(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017576
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
A47L 1/05 20060101AFI20240201BHJP
A47L 11/18 20060101ALI20240201BHJP
A47L 11/282 20060101ALI20240201BHJP
A47L 11/34 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A47L1/05
A47L11/18
A47L11/282
A47L11/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120303
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】工藤 陸
(57)【要約】
【課題】清掃対象面上に付着する汚水の拭き取り時の作業性を向上させること。
【解決手段】清掃装置は、洗浄液が塗布された清掃対象面上の付着物を拭き取る第1のワイパと、第1のワイパを清掃対象面に押し付けながら動かしたときに、清掃対象面と平行な面内で、第1のワイパの長手方向の一端部と他端部の一方を支点として第1のワイパが動いて傾くように、一方において第1のワイパを傾き動作可能に支持する支持部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液が塗布された清掃対象面上の付着物を拭き取る第1のワイパと、
前記第1のワイパを前記清掃対象面に押し付けながら動かしたときに、前記清掃対象面と平行な面内で、前記第1のワイパの長手方向の一端部と他端部の一方を支点として前記第1のワイパが動いて傾くように、前記一方において前記第1のワイパを傾き動作可能に支持する支持部と、を備える、
清掃装置。
【請求項2】
前記一方を支点とする前記第1のワイパの傾き量を規制する規制部を更に備える、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記規制部は、前記一端部と前記他端部の他方と前記支持部とを機械的に接続する弾性部材であり、
前記第1のワイパが前記清掃対象面に押し付けられた状態で動かされることによって前記第1のワイパに外力が作用すると、前記第1のワイパが、初期の姿勢から、前記一方を支点として傾き始めるとともに、前記第1のワイパを介して作用する前記外力によって前記弾性部材が自然長から伸び、内力が前記外力とつり合うところまで前記弾性部材が伸びると、前記一方を支点とした前記第1のワイパの傾き動作が規制され、
前記第1のワイパに作用する前記外力がなくなると、前記弾性部材が自然長に戻るとともに、前記第1のワイパが、傾いた姿勢から前記初期の姿勢に戻る、
請求項2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記第1のワイパは、前記一方を支点として傾き動作できるように、連結具によって前記支持部に軸支されている、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記第1のワイパの長手方向の一端部と前記支持部とを機械的に接続する第1の弾性部材と、
前記第1のワイパの長手方向の他端部と前記支持部とを機械的に接続する第2の弾性部材と、
前記一端部と前記支持部とを第1の連結具で連結する第1の連結部と、
前記他端部と前記支持部とを第2の連結具で連結する第2の連結部と、を備え、
前記第1の連結具及び前記第2の連結具は、着脱可能であり、
前記第1の連結具及び前記第2の連結具のうち、前記第1の連結具だけが外されると、前記第1のワイパが前記第2の連結部を支点として傾き動作可能となり、
前記第1の連結具及び前記第2の連結具のうち、前記第2の連結具だけが外されると、前記第1のワイパが前記第1の連結部を支点として傾き動作可能となる、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記清掃対象面に洗浄液を塗布する洗浄液塗布体と、
前記洗浄液塗布体に前記洗浄液を供給する供給部と、を更に備え、
前記洗浄液塗布体は、前記供給部により供給された洗浄液を担持し、前記清掃対象面に押し付けられると、担持された前記洗浄液を前記清掃対象面に塗布する、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記第1のワイパと前記洗浄液塗布体は、長手方向が一致するように互いが平行になる向きで配置され、
前記第1のワイパが前記清掃対象面に押し付けられるとともに前記洗浄液塗布体が前記清掃対象面に押し付けられた状態で動かされると、前記第1のワイパが前記洗浄液塗布体に対して非平行となる向きに傾く、
請求項6に記載の清掃装置。
【請求項8】
前記洗浄液塗布体に供給する洗浄液を収容する収容部と、
前記洗浄液塗布体に供給された少なくとも一部の洗浄液を前記収容部内に回収する回収部と、を更に備える、
請求項6に記載の清掃装置。
【請求項9】
前記洗浄液塗布体から飛散した前記洗浄液を受けるガード部と、
前記ガード部に形成された溝部であって、前記洗浄液塗布体から飛散して付着した前記洗浄液を前記回収部に導く溝部と、を更に備える、
請求項8に記載の清掃装置。
【請求項10】
前記清掃対象面上を流れ落ちる前記洗浄液を受ける第2のワイパを更に備え、
前記第2のワイパは、前記受けた洗浄液を前記回収部に向けて流す、
請求項8に記載の清掃装置。
【請求項11】
前記清掃装置の姿勢が前記第1のワイパを前記洗浄液塗布体の上方に位置させる姿勢にあるとき、前記第2のワイパは、前記洗浄液塗布体の下方に位置する、
請求項10に記載の清掃装置。
【請求項12】
前記支持部は、前記洗浄液塗布体が前記清掃対象面に押し付けられると、前記第1のワイパ及び前記第2のワイパも前記清掃対象面に押し付けられる位置関係で、前記洗浄液塗布体、前記第1のワイパ及び前記第2のワイパを支持する、
請求項10又は請求項11に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窓等を清掃する清掃装置が知られている。例えば特許文献1に、この種の清掃装置の具体的構成が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の清掃装置は、吸引ノズルと清掃アクセサリ(ブラシ等)を備える。作業者は、清掃装置を操作して洗浄液を清掃対象面に吹き付け、清掃対象面に吹き付けられた洗浄液を清掃アクセサリに含ませて、清掃対象面を清掃する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、作業者は、清掃アクセサリで清掃対象面を清掃すると、清掃ヘッドを180度回転させて吸引ノズルを清掃対象面に当てて、清掃対象面上の汚水を清掃装置内のタンクに回収する。しかし、特許文献1に例示される従来の清掃装置を用いる場合、清掃対象面上に付着する汚水をきれいに取り除く作業は、熟練の作業者であっても容易ではない。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、清掃対象面上に付着する汚水の拭き取り時の作業性を向上させることができる清掃装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、洗浄液が塗布された清掃対象面上の付着物を拭き取る第1のワイパと、第1のワイパを清掃対象面に押し付けながら動かしたときに、清掃対象面と平行な面内で、第1のワイパの長手方向の一端部と他端部の一方を支点として第1のワイパが動いて傾くように、一方において第1のワイパを傾き動作可能に支持する支持部と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、第1のワイパの一端部と他端部の一方を支点とする第1のワイパの傾き量を規制する規制部を更に備える構成としてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態において、規制部は、例えば、第1のワイパの一端部と他端部の他方と支持部とを機械的に接続する弾性部材である。第1のワイパが清掃対象面に押し付けられた状態で動かされることによって第1のワイパに外力が作用すると、第1のワイパが、初期の姿勢から、一方を支点として傾き始めるとともに、第1のワイパを介して作用する外力によって弾性部材が自然長から伸び、内力が外力とつり合うところまで弾性部材が伸びると、一方を支点とした第1のワイパの傾き動作が規制され、第1のワイパに作用する外力がなくなると、弾性部材が自然長に戻るとともに、第1のワイパが、傾いた姿勢から初期の姿勢に戻る。
【0010】
本発明の一実施形態において、第1のワイパは、例えば、第1のワイパの一端部と他端部の一方を支点として傾き動作できるように、連結具によって支持部に軸支されている。
【0011】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、第1のワイパの長手方向の一端部と支持部とを機械的に接続する第1の弾性部材と、第1のワイパの長手方向の他端部と支持部とを機械的に接続する第2の弾性部材と、上記一端部と支持部とを第1の連結具で連結する第1の連結部と、上記他端部と支持部とを第2の連結具で連結する第2の連結部と、を備える構成としてもよい。この場合、例えば、第1の連結具及び第2の連結具は、着脱可能である。第1の連結具及び第2の連結具のうち、第1の連結具だけが外されると、第1のワイパが第2の連結部を支点として傾き動作可能となる。第1の連結具及び第2の連結具のうち、第2の連結具だけが外されると、第1のワイパが第1の連結部を支点として傾き動作可能となる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、清掃対象面に洗浄液を塗布する洗浄液塗布体と、洗浄液塗布体に洗浄液を供給する供給部と、を更に備える構成としてもよい。この場合、洗浄液塗布体は、供給部により供給された洗浄液を担持し、清掃対象面に押し付けられると、担持された洗浄液を清掃対象面に塗布する。
【0013】
本発明の一実施形態において、第1のワイパと洗浄液塗布体は、長手方向が一致するように互いが平行になる向きで配置されてもよい。この場合、第1のワイパが清掃対象面に押し付けられるとともに洗浄液塗布体が清掃対象面に押し付けられた状態で動かされると、第1のワイパが洗浄液塗布体に対して非平行となる向きに傾く。
【0014】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、洗浄液塗布体に供給する洗浄液を収容する収容部と、洗浄液塗布体に供給された少なくとも一部の洗浄液を収容部内に回収する回収部と、を更に備える構成としてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、洗浄液塗布体から飛散した洗浄液を受けるガード部と、ガード部に形成された溝部であって、洗浄液塗布体から飛散して付着した洗浄液を回収部に導く溝部と、を更に備える構成としてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る清掃装置は、清掃対象面上を流れ落ちる洗浄液を受ける第2のワイパを更に備える構成としてもよい。第2のワイパは、受けた洗浄液を回収部に向けて流す。
【0017】
本発明の一実施形態において、清掃装置の姿勢が第1のワイパを洗浄液塗布体の上方に位置させる姿勢にあるとき、第2のワイパは、例えば、洗浄液塗布体の下方に位置する。
【0018】
本発明の一実施形態において、支持部は、洗浄液塗布体が清掃対象面に押し付けられると、第1のワイパ及び第2のワイパも清掃対象面に押し付けられる位置関係で、洗浄液塗布体、第1のワイパ及び第2のワイパを支持する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態に係る清掃装置によれば、清掃対象面上に付着する汚水の拭き取り時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る清掃装置の構成を模式的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る清掃装置を用いた清掃方法を示す図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る清掃装置に備えられたポンプの構成を示す側方視図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係るポンプの構成を示す上方視図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係るポンプの構成を示す側方視図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係るポンプの構成を示す上方視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るワイパを含む清掃装置の一部の構成の斜視図である。
【
図6】清掃時におけるワイパの動作を示す模式図である。
【
図7】本発明の変形例に係るワイパを含む清掃装置の一部の構成の斜視図である。
【
図8】変形例に係る清掃装置による清掃時におけるワイパの動作を示す模式図である。
【
図9】変形例に係る清掃装置による清掃時におけるワイパの動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る清掃装置について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る清掃装置1の構成を模式的に示す図である。作業者は、清掃装置1を用いて、清掃対象面SCを高い作業効率で清掃することができる。清掃対象面SCは、例えば平面であり、窓、タイル、壁、床、鏡等である。
【0023】
以下の説明において、
図1中、清掃対象面SCと直交する第1の水平方向をz方向とし、z方向と直交する第2の水平方向をx方向とし、x方向とz方向の双方に直交する鉛直方向をy方向とする。互いに直交するx方向、y方向及びz方向は、左手系をなす。
【0024】
なお、方向の呼称は、構成要素の相対的な位置関係を説明するために便宜上用いる呼称であり、絶対的な方向を示すものではない。
【0025】
図1に示されるように、清掃装置1は、各部を支持する筐体10を備える。筐体10は、例えば樹脂製である。筐体10は、タンク12、ポンプ14、噴射ノズル16、回転ブラシ18、ブラシ駆動部20、ワイパ22、24、回収口26、汚水回収路28、フィルタ30及びバッテリ32を支持する。
【0026】
作業者は、清掃装置1を例えば
図1に示される姿勢で使用する。具体的には、作業者は、ワイパ22が回転ブラシ18の上方(y方向負側)に位置するとともにワイパ24が回転ブラシ18の下方(y方向正側)に位置する姿勢で清掃装置1を把持し、洗浄液CLを含ませた回転ブラシ18を清掃対象面SCに押し付けるとともにワイパ22及び24を清掃対象面SCに押し付けながら、清掃装置1を清掃対象面SC上で鉛直下方(y方向正側)に引き下げる(
図1の矢印A参照)。
【0027】
筐体10(支持部の一例)は、回転ブラシ18(洗浄液塗布体の一例)が清掃対象面SCに押し付けられるとワイパ22(第1のワイパの一例)及びワイパ24(第2のワイパの一例)も清掃対象面SCに押し付けられる位置関係で、回転ブラシ18、ワイパ22及び24を支持する。そのため、作業者は、回転ブラシ18、ワイパ22及び24の3つを清掃対象面SCに一度に押し付けることができる。
【0028】
図2は、清掃装置1を用いた清掃方法を示す図である。
図2の例では、作業者は、洗浄液CLを含ませた回転ブラシ18を清掃対象面SCに押し付けるとともにワイパ22及び24を清掃対象面SCに押し付けながら、清掃装置1を清掃対象面SC上で鉛直下方に引き下げる(
図2の矢印A
1参照)。
【0029】
ワイパ22は、初期的には、長手方向が回転ブラシ18と一致するように互いが平行になる向きで配置される。清掃対象面SC上に押し付けられた清掃装置1が矢印A1方向に引き下げられると、ワイパ22に外力(具体的には、清掃対象面SCとワイパ22との摩擦力)が作用する。外力が作用したワイパ22は、清掃対象面SCと平行な面内(xy面内)で、初期の姿勢(長手方向がx方向を向く姿勢)から、端部22Aを支点として、回転ブラシ18に対して非平行となる向き(長手方向がx軸と角度をなす向き)に傾く。
【0030】
このように、清掃装置1において、ワイパ22(第1のワイパの一例)と回転ブラシ18(洗浄液塗布体の一例)は、長手方向が一致するように互いが平行になる向きで配置される。ワイパ22が清掃対象面SCに押し付けられるとともに回転ブラシ18が清掃対象面SCに押し付けられた状態で動かされると、ワイパ22が回転ブラシ18に対して非平行となる向きに傾く。
【0031】
作業者が回転ブラシ18及びワイパ22を清掃対象面SCに押し付けながら清掃装置1を清掃対象面SC上で鉛直下方に引き下げると、回転ブラシ18により洗浄液CLが清掃対象面SCに塗布されるとともに、清掃対象面SCに塗布された洗浄液CLによって浮いた汚れが回転ブラシ18で擦られる。
【0032】
清掃対象面SC上に残った付着物(具体的には、洗浄液CLに汚物が混じった汚水SW)は、一部が清掃対象面SC上を流れ落ちて、回収口26を介してタンク12に回収される。清掃対象面SC上を流れ落ちることなくワイパ22で拭き取られた汚水SWは、一部が拭き取り時に滴下して回収口26を介してタンク12に回収され、残りが拭き取り時に滴下せず、外力を受けて傾いた姿勢で鉛直下方に引き下げられるワイパ22により、清掃対象面SC上を右方(
図2の矢印E参照)に押し流される。
【0033】
作業者は、清掃対象面SCを鉛直下方(矢印A1参照)に拭き下げると、少し右(x方向負側)に移動して再度、清掃対象面SCを鉛直下方(矢印A2参照)に拭き下げる。作業者は、この作業を繰り返す。すなわち、作業者は、清掃対象面SCを右方に拭き進める。
【0034】
斜めに傾いたワイパ22により、清掃対象面SC上に残る汚水SWが右方(x方向負側)に押し流れて集められる。そのため、清掃対象面SC上の汚水SWの拭き残しを無くしたり、また、少なく抑えたりすることができる。
【0035】
このように、清掃装置1では、回転ブラシ18による汚れの除去とワイパ22による汚水の拭き取りが一挙に行われる。そのため、作業者は、清掃対象面SCを高い作業効率で清掃することができる。
【0036】
また、拭き下げ時にワイパ22が斜めに傾いた姿勢で汚水SWを拭き取る構成としたことにより、
図2の例示のように、作業者は、清掃対象面SCを鉛直下方に拭き下げるという単純な動きだけで、清掃対象面SC上の汚水SWを拭き進み方向(x方向負側)に押し流して集めることができる。そのため、作業者の熟練度に拘わらず、清掃対象面SC上の汚水SWの拭き残しを無くしたり、また、少なく抑えたりすることができる。すなわち、清掃対象面SC上に付着する汚水SWの拭き取り時の作業性が向上する。
【0037】
上述したように、清掃装置1を清掃対象面SC上で鉛直下方に引き下げるといった単純な動きで清掃対象面SCを清掃することができる。そのため、例えば清掃装置1をロボットアームに取り付けて清掃作業を行ってもよい。この場合、ロボットアームが清掃装置1を清掃対象面SCに沿って上下方向に自動で動かす。そのため、作業者の負担が軽減される。
【0038】
清掃装置1の具体的構成について説明を加える。
【0039】
作業者は、筐体10に形成された把持部10Aにより清掃装置1を把持しながら清掃作業を行うことができる。把持部10A内部には、バッテリ32が着脱可能に収容される。作業者は、把持部10Aから取り外したバッテリ32を不図示の充電器で充電することができ、また、充電されたバッテリ32を把持部10A内に取り付けることができる。なお、バッテリ32は、充電ケーブルを介して充電可能な構成としてもよい。
【0040】
バッテリ32は、ブラシ駆動部20の電力供給源である。把持部10Aに設けられた手元スイッチ10Bがオンされると、ブラシ駆動部20へ電力が供給される。手元スイッチ10Bがオフされると、ブラシ駆動部20への電力供給が遮断される。
【0041】
タンク12は、洗浄液CLを収容する収容部の一例である。洗浄液CLは、例えば、清掃対象面用(例えば窓用)の洗浄液、水、又は洗剤と水との混合液である。
【0042】
タンク12は、筐体10に対して着脱可能である。作業者は、筐体10から取り外したタンク12を清掃し、また、タンク12に洗浄液CLを補充することができる。
【0043】
【0044】
ポンプ14は、タンク12内の洗浄液CLを圧送する圧送部の一例である。本実施形態において、ポンプ14は、作業者の手動操作によってタンク12内の洗浄液CLを吸い上げて押し出す手押しポンプである。別の実施形態では、ポンプ14は、電動モータによりタンク12内の洗浄液CLを吸い上げて押し出す電動ポンプであってもよい。
【0045】
ポンプ14は、レバー14A、ばね14B、プランジャ14C、ステージング14D及びカバー14Eを含む。レバー14Aは、一端がばね14Bに連結され、他端がプランジャ14Cに連結される。ばね14Bは、一端がレバー14Aに連結され、他端が把持部10Aに連結される。
【0046】
図3A及び
図3Bは、レバー14Aが引かれていないとき(言い換えると、ばね14Bが自然長であるとき)の、ポンプ14の状態を示す。
図4A及び
図4Bは、作業者によりレバー14Aが引かれたときの、ポンプ14の状態を示す。
図3A及び
図4Aは、ステージング14Dの内部を側方から見た図である。
図3B及び
図4Bは、ステージング14Dの内部を上方から見た図である。
図3B及び
図4Bでは、ポンプ14の構成要素のうち、レバー14A及びばね14Bの図示を省略する。
【0047】
ステージング14Dの底面、上面のそれぞれに、給水口14Da、排水口14Dbが形成される。カバー14Eは、プランジャ14Cと一体的に固定される。カバー14Eには、開口14Eaが形成される。
【0048】
タンク12内の洗浄液CLは、給水口14Daを介してステージング14D内に充填される。ステージング14D内に充填された洗浄液CLは、排水口14Db及び開口14Eaを介して噴射ノズル16へ排出される。
【0049】
作業者がレバー14Aを引くと、レバー14Aに連結されたプランジャ14Cがステージング14D内を矢印B方向(
図4A及び
図4B参照)にスライドするとともに給水口14Daを塞ぎ、また、プランジャ14Cと一体的に動いたカバー14Eの開口14Eaとステージング14Dの排水口14Dbとが連通する。排水口14Dbと開口14Eaとが連通することにより、ステージング14Dとホース34とが連通する。
【0050】
ホース34は、一端が排水口14Db及び開口14Eaを介してステージング14Dと接続され、他端が噴射ノズル16と接続される。
【0051】
作業者がレバー14Aから指を離すと、自然長に戻るばね14Bに連動して、プランジャ14Cがステージング14D内を矢印C方向(
図3A及び
図3B参照)にスライドするとともに給水口14Daから退避し、また、プランジャ14Cと一体的に動いたカバー14Eが排水口14Dbを塞ぐ。プランジャ14Cが給水口14Daから退避することにより、ステージング14Dとホース36とが連通する。
【0052】
ホース36は、一端が給水口14Daを介してステージング14Dと接続され、他端がタンク12内に配置される。
【0053】
作業者がレバー14Aから指を離すことによってプランジャ14Cが矢印C方向にスライドされると、ステージング14D内の気圧が下がる。これにより、タンク12内の洗浄液CLが吸い上げられてホース36及び給水口14Daを介してステージング14D内に充填される(
図3Aの矢印D参照)。
【0054】
作業者がレバー14Aを引くことによってプランジャ14Cが矢印B方向にスライドされると、ステージング14D内の洗浄液CLが排水口14Db、開口14Ea及びホース34を介して噴射ノズル16へ圧送される(
図4Aの矢印E参照)。
【0055】
噴射ノズル16は、ポンプ14により圧送された洗浄液CLを回転ブラシ18に向けて噴射(排出)する排出部の一例である。噴射ノズル16は、例えば、回転ブラシ18の回転軸AX方向(
図1の紙面直交方向であり、また、清掃対象面SCと平行な方向)に所定間隔を空けて複数配置される。
【0056】
このように、タンク12、ポンプ14及び噴射ノズル16は、回転ブラシ18に洗浄液CLを供給する供給部として機能する。
【0057】
回転ブラシ18は、清掃対象面SCに洗浄液CLを塗布する洗浄液塗布体の一例であり、筐体10に回転可能に支持される。回転ブラシ18は、清掃対象面SCに押し付けられるブラシ部材18Aを含む。ブラシ部材18Aは、噴射ノズル16から噴射された洗浄液CLを担持する。
【0058】
洗浄液CLは、回転軸AX方向に配置された複数の噴射ノズル16の各々からブラシ部材18Aに噴射される。そのため、回転ブラシ18は、その全長に亘って洗浄液CLをまんべんなく担持した湿潤状態となる。
【0059】
ブラシ部材18Aは、清掃対象面SCに押し付けられると、担持された洗浄液CLを清掃対象面SCに塗布する。ブラシ部材18Aは、例えば、植物性、動物性、金属製、合成繊維等の毛材よりなる。
【0060】
回転ブラシ18は、筐体10に対して交換可能に支持される。ここで、清掃対象面SCの材質(例えば窓、タイル、壁、床、鏡の材質等)によって、回転ブラシ18に要求される機能が変わる。作業者は、清掃対象面SCの材質を考慮して、最適な清掃部材をもつ回転ブラシ18に交換することができる。ブラシ部材18A以外の清掃部材として、例えば、布状部材、スポンジ状の弾性部材が挙げられる。
【0061】
ブラシ駆動部20は、回転モータ20A及び伝達部材20Bを含む。伝達部材20Bは、例えば、回転モータ20Aの駆動力を回転ブラシ18のシャフト18Bに伝達するチェーンである。
【0062】
手元スイッチ10Bがオンされると、回転モータ20Aが回転し、その駆動力が伝達部材20Bを介してシャフト18Bに伝達される。これにより、回転ブラシ18が回転軸AX周りに(シャフト18Bを回転軸として)回転する。
【0063】
回転ブラシ18は、清掃対象面SCに押し付けられた状態で駆動力が伝達されると、清掃対象面SCを擦るように清掃対象面SC上で回転動作する。すなわち、ブラシ駆動部20は、清掃対象面SCに押し付けられた回転ブラシ18を清掃対象面SC上で回転動作させる回転駆動部の一例である。
【0064】
洗浄液CLを塗布することによって浮いた汚れが回転ブラシ18で擦られる。そのため、例えば、比較的除去しやすい砂や花粉による粉塵汚れだけでなく、鳥の糞等の固形物質や長期的に染み付いた油汚れ等も清掃対象面SCから除去することができる。
【0065】
ワイパ22は、清掃対象面SCに押し付けられたときに追従変形するワイパゴム122を含む。払拭面である清掃対象面SCへの密着追従性が高いワイパゴム122により、洗浄液CLが塗布された清掃対象面SC上に残った付着物である汚水SWが清掃対象面SCから拭き取られる。
【0066】
このように、ワイパ22は、洗浄液CLが塗布された清掃対象面SC上に残った付着物である汚水SWを清掃対象面SCから拭き取る第1のワイパの一例である。
【0067】
図5は、ワイパ22を含む清掃装置1の一部の構成の斜視図である。
図6は、清掃時におけるワイパ22の動作を示す模式図である。
【0068】
筐体10は、支持部10Gを含む。ワイパ22は、端部22Aを支点として傾き動作できるように、連結具によって支持部10Gに軸支されている。より詳細には、
図5及び
図6に示されるように、ワイパ22は、端部22Aにおいて、ピン40(連結具の一例)で支持部10Gにピン接合されている。すなわち、支持部10Gは、端部22Aを支点としてワイパ22が動いて傾くように、端部22Aにおいてワイパ22を傾き動作可能に支持する。このように、本実施形態では、連結方法の一例としてピン接合されている場合について説明する。
【0069】
符号F1で示される
図6の上段図のように、ワイパ22は、初期的には、長手方向がx方向を向く姿勢で配置される。
【0070】
清掃装置1が清掃対象面SC上に押し付けられて鉛直下方に引き下げられると、清掃対象面SCに押し付けられて追従変形したワイパゴム122と清掃対象面SCとの摩擦力がワイパ22に外力として作用する。符号F2で示される
図6の中段図のように、外力が作用したワイパ22は、清掃対象面SCと平行な面内(xy面内)で、初期の姿勢(
図6の上段図参照)から、端部22Aを支点として、回転ブラシ18に対して非平行となる向きに動いて傾く。
【0071】
ワイパ22は、端部22Aと反対側の端部22Bにおいて、弾性部材50によって支持部10Gと機械的に接続されている。
【0072】
弾性部材50は、ワイパ22の長手方向の端部22Aを支点とするワイパ22の傾き量を規制する規制部の一例である。弾性部材50は、例えば、ゴム製部材であり、一端が支持部10Gに接着剤等で接合され、他端がワイパ22の長手方向の端部22Bに接着剤等で接合されている。弾性部材50は、ばねであってもよい。
【0073】
ワイパ22が初期の姿勢(
図6の上段図参照)から端部22Aを支点として傾き始めると、ワイパ22の端部22Bが支持部10Gからy方向負側に離れていく。これにより、端部22Bと支持部10Gとを機械的に接続する弾性部材50が両者により引っ張られて、自然長から伸びる(
図6の中段図参照)。
【0074】
弾性部材50は、内力がワイパ22を介して作用する外力とつり合うところまで伸びて、それ以上は伸びない。そのため、ワイパ22の傾き動作は、端部22Bと支持部10Gとを機械的に接続する弾性部材50により規制される。
【0075】
清掃対象面SC上に付着する汚水SWは、外力を受けて傾いた姿勢で鉛直下方に引き下げられるワイパ22により、清掃対象面SC上を右方(
図6の中段図の矢印E参照)に押し流される。これにより、清掃対象面SC上に残る汚水SWが右方に押し流れて集められる。そのため、清掃対象面SC上の汚水SWの拭き残しを無くしたり、また、少なく抑えたりすることができる。
【0076】
適切な弾性率の弾性部材50を選定することにより、清掃対象面SCを鉛直下方に拭き下げたときの、ワイパ22の角度を、適度な角度に設定することができる。適度な角度とは、例えば作業者が清掃対象面SCを鉛直下方に拭き下げたときに汚水SWを右方に押し流して集めやすい角度である。
【0077】
作業者がワイパ22を清掃対象面SCから離すと、ワイパ22に作用する外力がなくなる。そのため、弾性部材50が自然長に戻るとともに、ワイパ22が、傾いた姿勢(
図6の中段図参照)から初期の姿勢に戻る(符号F3で示される
図6の下段図参照)。すなわち、ワイパ22は、初期位置に自動的に収容される。
【0078】
このように、本実施形態では、ワイパ22が清掃対象面SCに押し付けられた状態で動かされることによってワイパ22に外力が作用すると、ワイパ22が、初期の姿勢から、端部22Aを支点として傾き始めるとともに、ワイパ22を介して作用する外力によって弾性部材50が自然長から伸び、内力が外力とつり合うところまで弾性部材50が伸びると、端部22Aを支点としたワイパ22の傾き動作が規制され、ワイパ22に作用する外力がなくなると、弾性部材50が自然長に戻るとともに、ワイパ22が、傾いた姿勢から初期の姿勢に戻る。
【0079】
ワイパゴム122は、支持部10Gに対して交換可能に支持される。そのため、作業者は、劣化したワイパゴム122を新しいワイパゴム122に交換することができる。
【0080】
また、作業者は、汚水SWを拭き取りたい範囲に応じてサイズの異なるワイパゴム122に付け替えることもできる。本実施形態では、ワイパゴム122は、回転ブラシ18の幅と同程度の長さを有する。なお、ワイパゴム122は、最も大きく傾いたときの、x方向(言い換えると、回転ブラシ18の幅方向と平行な方向)の長さが、回転ブラシ18の幅より長くてもよい。ワイパゴム122が最も大きく傾いた場合にも、x方向に関し、ワイパゴム122がワイパゴム124と同じ領域をカバーすることで洗浄液の回収効率が向上する。また、作業者は、回転ブラシ18の幅より長いワイパゴム122に付け替えることにより、より広い範囲の汚水SWを一挙に拭き取ることができる。
【0081】
筐体10は、回転ブラシ18の半周(回転ブラシ18の上方、後方及び下方)を覆う壁部10Eを含む。なお、ここでいう「回転ブラシ18の後方」は、回転ブラシ18を清掃対象面SCに押し付けたときに回転ブラシ18を挟んで清掃対象面SCと対向する位置を示す。
【0082】
壁部10Eは、回転ブラシ18から飛散した洗浄液CLを受ける。これにより、洗浄液CLが周囲に飛散することが防がれる。
【0083】
このように、壁部10Eは、回転ブラシ18から飛散した洗浄液CLを受けるガード部の一例である。
【0084】
壁部10Eの表面に、U字溝10Fが形成される。
図1では、便宜上、U字溝10Fにハッチングを付す。U字溝10Fは、壁部10Eの上端から下端に延びて形成される。U字溝10Fは、例えば、回転軸AX方向に所定間隔を空けて複数形成される。
【0085】
回転ブラシ18から飛散してU字溝10Fに付着した洗浄液CLは、U字溝10F内を下方に流れる。U字溝10Fの下端近傍には、U字溝10F内を流れ落ちてきた洗浄液CLを受ける回収口26が設けられる。
【0086】
回収口26は、汚水回収路28を介してタンク12と連通する。そのため、回収口26で受けられた洗浄液CLは、タンク12内に滴下される。
【0087】
このように、U字溝10Fは、壁部10Eに形成された溝部であって、回転ブラシ18から飛散して付着した洗浄液CLをタンク12内に導く溝部の一例である。U字溝10F、回収口26及び汚水回収路28は、回転ブラシ18に供給された少なくとも一部の洗浄液CLをタンク12内に回収する回収部をなす。
【0088】
清掃装置1では、清掃対象面SCの清掃に用いられた洗浄液CLを回収部により回収して再利用することができる。そのため、洗浄液CLの使用量が少なく抑えられる。
【0089】
例えばビルの高層階の窓の清掃中に洗浄液CLが無くなると、作業者が搭乗するゴンドラを地上に降ろして洗浄液CLを補充しなければならない。本実施形態に係る清掃装置1では、清掃に必要な洗浄液CLの量が少なくて済むため、洗浄液CLが無くなりにくい。そのため、例えば、洗浄液CLの補充のためにゴンドラを地上に降ろすことなく、ビルの窓清掃を完了させることができる。
【0090】
清掃対象面SC上を流れて清掃対象面SCの下方に落ちる汚水SWが多いほど、洗浄液CLの回収率が低下する。そこで、清掃装置1には、ワイパ24が設けられている。
【0091】
ワイパ24は、清掃対象面SCに押し付けられたときに追従変形するワイパゴム124を含む。清掃対象面SCへの密着追従性が高いワイパゴム124は、清掃対象面SC上を流れ落ちる汚水SWを受ける。
【0092】
ワイパゴム124は、回収口26側に下がるように傾斜している(
図1参照)。そのため、ワイパゴム124が受けた汚水SWは、回収口26に向けて流れる。
【0093】
このように、ワイパゴム124は、洗浄液CLを含む汚水SWを受けて回収部に向けて流す第2のワイパの一例である。
【0094】
ワイパゴム124も、支持部10Gに対して交換可能に支持される。そのため、作業者は、劣化したワイパゴム124を新しいワイパゴム124に交換することができる。
【0095】
汚水回収路28の途中部分に、フィルタ30が設置される。フィルタ30は、ワイパゴム124やU字溝10Fから回収口26に流れ落ちた汚水SWに含まれる汚物を除去する。すなわち、汚水SWは、汚水回収路28内を流れてフィルタ30により濾過される。フィルタ30による濾過によって汚水SWから分離された洗浄液CLは、タンク12内に回収される。
【0096】
フィルタ30は、筐体10に対して着脱可能である。作業者は、筐体10から取り外したフィルタ30を清掃して再度取り付けたり、新しいフィルタ30に交換したりすることができる。
【0097】
このように、本実施形態では、清掃対象面SC上を流れ落ちる汚水SWに含まれる洗浄液CLも回収できる。そのため、洗浄液CLが高い回収率で回収される。
【0098】
附言するに、清掃装置1では、洗浄液CLの回収及び再利用により、清掃装置1の外部に排出される汚水SWの量が減る。そのため、汚水処分の作業負担が軽減される。
【0099】
把持部10Aには、手元スイッチ10Cが設けられている。作業者が手元スイッチ10Cを押す毎に、回転ブラシ18の回転方向が時計回り方向と反時計回り方向とで切り替わる。
【0100】
回転ブラシ18を時計回り方向に回転させると、清掃対象面SCに対する回転ブラシ18の移動方向(
図1の矢印A方向)と回転方向とが揃うため、回転ブラシ18が清掃対象面SCを擦る力が強くなる。そのため、洗浄能力が向上する。
【0101】
清掃対象面SCの形状によっては、回転ブラシ18を時計回り方向に回転させた方が作業しやすい場合があり、また、反時計回り方向に回転させた方が作業しやすい場合がある。作業者は、手元スイッチ10Cを適宜操作することで、清掃対象面SCを効率的に清掃することができる。
【0102】
把持部10Aには、操作ツマミ10Dが設けられている。作業者による操作ツマミ10Dに対する操作量に応じて回転ブラシ18の回転速度が変更する。回転ブラシ18の回転速度が上がると、例えば洗浄能力が向上する。回転ブラシ18の回転速度が下がると、例えば回転モータ20Aの消費電力が低減する。
【0103】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
【0104】
上記の実施形態では、清掃対象面SCを右方に拭き進める清掃方法を説明したが、作業者(例えばその利き腕)によっては、清掃対象面SCを左方に拭き進める方が清掃しやすい場合がある。そこで、変形例に係る清掃装置1は、次のように構成される。
【0105】
図7は、変形例に係る清掃装置1の一部の構成の斜視図である。
図8及び
図9は、変形例に係る清掃装置1を用いて清掃対象面SCを清掃したときの、ワイパ22の動作を示す模式図である。
【0106】
変形例では、ワイパ22は、端部22Aにおいて弾性部材50Aによって支持部10Gと機械的に接続され、また、端部22Bにおいて弾性部材50Bによって支持部10Gと機械的に接続されている。
【0107】
変形例では、ワイパ22は、端部22Aにおいてピン40A(第1の連結具の一例)で支持部10Gに軸支され、また、端部22Bにおいてピン40B(第2の連結具の一例)で支持部10Gに軸支されている。ここでは、上記の実施形態と同様に、連結方法の一例としてピン接合されている場合について説明する。すなわち、ワイパ22は、両端部がピン接合されている。そのため、清掃対象面SCの拭き下げ時にワイパ22に外力が作用しても、ワイパ22は、斜めに傾くことなく初期の姿勢(長手方向がx方向を向く姿勢)を維持する(符号F11、F21で示される
図8、
図9の上段図参照)。
【0108】
ピン40A、40Bは、それぞれ、ワイパ22の端部22A、22Bに対して着脱可能となっている。
【0109】
ピン40Bをワイパ22の端部22Bから取り外した場合を説明する。この場合、端部22Bは、ピン接合の解除により、xy面内での移動が許容された状態となる。そのため、清掃対象面SCの拭き下げ時、ワイパ22は、符号F12で示される
図8の下段図に示されるように、ピン接合されている端部22Aを支点として動き始めて、適度な角度まで傾く。この場合、上記の実施形態と同様に、清掃対象面SC上に残る汚水SWが右方に押し流れて集められる(
図8の矢印E1参照)。そのため、清掃対象面SCを右方に拭き進める方が清掃しやすい作業者に好適である。
【0110】
ピン40Aをワイパ22の端部22Aから取り外した場合を説明する。この場合、端部22Aは、ピン接合の解除により、xy面内での移動が許容された状態となる。そのため、清掃対象面SCの拭き下げ時、ワイパ22は、符号F22で示される
図9の下段図に示されるように、ピン接合されている端部22Bを支点として動き始めて、適度な角度まで傾く。この場合、清掃対象面SC上に残る汚水SWが左方に押し流れて集められる(
図9の矢印E2参照)。そのため、清掃対象面SCを左方に拭き進める方が清掃しやすい作業者に好適である。
【0111】
このように、変形例に係る清掃装置1は、ワイパ22の端部22A(第1のワイパの長手方向の一端部の一例)と支持部10Gとを機械的に接続する弾性部材50A(第1の弾性部材の一例)と、ワイパ22の端部22B(第1のワイパの長手方向の他端部の一例)と支持部10Gとを機械的に接続する弾性部材50B(第2の弾性部材の一例)と、端部22Aと支持部10Gとをピン40Aでピン接合する第1のピン接合部(第1の連結具で連結する第1の連結部の一例)と、端部22Bと支持部10Gとをピン40Bでピン接合する第2のピン接合部(第2の連結具で連結する第2の連結部の一例)と、を備える。ピン40A及び40Bのうち、ピン40Aだけが外されると、ワイパ22は、端部22B側の接合部(第2のピン接合部)を支点として傾き動作可能となる。ピン40A及び40Bのうち、ピン40Bだけが外されると、ワイパ22は、端部22A側の接合部(第1のピン接合部)を支点として傾き動作可能となる。
【符号の説明】
【0112】
1 :清掃装置
10 :筐体
10A :把持部
10B :手元スイッチ
10C :手元スイッチ
10D :操作ツマミ
10E :壁部
10F :U字溝
10G :支持部
12 :タンク
14 :ポンプ
14A :レバー
14B :ばね
14C :プランジャ
14D :ステージング
14Da :給水口
14Db :排水口
14E :カバー
14Ea :開口
16 :噴射ノズル
18 :回転ブラシ
18A :ブラシ部材
18B :シャフト
20 :ブラシ駆動部
20A :回転モータ
20B :伝達部材
22、24:ワイパ
26 :回収口
28 :汚水回収路
30 :フィルタ
32 :バッテリ
34、36:ホース
40 :ピン
50 :弾性部材