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特開2024-175818通信装置、サーバー、ログ管理システム、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175818
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】通信装置、サーバー、ログ管理システム、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20241212BHJP
   H04L 41/069 20220101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F11/34 176
H04L41/069
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093850
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】市川 剛生
(72)【発明者】
【氏名】木下 肇
(72)【発明者】
【氏名】吉村 紘一
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GB09
5B042KK13
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC39
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】ルータから送信されるログに基づく調査を行うことが可能な通信装置、サーバー、ログ管理システム、及び制御プログラムを提供すること。
【解決手段】ネットワーク2への接続が可能なルータ11はプロセッサ21を備える。プロセッサ21は、初期設定時にルータ11のUUIDを設定し、UUIDと、ルータ11の動作に関するログと、を対応付けてログ収集システム31へ送信し、UUIDの一部又は全部を示す追跡コードをルータ11のユーザWに通知する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークへの接続が可能な通信装置であって、
初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、
前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知する、
プロセッサを備える通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記追跡コードは、前記ユニークコードの一部を示すコードであり、前記ユニークコードに基づいて生成される、
通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記ログは、前記通信装置の前記ネットワークへの接続結果に関するコードを含む、
通信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記ログは、前記通信装置の型番情報を含む、
通信装置。
【請求項5】
請求項1に記載の通信装置であって、
不揮発性メモリを備え、
前記プロセッサは、
前記ログを前記不揮発性メモリに保存し、
前記不揮発性メモリに保存した前記ログを前記サーバーへ送信する、
通信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記プロセッサは、前記通信装置と通信可能な情報端末を介して前記追跡コードを前記ユーザに通知する、
通信装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置であって、
前記追跡コードは、デコードによって前記ユニークコードの一部又は全部を示すコードである、
通信装置。
【請求項8】
ネットワークへの接続が可能な通信装置から、前記通信装置が初期設定時に設定した前記通信装置のユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けて受信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記ログを抽出する、
プロセッサを備えるサーバー。
【請求項9】
請求項8に記載のサーバーであって、
前記プロセッサは、前記通信装置と異なる装置から、前記通信装置のサポート対応に関するサポート情報と、前記追跡コードと、を対応付けて受信する、
サーバー。
【請求項10】
ネットワークへの接続が可能な通信装置と、サーバーと、を含むログ管理システムであって、
前記通信装置は、
初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、
前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、
前記ユニークコードに基づいて、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知し、
前記サーバーは、
前記通信装置から、前記ユニークコードと前記ログとを対応付けて受信し、
前記追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記対象の通信装置のログを抽出する、
ログ管理システム。
【請求項11】
ネットワークへの接続が可能な通信装置の制御プログラムであって、
前記通信装置のプロセッサに、
初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、
前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【請求項12】
サーバーの制御プログラムであって、
前記サーバーのプロセッサに、
ネットワークへの接続が可能な通信装置から、前記通信装置が初期設定時に設定した前記通信装置のユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けて受信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記対象の通信装置のログを抽出する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、サーバー、ログ管理システム、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット側の回線種別を探索し、インターネットへの接続が完了するまでの設定を自動的に行う機能を有するルータが知られている(例えば、下記の非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“ココをおさえる!ブロードバンド用語のツボ 無線LANルータ編 第25回:インターネット回線の自動判別機能”、Broadband Watch、[online]、[令和5年5月15日検索]、インターネット<URL:https://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/20038.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の機能では、複数の接続方式の探索が自動的に行われるため、インターネットへの接続が失敗した場合、どのような理由で失敗したかをルータのユーザがメーカー等の問い合わせ先に説明することが難しい。このため、問い合わせ先や開発元においてそのルータの現象が再現できず、接続不良時のルータの動作に関するログの有効な調査が困難であった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ルータから送信されるログに基づく調査を行うことを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信装置は、ネットワークへの接続が可能な通信装置であって、
初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、
前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知する、
プロセッサを備えるものである。
【0007】
本発明のサーバーは、ネットワークへの接続が可能な通信装置から、前記通信装置が初期設定時に設定した前記通信装置のユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けて受信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記ログを抽出する、
プロセッサを備えるものである。
【0008】
本発明のログ管理システムは、ネットワークへの接続が可能な通信装置と、サーバーと、を含むログ管理システムであって、
前記通信装置は、
初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、
前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、
前記ユニークコードに基づいて、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知し、
前記サーバーは、
前記通信装置から、前記ユニークコードと前記ログとを対応付けて受信し、
前記追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記対象の通信装置のログを抽出するものである。
【0009】
本発明の制御プログラムは、ネットワークへの接続が可能な通信装置の制御プログラムであって、
前記通信装置のプロセッサに、
初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、
前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知する、処理を実行させるためのものである。
【0010】
本発明の制御プログラムは、サーバーの制御プログラムであって、
前記サーバーのプロセッサに、
ネットワークへの接続が可能な通信装置から、前記通信装置が初期設定時に設定した前記通信装置のユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けて受信し、
前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記対象の通信装置のログを抽出する、処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ルータから送信されるログに基づく調査を行うことが可能な通信装置、サーバー、ログ管理システム、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のルータ11及び管理サーバー30が適用されるログ管理システム10の一例を示す図である。
図2】ルータ11のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】管理サーバー30のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】追跡コードの表示の一例を示す図である。
図5】ログ管理システム10における追跡コードの収集の一例を示す図である。
図6】追跡コード及びユニークコード(UUID)の生成の一例を示す図である。
図7】ルータ11のプロセッサ21による処理の一例(第1の処理)を示すフローチャートである。
図8】ルータ11のプロセッサ21による処理の一例(第2の処理)を示すフローチャートである。
図9】ルータ11のプロセッサ21による処理の一例(第3の処理)を示すフローチャートである。
図10】ルータ11による追跡コードの通知の一例を示すシーケンス図である。
図11】ルータ11による追跡コードの通知の変形例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
(実施形態)
<本発明の通信装置及びサーバーが適用されるログ管理システム>
図1は、本発明の通信装置及びサーバーが適用されるログ管理システムの一例を示す図である。図1に示すログ管理システム10は、例えば、ルータ11と、ユーザ端末12,13と、管理サーバー30と、を含む。
【0015】
ルータ11は、本発明の「通信装置」の一例である。ルータ11は、ルータ11に接続した情報端末(例えばユーザ端末12,13)とネットワーク2との通信を中継するルータ機能を有する。ネットワーク2は、例えばインターネットなどのWAN(Wide Area Network)であり、接続方式を判別した後に接続可能となる。
【0016】
また、ルータ11は、無線LAN(Local Area Network)を形成する無線LANアクセスポイントとしての機能を有する、いわゆる無線LANルータである。また、ルータ11は、さらにスイッチングハブ等の機能を有していてもよい。
【0017】
ユーザ端末12,13は、ルータ11が形成する無線LANに接続することにより、ルータ11との間で無線通信を行うことが可能な情報端末である。図1に示す例では、ユーザ端末12はスマートフォンであり、ユーザ端末13はノート型パーソナルコンピュータである。
【0018】
管理サーバー30は、本発明の「サーバー」の一例である。管理サーバー30は、ネットワーク2への接続が可能である。管理サーバー30は、例えばネットワーク2に接続されたルータ(例えばルータ11)のログを収集するログ収集サーバー(例えば図5のログ収集システム31)としての機能を有する。また、管理サーバー30は、ルータ11を含む通信装置の各ログに基づく開発で利用される開発側システム(例えば図5のログ分析システム32)としての機能を有する。
【0019】
管理サーバー30は、例えばルータ11のメーカーが管理するサーバーである。管理サーバー30は、物理的サーバーであってもよいし、例えばクラウド上の仮想サーバーであってもよい。また、管理サーバー30は、複数のサーバー、例えば、上記のログ収集サーバーとしての機能を有するサーバーと、上記の開発側システムとしての機能を有するサーバーと、によって構成されていてもよい。
【0020】
<ルータ11のハードウェア構成例>
図2は、ルータ11のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すルータ11は、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、無線通信インタフェース23と、有線通信インタフェース24と、を備える。これらのルータ11の構成は、例えばバス29によって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ21は、信号処理を行う回路であり、例えばルータ11の全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)などの他のデジタル回路により実現されてもよい。また、プロセッサ21は、複数のデジタル回路を組み合わせて実現されてもよい。
【0022】
メモリ22には、例えばメインメモリ22A及び補助メモリ22Bが含まれる。メインメモリ22Aは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリ22Aは、プロセッサ21のワークエリアとして使用される。
【0023】
補助メモリ22Bは、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。不揮発性メモリには、ルータ11を動作させる各種のプログラムが記憶されている。不揮発性メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ21によって実行される。また、不揮発性メモリには、ルータ11の動作に関するログが記憶されている。ログは、例えばルータ11のネットワーク2への接続結果に関するコードを含む。また、ログは、例えばルータ11の型番情報を含んでもよい。
【0024】
また、補助メモリ22Bは、ルータ11から取り外し可能な可搬型のメモリを含んでもよい。可搬型のメモリには、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブやSD(Secure Digital)メモリカードなどのメモリカードや、外付けハードディスクドライブなどがある。
【0025】
無線通信インタフェース23は、無線通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース23は、プロセッサ21によって制御される。例えば、無線通信インタフェース23は、ユーザ端末12,13との間で無線LANの通信を行う。
【0026】
有線通信インタフェース24は、有線通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース24は、プロセッサ21によって制御される。例えば、有線通信インタフェース24は、ネットワーク2との間でIP(Internet Protocol)通信を行う。さらに、有線通信インタフェース24は、ルータ11に対して有線接続された通知機器との間で有線LANの通信を行ってもよい。
【0027】
<管理サーバー30のハードウェア構成例>
図3は、管理サーバー30のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示す管理サーバー30は、例えば情報処理装置40によって構成される。情報処理装置40は、プロセッサ41と、メモリ42と、有線通信インタフェース43と、ストレージ44と、を備える。これらの管理サーバー30の構成は、例えばバス49によって互いに接続される。
【0028】
プロセッサ41、メモリ42(メインメモリ42A及び補助メモリ42B)、及び有線通信インタフェース43については、それぞれ図2に示したプロセッサ21、メモリ22(メインメモリ22A及び補助メモリ22B)、及び有線通信インタフェース24と同様の構成である。
【0029】
有線通信インタフェース43は、ルータ11との間で有線LANの通信を行う。管理サーバー30がルータ11から受信したルータ11の動作に関するログは、例えばストレージ44に蓄積される。
【0030】
管理サーバー30が複数のサーバーによって構成される場合は、例えば複数の管理サーバー30のそれぞれが情報処理装置40によって構成される。
【0031】
<追跡コードの表示>
図4は、追跡コードの表示の一例を示す図である。ルータ11のプロセッサ21は、ルータ11に接続している情報端末に追跡コードを再生させる制御を行う。例えば、図1に示したユーザ端末13(ノート型パーソナルコンピュータ)が、有線LAN又は無線LANによってルータ11に接続しているとする。
【0032】
この場合、ルータ11のプロセッサ21は、ユーザ端末13からのリクエストに応じて、プロセッサ21の機器情報(不具合調査の手掛かりになるかもしれない情報、例えば、動作モード等、及びインターネット側IPアドレス(172.16.0.65))とともに、追跡コード71(“FAQA-QCA5”)をユーザ端末13へ送信する。ユーザ端末13は、ユーザ端末13が備えるディスプレイ13aに、ルータ11から受信した情報を示す画像70を表示する。
【0033】
追跡コード71は、デコードによって「ユニークコードの一部又は全部」を復元可能な情報である。例えば、追跡コード71は、ユニークコードの一部を示すコードであり、ユニークコードに基づいて生成される情報であり、例えばユニークコードをエンコードして得られる情報である。「エンコード」は、例えばユーザが読み間違えにくい文字列へ変換するエンコードである。追跡コード71は、「ユニークコードの一部又は全部」そのものでもよい。
【0034】
「ユニークコード」は、例えばUUID(Universally Unique Identifier)である。「UUID」は、ルータ11の初期設定時にプロセッサ21により設定されるコードである。「初期設定時」には、初回起動時(工場出荷時又はユーザ使用開始時)、リセット時などが含まれる。プロセッサ21は、例えば起動時にUUIDが空である場合にルータ11にUUIDを設定する。
【0035】
また、ルータ11のプロセッサ21からユーザ端末13へ送信される情報には、例えばコピーボタン72が含まれていてもよい。ユーザ端末13のユーザがコピーボタン72の指示操作を行うと、ユーザ端末13のOS(Operating System)のクリップボードに追跡コード71がコピーされる。これにより、ユーザは、チャット、電子メール、問い合わせフォーム等に対する追跡コード71の入力をペースト操作によって容易に行うことができる。なお、コピーボタン72の指示操作によってUUIDをコピーする構成であってもよい。
【0036】
さらに、ルータ11のプロセッサ21からユーザ端末13へ送信される情報には、例えば追跡コード71をログ収集システム31(特定の送信先)へ送信可能なURI(Uniform Resource Identifier)を光学的に読み取り可能な二次元コード73が含まれていてもよい。URIは、例えばログ収集システム31のアドレスに続いて、クエリとして追跡コード71を含む。なお、追跡コード71はURIを含んでもよいし、URIを含んでいなくともよい。また追跡コード71は電子的に読み取り可能であってもよい。なお、二次元コード73にUUIDが含まれる構成であってもよい。
【0037】
この場合、例えば、ユーザは、ユーザ端末12(スマートフォン)によって二次元コード73を撮像する。ユーザ端末12は、二次元コード73の撮像データから上記のURIを取得し、例えば移動体通信網を介して、取得したURIへのアクセスを行う。また、ユーザ端末13に表示された追跡コード71をスクリーンショット等で取り込み、特定の送信先に追跡コード71を送ってもよい。
【0038】
なお、ユーザ端末13に対して追跡コード71を表示させる制御について説明したが、プロセッサ21は、例えばユーザ端末13のスピーカから追跡コード71を音声出力させる制御を行ってもよい。
【0039】
<ログ管理システム10における追跡コードの収集>
図5は、ログ管理システム10における追跡コードの収集の一例を示す図である。図5の例において、開発側システム30Aは、管理サーバー30の一例であり、ログ収集システム31と、ログ分析システム32と、を含む。また、図5の例において、サポート側システム50Aは、サポート窓口SPと、お問い合わせ蓄積システム50と、を含む。
【0040】
ルータ11は、初期設定時にルータ11のユニークコード(UUID)を設定する。また、ルータ11は、設定したユニークコードに基づいてルータ11の追跡コード71を生成する。
【0041】
また、ルータ11は、ルータ11の動作に関するログをメモリ22の補助メモリ22B(不揮発性メモリ)に保存する。ログは、例えば、ルータ11のネットワーク2への接続結果に関するコードと、ルータ11の型番情報とを含む。ルータ11は、ネットワーク2を介して開発側システム30Aのログ収集システム31と通信可能に接続されている。
【0042】
ルータ11は、ルータ11のUUIDと、ルータ11の動作に関するログと、を対応付けてログ収集システム31へ送信する。ルータ11は、例えば日次、ファームウェア(FW)更新チェック時に、メモリ22の補助メモリ22B(不揮発性メモリ)に保存している1日分のログと、UUIDと、を対応付けてログ収集システム31へ送信する。
【0043】
ログ収集システム31は、ルータ11から受信したUUID及びログを、開発側システム30Aにおけるログ分析システム32に送信する。ログ分析システム32は、例えばルータ11のメーカーが管理するシステムである。
【0044】
また、ルータ11は、例えばユーザWからのリクエストに応じて、ユーザWのユーザ端末12(スマートフォン)へルータ11の追跡コード71を送信することにより、追跡コード71をユーザWに通知する。
【0045】
例えば、ユーザWは、ルータ11においてインターネット接続の不良等が発生した際に、ルータ11のサポート窓口SPへ電話して問い合わせる。その際に、サポート窓口SPのオペレータは、ユーザWが使用しているルータ11の追跡コード71を取得するためのアドレスをユーザWに伝える。ユーザWは、そのアドレスをユーザ端末12に入力することで追跡コードのリクエストを行い、ルータ11から「追跡コード71」を取得する。なお、自身でルータ11から追跡コード71を取得することが可能なユーザは、追跡コード71を取得してから、サポート窓口SPへ問い合わせの電話をしてもよい。
【0046】
サポート窓口SPのオペレータは、ユーザWに通知されたルータ11の追跡コード71等のお問い合わせ情報をユーザWから聴取する。ユーザWから聴取するお問い合わせ情報には、追跡コード71の他に、例えばルータ11の製品型番や、発生している不具合の症状等を含めてもよい。
【0047】
サポート窓口SPのオペレータは、サポート側システムとしてユーザWから聴取した追跡コード71、製品型番、不具合の症状等のお問い合わせ情報を、サポート窓口SPからお問い合わせ蓄積システム50に入力する。お問い合わせ蓄積システム50に送信するお問い合わせ情報には、例えばサポート窓口SPからユーザWへ通知した情報、例えばルータ11の不具合改善のサポート対応に関するサポート情報を含めてもよい。
【0048】
お問い合わせ蓄積システム50は、ユーザWから入力された追跡コード71等をログ分析システム32へ送信する。例えば、お問い合わせ蓄積システム50は、所定期間ごとに追跡コード71等をログ分析システム32へ送信する。所定期間とは、例えば1月1回のペースであってもよいし、1週1回のペースであってもよい。ログ分析システム32へ送信するお問い合わせ情報には、追跡コード71の他に、例えばルータ11の製品型番、不具合の症状、不具合改善のサポート情報等を含めてもよい。製品型番は、例えば追跡コード71による検索を補う情報として使用することが可能である。
【0049】
ログ分析システム32は、お問い合わせ蓄積システム50から、追跡コード71及び追跡コード71に対応付けられたその他の情報(製品型番、症状、サポート情報等)を受信する。ログ分析システム32は、本発明の「サーバー」の一例である。ログ分析システム32のプロセッサは、追跡コード71をデコードしてルータ11のUUIDを生成する。ログ分析システム32のプロセッサは、追跡コード71から生成したルータ11のUUID及びその他のお問い合わせ情報に基づいて、ユーザからの問い合わせに対応するルータ11のログを絞り込み抽出する。ログ分析システム32は、抽出したログを、ユーザから問い合わせがあった個体のログとして出力する。開発者は、(ログ分析システム32のユーザ)、そのログに基づいて、製品開発やサポート改善のための調査を行う。また、開発者は、調査の結果、サポート窓口SPでのサポートに有用な情報が得られた場合は、その情報をお問い合わせ蓄積システム50へフィードバックする。
【0050】
<追跡コード及びUUIDの生成>
図6は、追跡コード及びユニークコード(UUID)の生成の一例を示す図である。
【0051】
図6に示すように、ユニークコード(UUID)80は、例えば16進数の32桁コード(2CF24DBA5FB0A30E26E83B2AC5B9E29E)である。
【0052】
また、追跡コード81は、UUID80の特定桁にチェックサムを追加し、可読性の高いアルファベット・数字の文字列へエンコードしたコード(12345-6ABCE)である。UUID80の特定桁は、本例の場合、下線を付した桁であり、その桁の数は、2,C,A,E,2,6,5である。追跡コードは、例えばO/0,Q/9などの読み間違いやすい文字は含まれないように生成される。UUIDから追跡コードが生成されるタイミングは、例えばUUIDが生成されたときから、ユーザWのユーザ端末12,13に追跡コードが表示されるときまでの間である。
【0053】
UUIDの検索パターン82は、追跡コード81をバイナリに変換し、チェックサムを検証して、UUIDの特定桁を変換したもの(2C*****A*******E26*******5******)である。UUIDの検索パターン82における特定桁は、上記のUUID80の特定桁と対応する桁である。UUIDの検索パターン82に示す特定桁以外の「*」は、任意の一文字を示す。
【0054】
なお、本例の追跡コード81では、UUID80の特定桁についてエンコードする場合について説明したが、これに限定されない。例えば、追跡コードは、UUID全部をエンコードしたもの、すなわちUUID全部を復元可能なものであってもよい。また、追跡コードは、UUIDの一部又は全部そのもの(エンコードしないもの)であってもよい。
【0055】
<ルータ11のプロセッサ21による処理例>
図7は、ルータ11のプロセッサ21による処理の一例(第1の処理)を示すフローチャートである。ルータ11のプロセッサ21は、ルータ11の起動時(再起動時も含む)に本処理を開始する。
【0056】
まず、プロセッサ21は、ルータ11のユニークコード(UUID)を設定する(ステップS11)。
【0057】
次に、プロセッサ21は、設定されているルータ11のモードを判定する(ステップS12)。プロセッサ21は、ルータ11に設けられているモード設定スイッチの設定状態や、ユーザWのユーザ端末12,13操作によって設定可能なモード設定に基づいて判定する。
【0058】
ステップS12に応じて、プロセッサ21は、回線判別を行う(ステップS13)。回線判別は、複数の接続方式のそれぞれについてのネットワーク2への接続可否の判別を含む判別処理である。複数の接続方式は、例えばDHCP、PPPoE、IPv4overIPv6、GUA、Prefix、及びDNSなどである。
【0059】
次に、プロセッサ21は、ステップS13の回線判別によって選択した接続方式によりネットワーク2への接続処理を行う(ステップS14)。
【0060】
次に、プロセッサ21は、ステップS14における接続処理を失敗したか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において、接続に成功したと判定した場合(ステップS15:No)には、プロセッサ21は、その接続に切断が発生したか否かを判定する(ステップS16)。
【0061】
ステップS16において、接続の切断が発生していないと判定した場合(ステップS16:No)には、プロセッサ21は、ユーザWによるユーザ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS17)。ユーザWによるユーザ操作は、例えば、ルータ11に設けられたスイッチ等(例えばモード設定スイッチやリセットボタン)の操作や、ネットワークを介した通信により行われる操作である。ステップS17においてユーザ操作を受け付けていない場合(ステップS17:No)には、プロセッサ21は、ステップS16に戻り各処理を繰り返す。
【0062】
ステップS17においてユーザ操作を受け付けた場合(ステップS17:Yes)には、プロセッサ21は、そのユーザの操作がルータ11のモードの切り替えを指示するモード切替操作であるか否かを判定する(ステップS18)。
【0063】
ステップS18においてユーザの操作がモード切替操作である場合(ステップS18:Yes)には、プロセッサ21は、ステップS13に戻り各処理を繰り返す。ステップS18においてユーザの操作がモード切替操作ではない場合(ステップS18:No)には、プロセッサ21は、再起動操作が必要か否か確認し(ステップS19)、必要であると判定したら(ステップS19:Yes)、再起動を実行し(ステップS20)、ステップS11に戻ってUUIDの設定から各処理を繰り返す。再起動操作が不要である場合は(ステップS19:No)、プロセッサ21は、ステップS16に戻る。
【0064】
なお、ルータ11が不揮発メモリを有さない製品である場合(例えば補助メモリ22Bが揮発メモリである場合)は、再起動か否かについてユーザによる選択を可能としてもよいし、再起動前にログを送信する構成としてもよい。これにより、不揮発メモリを有さない製品であってもログを取得することが可能となる。
【0065】
一方、ステップS15において、接続に失敗したと判定した場合(ステップS15:Yes)には、プロセッサ21は、ユーザWによるユーザ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS21)。同様に、ステップS16において、接続が切断されたと判定した場合(ステップS16:Yes)には、プロセッサ21は、ユーザWによるユーザ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS21)。
【0066】
ステップS21においてユーザ操作を受け付けていない場合(ステップS21:No)には、プロセッサ21は、ステップS13に戻り各処理を繰り返す。ステップS21においてユーザ操作を受け付けた場合(ステップS21:Yes)には、プロセッサ21は、ステップS18に進み、そのユーザの操作がモード切替操作であるか否かを判定する。このステップS21におけるユーザ操作は、通信が良好ではない状態のときに受け付けられる操作である。
【0067】
プロセッサ21は、上記各ステップの処理における動作結果を示す結果コードを生成し、ルータ11の動作に関するログとして補助メモリ22B(不揮発性メモリ)に記憶する。これにより、ルータ11が例えばユーザの操作により再起動されたような場合であっても、ルータ11の動作に関するログを消失させないで保存しておくことができる。
【0068】
図8は、ルータ11のプロセッサ21による処理の一例(第2の処理)を示すフローチャートである。ルータ11のプロセッサ21は、図7に示した第1の処理とは別に、本処理を実行する。
【0069】
まず、プロセッサ21は、現在が、ルータ11の動作に関するログの送信タイミングであるか否かを判定する(ステップS31)。ログの送信タイミングは、例えば毎日の定時、あるいはルータ11の再起動時などである。
【0070】
ステップS31において、ログの送信タイミングであると判定した場合(ステップS31:Yes)には、プロセッサ21は、未送信のログがメモリ22の補助メモリ22B(不揮発性メモリ)に記憶されているか否かを判定する(ステップS32)。未送信のログには、例えば図7でメモリ22の補助メモリ22B(不揮発性メモリ)に記憶されたルータ11の動作結果のログが含まれる。
【0071】
ステップS32において、未送信のログがメモリ22の補助メモリ22B(不揮発性メモリ)にあると判定した場合(ステップS32:Yes)には、プロセッサ21は、その未送信のログとルータ11のUUIDと対応付けてログ収集システム31へ送信する(ステップS33)。プロセッサ21は、ログを送信した後、ステップS31に戻り各処理を繰り返す。
【0072】
一方、ステップS31において、ログの送信タイミングではないと判定した場合(ステップS31:No)には、プロセッサ21は、ステップS31に戻り各処理を繰り返す。同様に、ステップS32において、未送信のログがメモリ22の補助メモリ22B(不揮発性メモリ)にないと判定した場合(ステップS32:No)、プロセッサ21は、ステップS31に戻り各処理を繰り返す。
【0073】
図9は、ルータ11のプロセッサ21による処理の一例(第3の処理)を示すフローチャートである。ルータ11のプロセッサ21は、図7図8に示した第1の処理及び第2の処理とは別に、本処理を実行する。
【0074】
まず、プロセッサ21は、追跡コードの表示指示(リクエスト)をユーザW(ユーザ端末12,13)から受け付けたか否かを判定する(ステップS34)。
【0075】
ステップS34において、追跡コードの表示指示を受け付けていない場合(ステップS34:No)には、プロセッサ21は、ステップS34に戻り各処理を繰り返す。ステップS34において、追跡コードの表示指示を受け付けている場合(ステップS34:Yes)には、プロセッサ21は、ルータ11のUUIDから追跡コードを生成する(ステップS35)。
【0076】
次に、プロセッサ21は、生成した追跡コードをユーザWのユーザ端末12,13へ送信し、ユーザ端末12,13を介して追跡コードを表示させる(ステップS36)。例えば、プロセッサ21は、図4の画像70に示すように、ユーザ端末13のディスプレイ13aに追跡コード71を表示する。プロセッサ21は、追跡コード71を表示させた後、ステップS34に戻り各処理を繰り返す。
【0077】
なお、本例ではルータ11がUUIDから追跡コードを生成している(ステップS35)場合を説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末12,13にUUIDを送信し、ユーザ端末12,13がUUIDから追跡コードを生成するようにしてもよい。ユーザ端末12,13は、生成した追跡コードをディスプレイに表示してユーザWに通知する。
【0078】
<ルータ11による追跡コードの通知>
図10は、ルータ11による追跡コードの通知の一例を示すシーケンス図である。例えば、ユーザWの自宅において、ネットワーク2への接続に不具合が発生した状況であるとする。
【0079】
まず、ユーザWは、不具合を改善してもらうために必要となるルータ11の「追跡コード」を取得するために、ユーザ端末12(スマートフォン)により追跡コードの表示操作(リクエスト操作)を行う(ステップS41)。
【0080】
次に、ユーザ端末12が、ユーザWの表示操作に基づいて、追跡コードの表示指示(リクエスト)をルータ11へ送信する(ステップS42)。
【0081】
次に、ルータ11が、ユーザ端末12からの表示指示に応じて、ルータ11のUUIDから追跡コードを生成する(ステップS43)。ルータ11は、生成した追跡コードをユーザ端末12へ送信する(ステップS44)。
【0082】
次に、ユーザ端末12が、ルータ11から受信した追跡コードをユーザ端末12のディスプレイに表示することにより、ユーザWにルータ11の追跡コードを通知する(ステップS45)。
【0083】
なお、本例では追跡コードをユーザ端末12のディスプレイに表示してユーザWに通知する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、ルータ11がルータ本体にスピーカ又は液晶モニタのいずれか又は両方を備える構成である場合には、ルータ11のスピーカ又は液晶モニタから追跡コードを出力して、ルータ11が直接、ユーザWに通知してもよい。
【0084】
図11は、ルータ11による追跡コードの通知の変形例を示すシーケンス図である。図10に示す通知例ではルータ11が追跡コードを生成したが、本変形例ではユーザ端末12が追跡コードを生成する。
【0085】
図11に示すように、変形例においてステップS51の処理は、図10に示す通知例のステップS41の処理と同様の処理である。
【0086】
次に、ユーザ端末12が、UUIDの取得指示をルータ11へ送信する(ステップS52)。
【0087】
次に、ルータ11が、ユーザ端末12からの取得指示に応じて、ルータ11のUUIDをユーザ端末12へ送信する(ステップS53)。
【0088】
次に、ユーザ端末12が、ルータ11から受信したUUIDに基づいて、UUIDから追跡コードを生成する(ステップS54)。ユーザ端末12は、生成したルータ11の追跡コードをユーザ端末12のディスプレイに表示して、ユーザWにルータ11の追跡コードを通知する(ステップS55)。
【0089】
ところで、ユーザから通信の不具合に関する問い合わせを受けた場合、ユーザからの要求に応じて例えば通信エラー結果の一覧をまとめた結果コードをルータからユーザへ通知することが考えられる。しかしながら、通信エラー結果の一覧をまとめた結果コードは、桁数の多い(例えば27桁)文字コードであるため、問い合わせ窓口でその長い結果コードをユーザから聞き取ることが困難であり、サポート対応においてユーザからの情報の伝達が困難であった。また、例えば、ユーザから顧客サポート窓口に問い合わせがあった際に、対応策としてルータを再駆動することによってその不具合が改善されることも多く、サポート側及びルータの開発側では、発生した通信障害の真の原因を解析することが困難であった。
【0090】
これに対して、上述したように本実施形態のログ管理システム10は、ルータ11が、ルータ11に設定されるユニークコード(UUID)と、ルータ11の動作に関するログと、を対応付けてログ収集システム31へ送信し、UUIDに基づいて生成した桁数の少ない追跡コード71をユーザWのリクエストに応じてユーザ端末12に通知する。この構成によれば、ユーザWがサポート窓口SPに連絡した際に、ルータ11の追跡コード71の桁数が少ないためユーザWがその追跡コード71をサポート窓口SPのオペレータに容易に伝えることができる。このため、ユーザからのお問い合わせ情報をお問い合わせ蓄積システム50において収集しやすくなる。一方、ログ収集システム31では、UUIDと対応付けられたルータ11のログを収集することができる。
【0091】
また、ログ管理システム10は、お問い合わせ蓄積システム50が、ユーザから問い合わせがあった事象におけるルータ11の追跡コード71を例えばサポート対応に関するサポート情報と対応付けてログ分析システム32へ送信する。また、ログ収集システム31が、UUIDと対応付けられたルータ11のログをログ分析システム32へ送信する。このため、ログ分析システム32は、UUIDに対応付けられたルータ11のログと、サポート情報に対応付けられたルータ11の追跡コード71と、を対応付けすることができる。これにより、ルータ11の動作に関するログを、ユーザから問い合わせがあった事象に対応するルータ11のログとして有効に調査することができる。例えばユーザの問い合わせがあったときのルータ11の現象を再現することが可能となり、有効な調査を行うことができる。また、そのユーザからの問い合わせに対して提供したサポート情報が適切であったか否かを検証し、後のサポートに役立てることが可能になる。
【0092】
さらに、初期化によってリセット可能なUUIDを利用することで、ユーザに変更があった場合に前ユーザのログ情報との紐づけが切られるため、セキュリティの確保にも効果的である。さらにUUIDを追跡コードに変換することで、追跡コードからUUIDの検索パターンに変換可能なメーカー等のみが追跡可能となるため更なるセキュリティが確保可能だと考えられる。
【0093】
(制御プログラムについて)
前述した実施形態で説明した通信装置又はサーバーの制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、通信装置又はサーバーに含まれるものであってもよいし、通信装置又はサーバーと通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら通信装置、サーバー、及び電子機器と通信可能なサーバー装置に含まれるものであってもよい。
【0094】
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
【0095】
開示された通信装置は、ネットワークへの接続が可能な通信装置であって、初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知する、プロセッサを備えるものである。
【0096】
開示された通信装置は、前記追跡コードが、前記ユニークコードの一部を示すコードであり、前記ユニークコードに基づいて生成されるものである。
【0097】
開示された通信装置は、前記ログが、前記通信装置の前記ネットワークへの接続結果に関するコードを含むものである。
【0098】
開示された通信装置は、前記ログが、前記通信装置の型番情報を含むものである。
【0099】
開示された通信装置は、不揮発性メモリを備え、前記プロセッサが、前記ログを前記不揮発性メモリに保存し、前記不揮発性メモリに保存した前記ログを前記サーバーへ送信するものである。
【0100】
開示された通信装置は、前記プロセッサが、前記通信装置と通信可能な情報端末を介して前記追跡コードを前記ユーザに通知するものである。
【0101】
開示された通信装置は、前記追跡コードが、デコードによって前記ユニークコードの一部又は全部を示すコードであるものである。
【0102】
開示されたサーバーは、ネットワークへの接続が可能な通信装置から、前記通信装置が初期設定時に設定した前記通信装置のユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けて受信し、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記ログを抽出する、プロセッサを備えるものである。
【0103】
開示されたサーバーは、前記プロセッサが、前記通信装置と異なる装置から、前記通信装置のサポート対応に関するサポート情報と、前記追跡コードと、を対応付けて受信するものである。
【0104】
開示されたログ管理システムは、ネットワークへの接続が可能な通信装置と、サーバーと、を含むログ管理システムであって、前記通信装置が、初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、前記ユニークコードに基づいて、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知し、前記サーバーが、前記通信装置から、前記ユニークコードと前記ログとを対応付けて受信し、前記追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記対象の通信装置のログを抽出するものである。
【0105】
開示された制御プログラムは、ネットワークへの接続が可能な通信装置の制御プログラムであって、前記通信装置のプロセッサに、初期設定時に前記通信装置のユニークコードを設定し、前記ユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けてサーバーへ送信し、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードを前記通信装置のユーザに通知する、処理を実行させるためのものである。
【0106】
開示された制御プログラムは、サーバーの制御プログラムであって、前記サーバーのプロセッサに、ネットワークへの接続が可能な通信装置から、前記通信装置が初期設定時に設定した前記通信装置のユニークコードと、前記通信装置の動作に関するログと、を対応付けて受信し、前記ユニークコードの一部又は全部を示す追跡コードから対象の前記通信装置を検索し、前記対象の通信装置のログを抽出する、処理を実行させるためのものである。
【符号の説明】
【0107】
2 ネットワーク
10 ログ管理システム
11 ルータ
12,13 ユーザ端末
13a ディスプレイ
21,41 プロセッサ
22,42 メモリ
22A,42A メインメモリ
22B,42B 補助メモリ
23 無線通信インタフェース
24,43 有線通信インタフェース
29,49 バス
30 管理サーバー
30A 開発側システム
31 ログ収集システム
32 ログ分析システム
40 情報処理装置
44 ストレージ
50 お問い合わせ蓄積システム
50A サポート側システム
70 画像
71,81 追跡コード
72 コピーボタン
73 二次元コード
80 UUID
82 検索パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11