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特開2024-175781管理装置、管理方法、管理プログラム及び集配システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175781
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、管理プログラム及び集配システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20241212BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65G1/137 Z
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093779
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】太田 順也
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
(72)【発明者】
【氏名】村本 健太
(72)【発明者】
【氏名】清水 俊汰
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE01
3F022FF01
3F022JJ11
3F022KK20
3F022LL07
3F022MM01
3F022MM11
3F022NN01
3F022PP06
3F022QQ13
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB22
3F522CC05
3F522CC06
3F522FF02
3F522FF12
3F522FF27
3F522GG03
3F522JJ04
3F522LL12
3F522LL57
3F522LL63
(57)【要約】
【課題】ロボットによる荷物の集配効率を向上可能な管理装置を実現する。
【解決手段】本開示の一態様に係る管理装置(6)は、集配棚(3)内で荷物(9)を支持可能な複数の支持部の高さ位置情報が紐付けられた識別情報を取得する第1の識別情報取得部(61)と、複数の支持部におけるロボット(5)で集荷される荷物(9)である集荷物(9a)を支持する第1の支持部の識別情報を取得する第2の識別情報取得部(62)と、第1の支持部と、複数の支持部における第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の集配棚(3)の上下方向の間隔を算出する算出部(71)と、間隔を示す情報に基づいて、ロボット(5)が集荷物(9a)を集荷できるように、集荷物(9a)の集荷計画を作成する計画作成部(72)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、前記集配基地から荷物を前記ロボットで前記集配棚に配送したり、する集配システムの管理装置であって、
前記集配棚内に高さ位置を変更可能に配置され、前記荷物を支持可能な複数の支持部の高さ位置を示す情報が紐付けられた識別情報を取得する第1の識別情報取得部と、
前記複数の支持部における前記ロボットで集荷される荷物である集荷物を支持する第1の支持部の識別情報を取得する第2の識別情報取得部と、
前記第1の支持部と、前記複数の支持部における前記第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の前記集配棚の上下方向の間隔を算出する算出部と、
前記間隔を示す情報に基づいて、前記ロボットが前記集荷物を集荷できるように、前記集荷物の集荷計画を作成する計画作成部と、
を備える、管理装置。
【請求項2】
前記ロボットにおける前記荷物を収容するための収容部の空き高さを示す情報を取得する空き高さ情報取得部を備え、
前記計画作成部は、前記間隔を示す情報、及び前記ロボットにおける収容部の空き高さを示す情報に基づいて、前記集荷物を集荷可能なロボットが当該集荷物を集荷するように,前記集荷物の集荷計画を作成する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサの検出情報に基づく当該荷物の高さを示す情報を取得する第1の高さ情報取得部と、
前記ロボットを制御する制御部と、
を備え、
前記荷物が前記集配棚に収容された状態で、前記ロボットで配送される荷物である配送物を前記集配棚で当該集配棚に収容された荷物に対して上側に収容するために、前記制御部は、前記ロボットが前記配送物を上昇させつつ、前記検出センサで前記集配棚に収容された荷物を検出するように、前記ロボットを制御する、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサの検出情報に基づく当該荷物の高さを示す情報を取得する第1の高さ情報取得部と、
前記ロボットで配送される荷物である配送物の高さを示す情報を取得する第2の高さ情報取得部と、
前記配送物の配送を依頼した依頼者が入力した当該配送物の受取完了を示す情報を取得する受取完了情報取得部と、
前記集配棚内に配置された支持部の識別情報、前記配送物の高さを示す情報、及び前記配送物の受取完了を示す情報に基づく前記集配棚内の荷物の収容状態を示す情報を取得する収容状態情報取得部と、
前記検出センサの検出情報に基づいて、前記集配棚内の荷物の収容状態を示す情報を更新する収容状態情報更新部と、
を備える、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記計画作成部は、更新された前記集配棚内の荷物の収容状態を示す情報に基づいて、前記配送物を当該配送物を支持する第3の支持部と共に前記集配棚に収容できるように、前記配送物の配送計画を作成する、請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサの検出情報に基づく当該荷物の高さを示す情報を取得する第1の高さ情報取得部と、
前記集荷物の集荷を依頼した依頼者が入力した当該集荷物の高さを示す情報を取得する第2の高さ情報取得部と、
を備え、
前記計画作成部は、前記検出センサの検出情報に基づく前記集荷物の高さと、前記依頼者が入力した前記集荷物の高さと、の差分に基づき、次回、前記集荷物を集荷する際の前記間隔を示す情報に対する前記依頼者が入力した前記集荷物の高さを示す情報を反映させる比率を変化させて、前記集荷物の集荷計画を作成する、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項7】
前記ロボットを制御する制御部を備え、
前記ロボットで配送される荷物である配送物を前記集配棚に収容する場合、前記制御部は、前記集配棚内における前記配送物を支持するための第3の支持部が配置される高さ位置に対して下方領域に他の支持部が存在する場合、前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサで前記集配棚内における前記第3の支持部が配置される高さ位置周辺の状態を検出するように、前記ロボットを制御し、前記集配棚内における前記第3の支持部が配置される高さ位置に対して下方領域に他の支持部が存在しない場合、前記検出センサによる前記集配棚内における前記第3の支持部が配置される高さ位置周辺の状態の検出を省略する、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の管理装置と、
前記ロボットと、
前記集配棚と、
を備える、集配システム。
【請求項9】
集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、前記集配基地から荷物を前記ロボットで前記集配棚に配送したり、する集配システムの管理方法であって、
前記集配棚内に高さ位置を変更可能に配置され、前記荷物を支持可能な複数の支持部の高さ位置情報が紐付けられた識別情報を取得する工程と、
前記複数の支持部における前記ロボットで集荷される荷物である集荷物を支持する第1の支持部の識別情報を取得する工程と、
前記第1の支持部と、前記複数の支持部における前記第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の高さ方向の間隔を算出する工程と、
前記間隔を示す情報に基づいて、前記ロボットが前記集荷物を集荷できるように、前記集荷物の集荷計画を作成する工程と、
を備える、管理方法。
【請求項10】
集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、前記集配基地から荷物を前記ロボットで前記集配棚に配送したり、する集配システムの管理プログラムであって、
前記集配棚内に高さ位置を変更可能に配置され、前記荷物を支持可能な複数の支持部の高さ位置情報が紐付けられた識別情報を取得する処理と、
前記複数の支持部における前記ロボットで集荷される荷物である集荷物を支持する第1の支持部の識別情報を取得する処理と、
前記第1の支持部と、前記複数の支持部における前記第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の高さ方向の間隔を算出する処理と、
前記間隔を示す情報に基づいて、前記ロボットが前記集荷物を集荷できるように、前記集荷物の集荷計画を作成する処理と、
をコンピュータに実行させる、管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理方法、管理プログラム及び集配システムに関し、例えば、集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、集配基地から荷物をロボットで集配棚に配送したり、する集配システムの管理装置、管理方法、管理プログラム、及び集配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、配送者が保管部に保管した荷物のスキャン画像に基づいて当該荷物の縦、横、高さの大きさを特定し、特定した荷物の大きさに基づいて算出した配送料の決済を配送者が行うことが可能であると共に、集荷者が認証に成功した場合、荷物を取り出し可能なポスト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-83148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、以下の課題を見出した。特許文献1の技術は、集配者が人であり、ロボットによる荷物の集荷効率を向上させる技術ではない。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、ロボットによる荷物の集荷効率を向上可能な、管理装置、管理方法、管理プログラム及び集配システムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る管理装置は、集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、前記集配基地から荷物を前記ロボットで前記集配棚に配送したり、する集配システムの管理装置であって、
前記集配棚内に高さ位置を変更可能に配置され、前記荷物を支持可能な複数の支持部の高さ位置を示す情報が紐付けられた識別情報を取得する第1の識別情報取得部と、
前記複数の支持部における前記ロボットで集荷される荷物である集荷物を支持する第1の支持部の識別情報を取得する第2の識別情報取得部と、
前記第1の支持部と、前記複数の支持部における前記第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の前記集配棚の上下方向の間隔を算出する算出部と、
前記間隔を示す情報に基づいて、前記ロボットが前記集荷物を集荷できるように、前記集荷物の集荷計画を作成する計画作成部と、
を備える。
【0007】
上述の管理装置は、前記ロボットにおける前記荷物を収容するための収容部の空き高さを示す情報を取得する空き高さ情報取得部を備え、
前記計画作成部は、前記間隔を示す情報、及び前記ロボットにおける収容部の空き高さを示す情報に基づいて、前記集荷物を集荷可能なロボットが当該集荷物を集荷するように、前記集荷物の集荷計画を作成することが好ましい。
【0008】
上述の管理装置は、
前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサの検出情報に基づく当該荷物の高さを示す情報を取得する第1の高さ情報取得部と、
前記ロボットを制御する制御部と、
を備え、
前記荷物が前記集配棚に収容された状態で、前記ロボットで配送される荷物である配送物を前記集配棚で当該集配棚に収容された荷物に対して上側に収容するために、前記制御部は、前記ロボットが前記配送物を上昇させつつ、前記検出センサで前記集配棚に収容された荷物を検出するように、前記ロボットを制御することが好ましい。
【0009】
上述の管理装置は、
前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサの検出情報に基づく当該荷物の高さを示す情報を取得する第1の高さ情報取得部と、
前記ロボットで配送される荷物である配送物の高さを示す情報を取得する第2の高さ情報取得部と、
前記配送物の配送を依頼した依頼者が入力した当該配送物の受取完了を示す情報を取得する受取完了情報取得部と、
前記集配棚内に配置された支持部の識別情報、前記配送物の高さを示す情報、及び前記配送物の受取完了を示す情報に基づく前記集配棚内の荷物の収容状態を示す情報を取得する収容状態情報取得部と、
前記検出センサの検出情報に基づいて、前記集配棚内の荷物の収容状態を示す情報を更新する収容状態情報更新部と、
を備えることが好ましい。
【0010】
上述の管理装置において、前記計画作成部は、更新された前記集配棚内の荷物の収容状態を示す情報に基づいて、前記配送物を当該配送物を支持する第3の支持部と共に前記集配棚に収容できるように、前記配送物の配送計画を作成することが好ましい。
【0011】
上述の管理装置は、
前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサの検出情報に基づく当該荷物の高さを示す情報を取得する第1の高さ情報取得部と、
前記集荷物の集荷を依頼した依頼者が入力した当該集荷物の高さを示す情報を取得する第2の高さ情報取得部と、
を備え、
前記計画作成部は、前記検出センサの検出情報に基づく前記集荷物の高さと、前記依頼者が入力した前記集荷物の高さと、の差分に基づき、次回、前記集荷物を集荷する際の前記間隔を示す情報に対する前記依頼者が入力した前記集荷物の高さを示す情報を反映させる比率を変化させて、前記集荷物の集荷計画を作成することが好ましい。
【0012】
上述の管理装置において、前記ロボットを制御する制御部を備え、前記ロボットで配送される荷物である配送物を前記集配棚に収容する場合、前記制御部は、前記集配棚内における前記配送物を支持するための第3の支持部が配置される高さ位置に対して下方領域に他の支持部が存在する場合、前記集配棚内の状態を検出するために前記ロボットに搭載された検出センサで前記集配棚内における前記第3の支持部が配置される高さ位置周辺の状態を検出するように、前記ロボットを制御し、前記集配棚内における前記第3の支持部が配置される高さ位置に対して下方領域に他の支持部が存在しない場合、前記検出センサによる前記集配棚内における前記第3の支持部が配置される高さ位置周辺の状態の検出を省略することが好ましい。
【0013】
本開示の一態様に係る集配システムは、
上述の管理装置と、
前記ロボットと、
前記集配棚と、
を備える。
【0014】
本開示の一態様に係る管理方法は、集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、前記集配基地から荷物を前記ロボットで前記集配棚に配送したり、する集配システムの管理方法であって、
前記集配棚内に高さ位置を変更可能に配置され、前記荷物を支持可能な複数の支持部の高さ位置情報が紐付けられた識別情報を取得する工程と、
前記複数の支持部における前記ロボットで集荷される荷物である集荷物を支持する第1の支持部の識別情報を取得する工程と、
前記第1の支持部と、前記複数の支持部における前記第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の高さ方向の間隔を算出する工程と、
前記間隔を示す情報に基づいて、前記ロボットが前記集荷物を集荷できるように、前記集荷物の集荷計画を作成する工程と、
を備える。
【0015】
本開示の一態様に係る管理プログラムは、集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、前記集配基地から荷物を前記ロボットで前記集配棚に配送したり、する集配システムの管理プログラムであって、
前記集配棚内に高さ位置を変更可能に配置され、前記荷物を支持可能な複数の支持部の高さ位置情報が紐付けられた識別情報を取得する処理と、
前記複数の支持部における前記ロボットで集荷される荷物である集荷物を支持する第1の支持部の識別情報を取得する処理と、
前記第1の支持部と、前記複数の支持部における前記第1の支持部の直上に配置される第2の支持部と、の高さ方向の間隔を算出する処理と、
前記間隔を示す情報に基づいて、前記ロボットが前記集荷物を集荷できるように、前記集荷物の集荷計画を作成する処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示により、ロボットによる荷物の集荷効率を向上可能な、管理装置、管理方法、管理プログラム及び集配システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態1の集配システムの制御系の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1の集配システムにおいてロボットで荷物を集配棚に配送したり、ロボットで荷物を集配棚から集荷したり、する様子を示す図である。
図3】荷物を支持するトレーが集配棚のレールに支持された状態を示す図である。
図4】実施の形態1のロボットを示す側面図である。
図5】実施の形態1の集配システムを用いて荷物を集配する流れを示すフローチャート図である。
図6】実施の形態1の集配システムにおける集配棚への配送物の収容処理の流れを示すフローチャート図である。
図7】実施の形態2の集配システムにおいて集配棚に収容された荷物をロボットの検出センサで検出する様子を示す図である。
図8】実施の形態3の集配システムを用いて荷物を配送する流れを示すフローチャート図である。
図9】実施の形態4の集配システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0019】
<実施の形態1>
本実施の形態の集配システムは、集配棚に収容された荷物をロボットで集配基地に集荷したり、集配基地から荷物をロボットで集配棚に配送したり、する際に好適である。図1は、本実施の形態の集配システムの制御系の構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態の集配システムにおいてロボットで荷物を集配棚に配送したり、ロボットで荷物を集配棚から集荷したり、する様子を示す図である。図3は、荷物を支持するトレーが集配棚のレールに支持された状態を示す図である。
【0020】
なお、図2では、トレーや荷物を仮想線で示している。ここで、「集配基地」とは、配送するための荷物や集荷した荷物を保管する場所である。「集配」とは、荷物を配送したり、集荷したり、することである。
【0021】
本実施の形態の集配システム1は、図1から図3に示すように、トレー(支持部)2、集配棚3、携帯端末4、ロボット5、管理装置6及びデータベース(DB)7を備えている。これらの集配棚3と、携帯端末4と、ロボット5と、管理装置6と、DB7と、はネットワーク8を介して接続されている。ここで、ネットワーク8は、有線又は無線の通信回線、例えば、インターネットである。
【0022】
トレー2は、例えば、図2及び図3に示すように、荷物9を支持可能な平板形状を基本形態としており、トレー2の側方につば21が突出している。そして、トレー2の側面には、トレー2毎に割り振られた識別情報が記憶されたタグ22が設けられている。
【0023】
タグ22は、例えば、読み取り装置によって識別情報を読み取り可能なNFC(Near Field Communication)タグなどであればよい。トレー2は、荷物9を集配するために繰り返し用いられ、荷物9と共に集配される。
【0024】
集配棚3は、例えば、荷物9の配送地又は集荷地の代表例である当該荷物9の集配を依頼する依頼人の住居に配置されている。集配棚3は、例えば、図2及び図3に示すように、枠体31及び読み取り部32を備えている。枠体31は、例えば、枠体31を前面から見て略矩形状の枠形状を基本形態としており、枠体31の前面及び後面が開放されている。
【0025】
枠体31の内側面には、図2及び図3に示すように、複数対のレール33が枠体31の上下方向に間隔を開けて配置されている。一対のレール33は、枠体31の前後方向に延在しており、トレー2のつば21が載置されることで当該トレー2を支持する。
【0026】
つまり、複数対のレール33のうち、一対のレール33を、適宜、選択することで、トレー2が支持される高さ位置を変更することができる。複数対のレール33は、一対のレール33毎に当該レール33の高さ位置を示す情報が紐付けられた識別情報を有する。
【0027】
読み取り部32は、一対のレール33に支持された状態のトレー2のタグ22から当該トレー2の識別情報を読み取る。そのため、読み取り部32は、例えば、図2及び図3に示すように、一対のレール33毎に枠体31に固定されている。
【0028】
読み取り部32は、読み取ったトレー2の識別情報に当該トレー2を支持するレール33の高さ位置を示す情報(即ち、集配棚3内でのトレー2の高さ位置を示す情報)を紐付けてDB7に送信する。
【0029】
携帯端末4は、荷物9の集配を依頼する依頼人が所有する携帯端末であり、例えば、依頼人によって荷物9の集配希望を示す情報や荷物9の受取完了を示す情報が入力される。携帯端末4は、荷物9の集配希望を示す情報や荷物9の受取完了を示す情報をDB7に送信する。
【0030】
ここで、荷物9の集配希望を示す情報は、荷物9の集荷希望を示す情報及び荷物9の配送希望を示す情報を含む。そして、依頼人が荷物9の集荷を依頼する場合、依頼人が荷物9を集配棚3に収容した際に、携帯端末4を介して当該荷物9を支持するトレー2の識別情報を読み取り、携帯端末4が荷物9の集荷希望を示す情報に紐付けてDB7に送信するとよい。
【0031】
ロボット5は、集配基地と集配棚3との間でトレー2と共に荷物9を集配するための移動体である。本実施の形態の集配システム1では、ロボット5が複数台稼働しており、各々のロボット5が識別情報を有する。
【0032】
図4は、本実施の形態のロボットを示す側面図である。ロボット5は、例えば、図1及び図4に示すように、移動部51、収容部52、搬送機構53、検出センサ54及び制御部55を備えている。移動部51は、モータなどの駆動源によって移動する基台である。
【0033】
収容部52は、例えば、荷物9をトレー2と共に収容可能な箱体であり、図4に示すように、移動部51に固定されている。搬送機構53は、ロボット5の上下方向に天板56を昇降可能であり、且つ、荷物9をトレー2と共に収容部52から天板56に取り出して集配棚3に収容したり、集配棚3から天板56に取り出して収容部52に収容したり、することが可能な構成とされている。
【0034】
検出センサ54は、集配棚3内の状態を検出するためにロボット5の天板56に設けられている。検出センサ54は、例えば、Lidarなどのスキャンセンサで構成することができ、例えば、天板56がロボット5の上下方向に昇降することで取得した荷物9からの反射光に基づいて、荷物9を検出しつつ当該荷物9の高さを測定する。検出センサ54は、荷物9が配置された高さ位置を示す情報を含む当該荷物9の高さを示す情報をDB7に送信する。制御部55は、移動部51及び搬送機構53を制御する。
【0035】
管理装置6は、荷物9の集配を管理する。管理装置6は、図1に示すように、第1の識別情報取得部61、第2の識別情報取得部62、第3の識別情報取得部63、集配希望情報取得部64、受取完了情報取得部65、第1の高さ情報取得部66、第2の高さ情報取得部67、収容状態情報取得部68、収容状態情報更新部69、空き高さ情報取得部70、算出部71、計画作成部72、及び制御部73を備えている。
【0036】
第1の識別情報取得部61は、集配棚3内でのトレー2の高さ位置を示す情報が紐付けられた当該トレー2の識別情報を取得する。これにより、管理装置6は、常にどのトレー2が集配棚3内のどのレール33に支持されているかを認識することができる。
【0037】
第2の識別情報取得部62は、集配棚3内のトレー2のうち、集荷される荷物9を支持する集荷用トレー2aの高さ位置を示す情報が紐付けられた当該集荷用トレー2aの識別情報を取得する。
【0038】
第3の識別情報取得部63は、集配棚3内のトレー2のうち、配送される荷物9を支持する配送用トレー2bの高さ位置を示す情報が紐付けられた当該配送用トレー2bの識別情報を取得する。なお、以下の説明では、説明を明確にするために、集荷される荷物を集荷物9aとし、配送される荷物を配送物9bとし、それらの双方を含む総称として荷物9とする場合がある。
【0039】
集配希望情報取得部64は、依頼人が入力した荷物9の集配希望を示す情報を取得する。受取完了情報取得部65は、依頼人が配送物9bを受け取った際に入力した当該配送物9bの受取完了を示す情報を取得する。第1の高さ情報取得部66は、ロボット5に搭載された検出センサ54が検出した荷物9が配置された高さ位置を示す情報を含む当該荷物9の高さを示す情報を取得する。
【0040】
第2の高さ情報取得部67は、配送物9bの高さ情報を取得する。ここで、配送物9bの高さを示す情報は、例えば、集配基地で作業員が入力装置を用いて入力することができる。但し、配送物9bの高さを示す情報の取得方法は限定されない。
【0041】
収容状態情報取得部68は、集配棚3内の集荷用トレー2a及び配送用トレー2bを含むトレー2の識別情報、配送物9bの高さを示す情報、及び配送物9bの受取完了を示す情報に基づいて、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を作成して取得する。
【0042】
このとき、収容状態情報取得部68は、荷物9の集配希望を示す情報に紐付けられた集荷物9aを支持する集荷用トレー2aの識別情報に基づいて、集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間に集荷物9aが存在するものと推定して集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を作成するとよい。収容状態情報取得部68は、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報をDB7に送信する。
【0043】
収容状態情報更新部69は、ロボット5に搭載された検出センサ54が検出した荷物9が配置された高さ位置を含む当該荷物9の高さを示す情報に基づいて、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を更新する。
【0044】
つまり、依頼人が集荷物9aを集配棚3に収容したにもかかわらず、集荷物9aの集荷希望を示す情報の入力を忘れたり、依頼人が配送物9bを受け取ったにもかかわらず、受取完了を示す情報の入力を忘れたり、している場合に集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を更新する。収容状態情報更新部69は、更新した集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報をDB7に送信する。
【0045】
空き高さ情報取得部70は、ロボット5毎の収容部52の空き高さを示す情報を取得する。算出部71は、トレー2の識別情報に紐付けられた集配棚3内でのトレー2の高さ位置を示す情報に基づいて、集配棚3内の上下方向に隣接して配置されるトレー2の間隔を算出する。
【0046】
このとき、算出部71は、集荷物9aを支持する集荷用トレー2aと、当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2と、の集配棚3の上下方向の間隔を算出することになる。算出部71は、トレー2の間隔を示す情報をDB7に送信する。
【0047】
計画作成部72は、荷物9の集配計画を作成する。このとき、計画作成部72は、集荷先の集配棚3内の集荷用トレー2aを含むトレー2の識別情報、集荷先の集配棚3内のトレー2の間隔を示す情報、ロボット5の識別情報、及びロボット5毎の収容部52の空き高さを示す情報に基づいて、集荷用トレー2aと共に集荷物9aを集荷可能なロボット5を選択し、選択したロボット5が当該集荷物9aを集荷するように集荷計画を作成したり、選択したロボット5を予約したり、する。
【0048】
また、計画作成部72は、配送先の集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報、配送先の集配棚3のレール33の識別情報、配送先の集配棚3内のトレー2の識別情報、及び配送物9bの高さを示す情報に基づいて、配送物9bを配送用トレー2bと共に集配棚3内に収容可能なレール33を選択し、選択したレール33に配送物9bと共に配送用トレー2bが支持されるように配送計画を作成したり、選択したレール33を予約したり、する。
【0049】
このとき、計画作成部72は、地図情報、集配基地の位置を示す情報、及び依頼人の個人情報に含まれる住所を示す情報に基づいて、ロボット5が集配基地と集配棚3との間を移動する往路及び復路の移動経路を作成し、ロボット5の移動経路を示す情報を荷物9の集配計画を示す情報に含めてDB7に送信する。
【0050】
また、計画作成部72は、選択したロボット5の識別情報及び選択したレール33の識別情報をDB7に送信する。ここで、計画作成部72は、荷物9の集配計画を作成する毎にロボット5毎の収容部52の空き高さを示す情報を更新するとよい。制御部73は、荷物9の集配計画を示す情報に基づいて、ロボット5を制御して荷物9を集配する。
【0051】
DB7は、集配棚3内の集荷用トレー2a及び配送用トレー2bを含むトレー2の識別情報、集配棚3のレール33の識別情報、選択した集配棚3のレール33の識別情報、集配棚3内のトレー2の間隔を示す情報、配送物9bの高さを示す情報、荷物9の集配希望を示す情報を格納する。
【0052】
また、DB7は、配送物9bの受取完了を示す情報、ロボット5の識別情報、選択したロボット5の識別情報、ロボット5の検出センサ54が検出した集配棚3に収容された荷物9の高さを示す情報、ロボット5の空き高さを示す情報、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報、荷物9の集配計画を示す情報、地図情報、及び依頼人の個人情報を格納する。
【0053】
次に、本実施の形態の集配システム1を用いて荷物9を集配する流れを説明する。図5は、本実施の形態の集配システムを用いて荷物を集配する流れを示すフローチャート図である。
【0054】
ここで、依頼人が荷物9の集配依頼を示す情報を入力し、管理装置6の収容状態情報取得部68が集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を作成しているものとする。先ず、管理装置6の計画作成部72は、荷物9の集配計画を作成すると共にロボット5の移動経路を作成し、ロボット5の移動経路を示す情報を荷物9の集配計画を示す情報に含めてDB7に送信する(S1)。
【0055】
詳細には、配送物9bを配送する場合、管理装置6の計画作成部72は、DB7から取得した配送先の集配棚3のレール33の識別情報、配送先の集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報、配送先の集配棚3内のトレー2の識別情報、及び配送物9bの高さを示す情報に基づいて、配送物9bを配送用トレー2bと共に集配棚3に収容可能な当該集配棚3のレール33を選択し、選択したレール33に配送物9bと共に配送用トレー2bが支持されるように配送計画を作成する。
【0056】
つまり、管理装置6の計画作成部72は、配送先の集配棚3内のトレー2の間隔内の荷物9が収容されていない領域に配送物9bが収容されるように、配送物9bと共に配送用トレー2bを支持するレール33を選択する。
【0057】
一方、集荷物9aを集荷する場合、管理装置6の計画作成部72は、DB7から取得した集荷先の集配棚3内のトレー2の識別情報、集荷先の集配棚3内のトレー2の間隔を示す情報、ロボット5の識別情報、及びロボット5の空き高さを示す情報に基づいて、集荷用トレー2aと共に集荷物9aを集荷可能なロボット5を選択し、選択したロボット5が当該集荷物9aを集荷するように集荷計画を作成する。
【0058】
つまり、管理装置6の計画作成部72は、複数のロボット5のうち、集荷用トレー2aと、当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2と、の間隔に対して高い空き高さを収容部52に有するロボット5を選択する。このとき、収容部52の空き高さは、例えば、少なくとも当該間隔に集荷用トレー2aの高さを加えた高さが確保されていればよい。
【0059】
このとき、管理装置6の計画作成部72は、地図情報、集配基地の位置を示す情報、及び依頼人の個人情報に含まれる住所を示す情報に基づいて、ロボット5が集配基地と集配棚3との間を移動する往路及び復路の移動経路を作成し、ロボット5の移動経路を示す情報を荷物9の集配計画を示す情報に含めてDB7に送信する。
【0060】
次に、配送物9bを配送する場合、管理装置6の計画作成部72は、選択したレール33の識別情報をDB7に送信して当該レール33を予約する(S2)。そして、集荷物9aを集荷する場合、計画作成部72は、選択したロボット5の識別情報をDB7に送信して当該ロボット5を予約する(S3)。
【0061】
次に、管理装置6の制御部73は、荷物9の集配計画を示す情報に含められたロボット5の移動経路を示す情報に基づいて、ロボット5の制御部55を介して移動部51を制御し、ロボット5を集配棚3に到着させる(S4)。このとき、配送物9bを配送する場合、ロボット5は、配送用トレー2bと共に配送物9bをロボット5の収容部52に収容した状態で当該配送物9bを配送する。
【0062】
次に、管理装置6の制御部73は、ロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御して天板56を上昇させ、検出センサ54で集配棚3内の荷物9を検出させる(S5)。つまり、検出センサ54で集配棚3の下側から上側まで荷物9をスキャンする。ロボット5は、検出した荷物9が配置された高さ位置を示す情報を含む当該荷物9の高さを示す情報をDB7に送信する。
【0063】
次に、管理装置6の収容状態情報更新部69は、DB7から取得したロボット5の検出センサ54が検出した荷物9が配置された高さ位置を示す情報を含む当該荷物9の高さを示す情報に基づいて、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を更新する(S6)。
【0064】
これにより、例えば、依頼人が集荷物9aを集配棚3に収容したにもかかわらず、集荷依頼を示す情報の入力を忘れたり、依頼人が配送物9bを受け取ったにもかかわらず、受取完了を示す情報の入力を忘れたり、していても、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を正確に把握することができる。収容状態情報更新部69は、更新した集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報をDB7に送信する。
【0065】
次に、管理装置6の制御部73は、配送物9bがあるか否かを判定する(S7)。つまり、制御部73は、依頼人の依頼内容に配送物9bの配送があるか否かを判定する。依頼人の依頼内容に配送物9bの配送がある場合(S7のYES)、集配棚3への配送物9bの収容処理を実行する(S8)。
【0066】
図6は、本実施の形態の集配システムにおける集配棚への配送物の収容処理の流れを示すフローチャート図である。先ず、管理装置6の計画作成部72は、DB7から取得した更新された配送先の集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報、配送先の集配棚3のレール33の識別情報、配送先の集配棚3内のトレー2の識別情報、及び選択したレール33の識別情報に基づいて、選択したレール33に配送物9bと共に配送用トレー2bを支持させることが可能か否かを判定する(S81)。
【0067】
選択したレール33に配送物9bと共に配送用トレー2bを支持させることが可能な場合(S81のYES)、管理装置6の制御部73は、選択したレール33の識別情報に紐付けられた当該レール33の高さ位置を示す情報に基づいて、ロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御し、当該搬送機構53に配送物9bと共に配送用トレー2bをロボット5の収容部52から天板56に取り出させる。
【0068】
そして、管理装置6の制御部73は、ロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御し、天板56を上昇させ、天板56から集配棚3の選択したレール33に配送用トレー2bが支持されるように、当該配送用トレー2bと共に配送物9bを集配棚3に収容させる(S82)。
【0069】
一方、選択したレール33に配送物9bと共に配送用トレー2bを支持させることが不可能な場合(S81のNO)、管理装置6の計画作成部72は、DB7から取得した更新された配送先の集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報、配送先の集配棚3のレール33の識別情報、配送先の集配棚3内のトレー2の識別情報、及び配送物9bの高さを示す情報に基づいて、再度、配送物9bを配送用トレー2bと共に集配棚3に収容可能な当該集配棚3のレール33を選択できるか否かを判定する(S83)。つまり、計画作成部72は、再度、配送物9bの配送計画を作成できるか否かを判定する。
【0070】
集配棚3のレール33を再選択できる場合(S83のYES)、管理装置6の計画作成部72は、選択したレール33の識別情報をDB7に送信する。そして、制御部73は、S82の工程に移行する。一方、集配棚3のレール33を再選択できない場合(S83のNO)、配送物9bの配送を諦め、制御部73はロボット5を制御し、当該ロボット5に配送物9bを集配基地に持ち帰らせる(S84)。
【0071】
説明を図5に戻し、配送物9bがない場合(S7のNO)、又は配送物9bの配送が完了した後、管理装置6の制御部73は、集荷物9aがあるか否かを判定する(S9)。つまり、制御部73は、依頼人の依頼内容に集荷物9aの集荷があるか否かを判定する。依頼人の依頼内容に集荷物9aの集荷がある場合(S9のYES)、集配棚3から集荷物9aの集荷処理を実行する(S10)。
【0072】
つまり、管理装置6の制御部73は、DB7から取得した集荷用トレー2aの識別情報に紐付けられた当該集荷用トレー2aの高さ位置を示す情報に基づいて、選択したロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御し、当該搬送機構53に集荷物9aと共に集荷用トレー2aを集配棚3から天板56に取り出させ、さらに天板56を下降させて当該天板56から集荷用トレー2aと共に集荷物9aを収容部52に収容させる。
【0073】
このとき、集配棚3内では、集荷物9aが集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間に必ず収まっているため、ロボット5の収容部52に集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間隔に対して高い空き高さが確保されている場合、集荷用トレー2aと共に集荷物9aを確実に収容部52に収容することができる。
【0074】
その後、管理装置6の制御部73は、荷物9の集配計画を示す情報に含められたロボット5の移動経路を示す情報に基づいて、ロボット5の制御部55を介して移動部51を制御し、ロボット5を集配基地に帰還させる。これにより、荷物9の集配処理が完了する。
【0075】
このように本実施の形態の集配システム1、管理装置6及び管理方法は、集荷物9aを集荷する際に、集荷用トレー2aと、当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2と、の間隔に対して高い空き高さを収容部52に有するロボット5を選択する。
【0076】
このとき、集配棚3内では、集荷物9aが集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間に必ず収まっているため、ロボット5の収容部52に集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間隔に対して高い空き高さが確保されている場合、集荷用トレー2aと共に集荷物9aを確実に収容部52に収容することができる。そのため、例えば、ロボット5が集荷物9aを集荷先で集荷できずに集配基地に帰還することを抑制でき、ロボット5による荷物9の集配効率を向上することができる。
【0077】
しかも、本実施の形態の集配システム1、管理装置6及び管理方法は、ロボット5の検出センサ54の検出結果に基づいて、集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を更新する。そのため、例えば、依頼人が集荷物9aを集配棚3に収容したにもかかわらず、集荷依頼を示す情報の入力を忘れても、ロボット5が集配棚3内の集荷物9aが収容された領域に配送物9bの収容を試みることを抑制できる。
【0078】
なお、上記実施の形態では、管理装置6の収容状態情報取得部68が集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を取得したり、収容状態情報更新部69がロボット5の検出センサ54の検出情報に基づいて集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報を更新したり、しているが、管理装置6の収容状態情報取得部68や収容状態情報更新部69、及びロボット5の検出センサ54を省略してもよい。
【0079】
また、上記実施の形態でのS2の工程とS3の工程とは、前後の順序が逆でもよく、S7及びS8の工程とS9及びS10の工程とは、前後の順序が逆でもよい。さらに、上記実施の形態では、荷物9を集配する流れを説明しているが、集荷物9aを集荷する工程と、配送物9bを配送する工程と、が別でもよい。
【0080】
<実施の形態2>
図7は、本実施の形態の集配システムにおいて集配棚に収容された荷物をロボットの検出センサで検出する様子を示す図である。なお、図7では、図を簡略化して示しており、読み取り部32やレール33を省略している。本実施の形態では、ロボット5の検出センサ54が集配棚3内の荷物9を検出する際の効率化を図っている。
【0081】
詳細には、例えば、管理装置6の制御部73は、荷物9が集配棚3に収容された状態で、配送物9bを集配棚3で当該集配棚3に収容された荷物9に対して上側に収容する際に、図7に示すように、ロボット5が配送物9bを上昇させつつ、検出センサ54で集配棚3に収容された荷物9を検出するように、ロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御する。
【0082】
これにより、配送物9bの上昇と共に、集配棚3に収容された荷物9の検出を同時に行うことができ、ロボット5の検出センサ54が集配棚3内の荷物9を検出する際の効率を向上させることができる。このとき、配送物9bが集配棚3に収容された荷物9に対して上側に配置されるように、配送物9bの配送計画が作成されるとよい。
【0083】
<実施の形態3>
図8は、本実施の形態の集配システムを用いて荷物を配送する流れを示すフローチャート図である。本実施の形態でも、ロボット5の検出センサ54が集配棚3内の荷物9を検出する際の効率化を図っている。
【0084】
詳細には、本実施の形態において、管理装置6が配送物9bの配送計画を作成(S21)し、集配棚3内における配送物9bと共に配送用トレー2bを支持するレール33を予約(S22)し、集配棚3にロボット5を移動(S23)させるまでの流れは、実施の形態1と同様である。
【0085】
次に、管理装置6の制御部73は、配送先の集配棚3内のトレー2の識別情報、配送先の集配棚3のレール33の識別情報、及び予約したレール33の識別情報に基づいて、集配棚3における予約したレール33に対して下方領域にトレー2が存在するか否かを判定する(S24)。
【0086】
予約したレール33に対して下方領域にトレー2が存在しない場合(S24のNO)、管理装置6の制御部73は、ロボット5の検出センサ54による集配棚3内の荷物9の検出を省略し、選択したレール33の識別情報に紐付けられた当該レール33の高さ位置を示す情報に基づいて、ロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御し、当該搬送機構53に配送物9bと共に配送用トレー2bが予約したレール33に支持されるように当該配送物9bを集配棚3に収容させる(S25)。
【0087】
つまり、予約したレール33に対して下方領域にトレー2が存在しない場合、予約したレール33に対して下方領域に荷物9が存在しないことは明らかであり、配送物9bを集配棚3に収容できることは自明である。そのため、ロボット5の検出センサ54による集配棚3内の荷物9の検出を省略し、ロボット5の検出センサ54が集配棚3内の荷物9を検出する際の効率を向上させることができる。
【0088】
一方、予約したレール33に対して下方領域にトレー2が存在する場合(S24のYES)、管理装置6の制御部73は、ロボット5の制御部55を介して搬送機構53を制御し、検出センサ54で集配棚3内における予約したレール33の高さ位置周辺の状態を検出させる(S26)。
【0089】
そして、管理装置6の制御部73は、集配棚3における予約したレール33の高さ位置周辺にトレー2や荷物9が存在しない、即ち、予約したレール33の高さ位置が空いているか否かを判定する(S27)。予約したレール33の高さ位置が空いている場合(S27のYES)、制御部73は、S25の工程に移行する。
【0090】
一方、予約したレール33の高さ位置が空いていない場合(S27のNO)、管理装置6の計画作成部72は、DB7から取得した配送先の集配棚3内の荷物9の収容状態を示す情報、配送先の集配棚3のレール33の識別情報、配送先の集配棚3内のトレー2の識別情報、及び配送物9bの高さを示す情報に基づいて、再度、配送物9bを配送用トレー2bと共に集配棚3に収容可能な当該集配棚3のレール33を選択できるか否かを判定する(S28)。つまり、計画作成部72は、再度、配送物9bの配送計画を作成できるか否かを判定する。
【0091】
集配棚3のレール33を再選択できる場合(S28のYES)、管理装置6の計画作成部72は、選択したレール33の識別情報をDB7に送信する。そして、制御部73は、S25の工程に移行する。一方、集配棚3のレール33を再選択できない場合(S28のNO)、配送物9bの配送を諦め、制御部73はロボット5を制御し、当該ロボット5に配送物9bを集配基地に持ち帰らせる(S29)。
【0092】
上述のように予約したレール33に対して下方領域にトレー2が存在しない場合、予約したレール33に対して下方領域に荷物9が存在しないことは明らかであり、配送物9bを集配棚3に収容できることは自明である。
【0093】
そのため、ロボット5の検出センサ54による集配棚3内の荷物9の検出を省略し、ロボット5の検出センサ54が集配棚3内の荷物9を検出する際の効率を向上させることができる。ちなみに、本実施の形態では、実施の形態1の収容状態情報更新部69を省略してもよい。
【0094】
<実施の形態4>
実施の形態1などでは、集荷物9aを集荷する際に、集荷用トレー2aと、当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2と、の間隔に対して高い空き高さを収容部52に有するロボット5を選択している。
【0095】
このとき、集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間隔に対して集荷物9aが低い場合、ロボット5の収容部52に無駄な空き高さが生じる。そこで、本実施の形態では、ロボット5の収容部52の無駄な空き高さの低減を実現している。
【0096】
図9は、本実施の形態の集配システムの制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態の集配システム101は、図9に示すように、集荷物9aの集荷を依頼する依頼者が携帯端末4を介して入力した集荷物9aの高さを示す情報を取得する第3の高さ情報取得部102を備えている。なお、本実施の形態の集配システム101は、実施の形態1の集配システム1と略等しい構成とされているため、実施の形態1などと等しい要素には、等しい符号を用いて説明する。
【0097】
ここで、依頼者が携帯端末4を介して入力した集荷物9aの高さを示す情報は、不正確な場合があり、依頼者が携帯端末4を介して入力した集荷物9aの高さを示す情報のみに基づいて、ロボット5を選択した場合、集荷物9aをロボット5に集荷できない場合がある。
【0098】
そこで、本実施の形態の管理装置103の計画作成部104は、ロボット5の検出センサ54の検出情報に基づく集荷物9aの高さと、依頼者が入力した集荷物9aの高さと、の差分に基づき、次回、集荷物9aを集荷する際の集荷用トレー2aと当該集荷用トレー2aの直上に配置されたトレー2との間隔を示す情報に対する依頼者が入力した集荷物9aの高さを示す情報を反映させる比率(即ち、信頼度)を変化させて、集荷物9aの集荷計画を作成する。
【0099】
なお、反映させる比率は、例えば、ロボット5の検出センサ54の検出情報に基づく集荷物9aの高さに対する当該ロボット5の検出センサ54の検出情報に基づく集荷物9aの高さと依頼者が入力した集荷物9aの高さとの差分の割合、及び依頼者が集荷物9aの集荷を依頼した回数などに基づいて算出することができる。
【0100】
このように集荷物9aの集荷計画を作成する際に依頼者が入力した集荷物9aの高さを示す情報を反映させる比率を変化させることで、ロボット5による集荷物9aの集荷不能を抑制しつつ、ロボット5の収容部52の無駄な空き高さの低減を実現することができる。
【0101】
<他の実施の形態>
上記実施の形態では、トレー2を用いて荷物9を支持しているが、収容箱などの内部に荷物9を収容することで当該荷物9を支持してもよい。また、上記実施の形態では、複数対のレール33によって集配棚3内で高さ位置を変更可能にトレー2を支持しているが、荷物9を支持する支持部を集配棚3内で高さ位置を変更可能に支持することができる構成であればよい。
【0102】
上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。つまり、処理装置を構成する制御コンピュータがプログラムを実行することで、上記の処理装置の制御が実行される。上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施の形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0103】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 集配システム
2 トレー、2a 集荷用トレー、2b 配送用トレー
21 つば、22 タグ
3 集配棚
31 枠体、32 読み取り部、33 レール
4 携帯端末
5 ロボット
51 移動部、52 収容部、53 搬送機構、54 検出センサ、55 制御部、56 天板
6 管理装置
61 第1の識別情報取得部、62 第2の識別情報取得部、63 第3の識別情報取得部、64 集配希望情報取得部、65 受取完了情報取得部、66 第1の高さ情報取得部、67 第2の高さ情報取得部、68 収容状態情報取得部、69 収容状態情報更新部、70 空き高さ情報取得部、71 算出部、72 計画作成部、73 制御部
8 ネットワーク
9 荷物、9a 集荷物、9b 配送物
101 集配システム
102 第3の高さ情報取得部
103 管理装置
104 計画作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9