IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中部電力株式会社の特許一覧 ▶ 中部電力パワーグリッド株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-腐食抑制方法 図1
  • 特開-腐食抑制方法 図2
  • 特開-腐食抑制方法 図3
  • 特開-腐食抑制方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175794
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】腐食抑制方法
(51)【国際特許分類】
   C23F 15/00 20060101AFI20241212BHJP
   C23F 13/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
C23F15/00
C23F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093808
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520320446
【氏名又は名称】中部電力パワーグリッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榊 嘉範
(72)【発明者】
【氏名】小川 友也
(72)【発明者】
【氏名】主谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】田崎 惟
【テーマコード(参考)】
4K060
4K062
【Fターム(参考)】
4K060AA02
4K060BA12
4K060BA39
4K060DA01
4K060EA20
4K060EB01
4K062AA05
4K062CA10
4K062DA07
4K062EA08
(57)【要約】
【課題】金属からなる部材の腐食を抑制する。
【解決手段】支持金具30と、支持金具30よりもイオン化傾向が大きい金属からなるクリート21の腐食を抑制する腐食抑制方法は、支持金具30とクリート21の間に絶縁シート40を介在させて、支持金具30とクリート21の異種金属接触を避けるとともに、絶縁シート40は、クリート21の台座22Bより大きく、台座22Bの外周部から突出するシート外縁部40Aにより、支持金具30からクリート21に対してシート外縁部40Aを迂回して流れる迂回電流を抑制する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属部材と、前記第1金属部材よりもイオン化傾向が大きい金属からなる第2金属部材の腐食を抑制する腐食抑制方法であって、
前記第1金属部材と前記第2金属部材の間に絶縁シートを介在させて、前記第1金属部材と前記第2金属部材の異種金属接触を避けるとともに、
前記絶縁シートは、前記第2金属部材より大きく、前記第2金属部材の外周部から突出するシート外縁部により、前記第1金属部材から前記第2金属部材に対して前記シート外縁部を迂回して流れる迂回電流を抑制する、腐食抑制方法。
【請求項2】
請求項1に記載の腐食抑制方法であって、
前記第1金属部材と前記第2金属部材の両方を貫通するボルトと、前記ボルトに螺合するナットにより、前記第1金属部材と前記第2金属部材を固定し、
「前記ボルトの頭部と前記第1金属部材との間」および「前記ナットと前記第2金属部材との間」のうち、少なくともいずれか一方に介挿した絶縁ワッシャにより、前記ボルトの頭部と前記第1金属部材の第1界面に流れる第1電流、および、前記ナットと前記第2金属部材の第2界面に流れる第2電流のうち、少なくともいずれか一方の電流を遮断する、腐食抑制方法。
【請求項3】
請求項2に記載の腐食抑制方法であって、
前記ボルトの軸部を被覆する絶縁スリーブにより、前記第1金属部材から前記第2金属部材への、前記軸部を介した第3電流を遮断する、腐食抑制方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の腐食抑制方法であって、
前記第2金属部材は、前記第2金属部材よりもイオン化傾向の大きな犠牲陽極により防食されている、腐食抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されているように、人孔(マンホール)内でケーブルを固定する場合、ケーブルを拘束する支持部材(クリート)や、クリートを支持する支持架台(支持金具)が用いられる。支持部材と支持架台が異種金属からなる場合、異種金属接触により、腐食が発生する。
【0003】
特許文献1には、人孔内に2以上の異なる金属からなる部材が配置される場合において、異なる金属からなる部材同士が接触する部分、および異なる金属からなる部材のうちイオン化傾向の相対的に小さい方の部材の間、のうち少なくとも一方を縁切りする工程を備える、人孔内部の腐食防止方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-205026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の腐食防止方法では、マンホール内に水が流入して各部材が水没した場合、水を介して部材間に電流が流れ、腐食が進行する可能性がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、金属からなる部材の腐食を抑制する腐食抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1金属部材と、前記第1金属部材よりもイオン化傾向が大きい金属からなる第2金属部材の腐食を抑制する腐食抑制方法は、前記第1金属部材と前記第2金属部材の間に絶縁シートを介在させて、前記第1金属部材と前記第2金属部材の異種金属接触を避けるとともに、前記絶縁シートは、前記第2金属部材より大きく、前記第2金属部材の外周部から突出するシート外縁部により、前記第1金属部材から前記第2金属部材に対して前記シート外縁部を迂回して流れる迂回電流を抑制する。
【0008】
上記(1)のようにすると、第2金属部材の外周部から突出したシート外縁部により、水没時に第1金属部材から第2金属部材に流れる電流(イオン化傾向の相違により流れる電流)の迂回経路が長くなり、迂回経路の抵抗値が大きくなる。迂回経路の抵抗値が大きくなることで、迂回電流が流れにくくなり、迂回電流に起因する腐食を抑制できる。
【0009】
なお、本明細書において、迂回経路とは、第1金属部材から第2金属部材に流れる電流の経路であって、金属部材同士の接触箇所以外の経路をいう。また、迂回電流とは、迂回経路を通って、第1金属部材から第2金属部材に流れる電流をいう。
【0010】
(2)上記(1)に記載の腐食抑制方法において、前記第1金属部材と前記第2金属部材の両方を貫通するボルトと、前記ボルトに螺合するナットにより、前記第1金属部材と前記第2金属部材を固定し、「前記ボルトの頭部と前記第1金属部材との間」および「前記ナットと前記第2金属部材との間」のうち、少なくともいずれか一方に介挿した絶縁ワッシャにより、前記ボルトの頭部と前記第1金属部材の第1界面に流れる第1電流、および、前記ナットと前記第2金属部材の第2界面に流れる第2電流のうち、少なくともいずれか一方の電流を遮断してもよい。
【0011】
上記(2)のようにすると、第1金属部材から第2金属部材への、ボルトおよびナットを介した電流が遮断されるため、腐食を抑制できる。
【0012】
(3)上記(2)に記載の腐食抑制方法において、前記ボルトの軸部を被覆する絶縁スリーブにより、前記第1金属部材から前記第2金属部材への、前記軸部を介した第3電流を遮断してもよい。
【0013】
上記(3)のようにすると、第1金属部材から第2金属部材への、軸部を介した電流が遮断されるため、腐食を抑制できる。
【0014】
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の腐食抑制方法は、前記第2金属部材は、前記第2金属部材よりもイオン化傾向の大きな犠牲陽極により防食されていてもよい。
【0015】
上記(4)のようにすると、第1金属部材と、第2金属部材と、犠牲陽極のうち、最もイオン化傾向の大きな犠牲陽極から先に腐食するため、第1金属部材と第2金属部材の腐食を抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、金属からなる部材の腐食を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ケーブル固定具の側面図
図2】ケーブル固定具の平面図
図3】ボルトおよびナットの分解図
図4】ケーブル固定具の部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.発明の実施の形態
図1は、本発明の実施形態に係る腐食抑制方法を適用したマンホールMH内を示す側面図である。地中に設けられたマンホールMH内には、立金物11が立設されている。立金物11には、ケーブル10を固定するケーブル固定具20が取り付けられている。図1中の上下方向は、マンホールMH内における上下方向を示している。また、ケーブル10は、図1の紙面に垂直な方向に延在している。
【0019】
ケーブル10は、地中およびマンホールMH内に敷設される地中線ケーブルである。ケーブル固定具20は、ケーブル10を拘束するクリート(特許請求の範囲の「第2金属部材」の一例)21と、クリート21を下方から支持する支持金具(特許請求の範囲の「第1金属部材」の一例)30と、クリート21と支持金具30との間に介在する絶縁シート40と、を有している。
【0020】
クリート21は、下部フレーム22と、上部フレーム23とを有している。下部フレーム22と上部フレーム23とは、ボルト24の締付により、導通した状態で固定されている。下部フレーム22は、台座22Bと、台座22Bの上方において上端が上向きに開いた半円状の凹部22Aと、を有している。上部フレーム23は、下端が下向きに開いた半円状の凹部23Aを有している。ケーブル10は、凹部22Aと凹部23Aとの間で挟み込まれることにより、クリート21に拘束される。
【0021】
台座22Bは平面視で略六角形の板状をしている(図1図2参照)。台座22Bは、座面22Cにおいて絶縁シート40と接している。クリート21を構成する下部フレーム22と上部フレーム23の材質は同一であり、その材質は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金である。台座22Bの平面視形状は略六角形のほか、六角形以外の多角形、円形、楕円形等の他の形状であってもよい。
【0022】
支持金具30は、全体として矩形板状の形状をしている。支持金具30は、立金物11の側方において、板面が上下方向を向く姿勢で固定されている。支持金具30の上側の板面である上面30Aは、凹凸のない平面状に形成されており、下部フレーム22の座面22Cとは絶縁シート40を挟んで対向している。支持金具30は、クリート21とは異なる種類の金属からなり、クリート21よりもイオン化傾向が小さい。支持金具30の素材としては、ステンレス、または、亜鉛メッキされたスチールを例示できる。
【0023】
下部フレーム22と上部フレーム23とを固定している2つのボルト24のうちの一方には、L字形の取付金具61が共締めされている。取付金具61には、犠牲陽極60が取り付けられており、下部フレーム22と犠牲陽極60とは、取付金具61を介して電気的に接続されている。犠牲陽極60は、下部フレーム22よりもイオン化傾向が大きい金属からなる。犠牲陽極60の素材として、マグネシウム合金を例示できる。
【0024】
クリート21と、支持金具30と、犠牲陽極60の3つの部材のうち、イオン化傾向が最も大きい部材は、犠牲陽極60である。2番目にイオン化傾向が大きい部材は、クリート21である。イオン化傾向が最も小さい部材は、支持金具30である。クリート21は、犠牲陽極60と電気的に接続されているため、クリート21と犠牲陽極60では、イオン化傾向の大きな犠牲陽極60から先に腐食する。これにより、クリート21を防食して腐食を抑制できる。
【0025】
絶縁シート40は、下部フレーム22の座面22Cと、支持金具30の上面30Aとの間に設けられている。絶縁シート40は、樹脂などの絶縁材料からなる平面視矩形のシートである。具体的な絶縁シート40の素材としては、PTFE(polytetrafluoroethylene)や、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)を例示できる。絶縁シート40の上面は座面22Cに接しており、絶縁シート40の下面は、支持金具30の上面30Aに接している。絶縁シート40が、クリート21と支持金具30との間に介在することにより、クリート21と支持金具30の異種金属接触を回避している。
【0026】
図2は、絶縁シート40と台座22Bの、相対的な大きさ及び位置関係を示す平面図である。図2では、台座22Bより上方の構造物や、後述するボルト50、ナット51等は図示省略している。
【0027】
図2に示すように、支持金具30の上面30Aは平面視で略長方形である。絶縁シート40は、上面30Aの中央付近を上方から覆うように配置されている。支持金具30の表面(上面30Aだけでなく、側面や下面も含む)のうち、絶縁シート40で覆われていない部分は、金属が露出している。
【0028】
図2に示すように、絶縁シート40は、台座22Bよりも大きいサイズに形成されている。台座22Bは、絶縁シート40よりも外側にはみ出さないように、絶縁シート40の外縁であるシート外縁部40Aよりも内側に載置される。シート外縁部40Aは、台座22Bの外周部のどの部分よりも外側に突出している。台座22Bの外周部と、支持金具30の表面のうち金属が露出している部分との間は、絶縁シート40で覆われている。
【0029】
支持金具30の上面30Aと台座22B(クリート21)との間に絶縁シート40が介在しているため、異種金属接触を避けることができる。しかし、異種金属接触していなくても、例えばマンホールMHに水が侵入した場合には、支持金具30からクリート21に水を介して迂回電流が流れ、クリート21が腐食する可能性がある。特に、侵入した水が電気伝導率の高い海水であれば、迂回電流が流れる懸念が高まる。
【0030】
本実施形態の構成では、支持金具30と台座22Bの間には、図4に示す迂回経路A1が形成される可能性がある。迂回経路A1は、支持金具30の上面30Aのうち、絶縁シート40で覆われていない部分と、台座22Bとを結ぶ経路である。迂回経路A1は、台座22Bの外周部から突出したシート外縁部40Aを越える経路である。
【0031】
なお、絶縁シート40のシート外縁部40Aが台座22Bの外周部から突出していない場合、言い換えると、台座22Bの外周部の直下に、絶縁シート40の端部が位置する場合の迂回電流の経路は、迂回経路A2になる。迂回経路A1は、シート外縁部40Aを越える分、迂回経路A2よりも経路長が長くなるため、迂回経路A2よりも抵抗値が大きい。迂回経路A1の抵抗値が大きいと、迂回電流が流れにくくなり、迂回電流に起因する腐食を抑制できる。
【0032】
図2に示すように、台座22B、絶縁シート40、支持金具30には、平面視で重なる位置に、それぞれ上下方向に貫通する孔が空けられており、各孔を重ねた状態で1つの貫通孔52を形成する。図1に示すように、貫通孔52に挿通されたボルト(特許請求の範囲の「ボルト」の一例)50と、ボルト50と螺合したナット(特許請求の範囲の「ナット」の一例)51によって、支持金具30に対してクリート21が固定される。
【0033】
支持金具30に対してクリート21を固定するボルト50及びその周辺構造について図3図4を参照して説明する。図3は、ボルト50と、ナット51と、それらの間に配置される部材の配置を示す分解図である。図4は、図1のボルト50周辺を拡大した図である。
【0034】
図3に示すように、ボルト50の軸部50Aには、軸部50Aの側面を被覆する筒状の絶縁スリーブ62が装着される。絶縁スリーブ62は電流を通さない絶縁材料からなる。絶縁スリーブ62の素材としては、PTFEやナイロンを例示できる。
【0035】
図4に示すように、ボルト50を用いて支持金具30に台座22B固定した状態では、絶縁スリーブ62は、軸部50Aと、貫通孔52の内壁との間に介在している。絶縁スリーブ62は、貫通孔52内において、軸部50Aと台座22Bの間、および、軸部50Aと支持金具30との間を、それぞれ電気的に絶縁している。
【0036】
絶縁スリーブ62によって、支持金具30から台座22B(クリート21)への、軸部50Aを介した第3電流I3を遮断することができる。これにより、クリート21の腐食を抑制できる。
【0037】
図3に示すように、絶縁スリーブ62が装着された軸部50Aには、第1絶縁ワッシャ(特許請求の範囲の「絶縁ワッシャ」の一例)64と、第1絶縁ワッシャ64を挟み込むように金属ワッシャ63、65が挿通される。第1絶縁ワッシャ64は絶縁材料からなるワッシャである。第1絶縁ワッシャ64の素材としては、PTFEやFRP等を例示できる。
【0038】
図4に示すように、支持金具30とクリート21を固定した状態では、ワッシャ群63~65は、ボルト50の頭部50Bと支持金具30の間で挟み込まれている。頭部50Bと支持金具30との間に介挿された第1絶縁ワッシャ64により、頭部50Bと支持金具30の間の第1界面71に流れる第1電流I1は遮断される。
【0039】
図3に示すように、ナット51と、台座22Bとの間の軸部50Aには、第2絶縁ワッシャ(特許請求の範囲の「絶縁ワッシャ」の一例)66、金属ワッシャ67が挿通される。第2絶縁ワッシャ66は、第1絶縁ワッシャ64と同様に、PTFEやFRP等の絶縁材料からなる。
【0040】
図4に示すように、支持金具30とクリート21を固定した状態では、ワッシャ群66~67は、ナット51と台座22Bとの間で挟み込まれている。ナット51と台座22Bとの間に介挿された第2絶縁ワッシャ66により、ナット51と台座22Bの間の第2界面72に流れる第2電流I2は遮断される。
【0041】
第1電流I1または第2電流I2のうち、少なくとも一方の電流を遮断することにより、支持金具30からクリート21に流れる電流を抑制して、腐食を抑制できる。
【0042】
金属ワッシャ63、65は、第1絶縁ワッシャ64の上下両側に配置されている。また、金属ワッシャ67は、ナット51と第2絶縁ワッシャ66との間に配置されている。金属ワッシャ63、65、67は、例えばステンレス製であり、一般的なワッシャの役割(食い込み防止、緩み止め等)のほか、絶縁ワッシャ64、66を傷や変形から保護する役割を有している。
【0043】
2.効果
本発明によれば、クリート21の台座22Bの外周部から突出したシート外縁部40Aにより、水没時に支持金具30からクリート21に流れる電流(イオン化傾向の相違により流れる電流)の迂回経路A1が長くなり、迂回経路A1の抵抗値が大きくなる。迂回経路A1の抵抗値が大きくなることで、迂回電流が流れにくくなり、迂回電流に起因する腐食を抑制できる。
【0044】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、クリート21に防食のための犠牲陽極60が取付けられている場合を例示したが、犠牲陽極60は取り付けられていなくてもよい。
【0045】
(2)上記実施形態では、マンホールMH内のケーブル固定具20を例示して説明したが、ケーブル固定具20は、マンホールMH以外の場所に取り付けられていてもよい。
【0046】
(3)上記実施形態では、第1部材(支持金具30)よりも第2部材(クリート21)の方がイオン化傾向が大きい場合を例示して説明したが、イオン化傾向の大小は逆であってもよい。
【0047】
(4)上記実施形態では、ボルト50の頭部50Bが支持金具30側に、ナット51が台座22B側にある場合について例示したが、ボルト50とナット51の位置は入れ替えてもよい。
【0048】
(5)上記実施形態では、第1絶縁ワッシャ64と第2絶縁ワッシャ66の両方を介挿した場合を例示したが、介挿する絶縁ワッシャはいずれか一方であってもよい。
【0049】
(6)上記実施形態では、絶縁シート40が矩形である場合を例示したが、絶縁シート40の形状は矩形に限られない。例えば、円形や楕円形、矩形以外の多角形でもよいし、台座22Bと相似形であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
21:クリート、22B:台座、22C:座面、30:支持金具、30A:上面、40:絶縁シート、40A:シート外縁部、50:ボルト、50A:軸部、50B:頭部、51:ナット、52:貫通孔、62:絶縁スリーブ、63、65、67:金属ワッシャ、64:第1絶縁ワッシャ、66:第2絶縁ワッシャ、71:第1界面、72:第2界面、A1:迂回経路、A2:迂回経路、I1:第1電流、I2:第2電流、I3:第3電流
図1
図2
図3
図4