(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175826
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】光走査装置およびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/47 20060101AFI20241212BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20241212BHJP
G02B 26/12 20060101ALI20241212BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20241212BHJP
G02B 7/182 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
B41J2/47 101D
G02B26/10 F
G02B26/12
G03G15/04
G02B7/182
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093861
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張場 義仁
【テーマコード(参考)】
2C362
2H043
2H045
【Fターム(参考)】
2C362AA10
2C362BA04
2C362BA50
2C362BA87
2C362BB04
2C362CA18
2C362CA39
2C362DA12
2H043BC08
2H043CA02
2H043CA04
2H043CA08
2H045AA01
2H045BA02
2H045BA22
2H045DA02
(57)【要約】
【課題】製造コストの増加を抑えながら安定して光学素子を保持可能な光走査装置およびそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】光走査装置は、走査光学系と、筐体と、押圧保持部材と、を備える。筐体は、走査光学系を内部に収容するとともに、走査光学系を構成する光学素子を保持する保持部を有する。押圧保持部材は、光学素子を押圧して保持部に保持する。押圧保持部材は、本体部と、押圧部と、を有する。押圧部は、本体部に連結され、保持部に保持された光学素子を保持部に向かって押圧する。筐体は、保持部に対向して形成され、本体部を支持する支持部を有する。支持部は、筐体を貫通する貫通孔の周縁に配置され、支持突出部を有する。支持突出部は、外面から突出して本体部の周縁に接触する。貫通孔は、レーザー光を筐体の外部に出射する出射口である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を走査して像担持体上に導く走査光学系と、
前記走査光学系を内部に収容するとともに、前記走査光学系を構成する光学素子を保持する保持部を有する筐体と、
前記光学素子を押圧して前記保持部に保持する押圧保持部材と、
を備え、前記像担持体の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する光走査装置において、
前記押圧保持部材は、
本体部と、
前記本体部に連結され、前記保持部に保持された前記光学素子を前記保持部に向かって押圧する押圧部と、
を有し、
前記筐体は、
前記保持部に対向して形成され、前記本体部を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記筐体を貫通する貫通孔の周縁に配置され、
外面から突出して前記本体部の周縁に接触する支持突出部を有し、
前記貫通孔は、前記レーザー光を前記筐体の外部に出射する出射口であることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記光学素子は、前記レーザー光を反射する反射ミラーであり、
前記支持突出部の先端は、前記反射ミラーの長手方向に直交する断面において、前記貫通孔の内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
支持突出部は、前記保持部に近づく方向に延び、
支持突出部の先端部は、前記貫通孔に近づく方向に屈曲していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記支持部に対向して形成される挟持部をさらに有し、
前記本体部は、前記支持部と前記挟持部との間に挟持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
【請求項5】
レーザー光を走査して像担持体上に導く走査光学系と、
前記走査光学系を内部に収容するとともに、前記走査光学系を構成する光学素子を保持する保持部を有する筐体と、
前記光学素子を押圧して前記保持部に保持する押圧保持部材と、
を備え、前記像担持体の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する光走査装置において、
前記押圧保持部材は、
本体部と、
前記本体部に連結され、前記保持部に保持された前記光学素子を前記保持部に向かって押圧する押圧部と、
を有し、
前記筐体は、
前記保持部に対向して形成され、前記本体部を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記筐体を貫通する貫通孔の周縁に配置され、
外面から突出して前記本体部の周縁に接触する支持突出部を有し、
前記筐体は、
上面が開口して内部に前記走査光学系が配置される収容部と、
前記収容部の上面を覆う蓋部と、
を有し、
前記収容部及び前記蓋部は、前記走査光学系を側方から囲む壁部をそれぞれ有し、
前記貫通孔は、前記収容部又は前記蓋部の一方の前記壁部に形成されるとともに前記収容部又は前記蓋部の他方の前記壁部により塞がれることを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
前記光学素子は、前記レーザー光を反射する反射ミラーであり、
前記支持突出部の先端は、前記走査光学系に含まれるポリゴンミラーの回転軸の軸方向と前記反射ミラーの長手方向とに直交する方向の断面において、前記貫通孔の内側に位置することを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
【請求項7】
支持突出部は、前記保持部に近づく方向に延び、
支持突出部の先端部は、前記貫通孔に近づく方向に屈曲していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光走査装置。
【請求項8】
表面に感光層が形成された1つ以上の前記像担持体と、
前記像担持体を所定の表面電位に帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電された前記像担持体の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する請求項1又は請求項5に記載の光走査装置と、
を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光走査により被走査面上に潜像を形成する光走査装置、およびそれを備えた複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光走査装置は特許文献1に開示されている。この光走査装置は、レーザー光を走査して像担持体上に導く走査光学系と、筐体と、押圧保持部材と、を備え、像担持体の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する。筐体は、走査光学系を内部に収容し、走査光学系を構成する光学素子を保持する保持部を有する。押圧保持部材は、光学素子を押圧して保持部に保持する。筐体は、保持部に対向して形成され、押圧保持部材を支持する支持部を有する。押圧保持部材は、筐体を貫通する貫通孔に挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の光走査装置によると、貫通孔から塵埃が筐体内部に進入する可能性がある。このため、貫通孔を塞ぐ部材を新たに設ける必要があり、光走査装置の製造コストが増加する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、製造コストの増加を抑えながら安定して光学素子を保持可能な光走査装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、走査光学系と、筐体と、押圧保持部材と、を備え、像担持体の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する光走査装置である。走査光学系は、レーザー光を走査して像担持体上に導く。筐体は、走査光学系を内部に収容するとともに、走査光学系を構成する光学素子を保持する保持部を有する。押圧保持部材は、光学素子を押圧して保持部に保持する。押圧保持部材は、本体部と、押圧部と、を有する。押圧部は、本体部に連結され、保持部に保持された光学素子を保持部に向かって押圧する。筐体は、保持部に対向して形成され、本体部を支持する支持部を有する。支持部は、筐体を貫通する貫通孔の周縁に配置され、支持突出部を有する。支持突出部は、外面から突出して本体部の周縁に接触する。貫通孔は、レーザー光を筐体の外部に出射する出射口である。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明の第2の構成は、走査光学系と、筐体と、押圧保持部材と、を備え、像担持体の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する光走査装置である。走査光学系は、レーザー光を走査して像担持体上に導く。筐体は、走査光学系を内部に収容するとともに、走査光学系を構成する光学素子を保持する保持部を有する。押圧保持部材は、光学素子を押圧して保持部に保持する。押圧保持部材は、本体部と、押圧部と、を有する。押圧部は、本体部に連結され、保持部に保持された光学素子を保持部に向かって押圧する。筐体は、保持部に対向して形成され、本体部を支持する支持部を有する。支持部は、筐体を貫通する貫通孔の周縁に配置され、支持突出部を有する。支持突出部は、外面から突出して本体部の周縁に接触する。筐体は、上面が開口して内部に走査光学系が配置される収容部と、収容部の上面を覆う蓋部と、を有する。収容部及び前記蓋部は、走査光学系を側方から囲む壁部をそれぞれ有し、貫通孔は、収容部又は蓋部の一方の壁部に形成されるとともに収容部又は蓋部の他方の壁部により塞がれる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の構成によれば、製造コストの増加を抑えながら安定して光学素子を保持可能な光走査装置およびそれを備えた画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の光走査装置5が搭載された画像形成装置100の全体構成を示す概略断面図
【
図2】本発明の一実施形態に係る光走査装置5の斜視図
【
図3】本発明の一実施形態に係る光走査装置5の斜視図
【
図5】本発明の光走査装置5の筐体48内で反射ミラー49bを押圧保持する押圧バネ50の斜視図
【
図6】本発明の光走査装置5の筐体48内の反射ミラー49b付近の部分断面図
【
図7】本発明の光走査装置5の筐体48内で反射ミラー49aを押圧保持する押圧バネ50の斜視図
【
図9】本発明の光走査装置5の筐体48内の反射ミラー49a付近の部分断面図
【
図10】本発明の光走査装置5の筐体48内の反射ミラー49b付近の変形例を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.画像形成装置100の構成]
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の光走査装置5が搭載される画像形成装置100の全体構成を示す概略断面図である。説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(
図1に示す状態)で鉛直方向を上下方向(Z1-Z2方向)と定義する。また、
図1に示す画像形成装置100の紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向(Y1-Y2方向)を定義する。また、設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向(X1―X2方向)を定義する。本実施形態では、左右方向(X1―X2方向)は、上下方向(Z1-Z2方向)及び前後方向(Y1-Y2方向)と直交している。
【0011】
画像形成装置100はタンデム型のカラープリンターである。画像形成装置100は、像担持体として回転可能である感光体ドラム1a~1dを備える。感光体ドラム1a~1dには、有機感光層が形成された有機感光体(OPC感光体)、又はアモルファスシリコン感光層が形成されたアモルファスシリコン感光体等が用いられる。感光体ドラム1a~1dは、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの各色に対応させてタンデム配置される。
【0012】
感光体ドラム1aの周囲に、現像装置3a、帯電器2aおよびクリーニング装置7aが配設される。同様に、感光体ドラム1b~1dのそれぞれの周囲に、現像装置3b~3d、帯電器2b~2dおよびクリーニング装置7b~7dがそれぞれ配設される。また、現像装置3a~3dの上方Z1に光走査装置5が配設される。
【0013】
現像装置3a~3dは、感光体ドラム1a~1dの左方X2にそれぞれ配置される。現像装置3a~3dは、感光体ドラム1a~1dにそれぞれ対向しており、感光体ドラム1a~1dにトナーを供給する。現像装置3a~3dは、コンテナ4a~4dを有し、マゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの各色のトナーが収容されている。
【0014】
帯電器2a~2dは、感光体ドラム1a~1dの回転方向に対し現像装置3a~3dよりも上流側に配置され、感光体ドラム1a~1dの表面にそれぞれ対向する。帯電器2a~2dは、感光体ドラム1a~1dの表面をそれぞれ一様に帯電させる。
【0015】
光走査装置5は、本実施形態では、感光体ドラム1a~1dの上方Z1に配置される。光走査装置5は、パーソナルコンピューター等から画像入力部に入力された文字や絵柄などの画像データに基づいて、帯電器2a~2dによって一様に帯電された感光体ドラム1a~1dの表面に光を照射(光走査)する。これにより、感光体ドラム1a~1dの表面に静電潜像が形成される。
【0016】
光走査装置5の筐体48は、樹脂成型品であり、一つの面(本実施形態では、上面)が開口した収容部481と、その開口を覆う蓋部482とを含む(
図4参照)。収容部481は、内部に走査光学系120を収容する。
【0017】
レーザー光D1~D4は、帯電器2a~2dよりも感光体ドラム1a~1dの回転方向に対し下流側から、感光体ドラム1a~1dの表面にそれぞれ照射される。これにより、感光体ドラム1a~1dの表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像が、現像装置3a~3dによってトナー像に現像される。なお、光走査装置5については、後で詳細に説明する。
【0018】
無端状の中間転写ベルト8は、駆動ローラー10及び従動ローラー11に張架されている。駆動ローラー10がモーター(図示せず)によって回転することで、中間転写ベルト8が
図1の時計回り方向に循環駆動する。
【0019】
感光体ドラム1a~1dは、中間転写ベルト8の上方Z1で搬送方向(
図1の矢印方向)に沿って隣り合うように配列されている。また、感光体ドラム1a~1dは、中間転写ベルト8にそれぞれ接触している。
【0020】
一次転写ローラー6a~6dは、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1a~1dとそれぞれ対向する。一次転写ローラー6a~6dは、中間転写ベルト8にそれぞれ圧接されて、感光体ドラム1a~1dと共に一次転写部を形成する。これらの一次転写部において、トナー像が中間転写ベルト8に転写される。
【0021】
詳しくは、一次転写ローラー6a~6dに一次転写電圧が印加されることにより、所定のタイミングで感光体ドラム1a~1dのトナー像が中間転写ベルト8に順次転写される。これにより、中間転写ベルト8の表面にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナー像が所定の位置関係をもって重ね合わされたフルカラートナー像が形成される。
【0022】
二次転写ローラー9は、中間転写ベルト8を挟んで駆動ローラー10と対向する。二次転写ローラー9は、中間転写ベルト8に圧接されて、駆動ローラー10と共に二次転写部を形成する。この二次転写部において、二次転写ローラー9に二次転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト8の表面のトナー像が用紙Sに転写される。トナー像の転写後に、ベルトクリーニング装置(不図示)が中間転写ベルト8に残存するトナーを清掃する。
【0023】
画像形成装置100内の下方には給紙カセット16が配設される。給紙カセット16は複数枚の用紙Sを収納可能である。給紙カセット16の右方X1には、用紙搬送路19が配設される。
【0024】
用紙搬送路19は、給紙カセット16から繰り出された用紙Sを二次転写部に搬送する。画像形成装置100内の右上方には、定着部13と、用紙搬送路20とが配設される。定着部13は、画像が形成された用紙Sに対して定着処理を行う。用紙搬送路20は、定着処理が行われた用紙Sを用紙排出部17に搬送する。
【0025】
給紙カセット16に収納されている用紙Sは、ピックアップローラー12aにより1枚ずつ用紙搬送路19側に繰り出される。
【0026】
レジストローラー対12bは、中間転写ベルト8における画像形成動作と、二次転写部への給紙動作とのタイミングを取って用紙Sを二次転写部に搬送する。二次転写部に搬送された用紙Sに対し、二次転写電圧が印加された二次転写ローラー9によって、中間転写ベルト8上のフルカラートナー像が二次転写される。フルカラートナー像が転写された用紙Sは、定着部13に搬送される。
【0027】
定着部13は、ヒーターにより加熱される定着ベルト、定着ベルトに内接する定着ローラー、および定着ベルトを挟んで定着ローラーに圧接される加圧ローラー等を備える。定着部13は、トナー像が転写された用紙Sを加熱および加圧する。これにより、定着処理が実施される。定着部13においてトナー像が定着された用紙Sは、必要に応じて用紙搬送路18で表裏が反転される。その後、用紙Sは再びレジストローラー対12bを介して二次転写部に搬送された後、二次転写ローラー9によって用紙Sの裏面に新たなトナー像が二次転写され、定着部13で定着される。トナー像が定着された用紙Sは用紙搬送路20を通って、用紙排出部17に排出される。
【0028】
[2.光走査装置の構成]
図2、
図3は、光走査装置5の斜視図であり、
図3は、蓋部482を外した状態を示す。
図4は、
図2中のA-A断面図である。
図4の一部は、各部材の構成を模式的に示しているのであって、各部材の形状及び位置関係を厳密に示す訳ではない。また、
図4は、第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42を図示しない。
【0029】
なお、以下の説明において、主走査方向(Y1-Y2方向)とは、反射ミラー49a~49cの長手方向である。また、主走査方向(Y1-Y2方向)は、感光体ドラム1a~1dの回転軸が延びる方向及び画像形成装置100の前後方向に一致する。副走査方向(Z1-Z2方向)とは、ポリゴンミラー45の回転軸Jに平行な方向であり、画像形成装置100の上下方向に一致する。また、左右方向(X1-X2方向)とは、主走査方向(Y1-Y2方向)及び副走査方向(Z1-Z2方向)に直交する方向であり、反射ミラー49a~49cの並列方向に一致する。
【0030】
光走査装置5は、各画像信号に応じて変調された複数(本実施形態では4つ)のレーザー光D1~D4を感光体ドラム1a~1dに出力(照射)し、感光体ドラム1a~1dの各々の表面を露光して帯電を減衰させた静電潜像を形成する。
【0031】
光走査装置5は、光源部46と、ポリゴンミラー45と、一対の第1走査レンズ41と、一対の第2走査レンズ42と、一対の反射ミラー49a、49b、49cと、筐体48と、を有する。
【0032】
筐体48は、収容部481と蓋部482とを含む。収容部481は、上面視において略四角形に形成される。収容部481は、内部に光源部46と、ポリゴンミラー45と、一対の第1走査レンズ41と、一対の第2走査レンズ42と、一対の反射ミラー49a、49b、49cと、を収容する。ポリゴンミラー45、第1走査レンズ41、第2走査レンズ42、反射ミラー49a~49cは、レーザー光D1~D4を走査して感光体ドラム(像担持体)1a~1d上に導く走査光学系120を構成する。
【0033】
収容部481は、底壁部481aと、周壁部481bと、を有する。底壁部481aは、ポリゴンミラー45の回転軸Jに直交する方向に拡がる。底壁部481aには、上下方向に貫通する出射口483a~4813が形成されている(
図4参照)。出射口483a~483dは、主走査方向(Y1-Y2方向)に延びる。走査光学系120から出射されるレーザー光D1~D4は、出射口483a~483dを介して筐体48の外部に出射され、対応する感光体ドラム1a~1dにそれぞれ入射する。出射口483a~483dは、それぞれ防塵ガラス70a~70dで覆われている。これにより、筐体48内部に塵埃が侵入することを防止できる。
【0034】
周壁部481bは、底壁部481aの外周部から上方の延び、内部に光源部46と、ポリゴンミラー45と、一対の第1走査レンズ41と、一対の第2走査レンズ42と、一対の反射ミラー49a、49b、49cと、を側方から囲む。
【0035】
蓋部482は、天面部482aと周面部482bを有する。天面部482aは、収容部481の開口する上面を覆う。周面部482bは、天面部482aの外周部から下方の延び、周壁部481bの一部を径方向外側から覆う。すなわち、収容部481及び蓋部482は、走査光学系120を側方から囲む壁部481b、482bをそれぞれ有する。
【0036】
また、本実施形態では、周壁部481bは、左右方向(X1-X2)の両端部の主走査方向の一方側(Y1側)において、主走査方向(Y1-Y2方向)に貫通する貫通孔484を有する。貫通孔484は、周面部482bにより覆われている(
図9参照)。すなわち、貫通孔484は、収容部481又は蓋部482の一方の壁部481bに形成されるとともに収容部481又は蓋部482の他方の壁部482bにより塞がれる。これにより、筐体48内部に塵埃が侵入することを防止できる。なお、貫通孔484付近の構成については後で詳細に説明する。
【0037】
光源部46は、発光モジュール(不図示)と、コリメーターレンズ(不図示)と、シリンドリカルレンズ(不図示)と、を有する。発光モジュールの各々から、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)及びK(ブラック)の各色に対応するレーザー光D1~D4を出力する。発光モジュールの各々から出射されたレーザー光D1~D4は、コリメーターレンズと、シリンドリカルレンズとを通過してポリゴンミラー45に照射される。
【0038】
このとき、コリメーターレンズ(不図示)は、発光モジュールから出射された各レーザー光D1~D4を主走査断面内で略平行光に変換する。シリンドリカルレンズ(不図示)は、レーザー光D1~D4を副走査方向(Z1-Z2方向)に収束させ、ポリゴンミラー45の偏向面(反射面)の近傍に集光する。これにより、ポリゴンミラー45の偏向面の近傍に、レーザー光D1~D4は、線像を形成する。
【0039】
ポリゴンミラー45は側面に複数の偏向面(反射面)を有する正多角形の回転多面鏡から成り、ポリゴンモーター44により所定の速度で回転軸J中心に軸周りに回転する。ポリゴンモーター44は、収容部481の底壁部481aに固定されている。
【0040】
ポリゴンミラー45は、複数の反射面で構成される。本実施形態では、ポリゴンミラー45は、四角柱状に形成された多面鏡である。ポリゴンミラー45に入射したレーザー光D1、D2は、回転駆動する任意の反射面で偏向走査され、ポリゴンミラー45の反射面で左方向(X2方向)に反射し、第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42に導かれる。ポリゴンミラー45の回転軸Jよりも左方X2に反射する。一方、ポリゴンミラー45に入射したレーザー光D2、D3は、回転駆動する任意の反射面で偏向走査され、ポリゴンミラー45の反射面で右方向(X2方向)に反射し、第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42に導かれる(
図3参照)
【0041】
第2走査レンズ42は、第1走査レンズ41よりもレーザー光D1~D4の光路の下流側に配置されている。
【0042】
第1走査レンズ41は、歪曲収差(fθ特性)を有するレンズであって、主走査方向(Y1―Y2方向)に沿って延びる長尺のレンズである。第1走査レンズ41は、ポリゴンミラー45の偏向面によって反射された各レーザー光D1~D4を集光する。
【0043】
第2走査レンズ42は、第1走査レンズ41と同様に、歪曲収差(fθ特性)を有するレンズであって、主走査方向(Y1―Y2方向)に沿って延びる長尺のレンズである。第2走査レンズ42は、第1走査レンズ41を通過したレーザー光D1~D4を集光し、感光体ドラム1a~1dの被走査面上にそれぞれ結像させる。
【0044】
一対の反射ミラー49aは、レーザー光D1、D4をそれぞれ反射する。一対の反射ミラー49b及び一対の反射ミラー49cは、レーザー光D2、D3をそれぞれ反射する。
【0045】
第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42で集光されたレーザー光D1は、反射ミラー49aで反射して感光体ドラム1aの被走査面に結像される。第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42で集光されたレーザー光D4は、反射ミラー49aで反射して感光体ドラム1dの被走査面に結像される。
【0046】
第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42で集光されたレーザー光D2は、反射ミラー49b、49cで反射して感光体ドラム1bの被走査面に結像される。第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42で集光されたレーザー光D3は、反射ミラー49b、49cで反射して感光体ドラム1cの被走査面に結像される。
【0047】
ポリゴンミラー45で反射偏向されたレーザー光D1~D4は、第1走査レンズ41及び第2走査レンズ42を通過して感光体ドラム1a~1dの被走査面上にそれぞれ集光さる。これにより、感光体ドラム1a~1dの被走査面上にビームスポットが形成される。また、感光体ドラム1a~1dの被走査面上に集光されたレーザー光D1~D4は、感光体ドラム1a~1dの被走査面上を等速走査する。
【0048】
このとき、ポリゴンミラー45の回転により、レーザー光D1~D4は、感光体ドラム(像担持体)1a~1dの被走査面(周面)を主走査方向(Y1-Y2方向)に走査する。また、レーザー光D1~D4は、感光体ドラム1a~1dの回転によって副走査方向(Z1―Z2方向)に走査して感光体ドラム1a~1dの表面に静電潜像を形成する。
【0049】
[3.反射ミラー49bの取付構成]
図5は、反射ミラー49bを押圧保持する押圧バネ50(押圧保持部材)の斜視図であり、
図6は、反射ミラー49b付近を拡大して示す部分断面図であり、反射ミラー49bの長手方向の一端側(Y2側)の保持構造を図示している。
【0050】
収容部481は、ミラー保持部(保持部)60及び第1バネ支持部(支持部)61を有する(
図6参照)。ミラー保持部60及び第1バネ支持部61は、底壁部481aの上面から上方(Z1方向)に突出する。ミラー保持部60は、底壁部481aの主走査方向(Y1―Y2方向)の両端部に2箇所ずつ配置され、合計4カ所設けられている(
図3参照)。すなわち、筐体48は、走査光学系120を構成する反射ミラー(光学素子)49bを保持するミラー保持部(保持部)60を有する。
【0051】
ミラー保持部60は、上面が下方に凹んで凹部601が形成されている。凹部601は、第1保持面601aと第2保持面601bとを有する。第1保持面601aは、反射ミラー49bの光反射面と左右方向(X1-X2方向)に対向する。第2保持面601bは、反射ミラー49bの下面と上下方向(Z1-Z2方向)に対向する。
【0052】
第1バネ支持部61は、出射口483b、483cの長手方向の一方側(Y2側)にそれぞれ隣接して配置され、合計2カ所設けられている。各第1バネ支持部61は、支持突出部61aをそれぞれ有する。各支持突出部61aは、第1バネ支持部61の側面から左右方向(X1-X2方向)にそれぞれ突出する(
図6参照)。
【0053】
すなわち、筐体48は、第1バネ支持部(支持部)61を有する。第1バネ支持部61は、ミラー保持部60に対向して形成され、後述する押圧バネ50のバネ本体部(本体部)51を支持する。第1バネ支持部(支持部)61は、筐体48を貫通する貫通孔483b、483cの周縁に配置され、支持突出部61aを有する。
【0054】
支持突出部61aは、第1バネ支持部(支持部)61の外面から突出する。また、本実施形態では、支持突出部61aは、ミラー保持部60に近づく方向に延びる。このとき、支持突出部61aが臨んで配置される貫通孔483b、483cは、レーザー光D2、D3を筐体48の外部に出射する出射口483b、483cである。
【0055】
また、支持突出部61aの先端は、反射ミラー49bの長手方向(Y1-Y2方向)に直交する断面において、出射口483b、483cの内側に位置する。
【0056】
反射ミラー49bは、長手方向の両端部(Y1-Y2方向の両端部)がミラー保持部60により保持されている(
図3参照)。反射ミラー49bは、凹部601内において接着材601cを介して固定されている。また、反射ミラー49bの長手方向の一端部(Y2側)が、押圧バネ50により押圧されている。押圧バネ50は、第1バネ支持部61に支持されており、反射ミラー49bが、収容部481に安定して保持される。
【0057】
具体的には、押圧バネ(押圧保持部材)50は、金属板を折り曲げて形成されており、バネ本体部(本体部)51と、第1押圧部(押圧部)52と、第2押圧部(押圧部)53と、を有する。
【0058】
バネ本体部51の上端部には爪部51aが第2押圧部53を挟んで一対形成されている。爪部51aは、第2押圧部53から離れる方向に屈曲している。バネ本体部51が、第1バネ支持部61(
図6参照)に支持されたときに、爪部51aは、第1バネ支持部61の上面上に配置される。これにより、押圧バネ50が、第1バネ支持部61に安定して支持される。
【0059】
第1押圧部52は、バネ本体部51の下端部に第1屈曲部50aを介して連設される。第1押圧部52は、バネ本体部51から離れるに従って上方に傾きながら延びる。また、第1押圧部52の先端部は、第2屈曲部50bにおいて上方(Z1方向)に屈曲する。第1押圧部52は、第1屈曲部50aを曲げ支点としてバネ本体部51に対して弾性変形可能に連結される。第1押圧部52の先端部(第2屈曲部50bよりも先端側)には、半球状の第1押圧接点52aが形成されている。
【0060】
第2押圧部53は、バネ本体部51の上端部に第3屈曲部50cを介して連設される。第2押圧部53は、バネ本体部51から第1押圧部52と同方向に延びる。第2押圧部53の先端部は、第4屈曲部50dにおいて側面視逆V字状に屈曲している。第2押圧部53は、第3屈曲部50cを曲げ支点としてバネ本体部51に対して弾性変形可能に連結される。第2押圧部53の先端部(第3屈曲部50dよりも先端側)には、半球状の第2押圧接点53aが形成されている。
【0061】
押圧バネ50には、バネ本体部51の上端部と第2押圧部53の根元部とに跨って延びるスリット50eが形成されている。
【0062】
押圧バネ50は、反射ミラー49bの光反射面と第1バネ支持部61との間に挿入されている。このとき、スリット50eの下端が、支持突出部61aに当接する。すなわち、支持突出部61aは、バネ本体部(本体部)51の周縁に接触する。これにより、押圧バネ50は、第1バネ支持部61に容易に位置決めされる。第1押圧部52は、第1押圧接点52aにおいて反射ミラー49bの光反射面に接触している。第2押圧部53は、第2押圧接点53aにおいて反射ミラー49bの上面に接触している。
【0063】
これにより、押圧バネ50の第1押圧部52の付勢力によって反射ミラー49bが第1保持面60aに押圧されている。また、押圧バネ50の第2押圧部53の付勢力によって反射ミラー49bが第2保持面60bに押圧されている。すなわち、第1押圧部(押圧部)52及び第2押圧部(押圧部)53は、ミラー保持部(保持部)60に保持された反射ミラー(光学素子)49bをミラー保持部(保持部)60に向かって押圧する。
【0064】
この構成によれば、1つの押圧バネ50を用いて反射ミラー49bをミラー保持部60の第1保持面60aおよび第2保持面60bに保持することができる。従って、押圧バネ50の個数を増加することなく反射ミラー49bを安定して保持することができる。
【0065】
また、収容部481を上下方向(Z1―Z2方向)から金型で挟んで樹脂成形する際に、出射口483b、483cを金型の抜き穴として利用することができる。これにより、支持突出部61aを容易に成形できる。レーザー光D2、D3の光路上に形成される出射口483b、483cを利用することにより、筐体48に支持突出部61aを形成するための貫通孔を新たに形成する必要が無い。また、出射口483b、483cは、防塵ガラス70b、70cにより覆われており、貫通孔を覆う部材を新たに設けなくてよい。従って、製造コストの増加を抑えながら安定して反射ミラー(光学素子)49bを保持可能な光走査装置5及びそれを備えた画像形成装置100を提供することができる。
【0066】
支持突出部61aの先端は、反射ミラー49bの長手方向(Y1-Y2方向)に直交する断面において、出射口483b、483cの内側に位置する。これにより、出射口483b、483cを金型の抜き穴として利用して支持突出部61aをより容易に成形できる。
【0067】
なお、支持突出部61aの先端部は、貫通孔483b、483cに近づく方向に屈曲してもよい。これにより、支持突出部61aの先端部をスリット50eの下端に係止することができる。すなわち、支持突出部61aは、バネ本体部(本体部)51の周縁に係止される。従って、押圧バネ50が、第1バネ支持部(支持部)61に安定して支持される。なお、支持突出部61aの先端部を屈曲させた場合でも、出射口483b、483cを金型の抜き穴として利用して支持突出部61aをより容易に成形できる。
【0068】
[4.反射ミラー49aの取付構成]
図7は、反射ミラー49aを押圧保持する押圧バネ80(押圧保持部材)の斜視図であり、
図8は、
図2中のB-B断面図である。
図9は、反射ミラー49a付近を拡大して示す部分断面図であり、反射ミラー49aの長手方向の一端側(Y2側)の保持構造を図示している。
【0069】
収容部481は、ミラー保持部62及び第2バネ支持部63を有する(
図8参照)。ミラー保持部62及び第2バネ支持部63は、底壁部481aの上面から上方(Z1方向)に突出する。ミラー保持部62は、底壁部481aの主走査方向(Y1―Y2方向)の両端部に2箇所ずつ配置され、合計4カ所設けられている。
【0070】
ミラー保持部62は、側面から反射ミラー49aの長手方向(Y1―Y2方向)に突出する突出保持部62aを有する。突出部62aは、先端部の上面から突出する突起部62bを有する。ミラー保持部62の上端部は、反射ミラー49aの側面と長手方向(Y1―Y2方向)に対向する。突起部62bは、反射ミラー49aの下面と上下方向(Z1-Z2方向)に対向する。
【0071】
第2バネ支持部63は、収容部481のY2側の周壁部481bの一部に形成され、左右方向(X1-X2方向)の両端部に一対ずつ配置される。左方X2の端部に配置された第2バネ支持部63の左方X2には、貫通孔484が形成されている。また、右方X1の端部に配置された第2バネ支持部63の右方X1には、貫通孔484が形成されている。各第2バネ支持部63は、支持突出部63aをそれぞれ有する。各支持突出部63aは、第2バネ支持部63の側面から前方向(Y1方向)にそれぞれ突出する(
図9参照)。
【0072】
すなわち、筐体48は、第2バネ支持部(支持部)63を有する。第2バネ支持部63は、ミラー保持部62に対向して形成され、後述する押圧バネ80のバネ本体部(本体部)81を支持する。第2バネ支持部(支持部)63は、筐体48を貫通する貫通孔484の周縁に配置され、支持突出部63aを有する。
【0073】
支持突出部63aは、第2バネ支持部(支持部)63の外面から突出する。また、本実施形態では、支持突出部63aは、ミラー保持部62に近づく方向に延びる。このとき、支持突出部63aが、貫通孔484に臨んで配置される。
【0074】
また、支持突出部63aの先端は、走査光学系に含まれるポリゴンミラー45の回転軸Jの軸方向と反射ミラー49aの長手方向(Y1-Y2方向)とに直交する左右方向(X1-X2方向)の断面において、貫通孔484の内側に位置する。
【0075】
反射ミラー49aは、長手方向の両端部(Y1-Y2方向の両端部)がミラー保持部62により保持されている(
図8参照)。具体的には、反射ミラー49aは、一対のミラー保持部62により長手方向(Y1―Y2方向)に挟持されるとともに、下面が突起部62bで支持されている。また、反射ミラー49aの長手方向の一端部(Y2側)が、押圧バネ80により押圧されている。押圧バネ80は、第2バネ支持部63に支持されており、反射ミラー49aが、収容部481に安定して保持される。
【0076】
具体的には、押圧バネ(押圧保持部材)80は、金属板を折り曲げて形成されており、バネ本体部(本体部)81と、一対の第3押圧部(押圧部)83と、一対の屈曲支持部84と、を有する。
【0077】
バネ本体部81は、筐体48の第2バネ支持部63に支持される。一対の屈曲支持部84は、バネ本体部81の下端部に第6屈曲部80fを介して連設され、下方に延びる。屈曲支持部84は、バネ本体部81と略平行である。第6屈曲部80fは、第3押圧部83が延びる方向と同じ側に屈曲する。屈曲支持部84は、第2バネ支持部63の下端部から長手方向の他方側(Y1側)に突出する段差部63b上に配置される。
【0078】
一対の第3押圧部83は、バネ本体部81の上端部に第5屈曲部80eを介して連設される。一対の第3押圧部83は、バネ本体部81から離れるに従って下方に傾きながら延びる。第3押圧部83は、第5屈曲部80eを曲げ支点としてバネ本体部81に対して弾性変形可能に連結される。第3押圧部83の先端部には、半球状の第3押圧接点83aが形成されている。
【0079】
押圧バネ80には、バネ本体部81の上端部と第3押圧部83とに跨って延びるスリット85が形成されている。
【0080】
押圧バネ80は、長手方向(Y1―Y2方向)において、反射ミラー49aと第2バネ支持部63との間に挿入されている。押圧バネ80は、バネ本体部81の上端において、一対の第3押圧部83の間に支持突出部63aが当接する。これにより、押圧バネ80は、第2バネ支持部63に容易に位置決めされる。一対の第3押圧部83は、第3押圧接点83aにおいて反射ミラー49aの長手方向の一端側(Y2側)において2つの上面にそれぞれ接触している。
【0081】
これにより、押圧バネ80の第3押圧部83の付勢力によって反射ミラー49aが突起部62bに押圧されている。すなわち、第3押圧部(押圧部)83は、ミラー保持部(保持部)62に保持された反射ミラー(光学素子)49aをミラー保持部(保持部)63に向かって押圧する。
【0082】
この構成によれば、1つの押圧バネ80を用いて反射ミラー49aをミラー保持部62に保持することができる。従って、押圧バネ80の個数を増加することなく反射ミラー49aを安定して保持することができる。
【0083】
また、収容部481を前後方向(Y1―Y2方向)から金型で挟んで樹脂成形する際に、貫通孔484を金型の抜き穴として利用することができる。これにより、支持突出部63aを容易に成形できる。また、貫通孔484は、周面部482bにより覆われている。これにより、蓋部482を用いることにより貫通孔484を覆う部材を新たに設けなくてよい。従って、製造コストの増加を抑えながら安定して反射ミラー(光学素子)49aを保持可能な光走査装置5及びそれを備えた画像形成装置100を提供することができる。
【0084】
支持突出部63aの先端は、左右方向(X1-X2方向)の断面において、貫通孔484の内側に位置する。これにより、貫通孔484を金型の抜き穴として利用して支持突出部63aをより容易に成形できる。
【0085】
なお、支持突出部63aの先端部は、貫通孔484に近づく方向に屈曲してもよい。これにより、支持突出部63aの先端部をバネ本体部81の上端に係止することができる。すなわち、支持突出部61aは、バネ本体部(本体部)81の周縁に形成される。従って、押圧バネ80が、第1バネ支持部(支持部)63に安定して支持される。なお、支持突出部63aの先端部を屈曲させた場合でも、貫通孔484を金型の抜き穴として利用して支持突出部63aをより容易に成形できる。
【0086】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図10は、反射ミラー49bの取付構成の変形例を示す部分断面図であり、バネ挟持部(挟持部)64を設けてもよい。このとき、収容部481は、バネ挟持部64をさらに有する。バネ挟持部64は、底壁部481aの上面から上方(Z1方向)に突出する。
【0087】
バネ挟持部64は、第1バネ支持部61と左右方向(X1-X2方向)に対向して配置される。バネ本体部51は、バネ挟持部64と第1バネ支持部61との間に挟持される。本実施形態では、バネ挟持部64は、第1押圧部52を挟んで一対配置される。すなわち、筐体48は、第1バネ支持部(支持部)61に対向して形成されるバネ挟持部(挟持部)64をさらに有し、バネ本体部(本体部)51は、第1バネ支持部(支持部)61とバネ挟持部(挟持部)64との間に挟持される。これにより、押圧バネ50が、第1バネ支持部61により安定して支持され、押圧バネ50が回転して外れることを防止できる。
【0088】
また、上記各実施形態では、押圧バネ50、80によって反射ミラー49a、49bを押圧保持する構成について説明したが、押圧バネ50、80が押圧保持する光学素子は反射ミラー49a、49bに限らず、第1走査レンズ41、第2走査レンズ42又は反射ミラー49cであってもよい。
【0089】
また、光走査装置5が搭載される画像形成装置100としてタンデム式のカラープリンターを例に挙げて説明したが、本発明はカラープリンターに限らず、カラー複写機、ファクシミリ等の電子写真方式のカラー画像形成装置、或いはモノクロプリンター、モノクロ複合機等の電子写真方式のモノクロ画像形成装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、露光走査により被走査面上に潜像を形成する光走査装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1a~1d 感光体ドラム(像担持体)
2a~2d 帯電器
3a~3d 現像装置
4a~4d コンテナ
5 光走査装置
6a~6d 一次転写ローラー
7b~7d クリーニング装置
8 中間転写ベルト
9 二次転写ローラー
10 駆動ローラー
11 従動ローラー
12a ピックアップローラー
12b レジストローラー対
13 定着部
16 給紙カセット
17、18、19、20 用紙搬送路
41 第1走査レンズ
42 第2走査レンズ
44 ポリゴンモーター
45 ポリゴンミラー
46 光源部
48 筐体
49a、49b、49c 反射ミラー(光学素子)
50、80 押圧バネ(押圧保持部材)
50a 第1屈曲部
50b 第2屈曲部
50c 第3屈曲部
50d 第3屈曲部
50d 第4屈曲部
50e スリット
51 バネ本体部(本体部)
51a 爪部
52 第1押圧部(押圧部)
52a 第1押圧接点
53 第2押圧部(押圧部)
53a 第2押圧接点
60 ミラー保持部(保持部)
60a 第1保持面
60b 第2保持面
61 第1バネ支持部(支持部)
61a、63a 支持突出部
62 ミラー保持部(保持部)
62a 突出部
62a 突出保持部
62b 突起部
63 第2バネ支持部(支持部)
63b 段差部
64 バネ挟持部
70a~70d 防塵ガラス
80e 第5屈曲部
80f 第6屈曲部
81 バネ本体部(本体部)
83 第3押圧部(押圧部)
83a 第3押圧接点
84 屈曲支持部
85 スリット
100 画像形成装置
120 走査光学系
481 収容部
481a 底壁部
481b 周壁部
482 蓋部
482a 天面部
482b 周面部
483a~483d 出射口(貫通孔)
484 貫通孔
601 凹部
601a 第1保持面
601b 第2保持面
601c 接着材
D1~D4 レーザー光
J 回転軸
S 用紙