IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロンヘルスケア株式会社の特許一覧

特開2024-175815測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム
<>
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図1
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図2
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図3
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図4
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図5
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図6
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図7
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図8
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図9
  • 特開-測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175815
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/36 20180101AFI20241212BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20241212BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20241212BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20241212BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H04W76/36
H04W84/10 110
H04W48/10
H04W52/02 110
A61B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093847
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 泰士
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 哲三
【テーマコード(参考)】
4C117
5K067
【Fターム(参考)】
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE37
4C117XH02
5K067AA43
5K067EE02
5K067EE35
5K067FF01
5K067GG04
(57)【要約】
【課題】消費電力を抑制することが可能な測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る測定装置1は、生体情報の測定が可能な測定装置である。測定装置1は、無線通信部14と、コントローラ18と、を備える。無線通信部14は、生体情報の測定データを情報端末5a,5bへ送信可能である。コントローラ18は、生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った情報端末5aと無線接続する制御を行い、生体情報の測定時に、被測定者が情報端末5aのユーザaと異なる場合、情報端末5aとの接続を切断し、被測定者の情報端末5bと無線接続を行うように無線通信部14を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報の測定が可能な測定装置であって、
前記生体情報の測定データを情報端末へ送信可能な無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、前記アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末と無線接続する制御を行い、
前記生体情報の測定時に、被測定者が前記第1情報端末のユーザと異なる場合、前記第1情報端末との接続を切断し、前記被測定者の第2情報端末と無線接続する制御を行う、
測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記制御部は、前記第2情報端末と無線接続する際に、前記被測定者を示す情報を含むアドバタイズ信号を無線送信する、
測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の測定装置であって、
前記制御部は、
前記生体情報の測定前に前記第1情報端末と無線接続した際に、前記第1情報端末との信号送信間隔を第1間隔に設定し、
前記被測定者の情報端末へ前記生体情報の測定データを無線送信する際に、前記被測定者の情報端末との信号送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に設定する、
測定装置。
【請求項4】
生体情報の測定が可能な測定装置と無線通信が可能な情報端末であって、
前記測定装置から前記生体情報の測定データを受信可能な無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記測定装置から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、前記情報端末のユーザと異なるユーザを示す情報が前記アドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて前記測定装置に接続要求を行う、
情報端末。
【請求項5】
生体情報の測定が可能であり、前記生体情報の測定データを情報端末へ送信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える測定装置の制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、前記アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末と無線接続する制御を行い、
前記生体情報の測定時に、被測定者が前記第1情報端末のユーザと異なる場合、前記第1情報端末との接続を切断し、前記被測定者の第2情報端末と無線接続する制御を行う、
制御方法。
【請求項6】
生体情報の測定が可能であり、前記生体情報の測定データを情報端末へ送信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える測定装置の制御プログラムであって、
前記プロセッサに、
前記生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、前記アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末と無線接続する制御を行い、
前記生体情報の測定時に、被測定者が前記第1情報端末のユーザと異なる場合、前記第1情報端末との接続を切断し、前記被測定者の第2情報端末と無線接続する制御を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【請求項7】
生体情報の測定が可能な測定装置から前記生体情報の測定データを受信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える情報端末の制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記測定装置から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、前記情報端末のユーザと異なるユーザを示す情報が前記アドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて前記測定装置に接続要求を行う、
制御方法。
【請求項8】
生体情報の測定が可能な測定装置から前記生体情報の測定データを受信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える情報端末の制御プログラムであって、
前記プロセッサに、
前記測定装置から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、前記情報端末のユーザと異なるユーザを示す情報が前記アドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて前記測定装置に接続要求を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンと電子端末とが、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))を介して通信可能に接続されたシステムが知られている(特許文献1)。また、スマートフォン等からなる情報処理装置と、歩数計、活動量、心拍計等からなる健康機器とを含み、アドレス、認証キー、暗号化キー等を交換して通信接続を確立し、Bluetooth(登録商標)等を介して測定データを取得する情報処理システムが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-136136号公報
【特許文献2】特開2015-159979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムによれば、アドバタイズの送信側である電子端末とアドバタイズの受信側であるスマートフォンとは、1日4回、予め定められた時刻に通信接続して、電子端末で測定した情報をスマートフォンに送信し、その後に通信を切断する。両者の同期回数は1日4回に限定されず、同期をするためのトリガは時刻に限定されない。
【0005】
特許文献2の情報処理システムによれば、タイミング制御情報として、通常動作モードと省電力動作モードが設定され、省電力動作モードにおいてアドバタイズするために消費される電力が通常動作モードにおいて消費される電力よりも低減されるように、それぞれのモードにおいて、アドバタイズする周期及び時間、データを測定する周期及び時間が設定可能である。
【0006】
ところで、アドバタイズの送信タイミングを限定することで消費電力を抑制することは可能であるが、その限定された分だけ接続の機会が制限される。しかしながら、特許文献1及び特許文献2には、この接続機会が制限されることに対しての処理については記載されていない。したがって、アドバタイズの送信と消費電力の抑制についてはさらなる改善の余地がある。
【0007】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力を抑制することが可能な測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0009】
(1)
生体情報の測定が可能な測定装置であって、
前記生体情報の測定データを情報端末へ送信可能な無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、前記アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末と無線接続する制御を行い、
前記生体情報の測定時に、被測定者が前記第1情報端末のユーザと異なる場合、前記第1情報端末との接続を切断し、前記被測定者の第2情報端末と無線接続する制御を行う、
測定装置。
【0010】
(1)によれば、生体情報の測定の指示を受け付ける前から、アドバタイズ信号を送信し、接続要求を行った情報端末と無線接続しておくことで、仕様により送信間隔をあまり長くできないアドバタイズ信号の送信を停止して消費電力を抑制することができる。ここで、無線接続を維持するためにConnection Intervalの間隔でパケットの送受信が必要になるが、Connection Intervalはアドバタイズ信号よりも長くできるため、トータルで消費電力を抑制することができる。また、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末のユーザが測定を開始した場合は、その無線接続により測定データの転送を行うことができるため、利便性を向上させることができる。もし、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末のユーザとは異なるユーザが測定を開始した場合は、測定を開始したユーザの情報端末へ無線接続し直して測定データの転送を行うことができるため、予め無線接続しておくことによる利便性の低下を抑制することができる。
【0011】
(2)
(1)に記載の測定装置であって、
前記制御部は、前記第2情報端末と無線接続する際に、前記被測定者を示す情報を含むアドバタイズ信号を無線送信する、
測定装置。
【0012】
(2)によれば、被測定者と異なるユーザの情報端末は、その情報端末のユーザと異なるユーザが測定中であることをアドバタイズ信号から認識できるため、そのアドバタイズ信号を検知しても接続要求を行わない制御を行うことができる。このため、被測定者の情報端末と、被測定者と異なるユーザの情報端末と、の競合を抑制することができる。
【0013】
(3)
(1)又は(2)に記載の測定装置であって、
前記制御部は、
前記生体情報の測定前に前記第1情報端末と無線接続した際に、前記第1情報端末との信号送信間隔を第1間隔に設定し、
前記被測定者の情報端末へ前記生体情報の測定データを無線送信する際に、前記被測定者の情報端末との信号送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に設定する、
測定装置。
【0014】
(3)によれば、生体情報の測定前に無線接続した第1情報端末と信号送信する第1間隔を、生体情報の測定データを被測定者の情報端末へ無線送信する際に信号送信する第2間隔よりも長く設定することにより、信号送信回数を減少させることができ、消費電力を抑制できる。
【0015】
(4)
生体情報の測定が可能な測定装置と無線通信が可能な情報端末であって、
前記測定装置から前記生体情報の測定データを受信可能な無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記測定装置から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、前記情報端末のユーザと異なるユーザを示す情報が前記アドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて前記測定装置に接続要求を行う、
情報端末。
【0016】
(4)によれば、受信したアドバタイズ信号に含まれるユーザを示す情報に基づいて、自情報端末のユーザと異なるユーザが測定中であることを認識できるため、そのアドバタイズ信号を検知することで接続要求を行わないように制御することができる。これにより、必要のない処理を減らすことができ、消費電力を抑制できる。
【0017】
(5)
生体情報の測定が可能であり、前記生体情報の測定データを情報端末へ送信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える測定装置の制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、前記アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末と無線接続する制御を行い、
前記生体情報の測定時に、被測定者が前記第1情報端末のユーザと異なる場合、前記第1情報端末との接続を切断し、前記被測定者の第2情報端末と無線接続する制御を行う、
制御方法。
【0018】
(5)によれば、生体情報の測定の指示を受け付ける前から、アドバタイズ信号を送信し、接続要求を行った情報端末と無線接続しておくことで、仕様により送信間隔をあまり長くできないアドバタイズ信号の送信を停止して消費電力を抑制することができる。ここで、無線接続を維持するためにConnection Intervalの間隔でパケットの送受信が必要になるが、Connection Intervalはアドバタイズ信号よりも長くできるため、トータルで消費電力を抑制することができる。また、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末のユーザが測定を開始した場合は、その無線接続により測定データの転送を行うことができるため、利便性を向上させることができる。もし、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末のユーザとは異なるユーザが測定を開始した場合は、測定を開始したユーザの情報端末へ無線接続し直して測定データの転送を行うことができるため、予め無線接続しておくことによる利便性の低下を抑制することができる。
【0019】
(6)
生体情報の測定が可能であり、前記生体情報の測定データを情報端末へ送信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える測定装置の制御プログラムであって、
前記プロセッサに、
前記生体情報の測定の指示前に、アドバタイズ信号を無線送信し、前記アドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末と無線接続する制御を行い、
前記生体情報の測定時に、被測定者が前記第1情報端末のユーザと異なる場合、前記第1情報端末との接続を切断し、前記被測定者の第2情報端末と無線接続する制御を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0020】
(6)によれば、生体情報の測定の指示を受け付ける前から、アドバタイズ信号を送信し、接続要求を行った情報端末と無線接続しておくことで、仕様により送信間隔をあまり長くできないアドバタイズ信号の送信を停止して消費電力を抑制することができる。ここで、無線接続を維持するためにConnection Intervalの間隔でパケットの送受信が必要になるが、Connection Intervalはアドバタイズ信号よりも長くできるため、トータルで消費電力を抑制することができる。また、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末のユーザが測定を開始した場合は、その無線接続により測定データの転送を行うことができるため、利便性を向上させることができる。もし、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末のユーザとは異なるユーザが測定を開始した場合は、測定を開始したユーザの情報端末へ無線接続し直して測定データの転送を行うことができるため、予め無線接続しておくことによる利便性の低下を抑制することができる。
【0021】
(7)
生体情報の測定が可能な測定装置から前記生体情報の測定データを受信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える情報端末の制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記測定装置から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、前記情報端末のユーザと異なるユーザを示す情報が前記アドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて前記測定装置に接続要求を行う、
制御方法。
【0022】
(7)によれば、受信したアドバタイズ信号に含まれるユーザを示す情報に基づいて、自情報端末のユーザと異なるユーザが測定中であることを認識できるため、そのアドバタイズ信号を検知することで接続要求を行わないように制御することができる。これにより、必要のない処理を減らすことができ、消費電力を抑制できる。
【0023】
(8)
生体情報の測定が可能な測定装置から前記生体情報の測定データを受信可能な無線通信部と、前記無線通信部を制御するプロセッサと、を備える情報端末の制御プログラムであって、
前記プロセッサに、
前記測定装置から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、前記情報端末のユーザと異なるユーザを示す情報が前記アドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて前記測定装置に接続要求を行う、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0024】
(8)によれば、受信したアドバタイズ信号に含まれるユーザを示す情報に基づいて、自情報端末のユーザと異なるユーザが測定中であることを認識できるため、そのアドバタイズ信号を検知することで接続要求を行わないように制御することができる。これにより、必要のない処理を減らすことができ、消費電力を抑制できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、消費電力を抑制することが可能な測定装置、情報端末、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の測定装置1と、当該測定装置1と無線通信を行う情報端末5a,5bと、を含む情報管理システム100を示す図である。
図2】測定装置1の一例である血圧計1Aを示す図である。
図3】情報端末5a,5bがネットワーク接続される一例を示す図である。
図4】測定装置1の構成を示すブロック図である。
図5】情報端末5の構成を示すブロック図である。
図6】情報管理システム100における測定装置1と情報端末5a,5bの動作の一例を示すシーケンス図である。
図7】情報管理システム100における測定装置1と情報端末5a,5bの動作の変形例を示すシーケンス図である。
図8】測定装置1における動作の一例を示すフローチャートである。
図9】接続切替処理を示すフローチャートである。
図10】情報端末5a,5bにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0028】
§1 適用例
<本発明を適用した情報管理システム100>
図1は、本発明の測定装置1と、当該測定装置1と無線通信を行う情報端末5a,5bと、を含む情報管理システム100である。
【0029】
測定装置1は、体重、体組成、血圧、脈拍、心拍、体温、血糖、又は血中酸素飽和度等の生体情報を測定する生体情報測定装置を含む。測定装置1には、測定対象量を測定するための測定用センサが含まれる。測定用センサの測定対象量には、測定装置1に応じて、体重、体脂肪率、血圧値、脈拍数、心拍数、体温、血糖値、又は血中酸素飽和度等の生体情報が含まれる。また、測定装置1は、非ウェアラブルな測定装置である。非ウェアラブルな測定装置とは、ウェアラブルでない測定装置である。ウェアラブルな測定装置とは、ユーザの身体への装着により携帯される測定装置(例えば活動量計)である。例えば、測定装置1(非ウェアラブルな測定装置)は、地面や台の上に設置された状態で使用される、体重計、体組成計、体重体組成計、血圧計などの測定装置である。測定装置1は、測定した生体情報をユーザの測定データとして、無線通信により情報端末5a,5bに送信する。
【0030】
情報端末5a,5bは、測定装置1から受信した測定データを情報端末5a,5b内のデータ記憶部に記憶する。また、情報端末5a,5bは、測定装置1以外の外部機器とも無線通信を行うことが可能であり、外部機器から取得した情報を情報端末5a,5b内のデータ記憶部に記憶する。情報端末5a,5bは、測定装置1及びその他の外部機器から取得した種々の情報を分析する情報処理装置である。情報端末5a,5bは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、及びデスクトップパソコン、ウェアラブル端末等のディスプレイを有する端末である。情報端末5a,5bは、特定の測定装置1から測定データを取得するように設定されていてもよい。測定データを取得する特定の測定装置1は、情報端末5a,5bのデータ記憶部に予め登録されていてもよい。本例では2台の情報端末を示すが、これに限定されず、2台以上の情報端末を含んでもよい。
【0031】
図2は、測定装置1の一例である血圧計1Aを示す図である。血圧計1Aは、生体情報測定装置の一例であり、ユーザの血圧(圧脈波データ)を測定し、その測定結果をユーザに出力する。また、血圧計1Aは、測定結果をユーザの測定データとして無線通信により情報端末5a,5bに送信する。例えば、血圧計1Aは、本体部21と、ユーザの上腕に巻付け可能なカフ22と、本体部21とカフ22を接続するエアチューブ23とを備える。図2の例ではカフ22と本体部21が別体となっているが、カフ22が本体部21と一体化されていてもよい。
【0032】
図3は、情報端末5a,5bがネットワーク接続される一例を示す図である。図3に示すように、情報端末5a,5bは、インターネット等の広域ネットワークNを介してクラウドサーバ90に接続されてもよい。情報端末5a,5bは、自己が記憶する測定データを、広域ネットワークNを介してクラウドサーバ90に送信し、クラウドサーバ90においてデータベースとしてユーザの測定データを管理するようにしてもよい。また、情報端末5a,5bは、クラウドサーバ90において管理される測定データを、広域ネットワークNを介して取得し、取得した測定データを利用するようにしてもよい。
【0033】
§2 構成例
<測定装置1の構成>
図4は、測定装置1の構成を示すブロック図である。測定装置1は、種々の情報を表示する表示部11と、ユーザが操作を行う操作部12と、生体情報等を測定する測定部13と、外部機器と通信を行うための無線通信部14と、を備える。また、測定装置1は、情報を一時的に記憶するRAM16と、情報やプログラムを記憶するデータ記憶部17と、全体の動作を制御するコントローラ18と、を備える。コントローラ18は、本発明の「制御部」の一例である。
【0034】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。操作部12は、ボタンやタッチパネルのようなユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースである。ボタンは、測定装置1に物理的に設けられたボタンや表示部11に表示された仮想的なボタンを含む。
【0035】
測定部13は、体重、体組成、血圧、脈拍、心拍、体温、血糖、血中酸素飽和度等の生体情報を測定する。何を測定するかは、測定装置1の測定対象により異なる。
【0036】
無線通信部14は、近距離無線通信を行う通信部、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))規格にしたがい通信を行うための回路(モジュール)である。無線通信部14は、無線通信を行うためのアドバタイズ信号をブロードキャスト通信により不特定多数の外部機器に所定の発信周期で送信する。無線通信部14は、アドバタイズ信号に、例えば、測定装置1の名前や属性情報を含めて発信する。無線通信部14が行う無線通信(BLE通信)は、例えば2.4GHz周波数を利用する通信である。無線通信部14は、測定部13で測定された生体情報等の測定データを、BLE通信により情報端末5に送信する。
【0037】
RAM16は、例えば、DRAMやSRAM等の半導体デバイスで構成され、情報を一時的に記憶するとともに、コントローラ18の作業エリアとしても機能する。
【0038】
データ記憶部17は、所定の機能を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び測定データ等を記憶する記録媒体である。データ記憶部17は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶装置(SSD)で構成される。
【0039】
コントローラ18は、制御プログラムを実行することで所定の機能を実現する。なお、本実施形態では、データ記憶部17に制御プログラムとして、例えば、測定装置用の健康管理アプリケーションソフトが予めインストールされており、コントローラ18はこの健康管理アプリケーションソフトを実行することにより所定の機能を実現する。
【0040】
例えば、コントローラ18は、無線通信(BLE通信)のためのアドバタイズ信号を所定の発信周期で送信させるように無線通信部14を制御する。具体的には、コントローラ18は、測定装置1が起動されると、アドバタイズ信号を送信させるように制御する。例えば図2に示す血圧計1Aにおいて本体部21の電源ボタンがオンされると、コントローラ18はアドバタイズ信号の送信を開始させるように無線通信部14を制御する。
【0041】
コントローラ18は、生体情報の測定の指示をユーザから受ける前においては、アドバタイズ信号を無線通信部14から無線送信させ、そのアドバタイズ信号に応じて接続要求を行った第1情報端末(例えば、情報端末5a)と無線接続する制御を行う。コントローラ18は、測定装置1と第1情報端末との間の無線通信が接続されている期間では、アドバタイズ信号の送信を停止させるように無線通信部14を制御する。
【0042】
コントローラ18は、ユーザから生体情報の測定開始の指示を受けて測定を行っている測定時においては、その測定開始の指示を行った被測定者が、現在、コントローラ58が無線接続している第1情報端末(例えば、情報端末5a)のユーザaと異なる場合、第1情報端末との無線接続を切断し、測定開始の指示を行った被測定者(例えば、ユーザb)の第2情報端末(例えば、情報端末5b)と無線接続する制御を行う。コントローラ18は、第1情報端末との無線接続を切断した後、第2情報端末と無線接続する際に、被測定者(ユーザb)を示す情報(例えば、「測定ユーザ」情報)を含むアドバタイズ信号を無線送信する制御を行う。コントローラ58は、さらに測定中であることを示す情報(例えば、「測定フラグ」情報)をアドバタイズ信号に含めて送信してもよい。
【0043】
また、コントローラ18は、生体情報の測定の指示をユーザから受ける前に第1情報端末と無線接続した際には、第1情報端末との信号送信間隔を第1間隔に設定し、被測定者の情報端末へ生体情報の測定データを無線送信する際には、被測定者の情報端末との信号送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に設定する制御を行う。「信号送信間隔」とは、データパケットを送信する間隔、すなわちConnection Intervalのことである。「第2間隔」は、通常の通信用の間隔のことであり、例えば7.5ms間隔である。「第1間隔」は、第2間隔より長く、設定可能な最も長い間隔のことであり、例えば10sec間隔である。
【0044】
<情報端末5(5a,5b)の構成>
図5は、情報端末5(5a,5b)の構成を示すブロック図である。情報端末5は、種々の情報を表示する表示部51と、ユーザが操作を行う操作部52と、位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)センサ53と、外部機器と通信を行うための第1無線通信部54及び第2無線通信部55と、を備える。また、情報端末5は、情報を一時的に記憶するRAM56と、情報やプログラムを記憶するデータ記憶部57と、全体の動作を制御するコントローラ58と、を備える。
【0045】
表示部51は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。操作部52は、ボタンやタッチパネルのようなユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースである。ボタンは、情報端末5に物理的に設けられたボタンや表示部51に表示された仮想的なボタンを含む。GPSセンサ53は、情報端末5の現在位置を検出するためのセンサである。
【0046】
第1無線通信部54は、セルラ通信を行う通信部、例えば、4G、5G、LTE(Long Term Evolution:登録商標)等の規格にしたがい通信を行うことが可能な回路(モジュール)である。また、第1無線通信部54は、無線LAN通信を行う通信部、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の規格にしたがい通信を行うことが可能な回路(モジュール)である。第2無線通信部55は、近距離無線通信を行う通信部、例えば、BLE規格にしたがい通信を行うことが可能な回路(モジュール)である。
【0047】
第2無線通信部55は、例えば、測定装置1の無線通信部14とBLE通信を行うことにより、測定装置1で測定されたユーザの測定データを取得する。第2無線通信部55は、スキャンすることで、測定装置1の無線通信部14から送信されているアドバタイズ信号を受信する。第2無線通信部55は、受信したアドバタイズ信号から測定装置1を認識し、通信接続したい場合に接続要求を測定装置1に対して送信する。なお、測定装置1は、アドバタイズ信号を発信した後に、所定時間、接続要求を待ち、所定時間内に接続要求を受信するとアドバタイズ信号の発信を停止し、接続要求相手との1対1の接続通信に切り替える。
【0048】
RAM56は、例えば、DRAMやSRAM等の半導体デバイスで構成され、情報を一時的に記憶するとともに、コントローラ58の作業エリアとしても機能する。
【0049】
データ記憶部57は、所定の機能を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び測定装置1から取得した測定データ等を記憶する記録媒体である。データ記憶部57は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶装置(SSD)で構成される。
【0050】
コントローラ58は、制御プログラムを実行することで所定の機能を実現する。なお、本実施形態では、データ記憶部57に制御プログラムとして、例えば、情報端末用の健康管理アプリケーションソフトが予めインストールされており、コントローラ58はこの健康管理アプリケーションソフトを実行することにより所定の機能を実現する。
【0051】
例えば、コントローラ58は、情報端末用の健康管理アプリケーションソフトが立ち上げられると、スキャンすることでアドバタイズ信号を受信するように第2無線通信部55を制御する。コントローラ58は、測定装置1からのアドバタイズ信号が受信されると、測定装置1へ接続要求を送信するように第2無線通信部55を制御する。測定装置1により接続要求が受信されると、測定装置1の通信が情報端末5との間の1対1の接続通信に切り替えられ、情報端末5と測定装置1とがBLE接続された状態となる。
【0052】
また、コントローラ58は、測定装置1から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、情報端末5のユーザと異なるユーザを示す情報(例えば、「測定ユーザ」情報)がアドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて測定装置1に接続要求を送信するか否か判断する。
【0053】
§3 動作例
<情報管理システム100の動作>
次に、図6を参照して、情報管理システム100の動作を説明する。図6は、情報管理システム100における測定装置1と情報端末5(5a,5b)の動作の一例を示すシーケンス図である。情報端末5aはユーザaが所有する情報端末であり、情報端末5bはユーザbが所有する情報端末であるとする。また、情報端末5a及び5bは、それぞれ測定装置1とペアリング済みであるとする。
【0054】
まず、測定装置1は、例えば測定装置1の電源がオンされると、健康管理アプリケーションを実行し、無線通信(BLE通信)のためのアドバタイズ信号の送信を開始する(ステップS11)。測定装置1は、アドバタイズ信号を所定の周期で送信するとともに、例えば測定装置1における測定がまだ開始されていないことを示す「測定フラグ=OFF」をアドバタイズ信号に含めて送信する。
【0055】
次に、例えば情報端末5aが、健康管理アプリケーションの実行によりスキャンして測定装置1からのアドバタイズ信号を検知したとする(ステップS12)。情報端末5aは、測定装置1からのアドバタイズ信号を検知すると、測定装置1に対して通信の接続を要求する接続要求の信号を送信する(ステップS13)。
【0056】
次に、測定装置1は、情報端末5aからの接続要求を受信すると、アドバタイズ信号の送信を停止して、情報端末5aとの間の1対1の接続通信を開始する。これにより、測定装置1と情報端末5aとがBLE接続された状態となる(ステップS14)。
【0057】
次に、例えば情報端末5bの所有者であるユーザbが測定装置1を使用してユーザbの生体情報の測定を開始したとする。ユーザbは、測定装置1の例えば測定開始ボタンを押して測定開始の指示を行う。
【0058】
次に、測定装置1は、測定開始の指示に応じて測定データの測定を開始するとともに、被測定者の特定を行う(ステップS15)。被測定者の特定は、例えば被測定者のボタン操作によるユーザ選択に基づく特定であってもよいし、或いは測定値(最初の段階で得られるもの)に基づいて特定されるものであってもよい。測定値に基づいてとは、例えば被測定者の過去の測定値として記憶されている値と比較して特定する場合などを含む。
【0059】
次に、測定装置1は、特定した被測定者が現在BLE通信を行っている情報端末5aのユーザaと一致するか否かを判定し、本例のように被測定者がユーザbでBLE通信を行っている情報端末5aのユーザaと相違する場合には、情報端末5aとの間で行っているBLE接続を切断する(ステップS16)。
【0060】
次に、測定装置1は、無線通信(BLE通信)のためのアドバタイズ信号の送信を開始する(ステップS17)。測定装置1は、アドバタイズ信号を所定の周期で送信するとともに、例えば測定装置1がデータの測定中であることを示す「測定フラグ=ON」と、生体情報を測定している測定者がユーザbであることを示す「測定ユーザ=b」をアドバタイズ信号に含めて送信する。
【0061】
次に、情報端末5aは、健康管理アプリケーションの実行によりスキャンして測定装置1からのアドバタイズ信号を検知する(ステップS18)。また、情報端末5bも同様にして、測定装置1からのアドバタイズ信号を検知する(ステップS19)。
【0062】
情報端末5bは、測定装置1からのアドバタイズ信号に含まれている「測定ユーザ=b」を検知し、情報端末5bの所有者であるユーザbが生体情報を測定していると判定して、測定装置1に対して通信の接続を要求する接続要求の信号を送信する(ステップS20)。一方、情報端末5aは、アドバタイズ信号に含まれている「測定ユーザ=b」を検知し、情報端末5aの所有者とは相違するユーザが生体情報の測定を行っていると判定して、測定装置1に対する接続要求は行わない。
【0063】
次に、測定装置1は、情報端末5bからの接続要求を受信し、アドバタイズ信号の送信を停止して、情報端末5bとの間の1対1の接続通信を開始する。これにより、測定装置1と情報端末5bとがBLE接続された状態となる(ステップS21)。
【0064】
次に、測定装置1は、測定データの測定を終了すると(ステップS22)、測定した測定データをBLE通信により情報端末5bへ送信する(ステップS23)。
【0065】
次に、情報端末5bは、測定装置1から受信した測定データを表示部51に表示するとともに、データ記憶部57に保存する(ステップS24)。これ以降、例えば次の測定開始指示がされて、その被測定者と、現在BLE通信を行っている情報端末5bのユーザbと、が相違すると判定されるまで、情報端末5bと測定装置1との間のBLE接続が維持される。
【0066】
<情報管理システム100の動作の変形例>
次に、図7を参照して、情報管理システム100の動作の変形例を説明する。図7は、情報管理システム100における測定装置1と情報端末5(5a,5b)の動作の変形例を示すシーケンス図である。上記図6の動作例と同様に、ユーザaの情報端末5a及びユーザbの情報端末5bは、それぞれ測定装置1とペアリング済みであるとする。
【0067】
図7に示す本変形例において、ステップS31からステップS34までの各処理は、図6に示す動作例のステップS11からステップS14までの各処理と同様の処理である。このため、これらのステップの処理については説明を省略する。
【0068】
次に、例えば情報端末5aの所有者であるユーザaが測定装置1を使用してユーザaの生体情報の測定を開始したとする。ユーザaは、測定装置1の例えば測定開始ボタンを押して測定開始の指示を行う。
【0069】
次に、測定装置1は、測定開始の指示に応じて測定データの測定を開始するとともに、被測定者の特定を行う(ステップS35)。被測定者の特定は、上記図6の動作例におけるステップS15の場合と同様であり、例えば被測定者のボタン操作によるユーザ選択に基づく特定であってもよいし、測定値(最初の段階で得られるもの)に基づく特定であってもよい。測定装置1は、特定した被測定者が現在BLE通信を行っている情報端末5aのユーザaと一致するか否かを判定し、本例のように被測定者がユーザaでBLE通信を行っている情報端末5aのユーザaと一致する場合には、情報端末5aとの間で行っているBLE接続の状態を維持する。
【0070】
次に、測定装置1は、測定データの測定を終了すると(ステップS36)、測定した測定データをBLE通信により情報端末5aへ送信する(ステップS37)。
【0071】
次に、情報端末5aは、測定装置1から受信した測定データを表示部51に表示するとともに、データ記憶部57に保存する(ステップS38)。これ以降、例えば次の測定開始指示がされて、その被測定者と、現在BLE通信を行っている情報端末5aのユーザaと、が相違すると判定されるまで、情報端末5aと測定装置1との間のBLE接続が維持される。
【0072】
<測定装置1の動作>
次に、図8を参照して、測定装置1の動作を説明する。図8は、測定装置1における動作の一例を示すフローチャートである。本動作の処理は、例えば測定装置1の電源がオン操作されると開始される。
【0073】
まず、測定装置1は、電源がオンされると、健康管理アプリケーションを実行し、BLE通信のためのアドバタイズ信号の送信を開始する(ステップS41)。測定装置1は、例えば測定装置1における測定がまだ開始されていないことを示す「測定フラグ=OFF」をアドバタイズ信号に含めて送信する。測定装置1はアドバタイズ信号を所定の周期で繰り返し送信する。
【0074】
次に、測定装置1は、送信したアドバタイズ信号に対して、例えばペアリングされている情報端末5a,5b等から接続要求があったか否かを判定する(ステップS42)。接続要求がなかった場合(ステップS42:No)には、測定装置1は、ステップS42の処理を繰り返す。
【0075】
ステップS42において、接続要求があった場合(ステップS42:Yes)には、測定装置1は、接続要求をした情報端末5a,5b等とBLE接続による通信を開始する(ステップS43)。
【0076】
次に、測定装置1は、ステップS41で開始したアドバタイズ信号の送信を停止する(ステップS44)。
【0077】
次に、測定装置1は、ステップS43でBLE通信を開始した情報端末5a,5b等とのConnection Intervalを「I1」に設定する(ステップS45)。I1は、測定装置1がデータの測定をまだ開始していない状態のとき(測定フラグ=OFFのとき)に行う情報端末5a,5b等とのBLE通信におけるデータパケットの送信間隔である。例えばI1は、測定装置1において設定可能な最も長い間隔である。I1は、本発明の「第1間隔」の一例である。
【0078】
次に、測定装置1は、測定装置1による生体情報の測定開始の指示をユーザから受け付けたか否かを判定する(ステップS46)。測定開始の指示をユーザから受け付けていない場合(ステップS46:No)は、測定装置1は、ステップS46の処理を繰り返す。
【0079】
ステップS46において、測定開始の指示をユーザから受け付けた場合(ステップS46:Yes)には、測定装置1は、測定データの測定を開始するとともに、測定開始の指示を行ったユーザ、すなわち本測定における被測定者の特定を行う(ステップS47)。被測定者の特定は、上記図6におけるステップS15の場合と同様に、例えば被測定者のボタン操作によるユーザ選択に基づく特定であってもよいし、測定値(最初の段階で得られるもの)に基づく特定であってもよい。
【0080】
次に、測定装置1は、ステップS47で特定した被測定者が、現在BLE接続中の情報端末5a,5b等のユーザa,b等であるか否かを判定する(ステップS48)。
【0081】
ステップS48において、被測定者が現在BLE接続中の情報端末のユーザではない場合(ステップS48:No)には、測定装置1は、図9に示す「接続切替処理」に進み、BLE接続する情報端末の切り替えを行う(ステップS49)。そして、測定装置1は、接続の切り替えを行ってBLE通信を開始した情報端末5a,5b等とのConnection Intervalを「I2」に設定する(ステップS50)。I2は、測定装置1がデータ測定中(測定フラグ=ONのとき)に行う情報端末5a,5b等とのBLE通信におけるデータパケットの送信間隔である。例えばI2は、通常のBLE通信で使う送信間隔である。I2は、本発明の「第2間隔」の一例である。
【0082】
一方、ステップS48において、被測定者が現在BLE接続中の情報端末のユーザである場合(ステップS48:Yes)には、測定装置1は、現在のBLE接続を維持したまま、BLE通信中の情報端末5a,5b等とのConnection Intervalを「I2」に設定する(ステップS50)。
【0083】
次に、測定装置1は、ステップS46で開始したデータの測定が終了したか否かを判定する(ステップS51)。測定が終了していない場合(ステップS51:No)には、測定装置1は、ステップS51の処理を繰り返す。
【0084】
ステップS51において、測定が終了した場合(ステップS51:Yes)には、測定装置1は、BLE接続中の情報端末へ測定データを送信する(ステップS52)。測定装置1は、測定データを情報端末へ送信した後にステップS45に戻り、BLE通信中の情報端末5a,5b等とのConnection Intervalを「I1」に設定して、各処理を繰り返す。
【0085】
なお、上記処理例で測定装置1は、測定が終了したか否かの判定(ステップS51)を行う前にConnection Intervalを「I2」に設定する処理を行ったが、これに限定されない。例えば測定装置1は、測定が終了したか否かの判定を行った後にConnection Intervalを「I2」に設定する処理を行ってもよい。
【0086】
<接続切替処理>
図9は、上記図8のステップS49における「接続切替処理」を示すフローチャートである。被測定者と現在BLE接続中の情報端末のユーザとが相違する場合、まず測定装置1は、情報端末5a,5b等との間で現在行っているBLE接続を切断する(ステップS61)。
【0087】
次に、測定装置1は、BLE通信のためのアドバタイズ信号の送信を開始する(ステップS62)。この場合、測定装置1は、例えば測定装置1がデータの測定中であることを示す「測定フラグ=ON」の情報と、生体情報を測定している測定者を示す「測定ユーザ」の情報と、をアドバタイズ信号に含めて送信する。
【0088】
次に、測定装置1は、ステップS62で送信したアドバタイズ信号に対して、情報端末5a,5b等から接続要求があったか否かを判定する(ステップS63)。接続要求がなかった場合(ステップS63:No)には、測定装置1は、ステップS63の処理を繰り返す。
【0089】
ステップS63において、接続要求があった場合(ステップS63:Yes)には、測定装置1は、その接続要求の要求元が被測定者の情報端末5a,5b等であるか否かを判定する(ステップS64)。
【0090】
ステップS64において、接続要求の要求元が被測定者の情報端末5a,5b等ではない場合(ステップS64:No)には、測定装置1は、ステップS63に戻り各処理を繰り返す。ステップS64において、接続要求の要求元が被測定者の情報端末5a,5b等である場合(ステップS64:Yes)には、測定装置1は、接続要求を行った情報端末5a,5b等とBLE接続による通信を開始する(ステップS65)。
【0091】
次に、測定装置1は、ステップS62で開始したアドバタイズ信号の送信を停止して(ステップS66)、本接続切替処理を終了する。
【0092】
以上説明したように、測定装置1は、生体情報の測定の指示前にアドバタイズ信号を無線送信し、そのアドバタイズ信号に応じて接続要求を行った例えば情報端末5aと無線接続する制御を行う。また、測定装置1は、生体情報の測定時に、生体情報を測定する被測定者と、そのときに無線接続している情報端末5aのユーザと、が異なる場合、それまで無線接続していた情報端末5aとの無線接続を切断し、被測定者の情報端末5bと無線接続する制御を行う。この構成によれば、生体情報の測定の指示を受け付ける前から、アドバタイズ信号を送信し、接続要求を行った情報端末5aと無線接続しておくことで、仕様により送信間隔をあまり長くできないアドバタイズ信号の送信を停止して消費電力を抑制することができる。この場合、無線接続を維持するためにConnection Intervalの間隔でパケットの送受信が必要になるが、Connection Intervalは、アドバタイズ信号の送信間隔よりも長くできるため、トータルでの消費電力を抑制することができる。また、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末5aのユーザaが生体情報の測定を開始した場合は、その無線接続によりユーザaの情報端末5aへ測定データの転送を行うことができるため、利便性を向上させることができる。もし、生体情報の測定の指示を受け付ける前から無線接続していた情報端末5aのユーザaとは異なるユーザbが測定を開始した場合は、測定を開始したユーザbの情報端末5bへ無線接続し直して測定データの転送を行うことができるため、予め無線接続しておくことによる利便性の低下を抑制することができる。
【0093】
また、測定装置1は、生体情報の測定を開始したユーザbの情報端末5bと無線接続する際に、被測定者であるユーザbを示す情報(測定ユーザ=b)を含むアドバタイズ信号を無線送信する。この構成によれば、被測定者と異なるユーザaの情報端末5aは、情報端末5aのユーザaと異なるユーザbが測定中であることをアドバタイズ信号から認識できるため、そのアドバタイズ信号を検知しても接続要求を行わない制御を行うことができる。このため、被測定者(ユーザb)の情報端末5bと、被測定者と異なるユーザaの情報端末5aと、の競合を抑制することができる。
【0094】
また、例えば、測定装置1は、生体情報の測定前に例えば情報端末5aと無線接続した際に、情報端末5aとのConnection Intervalを第1間隔に設定し、被測定者の情報端末5a,5bへ生体情報の測定データを無線送信する際に、被測定者の情報端末5a,5bとのConnection Intervalを第1間隔より短い第2間隔に設定する。この構成によれば、生体情報の測定前に無線接続した情報端末5aと信号送信する第1間隔を、生体情報の測定データを被測定者の情報端末5a,5bへ無線送信する際に信号送信する第2間隔よりも長く設定することで、信号送信回数を減少させることができ、消費電力を抑制することができる。
【0095】
<情報端末5(5a,5b)の動作>
次に、図10を参照して、情報端末5(5a,5b)の動作を説明する。図10は、情報端末5(5a,5b)における動作の一例を示すフローチャートである。本動作の処理は、情報端末5(5a,5b)の健康管理アプリケーションが立ち上げられると開始される。
【0096】
まず、情報端末5は、測定装置1からのアドバタイズ信号を検知したか否かを判定する(ステップS71)。アドバタイズ信号を検知していない場合(ステップS71:No)には、情報端末5は、ステップS71の処理を繰り返す。
【0097】
ステップS71において、アドバタイズ信号を検知している場合(ステップS71:Yes)には、情報端末5は、そのアドバタイズ信号に含まれている「測定フラグ」の情報が「測定フラグ=ON」であるか否かを判定する(ステップS72)。「測定フラグ=ON」の情報は、上述のように測定装置1がデータの測定中であることを示す情報である。
【0098】
ステップS72において、「測定フラグ=ON」ではない場合、すなわち測定装置1がデータの測定中ではない場合(ステップS72:No)には、情報端末5は、測定装置1に対して接続要求を送信する(ステップS73)。
【0099】
ステップS72において、「測定フラグ=ON」である場合、すなわち測定装置1がデータの測定中である場合(ステップS72:Yes)には、情報端末5は、アドバタイズ信号に含まれている「測定ユーザ」の情報が自情報端末のユーザを示す情報であるか否かを判定する(ステップS74)。
【0100】
ステップS74において、「測定ユーザ」の情報が自情報端末のユーザを示す情報である場合(ステップS74:Yes)には、情報端末5は、測定装置1に対して接続要求を送信する(ステップS73)。ステップS74において、「測定ユーザ」の情報が自情報端末のユーザを示す情報ではない場合(ステップS74:No)には、情報端末5は、ステップS71に戻り各処理を繰り返す。
【0101】
次に、情報端末5は、測定装置1とBLE接続できたか否かを判定する(ステップS75)。測定装置1とBLE接続できていない場合(ステップS75:No)には、情報端末5は、ステップS71に戻り各処理を繰り返す。
【0102】
ステップS75において、測定装置1とBLE接続できた場合(ステップS75:Yes)には、情報端末5は、測定装置1から測定データを受信したか否かを判定する(ステップS76)。測定データは測定装置1における測定が終了すると送信される。
【0103】
ステップS76において、測定装置1から測定データを受信していない場合(ステップS76:No)には、情報端末5は、測定装置1とのBLE接続が切断されたか否かを判定する(ステップS77)。測定装置1とのBLE接続が切断されていない場合(ステップS77:No)には、情報端末5は、ステップS76に戻り各処理を繰り返す。測定装置1とのBLE接続が切断されている場合(ステップS77:Yes)には、情報端末5は、ステップS71に戻り各処理を繰り返す。
【0104】
ステップS76において、測定装置1から測定データを受信した場合(ステップS76:Yes)には、情報端末5は、受信した測定データを表示部51に表示するとともに、データ記憶部57に保存する(ステップS78)。情報端末5は測定データを表示・保存した後にステップS76に戻り、各処理を繰り返す。
【0105】
以上説明したように、情報端末5は、測定装置1から無線送信されたアドバタイズ信号を受信した場合に、例えば情報端末5aのユーザaと異なるユーザbを示す情報(測定ユーザ=b)がアドバタイズ信号に含まれているか否かに応じて測定装置1に接続要求を行う。この構成によれば、受信したアドバタイズ信号に含まれるユーザbを示す情報(測定ユーザ=b)に基づいて、情報端末5aのユーザaと異なるユーザbが測定中であることを認識できるため、そのアドバタイズ信号を検知することで接続要求を行わないように制御することができる。これにより、必要のない制御処理を減らすことができ、消費電力を抑制できる。
【0106】
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、上記の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略する。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0107】
上記実施形態では、測定装置1がデータの測定中であることを示す「測定フラグ」の情報をアドバタイズ信号に含めて送信する場合について説明したが、これに限定されない。測定装置1はアドバタイズ信号に「測定フラグ」の情報を含めなくてもよい。その場合、アドバタイズ信号を受信した情報端末は、例えばアドバタイズ信号に含まれる「測定ユーザ」の有無により測定装置1がデータの測定中であるか否かを判断してもよい。
【0108】
§5 プログラム
なお、前述した実施形態で説明した測定装置1又は情報端末5の制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、測定装置1又は情報端末5に含まれるものであってもよいし、測定装置1又は情報端末5と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら測定装置1、情報端末5、及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 測定装置
1A 血圧計
5,5a,5b 情報端末
11,51 表示部
12,52 操作部
13 測定部
14 無線通信部
16,56 RAM
17,57 データ記憶部
18,58 コントローラ
21 本体部
22 カフ
23 エアチューブ
53 GPSセンサ
54 第1無線通信部
55 第2無線通信部
90 クラウドサーバ
100 情報管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10