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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175777
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】パネル吊り下げ構造
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20241212BHJP
   A47F 5/08 20060101ALI20241212BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A47G29/00 B
A47F5/08 A
A47F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093773
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】服部 真二
【テーマコード(参考)】
3B118
3K100
【Fターム(参考)】
3B118AA01
3B118BA19
3B118DA12
3B118EA02
3K100AB01
3K100AC06
3K100AE07
3K100AE08
3K100AF07
3K100AH01
3K100AH02
3K100AH30
(57)【要約】
【課題】複数のパネルを隙間なく横並び配置できるとともに、外観性が向上するパネル吊り下げ構造を提供する。
【解決手段】建物の内装に吊り部材20を介して、主面11が略上下方向に沿う状態に吊り下げられるパネル10Bと、パネル10Bを、吊り部材20に沿って上下方向に移動可能に支持する支持具30と、を備え、支持具30は、パネル10Bの少なくとも側方の外縁の内側に配置される、パネル吊り下げ構造1Bである。吊り部材20は、内装に延設されたレール3、4に沿って移動可能に支持される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内装に吊り部材を介して、主面が略上下方向に沿う状態に吊り下げられるパネルと、
前記パネルを、前記吊り部材に沿って上下方向に移動可能に支持する支持具と、を備えるパネル吊り下げ構造であって、
前記支持具は、前記パネルの少なくとも側方の外縁の内側に配置される、パネル吊り下げ構造。
【請求項2】
前記吊り部材は、前記内装に延設されたレールに沿って移動可能に支持される、請求項1に記載のパネル吊り下げ構造。
【請求項3】
前記パネルは、当該パネルの側面側を覆う側面部材を有し、
前記支持具は、前記側面部材の内側に固定される、請求項1または2に記載のパネル吊り下げ構造。
【請求項4】
前記パネルは、前記主面として、表面及び裏面を含み、
前記裏面の側に、当該裏面を覆う裏面側板材が配置される、請求項1または2に記載のパネル吊り下げ構造。
【請求項5】
前記裏面側板材は、前記パネルに着脱可能に配置される、請求項4に記載のパネル吊り下げ構造。
【請求項6】
前記表面は、磁性を有する金属板からなる表面板部で構成される、請求項4に記載のパネル吊り下げ構造。
【請求項7】
前記支持具は、前記吊り部材に係脱可能で、ピンを作動させることにより係合が解除される係合部を有し、前記ピンは、前記パネルの上端から上方に突出する、請求項1または2に記載のパネル吊り下げ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、壁や天井等の内装にパネルを吊り下げて支持するパネル吊り下げ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅やオフィス等の室内において、例えば絵画、ポスター、鏡等のシート状あるいはパネル状の物品や調度類、あるいはホワイトボードやコルクボード等の表示板等を、壁面に配置する場合がある。特許文献1には、それらの物品を取付け可能なパネルを、ワイヤ等の索条体(吊り部材)を介して天井に吊り下げるにあたり、天井に固定されて索条体の上端部が着脱可能に挿入されることで、索条体ならびにパネルを天井に対し着脱可能に装着することができる索条体張装具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平2-16700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報には、パネルを吊り下げる吊り部材がパネルの両側の外部を通っており、パネルの外側部に配置された策条体張装具(支持具)にパネルが支持されている点が開示されている。複数のパネルを隙間なく横並びに配置することが望まれる場合、パネルの側方に吊り部材や支持具が配置されると、複数のパネルを隙間なく、あるいは近接して横並びに配置することが困難になるとともに、吊り部材や支持具が視認されることにより外観性が低下する。そこで本開示は、パネルを吊り下げ支持する場合において、複数のパネルを隙間なく横並びに配置できるとともに、外観性が向上するパネル吊り下げ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、建物の内装に吊り部材を介して、主面が略上下方向に沿う状態に吊り下げられるパネルと、前記パネルを、前記吊り部材に沿って上下方向に移動可能に支持する支持具と、を備えるパネル吊り下げ構造であって、前記支持具は、前記パネルの少なくとも側方の外縁の内側に配置される、パネル吊り下げ構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係るパネル吊り下げ構造を示す正面図である。
図2】実施形態に係るパネル吊り下げ構造を示す斜視図である。
図3図1のIII矢視図である。
図4】実施形態に係るパネルの裏面図である。
図5図4のV-V断面図である。
図6】実施形態に係る支持具がパネルに固定された状態を示す斜視図である。
図7】上記支持具を裏面側から見た図である。
図8図4のVIII-VIII矢視図である。
図9】実施形態に係るパネルを上レールに吊り下げる構造の一具体例を示す側面図である。
図10】実施形態に係るパネル吊り下げ構造により、パネルを横並びに配置した状態を示す正面図である。
図11】実施形態に基づく変形例であって、パネル裏面に裏面側板材が配置されたパネルの側面図である。
図12】変形例のパネルの裏面図である。
図13】変形例のパネルを天井に吊り下げて裏面も利用できる状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。図1及び図2は、それぞれ実施形態に係るパネル吊り下げ構造1Aを示す正面図及び斜視図である。図3は、図1のIII矢視図である。実施形態のパネル吊り下げ構造1Aは、例えば住宅やビル等の建物の室内において、パネル10Aを、内装としての壁面2に対し、壁面2に設けた上レール3及び下レール4に張った左右一対の吊り部材20により吊り下げて支持し、上下のレール3、4に沿って吊り部材20とともに左右にスライド可能とした構造となっている。実施形態のパネル10Aは、吊り下げ状態で縦長の長方形形状を有し、主面11としての表面11a及び裏面11bを有する。図3に示すように、表面11aが室内側に面し、裏面11bが壁面2に対面している。図4は、パネル10Aの裏面11b側を示している、図5は、図4のV-V断面図である。
【0008】
実施形態のパネル吊り下げ構造1Aは、壁面2に吊り部材20を介して、主面11が略上下方向に沿う状態に吊り下げられるパネル10Aと、パネル10Aを、吊り部材20に沿って上下方向に移動可能に支持する支持具30(図4参照)と、を備える。なお、本明細書での「略」は、厳密にその状態を特定するものではなく、それらの機能や効果を達成可能な範囲で近似する状態を含むという意味である。
【0009】
吊り部材20は、上下のレール3、4に、これらレール3、4に沿って移動可能に係合する不図示のフック部材を介して、上下方向に張った状態で支持される。なお、吊り部材20を上下のレール3、4に支持する部材としてはフック部材に限定されず、上下のレール3、4に係合可能であって吊り部材20を上下方向に張った状態で支持可能な部材であれば、いかなる部材であってもよい。吊り部材20は、金属製のワイヤや樹脂ロープ等が用いられるが、これらに限定されない。左右一対の吊り部材20のそれぞれは、パネル10Aの両側部の内側を、パネル10Aの長手方向に沿って通っている。
【0010】
図1図5に示すように、パネル10Aは、表面11aの全面を構成する表面板部12を有する。表面板部12は、その表面11aの全面が平坦である。パネル10Aの左右両側には、パネル10Aの長手方向に延びる角筒状の側面部材13がそれぞれ配置される。パネル10Aの両側の側面側は、これら側面部材13で覆われる。
【0011】
パネル10Aの上端面は、左右方向に延びる上端板部14で構成される。パネル10Aの上面側は、この上端板部14で覆われる。上端板部14の裏面11b側の端部からは、上端板部14と略直角に上垂下部15が垂下している。パネル10Aの裏面11b側の上端部は、この上垂下部15で覆われる。
【0012】
パネル10Aの下端面は、左右方向に延びる下端板部16で構成される。パネル10Aの下面側は、この下端板部16で覆われる。下端板部16の裏面11b側の端部からは、下端板部16と略直角に下延出板部17が上方に立ち上がっている。パネル10Aの裏面11b側の下端部は、この下延出板部17で覆われる。
【0013】
図4及び図5に示すように、表面板部12の裏側には、その幅方向(短手方向)中央に、上下方向に延びる断面L字状のリブ18が固定されている。このリブ18により、パネル10Aが上下方向で撓む変形が抑制される。
【0014】
実施形態のパネル10Aは、表面板部12と、上端板部14、上垂下部15、下端板部16及び下延出板部17と、が一体成形され、この成形体の両側に、側面部材13が固着されている。実施形態のパネル10Aは、上端板部14、下端板部16及び左右の側面部材13により、厚みを有し、かつ、裏面11b側にスペースを有する。
【0015】
図1及び図2に示すように、パネル10Aの表面11aは表面板部12で構成される。図4に示すように、パネル10Aの裏面11bは、表面板部12の裏面と、左右の側面部材13と、上側の上垂下部15と、下側の下延出板部17と、を含む。左右一対の吊り部材20は、上端板部14及び下端板部16を貫通する。
【0016】
支持具30は、図4に示すように、パネル10Aの上端部であって、左右の端部に一対の状態で配置される。図6及び図7は、裏面11b側から見た場合の右側の支持具30を示している。図8は、図4のVIII-VIII矢視図である。左右の支持具30は、同様の構成を有し、かつ、同様にして側面部材13に固定される。すなわち支持具30は、パネル10Aの側方の外縁の内側に配置される。
【0017】
図6図8に示すように、支持具30は、横断面が略半円弧形状を有する筒状の係合部31と、係合部31の平坦な側面側に形成された板状の固定部32と、を含む。固定部32は、係合部31から下方に延びる下端片32aを有する。この下端片32aには、ねじ挿通孔32bが形成されている。支持具30は、下端片32aを下方に向けて固定部32を側面部材13の上端部の内側の面に当接させ、かつ、上端面を上端板部14の下面に当接させた状態で、ねじ挿通孔32bに通した不図示のねじを側面部材13にねじ込むことにより、側面部材13に固定される。
【0018】
吊り部材20は、係合部31を貫通して配置される。係合部31は、内部に組み込まれたばねを含む不図示の係合機構により、貫通する吊り部材20に対して、係合可能、かつ、その係合状態が解除可能な機能を有する。係合部31は、上方に向けて付勢された状態で突出するスリーブ状のピン31aを有する。このピン31aは、下方から上端板部14を貫通し、上端板部14から上方に突出している。吊り部材20は、ピン31a及び係合部31を貫通する。
【0019】
支持具30は、ピン31aを下方の係合部31側に押すと、吊り部材20に対する係合部31の係合が解除され、ピン31aを離すと、ピン31aが元の位置に戻って係合部31が吊り部材20に係合するように構成される。係合部31が吊り部材20に係合しているとき、支持具30を介してパネル10Aは吊り部材20に吊り下げられた状態となる。ピン31aを押して係合を解除すると支持具30は吊り部材20に対してフリーとなり、パネル10Aは吊り部材20に沿って上方あるいは下方に移動可能となる。なお、係合部31としては、係合状態であっても、上下方向のいずれか一方にパネル10Aを動かすことは可能で、かつ、他方側には動かすことができないような機能を有するものであってもよい。
【0020】
通常、左右の支持具30は、左右の吊り部材20のそれぞれに、同じ高さ位置で係合され、これにより、パネル10Aは幅方向が略左右方向(水平方向)と平行になるよう支持される。
【0021】
図4に示すように、パネル10Aの下端部であって、左右の端部には、吊り部材20を下方に真っ直ぐ導くガイド部材40が一対の状態で配置される。左右のガイド部材40は、同様の構成を有し、かつ、同様にして側面部材13に固定される。ガイド部材40は、図8に示すように、支持具30と近似する形状を有し、横断面が略半円弧形状を有する筒状のガイド部41と、ガイド部41の平坦な側面側に形成された板状の固定部42と、を含む。固定部42は、ガイド部41から上方に延びる上端片42aを有する。この上端片42aには、ねじ挿通孔42bが形成されている。ガイド部材40は、上端片42aを上方に向けて固定部42を側面部材13の下端部の内側の面に当接させ、かつ、下端面を下端板部16の下面に当接させた状態で、ねじ挿通孔42bに通した不図示のねじを側面部材13にねじ込むことにより、側面部材13に固定される。
【0022】
吊り部材20は、ガイド部41及び下端板部16を貫通してパネル10Aの下方に延び、その下端部が下レール4に不図示のフック部材を介して支持される。吊り部材20はガイド部41をフリーの状態で貫通し、したがって吊り部材20はガイド部41に拘束されない。なお、ガイド部41は、支持具30と同様に吊り部材20を拘束する機能を有し、ガイド部41によっても吊り部材20が拘束されてもよい。
【0023】
図1に示すように、左右の吊り部材20のそれぞれは、側面部材13の内側に配置された支持具30及びガイド部材40を貫通することにより、パネル10Aの側方の外縁の内側を上下に通っている。
【0024】
図9は、上レール3と、吊り部材20を上レール3にスライド可能に支持するフック部材50の具体例を示している。上レール3は、壁面2及び天井面5に当接し、壁面2に固定される。上レール3は、下端部にレール部3aを有し、このレール部3aに、フック部材50がスライド可能に係合する。フック部材50は、レール部3aに着脱可能に係合する係合板部51と、係合板部51の下方のカラビナフック部52と、を有する。吊り部材20は、円環状に結ばれた端部をカラビナフック部52に掛けることにより、フック部材50に支持される。
【0025】
上記実施形態のパネル吊り下げ構造1Aによれば、左右の支持具30がそれぞれの吊り部材20に係合している状態で、吊り部材20に吊り下げられた状態が保持され、壁面2に沿って配置される。吊り部材20に対する支持具30の係合を解除することにより、パネル10Aを上方または下方に移動させて、パネル10Aの上下方向の位置を変えることができる。また、吊り部材20を上下のレール3、4に沿ってスライドさせることにより、パネル10Aを吊り部材20とともに左右にスライドさせて、パネル10Aの左右方向の位置を変えることができる。
【0026】
パネル10Aの表面11aには、例えば、絵画、ポスター、鏡等のシート状あるいはパネル状の物品や調度類を、粘着テープや接着剤などにより固定して配置される。使用者は、それら物品を室内から鑑賞したり使用したりする。
【0027】
パネル10Aの表面11aを構成する表面板部12を、鉄板や鋼板等の磁性を有する金属板で構成することにより、磁石を用いて物品を表面11aに着脱可能に貼り付けることができる。また、表面板部12を、ホワイトボードや黒板、あるいはコルクボード等の表示板で構成し、例えばオフィス等のワークスペースで必要な表示を行えるようにしてもよい。さらには、表面板部12を、多数の貫通孔が空けられたパンチングボードで構成してもよい。このように表面板部12としては材質や機能等に制限はなく、用途に応じて様々な材質のものが選択され得る。
【0028】
実施形態のパネル吊り下げ構造1Aにおいては、支持具30及びガイド部材40は、パネル10Aの側面部材13の内側に配置されて、この側面部材13で覆われることにより、パネル10Aの側方に露出しない。また、吊り部材20におけるパネル10Aに配置されている部分も、パネル10Aの側面部材13の内側に配置されて、この側面部材13で覆われることにより、パネル10Aの側方に露出しない。このため、実施形態のパネル吊り下げ構造1Aによれば、図10に示すように、複数のパネル10Aを、隙間なく横並びに配置できる。また、支持具30、ガイド部材40及び吊り部材20がパネル10Aの側方に露出しないことに加え、パネル10Aの四辺が上端板部14、下端板部16及び側面部材13で覆われたシームレスな構造であるため、シンプルで良好な外観が得られる。
【0029】
また、パネル10Aは、上下のレール3、4に沿って左右に移動可能であり、かつ、吊り部材20に沿って上下に移動可能である。このため、パネル10Aを所望の位置に容易に配置することができる。例えば家具や什器等の配置変えなどを行っても、パネル10Aを空いた位置に配置することが可能となり、利便性が高い。
【0030】
以上の構成を備える実施形態のパネル吊り下げ構造1Aによれば、以下の効果が奏される。
【0031】
実施形態に係るパネル吊り下げ構造1Aは、建物の壁面2に吊り部材20を介して、主面11が略上下方向に沿う状態に吊り下げられるパネル10Aと、パネル10Aを、吊り部材20に沿って上下方向に移動可能に支持する支持具30と、を備え、支持具30は、パネル10Aの少なくとも側方の外縁の内側に配置される。
【0032】
これにより、支持具30及び吊り部材20がパネル10Aの側方に露出しないため、複数のパネル10Aを隙間なく横並びに配置できるとともに、外観性が向上する。
【0033】
実施形態に係るパネル吊り下げ構造1Aにおいては、吊り部材20は、壁面2に延設された上レール3及び下レール4に沿って移動可能に支持される。
【0034】
これにより、パネル10Aを、吊り部材20に沿って上下方向に、また、各レール3、4の延設方向に沿って移動させることができるため、パネル10Aを所望の位置に容易に配置できる。
【0035】
実施形態に係るパネル吊り下げ構造1Aにおいては、パネル10Aは、当該パネル10Aの側面側を覆う側面部材13を有し、支持具30は側面部材13の内側に固定される。
【0036】
これにより、パネル10Aの側面側が側面部材13で覆われたシームレスな構造とすることができ、シンプルで良好な外観が得られる。
【0037】
実施形態に係るパネル吊り下げ構造1Aにおいては、パネル10Aの表面11aを構成する表面板部12は、磁性を有する金属板で構成されてもよい。
【0038】
その場合には、磁石を用いて物品を表面11aに着脱可能に貼り付けることができる。
【0039】
実施形態に係るパネル吊り下げ構造1Aにおいては、支持具30は、吊り部材20に係脱可能で、ピン31aを作動させることにより係合が解除される係合部31を有し、ピン31aは、パネル10Aの上端から上方に突出する形態が好ましい。
【0040】
これにより、パネル10Aを吊り部材20に沿って上方あるいは下方へ移動させる操作を容易に行うことができる。
【0041】
次に、図11図13を参照して、上記実施形態に基づく変形例のパネル吊り下げ構造1Bについて説明する。この変形例は、上記実施形態のパネル10Aの構成を変更した点が異なっており、他の構成は上記実施形態と同じである。したがってこの変形例においては、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
【0042】
図11は、図8に対応する図であって、変形例のパネル10Bの側面図である。変形例のパネル10Bは、図11及び図12に示すように、裏面11b側に、裏面11bを覆う裏面側板材60が配置される。この裏面側板材60は、裏面11b全面を覆う寸法及び形状を有し、パネル10Bの裏面11bに着脱可能に配置される。裏面側板材60は、例えば、嵌合や磁石による吸着などの手段によって裏面11bに着脱可能に配置されるが、配置の手段としてはこれらに限定されない。なお、磁石によって配置する場合には、裏面側板材60は鉄板や鋼板等の磁性を有する金属板で構成される。裏面側板材60は、裏面11bに着脱可能に配置されなくてもよい。裏面側板材60は、例えば、接着剤などの固定手段によって裏面11bに固定されてもよい。
【0043】
変形例のパネル10Bは、裏面側板材60で構成される裏面11bを、表面11aと同様に利用することができる。例えば、裏面11bにも、表面11aに配置するものと同様の物品、あるいは異なる物品を、貼り付けて配置できる。したがってこのパネル10Bを適用したパネル吊り下げ構造1Bによれば、図13に示すように、内装としての天井面5にパネル10Bを吊り下げて使用することにより、裏面11b側のスペースから裏面側板材60を利用することができる。なお、このように天井面5に吊り下げるパネル吊り下げ構造1Bでは、パネル10Bを簡易的な間仕切りパネルとして兼用できる。
【0044】
上述した変形例のパネル吊り下げ構造1Bにおいては、パネル10Bは、主面11として、表面11a及び裏面11bを含み、裏面11b側に、当該裏面11bを覆う裏面側板材60が配置される。
【0045】
これにより、パネル10Bを壁面2と離して天井面5に吊り下げ、表面11a及び裏面11bの双方を利用することができる。また、パネル10Bを、間仕切りパネルとして兼用できる。
【0046】
また、裏面側板材60は、パネル10Bに着脱可能に配置されることが好ましく、これにより、表面11a及び裏面11bを共用する場合と、表面11aのみを利用する場合を容易に切り替えることができる。
【0047】
以上が、本開示に係る変形例を含む実施形態である。なお、本開示は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0048】
例えば、吊り部材20の下端を支持する下レール4は必須構成ではなく、上レール3のみにパネル10Bを支持する構成であってもよい。
【0049】
上述したように、パネル10Aの表面11aを構成する表面板部12を鉄板や鋼板等の磁性を有する金属板で構成すると、磁石を用いて物品を表面11aに着脱可能に貼り付けることができるが、これに加えて、上端板部14、上垂下部15、下端板部16及び下延出板部17、及び側面部材13も、磁性を有する金属板で構成されていてもよく、これら各部は、例えば当該金属板の曲げ加工などにより形成されていてもよい。このように構成すると、表面11aのみならず、側面部材13などにも磁石を用いて物品を着脱可能に貼り付けることができる。
【0050】
実施形態のパネル10Aは、上端板部14、下端板部16及び左右の側面部材13により、裏面11b側にスペースを有するが、パネル10Bとしては、このように裏面11b側にスペースを有さず、平板状で表面及び裏面が平坦に形成された単板で構成されてもよい。その場合、パネルの場合には、裏面に、側方の外縁から露出しないように、外縁の内側に左右一対の支持具30を固定するとともに、その支持具30に吊り部材20を通して係合させるとよい。また、パネルの裏面に、支持具30及び吊り部材20を配置するための溝を設けてもよい。
【0051】
実施形態の吊り部材20は、パネル10Aをバランスよく吊り下げる上で、左右一対に配置することが好ましいが、3本、あるいはそれ以上の本数でパネル10Aを吊り下げてもよい。
【0052】
上レール3及び下レール4は、略水平方向に設けることに限定されず、例えばある程度の角度で傾斜する状態で延設する場合もあり得る。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B パネル吊り下げ構造
2 壁面(内装)
3 上レール(レール)
4 下レール(レール)
5 天井面(内装)
10A、10B パネル
11 主面
11a 表面
11b 裏面
12 表面板部
13 側面部材
20 吊り部材
30 支持具
31 係合部
31a ピン
60 裏面側板材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13