結果がユーザ端末100側で出力される。つまり、情報処理装置10であるサーバコンピュータの機能をユーザ端末100側で利用することができる。
【0068】
情報処理装置10を構成するコンピュータは、
図9に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及び記憶装置24を有する。
【0069】
プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。
【0070】
メモリ22は、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成される。メモリ22には、本提示を実行するためのプログラム(以下、本提示プログラム)が格納されている。本提示プログラムは、後に説明するセンサ設置位置の提示方法の各処理をプロセッサ21に実施させるためのプログラムである。本提示プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体から読み込むことで取得されてもよいし、インターネット又はイントラネット等の通信網を通じてダウンロードすることで取得されてもよい。
【0071】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインタフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。情報処理装置10を構成するコンピュータは、通信用インタフェース23を介して、インターネット又はモバイル通信回線等に接続された他の機器と通信することが可能である。
【0072】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成される。なお、記憶装置24は、情報処理装置10を構成するコンピュータ本体内に内蔵されてもよく、外付け形式でコンピュータ本体に取り付けてもよい。
【0073】
ユーザ端末100は、前述した通り、ユーザが使用するコンピュータであって、プロセッサ、メモリ、及び通信用インタフェースを備えている。
【0074】
データベースサーバ11は、例えば、本提示のサービスを提供する会社(住宅メーカ等)によって用意されるクラウド型のサーバに含まれており、換言すると、クラウド型のサーバがデータベースサーバ11を兼ねている。情報処理装置10は、ネットワーク12を通じてデータベースサーバ11と通信可能に接続されており、各種データを自由に読み出すことができる。
【0075】
データベースサーバ11には、センサの設置条件に関する第2情報、及びセンサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報が保存されている。また、データベースサーバ11は、対象となる住宅の図面データを保存する図面データ保存用サーバを兼ねていてもよい。
【0076】
<<本実施形態に係るセンサ設置位置の機能について>>
次に、本実施形態に係る情報処理装置10の構成について機能面から改めて説明する。情報処理装置10は、
図10に示すように、第1取得部31、第2取得部32、第3取得部33、第4取得部34、センサ設置空間設定部35(第2設定部に相当)、設定部36(第1設定部に相当)、及び提示部41を有する。
これらの機能部は、情報処理装置10を構成するコンピュータが備えるハードウェア機器と、そのコンピュータに搭載されたプログラム(すなわち、ソフトウェア)との協働によって実現される。
以下、それぞれの機能部について説明する。
【0077】
(第1取得部)
第1取得部31は、住宅内部の構造に関する第1情報を取得する。
第1情報は、前述したように、部屋の数、間取り、部屋の形状、部屋内における仕切の数、仕切の位置、及び空間用途等を含む。
第1取得部31は、ユーザ端末100より送信される図面データから、公知の画像解析技術及び物体検出技術等を用いて、第1情報を取得する。第1取得部31は、第1情報に不足があると判断した場合、不足する第1情報についてユーザ端末100に通知し、不足する第1情報についてユーザによる情報入力を受け付けてもよい。
【0078】
(第2取得部)
第2取得部32は、住宅内部に設置されるセンサについて、そのセンサの設置条件に関する第2情報を取得する。設置条件は、前述したように、センサの仕様、及びセンサの仕様に基づくセンサの設置条件をいう。第2取得部32は、センサの設置条件に関する情報として、センサを設置しない空間S1(
図2参照)、センサを設置することができない空間S2(
図2参照)、センサの検知可能な範囲、推奨されるセンサの設置位置、及び推奨されないセンサの設置位置等に関する情報を取得する。
推奨されるセンサの設置位置は、
図5に示すように、センサ設置空間S3及びセンサ台数に応じた空間S4の中央等である。推奨されないセンサの設置位置は、例えば、部屋内における被検者が滞在する可能性が高い位置の直上(被検者の頭頂等)、及び遮蔽物(センサ以外の機器、扉及び窓等の建具、並びに、内装に用いられる建材等)から所定距離未満の位置等である。
【0079】
(第3取得部)
第3取得部33は、住宅内部におけるセンサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報を取得する。設置パターンは、前述したように、住宅内部の構造に関する第1情報、及び住宅の使用条件に関する第4情報に応じて設定される。また、設置パターンは、実際の住居として使用されている、又は過去に使用された住宅にて採用されたものを含んでもよい。
【0080】
(第4取得部)
第4取得部34は、住宅の使用条件に関する第4情報を取得する。より具体的には、第4取得部34は、ユーザ端末100から送信された住宅の使用条件に関する情報を、第4情報として取得する。第4情報は、前述したように、建築形態、所有形態、及び居住者等に関する情報である。
【0081】
(センサ設置空間設定部)
センサ設置空間設定部35(第2設定部に相当)は、第1情報が示す住宅内部の間取り、部屋の形状、及び仕切の位置、並びに、第2情報が示す空間S1及び空間S2の少なくとも1つに基づいて、住宅内部にセンサ設置空間S3を設定する。
詳しくは、
図2に示すように、先ず、第1情報が示す住宅内部の間取りに対して、第2情報が示す空間S1及びS2を除く内部空間が設定される。そして、第1情報が示す部屋の形状及び仕切の位置に基づいて、内部空間を1以上の空間に区分し、区分された各空間をセンサ設置空間S3として設定する。
【0082】
(設定部)
設定部36(第1設定部に相当)は、第1情報、第2情報、第3情報、及び第4情報に基づいて、住宅内部におけるセンサの設置位置を、センサの設置条件を満たし、且つ、センサ以外の機器の設置パターンに基づく位置となるように設定する。
より詳しくは、設定部36は、センサ台数設定部37、設置パターン候補設定部38、設置パターン設定部39、及びセンサ設置位置設定部40を含み、これらの機能によって住宅内部におけるセンサの設置位置が設定される。
【0083】
[センサ台数設定部]
センサ台数設定部37は、第1情報が示す住宅内部の部屋の数、部屋内の仕切の数、及び第2情報が示すセンサが検知可能な範囲の少なくとも1つに基づいて、住宅内部に設置されるセンサの台数を設定する。
より詳しくは、センサ台数設定部37は、センサ設置空間設定部35にて設定されたセンサ設置空間S3の広さ(範囲)と、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、センサ設置空間S3に設置されるセンサの台数を設定する。
また、センサ台数設定部37は、センサ設置空間S3において複数台のセンサが設置される場合、当該センサ設置空間S3に対して、センサ台数に応じた空間S4を設定する。
なお、センサ設置空間S3内におけるセンサ台数に応じた空間S4の位置は、前述したように、空間用途に応じて設定されてもよい。換言すると、センサ台数設定部37は、空間用途に応じて、センサ設置空間S3内におけるセンサ台数に応じた空間S4の位置を設定してもよい。
【0084】
[設置パターン候補設定部]
設置パターン候補設定部38は、第3情報が示す1以上の設置パターンの候補に基づいて、間取り(
図3に相当)に対して、
図4に示すように、センサ以外の各機器の設置位置Dをそれぞれ設定する。前述したように、間取りに対する設置位置Dは、設置パターンの候補毎に異なっている。設置パターン候補設定部38は、ユーザ端末100に対して、設置パターンの候補の数に応じて、設置位置Dが記載された間取り図を送信する。
【0085】
[設置パターン設定部]
設置パターン設定部39は、ユーザによって選択された1以上の設置パターンを、ユーザ端末100から受け付け、受け付けた1以上の設置パターンを設定する。
【0086】
[センサ設置位置設定部]
センサ設置位置設定部40は、
図5に示すように、センサの設置位置Pを、第2情報が示すセンサの設置条件を満たし、且つ、設置パターン設定部39で設定された設置パターンに基づく位置となるように設定する。
より詳しくは、センサ設置位置設定部40は、第2情報が示す推奨されるセンサの設置位置、及び推奨されないセンサの設置位置等に関する情報、並びに、設置パターン設定部39で設定された
図4に示す設置位置Dに基づいて、各々のセンサの設置位置Pを設定する。
【0087】
(提示部)
提示部41は、設定されたセンサの設置位置Pを提示する。より詳しくは、提示部41は、センサの設置位置Pの提示画像をユーザ端末100に送信する。これにより、設置位置Pの提示画像がユーザ端末の表示画面に表示される。
【0088】
<<本実施形態に係る本提示フローについて>>
次に、上述した情報処理装置10を用いたデータ処理フローである本提示フローについて説明する。本提示フローは、本発明のセンサ設置位置の提示方法を採用しており、
図11に示す流れに沿って進行する。つまり、
図11に図示のフロー中の各ステップは、本発明のセンサ設置位置の提示方法を構成する各要素に該当する。
なお、
図11に示すフローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0089】
本提示フローは、ユーザ端末100から情報処理装置10に対して、本提示の対象となる住宅の平面図等の図面データが送信されたことを契機として開始される。なお、本提示フローが示す例では、住宅内部に設置されるセンサの種類があらかじめ設定されており、例えばバイタルセンサとする。
【0090】
プロセッサ21は、ユーザ端末100より送信される図面データから、公知の画像解析技術及び物体検出技術等を用いて、部屋の数、間取り、部屋の形状、部屋内における仕切の数、仕切の位置、及び空間用途等の第1情報を取得する(S001)。次に、プロセッサ21は、第1情報に不足があるか否かを判断する(S002)。プロセッサ21は、第1情報に不足があると判断した場合、不足する第1情報についてユーザ端末100に通知し、不足する第1情報についてのユーザによる情報入力を受け付ける(S003)。
【0091】
プロセッサ21は、第1情報を取得した後、住宅内部に設置されるセンサについて、そのセンサの設置条件に関する第2情報をデータベースサーバ11から取得する(S004)。より具体的には、プロセッサ21は、設置条件に関する情報として、前述したように、センサを設置しない空間S1(
図2参照)、センサを設置することができない空間S2(
図2参照)、センサの検知可能な範囲、推奨されるセンサの設置位置、及び推奨されないセンサの設置位置等に関する情報を取得する。
【0092】
プロセッサ21は、第2情報を取得した後、第1情報が示す住宅内部の間取り、部屋の形状、及び仕切の位置、並びに、第2情報が示す空間S1及び空間S2に基づいて、
図2に示すように、センサ設置空間S3を設定する(S005)。より詳しくは、プロセッサ21は、第1情報が示す住宅内部の間取りに対して、第2情報が示す空間S1及びS2を除く内部空間を設定する。そして、プロセッサ21は、第1情報が示す部屋の形状及び仕切の位置に基づいて、内部空間を1以上の空間に区分し、区分された各空間をセンサ設置空間S3として設定する。
【0093】
次に、プロセッサ21は、センサ設置空間S3の広さ(範囲)と、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、センサ設置空間S3に設置されるセンサの台数を設定する(S007)。
その後、プロセッサ21は、空間用途に応じて、センサ設置空間S3内におけるセンサ台数に応じた空間S4の位置を設定する(S008)。
【0094】
次に、プロセッサ21は、ユーザ端末100から住宅の使用条件に関する第4情報を取得する(S009)。より具体的には、ユーザ端末100から送信された住宅の使用条件に関する情報を、第4情報として取得する。第4情報は、前述したように、建築形態、所有形態、及び居住者等に関する情報である。
次に、プロセッサ21は、住宅内部におけるセンサ以外の機器の設置パターンに関する第3情報をデータベースサーバ11から取得する(S010)。設置パターンは、前述したように、住宅内部の構造に関する第1情報、及び住宅の使用条件に関する第4情報に応じて設定される。
【0095】
次に、プロセッサ21は、設置パターンを示す第3情報に基づいて、設置パターンの候補を1以上設定する(S011)。本提示フローの例では、プロセッサ21は、例えば3つの設置パターンの候補を設定するものとする。したがって、プロセッサ21は、3つの設置パターンの候補の各々について、第1情報が示す間取り(
図3に相当)に対して、
図4に示すように、センサ以外の各機器の設置位置Dを設定する。
【0096】
その後、プロセッサ21は、設置パターンの各候補の設置位置Dの提示画像をユーザ端末100に送信し、ユーザにより選択された1以上の設置パターンを受け付ける(S012)。なお、本提示フローの例では、設置パターンの3つの候補のうち、ユーザにより2つの設置パターンが選択されたものとする。
【0097】
次に、プロセッサ21は、センサの設置位置Pを、第2情報が示すセンサの設置条件を満たし、且つ、設置パターン設定部39で設定された設置パターンに基づく位置となるように設定する(S013)。より詳しくは、プロセッサ21は、第2情報が示す推奨されるセンサの設置位置、及び推奨されないセンサの設置位置等に関する情報、並びに、設置パターン設定部39で設定された
図4に示す設置位置Dに基づいて、各々のセンサの設置位置Pを設定する。なお、本提示フローの例では、ユーザにより選択された設置パターンは2つであるため、プロセッサ21は、選択された設置パターン毎に、センサの設置位置Pを設定する。
【0098】
次に、プロセッサ21は、設定されたセンサの設置位置Pを提示する(S014)。より詳しくは、プロセッサ21は、設置位置Pの提示画像をユーザ端末100に送信する。これにより、設置位置Pの提示画像がユーザ端末100の表示画面に表示される。なお、本提示フローの例では、ユーザにより選択された設置パターンは2つであるため、プロセッサ21は、センサの設置位置Pが異なる2つの提示画像を、ユーザ端末100に送信することとなる。
【0099】
以上までの一連の処理が終了した時点で本提示フローは終了する。また、本実施形態では、本提示が行われる度に繰り返し実施されることになる。
【0100】
<<本実施形態の有効性について>>
以上までに説明したように、情報処理装置10では、第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて、センサの設置位置が設定されるので、
図5に示すように、適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、住宅の構造及び使用状況等に応じて、適切なセンサの設置位置を決めることができる。つまり、住宅の構造や使用状況等によるセンサの設置に対する制約、及び、センサ自体の特徴等を踏まえて、センサの機能を良好に発揮できる設置箇所を決めることができる。
また、これに付随して、センサの設置位置を決める際に発生する工数を抑制することができる。
また、センサの設置位置に応じて、天井、壁(内壁)、及び床における下地の位置が異なってくる場合、本提示を下地の位置を決める際に用いることができる。
【0101】
また、設定部36は、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲に基づいて、住宅内部に設置されるセンサの台数を設定し、設定された台数のセンサの各々の設置位置Pを、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて設定する。
上記の構成であれば、センサが検知可能な範囲に基づいて、住宅内に設置すべきセンサの台数を設定した上で、台数に応じた各センサの設置位置が設定されるので、各センサについて、適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、各センサについて、住宅の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0102】
また、設定部36は、第1情報が示す住宅内部の部屋の数及び部屋内の仕切の数の少なくとも一方に基づいて、住宅内部に設置されるセンサの台数を設定し、設定された台数のセンサの各々の設置位置を、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて設定する。
上記の構成であれば、住宅内部の部屋の数及び部屋内の仕切の数の少なくとも一方に基づいて、住宅内に設置すべきセンサの台数を設定した上で、台数に応じた各センサの設置位置が設定されるので、各センサについて、適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、各センサについて、住宅の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0103】
また、情報処理装置10は、第1情報が示す住宅内部の間取り、部屋の形状、及び仕切の位置の少なくとも1つに基づいて、住宅内部にセンサ設置空間S3を設定するセンサ設置空間設定部35を備える。また、設定部36は、センサ設置空間S3の広さと、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、センサ設置空間S3に設置されるセンサの台数を設定する。
上記の構成であれば、センサ設置空間S3の広さと、第2情報が示すセンサが検知可能な範囲との関係に応じて、住宅内に設置すべきセンサの台数を設定した上で、台数に応じた各センサの設置位置が設定されるので、各センサについて、適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、各センサについて、住宅の構造及び使用状況等に応じた適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0104】
また、センサ設置空間設定部35は、
図2に示すように、第2情報が示すセンサを設置することができない空間S2の情報に基づいて、センサ設置空間S3を設定する。
上記の構成であれば、センサを設置することができない空間S2を考慮したセンサ設置空間S3に基づいてセンサの設置位置が設定されるので、より適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、住宅の構造及び使用状況等に応じたより適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0105】
また、情報処理装置10は、住宅の使用条件に関する第4情報を取得する第3取得部33を備える。設定部36は、第1情報、第2情報、第3情報、及び第4情報に基づいてセンサの設置位置を設定する。
上記の構成であれば、住宅の建築形態、所有形態、及び居住者等を含む使用条件に基づいてセンサの設置位置が設定されるので、より一層適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、上述した住宅の使用条件を考慮して、より一層適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0106】
また、第3取得部33は、第4情報に応じて設定される設置パターンを示す第3情報を取得し、設定部36は、該第3情報に基づいて、センサの設置位置を設定する。
上記の構成であれば、第4情報に応じて設定される設置パターンに基づいてセンサの設置位置が設定されるので、さらに適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、住宅の構造及び使用状況等に応じたさらに適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0107】
また、第3情報は、実際の住居として使用されている、又は過去に使用された建物にて採用された設置パターンに関する情報である。
上記の構成であれば、実際に採用されていた設置パターンに基づいてセンサの設置位置が設定されるので、より一層適切なセンサの設置位置Pが提示されることとなる。この結果、住宅の構造及び使用状況等に応じたより一層適切なセンサの設置位置を決めることができる。
【0108】
<<その他の実施形態について>>
以上までに、本発明の情報処理装置、及びセンサ設置位置の提示方法に関する一つの実施形態を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【0109】
上記の実施形態では、情報処理装置10はサーバコンピュータによって構成されるとしたが、これに限られず、例えば、本発明の情報処理装置の一部の機能、あるいは全ての機能がユーザ端末100によって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10 情報処理装置
11 データベースサーバ
12 ネットワーク
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 記憶装置
31 第1取得部
32 第2取得部
33 第3取得部
34 第4取得部
35 センサ設置空間設定部(第2設定部に相当)
36 設定部(第1設定部に相当)
37 センサ台数設定部
38 設置パターン候補設定部
39 設置パターン設定部
40 センサ設置位置設定部
41 提示部
100 ユーザ端末
A 提示システム
D,P 設置位置
N センサ台数
R1,R2 範囲
S1,S2,S4 空間
S3 センサ設置空間
W 仕切