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特開2024-175813未加硫ゴム部材の接合方法および接合システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175813
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】未加硫ゴム部材の接合方法および接合システム
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/06 20060101AFI20241212BHJP
   B29C 65/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B29D30/06
B29C65/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093845
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大
(72)【発明者】
【氏名】大石 潤平
(72)【発明者】
【氏名】松村 謙介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 誠之
【テーマコード(参考)】
4F211
4F215
4F501
【Fターム(参考)】
4F211AA45
4F211AC02
4F211AH20
4F211TA13
4F211TC08
4F211TD11
4F211TJ13
4F211TJ16
4F211TQ06
4F211TW41
4F215AH20
4F215VA01
4F215VL02
4F215VL08
4F215VL11
4F215VL13
4F215VL14
4F215VM02
4F215VM03
4F215VP11
4F501TA01
4F501TE02
4F501TE08
4F501TE10
4F501TE11
4F501TE28
4F501TE29
4F501TF02
4F501TF03
4F501TL10
4F501TV04
4F501TV12
(57)【要約】
【課題】未加硫ゴム部材の後端部と次に供給される未加硫ゴム部材の先端部とを、ずれ無く且つ迅速に接合できる未加硫ゴム部材の接合方法および接合システムを提供する。
【解決手段】未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝11を有する接合ガイド10を使用し、ガイド溝11の幅寸法を未加硫ゴム部材R1、R2の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定し、先の部材R1を繰り出しているリール4と接合ガイド10との間で押え部6により先の部材R1を挟持して、押え部6と接合ガイド10との間で張設した先の部材R1を切断した後、先の部材R1を前方に移動させて切断した後端をガイド溝11の所定位置に位置決めし、次の部材R2の把持部7の前方に突出させている部分をガイド溝11に挿入して、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部を重ね、この重ねた部分を下方移動させた押圧部14で押圧して圧着接合する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先に供給されている未加硫ゴム部材を先の部材とし、次に供給される未加硫ゴム部材を次の部材として、前記先の部材と前記次の部材をそれぞれ個別にストックされているリールから繰り出して、前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合して、前記後端部と前記先端部とが接合された未加硫ゴム部材を連続的に次工程に供給する未加硫ゴム部材の接合方法において、
前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドを使用し、前記ガイド溝の幅寸法を前記未加硫ゴム部材の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定し、
前記先の部材を、前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給している間に、前記次の部材の先端部を把持部により把持して前記把持部の前方に予め所定長さ突出させた状態で待機し、
前記先の部材を所定長さ供給した時点で、前記先の部材を繰り出している前記リールと前記接合ガイドとの間で前記先の部材を押え部により挟持してその押え部と前記接合ガイドとの間で前記先の部材を張設した状態にして、その押え部と前記接合ガイドの間で前記先の部材を切断した後、前記先の部材を前方に移動させてその切断した後端を前記ガイド溝の所定位置に位置決めし、
次いで、前記把持部を下方移動させて、前記次の部材の前記把持部の前方に突出させている部分を前記ガイド溝に挿入して前記先の部材の後端部に重ねて配置し、
次いで、押圧部を下方移動させて前記ガイド溝に挿入することで、重ねている後端部と前記先端部とを前記押圧部により押圧して圧着接合し、
次いで、前記押圧部を上方移動させて押圧を解除し、かつ、前記次の部材に対する前記把持部による把持を解除して、前記後端部と前記先端部とが接合された前記未加硫ゴム部材を、前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給する未加硫ゴム部材の接合方法。
【請求項2】
前記ガイド溝の供給方向後端部に、平面視で後端に向かって広がる拡張部を形成しておく請求項1に記載の未加硫ゴム部材の接合方法。
【請求項3】
前記ガイド溝に、正面視で上端に向かって広がる拡張部を形成しておく請求項1または2に記載の未加硫ゴム部材の接合方法。
【請求項4】
前記押え部が対向する回転ローラと押え板とを有し、前記回転ローラと前記押え板の少なくとも一方を互いの対向間隔を変化させるように移動させる構成にして、前記対向間隔を小さくすることで前記先の部材を前記押え部により挟持する請求項1または2に記載の未加硫ゴム部材の接合方法。
【請求項5】
先に供給されている未加硫ゴム部材を先の部材とし、次に供給される未加硫ゴム部材を次の部材として、前記先の部材と前記次の部材がそれぞれ個別にストックされているリールと、それぞれの前記リールから前記先の部材、前記次の部材を繰り出す繰りプルドラムと、繰出された前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合する接合手段と、前記後端部と前記先端部とが接合された未加硫ゴム部材が前記プルドラムを用いて連続的に次工程に供給される未加硫ゴム部材の接合システムにおいて、
前記接合手段として、前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドと、下方移動して前記ガイド溝に少なくとも一部が挿入される押圧部とを有し、
前記先の部材を前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給している間に前記次の部材の先端部を把持する把持部と、
前記先の部材を所定長さ供給した時点で、前記先の部材を繰り出している前記リールと前記接合ガイドとの間で前記先の部材を押え部により挟持してその押え部と前記接合ガイドとの間で前記先の部材を張設した状態にするテンショナーと、
張設した状態にした前記先の部材を、前記押え部と前記接合ガイドとの間で切断するカッターと、を備えて、
前記ガイド溝の幅寸法が前記未加硫ゴム部材の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定されていて、
前記次の部材の先端部が前記把持部により把持されて前記把持部の前方に予め所定長さ突出した状態で待機され、
前記カッターにより切断された前記先の部材が前記プルドラムを用いて前方に移動されて、切断されたその後端が前記ガイド溝の所定位置に位置決めされて、
前記把持部が下方移動されて、前記次の部材の前記把持部の前方に突出させている部分が前記ガイド溝に挿入されて前記先の部材の後端部に重ねて配置された状態が維持されて、重ねて配置されている前記後端部と前記先端部とが下方移動する前記押圧部により押圧されることで圧着接合されて、
前記押圧部が上方移動されて前記押圧部による押圧が解除されて、かつ、前記次の部材に対する前記把持部による把持が解除された後に、前記後端部と前記先端部とが接合された前記未加硫ゴム部材が、前記プルドラムを用いて前記ガイド溝を通過して前記次工程に供給される未加硫ゴム部材の接合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未加硫ゴム部材の接合方法および接合システムに関し、さらに詳しくは、未加硫ゴム部材の後端部と、次に供給される未加硫ゴム部材の先端部とを、ずれ無く且つ迅速に接合できる未加硫ゴム部材の接合方法および接合システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤを製造する際には、様々な未加硫ゴム部材が使用されている。例えば、成形ドラムでは供給された未加硫ゴム部材がドラム表面に巻付けられてグリーンタイヤが成形される。成形ドラムに対する未加硫ゴム部材の供給が途切れると、グリーンタイヤの成形工程が中断して生産性が低下する。そこで、未加硫ゴム部材の供給中断を解消して作業時間のロスを低減させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1により提案されている方法では、補給台に2個のリールを設置して一方のリールからのゴム材料の供給切れが生じるとそのゴム材料の後端部が切断されて保持される(図4図5など)。次いで、補給台を旋回させて他方のリールから新たなゴム材料を引出し、引出した先端部と保持されている先のゴム材料の後端部とがジョイント爪によって上下に挟まれて接合される(図6図7など)。この方法では、切断されたゴム材料の後端が上方に上がった状態で保持される(段落0040)。この保持されているゴム材料の後端の下方に、新たなゴム材料の先端部が配置されて、ゴム材料の後端部と先端部とは互いに自由に可動できる状態で接合される(図7)。そのため、両者の接合部にはゴム材料の幅方向や長手方向のずれが生じるリスクがある。それ故、未加硫ゴム部材の後端部と次に供給される未加硫ゴム部材の先端部とを、ずれ無く且つ迅速に接合するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-39717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、未加硫ゴム部材の後端部と、次に供給される未加硫ゴム部材の先端部とを、ずれ無く且つ迅速に接合できる未加硫ゴム部材の接合方法および接合システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の未加硫ゴム部材の接合方法は、先に供給されている未加硫ゴム部材を先の部材とし、次に供給される未加硫ゴム部材を次の部材として、前記先の部材と前記次の部材をそれぞれ個別にストックされているリールから繰り出して、前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合して、前記後端部と前記先端部とが接合された未加硫ゴム部材を連続的に次工程に供給する未加硫ゴム部材の接合方法において、前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドを使用し、前記ガイド溝の幅寸法を前記未加硫ゴム部材の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定し、前記先の部材を、前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給している間に、前記次の部材の先端部を把持部により把持して前記把持部の前方に予め所定長さ突出させた状態で待機し、前記先の部材を所定長さ供給した時点で、前記先の部材を繰り出している前記リールと前記接合ガイドとの間で前記先の部材を押え部により挟持してその押え部と前記接合ガイドとの間で前記先の部材を張設した状態にして、その押え部と前記接合ガイドの間で前記先の部材を切断した後、前記先の部材を前方に移動させてその切断した後端を前記ガイド溝の所定位置に位置決めし、次いで、前記把持部を下方移動させて、前記次の部材の前記把持部の前方に突出させている部分を前記ガイド溝に挿入して前記先の部材の後端部に重ねて配置し、次いで、押圧部を下方移動させて前記ガイド溝に挿入することで、重ねている後端部と前記先端部とを前記押圧部により押圧して圧着接合し、次いで、前記押圧部を上方移動させて押圧を解除し、かつ、前記次の部材に対する前記把持部による把持を解除して、前記後端部と前記先端部とが接合された前記未加硫ゴム部材を、前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給することを特徴とする。
【0007】
本発明の未加硫ゴム部材の接合システムは、先に供給されている未加硫ゴム部材を先の部材とし、次に供給される未加硫ゴム部材を次の部材として、前記先の部材と前記次の部材がそれぞれ個別にストックされているリールと、それぞれの前記リールから前記先の部材、前記次の部材を繰り出す繰りプルドラムと、繰出された前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合する接合手段と、前記後端部と前記先端部とが接合された未加硫ゴム部材が前記プルドラムを用いて連続的に次工程に供給される未加硫ゴム部材の接合システムにおいて、前記接合手段として、前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドと、下方移動して前記ガイド溝に少なくとも一部が挿入される押圧部とを有し、前記先の部材を前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給している間に前記次の部材の先端部を把持する把持部と、前記先の部材を所定長さ供給した時点で、前記先の部材を繰り出している前記リールと前記接合ガイドとの間で前記先の部材を押え部により挟持してその押え部と前記接合ガイドとの間で前記先の部材を張設した状態にするテンショナーと、張設した状態にした前記先の部材を、前記押え部と前記接合ガイドとの間で切断するカッターと、を備えて、前記ガイド溝の幅寸法が前記未加硫ゴム部材の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定されていて、前記次の部材の先端部が前記把持部により把持されて前記把持部の前方に予め所定長さ突出した状態で待機され、前記カッターにより切断された前記先の部材が前記プルドラムを用いて前方に移動されて、切断されたその後端が前記ガイド溝の所定位置に位置決めされて、前記把持部が下方移動されて、前記次の部材の前記把持部の前方に突出させている部分が前記ガイド溝に挿入されて前記先の部材の後端部に重ねて配置された状態が維持されて、重ねて配置されている前記後端部と前記先端部とが下方移動する前記押圧部により押圧されることで圧着接合されて、前記押圧部が上方移動されて前記押圧部による押圧が解除されて、かつ、前記次の部材に対する前記把持部による把持が解除された後に、前記後端部と前記先端部とが接合された前記未加硫ゴム部材が、前記プルドラムを用いて前記ガイド溝を通過して前記次工程に供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合する接合手段として、前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドを用いるので、前記後端部と前記先端部とがガイド溝の中で、幅方向ずれが規制されて重ねて配置される。また、前記先の部材の後端は前記ガイド溝の中で所定位置に位置決めされていて、前記先端部は前記把持部から前方に所定長さ突出した状態で把持されている。したがって、前記後端部と前記先端部との重なった部分を、下方移動する前記押圧部により前記ガイド溝の中で押圧することで、ずれ無く且つ迅速に圧着接合することが可能になる。これに伴い、未加硫ゴム部材を連続的に次工程に供給できるので生産性向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】接合システムの実施形態を側面視で例示する説明図である。
図2図1の接合システムを平面視で例示する説明図である。
図3図1の一部拡大図である。
図4図2の一部拡大図である。
図5図3のA-A矢視で接合ガイドおよび加圧ローラを例示する説明図である。
図6図3の接合ガイドおよび押圧部を正面視で例示する説明図である。
図7図3の先の未加硫ゴム部材を押え部により挟持した状態を例示する説明図である。
図8図7の押え部により挟持した先の未加硫ゴム部材を切断した状態を例示する説明図である。
図9図8の切断した先の未加硫ゴム部材の後端を、ガイド溝の所定位置に位置決めした状態を例示する説明図である。
図10図9のガイド溝の内部を縦断面視で例示する説明図である。
図11図9の先の未加硫ゴム部材の後端部に、次の未加硫ゴム部材の先端部を重ねた状態を例示する説明図である。
図12図11のガイド溝の内部を縦断面視で例示する説明図である。
図13図11の先の未加硫ゴム部材の後端部と、次の未加硫ゴム部材の先端部とを圧着接合した状態を例示する説明図である。
図14図13のガイド溝の内部を縦断面視で例示する説明図である。
図15】圧着接合した未加硫ゴム部材を次工程に供給している状態を例示する説明図である。
図16】新たに接合する未加硫ゴム部材の先端部を把持部により把持して待機している状態を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の未加硫ゴム部材の接合方法および接合システムを、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1図4に例示する未加硫ゴム部材の接合システム1の実施形態は、次工程である成形ドラム17に対して先に供給されている未加硫ゴム部材R1(以下、先のゴム部材R1という)の後端部と、先のゴム部材R1の次に成形ドラム17に供給される未加硫ゴム部材R2(以下、後のゴム部材R2という)の先端部とを自動制御によって接合する。そして、接合システム1は、この後端部と先端部とが接合された未加硫ゴム部材Rを連続的に成形ドラム17に供給する。
【0012】
次工程では、例えば、供給された未加硫ゴム部材Rを用いて成形ドラム17によってグリーンタイヤ、或いは、グリーンタイヤの中間品が製造される。したがって、この接合システム1と成形ドラム17との組合せは、グリーンタイヤの製造システムとして機能する。この実施形態では、接合システム1と成形ドラム17との間にフェスツーン部16が設けられている。フェスツーン部16は、成形ドラム17に供給される未加硫ゴム部材Rを一次的に貯留する。フェスツーン部16としては、公知の種々のタイプを用いることができる。フェスツーン部16は任意で設けることができる。
【0013】
未加硫ゴム部材R(R1、R2)は、未加硫ゴムを表面に有している部材であり、未加硫ゴムと補強材(繊維補強層や金属線材補強層など)との複合体である。ある程度硬化していて容易に変形しない未加硫ゴムの場合は、未加硫ゴムのみで未加硫ゴム部材Rが構成されることもある。
【0014】
この接合システム1は、先の部材R1と次の部材R2がそれぞれ個別にストックされている供給ユニット3A、3Bと、供給ユニット3A、3Bからそれぞれ、先の部材R1と次の部材R2を繰り出すプルドラム2と、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とを接合する接合手段(接合ガイド10および押圧部14)と、把持部7と、テンショナー8と、カッター9と、制御部15とを備えている。制御部15は、接合システム1の各部品の動作を制御する。制御部15としては、公知の種々のコンピュータが用いられる。
【0015】
尚、図中の矢印Lは、未加硫ゴム部材Rの供給方向(長さ方向)や接合ガイド10の長さ方向を示している。図中の矢印Wは、L方向に直交する方向であり、未加硫ゴム部材Rや接合ガイド10の幅方向を示している。
【0016】
プルドラム2には未加硫ゴム部材R(R1、R2)が掛け回される。プルドラム2が回転駆動することで、掛け回された未加硫ゴム部材R(R1、R2)が、供給ユニット3A、3Bのリール4から繰り出されて、成形ドラム17に向かって供給される。
【0017】
供給ユニット3A、3Bは基本的に同じ構成であり、一方の供給ユニット3Aは下段、他方の供給ユニット3Bは上段に配置されている。それぞれの供給ユニット3A、3Bは幅方向Wに移動して待機場所と供給場所とに配置可能になっている。図1図2では、一方の供給ユニット3Aが供給場所に配置されていて、他方の供給ユニット3Bは待機場所に配置されている。他方の供給ユニット3Bが供給場所に配置されると、一方の供給ユニット3Aは待機場所に配置される。
【0018】
供給ユニット3A、3Bは、リール4と、部材検知センサ5と、押え部6とを有している。供給ユニット3Aのリール4には、先の部材R1が巻回されている。供給ユニット3Bのリール4には次の部材R2が巻回されている。
【0019】
部材検知センサ5は、リール4から繰り出された先の部材R1、R2の有無を検知する。部材検知センサ5としては、光電センサ、レーザセンサなどの公知に種々の非接触センサを用いることができる。リール4から繰り出された先の部材R1、R2が部材検知センサ5により検知されない場合は、リール4が空になって先の部材R1、R2のストックが無いと制御部15により判断される。
【0020】
押え部6は、先の部材R1、R2の長手方向中途の位置を挟持して押える。この実施形態では、押え部6は、対向する回転ローラと押え板とを有している。回転ローラと押え板の少なくとも一方が互いの対向間隔を変化させるように移動する。両者の対向間隔が広い時は、先の部材R1、R2は、対向する回転ローラと押え板との間に延在して通過する。両者の対向間隔が狭い時は、先の部材R1、R2は、対向する回転ローラと押え板との間に挟持される。押え部6によって先の部材R1、R2が挟持されていても、先の部材R1、R2に大きなテンションが作用すると、回転ローラが回転して先の部材R1、R2に過度なテンションが作用することを回避できる。
【0021】
把持部7は、上下方向に移動し、かつ、幅方向Wに移動して供給ユニット3A、3Bと同様に待機場所と供給場所とに配置可能になっている。この実施形態では、上下に進退するシリンダロッドの先端部に設置された一対の把持片が把持部7として用いられている。把持部7は、待機場所にある供給ユニット3Bのリール4から繰り出された次の部材R2の先端部を把持する。次の部材R2の先端部は、把持部7により把持されて把持部7の前方に予め所定長さ突出した状態で待機する。作業者によって、次の部材R2は把持部7の前方に予め所定長さ突出した状態にセットされる。
【0022】
テンショナー8は、旋回軸8aを中心にして旋回するアームの先端に設置された支持部8bを有している。支持部8bは、例えば回転自在に軸支された回転ローラである。支持部8bは、押え部6と接合ガイド10との間に配置されて、先の部材R1の下面を支持する。テンショナー8は、先の部材R1を挟持している押え部6と接合ガイド10との間で先の部材R1を張設した状態にする。即ち、プルドラム2で先の部材R1を引張りつつ、先の部材R1の下面を支持している支持部8bを、旋回軸8aを中心にして上方に旋回させて先の部材R1を持ち上げることで先の部材R1にテンションが付与される。
【0023】
カッター9は、押え部6と接合ガイド10との間で、押え部6により挟持されている先の部材R1を切断する。カッター9は、公知の種々のタイプを用いることができる。
【0024】
接合手段を構成する接合ガイド10は、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝11を有している。ガイド溝11の幅寸法は、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定されている。ガイド溝11の幅寸法の適正値は、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅寸法によって異なるが、例えば、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅寸法の101%~110%、或いは、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅寸法プラス1mm~20mmにする。より好ましくは、ガイド溝11の幅寸法は、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅寸法の103%~105%、或いは、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅寸法プラス3mm~10mmにする。
【0025】
この実施形態では、ガイド溝11の長さ方向L後端部に、平面視で後端に向かって広がる拡張部11aが形成されている。さらに、ガイド溝11には、正面視で上端に向かって広がる拡張部11bが形成されている。ガイド溝11の深さは、先の部材R1と次の部材R2の総厚よりも十分に大きく設定されていて、例えばこの総厚5倍以上である。
【0026】
この実施形態では、さらに、ガイド溝11に入口ガイド12、加圧ローラ13が設けられている。入口ガイド12は、ガイド溝11の長さ方向L後端部に設置されていて円弧状の外周面を有している。供給される未加硫ゴム部材R(R1、R2)は、入口ガイド12の円弧状の外周面に当接してガイド溝11に円滑に導入される。入口ガイド12には例えば固定された円筒体や回転可能な円筒体を用いることができる。
【0027】
加圧ローラ13は、ガイド溝11の長さ方向L先端部に設置されている。加圧ローラ13は、流体シリンダのシリンダロッドの先端に回転自在に軸支されている。供給される未加硫ゴム部材R(R1、R2)は、その表面を転動する加圧ローラ13により、下方に向かって押圧されてガイド溝11を通過する。加圧ローラ13の上下位置を調整することで、未加硫ゴム部材R(R1、R2)に対する押圧力が過不足ない適正値に設定される。入口ガイド12および加圧ローラ13は、任意で設けることができる。
【0028】
接合手段を構成する押圧部14は、流体シリンダやサーボモータなどによって上下移動する。押圧部14は、下方移動してガイド溝11に少なくとも一部が挿入される。この実施形態では、押圧部14は正面視でT字状に形成されている。押圧部14のガイド溝11に挿入される部分の幅寸法は、未加硫ゴム部材R(R1、R2)の幅寸法と同等、或いは、同等以上にすることが好ましい。また、押圧部14のガイド溝11に挿入される部分の長さ寸法は、ガイド溝11の中で重ねられる先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とのオーバーラップ長さ以上にすることが好ましい。
【0029】
ガイド溝11および押圧部14の未加硫ゴム部材R(R1、R2)が接触する部分は、低摩擦の表面にするとよい。低摩擦の表面とは、供給する未加硫ゴム部材Rに対する動摩擦係数(JIS K7125に準拠して測定した測定値)が例えば0.3以下より好ましくは0.2以下の表面である。例えば、その表面をフッ素樹脂で形成する、フッ素表面処理を施す、或いは、微小な凹凸を形成して低摩擦の表面にする。尚、図2図4では、加圧ローラ13を上下移動させる流体シリンダと、押圧部14の図示を省略している。
【0030】
以下、接合システム1を用いて、先のゴム部材R1の後端部と後のゴム部材R2の先端部とを接合する手順の一例を説明する。
【0031】
まず、図1図4に例示するように、一方の供給ユニット3Aを供給場所に配置し、他方の供給ユニット3Bおよび把持部7を待機場所に配置する。この状態で、供給ユニット3Aのリール4から先の部材R1を繰り出して押え部6を通過させる。図5図6に例示するように、この先の部材R1を引き続き、接合ガイド10(ガイド溝11)を通過させて、回転駆動されているプルドラム2に掛け回す。プルドラム2に掛け回された先の部材R1は、プルドラム2の回転によってリール4から繰り出されて、フェスツーン部16に一時的に貯留された後に、回転する成形ドラム17に供給される。
【0032】
成形ドラム17では、先の部材R1が巻き付けられてグリーンタイヤGが成形される。1本のグリーンタイヤGが成形される度に成形ドラム17の回転が停止される。この実施形態では、接合システム1と成形ドラム17との間にフェスツーン部16が設けられているので、成形ドラム17の回転が再開されると先の部材R1が再び、フェスツーン部16から成形ドラム17に供給される。成形ドラム17の回転および回転停止に拘わらず、プルドラム2はフェスツーン部16での先の部材R1の貯留量が一定量以下とならないように、フェスツーン部16に対して先の部材R1を供給する。
【0033】
このように先の部材R1をリール4から繰り出して接合ガイド10(ガイド溝11)を通過させて次工程に供給している間に、他方の供給ユニット3Bでは、図1図4に例示するように、次の部材R2をリール4から繰り出して押え部6を通過させて、その先端部を把持部7によって把持しておく。そして、把持部7の前方に次の部材R2を予め所定長さ突出させた状態で待機する。
【0034】
リール4から先の部材R1を所定長さ供給して、このリール4が空になると、部材検知センサ5がそれを検知する。部材検知センサ5がリール4に先の部材R1が無くなったことを検知した時点で、図7に例示するように、このリール4と接合ガイド10との間で先の部材R1を押え部6により挟持する。そして、テンショナー8を用いて、その押え部6と接合ガイド10との間で先の部材R1を張設した状態にする。
【0035】
詳述すると、部材検知センサ5がリール4に先の部材R1が無くなったことを検知すると、プルドラム2の回転を停止して、先の部材R1を押え部6により挟持する。その後、プルドラム2を若干回転させるとともに、旋回軸8aを中心にして支持部8bを上方に旋回させて接合ガイド10と押え部6との間で先の部材R1を持ち上げる。これにより、支持部8bと接合ガイド10との間で、プルドラム2およびテンショナー8を利用して先の部材R1に適度なテンションを付与して張設した状態にする。
【0036】
次いで、図8に例示するように、張設されている先の部材R1を、支持部8bと接合ガイド10との間でカッター9によって切断する。カッター9によって先の部材R1を切断する位置は予め決定されているので、切断された先の部材R1の後端からガイド溝11の長さ方向L後端までの距離X(図9を参照)は既知である。
【0037】
次いで、図9図10に例示するように、切断した先の部材R1を前方に移動させてその切断した後端をガイド溝11の所定位置Pに位置決めする。そこで、上述した既知の距離Xとガイド溝11の長さ方向L後端から所定位置Pまでの距離Yとを合計した距離(=X+Y)だけ、切断された先の部材R1の後端が前方に移動するようにプルドラム2を回転させる。その結果、切断された先の部材R1の後端は、ガイド溝11の所定位置Pに位置決めされる。即ち、先の部材R1の後端部がガイド溝11に沿って配置される。先の部材R1の後端を所定位置Pに位置決めするとプルドラム2の回転を停止する。
【0038】
先の部材R1をカッター9によって切断した後は、供給ユニット3Bは、次の部材R2の先端部を把持している把持部7とともに幅方向Wに移動して供給場所に配置される。次いで、図11図12に例示するように、供給場所に配置されている把持部7を下方移動させて、次の部材R2の把持部7の前方に突出させている部分をガイド溝11に挿入する。ガイド溝11には、先の部材R1の後端部が既に配置されているので、次の部材R2の先端部が先の部材R1の後端部に重ねて配置される。
【0039】
把持部7と接合ガイド10(ガイド溝11)との長さ方向Lの間隔は一定に設定されていて、把持部7の前方(長さ方向L前方)には次の部材R2が予め所定長さ突出している。したがって、ガイド溝11の中では、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とは所望のオーパーラップ量で精度よく重ねて配置される。
【0040】
次いで、図13図14に例示するように、押圧部14を下方移動させてガイド溝11に挿入することで、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部との重ねた部分Sを押圧部14により押圧して圧着接合する。その結果、押圧部14によって、均一かつ過不足なく押圧された圧着接合部分Sを有する未加硫ゴム部材Rが形成される。即ち、先の部材R1と次の部材R2とが接合されて一体化した未加硫ゴム部材Rが形成される。
【0041】
次いで、図15に例示するように、押圧部14を上方移動させて接合ガイド10(ガイド溝11)から抜き出して、未加硫ゴム部材R(R1、R2)に対する押圧部14による押圧を解除する。また、次の部材R2に対する把持部7による把持を解除し、把持部7は待機位置まで上方移動させる。そして、プルドラム2を回転させることで、先の部材R1と次の部材R2との圧着接合部分Sを有する未加硫ゴム部材R(R1、R2)を、ガイド溝11を通過させてフェスツーン部16および成形ドラム17に向かって供給する。圧着接合部分Sはガイド溝11を通過する際に、加圧ローラ13によって再度押圧されてより確実に圧着接合される。
【0042】
その後、一方の供給ユニット3Aおよび把持部7は、幅方向Wに移動して供給場所から待機場所に配置される。先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とが接合されて、圧着接合部分Sを有する未加硫ゴム部材Rが次工程に供給されると、この次の部材R2は新たな先の部材R1となる。尚、次の部材R2に対する把持を解除した把持部7は、幅方向Wに移動して一方の供給ユニット3Aが配置されている待機場所に配置される。
【0043】
次の部材R2がリール4から繰り出され続けると、リール4が空になるので、その前に、待機場所に移動した一方の供給ユニット3Aに、未加硫ゴム部材Rが巻回された新たなリール4をセットする。この未加硫ゴム部材Rが、新たな次の部材R2として次工程に供給されることになる。そこで、図16に例示するように、一方の供給ユニット3Aに新たにセットされたリール4から繰り出した未加硫ゴム部材Rを新たな次の部材R2としてその先端部を把持部7により把持する。そして、この新たな次の部材R2の先端部は、把持部7により把持されて把持部7の前方に予め所定長さ突出した状態で待機する。即ち、図16の状態は、図3に例示した状態と実質的に同様である。尚、図16ではカッター9を省略している。以後は、図7図15で例示した同様の手順で、新たな先の部材の後端部と新たな次の部材の先端部とを接合する。
【0044】
成形ドラム17では、供給された未加硫ゴム部材R(R1、R2)を用いてグリーンタイヤGが成形される。成形されたグリーンタイヤGは、公知の方法で加硫されてタイヤが完成する。
【0045】
上述したように、この接合システム1によれば、上述した接合ガイド10を用いて、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とを接合するので、接合される後端部と前記先端部とがガイド溝11の中で、幅方向Wずれが規制されて重ねて配置される。さらに、先の部材R1の後端はガイド溝11の中で所定位置Pに位置決めされ、次の部材R2の先端部は把持部7から前方に所定長さ突出した状態で把持されているので、ガイド溝11の中では、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とが所望のオーパーラップ量で精度よく重ねて配置される。即ち、先の部材R1の後端部および次の部材R2の先端部の長さ方向Lのずれも規制されて両者が重ねて配置される。
【0046】
この状態で、先の部材R1の後端部および次の部材R2の先端部がガイド溝11の中で押圧部14によって押圧される。そのため、先の部材R1の後端部および次の部材R2の先端部は、この押圧によって幅方向Wにずれることも抑制される。そして、この後端部と先端部とを圧着接合するには、ガイド溝11に押圧部14を挿入するだけで迅速に行える。したがって、この後端部と先端部とをずれ無く且つ迅速に圧着接合することが可能になる。これに伴い、未加硫ゴム部材Rを連続的に次工程に供給できるのでグリーンタイヤGの生産性向上、ひいてはタイヤの生産性向上に大きく寄与する。
【0047】
先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部との接合を迅速に行えるので、フェスツーン部16の長さ(大きさ)を最小限することが可能になり、製造設備の省スペース化にも寄与する。また、フェスツーン部16が無い製造設備の場合は、この接合システム1を用いることで、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とを接合するために、次工程の稼働が停止する時間を最小限にできる。即ち、生産性の低下を回避するには有利になる。
【0048】
この実施形態のように、ガイド溝11に拡張部11a、11bを形成することで、未加硫ゴム部材R(R1、R2)をより円滑にガイド溝11に挿入、導入し易くなる。また、ガイド溝11および押圧部14の未加硫ゴム部材R(R1、R2)が接触する部分を低摩擦の表面にすることで、未加硫ゴム部材R(R1、R2)が強固に付着することを回避できるので、先の部材R1の後端部と次の部材R2の先端部とを、円滑、迅速に圧着接合するには益々有利になる。
【0049】
本開示は、以下の発明を包含する。
[発明1]
先に供給されている未加硫ゴム部材を先の部材とし、次に供給される未加硫ゴム部材を次の部材として、前記先の部材と前記次の部材をそれぞれ個別にストックされているリールから繰り出して、前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合して、前記後端部と前記先端部とが接合された未加硫ゴム部材を連続的に次工程に供給する未加硫ゴム部材の接合方法において、
前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドを使用し、前記ガイド溝の幅寸法を前記未加硫ゴム部材の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定し、
前記先の部材を、前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給している間に、前記次の部材の先端部を把持部により把持して前記把持部の前方に予め所定長さ突出させた状態で待機し、
前記先の部材を所定長さ供給した時点で、前記先の部材を繰り出している前記リールと前記接合ガイドとの間で前記先の部材を押え部により挟持してその押え部と前記接合ガイドとの間で前記先の部材を張設した状態にして、その押え部と前記接合ガイドの間で前記先の部材を切断した後、前記先の部材を前方に移動させてその切断した後端を前記ガイド溝の所定位置に位置決めし、
次いで、前記把持部を下方移動させて、前記次の部材の前記把持部の前方に突出させている部分を前記ガイド溝に挿入して前記先の部材の後端部に重ねて配置し、
次いで、押圧部を下方移動させて前記ガイド溝に挿入することで、重ねている後端部と前記先端部とを前記押圧部により押圧して圧着接合し、
次いで、前記押圧部を上方移動させて押圧を解除し、かつ、前記次の部材に対する前記把持部による把持を解除して、前記後端部と前記先端部とが接合された前記未加硫ゴム部材を、前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給する未加硫ゴム部材の接合方法。
[発明2]
前記ガイド溝の供給方向後端部に、平面視で後端に向かって広がる拡張部を形成しておく[発明1]に記載の未加硫ゴム部材の接合方法。
[発明3]
前記ガイド溝に、正面視で上端に向かって広がる拡張部を形成しておく[発明1]または[発明2]に記載の未加硫ゴム部材の接合方法。
[発明4]
前記押え部が対向する回転ローラと押え板とを有し、前記回転ローラと前記押え板の少なくとも一方を互いの対向間隔を変化させるように移動させる構成にして、前記対向間隔を小さくすることで前記先の部材を前記押え部により挟持する[発明1]~[発明3]のいずれかに記載の未加硫ゴム部材の接合方法。
[発明5]
先に供給されている未加硫ゴム部材を先の部材とし、次に供給される未加硫ゴム部材を次の部材として、前記先の部材と前記次の部材がそれぞれ個別にストックされているリールと、それぞれの前記リールから前記先の部材、前記次の部材を繰り出す繰りプルドラムと、繰出された前記先の部材の後端部と前記次の部材の先端部とを接合する接合手段と、前記後端部と前記先端部とが接合された未加硫ゴム部材が前記プルドラムを用いて連続的に次工程に供給される未加硫ゴム部材の接合システムにおいて、
前記接合手段として、前記未加硫ゴム部材の供給方向に延在して上方を開口したガイド溝を有する接合ガイドと、下方移動して前記ガイド溝に少なくとも一部が挿入される押圧部とを有し、
前記先の部材を前記ガイド溝を通過させて前記次工程に供給している間に前記次の部材の先端部を把持する把持部と、
前記先の部材を所定長さ供給した時点で、前記先の部材を繰り出している前記リールと前記接合ガイドとの間で前記先の部材を押え部により挟持してその押え部と前記接合ガイドとの間で前記先の部材を張設した状態にするテンショナーと、
張設した状態にした前記先の部材を、前記押え部と前記接合ガイドとの間で切断するカッターと、を備えて、
前記ガイド溝の幅寸法が前記未加硫ゴム部材の幅方向ずれを規制する所定寸法に設定されていて、
前記次の部材の先端部が前記把持部により把持されて前記把持部の前方に予め所定長さ突出した状態で待機され、
前記カッターにより切断された前記先の部材が前記プルドラムを用いて前方に移動されて、切断されたその後端が前記ガイド溝の所定位置に位置決めされて、
前記把持部が下方移動されて、前記次の部材の前記把持部の前方に突出させている部分が前記ガイド溝に挿入されて前記先の部材の後端部に重ねて配置された状態が維持されて、重ねて配置されている前記後端部と前記先端部とが下方移動する前記押圧部により押圧されることで圧着接合されて、
前記押圧部が上方移動されて前記押圧部による押圧が解除されて、かつ、前記次の部材に対する前記把持部による把持が解除された後に、前記後端部と前記先端部とが接合された前記未加硫ゴム部材が、前記プルドラムを用いて前記ガイド溝を通過して前記次工程に供給される未加硫ゴム部材の接合システム。
【符号の説明】
【0050】
1 接合システム
2 プルドラム
3A、3B 供給ユニット
4 リール
5 部材検知センサ
6 押え部
7 把持部
8 テンショナー
8a 旋回軸
8b 支持部
9 カッター
10 接合ガイド
11 ガイド溝
11a、11b 拡張部
12 入口ガイド
13 加圧ローラ
14 押圧部
15 制御部
16 フェスツーン部
17 成形ドラム
R 未加硫ゴム部材
R1 先に供給されている未加硫ゴム部材(先の部材)
R2 次に供給される未加硫ゴム部材(次の部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16