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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175772
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ストレッチ包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 11/20 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B65B11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093763
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 光信
【テーマコード(参考)】
3E051
【Fターム(参考)】
3E051AA08
3E051AB02
3E051BA05
3E051BA12
3E051CA01
3E051DA08
3E051EA04
3E051EB05
3E051GA01
3E051HA02
3E051HA06
3E051JA03
(57)【要約】
【課題】フィルムの使用長さを短くしつつも、皺の少ない包装を行うことができるストレッチ包装装置を提供する。
【解決手段】ストレッチ包装装置1は、幅方向における両サイドを挟持して、フィルムFを包装エリアAにまで搬送するフィルム搬送部6と、下方からフィルムに商品を押し当てた状態でフィルムを突き上げるリフト部20と、突き上げられたフィルムの周縁部を商品の底面側に折り込む一対の折込板26,27と、折込板の下方に位置するフィルムの搬送方向における両端部のそれぞれを下方から折込板に押さえ付ける一対の押さえ板38,39と、一対のクランプを移動させる移動機構36と、一対の折込板の移動を制御する制御部9と、を備える。制御部は、一対のクランプによってフィルムが押さえ付けられた状態の一対の折込板の少なくとも一方を、互いの相対距離が離れる方向に移動させることによって、フィルムをプレストレッチする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの搬送方向に直交する幅方向における両サイドを挟持して、前記フィルムを包装エリアにまで搬送するフィルム搬送部と、
前記包装エリアに搬送された前記フィルムの下方から前記フィルムに商品を押し当てた状態で上方に移動させることによって前記フィルムを突き上げるリフト部と、
前記リフト部によって突き上げられた前記フィルムの周縁部を前記商品の底面側に折り込む一対の折込板と、
前記一対の折込板の下方に位置する前記フィルムの搬送方向の両端部をそれぞれ把持する一対のクランプと、
前記一対のクランプを移動させる移動機構と、
前記移動機構の移動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記移動機構を制御して、前記一対のクランプの少なくとも一方を、前記一対のクランプを互いの相対距離が離れる方向に移動させて、前記フィルムを前記フィルムの搬送方向にプレストレッチする、ストレッチ包装装置。
【請求項2】
前記一対のクランプは、前記一対の折込板と、前記一対の折込板のそれぞれに、下方から前記フィルムを押さえ付ける一対の押さえ板と、によって構成されており、
前記移動機構は、前記折込板の移動に伴って前記押さえ板を移動させる構成であり、
前記制御部は、前記一対の押さえ板によって前記フィルムの搬送方向の両端部が前記各折込板にそれぞれ押し付けられた状態の少なくとも一方の前記折込板を、互いの相対距離が離れる方向に移動させる、請求項1記載のストレッチ包装装置。
【請求項3】
前記フィルム搬送部は、前記幅方向に対向して配置される一対の挟持ユニットを含んで構成されており、
前記制御部は、前記商品によって前記フィルムが突き上げられる前に、前記一対の挟持ユニットの少なくとも一方を、互いの相対距離が離れる方向に移動させる、請求項1又は2記載のストレッチ包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、ストレッチ包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアによって計量済の商品を搬入し、内部に設けられたリフト部によって商品を上昇させ、リフト部の上方に張られたフィルムに対して商品を突き上げ、フィルムの端部を商品の底面に折り込んで包装を行うストレッチ包装装置(例えば、下記に示す特許文献1)が知られている。このようなストレッチ包装装置では、フィルムロールから送り出されるフィルムの搬送方向に直交する幅方向における両サイドを挟持して、フィルムを包装エリアにまで搬送するフィルム搬送部を備えている。フィルム搬送部は、両サイドの挟持部分同士の相対距離がフィルムの幅方向サイズよりも大きくなるように移動させることによってフィルムを幅方向に伸ばしている。ストレッチ包装装置は、このように予め幅方向に伸ばされた(プレストレッチされた)フィルムに対して商品を突き上げることによって、皺の少ない包装を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-57004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のストレッチ包装装置では、フィルムの幅方向にプレストレッチを行うものの、フィルムの搬送方向にプレストレッチを行っていない。このため、皺の少ない包装を行うために、商品を覆うフィルムの長さよりもはるかに長いフィルムを使用する必要があった。
【0005】
そこで、本発明の一側面の目的は、フィルムの使用長さを短くしつつも、皺の少ない包装を行うことができるストレッチ包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一側面に係るストレッチ包装装置は、フィルムの搬送方向に直交する幅方向における両サイドを挟持して、フィルムを包装エリアにまで搬送するフィルム搬送部と、包装エリアに搬送されたフィルムの下方からフィルムに商品を押し当てた状態で上方に移動させることによってフィルムを突き上げるリフト部と、リフト部によって突き上げられたフィルムの周縁部を商品の底面側に折り込む一対の折込板と、一対の折込板の下方に位置するフィルムの搬送方向の両端部をそれぞれ把持する一対のクランプと、一対のクランプを移動させる移動機構と、移動機構の移動を制御する制御部と、を備え、制御部は、移動機構を制御して、一対のクランプの少なくとも一方を、一対のクランプを互いの相対距離が離れる方向に移動させて、フィルムをフィルムの搬送方向にプレストレッチする。
【0007】
この構成のストレッチ包装装置では、フィルムの搬送方向に沿って伸ばした状態(プレストレッチした状態)のフィルムが商品によって突き上げられる。これにより、搬送方向に沿ってフィルムが伸ばされた状態で包装されるので、搬送方向に沿ってフィルムが伸ばされない状態で包装される場合と比べて、使用するフィルムの長さを短くすることができる。すなわち、この構成では、フィルムの使用長さを短くしつつも、皺の少ない包装を行うことができる。
【0008】
(2)上記(1)に記載のストレッチ包装装置において、一対のクランプは、一対の折込板と、一対の折込板のそれぞれに、下方からフィルムを押さえ付ける一対の押さえ板と、によって構成されており、移動機構は、折込板の移動に伴って押さえ板を移動させる構成であり、制御部は、一対の押さえ板によってフィルムの搬送方向の両端部が各折込板にそれぞれ押し付けられた状態の少なくとも一方の折込板を、互いの相対距離が離れる方向に移動させてもよい。この構成では、フィルムの搬送方向に近接・離反することによってフィルムの搬送方向の両端部を商品の底面側に折り込む既存の折込板及び折込板の移動構成を利用することができるので、一対のクランプをフィルムの搬送方向に近接・離反させる別個の移動機構を組み込む必要がないから、フィルムを保持するクランプを安価に構成することができる。また、フィルムの搬送方向の両端部を左右の押さえ板で左右の折込板にそれぞれ押し付けておくだけで、一対の折込板の移動に伴って一対の押さえ板を移動させることができるので、互いの移動に同期を図るような制御が不要となるから、シンプルな構成と制御が可能となる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載のストレッチ包装装置において、フィルム搬送部は、フィルムの幅方向に対向して配置される一対の挟持ユニットを含んで構成されており、制御部は、商品によってフィルムが突き上げられる前に、一対の挟持ユニットの少なくとも一方を、互いの相対距離が離れる方向に移動させてもよい。この構成では、フィルムの搬送方向とフィルムの幅方向との両方向にプレストレッチすることができ、この結果、縦横にプレストレッチされたフィルムに対して商品が突き上げられるので、より一層皺の少ない包装が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、フィルムの使用長さを短くしつつも、皺の少ない包装を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る包装装置を示す外観斜視図である。
図2図2は、図1のストレッチ包装装置の内部を示す概略正面図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿う概略矢視図である。
図4図4は、ストレッチ包装装置の平面概略図である。
図5図5は、図1のストレッチ包装装置の構成を示すブロック図である。
図6図6は、ストレッチ機構を右斜め前から見た斜視図である。
図7図7は、ストレッチ機構を左斜め後から見た斜視図である。
図8図8は、ストレッチ機構を左斜め後から見た斜視図である。
図9図9(A)は、外側位置かつ原点位置にある第一クランプを拡大して示した斜視図である。図9(B)は、外側位置かつストレッチ位置にある第一クランプを拡大して示した斜視図である。図9(C)は、内側位置かつ原点位置にある第一クランプを拡大して示した斜視図である。
図10図10は、対象物を包装する際の動作を示す図である。
図11図11は、対象物を包装する際の動作を示す図である。
図12図12は、対象物を包装する際の動作を示す図である。
図13図13(A)~図13(F)は、フィルムをプレストレッチする際の第一クランプの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して一実施形態に係るストレッチ包装装置1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1図4に示されるように、ストレッチ包装装置1は、食料品等の商品G及び該商品Gが載せられたトレーTを含む対象物(商品)Wのフィルム包装を行う装置である。ストレッチ包装装置1は、周縁部を緊張保持させたフィルムFに対して対象物Wを下方から押し上げ、フィルムFの周辺部をトレーTの底面側に折り込むことによって、対象物WをフィルムFで包装する。
【0014】
ストレッチ包装装置1は、計量搬入機構2と、ロール保持機構4と、フィルム送出機構5と、フィルム搬送機構(フィルム搬送部)6と、カッター機構7と、リフト機構(リフト部)20と、折込機構25と、シール機構8と、ラベル発行機LIと、制御装置(制御部)9と、を含む。ストレッチ包装装置1に含まれる各機構は、ストレッチ包装装置1の本体1A及びケーシング1Bに収容される。ケーシング1Bは、本体1Aの側部に取り付けられる。
【0015】
なお、本実施形態の説明において、「左右」とは、ストレッチ包装装置1の本体1Aを正面からみたときの左右を意味する。ストレッチ包装装置1の前後方向における前側を「手前側」と称し、その反対側を「奥側」とも称する。フィルムF1,F2とは、フィルムF1及びフィルムF2のうちの任意の一方を意味し、単にフィルムFとも称する。フィルムロールR1,R2とは、フィルムロールR1及びフィルムロールR2のうち任意の一方を意味する。「上流」及び「下流」は、フィルムFの搬送方向上流及び搬送方向下流をそれぞれ意味する。
【0016】
図3に示されるように、計量搬入機構2は、計量器2Aと、搬入ベルト2Bと、計量皿12と、を有する。計量器2Aは、計量皿12に載置された対象物Wを計量し、対象物Wの重量を示す情報を制御装置9に出力する。搬入ベルト2Bは、一対のローラ間に掛け渡される。搬入ベルト2Bには、対象物Wを押して行く搬送バー13が設けられる。搬送バー13は、搬入ベルト2Bの走行により奥側へと移動し、対象物Wを奥側のリフト機構20に押し出す。計量皿12は、対象物Wを載置する矩形浅皿状のトレーである。
【0017】
図2に示されるように、ロール保持機構4は、ケーシング1B内に設置される。ロール保持機構4は、互いに同じ又は異なる種別の二本のフィルムロールR1,R2を保持する構成を有する。各フィルムロールR1,R2は、所定幅のフィルムF1,F2が多重に巻回されたものである。ロール保持機構4は、フィルムロールR1を保持する上側ロール保持部41と、フィルムロールR2を保持する下側ロール保持部42と、上側ロール保持部41及び下側ロール保持部42のいずれかを選択的に回転させてフィルムロールR1,R2の何れか一方からフィルムF1又はフィルムF2を繰り出させるロール駆動部43と、を含む。
【0018】
フィルム送出機構5は、フィルムロールR1から引き出されたフィルムF1又はフィルムロールR2から引き出されたフィルムF2を、フィルム搬送機構6の一対の第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62に引き渡す機構である。フィルム送出機構5は、ケーシング1B内に設置される。フィルム送出機構5は、ローディングユニット70と、駆動部74と、を含む。ローディングユニット70は、第一把持ユニット71と、第二把持ユニット72と、回動軸73と、駆動部74と、を有する。第一把持ユニット71及び第二把持ユニット72は、回動軸73に取り付けられる。第一把持ユニット71と第二把持ユニット72とは、前後方向から見て回動軸73からV字状に延びている。
【0019】
図4に示されるように、第一把持ユニット71は、二枚の板部材71A,71BによってフィルムF1を把持する。第二把持ユニット72は、二枚の板部材72A,72BによってフィルムF2を把持する。第一把持ユニット71及び第二把持ユニット72は、フィルム搬送機構6にフィルムF1,F2の送り出しが可能なように、ケーシング1Bの奥行き方向に所定の長さを有する。駆動部74は、回動軸73を回動させて、第一把持ユニット71と第二把持ユニット72を回動させる。
【0020】
図2に示されるように、第一把持ユニット71がフィルムF1をフィルム搬送機構6に受け渡す(送り出す)場合には、第一把持ユニット71が水平面に対して平行になるまで回動軸73を回動させる。これにより、フィルムF1は、第一把持ユニット71の先端からフィルム搬送機構6に対して水平方向に送り出される。第二把持ユニット72がフィルムF2をフィルム搬送機構6に受け渡す場合には、第二把持ユニット72が水平面に対して平行になるまで回動軸73を回動させる。これにより、フィルムF2は、第二把持ユニット72の先端からフィルム搬送機構6に対して水平方向に送り出される。
【0021】
フィルム搬送機構6は、フィルム送出機構5からフィルムFを受け取り、フィルムFの幅方向(前後方向)における両サイドを鉛直方向から挟持して、フィルムFをリフト機構20上方の包装エリアAにまで搬送する。また、フィルム搬送機構6は、フィルム送出機構5から受け取ったフィルムFを、包装エリアAの中央部分で緊張保持する。フィルム搬送機構6は、第一フィーダユニット61(挟持ユニット)と、第二フィーダユニット(挟持ユニット)62と、図4に示される第一搬送駆動部63と、第一スライド機構64と、第二スライド機構65と、第二駆動部66と、第三駆動部67と、を備える。
【0022】
図2及び図3に示されるように、第一フィーダユニット61は、第一フィーダ部61Aと、一対の挟持部61B,61Cと、を含んで構成される。第一フィーダ部61Aは、フィルム送出機構5から送り出されたフィルムFを搬送する。一対の挟持部61B,61Cは、第一フィーダ部61Aによって搬送されてきたフィルムFを鉛直方向から挟持する。一対の挟持部61B,61Cは、図示しないソレノイドのオン/オフ切り替えによって作動する。具体的には、一対の挟持部61B,61Cは、ソレノイドのオン/オフ切り替えにより、フィルムFを挟持したり、フィルムFを開放したりする。挟持部61Bは、搬送方向に複数の部材(図10図13では三つの部材)によって構成されてもよい。
【0023】
第二フィーダユニット62は、第二フィーダ部62Aと、一対の挟持部62B,62Cと、を含んで構成される。第二フィーダ部62Aは、フィルム送出機構5から送り出されたフィルムFを搬送する。一対の挟持部62B,62Cは、第二フィーダ部62Aによって搬送されてきたフィルムFを鉛直方向から挟持する。一対の挟持部62B,62Cは、図示しないソレノイドのオン/オフ切り替えにより、フィルムFを挟持したり、フィルムFを開放したりする。挟持部62Bは、搬送方向に複数の部材(図10図13では三つの部材)によって構成されてもよい。
【0024】
図2に示される第一フィーダユニット61は、前後方向における手前側に配置される。第二フィーダユニット62は、第一フィーダユニット61よりも、前後方向における奥側に配置される。第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62は、フィルムFの搬送方向(長手方向)に沿って配置される。第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62は、図4に示される第一搬送駆動部63によって駆動され、左側から右側にフィルムFを搬送する。
【0025】
図2に示される第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62の長手方向の両端部には、第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62をフィルムFの幅方向に移動させる第一スライド機構64及び第二スライド機構65が設けられている。第一スライド機構64は、図3に示される第二駆動部66によって駆動され、第一フィーダユニット61をフィルムFの幅方向に移動させる。第二スライド機構65は、第三駆動部67によって駆動され、第二フィーダユニット62をフィルムFの幅方向に移動させる。
【0026】
図2に示されるカッター機構7は、フィルム送出機構5がフィルム搬送機構6へフィルムFを受け渡した後、フィルム送出機構5とフィルム搬送機構6との間で張られたフィルムFを切断する。カッター機構7は、フィルム搬送機構6がフィルムFを所定量搬送した後に、フィルム送出機構5とフィルム搬送機構6との間で張られたフィルムFを切断する。
【0027】
本実施形態では、カッター機構7によって切断されたフィルムFは、フィルムFの搬送方向及び幅方向にプレストレッチされる。フィルムFの幅方向へのプレストレッチは、第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62によって挟持された状態で、第三駆動部67を駆動して、第二フィーダユニット62を後方向に移動させることによって実行される。フィルムFの搬送方向へのプレストレッチは、後段にて詳述する。
【0028】
リフト機構20は、本体1A内の下部に設けられる。リフト機構20は、トレーTの底面を複数の支持部材23で受け、この支持部材23に固定された支持ベース21を電動ボールネジ機構24によって上方に移動させる。これにより、リフト機構20は、トレーTの底面を保持して対象物Wを上方に移動させる。リフト機構20は、フィルム搬送機構6によって緊張保持されたフィルムFに対象物Wを押し当てた状態で鉛直方向に移動させることによってフィルムFを突き上げる。
【0029】
図2及び図3に示されるように、折込機構25は、本体1A内の上部に設けられる。リフト機構20によって突き上げられた対象物Wの底面側(すなわち、トレーTの底面側)にフィルムFの周囲の部分を折り込み、フィルムFで対象物Wを覆う。折込機構25は、フィルムFの搬送方向に沿って水平方向に移動可能に設けられている第一折込板26及び第二折込板27を有する。第一折込板26及び第二折込板27は、対象物Wの搬送方向における両端部からトレーTの底面側にフィルムFを折り込む。折込機構25は、フィルムFの幅方向奥側の側部を、トレーTの底面側に折り込む第三折込板28を有する。折込機構25は、排出プッシャー29AによってトレーTがシール機構8側に排出される際に、フィルムFの幅方向手前側の側部を、トレーTの底面側に折り込む前折込棒29を有する。第一折込板26、第二折込板27及び第三折込板28は、図示しない一つの駆動部を有し、複数のプーリ及びタイミングベルト等によって互いに連動して駆動するように構成されている。なお、第一折込板26、第二折込板27及び第三折込板28には、対象物Wのサイズに応じたスタート位置まで移動するための、独立した駆動部が設けられてもよい。
【0030】
図6に示されるストレッチ機構3は、リフト機構20によって対象物WがフィルムFを突き上げる前に、フィルムFを搬送方向(左右方向)に引っ張られた(プレストレッチ)状態に保持する機構である。ストレッチ機構3は、本体1Aの後部に配置されている。図6図8に示されるように、ストレッチ機構3は、支持部31と、上下移動機構32と、第一アーム34と、第二アーム35と、移動機構36と、第一クランプ40A及び第二クランプ40B(一対のクランプ)と、を備える。
【0031】
第一クランプ40A及び第二クランプ40Bは、第一折込板26及び第二折込板27(一対の折込板)の下方に位置するフィルムFの搬送方向の両端部をそれぞれ把持する。第一クランプ40Aは、第一押さえ板38と、第一折込板26と、によって構成されており、フィルムFの搬送方向の一方の端部を挟持する。第二クランプ40Bは、第二押さえ板39と、第二折込板27と、によって構成されており、フィルムFの搬送方向の他方の端部を挟持する。
【0032】
支持部31は、第一アーム34と、第二アーム35と、を支持する部材である。支持部31は、主面部31Aと一対の側面部31B,31Bとを有し、平面視においてコの字状(U次状)に形成されている。支持部31の一対の側面部31B,31Bには、例えば、リニアガイド、シリンダ等のスライド機構31Dが設けられ、支持部31は、このスライド機構31Dにより、上下方向に移動可能に本体1Aに固定されている。上下移動機構32は、支持部31を本体1Aに対し、上下方向に移動させる機構である。
【0033】
上下移動機構32は、リンク機構32Aと、本体駆動部32Bと、を有する。リンク機構32Aは、本体1Aに支持された支持軸32Asと、支持軸32Asを中心として上下動する揺動アーム32Adと、揺動アーム32Ad及び本体駆動部32Bの回転軸に連結されたクランク機構32Aeと、揺動アーム32Adの一端を支持部31に連結する連結棒32Afとによって構成され、本体駆動部32Bの回転軸を回転させて、クランク機構32Aeを作動させることにより、支持部31を上下方向に移動させる。本体駆動部32Bは、本体1Aにブラケット3A等を介して取り付けられている。本体駆動部32Bは、制御装置9によって制御される。
【0034】
第一アーム34は、平行リンクで構成され、支持部31の右側端部に支持されている。第一アーム34の支持部31側の基端部34Aは、支持部31に対して回動可能に接続されている。第一アーム34の基端部34Aとは反対側の先端部34Bには、取付部材34Cを介して第一押さえ板38が設けられている。図9(A)に示されるように、取付部材34Cの上部には、第一押さえ板38を摺動可能に移動させるガイド部材34Dが設けられている。ガイド部材34Dは、一方向に延在する部材である。図9(A)及び図9(C)に示されるように、第一アーム34が水平方向に回動する場合でも、第一アーム34の先端部34Bに接続される取付部材34Cは、第一アーム34の平行リンクにより、ガイド部材34Dが左右方向に延在する状態を維持するように回動可能に設けられている。
【0035】
図6図8に戻り、第二アーム35も第一アーム34と同様に平行リンクで構成され、支持部31の左側端部に支持されている。第二アーム35の支持部31側の基端部35Aは、支持部31に対して回動可能に接続されている。第二アーム35の基端部35Aとは反対側の先端部35Bには、取付部材35Cを介して第二押さえ板39が設けられている。第一アーム34と同様に、取付部材35Cの上部には、第二押さえ板39を摺動可能に移動させるガイド部材35Dが設けられている。ガイド部材35Dは、一方向に延在する部材である。第二アーム35が水平方向に回動する場合でも、第二アーム35の先端部35Bに接続される取付部材35Cは、第二アーム35の平行リンクにより、ガイド部材35Dが左右方向に延在する状態を維持するように回動可能に設けられている。
【0036】
なお、第一アーム34と第二アーム35とは、対象物Wのサイズに応じたスタート位置まで移動する第一折込板26と第二折込板27とに追従させて、第一押さえ板38と第二押さえ板39とを移動させるための後述の移動機構36を備える。第二アーム35に取付部材35Cを介して設けられる第二押さえ板39は、図9(A)に示されるような第一アーム34に取付部材34Cを介して設けられる第一押さえ板38を左右反転した状態となっている。このため、図9(A)~図9(C)に対応する第二アーム35に取付部材35Cを介して設けられる第二押さえ板39の図示は省略する。
【0037】
図7及び図8に示される移動機構36は、第一アーム34及び第二アーム35の基端部34A,35Aを基軸として回動させることによって、第一アーム34の先端部34Bに取付部材34Cを介して取り付けられた第一押さえ板38と、第二アーム35の先端部35Bに取付部材35Cを介して取り付けられた第二押さえ板39と、を左右方向に互いに接近させたり、離反させたりする。移動機構36は、図6に示される回動駆動部36Aと、複数のプーリ36Bと、タイミングベルト36Cと、を備える。
【0038】
移動機構36は、回動駆動部36Aが駆動することによって、複数のプーリ36Bに巻き掛けられたタイミングベルト36Cが走行してプーリ36Bを回転させることにより、第一アーム34と第二アーム35とが同期した状態で水平方向に近接離反する。具体的には、移動機構36は、第一アーム34と第二アーム35とを回動させることにより、第一アーム34の先端部34Bの第一押さえ板38を、スタート位置まで移動した第一折込板26の下方位置まで移動させ、第二アーム35の先端部35Bの第二押さえ板39を、スタート位置まで移動した第二折込板27の下方位置まで移動させる。
【0039】
第一折込板26の下方に移動した第一押さえ板38は、第一折込板26との間でフィルムFを挟み込んだ状態で、第一折込板26の移動方向(左右方向)と同方向に移動可能に設けられている。具体的には、第一押さえ板38は、第一折込板26との間でフィルムFを挟み込んだ状態(把持した状態)で右側に移動することによって、フィルムFを右側に引っ張り、フィルムFを右側に緊張(プレストレッチ)する。また、第二折込板27の下方に移動した第二押さえ板39は、第二折込板27との間でフィルムFを挟み込んだ状態(把持した状態)で左側に移動することにより、フィルムFを左側にプレストレッチする。
【0040】
図9(A)及び図9(B)に示されるように、第一押さえ板38は、ガイド部材34Dに沿って移動可能に設けられている。第一押さえ板38は、第二押さえ板39から離れる方向(右側)に移動した場合に、元の位置に戻る方向(左側)に付勢する図13(A)に示される弾性部材38Aを有する。
【0041】
第一押さえ板38には、第一折込板26の係止部26A(図13(A)参照)に引っ掛けられる被係止部38Bが設けられている。上下移動機構32の作動により上昇した第一押さえ板38の被係止部38Bは、第一折込板26との間にフィルムFを挟んだ状態で、第一折込板26の係止部26Aの右側に位置し、その状態で第一折込板26が右側へ移動すると、第一押さえ板38の被係止部38Bが係止部26Aに引っ掛けられ、これにより第一押さえ板38が右側へ移動する。また、上下移動機構32の作動により、第一押さえ板38が下方に移動すると、第一折込板26の被係止部38Bが、第一折込板26の係止部26Aから離れ、それにより、第一押さえ板38は、弾性部材38Aによる付勢力によってガイド部材34Dの左端に戻る。
【0042】
第二押さえ板39は、上下移動機構32の作動によって第一押さえ板38と共に上昇する。そして、第二押さえ板39は、第一押さえ板38と左右対称な構成であるため、第二折込板27との間にフィルムを挟んだ状態で、第二折込板27が左側へ移動すると、第二押さえ板39は、第二折込板27の左側への移動に伴って左側へ移動する。また、第二押さえ板39が、第一押さえ板38と共に下降すると、第二押さえ板39の係止部が、第二折込板27から離れて、弾性部材(図示せず)による付勢力によってガイド部材34Dの左端に戻る。
【0043】
シール機構8は、折込機構25により対象物Wの底面に折り込まれたフィルムFを熱シールする。シール機構8は、搬送ローラ及び加熱ローラを有し、排出プッシャー29Aで押し出された対象物Wを搬送ローラ及び加熱ローラによって搬送しつつヒートシールする。シール機構8は、包装済みの対象物Wを排出台82に向かって排出する。
【0044】
ラベル発行機LIは、ラベルプリンターLPによって印字されたラベルを、排出された包装済みの商品に貼り付ける貼付機を備える。ラベルプリンターLPは、物品に関する情報をラベルに印字する。物品に関する情報とは、例えば商品名及び値段等である。
【0045】
制御装置9は、本体1Aの上部に配置されるコンピュータである。制御装置9は、上記の各機構の作動を制御する。制御装置9は、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。制御装置9は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、各機能を実現する。
【0046】
制御装置9には、表示パネル16及び操作部17が接続される。表示パネル16は、例えばタッチパネル式のディスプレイであり、ディスプレイには、操作ボタンも表示される。操作部17では、ユーザによる各種の操作及び入力が行われる。制御装置9は、記憶部9Aの各種データを参照し、計量搬入機構2で計量した対象物Wの重量及び/又はトレーサイズに基づいて、対象物Wの価格の算出等を行う。制御装置9は、ラベルプリンターLP及びラベル発行機LIの動作を制御し、対象物Wの重量又は価格等をラベルに印字する。
【0047】
本実施形態の制御装置9は、対象物WによってフィルムFが突き上げられる前に、一対のフィーダユニット(第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62)のうち第二フィーダユニット62を、第一フィーダユニット61から離れる方向(奥方向)に移動させる。これにより、包装エリアAの上方に配置されたフィルムFを幅方向にプレストレッチする。また、本実施形態の制御装置9は、対象物WによってフィルムFが突き上げられる前に、第一折込板26及び第二折込板27、並びに、第一押さえ板38及び第二押さえ板39を、対象物Wのサイズに応じた位置(スタート位置)に移動させる。続いて、第一押さえ板38及び第二押さえ板39を上昇させることによってフィルムFが第一押さえ板38及び第二押さえ板39によって押さえ付けられた状態で、第一折込板26及び第二折込板27の両方を、互いの相対距離が離れる方向に移動させる。これにより、包装エリアAの上方に配置されたフィルムFを搬送方向にプレストレッチする。制御装置9は、このように幅方向及び搬送方向の両方にプレストレッチされたフィルムFに対し、対象物Wを突き上げる。すなわち、制御装置9は、リフト機構20を制御して対象物Wを上方に移動させる。
【0048】
なお、この実施形態では、第一折込板26と第一押さえ板38との間,並びに、第二折込板27と第二押さえ板39との間に、フィルムFの端部をそれぞれ挟んだ状態で左右の第一折込板26,第二折込板27を、フィルムFの搬送方向に互いに離反させて、フィルムFを搬送方向にプレストレッチしているが、この構成に代えて、フィルムFの端部を上下から把持する第一クランプ40A及び第二クランプ40Bを設け、これらの第一クランプ40A及び第二クランプ40Bを、前述の移動機構36によって、互いに左右方向に離反させることにより、フィルムFを搬送方向にプレストレッチする構成であってもよい。
【0049】
次に、このように構成されたストレッチ包装装置1において、フィルムFが幅方向及び搬送方向の両方にプレストレッチして対象物Wを包装するときの動作について、主に、図10図12を用いて説明する。
【0050】
対象物WにフィルムFを包装する場合、フィルム搬送機構6によってフィルムFが包装エリアAの上方にまで搬送され、フィルムFの搬送方向における上流側がカッター機構7によって切断されることにより、図10の(1)に示されるように、対象物Wの上方にフィルムFが覆った状態となる。このような状態において、フィルムFの幅方向における一方のサイドにおいてフィルムFを挟持する第二フィーダユニット62が後方に移動する。これにより、フィルムFの幅方向におけるプレストレッチが完了する。
【0051】
次に、図13(A)に示されるように、第一押さえ板38及び第二押さえ板39が上昇し、図10の(2)及び図13(B)に示されるように、フィルムFを第一折込板26及び第二折込板27の下面に押し付ける。これにより、フィルムFの搬送方向における右端が第一折込板26と第一押さえ板38とによって挟持され、フィルムFの搬送方向における左端が第二折込板27と第二押さえ板39とによって挟持される。
【0052】
図10の(2)に示される状態において、第一折込板26を右側に移動させ、第二折込板27を左側に移動させる。これにより、第一折込板26の係止部26Aに引っ掛けられた被係止部38Bを有する第一押さえ板38は、図13(C)に示されるように、第一折込板26の移動に伴って右側に移動する。また、第二折込板27の係止部27Aに引っ掛けられた被係止部39Bを有する第二押さえ板39も、第二折込板27の移動に伴って左側に移動する。これにより、図11の(3)に示されるように、フィルムFの搬送方向における両端が互いに引っ張られ、フィルムFの搬送方向におけるプレストレッチが完了する。
【0053】
次に、フィルムFの幅方向及び搬送方向にプレストレッチが完了したフィルムFに対象物Wを押し当て、フィルムFを上方に突き上げる。対象物WによるフィルムFの突き上げ開始後しばらくの間は、図11の(4)、図13(D)及び図13(E)に示されるように、第一押さえ板38及び第二押さえ板39は、フィルムFを第一折込板26の下面及び第二折込板27の下面に押し付けたままとする。すなわち、フィルムFの周縁部の位置を固定したままとする。
【0054】
次に、対象物Wを最上方位置に到達させた後の適時のタイミングで、第一フィーダユニット61、第一押さえ板38及び第二押さえ板39によるフィルムFにおける周縁部の挟持を開放する。具体的には、第一フィーダユニット61では、一対の挟持部61B,61Cの間隔をあけることによってフィルムFの挟持を開放する。また、図13(F)に示されるように、支持部31が下方に移動することで、第一押さえ板38と第一折込板26との間隔及び第二押さえ板39と第二折込板27との間隔があき、フィルムFの挟持を開放する。このとき、第一押さえ板38と第二押さえ板39は、それぞれの弾性部材38Aの作用により、図10の(1)に示されるスタート位置に戻る。
【0055】
次に、図12の(5)に示されるように、第一折込板26が左側に移動し、第二折込板27が右側に移動して、フィルムFの搬送方向における周縁部を対象物Wの底面側に折り込む。次に、図12の(6)に示されるように、第三折込板28が前側に移動して、フィルムFの幅方向における周縁部を対象物Wの底面側に折り込む。最後に、排出プッシャー29Aが前方に移動して対象物Wをシール機構8に押し出す。このとき、対象物Wの前側のフィルムFが対象物Wの底面側に折り込まれる。これにより、対象物WのフィルムFによる包装が完了する。
【0056】
上記実施形態のストレッチ包装装置1における作用効果について説明する。上記実施形態のストレッチ包装装置1では、フィルムFの搬送方向に沿って伸ばした状態(プレストレッチした状態)のフィルムFが対象物Wによって突き上げられる。これにより、搬送方向に沿ってフィルムFが伸ばされた状態で包装されるので、搬送方向に沿ってフィルムFが伸ばされない状態で包装される場合と比べて、使用するフィルムFの長さを短くすることができる。すなわち、この構成では、フィルムFの使用長さを短くしつつも、皺の少ない包装を行うことができる。
【0057】
上記実施形態のストレッチ包装装置1では、第一押さえ板38及び第二押さえ板39を移動させる移動機構は、第一折込板26及び第二折込板27の移動に伴って第一押さえ板38及び第二押さえ板39が移動するように構成されている。これにより、フィルムFの搬送方向における両端部を引っ張ることが可能となり、フィルムFを搬送方向に容易に伸ばすことができる。
【0058】
上記実施形態のストレッチ包装装置1では、第一押さえ板38と第二押さえ板39とは、フィルムFの一方の端部を第一折込板26に押さえ付け、フィルムFの他方の端部を第二折込板27に押さえ付けた状態で、第一折込板26及び第二折込板27が移動すると、それに従動して移動するように構成している。そのため、この実施形態では、第一押さえ板38及び第二押さえ板39を、上下移動機構32によって、上下に移動させるように構成しているが、第一押さえ板38と第二押さえ板39とのそれぞれの上部にソレノイドによって上下に移動する第一プレートと第二プレートとを配置し、第一プレートと第一押さえ板38との間、並びに、第二プレートと第二押さえ板39との間にフィルムFの端部をそれぞれ把持するように構成してもよい。
【0059】
上記実施形態のストレッチ包装装置1では、制御装置9は、対象物WによってフィルムFが突き上げられる前に、第二フィーダユニット62を、第一フィーダユニット61との相対距離が離れる方向に移動させている。これにより、フィルムFの搬送方向とフィルムFの幅方向との両方にプレストレッチされた状態のフィルムFが対象物Wによって突き上げられるので、より一層皺の少ない包装が可能となる。
【0060】
以上、一実施形態について説明したが、本発明の一側面は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0061】
上記実施形態では、フィルム包装機能に加えて、計量機能及びラベル貼付による値付機能を備えるストレッチ包装装置1を例に挙げて説明したが、計量機能及び値付機能の少なくとも一方を備えないストレッチ包装装置1の構成としてもよい。
【0062】
上記実施形態及び変形例では、第一押さえ板38及び第二押さえ板39の両方が移動機構36により、互いの相対距離が接近又は離反可能に構成された例を挙げて説明したが、第一押さえ板38及び第二押さえ板39の一方のみが移動することによって、互いの相対距離が接近又は離反可能に構成されてもよい。
【0063】
上記実施形態及び変形例では、第二フィーダユニット62のみが移動することによって、第一フィーダユニット61と第二フィーダユニット62との相対距離が接近又は離反可能に構成された例を挙げて説明したが、第一フィーダユニット61及び第二フィーダユニット62の両方が移動することによって、互いの相対距離が接近又は離反可能に構成されてもよい。
【0064】
上記実施形態及び変形例では、第一押さえ板38及び第二押さえ板39は、第一折込板26及び第二折込板27の移動に従動して移動するように構成したが、これに限定されない。例えば、第一押さえ板38及び第二押さえ板39を互いに近接離反させる移動機構36でもって、フィルムFを搬送方向にプレストレッチさせるように、第一押さえ板38及び第二押さえ板39を左右方向に離反させるように駆動制御してもよい。この場合には、制御装置9は、第一折込板26と第一押さえ板38とが同期して移動するように、かつ第二折込板27と第二押さえ板39とが同期して移動するように制御すればよい。
【符号の説明】
【0065】
1…ストレッチ包装装置、3…ストレッチ機構、6…フィルム搬送機構(フィルム搬送部)、9…制御装置(制御部)、20…リフト機構(リフト部)、25…折込機構、26…第一折込板(折込板・クランプ)、27…第二折込板(折込板・クランプ)、28…第三折込板、31…支持部、32…上下移動機構、34…第一アーム、35…第二アーム、36…移動機構、38…第一押さえ板(クランプ)、39…第二押さえ板(クランプ)、61…第一フィーダユニット、62…第二フィーダユニット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13