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特開2024-175822ACF貼付け装置およびACF貼付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175822
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ACF貼付け装置およびACF貼付け方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241212BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20241212BHJP
   H05K 3/00 20060101ALN20241212BHJP
   H05K 3/34 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H05K13/08 Q
H05K3/00 Q
H05K3/34 504A
H05K3/34 512B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093855
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】片野 良一郎
【テーマコード(参考)】
5E319
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E319BB16
5E319CC12
5E319CD04
5E319GG15
5E353EE61
5E353GG21
5E353JJ21
5E353KK01
5E353KK11
5E353LL03
5F044KK02
5F044KK03
5F044LL09
5F044PP17
(57)【要約】
【課題】生産性の低下を抑制できるACF貼付け装置などを提供する。
【解決手段】ACF貼付け装置10は、貼付け部110と、撮像部120と、判定部220と、を備える。貼付け部110は、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板に貼付け、基板において第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板に貼付け、撮像部120は、第1の一端を含む第1画像を撮像し、第1の他端および第2の一端を含む第2画像を撮像し、第2の他端を含む第3画像を撮像し、判定部220は、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、ACF貼付け装置10である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にACF(Anisotropic Conductive Film)切片を貼付ける貼付け部と、
前記基板に貼付けられた前記ACF切片を含む画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部により得られる画像に基づき、前記ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定部と、を備え、
前記貼付け部は、
第1の一端、および、前記第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を前記基板に貼付け、
前記基板において前記第1の他端に隣接する第2の一端、および、前記第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を前記基板に貼付け、
前記撮像部は、
前記第1の一端を含む第1画像を撮像し、
前記第1の他端および前記第2の一端を含む第2画像を撮像し、
前記第2の他端を含む第3画像を撮像し、
前記判定部は、
前記第1画像および前記第2画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、
前記第2画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、
ACF貼付け装置。
【請求項2】
前記第1の他端および前記第2の一端の間隔と、前記撮像部の視野寸法とを比較する比較部をさらに備え、
前記比較部において、前記間隔が前記視野寸法よりも大きいと判断される場合には、
前記撮像部は、前記第2画像に代えて、
前記第1の他端を含む第4画像を撮像し、
前記第2の一端を含む第5画像を撮像し、
前記判定部は、
前記第1画像および前記第4画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、
前記第5画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、
請求項1に記載のACF貼付け装置。
【請求項3】
前記比較部において、前記間隔が前記視野寸法以下と判断される場合には、
前記撮像部は、
前記第1画像を撮像し、
前記第2画像を撮像し、
前記第3画像を撮像し、
前記判定部は、
前記第1画像および前記第2画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、
前記第2画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、
請求項2に記載のACF貼付け装置。
【請求項4】
第1の一端、および、前記第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF(Anisotropic Conductive Film)切片を基板に貼付ける第1貼付け工程と、
前記第1の一端を含む第1画像を撮像部で撮像する第1撮像工程と、
前記基板において前記第1の他端に隣接する第2の一端、および、前記第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を前記基板に貼付ける第2貼付け工程と、
前記第1の他端、および、前記第2の一端を含む第2画像を前記撮像部で撮像する第2撮像工程と、
前記第2の他端を含む第3画像を前記撮像部で撮像する第3撮像工程と、
前記第1画像および前記第2画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、前記第2画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定工程と、を含む、
ACF貼付け方法。
【請求項5】
前記第1の他端および前記第2の一端の間隔と、前記撮像部の視野寸法とを比較する比較工程をさらに含み、
前記比較工程において、前記間隔が前記視野寸法よりも大きいと判断される場合には、
前記ACF貼付け方法は、前記第2撮像工程に代えて、
前記第1の他端を含む第4画像を前記撮像部で撮像する第4撮像工程と、
前記第2の一端を含む第5画像を前記撮像部で撮像する第5撮像工程と、を含み、
前記判定工程では、前記第1画像および前記第4画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、前記第5画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、
請求項4に記載のACF貼付け方法。
【請求項6】
前記比較工程において、前記間隔が前記視野寸法以下と判断される場合には、
前記ACF貼付け方法は、
前記第1撮像工程と、
前記第2撮像工程と、
前記第3撮像工程と、を含み、
前記判定工程では、前記第1画像と前記第2画像とに基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、前記第2画像と前記第3画像とに基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、
請求項5に記載のACF貼付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にACF(Anisotropic Conductive Film)を貼付けるACF貼付け装置およびACF貼付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を接着するための接着部材としてACF(ACF切片)を貼付ける装置がある。また、この種の装置が基板にACFを貼付けた後の状態をカメラで撮像することで生成された画像(画像データ)に基づき、ACFが基板に適切に貼付けされているか否かを判定する装置がある(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1に開示されている装置では、ACFを1枚貼付ける毎に、貼付けたACFの両端の検査が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-049237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に多くのACFが貼付けられると、それに伴いACFの検査の工程が多くなる。そのため、基板に貼付けるACFが多くなるほど、基板に部品を接着したディスプレイパネルなどを生産する際の生産性が低下する。
【0005】
本発明は、生産性の低下を抑制できるACF貼付け装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るACF貼付け装置は、基板にACF(Anisotropic Conductive Film)切片を貼付ける貼付け部と、前記基板に貼付けられた前記ACF切片を含む画像を撮像する撮像部と、前記撮像部により得られる画像に基づき、前記ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定部と、を備え、前記貼付け部は、第1の一端、および、前記第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を前記基板に貼付け、前記基板において前記第1の他端に隣接する第2の一端、および、前記第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を前記基板に貼付け、前記撮像部は、前記第1の一端を含む第1画像を撮像し、前記第1の他端および前記第2の一端を含む第2画像を撮像し、前記第2の他端を含む第3画像を撮像し、前記判定部は、前記第1画像および前記第2画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、前記第2画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。
【0007】
また、本発明の一態様に係るACF貼付け方法は、第1の一端、および、前記第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF(Anisotropic Conductive Film)切片を基板に貼付ける第1貼付け工程と、前記第1の一端を含む第1画像を撮像部で撮像する第1撮像工程と、前記基板において前記第1の他端に隣接する第2の一端、および、前記第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を前記基板に貼付ける第2貼付け工程と、前記第1の他端、および、前記第2の一端を含む第2画像を前記撮像部で撮像する第2撮像工程と、前記第2の他端を含む第3画像を前記撮像部で撮像する第3撮像工程と、前記第1画像および前記第2画像に基づき前記第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、前記第2画像および前記第3画像に基づき前記第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生産性の低下を抑制できるACF貼付け装置などを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係るACF貼付け作業部を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態1に係る貼付け部を示す斜視図である。
図3図3は、実施の形態1に係るACF貼付け装置の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係るACF貼付け装置の処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態1に係るACF貼付け装置における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態1に係るACF貼付け装置における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を説明するための図である。
図7図7は、実施の形態2に係るACF貼付け装置の機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施の形態2に係るACF貼付け装置における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、実施の形態2に係るACF貼付け装置における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップおよびステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0012】
また、本明細書において、「第1」および「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0013】
また、本明細書において、例えば、閾値以上、閾値未満と対比して記載する場合には、当該閾値を境に区別されることを意味し、それぞれ、閾値より大きい、閾値以下であることを意味してもよい。
【0014】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係るACF貼付け装置の構成について説明する。
【0015】
図1は、実施の形態1に係るACF貼付け作業部100を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る貼付け部110を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係るACF貼付け装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
ACF貼付け装置10は、基板300に部品を接着するためのACF(より具体的には、テープ310から切断され剥離されたACF切片)を貼付ける装置である。具体的には、ACF貼付け装置10は、ステージ140に載置された基板300に、テープ310が有するACF層の切片を圧着ヘッド116によって貼付ける。
【0017】
ACF貼付け装置10は、例えば、ディスプレイパネルなどを生産するための部品実装システムの一部である。当該部品実装システムでは、例えば、ACF貼付け装置10が基板300に設けられた電極にACF切片を貼付け、図示しない部品圧着装置によってACF切片を介して基板300と部品とを熱圧着させる。ACF貼付け装置10は、例えば、搬送部130によって上流側の装置から搬送された基板300にACF切片を貼付ける。ACF切片が貼付けられた基板300は、例えば、搬送部130によってACF貼付け装置10の下流側に位置する部品圧着装置に搬送される。
【0018】
テープ310は、ACF切片と、ACF切片を支持するためのセパレータである基材層とからなる。ACF切片は、テープ状のACFからなる層である。基材層は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂などで形成されたテープ状のフィルムである。
【0019】
ACF貼付け装置10は、ACF切片を、カッター114によって基材層に保持された状態のままとなるように所定のサイズに切断(ハーフカット)する。さらに、ACF貼付け装置10は、剥離部115が有する2つの剥離ピンで基材層を挟んで動かすことで、ACF切片を基材層から剥離する。さらに、ACF貼付け装置10はステージ140に載置された基板300の位置を調整して、圧着ヘッド116によって、所定のサイズに切断されたACF切片を基板300に貼付ける。
【0020】
基板300としては、樹脂などにより形成されたフィルム状のフレキシブル基板が例示される。なお、基板300は、ガラス基板などのリジッドな基板でもよい。
【0021】
基板300にACF切片を介して貼付けられる部品としては、IC(Integrated Circuit)、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuits)などの電子部品が例示される。
【0022】
図3に示すように、ACF貼付け装置10は、ACF貼付け作業部100と、制御装置200と、を備える。
【0023】
ACF貼付け作業部100は、上流から搬入された基板300にACF切片を貼付けて下流に搬送する作業を行う機構部である。
【0024】
ACF貼付け作業部100は、貼付け部110と、撮像部120と、搬送部130と、を備える。
【0025】
貼付け部110は、基板300にACF切片を貼付ける機構部である。具体的には、貼付け部110は、複数のACF切片が並ぶように基板300に貼付ける。例えば、貼付け部110は、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板300に貼付け、基板300において第1の他端に隣接する(隣り合う)第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板300に貼付ける。例えば、テープ310は、ACF切片が長尺になるように複数に切断される。また、例えば、貼付け部110は、複数のACF切片を、それぞれのACF切片の長手方向に一列に並ぶように基板300に貼付ける。例えば、ACF切片の一端とは、ACF切片の長手方向の一方の端部であり、ACF切片の他端とは、ACF切片の長手方向の一方の端部とは反対側に位置する他方の端部である。
【0026】
なお、例えば2つのACF切片が隣接するとは、2つのACF切片が所定の間隔で(例えば、接することなく)並んで配置されていることを意味する。
【0027】
貼付け部110は、リール111と、送りローラ112と、回収部113と、カッター114と、剥離部115と、圧着ヘッド116と、バックアップステージ117と、を備える。
【0028】
なお、図示しないが、これらの構成要素は、ガイドおよびモータなどの構成要素を駆動(移動)させるための駆動機構、ならびに、位置を固定する支持部材などによって支持されている。また、これらの構成要素、または、これらの構成要素を駆動するための駆動機構は、ACF貼付け装置10が備える制御装置200と無線または制御線などによって通信可能に接続されており、制御装置200によって制御されることで所定の作業を実行する。
【0029】
リール111は、テープ310を収容し、収容しているテープ310を供給するためのリールである。テープ310は、一端が送りローラ112に接続されており、送りローラ112が回動することで巻き取られて圧着ヘッド116の下方に供給される。
【0030】
送りローラ112は、テープ310が所定の位置を動くように回動するローラである。
【0031】
回収部113は、図示しないモータによって回動されてテープ310を巻き取る収容部である。
【0032】
カッター114は、テープ310における基材層に支持されたACF切片を切断する刃である。例えば、カッター114は、図示しないガイドおよびモータを有する駆動機構が制御装置200によって駆動されることで、テープ310におけるACFを切断する。具体的には、カッター114は、テープ310における基材層を切断せず、且つ、テープ310におけるACF層を切断する、つまり、ハーフカットすることでACF切片を形成する。これにより、ACF切片は、カッター114によって既定のサイズに切断され且つ基材層に支持された状態で、圧着ヘッド116の下方であって、バックアップステージ117の上方に移動される。
【0033】
剥離部115は、ACF切片を基材層から剥離する機構である。剥離部115は、例えば、2つの剥離ピンおよび当該2つの剥離ピンを駆動する駆動機構を有する。剥離部115は、例えば、基材層を挟んで動かすことで、ACF切片を基材層から剥離する。具体的には、剥離部115は、圧着ヘッド116によってACF切片が基板300に貼付けられた後で、2つの剥離ピンによって基材層を挟みこみ、2つの剥離ピンを動かす。これにより、剥離ピンが、基材層と基板300に接触しているACF切片との間に入り込み、基板300と接触しているACF切片は、基材層から剥がされ得る。
【0034】
圧着ヘッド116は、ACF切片を基板300に圧着するヘッドである。例えば、圧着ヘッド116は、図示しないガイドおよびモータを有する駆動機構が制御装置200によって駆動されて上下動することで、ACF切片を基板300に圧着する。
【0035】
バックアップステージ117は、ステージ140に載置された基板300の縁部を支持する基台である。
【0036】
撮像部120は、基板300に貼付けられたACF切片を含む画像を撮像するカメラである。具体的には、撮像部120は、ステージ140に載置された基板300に貼付けられたACF切片を撮影することで、ACF切片を含む画像、つまり、ACF切片が映る画像を生成する。本実施の形態では、撮像部120は、第1の一端を含む第1画像を撮像し、第1の他端および第2の一端を含む第2画像を撮像し、第2の他端を含む第3画像を撮像する。つまり、撮像部120は、基板300において隣接する2つのACF切片のそれぞれの端部を1つずつ含む画像を撮像する。
【0037】
例えば、撮像部120の視野寸法(撮像可能な範囲)によっては、基板300に貼付けられたACF切片の全体を撮像することができない場合がある。このような場合には、例えば、撮像部120は、ACF切片の一端と他端とのそれぞれの画像を撮像する。ここで、本実施の形態では、例えば、基板300におけるACF切片の全体を撮像することができない場合であって、基板300における隣接する2つのACF切片の間隔が視野寸法よりも大きい場合には、基板300において隣接する2つのACF切片のそれぞれの端部を1つずつ含む画像を撮像する。
【0038】
搬送部130は、上流から基板300を受け取り、ACF切片が基板300に貼付け可能な位置に移動させ、ACF切片が貼付けられた基板300を下流に受け渡す機構である。搬送部130は、例えば、ステージ140と、当該ステージを移動させるためのガイドおよびモータなどとを備える。
【0039】
ステージ140は、基板300が載置される基台である。具体的には、ステージ140は、基板300の縁部と上面視で重ならない状態(つまり、基板300の端部がはみ出した状態)で基板300を保持する。ステージ140は、例えば、制御装置200によって制御されて上下左右方向に移動可能な3軸ステージである。
【0040】
制御装置200は、ACF貼付け装置10が備える各構成要素を制御する。制御装置200は、例えば、ACF貼付け装置10が備える各構成要素と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサなどで実現されるコンピュータである。
【0041】
制御装置200は、取得部210と、判定部220と、制御部230と、出力部240と、記憶部250と、を備える。
【0042】
取得部210は、制御装置200が動作するために必要な各種情報を取得する処理部である。取得部210は、例えば、撮像部120から、ACF切片を含む画像を取得する。
【0043】
判定部220は、撮像部120により得られる画像に基づき、ACF切片の貼付け状態の良否を判定する処理部である。例えば、判定部220は、ACF切片の両端部に、めくれ、欠けなどがあるか否かを判定する。例えば、判定部220は、ACF切片の両端部に、めくれ、欠けなどがあるか否かを、画像におけるACF切片の両端部がそれぞれ直線であるか否かで判定する。例えば、判定部220は、ACF切片の両端部に、めくれ、欠けなどがない場合、ACF切片の貼付け状態を良と判定し、めくれ、欠けなどがある場合、ACF切片の貼付け状態を不良と判定する。あるいは、判定部220は、例えば、良否の判定として、ACF切片の端部の長さ(例えば、基板300において他のACF切片と隣接する位置の辺の長さ)が、規定の範囲内であるか否か(つまり、規定の範囲内であるか既定の範囲外であるか)を判定してもよい。判定部220は、例えば、ACF切片の端部の長さが規定の範囲内である場合、ACF切片の貼付け状態を良と判定し、ACF切片の端部の長さが規定の範囲外であると判定した場合、ACF切片の貼付け状態を不良と判定する。
【0044】
ここで、本実施の形態では、判定部220は、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。つまり、判定部220は、ACF切片の貼付け状態の良否を判定する際に、隣接する2つのACF切片の貼付け状態の良否の判定では、それぞれ共通の画像に基づき判定する。
【0045】
なお、判定部220は、ACF切片の一方の端部の貼付け状態の良否を判定してもよい。あるいは、判定部220は、ACF切片の一方の端部(一端ともいう)の良否を判定し、良と判定した場合に、他方の端部(他端ともいう)の貼付け状態の良否をさらに判定してもよい。
【0046】
また、例えば、制御装置200は、判定部220が良否を判定するための適切な画像データを記憶し、当該適切な画像データと撮像部120が生成した画像データとを比較することで、ACF切片の良否を判定してもよい。
【0047】
制御部230は、貼付け部110、撮像部120、および、搬送部130などのACF貼付け装置10が備える各構成要素の動作、動作タイミングなどを制御する処理部である。例えば、制御部230は、判定部220の判定結果に基づき貼付け部110の動作を制御する。例えば、制御部230は、判定部220が良と判定した場合、貼付け部110に動作を継続させる。一方、例えば、制御部230は、判定部220が不良と判定した場合、貼付け部110に動作を停止させる。あるいは、例えば、制御部230は、判定部220が不良と判定した場合、不良と判定された貼付け状態のACFが貼付けられている基板300を廃棄させる(例えば、下流に渡さずに別の場所に移動させる)ように、貼付け部110を制御する。
【0048】
出力部240は、制御装置200の情報を外部に出力するための処理部である。例えば、出力部240は、制御部230による貼付け部110の制御内容を示す情報を貼付け部110に出力する。また、例えば、出力部240は、判定部220の判定結果を出力する。例えば、出力部240は、ディスプレイおよび/またはスピーカなどの通知装置に判定結果を出力することで判定結果を画像および/または音により作業者に通知させる。出力部240は、判定部220が不良と判定した場合、貼付け部110に動作を停止させる旨を示す情報、および/または、不良と判定されたACFが貼付けられた基板を示す情報などを表示装置に出力して表示させてもよい。
【0049】
取得部210、判定部220、制御部230、および、出力部240などの処理部は、例えば、プロセッサと、当該プロセッサが実行する、メモリなどに記憶された制御プログラムとにより実現される。
【0050】
記憶部250は、基板300のサイズ、ACF切片の貼付け位置、貼付け方向、各構成要素の動作、当該動作のタイミング、基板300をACF貼付け装置10の後段に位置する部品圧着装置などに移送するタイミングなどを示す各種データ、処理部が実行する制御プログラム、判定部220がACF切片の貼付け状態の良否の判定に用いる適切な情報などを記憶する記憶装置である。記憶部250は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などにより実現される。
【0051】
[処理手順]
続いて、実施の形態1に係るACF貼付け装置10の処理手順について詳細に説明する。
【0052】
図4は、実施の形態1に係るACF貼付け装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
まず、貼付け部110は、基板300にACF切片を貼付ける(S10)。
【0054】
次に、撮像部120は、基板300に貼付けられたACF切片を含む画像を撮像する(S20)。
【0055】
次に、判定部220は、撮像部120により得られる画像に基づき、ACF切片の貼付け状態の良否を判定する(S30)。
【0056】
次に、制御部230は、判定部220の判定結果に応じた処理を実行する(S40)。
【0057】
なお、ステップS10とステップS20とは、交互に行われてもよいし、ステップS10が複数回行われた後にステップS20が複数回まとめて行われてもよい。また、例えば、ステップS30は、判定部220が各ACF切片の判定に用いる画像が揃った段階でACF切片ごとに行われてもよい。あるいは、例えば、ステップS30は、基板300において撮像される画像がすべて撮像されてから行われてもよい。また、ステップS40は、例えば、基板300における複数のACF切片の貼付け状態がすべて良と判定された場合には、行われなくてもよい。
【0058】
続いて、ACF切片が貼付けされるタイミング(貼付け工程)と、画像が撮像されるタイミング(撮像工程)との具体例について説明する。
【0059】
図5は、実施の形態1に係るACF貼付け装置10における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【0060】
まず、貼付け部110は、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板300に貼付ける(S110)。
【0061】
次に、貼付け部110は、第1ACF切片における第1の一端を含む第1画像を撮像部120で撮像する(S120)。
【0062】
次に、貼付け部110は、基板300において第1ACF切片における第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板300に貼付ける(S130)。
【0063】
次に、撮像部120は、第1ACF切片における第1の他端、および、第2ACF切片における第2の一端を含む第2画像を撮像する(S140)。
【0064】
次に、貼付け部110は、基板300において第2ACF切片における第2の他端に隣接する第3の一端、および、第3の一端とは反対側に位置する第3の他端を有する第3ACF切片を基板300に貼付ける(S150)。
【0065】
次に、撮像部120は、第2ACFにおける第2の他端を含む第3画像を撮像する(S160)。
【0066】
例えば、判定部220は、ステップS140の後に、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。また、例えば、判定部220は、ステップS150の後に、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。例えば、判定部220の判定結果が良である場合には、図3に示すフローが引き続き実行される。一方、例えば、制御部230は、判定部220の判定結果が不良である場合には、搬送部130に基板300を廃棄させて新たな基板を搬送部130に搬入させる。
【0067】
なお、判定部220は、ステップS160の後に、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定してもよい。
【0068】
また、例えば、ステップS110、ステップS130およびステップS150が実行された後に、ステップS120、ステップS140およびステップS160が実行されてもよい。
【0069】
また、例えば、基板300に貼付けられるACF切片が3つである場合には、ステップS160の後に、第3ACF切片の他端を含む画像が撮像され、第3画像および当該画像に基づき第3ACF切片の貼付け状態の良否が判定される。また、例えば、基板300に貼付けられるACF切片が4つ以上である場合には、さらにACF切片の貼付けと撮像とが行われる。
【0070】
図6は、実施の形態1に係るACF貼付け装置10における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を説明するための図である。具体的には、図6の(a)は、図5のステップS110を説明するための図である。また、図6の(b)は、図5のステップS120を説明するための図である。また、図6の(c)は、図5のステップS130を説明するための図である。また、図6の(d)は、図5のステップS140を説明するための図である。また、図6の(e)は、図5のステップS150を説明するための図である。また、図6の(f)は、図5のステップS160を説明するための図である。
【0071】
なお、図6において、ACF切片(切片311、312および313)の貼付け位置(ACF切片の一端の位置)を一点鎖線で示している。また、図6において、撮像部120の視野(撮像範囲)を点線で示している。また、基板300に貼付けられたACF切片の長手方向における、撮像範囲の中心を撮像位置として二点鎖線で示している。
【0072】
図6の(a)に示すように、貼付け部110は、切片311(第1ACF切片)を基板300に貼付ける。
【0073】
次に、図6の(b)に示すように、撮像部120は、切片311の一端を撮影することで、切片311の一端を含む第1画像を生成する。本実施の形態では、切片311の一端と撮像位置とが一致する。
【0074】
次に、図6の(c)に示すように、貼付け部110は、切片312(第2ACF切片)を基板300に貼付ける。
【0075】
次に、図6の(d)に示すように、撮像部120は、切片311の他端および切片312の一端を撮影することで、切片311の他端および切片312の一端を含む第2画像を生成する。本実施の形態では、切片311の他端と切片312の一端との間の中央と撮像位置とが一致する。
【0076】
次に、図6の(e)に示すように、貼付け部110は、切片313(第3ACF切片)を基板300に貼付ける。
【0077】
次に、図6の(f)に示すように、撮像部120は、切片312の他端および切片313の一端を撮影することで、切片312の他端および切片313の一端を含む第3画像を生成する。本実施の形態では、切片312の他端と切片313の一端との間の中央と撮像位置とが一致する。
【0078】
以上のように、貼付け部110は、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板に貼付け、基板において第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板に貼付ける。また、撮像部120は、第1の一端を含む第1画像を撮像し、第1の他端および第2の一端を含む第2画像を撮像し、第2の他端を含む第3画像を撮像する。また、判定部220は、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。ステップS110およびステップS130は、ステップS10の具体例である。ステップS120、ステップS140およびステップS150は、ステップS20の具体例である。
【0079】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係るACF貼付け装置10について説明する。なお、実施の形態2の説明においては、実施の形態1との差異点を中心に説明し、実施の形態1と実質的に同様の構成については同様の符号を付し、説明を簡略化または省略する場合がある。
【0080】
[構成]
図7は、実施の形態2に係るACF貼付け装置11の機能構成を示すブロック図である。
【0081】
実施の形態2に係るACF貼付け装置11は、実施の形態1に係るACF貼付け装置10とは、比較部260を有する制御装置201を備える点が異なる。
【0082】
比較部260は、基板において隣接する2つのACF切片の間隔と、撮像部120の視野寸法とを比較する処理部である。具体的には、比較部260は、第1の他端および第2の一端の間隔と、撮像部120の視野寸法とを比較する。
【0083】
基板において隣接する2つACF切片の間隔は、例えば、ACF切片が貼付けられる基板の種類(より具体的には、基板に設けられた、ACF切片が貼付けられる電極部の配置)によって決定される。例えば、第1の他端および第2の一端の間隔とは、図6に示す切片311と切片312との間の長さである。例えば、基板において隣接する2つのACF切片の間隔を示す情報は、記憶部250に予め記憶される。また、撮像部120の視野寸法とは、例えば、図6に示す撮像範囲の一辺の長さ(具体的には、撮像範囲における切片311のなどのACF切片の長手方向の長さ)である。また、例えば、撮像部120の視野寸法を示す情報は、記憶部250に予め記憶される。
【0084】
例えば、比較部260において、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法よりも大きいと判断される場合には、撮像部120は、第2画像に代えて、第1の他端を含む第4画像を撮像し、第2の一端を含む第5画像を撮像する。さらに、例えば、比較部260において、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法よりも大きいと判断される場合には、判定部220は、第1画像および第4画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第5画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。一方、例えば、比較部260において、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法以下と判断される場合には、撮像部120は、第1画像を撮像し、第2画像を撮像し、第3画像を撮像する。さらに、例えば、比較部260において、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法以下と判断される場合には、判定部220は、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。
【0085】
つまり、撮像部120は、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法よりも大きいと判断した場合、第2の一端を含まず第1の他端を含む第4画像を撮像し、第1の他端を含まず第2の一端を含む第5画像を撮像する。また、このような場合には、撮像部120は、第2画像を撮像しない。一方、撮像部120は、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法以下と判断した場合、第4画像および第5画像を撮像せず、第2画像を撮像する。
【0086】
また、判定部220は、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法よりも大きいと判断した場合、第2画像を用いずに、第1画像および第4画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第5画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。一方、判定部220は、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が視野寸法以下と判断した場合、第4画像および第5画像を用いずに、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。
【0087】
比較部260は、例えば、プロセッサと、当該プロセッサが実行する、メモリなどに記憶された制御プログラムとにより実現される。
【0088】
[処理手順]
図8は、実施の形態2に係るACF貼付け装置11における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【0089】
まず、貼付け部110および撮像部120は、上記と同様にステップS110~ステップS130を実行する。
【0090】
ステップS130の次に、比較部260は、第1の他端および第2の一端の間隔と、撮像部120の視野寸法とを比較する。具体的には、比較部260は、第1の他端および第2の一端の間隔が撮像部120の視野寸法よりも大きいか否かを判断する(S200)。
【0091】
比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が撮像部120の視野寸法よりも大きいと判断した場合(S200でYes)、撮像部120は、第1の他端を含む第4画像を撮像する(S210)。
【0092】
次に、撮像部120は、第2の一端を含む第5画像を撮像部120で撮像する(S220)。
【0093】
次に、貼付け部110および撮像部120は、上記と同様にステップS150およびステップS160を実行する。
【0094】
また、この場合、例えば、判定部220は、ステップS210の後に、第1画像および第4画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。また、この場合、例えば、判定部220は、ステップS160の後に、第5画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する。
【0095】
一方、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が撮像部120の視野寸法以下と判断した場合(S200でYes)、貼付け部110および撮像部120は、上記と同様にステップS140~ステップS160を実行する。
【0096】
以上のように、例えば、ステップS200でNoの場合には、図5に示すフローチャートと同様の処理が行われる。一方、ステップS200でYesの場合には、第2画像に代えて第4画像および第5画像が撮像されて、第4画像および第5画像に基づきACF切片の貼付け状態の良否が判定される。
【0097】
なお、判定部220は、ステップS160の後に、第1画像および第4画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第5画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定してもよい。
【0098】
また、例えば、ステップS110、ステップS130およびステップS150が実行された後に、ステップS120、ステップS210およびステップS220が実行されてもよい。
【0099】
また、例えば、ステップS200は、処理の開始時(例えば、ステップS110の前)に実行されてもよい。この場合、例えば、ステップS200でYesの場合には、ステップS110~ステップS160が実行される。一方、この場合、例えば、ステップS200でYesの場合には、ステップS110~ステップS130が実行され、その後に、ステップS210およびステップS220が実行され、さらにその後に、ステップS150およびステップS160が実行される。
【0100】
図9は、実施の形態2に係るACF貼付け装置11における貼付け工程と撮像工程の具体的な処理手順を示す図である。なお、図9は、ステップS200でYesの場合に実行される具体的な処理手順を説明するための図である。具体的には、図9の(a)は、図8のステップS110を説明するための図である。また、図9の(b)は、図8のステップS120を説明するための図である。また、図9の(c)は、図8のステップS130を説明するための図である。また、図9の(d)は、図8のステップS210を説明するための図である。また、図9の(e)は、図8のステップS220を説明するための図である。また、図9の(f)は、図8のステップS150を説明するための図である。また、図9の(g)は、図8のステップS160を説明するための図である。
【0101】
なお、図9において、ACF切片(切片311、312および313)の貼付け位置(ACF切片の一端の位置)を一点鎖線で示している。また、図9において、撮像部120の視野(撮像範囲)を点線で示している。また、基板300Aに貼付けられたACF切片の長手方向における、撮像範囲の中心を撮像位置として二点鎖線で示している。
【0102】
図9の(a)に示すように、貼付け部110は、切片311(第1ACF切片)を基板300Aに貼付ける。
【0103】
次に、図9の(b)に示すように、撮像部120は、切片311の一端を撮影することで、切片311の一端を含む第1画像を生成する。本実施の形態では、切片311の一端と撮像位置とが一致する。
【0104】
次に、図9の(c)に示すように、貼付け部110は、切片312(第2ACF切片)を基板300Aに貼付ける。
【0105】
ここで、基板300Aが、例えば図6に示す基板300とは異なり、隣接するACF切片の間隔が、視野寸法よりも大きかったとする。
【0106】
この場合、撮像部120は、次に、図9の(d)に示すように、切片311の他端を撮影することで、切片311の他端を含む第4画像を生成する。
【0107】
また、この場合、撮像部120は、次に、図9の(e)に示すように、切片312の一端を撮影することで、切片312の一端を含む第5画像を生成する。
【0108】
次に、図9の(f)に示すように、貼付け部110は、切片313(第3ACF切片)を基板300Aに貼付ける。
【0109】
次に、図9の(g)に示すように、撮像部120は、切片312の他端および切片313の一端を撮影することで、切片312の他端および切片313の一端を含む第3画像を生成する。本実施の形態では、切片312の他端と切片313の一端との間の中央と撮像位置とが一致する。
【0110】
以上のように、ACF貼付け装置11は、比較部260の比較結果に基づき、撮像部120の撮像位置を決定し、つまり、どのACF切片の端部を含む画像を撮像するかを決定する。具体的には、ACF貼付け装置11は、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が撮像部120の視野寸法以下と判断した場合、つまり、複数の端部を含む画像が生成可能である場合、複数の端部を含む画像を撮像する。一方、ACF貼付け装置11は、比較部260が、第1の他端および第2の一端の間隔が撮像部120の視野寸法より大きいと判断した場合、つまり、複数の端部を含む画像が生成可能ではない場合、1つの端部を含む画像を撮像する。
【0111】
(効果など)
以下、本明細書の開示内容から得られる技術を例示し、例示される技術から得られる効果などについて説明する。
【0112】
技術1は、基板にACF切片を貼付ける貼付け部110と、基板に貼付けられたACF切片を含む画像を撮像する撮像部120と、撮像部120により得られる画像に基づき、ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定部220と、を備え、貼付け部110は、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板に貼付け、基板において第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板に貼付け、撮像部120は、第1の一端を含む第1画像を撮像し、第1の他端および第2の一端を含む第2画像を撮像し、第2の他端を含む第3画像を撮像し、判定部220は、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、ACF貼付け装置(例えば、ACF貼付け装置10または11)である。
【0113】
これによれば、第1の他端と第2の一端とが第2画像に含まれるため、第2画像を用いて第1ACF切片および第2ACF切片のそれぞれの端部の貼付け状態が評価され得る。そのため、第1ACF切片および第2ACF切片のそれぞれの端部をすべて個別に撮像する場合と比較して、撮像に係る時間を抑制できる。したがって、本開示の一態様に係るACF貼付け装置によれば、生産性の低下を抑制できる。また、第1ACF切片および第2ACF切片のそれぞれの端部をすべて個別に撮像する場合と比較して、撮像される画像が少なくなるため、撮像される画像のデータ量が削減され得る。
【0114】
技術2は、第1の他端および第2の一端の間隔と、撮像部120の視野寸法とを比較する比較部260をさらに備え、比較部260において、当該間隔が視野寸法よりも大きいと判断される場合には、撮像部120は、第2画像に代えて、第1の他端を含む第4画像を撮像し、第2の一端を含む第5画像を撮像し、判定部220は、第1画像および第4画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第5画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、技術1に記載のACF貼付け装置(例えば、ACF貼付け装置11)である。
【0115】
第1の他端および第2の一端の間隔と、撮像部120の視野寸法とを示す情報は、例えば、記憶部250に予め記憶される。
【0116】
これによれば、撮像部120よって第2画像を撮像できないような場合に、エラーなどによってACF貼付け装置を停止させることなくACF貼付け装置にACFの貼付け作業を実行させ続けることができる。また、例えば、撮像部120の視野寸法が変更できないような構成となっているACF貼付け装置に対しても、比較部260の比較結果に基づき適切な場合に第4画像および第5画像が撮像されてACF切片の貼付け状態の良否を判定が判定され得る。
【0117】
技術3は、比較部260において、当該間隔が視野寸法以下と判断される場合には、撮像部120は、第1画像を撮像し、第2画像を撮像し、第3画像を撮像し、判定部220は、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、技術1または2に記載のACF貼付け装置(例えば、ACF貼付け装置11)である。
【0118】
これによれば、例えば、撮像部120の視野寸法が変更できないような構成となっているACF貼付け装置に対しても、比較部260の比較結果に基づき適切な場合に、第2画像が撮像されてACF切片の貼付け状態の良否を判定が判定され得る。
【0119】
技術4は、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板に貼付ける第1貼付け工程(S110)と、第1の一端を含む第1画像を撮像部120で撮像する第1撮像工程(S120)と、基板において第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板に貼付ける第2貼付け工程(S130)と、第1の他端、および、第2の一端を含む第2画像を撮像部120で撮像する第2撮像工程(S140)と、第2の他端を含む第3画像を撮像部120で撮像する第3撮像工程(S160)と、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定工程(S30)と、を含む、ACF貼付け方法である。
【0120】
本開示の一態様に係るACF貼付け方法は、例えば、基板にACF切片を貼付ける貼付け工程(S10)と、基板に貼付けられたACF切片を含む画像を撮像する撮像工程(S20)と、撮像部120により得られる画像に基づき、ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定工程(S30)と、を含む。
【0121】
これによれば、技術1に係るACF貼付け装置と同様の効果を奏する。
【0122】
技術5は、第1の他端および第2の一端の間隔と、撮像部120の視野寸法とを比較する比較工程(S200)をさらに含み、比較工程において、当該間隔が視野寸法よりも大きいと判断される場合には(S200でYes)、ACF貼付け方法は、第2撮像工程に代えて、第1の他端を含む第4画像を撮像部120で撮像する第4撮像工程(S210)と、第2の一端を含む第5画像を撮像部120で撮像する第5撮像工程(S220)と、を含み、判定工程では、第1画像および第4画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第5画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、技術4に記載のACF貼付け方法である。
【0123】
これによれば、技術2に係るACF貼付け装置と同様の効果を奏する。
【0124】
技術6は、比較工程において、当該間隔が視野寸法以下と判断される場合には(S200でNo)、ACF貼付け方法は、第1撮像工程と、第2撮像工程と、第3撮像工程と、を含み、判定工程では、第1画像と第2画像とに基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像と第3画像とに基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する、技術4または5に記載のACF貼付け方法である。
【0125】
これによれば、技術3に係るACF貼付け装置と同様の効果を奏する。
【0126】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0127】
また、本開示は、ACF貼付け方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実行されてもよい、また、本開示は、当該プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0128】
また、例えば、本開示は、貼付け部110に、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板に貼付けさせ、基板において第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板に貼付けさせ、撮像部120に、第1の一端を含む第1画像を撮像させ、第1の他端および第2の一端を含む第2画像を撮像させ、第2の他端を含む第3画像を撮像させる制御部230と、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する判定部220と、を備える制御装置200として実現されてもよい。また、例えば、本開示は、貼付け部110に、第1の一端、および、第1の一端とは反対側に位置する第1の他端を有する第1ACF切片を基板に貼付けさせ、基板において第1の他端に隣接する第2の一端、および、第2の一端とは反対側に位置する第2の他端を有する第2ACF切片を基板に貼付けさせ、撮像部120に、第1の一端を含む第1画像を撮像させ、第1の他端および第2の一端を含む第2画像を撮像させ、第2の他端を含む第3画像を撮像させ、第1画像および第2画像に基づき第1ACF切片の貼付け状態の良否を判定し、第2画像および第3画像に基づき第2ACF切片の貼付け状態の良否を判定する制御方法として実現されてもよい。また、本開示は、当該制御方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実行されてもよい、また、本開示は、当該プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0129】
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係るACF貼付け装置などについて、上記各実施の形態に基づき説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0130】
例えば、ACF貼付け装置が備える判定部などの処理部の構成要素の全部または一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、HDDまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0131】
また、ACF貼付け装置が備える処理部の構成要素は、1つまたは複数の電子回路で構成されてもよい。1つまたは複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0132】
1つまたは複数の電子回路には、例えば、半導体装置、ICまたはLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。ICまたはLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、ICまたはLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、または、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0133】
なお、本発明は、ACF貼付け装置として実現できるだけでなく、ACF貼付け装置の各構成要素が行う処理をステップとして含むプログラム、および、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体として実現することもできる。つまり、上述した包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0134】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、基板にACFを貼付けるACF貼付け装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0136】
10、11 ACF貼付け装置
100 ACF貼付け作業部
110 貼付け部
111 リール
112 送りローラ
113 回収部
114 カッター
115 剥離部
116 圧着ヘッド
117 バックアップステージ
120 撮像部
130 搬送部
140 ステージ
200、201 制御装置
210 取得部
220 判定部
230 制御部
240 出力部
250 記憶部
260 比較部
300、300A 基板
310 テープ
311、312、313 切片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9