(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175805
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】検査装置、検査方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A61F13/15 360
A61F13/15 390
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093830
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 猛史
(72)【発明者】
【氏名】篠木 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英聡
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200EA27
3B200EA30
(57)【要約】
【課題】本発明は、被検査物の形状を正確に測定し、不適正な形状の被検査物を検出することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】被検査物を検査する検査装置は、光を被検査物に照射する光源と、被検査物を撮像し、撮像された被検査物の所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行って被検査物の画像を生成する撮像部と、被検査物の画像に基づいて、被検査物の形状が所定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、被検査物の画像における所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるように、予め定められた設定又はユーザの指示に基づいて、光源から被検査物に照射される光の光量を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を検査する検査装置であって、
光を前記被検査物に照射する光源と、
前記被検査物を撮像し、撮像された前記被検査物の所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行って前記被検査物の画像を生成する撮像部と、
前記被検査物の前記画像における前記所定領域の少なくとも一部に前記白飛び領域又は前記黒潰れ領域が形成されるように、予め定められた設定又はユーザの指示に基づいて、前記光源から前記被検査物に照射される前記光の光量を制御する制御部と、
前記被検査物の前記画像に基づいて、前記被検査物の形状が所定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、
を備える、
検査装置。
【請求項2】
前記被検査物は、吸収性物品を着用者に固定するためのテープを有するシート部材である、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記被検査物の前記所定領域には、模様、文字及び図形のうちの少なくとも一つが付加されている、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記被検査物の前記所定領域は、前記被検査物のエッジ以外の領域である、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記撮像部は、搬送されている前記被検査物を撮像し、
前記被検査物は、前記被検査物の平面方向であって前記被検査物の搬送方向と直交する方向に凹凸を有し、
前記判定部は、前記被検査物の前記画像における前記凹凸が所定形状であるか否かに基づいて、前記被検査物の形状が前記所定の基準を満たすか否かを判定する、
請求項1から4の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
光源及び撮像部を備える検査装置の検査方法であって、
前記撮像部によって撮像された被検査物の所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行って前記被検査物の画像を生成する工程と、
前記被検査物の前記画像における前記所定領域の少なくとも一部に前記白飛び領域又は前記黒潰れ領域が形成されるように、予め定められた設定又はユーザの指示に基づいて、前記光源から前記被検査物に照射される前記光の光量を制御する工程と、
前記被検査物の画像に基づいて、前記被検査物の形状が所定の基準を満たすか否かを判定する工程と、
を備える、
検査方法。
【請求項7】
光源及び撮像部を備える検査装置に、
前記撮像部によって撮像された被検査物の所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行って前記被検査物の画像を生成する工程と、
前記被検査物の前記画像における前記所定領域の少なくとも一部に前記白飛び領域又は
前記黒潰れ領域が形成されるように、予め定められた設定又はユーザの指示に基づいて、前記光源から前記被検査物に照射される前記光の光量を制御する工程と、
前記被検査物の画像に基づいて、前記被検査物の形状が所定の基準を満たすか否かを判定する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、検査方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿や体液等の液体を吸収する吸収性物品には、テープ型の吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テープ型の吸収性物品は、テープ(タブ)が吸収性物品に取り付けられて、折り畳まれた状態で包装された後に出荷され、着用する際に展開される。テープは、折り返された状態で吸収性物品に取り付けられるため、テープが適切に折り返されているか否かを検出することが求められる。例えば、テープが折り返された後のテープの形状が適正であるかを検査することで、テープが適切に折り返されているか否かを検出している。しかし、テープに模様等が付加されている場合、テープのエッジの誤検出が発生して、テープの形状を正確に検出できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、被検査物の形状を正確に測定し、不適正な形状の被検査物を検出することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る検査装置は、被検査物を検査する検査装置であって、光を前記被検査物に照射する光源と、前記被検査物を撮像し、撮像された前記被検査物の所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行って前記被検査物の画像を生成する撮像部と、前記被検査物の前記画像における前記所定領域の少なくとも一部に前記白飛び領域又は前記黒潰れ領域が形成されるように、予め定められた設定又はユーザの指示に基づいて、前記光源から前記被検査物に照射される前記光の光量を制御する制御部と、前記被検査物の前記画像に基づいて、前記被検査物の形状が所定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、を備える、検査装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被検査物の形状を正確に測定し、不適正な形状の被検査物を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るおむつの斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るおむつの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る非装着状態のおむつを、長手方向の中心を幅方向に沿って切断した場合の断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る伸長した状態のおむつを肌面側から見た平面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るおむつのサイドフラップ部が折り畳まれた状態の平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るおむつのテープを形成するためのシート部材の平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る検査装置の概略構成図である。
【
図8】
図8は、テープが折り曲げられた状態のシート部材の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るカメラの概略構成図である。
【
図10】
図10は、被検査物であるシート部材を検査する工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る検査装置について説明する。検査装置は、テープ型使い捨ておむつの製造工程でテープ(タブ)の折り曲げ不良を検出可能な装置である。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0010】
<実施形態>
本実施形態では、テープ型使い捨ておむつ(本願でいう「吸収性物品」の一例であり、以下、単に「おむつ」という)について、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、おむつが着用者に装着された状態(以下、「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(装着された状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着された状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。
【0011】
図1は、本実施形態に係るおむつの斜視図である。おむつ1は、装着状態において着用者の陰部を覆う股下に対応する部位である股下領域1Bと、股下領域1Bの前側に位置し、着用者の前身頃に対応する部位である前身頃領域1Fと、股下領域1Bの後ろ側に位置し、着用者の後身頃に対応する部位である後身頃領域1Rとを有する。後身頃領域1Rの左右両側の縁には、前身頃領域1Fの非着用者側の面に設けられたフロントパッチ2Fへ貼着可能なテープ2L,2Rが設けられている。おむつ1は、前身頃領域1Fが着用者の腹側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背側に配置された状態でテープ2L,2Rがフロントパッチ2Fに貼着されると、着用者の腹囲と大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ1を着用した状態で立ち歩き可能である。
【0012】
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の脚周り部(大腿部)を取り巻く部位にレグギャザー3AL,3ARが設けられ、レグギャザー3AL,3ARよりもおむつ1の幅方向内側に立体ギャザー3BL,3BRが設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rが設けられている。レグギャザー3AL,3AR、立体ギャザー3BL,3BR及びウェストギャザー3Rは、弾性部材の弾性力で着用者の肌に密着する。よって、着用者の陰部から排出される液体は、おむつ1から漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。なお、弾性部材としては糸状や帯状のゴム等を適宜選択できる。
【0013】
図2は、おむつ1の分解斜視図である。また、
図3は、非装着状態におけるおむつ1を、長手方向の中心を幅方向に沿って切断した場合の断面図である。
図4は、伸長した状態のおむつ1を肌面側から見た平面図である。なお、
図4以降において、一点鎖線である線C1は、おむつ1の幅方向中心を表す中心線である。おむつ1は、装着状態において外表面を形成するカバーシート4を有する。カバーシート4は、長辺に相当する部位に括れ4KL,4KRを設けた略長方形の外観を有するシート状の部材であり、おむつ1の外装面を形成する。括れ4KL,4KRは、着用者の大腿部が位置する部位(
図4に示す脚周り領域10L,10R)に設けられる。カバーシート4は、後述するバックシート5の補強や手触りの向上のために設けられ、例えば、排泄物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。カバーシート4は、単層構造に限らず、インナカバーシートおよびアウターカバーシートを有する多層構造であってもよい。
【0014】
そして、おむつ1は、カバーシート4の着用者側の面において順に積層されるバックシート5、吸収体6C、トップシート7を有する。バックシート5、吸収体6C、トップシート7は、何れも略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がカバーシート4の長手方向と一致する状態でカバーシート4に順に積層されている。バックシート5は、カバーシート4と同様に、排泄物の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。バックシート5は、着用状態での蒸れを抑えるため、透湿性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。また、トップシート7は、吸収体6Cの吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート7は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ1が装着された状態において、着用者から排泄された液体は、着用者の肌に接触し得るトップシート7を通って吸収体6Cに進入し、そこで吸収される。例えば、織布、不織布、多孔質フィルムがトップシート7の材料として材用できる。トップシート7は親水性を有していてもよい。また、吸収体6Cは、股下領域1Bを含んで配置されている。
【0015】
バックシート5、吸収体6C、トップシート7は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート5と吸収体6Cとトップシート7が積層されているカバーシート4で着用者の陰部を覆うと、バックシート5と吸収体6Cとトップシート7の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体6Cに覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はトップシート7を介して吸収体6Cに接触することになる。
【0016】
また、おむつ1は、上述したレグギャザー3AL,3ARを形成するための弾性部材4SL,4SRがカバーシート4とバックシート5の間におむつ1の長手方向に伸縮するように設けられる。弾性部材4SL,4SRは、おむつ1において設計上要求される弾性力(収縮力)などに応じて決定された適宜の本数(本実施形態では、3本)で設けられる。なお、
図4に示されるように、レグギャザー3AL,3ARは、股下領域1Bの幅方向両側端部おむつ1において着用者の大腿部が位置する部位である脚周り領域10L,10Rを含んで配置されている。脚周り領域10L,10Rは、股下領域1Bの幅方向両側端部に配置される。また、弾性部材4SL,4SRの配置領域が、レグギャザー3AL,3ARである。
【0017】
また、おむつ1は、細長い帯状のサイドシート8L,8Rを有する。サイドシート8L,8Rは、トップシート7の長辺の部分に設けられる液不透過性のシートである。サイドシート8L,8Rには、カバーシート4と同様、着用者の大腿部が位置する部位(
図4に
示す脚周り領域10L,10R)に括れ8KL,8KRが設けられる。そして、サイドシート8L,8Rには立体ギャザー3BL,3BRを形成するための弾性部材8EL,8ERが長手方向に沿って配置されている。サイドシート8L,8Rは、おむつ1が装着状態の形態、すなわち、おむつ1が側面視U字状の形態になると、弾性部材8EL,8ERの収縮力で長手方向に引き寄せられてトップシート7から立ち上がり、液体の流出を防ぐ立体ギャザー3BL,3BRとなる。
【0018】
なお、カバーシート4には、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ弾性部材4Cが弾性部材4SL,4SRよりもおむつ1の幅方向内側でおむつ1の長手方向に沿って設けられている。弾性部材4Cは、おむつ1において設計上要求される弾性力(収縮力)などに応じて設けられる。
【0019】
また、上述したウェストギャザー3Rを形成するための弾性部材9ERは、吸収体6Cの端部よりも更に背側の位置において、バックシート5とトップシート7の間に設けられる。弾性部材9ERは、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでバックシート5とトップシート7の間に設けられる。よって、弾性部材9ERの左右両側に設けられるテープ2L,2Rが、着用者の腹側においてフロントパッチ2Fに貼着されると、弾性部材9ERは、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。
【0020】
吸収体6Cは、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super Absorbent Polymer)等の粒状の吸収性樹脂を保持させた構造を有する。よって、吸収体6Cでは、液体を吸収する前後の吸収性樹脂の体積変動は、基本的には吸収性樹脂を隙間に保持する短繊維内で行われることになる。したがって、吸収体6C全体を俯瞰してみると、液体を吸収した吸収体6Cの厚みの膨張率は、吸収性樹脂自体の膨張率ほど大きくはないと言える。
【0021】
本実施形態のSAP粒子とは、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指す。ここで言う「SAPを含む樹脂組成物」とは、SAPのみからなる組成物、SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含する概念である。「他の物質」としては、添加剤(粒子表面を疎水化する目的で添加される表面改質剤等)、SAPの合成時に残存した未反応のモノマー等を挙げることができる。
【0022】
次に、
図4を用いて、本実施形態に係るおむつ1が備えるテープ2L,2Rについて説明する。
図4に示されるように、本実施形態に係るおむつ1は、後身頃領域1Rに配置され、吸収体6Cよりもおむつ1の幅方向の外側に延出する一対のサイドフラップ部11L,11Rを備える。本実施形態において、サイドフラップ部11L,11Rは、おむつ1の外装面を形成するカバーシート4と、カバーシート4の肌面側に接合され、立体ギャザー3BL,3BRを形成するためのサイドシート8L,8Rと、を含んで構成されている。また、おむつ1は、一対のサイドフラップ部11L,11Rのそれぞれに接続され、前身頃領域1Fに配置されたフロントパッチ2Fに貼着された状態でおむつ1を着用者の胴回りに固定するためのテープ2L,2Rを備える。
【0023】
テープ2L,2Rは、サイドフラップ部11L,11Rに固定された基端部20L,20Rと、サイドフラップ部11L,11Rよりも幅方向の外側に延出するテープ基部21L,21Rと、を有する。基端部20L,20Rとテープ基部21L,21Rは、不織布
等の1枚のシート部材によって形成されている。基端部20L,20Rは、サイドフラップ部11L,11Rを構成するカバーシート4とサイドシート8L,8Rの間に配置され、カバーシート4及びサイドシート8L,8Rの少なくともいずれか一方に接着剤で接合されている。これにより、テープ2L,2Rは、サイドフラップ部11L,11Rに接続される。また、テープ基部21L,21Rの肌面側にはフック部22L,22Rが配置されている。フック部22L,22Rは、フロントパッチ2Fに係合可能である。フロントパッチ2Fは、フック部22L,22Rが係合可能なループ部が表面に形成されている。フック部22L,22Rがフロントパッチ2Fのループ部に係合することによって、テープ2L,2Rがおむつ1の前身頃領域1Fに貼着される。なお、前身頃領域1Fにフロントパッチ2Fが配置されておらず、フック部22L,22Rが前身頃領域1Fのカバーシート4に係合可能であってもよい。
【0024】
また、おむつ1は、テープ2L,2Rのテープ基部21L,21Rが折り線FL1,FR1に沿って肌面側に折り畳まれた状態でサイドフラップ部11L,11Rが折り線FL2,FR2(
図4及び
図5中、2点鎖線で表す)に沿って肌面側に折り畳まれ出荷される。折り線FL2,FR2はおむつ1の長手方向に延在し、サイドフラップ部11L,11Rは折り線FL2,FR2に沿って肌面側に折られる。なお、本実施形態のように吸収体6Cが砂時計型である場合には、折り線FL2,FR2は股下領域1Bにおける吸収体6Cの幅方向端部上に規定される。
【0025】
図5は、サイドフラップ部11L,11Rが折り線FL2,FR2に沿って折られた状態のおむつ1を肌面側から見た平面図である。
図5に示されるように、サイドフラップ部11L,11Rは、おむつ1の肌面側に折られる。
図5に示されるように、テープ2L,2Rは、おむつ1の肌面側に折られる。
【0026】
図6は、テープ2L,2Rを形成するためのシート部材Sの平面図である。テープ2L,2Rは、シート部材Sをテープの形状に切り取ることで形成される。
図6中の点線は、シート部材Sの切断線であり、この点線に従ってシート部材Sが切断されることによって1枚のシート部材から複数のテープ2L,2Rを形成できる。なお、シート部材Sの切断には、カッターロールとアンビルロールを備える切断装置を用いることができる。
図6は、テープ2L,2Rがサイドフラップ部11L,11Rに接続された状態で肌面側となる側からシート部材Sを見た状態を示している。シート部材Sの長手方向に沿ってテープ2L,2Rは互い違いに形成される。
【0027】
また、
図6に示されるように、シート部材Sの幅方向中央には、フックシート30が接合されている。フックシート30は、シート部材Sが切断されたテープ2L,2Rにおいてフック部22L,22Rとなる。
【0028】
シート部材Sを点線に沿って切断するテープ2L,2Rを準備する工程において、基端部20L,20Rと、フック部22L,22Rが配置されたテープ基部21L,21Rと、を形成できる。また、テープ2L,2Rを切断した後、折り線FL1,FR1を形成する。折り線FL1,FR1は、フック部22L,22Rと基端部20L,20Rとの間でおむつ1の長手方向に延在している。折り線FL1,FR1に沿ってテープ基部21L,21Rが折り曲げられる。
【0029】
おむつ1の製造工程では、シート部材Sの切断線の一部に切り込みを入れて、テープ2L,2Rを折り曲げた後に、シート部材Sをテープの形状に切り取ることでテープ2L,2Rを形成する。その後、折り曲げた状態のテープ2L,2Rを、サイドフラップ部11L,11Rに取り付ける。テープ2L,2Rの折り曲げ不良が発生すると、シート部材Sからテープ2L,2Rを適切に切り取ることができない場合がある。また、テープ2L,
2Rの折り曲げ不良が発生すると、テープ2L,2Rを、サイドフラップ部11L,11Rに適切に取り付けることができない場合がある。そのため、テープ2L,2Rを有するシート部材Sを検査して、テープ2L,2Rの折り曲げ不良を検出する。
【0030】
テープ2L,2Rを有するシート部材Sの検査について説明する。
図7は、実施形態に係る検査装置100の概略構成図である。検査装置100は、被検査物であるシート部材Sを検査する装置であり、シート部材Sの不良を検出可能に構成されている。シート部材Sの切断線の一部に切り込みを入れて、テープ2L,2Rが折り曲げられた後に、検査装置100が、シート部材Sを検査する。
図8は、シート部材Sの一部に切り込みを入れて、テープ2L,2Rが折り曲げられた状態のシート部材Sの一例を示す図である。
【0031】
検査装置100は、コントローラ110と、カメラ120と、光源130と、表示装置140とを備える。
図7に示すように、シート部材Sの近傍にカメラ120が配置されている。搬送装置150を用いてシート部材Sを搬送して、搬送されているシート部材Sをカメラ120が撮像してもよい。搬送装置150は、例えば、シート部材Sを所定方向に搬送する搬送ローラーである。シート部材Sは、長尺の帯状のシート状の部材であり、その長手方向を搬送方向として搬送される。また、シート部材Sは、搬送方向に沿って一定のテンションが付与された状態で搬送される。カメラ120及び光源130は、シート部材Sの前側(表面側)に配置されてもよいし、シート部材Sの後側(裏面側)に配置されてもよい。カメラ120及び光源130が配置されている側に黒色のシートを設けてもよい。また、カメラ120及び光源130が、シート部材Sを挟んで対向して配置されてもよい。カメラ120がシート部材Sの前側(表面側)に配置され、光源130がシート部材Sの後側(裏面側)に配置されてもよい。カメラ120がシート部材Sの後側(裏面側)に配置され、光源130がシート部材Sの前側(表面側)に配置されてもよい。
【0032】
コントローラ110は、カメラ120、光源130及び表示装置140を制御する制御装置である。コントローラ110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)など
のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶装置などを有するコンピュータにより構成してもよい。不揮発性の記憶装置として、例えばROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。コントローラ110は、PC(Personal
Computer)、IPC(Industrial Personal Computer)又はPLC(Programmable Logic Controller)であってもよい。コントローラ110が提供する機能の全部又は一部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)のような回路で構成してもよい。コントローラ110は、光源130から照射される光の光量を制御する制御部と、被検査物であるシート部材Sの形状が所定の基準を満たすか否かを判定する判定部と、を有する。
【0033】
カメラ120は、シート部材Sを撮像する撮像装置(撮像部)である。
図9は、実施形態に係るカメラ120の概略構成図である。カメラ120は、レンズ部121と、撮像素子部122と、処理部123と、入出力I/F124とを有する。レンズ部121は、シート部材Sの光学像を撮像素子部122に結像する光学系であり、例えば、オートフォーカス(AF)、絞り、ズームなどの機能を有する光学系が用いられる。撮像素子部122は、光電変換によって画像信号を生成及び出力するデバイスであり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子により構成される。処理部123は、撮像素子部122から出力される画像信号に基づいて、シート部材Sの画像(画像データ)を生成する。処理部123は、例えば、プロセッサ及びメモリなどで構成され、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが読み込み、実行することによって、各種処理を実行する。処理部123は、DSP(Digital Signal Processor)であってもよい。入出力I/F124は、コントローラ110との間でデータの送受信を行う通信インターフェイスである。
【0034】
光源130は、カメラ120によって撮像されるシート部材Sの撮像範囲を照明する照明装置であり、光をシート部材Sに照射する。光源130は、例えば、白色光を出射する。光源130の例として、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)、蛍光灯、白熱電球などが挙げられる。
図9では、コントローラ110が光源130を制御する例を示しているが、
図9に示す例に限定されない。例えば、光源用電源装置が、光源130を制御してもよい。表示装置140は、各種のデータや情報を表示する機器である。表示装置140は、コントローラ110によって処理された各種のデータや情報を表示する。表示装置140は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。表示装置140は、操作ボタン及びタッチパネルなどの入力機器を備えてもよい。タッチパネルは、表示装置140と一体型の構成でもよい。表示装置140の入力機器に入力された情報は、コントローラ110に送られる。
【0035】
図7に示す例では、カメラ120のレンズ部121が水平方向を向くように、カメラ120が配置され、カメラ120が、水平方向に配置されたシート部材Sを撮像しているが、
図7に示す例に限定されない。カメラ120のレンズ部121が上方を向くように、カメラ120が配置されてもよい。この場合、カメラ120よりも上方でシート部材Sが搬送され、シート部材Sよりも上方に光源130が配置される。また、カメラ120のレンズ部121が下方向を向くように、カメラ120が配置されてもよい。この場合、カメラ120よりも下方でシート部材Sが搬送され、シート部材Sよりも下方に光源130が配置される。
【0036】
図10は、被検査物であるシート部材Sを検査する工程の一例を示すフローチャートである。例えば、シート部材Sの搬送が開始された後に、
図10のフローチャートの処理が実行される。シート部材Sには、模様、文字及び図形のうちの少なくとも一つが付加されている。例えば、シート部材Sの一方面、他方面又は両面に、模様、文字及び図形のうちの少なくとも一つが付加されている。シート部材Sの模様、文字及び図形は、印刷やエンボスによって付されている。以下では、模様、文字及び図形のうちの少なくとも一つを模様等と表記する。
【0037】
ステップS301において、コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量を調整する。例えば、コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量が所定範囲から外れるように光源130を制御する。コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量が第1閾値を超えるように光源130を制御してもよい。コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量が第2閾値を下回るように光源130を制御してもよい。第1閾値は、所定範囲における最大値(上限値)であってもよい。第2閾値は、所定範囲における最小値(下限値)であってもよい。第1閾値及び第2閾値は、実験又はシミュレーションによって予め求められており、コントローラ110の記憶部に記憶されている。なお、シート部材Sに模様等が付加されていない場合、コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量が所定範囲内に収まるように光源130を制御する。
【0038】
ステップS302において、カメラ120は、シート部材Sを撮像して、シート部材Sの画像を生成する。詳細には、撮像素子部122から画像信号が出力され、処理部123は、画像信号のゲインを調整することで、ゲイン調整を行う。この場合、処理部123は、撮像されたシート部材Sの所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行ってシート部材Sの画像を生成する。例えば、被写体の明るさがダイナミックレンジの上限値を超えている場合、画像に白飛びが発生する。したがって、処理部123は、シート部材Sの明るさがダイナミックレンジの上限値を超えるよ
うに、撮像素子部122から出力される画像信号のゲインを上げることによりゲイン調整(高ゲイン調整)を行う。例えば、被写体の明るさがダイナミックレンジの下限値を下回っている場合、画像に黒潰れが発生する。したがって、処理部123は、シート部材Sの明るさがダイナミックレンジの下限値を下回るように、撮像素子部122から出力される画像信号のゲインを下げることによりゲイン調整(低ゲイン調整)を行う。シート部材Sの所定領域は、例えば、シート部材Sのエッジ以外の領域である。
【0039】
カメラ120は、シート部材Sの一方面又は他方面を撮像して、シート部材Sの一方面又は他方面の画像を生成する。シート部材Sの一方面が撮像された場合、処理部123は、シート部材Sの一方面の画像の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行ってシート部材Sの一方面の画像を生成する。シート部材Sの他方面が撮像された場合、処理部123は、シート部材Sの他方面の画像の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるようにゲイン調整を行ってシート部材Sの他方面の画像を生成する。
【0040】
コントローラ110は、撮像されたシート部材Sの画像における所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域が形成されるように、光源130からシート部材Sに照射される光の光量を制御している。コントローラ110は、予め定められた設定又はユーザの指示に基づいて、光源130からシート部材Sに照射される光の光量を制御する。コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量を制御するための制御値に基づいて、光源130からシート部材Sに照射される光の光量を制御してもよい。制御値は、予め定められていてもよく、コントローラ110の記憶部に記憶されていてもよい。ユーザは、検査装置100の操作部を介して制御値を検査装置100に入力し、コントローラ110は、検査装置100に入力された制御値を取得してもよい。例えば、コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量が第1閾値を超えるように光源130を制御し、ゲイン調整を行うことで、撮像されたシート部材Sの画像における所定領域の少なくとも一部に白飛び領域が形成される。例えば、コントローラ110は、光源130からシート部材Sに照射される光の光量が第2閾値を下回るように光源130を制御し、ゲイン調整を行うことで、撮像されたシート部材Sの画像における所定領域の少なくとも一部に黒潰れ領域が形成される。
【0041】
ステップS303において、コントローラ110は、生成されたシート部材Sの画像に基づいて、シート部材Sのエッジを検出する。例えば、コントローラ110は、シート部材Sの画像について画素毎に輝度値を抽出し、隣接する二つの画素の輝度値の差が所定以上である画素の並びをシート部材Sのエッジとして検出する。
【0042】
例えば、シート部材Sの所定領域に模様等が付加されている場合、シート部材Sの所定領域の少なくとも一部に白飛び領域又は黒潰れ領域を形成することで、シート部材Sの所定領域における模様等の一部又は全部が認識されなくなる。すなわち、コントローラ110は、シート部材Sの所定領域における模様等の一部又は全部をシート部材Sのエッジとして検出しない。したがって、コントローラ110は、シート部材Sのエッジを正確に検出することが可能となる。カメラ120及び光源130が配置されている側に黒色のシートが設けられている場合、シート部材Sのエッジがより明瞭になり、コントローラ110は、シート部材Sのエッジをより正確に検出することができる。
【0043】
ステップS304において、コントローラ110は、シート部材Sの画像から検出されたシート部材Sのエッジを用いて、シート部材Sの外形(外縁)が所定の基準を満たすか否かを判定する。
【0044】
図11A及び
図11Bを参照して、シート部材Sの外形が所定の基準を満たすか否かの
判定処理の一例を説明する。
図11Aは、シート部材Sの一例を示す図である。
図11Aに示す例では、シート部材Sの一部が切断され、テープ2L,2Rが折り曲げられた状態である。
図11Bは、
図11Aの一点鎖線で示す領域200を撮像した場合のシート部材Sの画像の一例を示す図である。例えば、カメラ120は、
図11Aに示す搬送方向に沿って搬送されているシート部材Sを撮像し、
図11Bに示すシート部材Sの画像を生成する。シート部材Sの一部が切断され、シート部材Sのテープ2L,2Rが折り曲げられた状態であり、シート部材Sは、シート部材Sの平面方向であってシート部材Sの搬送方向と直交する方向(垂直方向)に凹凸を有している。シート部材Sには、シート部材Sの搬送方向に沿って複数の凹凸が配置されている。
【0045】
例えば、コントローラ110は、
図11Bに示すシート部材Sの画像から検出されたシート部材Sのエッジ201に基づいて、シート部材Sの画像からシート部材Sの凹凸を抽出する。コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状であるか否かに基づいて、シート部材Sの形状(外形)が所定の基準を満たすか否かを判定する。コントローラ110は、シート部材Sの凹凸の高さ(D1)が、所定範囲内に収まっているか否かを判定する。所定範囲は、任意に設定することが可能であり、例えば、所定範囲を18mm以上22mm以下に設定してもよい。シート部材Sの凹凸の高さ(D1)が20mmである場合、コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状であると判定し、シート部材Sの形状が所定の基準を満たしていると判定する。シート部材Sの凹凸の高さ(D1)が18mm未満である場合、又は、シート部材Sの凹凸の高さ(D1)が22mmを超える場合、コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状でないと判定し、シート部材Sの形状が所定の基準を満たしていないと判定する。
【0046】
図12Aは、シート部材Sの一例を示す図である。
図12Aに示す例では、シート部材Sの一部が切断され、テープ2L,2Rが折り曲げられた状態である。
図12Bは、
図12Aの一点鎖線で示す領域300を撮像した場合のシート部材Sの画像の一例を示す図である。例えば、カメラ120は、
図12Aに示す搬送方向に沿って搬送されているシート部材Sを撮像し、
図12Bに示すシート部材Sの画像を生成する。シート部材Sの一部が切断され、シート部材Sのテープ2L,2Rが折り曲げられた状態であり、シート部材Sは、シート部材Sの平面方向であってシート部材Sの搬送方向と直交する方向(垂直方向)に凹凸を有している。シート部材Sには、シート部材Sの搬送方向に沿って複数の凹凸が配置されている。
【0047】
例えば、コントローラ110は、
図12Bに示すシート部材Sの画像から検出されたシート部材Sのエッジ301に基づいて、シート部材Sの画像からシート部材Sの凹凸を抽出する。コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状であるか否かに基づいて、シート部材Sの形状(外形)が所定の基準を満たすか否かを判定する。コントローラ110は、シート部材Sの凹凸の高さ(D2)が、所定範囲内に収まっているか否かを判定する。所定範囲は、任意に設定することが可能であり、例えば、所定範囲を18mm以上22mm以下に設定してもよい。
図12Aに示すように、シート部材Sのテープ2Rの折り曲げ不良が発生している。そのため、シート部材Sの凹凸の高さ(D2)が22mmを超えており、コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状でないと判定し、シート部材Sの形状が所定の基準を満たしていないと判定する。
【0048】
コントローラ110は、サンプル画像とシート部材Sの画像とを比較したパターンマッチングにより、シート部材Sの形状が所定の基準を満たすか否かを判定してもよい。サンプル画像は、シート部材Sの形状が所定の基準を満たす場合に撮像されたシート部材Sの画像である。コントローラ110は、サンプル画像とシート部材Sの画像とを比較し、シート部材Sの凹凸が所定形状である否かを判定してもよい。コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状である場合、シート部材Sの形状が所定の基準を満たしている
と判定する。コントローラ110は、シート部材Sの凹凸が所定形状でない場合、シート部材Sの形状が所定の基準を満たしていないと判定する。
【0049】
シート部材Sの形状が所定の基準を満たす場合(ステップS304;YES)、処理がステップS305に進む。ステップS305において、コントローラ110は、シート部材Sの形状が適正であり、シート部材Sの形状に不良が発生していないと判定する。すなわち、コントローラ110は、シート部材Sが正常であると判定する。シート部材Sの形状が所定の基準を満たさない場合(ステップS304;NO)、処理がステップS306に進む。ステップS306において、コントローラ110は、シート部材Sの形状が適正ではなく、シート部材Sに不良が発生していると判定する。これにより、シート部材Sの形状が適正でないことを検出することができ、シート部材Sのテープ2L,2Rの折り曲げ不良を検出することができる。
【0050】
シート部材Sを検査する工程によれば、コントローラ110は、光量調整及び高ゲイン調整を行って生成された画像に基づいて、シート部材Sのエッジを検出する。コントローラ110は、シート部材Sの所定領域における模様等の一部又は全部をシート部材Sのエッジとして検出しないため、シート部材Sのエッジを正確に検出することが可能である。したがって、検査装置100は、シート部材Sの形状を正確に測定し、不適正な形状のシート部材Sを検出することが可能である。シート部材Sのテープ2L,2Rの折り曲げ不良が発生すると、シート部材Sの形状が適正ではなくなる。検査装置100は、不適正な形状のシート部材Sを検出することで、シート部材Sのテープ2L,2Rの折り曲げ不良を検出することができる。
【0051】
<その他の実施形態>
本発明は、上記説明した各構成、各手段、各機能の少なくとも一部を有する検査システムや製造システムとして捉えてもよい。本発明は、上記説明した各処理の少なくとも一部を含む検査方法や製造方法として捉えてもよい。本発明は、コンピュータが上記で説明した各処理を実行する方法として捉えてもよい。本発明は、コンピュータに上記で説明した各処理を実行させるためのプログラムとして捉えてもよく、プログラムを、ネットワークを通じて、又は、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体等からコンピュータに提供してもよい。
【0052】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0053】
1・・おむつ
2F・・フロントパッチ
2L,2R・・テープ
4・・カバーシート
5・・バックシート
6C・・吸収体
7・・トップシート
8・・サイドシート
FL1,FR1,FL2,FR2・・折り線
S・・シート部材
100・・検査装置
110・・コントローラ
120・・カメラ
121・・レンズ部
122・・撮像素子部
123・・処理部
124・・入出力I/F
130・・光源
140・・表示装置
150・・搬送装置
200,300・・領域
201,301・・エッジ