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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175809
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】変圧器
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/28 20060101AFI20241212BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20241212BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20241212BHJP
   H01F 30/12 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01F27/28 128
H01F27/29 S
H01F30/10 F
H01F30/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093839
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000116666
【氏名又は名称】愛知電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 剛之
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 薫
【テーマコード(参考)】
5E043
【Fターム(参考)】
5E043AA01
5E043AB08
5E043EA04
5E043EB05
(57)【要約】
【課題】タフリードを用いることなく、かつ、接合部における電気抵抗の増加を抑制することのできる、高圧リード線と高圧巻線間の接続方法を提供する。
【解決手段】変圧器巻線にアルミニウム条を使用し、当該変圧器巻線をブッシングへ接続する高圧リード線11に銅条を使用した変圧器において、前記変圧器巻線の端部と前記高圧リード線11間をアルミ導体からなる接続導体13によって接合する。接続導体13と変圧器巻線の端部間は溶接にて接合し、接続導体13と高圧リード線11間は圧着端子16にて接合する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄心と巻線からなる変圧器本体を備え、前記巻線の導体にアルミニウム線を使用し、前記巻線をブッシングへ接続する高圧リード線に銅線を使用した変圧器において、前記巻線端部と前記高圧リード線間を接続導体にて接合することを特徴とする変圧器。
【請求項2】
前記接続導体がアルミ導体であることを特徴とする請求項1記載の変圧器。
【請求項3】
前記接続導体と巻線端部が溶接にて接合されることを特徴とする請求項2記載の変圧器。
【請求項4】
前記接続導体が、高圧リード線に取り付けた圧着端子によって接合されることを特徴とする請求項2又は請求項3の何れかに記載の変圧器。
【請求項5】
前記接続導体の表面と前記圧着端子の表面に、酸化被膜生成を防止するための処理が施されていることを特徴とする請求項4記載の変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器において、アルミニウム導体からなる変圧器巻線の端部と、銅導体からなる高圧リード線の端部の接合技術に関する。
【背景技術】
【0002】
変圧器を構成する変圧器本体は鉄心と、これに巻回される巻線(変圧器巻線)からなる。当該変圧器巻線は高圧巻線と低圧巻線から構成される。高圧巻線の端部は、高圧ブッシングを構成する高圧リード線に接続され、低圧巻線は、口出し導体を介して低圧ブッシングに接続される。
【0003】
前記高圧リード線は、高圧ブッシング内を挿通し、高圧ブッシングの外部端子を介して外部の電線やケーブルに接続される。低圧の口出し導体は、低圧ブッシングの内部端子に接続され、低圧ブッシング内を挿通して、低圧ブッシングの外部端子を介して、外部の電線やケーブルに接続される。
【0004】
図5は前述した変圧器の一例を示す。図5において、21は脚部に変圧器巻線22を巻装した鉄心であり、変圧器巻線22は、例えば、内側に低圧巻線を、外側に高圧巻線を巻装している。
【0005】
23,24は鉄心21を上下方向から挟み込んで固定するクランプであり、変圧器巻線22ととともに変圧器本体Bを構成する。25は変圧器本体Bを収容する変圧器タンクであり、26は変圧器タンク25内において、変圧器本体Bを浸漬する絶縁油26を示している。27は変圧器タンク25の上部開口を閉塞する変圧器カバーであり、28は変圧器カバー27に取り付けた高圧ブッシング、29は変圧器カバー27に取り付けた低圧ブッシングを示している。
【0006】
30は高圧ブッシング28の外部端子31に接続され、高圧ブッシング28内部を挿通して、変圧器タンク25内に引き込まれる高圧リード線であり、32は、高圧リード線30の端部に接続される、変圧器巻線22の高圧巻線の口出し線である。高圧ブッシング28の外部端子31は、外部の配電線またはケーブル等が接続される。
【0007】
32は低圧ブッシング29の内部端子であり、33は変圧器巻線22の低圧巻線に接続される口出し導体を示している。34は口出し導体33の端部を低圧ブッシング29の内部端子32に接続するボルト,ナット等の固定部材を示している。35は低圧ブッシング29の外部端子であり、外部端子35は、外部の配電線またはケーブル等に接続される。
【0008】
上記構成の変圧器において、変圧器巻線22は、その導電率の高さから銅線が使用されることが多い。これに伴い、変圧器巻線22に接続される高圧リード線30にも銅線が使用されることになる。
【0009】
一方、変圧器巻線22にアルミ線を使用することもある。アルミは銅に比べて導電率で劣るが、軽量であり、銅の1/2の重量があれば銅を使用した場合と同じ電流を流すことができる。また、アルミは銅に比べて安価といったメリットもある。
【0010】
この場合、高圧リード30にアルミ導体を使用することも可能であるが、変圧器本体のみ銅巻線からアルミ巻線に変更し、その他の構成物の仕様は変更前の仕様を継続して活用することもある。この場合、高圧リード線30は、銅線のままとなる。
【0011】
このような経緯において、高圧リード線30に銅を使用し、変圧器巻線22にアルミニウムを使用した場合、双方を電気的に接続する方法としては、変圧器巻線22と高圧リード線30間を圧着端子にて接続する方法が知られている。
【0012】
しかし、変圧器巻線22の口出し線32(高圧巻線の端部)は、表面に酸化被膜が生成しやすく、異種材からなる高圧リード線30と圧着端子にて接続した場合、酸化被膜の影響によって、接続部の接触抵抗が増加してしまう問題がある。
【0013】
また、口出し線32と高圧リード線30を、はんだ付けやロウ付けすることによって接合する方法も知られているが、この場合も、接合部のはんだやロウの接合不良によって電気抵抗が高くなる問題や、強度不足が発生する可能性がある。
【0014】
或いは、接合部の電気抵抗が高くなってしまう問題を回避し、異種材(アルミニウム材と銅材)を接合する方法として冷間圧延を用いることも考えられるが、冷間圧延は、接合できる形状が限定され、幅や径の異なるアルミニウム線と銅線を接合することには難がある。
【0015】
一方、このような問題を解決する方法として、下記特許文献1の[発明の詳細な説明]の段落[0010]に記載されるように、アルミニウム線と銅線を冷間圧延で接合したタフリード線を用いて、アルミニウムからなる変圧器巻線22と銅からなる高圧リード線30間を接続することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2017-60976
【0017】
上記の如く、変圧器巻線22と高圧リード線30間の接合にタフリードを使用する場合、図6に示すように、アルミニウムからなる変圧器巻線22の口出し線32には、タフリード36のアルミニウム線側を圧着端子にて接合し、銅線からなる高圧リード線30には、タフリード36の導線側を圧着端子にて接合することとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
然るに、タフリード36は、前述したとおり、アルミニウム線と銅線を冷間圧延で接合する必要があり、タフリード自体の製造に工数がかり、変圧器の製造コストの増加を招く。
【0019】
そこで、本発明は、前述したタフリードを用いることなく、接合部における電気抵抗の増加を抑制して、高圧リード線と高圧巻線間を接続する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1記載の発明は、鉄心と巻線からなる変圧器本体を備え、前記巻線の導体にアルミニウム線を使用し、前記巻線をブッシングへ接続する高圧リード線に銅線を使用した変圧器において、前記巻線端部と前記高圧リード線間を接続導体にて接合することに特徴を有する。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の接続導体がアルミ導体であることに特徴を有する。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の接続導体と巻線端部が溶接にて接合されることに特徴を有する。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3の何れかに記載の接続導体が、高圧リード線に取り付けた圧着端子に接合されることに特徴を有する。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の接続導体の表面と前記圧着端子の表面に酸化被膜生成を防止するための表面処理が施されていることに特徴を有する。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の発明によれば、酸化被膜が生成された変圧器巻線の口出し線と高圧リード線を接続する必要がなく、接合部の電気抵抗が高くなることを防止できる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、変圧器巻線の高圧巻線の口出し線に、これと同種材である接続導体を接続するので、接合部の電気抵抗を口出し線および接続導体の電気抵抗と一定にすることができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、同種材である変圧器巻線の高圧巻線の口出し線と接続導体を溶接するので、溶接の難易度が低くなり、溶接性を高めることができる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、高圧リード線に取り付けた圧着端子に接続導体を接続するので、変圧器巻線の口出し線に存在するような酸化被膜の影響を受けることなく、接続導体と高圧リード線を接合することができ、接合部の接触抵抗の増加を防止することができる。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、接続導体の表面と前記圧着端子の表面に、酸化被膜生成を防止するための表面処理が施されているので、接続導体と圧着端子の表面に酸化被膜が生じて、電気抵抗を増加させる問題の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明を適用する変圧器の一例を示す縦断面図である。
図2】本発明の変圧器を構成する変圧器巻線の口出し線1本と、接続導体の接続状態を示す要部拡大図である。
図3】本発明の変圧器を構成する変圧器巻線の口出し線2本と、接続導体の接続状態を示す要部拡大図である。
図4】本発明の接続導体と高圧リード線の接続状態を示す要部拡大図である。
図5】変圧器を構成する変圧器巻線とブッシングとの接続状態の一例を示す縦断面図である。
図6】変圧器を構成する変圧器巻線とブッシングとの接続状態の類例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る変圧器の実施例を図1乃至図4を用いて説明する。図1図5又は図6に示す変圧器の左側面視、縦断面図を示す。図1において、1は鉄心(三脚鉄心)を示しており、2は鉄心1の各脚部に巻装される巻線(変圧器巻線)を示している。
【0032】
3,4は、変圧器巻線2の上下に配置され、当該巻線2を上下から挟み込み固定するクランプであり、鉄心1、巻線2とともに変圧器本体Aを構成する。5は変圧器本体Aを内部に収容する変圧器タンクであり、6は変圧器本体Aを変圧器タンク5内において浸漬する絶縁油を示している。
【0033】
7は変圧器タンク5の上部を閉塞する変圧器カバーであり、8は変圧器カバー7に取り付けられる高圧ブッシングを示している。なお、当該変圧器カバー7には、低圧ブッシングも取り付けられているが、構図上、図示されない。
【0034】
9は巻線2を構成する高圧巻線から導出される口出し線であり、高圧巻線の端部を構成する。10は巻線2を構成する低圧巻線から導出される口出し線であり、高圧巻線の口出し線9とは反対側(紙面裏側)から導出され、低圧巻線の端部を構成する。11は高圧ブッシング8の外部端子12に接続されて、高圧ブッシング8内を挿通し、変圧器タンク5内に引き込まれる高圧リード線である。
【0035】
13は本発明の要部を構成する接続導体であり、高圧巻線の口出し線9と高圧リード線11間を接続する。なお、図1では、三相の各高圧巻線をΔ結線した場合を図示しているが、当該結線方法(Δ結線)は採用し得る一例として図示したに過ぎず、Y結線やV結線など、Δ結線以外の結線方法でも構わない。
【0036】
また、低圧巻線の口出し線10と低圧ブッシング間を接続する口出し導体については構図上図示されないが、低圧巻線についてもΔ結線、Y結線、V結線など、どのような結線方法を採用しても構わない。一般的には、Δ-Δ結線、Y-Y結線、Δ-Y結線、V-V結線が代表的である。
【0037】
図1に示す本発明の変圧器では、巻線2がアルミニウム線からなり、巻線2の高圧巻線の端部である口出し線9も同様にアルミニウム線からなる。一方、高圧リード線11は銅線からなるので、口出し線9と高圧リード線11間を接続する接続導体13は異種材間を接続することになる。
【0038】
図2図1に示す高圧巻線の口出し線9と接続導体13との接続方法を示している。図2に示す口出し線9は、高圧巻線の紙巻平角アルミ線を巻線外部に引き出したものであり、口出し線9の端部の被覆(巻紙)を除去して接続導体13に接合される。
【0039】
接続導体13はアルミ導体からなる。また、図2の斜線部14は、接続導体13の上端部の表面に施しためっき部である。めっき部14には、第1の開口14aが形成されている。
【0040】
図2(a)は、L字形に引き出された口出し線9にI字形の接続導体13を接合した状態を示す正面図である。当該図に示すように、本発明に係る口出し線9は、被覆を除去した先端部を接続導体13のめっき部14が施されていない箇所に接合する。双方の接合は溶接にて行われ、好ましくはTIG溶接にて接合される。
【0041】
図2(b)は、口出し線9と接続導体13の接合状態を示す右側面図である。図2(b)に示すように、接続導体13は口出し線9と重ね合わせた状態で溶接によって接合される。
【0042】
図2(c)は同図(b)に示す接合状態の口出し線9に絶縁チューブ15を取り付けた状態を示す右側面図である。絶縁チューブ15は、変圧器の他の構成部材との間の絶縁距離を確保することを目的とする。口出し線9の被覆は、絶縁チューブ15の上端部より上を除去する。
【0043】
図3は高圧巻線の複数の口出し線9と接続導体13を接続する方法を示している。図3に示す口出し線9も、高圧巻線の紙巻平角アルミ線を巻線外部に引き出したもので、口出し線9の端部の被覆(巻紙)を除去して接続導体13に接合される点は図2の場合と同様である。
【0044】
接続導体13がアルミ導体からなること、接続導体13の斜線部14がめっき部であり、めっき部14に、第1の開口14aが形成されている点も図2と同様である。
【0045】
図3(a)は、L字形に引き出された2本の口出し線9に1本のI字形の接続導体13を接合した状態を示す正面図である。2本の口出し線9の被覆を除去した先端部が、接続導体13のめっき部14が施されていない箇所に接合される。接合は溶接にて行われ、好ましくはTIG溶接にて行われる。
【0046】
2本の口出し線9には絶縁チューブ15が取り付けられており、変圧器の他の構成部材との間の絶縁距離を確保するとともに、2本の口出し線9を1つにまとめ、口出し線9がバラつくことを防止する。
【0047】
図3(b)は2本の口出し線9と接続導体13の接合状態を示す右側面図である。図3(b)に示すように、接続導体13は2本の口出し線9の間に挟み込まれるように重ね合わされた状態で溶接によって接合される。2本の口出し線9の被覆は、絶縁チューブ15の上端部より上を除去する。
【0048】
このような高圧巻線の口出し線9はアルミ線からなり、接続導体13もアルミ線からなる。両部材は同種の材料からなり、溶接での接合は容易となる。特にTIG溶接で接合すれば、精密な溶接が可能となり、美しい仕上がりが実現できる。また、TIG溶接には不活性ガスが用いられるため、スパッタを少なくできる利点がある。
【0049】
以上のように、同種材(アルミニウム)の口出し線9と接続導体13間を溶接にて接合することによって、はんだ付けやロウ付けで接合する場合と異なり、接合不良が発生しにくく、接合部の電気抵抗を増加させたり、強度不足となることを防止できる。また、溶接箇所を接続導体13のめっき部14以外の箇所とすることによって、めっきが溶接による熱によって損傷することを防止できる。
【0050】
図4は、前述の如く口出し線9に接合した接続導体13と、図1に示す高圧リード線11との接続方法を示す図であり、図4(a)はその正面図、図4(b)はその右側面図である。図4の場合、高圧リード線11には、その先端部に圧着端子16が取り付けられている。圧着端子16には第2の開口16aが形成されている。なお、図3で説明したとおり、口出し線9には絶縁チューブ15が取り付けられており、口出し線9と変圧器の他の構成部材との間の絶縁距離を確保している。
【0051】
接続導体13はアルミ線からなり、高圧リード線11は銅線からなるので、両部材は異種材料となる。接続導体12と高圧リード線11を接続する場合は、図4(a)に示す接続導体13の第1の開口14aと、高圧リード線11に取り付けた圧着端子16の第2の開口16aの位置が合致するように、接続導体13のめっき部14と圧着端子16を重ね合わせる。
【0052】
そして、同図(b)に示すように、位置を合致させた第1の開口14aと第2の開口16aにボルト17を挿通して、ナット18にて締め付けることにより、双方を固定する。この結果、アルミニウム線からなる高圧巻線の口出し線9と、銅線からなる高圧リード線11を電気的に接続することができる。
【0053】
このように、本発明に係る接続導体13と高圧リード線11は、圧着端子16を介して接続される。圧着端子16の表面には、めっき処理(例えば、錫めっき処理)が施されている。接続導体13がアルミ線からなり、高圧リード線11が銅線からなることで、異種材間を接合することは従来技術にて説明した場合と同様であるが、本発明では、高圧リード線11が、表面に酸化被膜が生成された口出し線9と直接、圧着端子16で接続されておらず、めっき部14を施して酸化被膜の生成を防止した接続導体13との間を、めっきを施した圧着端子16を用いて接続されるので、前記酸化被膜の生成に起因する接触抵抗の増加が生じない。
【0054】
以上説明したように、本発明の変圧器は、アルミ線からなる高圧巻線の口出し線と銅線からなる高圧リード線間を、タフリードを用いることなく、接続することができる。したがって、アルミニウム線と銅線を冷間圧延で接合して、タフリードを製作する工程が不要となり、工数が低減でき、製造コストを抑制することが可能となる。
【0055】
また、口出し線と高圧リード線間の接触抵抗を増加させることなく双方を接合(接続)できるので、変圧器の電気的効率の低下を防止することができる。
【0056】
なお、前述した実施例では、変圧器巻線がアルミ線で高圧リード線が銅線の場合について説明したが、逆であってもよい。また、高圧巻線の口出し線と高圧リード線の接続を例に説明したが、低圧の口出し導体と低圧ブッシング間の接続に、本発明の接続導体を利用してもよい。
【0057】
さらに、接続導体に接続する圧着端子は図4に示す形状のものに限らず、接続導体と高圧リード線に取り付けた圧着端子間を、接触抵抗を増加させることなく接続できるものであれば、いかなる形状のものであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、異種材からなる導体間を接続する場面において適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1,21 鉄心
2,22 巻線
3,4,23,24 クランプ
5,24 変圧器タンク
6,26 絶縁油
7,27 変圧器カバー
8,28 高圧ブッシング
9,10,32 口出し線
11,30 高圧リード線
12,31,35 外部端子
13 接続導体
14 めっき部
14a 第1の開口
15 絶縁チューブ
16 圧着端子
16a 第2の開口
17 ボルト
18 ナット
34 固定部材
A,B 変圧器本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6