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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175838
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】信号出力回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/003 20060101AFI20241212BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H03K19/003 230
H03K19/0175 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093878
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】貞方 健太郎
【テーマコード(参考)】
5J032
5J056
【Fターム(参考)】
5J032AA03
5J032AA05
5J032AA12
5J032AB11
5J032AC18
5J056AA04
5J056BB44
5J056BB47
5J056CC12
5J056CC20
5J056DD02
5J056DD12
5J056DD33
5J056DD34
5J056DD35
5J056DD37
5J056DD38
5J056DD51
5J056DD56
5J056EE11
5J056FF07
5J056FF08
5J056GG06
5J056KK03
(57)【要約】
【課題】信号出力回路におけるサージ耐性を向上させる。
【解決手段】信号出力回路は、出力端子(OUT)及び基準端子(GND)間で直列接続された複数の出力トランジスタを有する出力段(110)と、各出力トランジスタのゲートが共通接続されるゲート配線(Wa)と、ゲート配線に対してゲート信号を供給することで出力段を介した出力端子及び基準端子間の電路を導通又は遮断させる駆動回路(4)と、ゲート配線と基準端子との間に挿入された挿入トランジスタ(121)と、出力端子及び基準端子と挿入トランジスタの制御電極とに接続され、基準端子から見て出力端子に特定極性のサージ電圧が加わるときに特定極性のサージ電圧に基づき挿入トランジスタの制御電極を駆動することを通じて挿入トランジスタをオンさせ、これによって各出力トランジスタをオフさせるサージ応答回路(122及び123)と、を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子と基準端子との間において、互いに直列接続された複数の出力トランジスタを有する出力段と、
各出力トランジスタのゲートが共通接続されるゲート配線と、
前記ゲート配線に対してゲート信号を供給することで、前記出力段を介した前記出力端子及び前記基準端子間の電路を導通又は遮断させるよう構成された駆動回路と、
前記ゲート配線と前記基準端子との間に挿入された挿入トランジスタと、
前記出力端子及び前記基準端子と前記挿入トランジスタの制御電極とに接続され、前記基準端子から見て前記出力端子に特定極性のサージ電圧が加わるときに前記特定極性のサージ電圧に基づき前記挿入トランジスタの制御電極を駆動することを通じて前記挿入トランジスタをオンさせ、これによって各出力トランジスタをオフさせるよう構成されたサージ応答回路と、を有する
、信号出力回路。
【請求項2】
前記サージ応答回路は、前記出力端子と所定ノードとの間に接続されたコンデンサと、前記所定ノードと前記基準端子との間に接続された抵抗と、を有し、前記出力端子及び前記基準端子間に前記特定極性のサージ電圧が加わるときに前記所定ノードに生じるサージ応答信号に基づき前記挿入トランジスタをオンさせる
、請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項3】
前記サージ応答回路は、前記出力端子と所定ノードとの間に接続されたツェナダイオードと、前記所定ノードと前記基準端子との間に接続された抵抗と、を有し、前記出力端子及び前記基準端子間に前記特定極性のサージ電圧が加わるときに前記ツェナダイオードの降伏現象を伴って前記所定ノードに生じるサージ応答信号に基づき前記挿入トランジスタをオンさせる
、請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項4】
前記出力段に並列接続されたクランプ回路を備え、
前記クランプ回路は、前記出力端子及び前記基準端子間に前記特定極性のサージ電圧が加わるとき、当該サージ電圧に基づく電流を自身を通じて通過させることで前記出力端子及び前記基準端子間の発生電圧を前記出力段の耐圧未満に制限する
、請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項5】
各出力トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は正のサージ電圧である
、請求項1~4の何れかに記載の信号出力回路。
【請求項6】
各出力トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は正のサージ電圧であり、
前記挿入トランジスタはNPN型のバイポーラトランジスタにより構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はベースであり、前記挿入トランジスタのコレクタ及びエミッタは夫々前記ゲート配線及び前記基準端子に接続され、
前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記正のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノードを通じて前記挿入トランジスタのベースに電流を供給することにより前記挿入トランジスタをオンさせる
、請求項2又は3に記載の信号出力回路。
【請求項7】
各出力トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は正のサージ電圧であり、
前記挿入トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はゲートであり、前記挿入トランジスタのドレイン及びソースは夫々前記ゲート配線及び前記基準端子に接続され、
前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記正のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノードの電圧を前記挿入トランジスタのゲートに供給することで前記挿入トランジスタをオンさせる
、請求項2又は3に記載の信号出力回路。
【請求項8】
各出力トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は負のサージ電圧である
、請求項1~4の何れかに記載の信号出力回路。
【請求項9】
各出力トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は負のサージ電圧であり、
前記挿入トランジスタはPNP型のバイポーラトランジスタにより構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はベースであり、前記挿入トランジスタのコレクタ及びエミッタは夫々前記ゲート配線及び前記基準端子に接続され、
前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記負のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノードを通じて前記挿入トランジスタのベースに電流を供給することで前記挿入トランジスタをオンさせる
、請求項2又は3に記載の信号出力回路。
【請求項10】
各出力トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は負のサージ電圧であり、
前記挿入トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタにより構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はゲートであり、前記挿入トランジスタのドレイン及びソースは夫々前記ゲート配線及び前記基準端子に接続され、
前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記負のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノードの電圧を前記挿入トランジスタのゲートに供給することで前記挿入トランジスタをオンさせる
、請求項2又は3に記載の信号出力回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保護回路及び電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子部品に対し、内部回路を静電気等によるサージ電圧から保護するための回路が適用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-158154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
信号出力を行うための出力端子に対しても保護が必要であるが、出力端子のサージ耐性を高めるための技術に関して改良の余地がある。
【0005】
本開示は、サージ耐性の向上に寄与する信号出力回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る信号出力回路は、出力端子と基準端子との間において、互いに直列接続された複数の出力トランジスタを有する出力段と、各出力トランジスタのゲートが共通接続されるゲート配線と、前記ゲート配線に対してゲート信号を供給することで、前記出力段を介した前記出力端子及び前記基準端子間の電路を導通又は遮断させるよう構成された駆動回路と、前記ゲート配線と前記基準端子との間に挿入された挿入トランジスタと、前記出力端子及び前記基準端子と前記挿入トランジスタの制御電極とに接続され、前記基準端子から見て前記出力端子に特定極性のサージ電圧が加わるときに前記特定極性のサージ電圧に基づき前記挿入トランジスタの制御電極を駆動することを通じて前記挿入トランジスタをオンさせ、これによって各出力トランジスタをオフさせるよう構成されたサージ応答回路と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、サージ耐性の向上に寄与する信号出力回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施形態に係る電子部品の概略構成図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係り、装置組み込み状態における電子部品と周辺回路の構成図である。
図4図4は、第1参考例に係る出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図5図5は、第2参考例に係る出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図6図6は、第2参考例に係り、サージ発生時の挙動を説明するための図である。
図7図7は、第2参考例に係り、出力トランジスタの特性図である。
図8図8は、第2参考例に係り、静電保護素子の特性図である。
図9図9は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図10図10は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、サージ発生時の挙動を説明するための図である。
図11図11は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A1に係り、出力トランジスタの特性図である。
図12図12は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A2に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図13図13は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A3に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図14図14は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A4に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図15図15は、本開示の実施形態に属する実施例EX_A5に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図16図16は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B1に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図17図17は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B1に係り、サージ発生時の挙動を説明するための図である。
図18図18は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B2に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図19図19は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B3に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図20図20は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B4に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図21図21は、本開示の実施形態に属する実施例EX_B5に係り、出力ブロック及び周辺回路の回路図である。
図22図22は、本開示の実施形態に属する実施例EX_C1に係り、信号出力回路のブロック図である。
図23図23は、本開示の実施形態に属する実施例EX_C1に係り、信号出力回路の構成例を示す図である。
図24図24は、本開示の実施形態に属する実施例EX_C1に係り、信号出力回路の他の構成例を示す図である。
図25図25は、本開示の実施形態に属する実施例EX_C1に係り、信号出力回路の更に他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“OUT”によって参照される出力端子は(図1参照)、出力端子OUTと表記されることもあるし、端子OUTと略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
【0010】
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。レベルとは電位のレベルを指し、任意の注目した信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。
【0011】
MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通している状態を指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通となっている状態(遮断状態)を指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解される。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。また、特に記述なき限り、任意のMOSFETにおいて、バックゲートはソースに短絡されていると考えて良い。以下、任意のトランジスタについて、オン状態、オフ状態を、単に、オン、オフと表現することもある。
【0012】
任意の回路素子、配線、ノードなど、回路を形成する複数の部位間についての接続とは、特に記述なき限り、電気的な接続を指すと解して良い。
【0013】
対比されるべき任意の2つの電圧が電圧v1及びv2であるとした場合、“v1>v2”は電圧v1が電圧v2よりも高いことを表し、“v1<v2”は電圧v1が電圧v2よりも低いことを表す。電圧以外の物理量を含む他の式についても同様である。
【0014】
図1に本開示の実施形態に係る電子部品1の概略構成を示す。電子部品1は機能回路2及び信号出力回路3を備える。信号出力回路3は駆動回路4及び出力ブロック5を備える。また電子部品1には電源端子VDD、出力端子OUT及びグランド端子GNDが設けられる。電子部品1に設けられる内部配線として図1に電源配線WVDD、出力配線WOUT及びグランド配線WGNDが示される。電源配線WVDDは電源端子VDDに接続される。出力端子OUTは出力配線WOUTに接続される。グランド端子GNDはグランド配線WGNDに接続される。出力端子OUTとの関係において電源端子VDD及びグランド端子GNDを基準端子と称することもできる。
【0015】
機能回路2及び駆動回路4は夫々に電源配線WVDD及びグランド配線WGNDに接続される。出力ブロック5は少なくとも出力配線WOUTに接続される。更に、出力ブロック5は、電源配線WVDD及びグランド配線WGNDの内、少なくとも一方に接続される(図1においては接続の様子は図示されず)。
【0016】
図2は電子部品1の外観斜視図である。電子部品1は、半導体集積回路を樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された部品(半導体装置)であり、電子部品1を構成する各回路が半導体にて集積化されている。半導体集積回路は半導体基板上に形成され、機能回路2及び信号出力回路3を半導体集積回路に含めることができる。電子部品1の筐体には、電子部品1の外部に対し筐体から露出した外部端子が複数設けられる。電源端子VDD、出力端子OUT及びグランド端子GNDは電子部品1に設けられる複数の外部端子の一部である。これら以外の外部端子も電子部品1に設けられる。尚、図2に示される外部端子の数及び筐体の種類は例に過ぎず、それらは任意である。
【0017】
電子部品1を用いて様々な装置を構成することができる。電子部品1が装置に組み込また状態(以下、装置組み込み状態と称する)において、図3に示す如く、電子部品1は電子部品1の外部に設けられた直流電圧源VSより電源電圧VPWRを受ける。具体的には、装置組み込み状態において、直流電圧源VSの負側出力端及びグランド端子GNDは0Vの電位を有するグランドに接続される一方で直流電圧源VSの正側出力端は電源端子VDDに接続される。直流電圧源VSは、自身の負側出力端の電位を基準に自身の正側出力端から正の電源電圧VPWRを出力する。故に、装置組み込み状態において、グランド端子GNDから見て電源端子VDDに正の電源電圧VPWRが加わる。
【0018】
装置組み込み状態において機能回路2及び信号出力回路3は電源電圧VPWRに基づき動作する。装置組み込み状態において機能回路2は所定の機能動作を実行する。例えば、電子部品1はスイッチングレギュレータの構成要素であって、当該スイッチングレギュレータの動作を制御する電源制御装置(いわゆる電源IC)であって良い。スイッチングレギュレータは入力電圧を降圧又は昇圧することで出力電圧を生成する。この場合、機能回路2は機能動作において入力電圧をスイッチングさせるスイッチング素子のスイッチング制御を行う。或いは例えば、電子部品1はモータ駆動システムの構成要素であって、三相モータの駆動を制御するモータドライバであっても良い。この場合、機能回路2は機能動作において三相モータの各相のコイルに必要な駆動電圧(例えばパルス幅変調を利用して得られる正弦波状の駆動電圧)を供給する。この他、電子部品1は任意の機能動作を実現する部品(例えばリセットIC、LEDドライバ)であって良い。
【0019】
装置組み込み状態において、出力端子OUTは電子部品1の外部に設けられた外部回路EXに接続される。機能動作は信号出力回路3を用いて実現される信号出力動作を含む。信号出力動作において、機能回路2の制御の下、出力ブロック5は出力信号SOUTを出力端子OUTを通じて外部回路EXに出力する。出力信号SOUTはローレベル又はハイレベルの信号電位を有する。具体的には、装置組み込み状態において、機能回路2は“0”又は“1”の値を有する制御信号CNTを駆動回路4に供給し、駆動回路4は制御信号CNTに応じて出力ブロック5を制御する。装置組み込み状態において、駆動回路4は、“0”の値を有する制御信号CNTを受けると出力ブロック5にローレベルの出力信号SOUTを出力させる一方、“1”の値を有する制御信号CNTを受けると出力ブロック5にハイレベルの出力信号SOUTを出力させる。尚、制御信号CNTの値と出力信号SOUTのレベルとの関係を、上述したものの逆とすることもできる。
【0020】
電子部品1が装置に組み込まれない状態を部品単体状態と称する。部品単体状態において、出力端子OUT及びグランド端子GND間に対し、出力端子OUT及び電源端子VDD間に対し、又は、電源端子VDD及びグランド端子GND間に対し、サージ電圧が加わることがある。サージ電圧は静電気等に由来して微小時間だけ発生する電圧であり、サージ電圧の大きさは電源電圧VPWRと比べて相当に大きい。電源端子VDD及びグランド端子GND間に対して加わるサージ電圧から機能回路2及び駆動回路4を保護するサージ保護回路(不図示)が電子品部1に設けられる。当該サージ保護回路の構成として公知の構成を含む任意の構成を採用可能である。
【0021】
本実施形態では、以下、出力端子OUT及びグランド端子GND間に対して加わるサージ電圧、又は、出力端子OUT及び電源端子VDD間に対して加わるサージ電圧から、出力ブロック5を保護する構成に注目する。また以下では、特に記述なき限り、電子部品1の状態は部品単体状態であるものとする。
【0022】
図4に第1参考例に係る出力ブロック900A及び周辺回路を示す。出力ブロック900Aによりオープンドレイン構成の信号出力回路が実現される。出力ブロック900Aは、単一の出力トランジスタ910と静電保護素子930とを備える。出力トランジスタ910はNチャネル型のMOSFETである。出力トランジスタ910のドレイン及びソースは夫々出力端子OUT及びグランド端子GNDに接続される。第1参考例において、駆動回路4は出力トランジスタ910のゲートに接続される。静電保護素子930は、端子OUT及びGNDに接続され、出力端子OUT及びグランド端子GND間に加わるサージ電圧から出力段(図4の第1参考例において出力トランジスタ910)を保護する。
【0023】
第1参考例では、端子OUT及びGND間の耐圧が単一のMOSFETの耐圧以下に制限される。端子OUT及びGND間の耐圧の増大が要求されることも多い。この要求に応えるために、複数のMOSFETの直列回路にて出力段を構成する方法が検討される。
【0024】
図5に第2参考例に係る出力ブロック900B及び周辺回路を示す。出力ブロック900Bによってもオープンドレイン構成の信号出力回路が実現される。出力ブロック900Bは、出力端子OUT及びグランド端子GND間において互いに直列接続された出力トランジスタ911H及び911Lと静電保護素子930とを備える。出力トランジスタ911H及び911Lは互いに同じ構造及び特性を有するNチャネル型のMOSFETである。第2参考例では、複数のMOSFETの直列回路にて出力段が構成される。具体的には、出力トランジスタ911Hのドレインは出力端子OUTに接続され、出力トランジスタ911Hのソース及び出力トランジスタ911Lのドレインは互いに接続され、出力トランジスタ911Lのソースはグランド端子GNDに接続される。第2参考例において、出力トランジスタ911H及び911Lの各ゲートは互いに接続され、駆動回路4は出力トランジスタ911H及び911Lの各ゲートに接続される。静電保護素子930は、端子OUT及びGNDに接続され、端子OUT及びGND間に加わるサージ電圧から出力段(図5の第2参考例において出力トランジスタ911H及び911L)を保護する。
【0025】
第2参考例では、第1参考例によりも端子OUT及びGND間の耐圧が増大する。但し、第2参考例における端子OUT及びGND間の耐圧は、第1参考例のそれの2倍とはならない。これを図6及び図7を用いて説明する。今、第2参考例において、図6に示す如く、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧が加わるケースを想定する。このとき、出力配線WOUTと出力トランジスタ911Hのゲートとの間に存在する寄生容量を通じ出力トランジスタ911H及び911Lの各ゲート電圧Vgが上昇することで、出力トランジスタ911H及び911Lの各チャネルが導通状態となる。上記ケースにて発生する出力トランジスタ911H、911Lのドレイン電流を、夫々、記号“Id_H”、記号“Id_L”で表す。上記ケースにて発生する出力トランジスタ911Hのドレイン-ソース間電圧を記号“Vds_H”で表し且つ出力トランジスタ911Lのドレイン-ソース間電圧を記号“Vds_L”で表す。サージ電圧により、出力トランジスタ911H及び911Lを経由する電路と、静電保護素子930を経由する電路と、にサージ電流が流れる。前者の電路に流れるサージ電流をサージ電流Isgと称する。従って“Isg=Id_H=Id_L”である。
【0026】
図7は、任意の出力トランジスタ(ここでは出力トランジスタ911H又は911L)におけるドレイン-ソース間電圧Vdsとドレイン電流Idとの関係を表す。波形951は、出力トランジスタのゲート-ソース間電圧Vgsが0Vであるときの当該関係を示し、波形952は、出力トランジスタのゲート-ソース間電圧Vgsが1Vであるときの当該関係を示し、波形953は、出力トランジスタのゲート-ソース間電圧Vgsが2Vであるときの当該関係を示す。
【0027】
説明の具体化のため、上記正のサージ電圧の発生によりゲート電圧Vgが2Vにまで上昇した場合を考える。そうすると、出力トランジスタ911Lのゲート-ソース間電圧Vgs_Lは2Vとなるため、出力トランジスタ911Lは波形953に従う。この際、ドレイン-ソース間電圧Vds_Lが1Vであるとする。そうすると、出力トランジスタ911Hのゲート-ソース間電圧Vgs_Hは1V(=Vg-Vds_L)となるため、出力トランジスタ911Lは波形952に従う。
【0028】
このように、上記ケースにおいて“Vgs_L>Vgs_H”となる。図7において、プロット955L、955Hは、夫々、ゲート電圧Vgが2Vにまで上昇したときの出力トランジスタ911L、911Hの動作点を表す。サージ電圧に基づくドレイン電流Id_H及びId_Lは等しいため、必然的に“Vds_L<Vds_H”となる。動作点955Hにおける電圧Vds_Hが出力トランジスタ911Hの耐圧に等しいとき、出力トランジスタ911H及び911Lの合成耐圧は、動作点955Hにおける電圧Vds_Hと動作点955Lにおける電圧Vds_Lとの和である。つまり、出力トランジスタ911H及び911Lの合成耐圧は、1つの出力トランジスタの耐圧の2倍とならない(2倍よりも随分と小さくなる)。
【0029】
図8において特性960は静電保護素子930のIV特性を示す。図8において、破線962は単一の出力トランジスタの耐圧を示し、破線964は単一の出力トランジスタの耐圧の2倍を示す。第2参考例では、2つの出力トランジスタが直列接続されるが破線964による耐圧は得られず、実際の耐圧は破線963のようになる。破線963の特性では、静電保護素子930がブレークダウンする前に端子OUT及びGND間の電圧が出力段(911H及び911L)の耐圧を超えることがあり、出力段の適正な保護が得られない。
【0030】
本開示の実施形態は、以下の実施例EX_A1~EX_A5、EX_B1~EX_B5及びEX_C1を含む。出力段の適正な保護を実現する構成及び動作を、これらの実施例の中で説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される(但し第1及び第2参考例に関する事項を除く)。各実施例において、上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0031】
[実施例EX_A1]
実施例EX_A1を説明する。図9に、実施例EX_A1に係る出力ブロック100_A1と、その周辺回路を示す。実施例EX_A1では出力ブロック100_A1が図1の出力ブロック5として用いられる。
【0032】
出力ブロック100_A1は、出力トランジスタ111及び112から成る出力段110と、挿入トランジスタ121、コンデンサ122、抵抗123及び電流制限抵抗124から成るゲートオフ回路120と、クランプ回路130と、を備える。出力トランジスタ111及び112はNチャネル型のMOSFETにより構成される。出力トランジスタ111及び112の構造及び特性は互いに同じであって良い。挿入トランジスタ121はNPN型のバイポーラトランジスタにより構成される。
【0033】
出力トランジスタ111及び112は端子OUT及びGND間において互いに直列接続される。具体的には、出力トランジスタ111のドレインは出力配線WOUTに接続される(従って出力端子OUTに接続される)。出力トランジスタ111のソースは出力トランジスタ112のドレインに接続される。出力トランジスタ112のソースはグランド配線WGNDに接続される(従ってグランド端子GNDに接続される)。出力トランジスタ111及び112の各ゲートはゲート配線Waに共通接続される。
【0034】
駆動回路4はゲート配線Waに接続される。装置組み込み状態において、駆動回路4は、ゲート配線Waに対してハイレベル又はローレベルのゲート信号を供給する。ハイレベルのゲート信号がゲート配線Waに供給されるとき、出力トランジスタ111及び112は共にオン状態となり、出力段110を介した端子OUT及びGND間の電路が導通する。ローレベルのゲート信号がゲート配線Waに供給されるとき、出力トランジスタ111及び112は共にオフ状態となり上記電路が遮断される。出力ブロック100_A1によりオープンドレイン構成の信号出力回路3が形成される。故に装置組み込み状態では、例えば、電子部品1の外部において、出力端子OUTに接続される配線と電源電圧VPWR又は他の正の電源電圧が加わる配線との間にプルアップ抵抗を挿入しておけば良い。
【0035】
挿入トランジスタ121はゲート配線Wa及びグランド配線WGND間に挿入される。具体的には、挿入トランジスタ121のコレクタはゲート配線Waに接続され、挿入トランジスタ121のエミッタはグランド配線WGNDに接続される(従ってグランド端子GNDに接続される)。
【0036】
コンデンサ122の第1端は出力配線WOUTに接続される。コンデンサ122の第2端は所定のノード125に接続される。抵抗123の第1端はノード125に接続される。抵抗123の第2端はグランド配線WGNDに接続される。電流制限抵抗124はノード125と挿入トランジスタ121のベースとの間に直列に挿入される。より具体的には、電流制限抵抗124の第1端はノード125に接続され、電流制限抵抗124の第2端は挿入トランジスタ121のベースに接続される。
【0037】
クランプ回路130は出力段110に並列接続される。クランプ回路130は出力配線WOUT及びグランド配線WGNDに接続される。クランプ回路130は1以上の保護ダイオード131(静電保護素子)にて構成される。クランプ回路130が単一の保護ダイオード131にて構成される場合、保護ダイオード131のアノードはグランド配線WGNDに接続される一方で保護ダイオード131のカソードは出力配線WOUTに接続される。クランプ回路130が複数の保護ダイオード131の直列回路にて構成される場合、各保護ダイオード131の順方向はグランド配線WGNDから出力配線WOUTに向かう方向と一致する。例えばクランプ回路130が第1及び第2保護ダイオード131にて構成される場合、第1保護ダイオード131のカソードは出力配線WOUTに接続され、第1保護ダイオード131のアノードは第2保護ダイオード131のカソードに接続され、且つ、第2保護ダイオード131のアノードはグランド配線WGNDに接続される。以下では、特に記述なき限り、クランプ回路130が単一の保護ダイオード131にて構成されることを想定する。
【0038】
図10を参照し、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わる正サージケースCS1を想定し、正サージケースCS1における出力ブロック100_A1の挙動を説明する。正のサージ電圧VSGPは特定極性のサージ電圧の例である。尚、図10には各出力トランジスタに付加される寄生容量も図示される。出力トランジスタ111のドレイン-ソース間電圧を記号“VDSH”で表し、出力トランジスタ112のドレイン-ソース間電圧を記号“VDSL”で表す。正サージケースCS1において、出力端子OUTから出力段110を通じグランド端子GNDへ向けて流れる電流をサージ電流ISG1と称し、出力端子OUTからクランプ回路130を通じグランド端子GNDへ向けて流れる電流をサージ電流ISG2と称する。
【0039】
サージ電圧VSGPは静電気等に由来して微小時間だけ発生する電圧であり、正サージケースCS1において出力端子OUTの電位はグランド端子GNDの電位から見て急峻に上昇する。このため、正サージケースCS1において、ノード125にサージ電圧VSGPに基づくサージ応答信号RP1が発生する。サージ応答信号RP1の波形はサージ電圧VSGPの波形と概略的に相似関係にあり、サージ電圧VSGPの上昇、低下に連動して、サージ応答信号RP1の電位も上昇、低下する。サージ応答信号RP1により挿入トランジスタ121にベース電流が発生し、挿入トランジスタ121がオンとなる。挿入トランジスタ121がオンであるとき、ゲート配線Waの電位がグランド配線WGNDの電位程度まで低くなるので、出力トランジスタ111及び112は共にオフとなる。
【0040】
尚、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わった直後においては、出力段110に付加される寄生容量の影響によりゲート配線Waの電位がグランド配線WGNDの電位と比べて一時的に高まり、結果、挿入トランジスタ121がオンとなる前に微小時間だけ出力トランジスタ111及び112がオンとなることもある。但し、その微小時間は十分に短い(例えば数ナノ秒である)ため、出力トランジスタ111及び112にダメージ等は生じない。
【0041】
図11は、任意の出力トランジスタ(ここでは出力トランジスタ111又は112)におけるドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流Iとの関係を表す。波形651は、出力トランジスタのゲート-ソース間電圧VGSが0Vであるときの当該関係を示し、波形652は、出力トランジスタのゲート-ソース間電圧VGSが1Vであるときの当該関係を示し、波形653は、出力トランジスタのゲート-ソース間電圧VGSが2Vであるときの当該関係を示す。波形651~653は図7の波形951~953と同等のものである。
【0042】
本実施例に係る正サージケースCS1においては、挿入トランジスタ121のオンにより出力トランジスタ111及び112の各ゲート-ソース間電圧VGSが約0Vに保たれる。このため、出力段110を通じて流れるサージ電流ISG1は、出力トランジスタ111及び112の寄生容量を通じて流れる電流だけであり十分に小さい。また、サージ電流ISG1は出力トランジスタ111及び112に等しく流れるため、ドレイン-ソース間電圧VDSHとドレイン-ソース間電圧VDSLは実質的に等しくなる。図11において、プロット655は、端子OUT及びGND間にサージ電圧VSGPが加わるときの各出力トランジスタ111及び112の動作点を表す。
【0043】
正サージケースCS1において、サージの大きさ及びクランプ回路130の特性に応じた電圧が端子OUT及びGND間に発生し、クランプ回路130を通じてサージ電流ISG2が流れる。
【0044】
保護ダイオード131は短時間のサージ電圧VSGPの印加に対して耐えることができるよう設計された部品である。保護ダイオード131の電気的特性において逆方向降伏電圧が定義される。逆方向降伏電圧はツェナ電圧とも称される。保護ダイオード131に加わる電圧の内、保護ダイオード131のアノード電位よりも保護ダイオード131のカソード電位を高める電圧は逆方向電圧と称される。保護ダイオード131のカソードからアノードに向けて流れる電流は逆方向電流と称される。保護ダイオード131において逆方向電圧が逆方向降伏電圧に達すると逆方向電流が相当に大きくなり、逆方向電圧が逆方向降伏電圧以上となる領域では、逆方向電圧の増大につれて逆方向電流が急峻に増大する。サージ電圧VSGPをもたらす静電気の電荷量等にも依るが、典型的にはサージ電流ISG2の方がサージ電流ISG1よりも相当に大きい。
【0045】
保護ダイオード131の逆方向降伏電圧が出力段110の耐圧より小さくなるよう、出力段110及びクランプ回路130が設計される。サージ電圧VSGPが端子OUT及びGND間に加わるとき、クランプ回路130は、サージ電圧VSGPに基づくサージ電流ISG2を自身を通じて通過させることで端子OUT及びGND間の発生電圧の大きさを出力段110の耐圧未満に制限する。出力段110の耐圧は出力トランジスタ111の耐圧と出力トランジスタ112の耐圧との和である。出力トランジスタ111の耐圧は、出力トランジスタ111のゲート-ソース間電圧が0Vであるときにおける、出力トランジスタ111のドレイン及びソース間の耐圧を指すと解して良い。他の出力トランジスタ(ここでは出力トランジスタ112)についても同様である。
【0046】
正サージケースCS1において、電圧VDSHは出力トランジスタ111の耐圧より小さいものの、出力トランジスタ111の耐圧近くまで上昇しうる。但し、出力トランジスタ111に流れるサージ電流ISG1は微小であるため、出力トランジスタ111は十分に耐えることができる。出力トランジスタ112についても同様である。尚、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧が加わるケースにおいては、当該負のサージ電圧に基づくサージ電流が保護ダイオード131を通じ保護ダイオード131の順方向に流れるため、端子OUT及びGND間の発生電圧は十分に小さい。
【0047】
このように、ゲートオフ回路120は、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わるときに、ゲート配線Waの電位をグランド配線WGNDの電位にまで又はグランド配線WGNDの電位近くまで低下させることで出力トランジスタ111及び112をオフさせる(後述のゲートオフ回路120a~120cについても同様;図12図14参照)。ゲートオフ回路120では、コンデンサ122及び抵抗123によりサージ応答回路が形成される。サージ応答回路(122、123)は、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わるとき、サージ電圧VSGPに基づき挿入トランジスタ121の制御電極(ベース)を駆動することで挿入トランジスタ121をオンさせ、これによって各出力トランジスタ111及び112をオフさせる。電流制限抵抗124は、サージ応答信号RP1に基づく挿入トランジスタ121へのベース電流が過大とならないよう当該ベース電流に制限を加える。
【0048】
本実施例によれば、出力段において出力トランジスタをスタックした分だけ出力段の耐圧を高めることができる。即ち、出力ブロック100_A1によれば、出力段110の耐圧を1つの出力トランジスタの耐圧の2倍にまで高めることができる。
【0049】
[実施例EX_A2]
実施例EX_A2を説明する。図12に、実施例EX_A2に係る出力ブロック100_A2と、その周辺回路を示す。実施例EX_A2では出力ブロック100_A2が図1の出力ブロック5として用いられる。
【0050】
出力ブロック100_A2は、図9の出力ブロック100_A1に対して第1置換を施すことで得られる。第1置換は図9のコンデンサ122をツェナダイオード126に置換することに相当する。第1置換を除き、出力ブロック100_A1及び100_A2は互いに同じ構成を持つ。出力ブロック100_A2において、ツェナダイオード126のアノードはノード125に接続され、ツェナダイオード126のカソードは出力配線WOUTに接続される(従って出力端子OUTに接続される)。出力ブロック100_A2におけるゲートオフ回路は、挿入トランジスタ121、ツェナダイオード126、抵抗123及び電流制限抵抗124から成るゲートオフ回路120aである。
【0051】
出力ブロック100_A2では、上述の正サージケースCS1においてサージ電圧VSGPの大きさがツェナダイオード126のツェナ電圧を上回ることで、サージ電圧VSGPに基づくサージ応答信号RP1がノード125に発生する(図10参照)。このため、実施例EX_A1と同様、サージ応答信号RP1に基づき挿入トランジスタ121がオンとなることを通じて出力トランジスタ111及び112がオフとされる。
【0052】
ゲートオフ回路120aでは、ツェナダイオード126及び抵抗123によりサージ応答回路が形成される。サージ応答回路(126、123)は、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わるとき(図10参照)、ツェナダイオード126の降伏現象(ツェナ現象又はアバランシェ現象)を伴ってノード125に生じるサージ応答信号RP1に基づき挿入トランジスタ121をオンさせ、これによって各出力トランジスタ111及び112をオフさせる。
【0053】
[実施例EX_A3]
実施例EX_A3を説明する。図13に、実施例EX_A3に係る出力ブロック100_A3と、その周辺回路を示す。実施例EX_A3では出力ブロック100_A3が図1の出力ブロック5として用いられる。
【0054】
出力ブロック100_A3は、図9の出力ブロック100_A1に対して第2置換を施すことで得られる。第2置換は図9の挿入トランジスタ121を挿入トランジスタ127に置換することに相当する。第2置換に伴い、出力ブロック100_A3において電流制限抵抗124は省略される。第2置換を除き、出力ブロック100_A1及び100_A3は互いに同じ構成を持つ。挿入トランジスタ127はNチャネル型のMOSFETである。出力ブロック100_A3において、挿入トランジスタ127のドレインはゲート配線Waに接続され、挿入トランジスタ127のソースはグランド配線WGNDに接続され、挿入トランジスタ127のゲートはノード125に接続される。出力ブロック100_A3におけるゲートオフ回路は、挿入トランジスタ127、コンデンサ122及び抵抗123から成るゲートオフ回路120bである。
【0055】
出力ブロック100_A3におけるサージ応答回路(122、123)は、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わるとき、ノード125の電圧(サージ応答信号RP1の電圧)を挿入トランジスタ127の制御電極(ゲート)に供給することで挿入トランジスタ127をオンさせ、これによって各出力トランジスタ111及び112をオフさせる。
【0056】
[実施例EX_A4]
実施例EX_A4を説明する。図14に、実施例EX_A4に係る出力ブロック100_A4と、その周辺回路を示す。実施例EX_A4では出力ブロック100_A4が図1の出力ブロック5として用いられる。出力ブロック100_A4は、図9の出力ブロック100_A1に対して上述の第1置換及び第2置換を施すことで得られる。故に、出力ブロック100_A4におけるゲートオフ回路は、挿入トランジスタ127、ツェナダイオード126及び抵抗123を有するゲートオフ回路120cである。
【0057】
出力ブロック100_A4において、ツェナダイオード126のアノードはノード125に接続され、ツェナダイオード126のカソードは出力配線WOUTに接続される(従って出力端子OUTに接続される)。出力ブロック100_A4において、挿入トランジスタ127のドレインはゲート配線Waに接続され、挿入トランジスタ127のソースはグランド配線WGNDに接続され、挿入トランジスタ127のゲートはノード125に接続される。
【0058】
ゲートオフ回路120cでは、ツェナダイオード126及び抵抗123によりサージ応答回路が形成される。サージ応答回路(126、123)は、グランド端子GNDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧VSGPが加わるとき(図10参照)、ツェナダイオード126の降伏現象(ツェナ現象又はアバランシェ現象)を伴ってノード125に生じるサージ応答信号RP1に基づき挿入トランジスタ127をオンさせ、これによって各出力トランジスタ111及び112をオフさせる。
【0059】
[実施例EX_A5]
実施例EX_A5を説明する。実施例EX_A1~EX_A4において、出力段110に設けられる出力トランジスタの総数は2以上であれば任意であり、3以上の出力トランジスタの直列回路にて出力段110を形成しても良い。例として、図15に、出力ブロック100_A5と、その周辺回路を示す。出力ブロック100_A5を図1の出力ブロック5として用いることができる。
【0060】
出力ブロック100_A5は図9の出力ブロック100_A1に対して第3置換を施すことで得られる。第3置換は図9の出力段110を出力段110aに置換することに相当する。第3置換を除き、出力ブロック100_A1及び100_A5は互いに同じ構成を持つ。出力段110aは出力トランジスタ111~113から成る。出力トランジスタ111~113はNチャネル型のMOSFETである。出力トランジスタ111~113は互いに同じ構造及び特性を有していて良い。
【0061】
出力ブロック100_A5において、出力トランジスタ111~113は端子OUT及びGND間において互いに直列接続される。具体的には、出力ブロック100_A5において、出力トランジスタ111のドレインは出力配線WOUTに接続され、出力トランジスタ111のソースは出力トランジスタ112のドレインに接続され、出力トランジスタ112のソースは出力トランジスタ113のドレインに接続され、出力トランジスタ113のソースはグランド配線WGNDに接続される。出力トランジスタ111~113の各ゲートはゲート配線Waに共通接続される。これにより、出力段110aの耐圧を1つの出力トランジスタの3倍にまで高めることができる。
【0062】
実施例EX_A1で述べた事項は出力ブロック100_A5に対しても適用される。但し、この適用の際、実施例EX_A1における出力段110は実施例EX_A5において出力段110aに読み替えられ、実施例EX_A1における出力トランジスタ111及び112は実施例EX_A5において出力トランジスタ111~113に読み替えられる。出力段110aは4以上の出力トランジスタの直列回路であっても良い。出力ブロック100_A2、100_A3又は100_A4に対して上記第3置換を施しても良い。
【0063】
[実施例EX_B1]
実施例EX_B1を説明する。図1の出力ブロック5は端子OUT及びVDD間に設けられていて良い。この場合、上述の各実施例で述べた出力ブロックの構成を端子OUT及びVDD間の出力ブロックに適用しても良い。これについて説明する。図16に、実施例EX_B1に係る出力ブロック200_B1と、その周辺回路を示す。実施例EX_B1では出力ブロック200_B1が図1の出力ブロック5として用いられる。
【0064】
出力ブロック200_B1は、出力トランジスタ211及び212から成る出力段210と、挿入トランジスタ221、コンデンサ222、抵抗223及び電流制限抵抗224から成るゲートオフ回路220と、クランプ回路230と、を備える。出力トランジスタ211及び212はPチャネル型のMOSFETにより構成される。出力トランジスタ211及び212の構造及び特性は互いに同じであって良い。挿入トランジスタ221はPNP型のバイポーラトランジスタにより構成される。
【0065】
出力トランジスタ211及び212は端子OUT及びVDD間において互いに直列接続される。具体的には、出力トランジスタ211のドレインは出力配線WOUTに接続される(従って出力端子OUTに接続される)。出力トランジスタ211のソースは出力トランジスタ212のドレインに接続される。出力トランジスタ212のソースは電源配線WVDDに接続される(従って電源端子VDDに接続される)。出力トランジスタ211及び212の各ゲートはゲート配線Wbに共通接続される。
【0066】
駆動回路4はゲート配線Wbに接続される。装置組み込み状態において、駆動回路4は、ゲート配線Wbに対してハイレベル又はローレベルのゲート信号を供給する。ローレベルのゲート信号がゲート配線Wbに供給されるとき、出力トランジスタ211及び212は共にオン状態となり、出力段210を介した端子OUT及びVDD間の電路が導通する。ハイレベルのゲート信号がゲート配線Wbに供給されるとき、出力トランジスタ211及び212は共にオフ状態となり上記電路が遮断される。出力ブロック200_B1によりオープンドレイン構成の信号出力回路3が形成される。故に装置組み込み状態では、例えば、電子部品1の外部において、出力端子OUTに接続される配線とグランドの電位を有する配線との間にプルダウン抵抗を挿入しておけば良い。
【0067】
挿入トランジスタ221はゲート配線Wb及び電源配線WVDD間に挿入される。具体的には、挿入トランジスタ221のコレクタはゲート配線Wbに接続され、挿入トランジスタ221のエミッタは電源配線WVDDに接続される(従って電源端子VDDに接続される)。
【0068】
コンデンサ222の第1端は出力配線WOUTに接続される。コンデンサ222の第2端は所定のノード225に接続される。抵抗223の第1端はノード225に接続される。抵抗223の第2端は電源配線WVDDに接続される。電流制限抵抗224はノード225と挿入トランジスタ221のベースとの間に直列に挿入される。より具体的には、電流制限抵抗224の第1端はノード225に接続され、電流制限抵抗224の第2端は挿入トランジスタ221のベースに接続される。
【0069】
クランプ回路230は出力段210に並列接続される。クランプ回路230は出力配線WOUT及び電源配線WVDDに接続される。クランプ回路230は1以上の保護ダイオード231(静電保護素子)にて構成される。クランプ回路230が単一の保護ダイオード231にて構成される場合、保護ダイオード231のカソードは電源配線WVDDに接続される一方で保護ダイオード231のアノードは出力配線WOUTに接続される。クランプ回路230が複数の保護ダイオード231の直列回路にて構成される場合、各保護ダイオード231の順方向は出力配線WOUTから電源配線WVDDに向かう方向と一致する。例えばクランプ回路230が第1及び第2保護ダイオード231にて構成される場合、第1保護ダイオード231のアノードは出力配線WOUTに接続され、第1保護ダイオード231のカソードは第2保護ダイオード231のアノードに接続され、且つ、第2保護ダイオード231のカソードは電源配線WVDDに接続される。以下では、特に記述なき限り、クランプ回路230が単一の保護ダイオード231にて構成されることを想定する。
【0070】
図17を参照し、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わる負サージケースCS2を想定し、負サージケースCS2における出力ブロック200_B1の挙動を説明する。負のサージ電圧VSGNは特定極性のサージ電圧の例である。尚、図17には各出力トランジスタに付加される寄生容量も図示される。出力トランジスタ211のドレイン-ソース間電圧を記号“VDS1”で表し、出力トランジスタ212のドレイン-ソース間電圧を記号“VDS2”で表す。負サージケースCS2において、電源端子VDDから出力段210を通じ出力端子OUTへ向けて流れる電流をサージ電流ISG3と称し、電源端子VDDからクランプ回路230を通じ出力端子OUTへ向けて流れる電流をサージ電流ISG4と称する。
【0071】
サージ電圧VSGNは静電気等に由来して微小時間だけ発生する電圧であり、負サージケースCS2において出力端子OUTの電位は電源端子VDDの電位から見て急峻に低下する。このため、負サージケースCS2において、ノード225にサージ電圧VSGNに基づくサージ応答信号RP2が発生する。サージ応答信号RP2の波形はサージ電圧VSGNの波形と概略的に相似関係にあり、サージ電圧VSGNの低下、上昇に連動して、サージ応答信号RP2の電位も低下、上昇する。サージ応答信号RP2により挿入トランジスタ221にベース電流が発生し、挿入トランジスタ221がオンとなる。挿入トランジスタ221がオンであるとき、ゲート配線Wbの電位が電源配線WVDDの電位程度まで高められるので、出力トランジスタ211及び212は共にオフとなる。
【0072】
尚、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わった直後においては、出力段210に付加される寄生容量の影響によりゲート配線Wbの電位が電源配線WVDDの電位と比べて一時的に低下し、結果、挿入トランジスタ221がオンとなる前に微小時間だけ出力トランジスタ211及び212がオンとなることもある。但し、その微小時間は十分に短い(例えば数ナノ秒である)ため、出力トランジスタ211及び212にダメージ等は生じない。
【0073】
本実施例に係る負サージケースCS2においては、挿入トランジスタ221のオンにより出力トランジスタ211及び212の各ゲート-ソース間電圧VGSが約0Vに保たれる。このため、出力段210を通じて流れるサージ電流ISG3は、出力トランジスタ211及び212の寄生容量を通じて流れる電流だけであり十分に小さい。また、サージ電流ISG3は出力トランジスタ211及び212に等しく流れるため、ドレイン-ソース間電圧VDS1とドレイン-ソース間電圧VDS2は実質的に等しくなる。
【0074】
負サージケースCS2において、サージの大きさ及びクランプ回路230の特性に応じた電圧が端子OUT及びVDD間に発生し、クランプ回路230を通じてサージ電流ISG4が流れる。
【0075】
保護ダイオード231は短時間のサージ電圧VSGNの印加に対して耐えることができるよう設計された部品である。保護ダイオード231の電気的特性において逆方向降伏電圧が定義される。逆方向降伏電圧はツェナ電圧とも称される。保護ダイオード231に加わる電圧の内、保護ダイオード231のアノード電位よりも保護ダイオード231のカソード電位を高める電圧は逆方向電圧と称される。保護ダイオード231のカソードからアノードに向けて流れる電流は逆方向電流と称される。保護ダイオード231において逆方向電圧が逆方向降伏電圧に達すると逆方向電流が相当に大きくなり、逆方向電圧が逆方向降伏電圧以上となる領域では、逆方向電圧の増大につれて逆方向電流が急峻に増大する。サージ電圧VSGNをもたらす静電気の電荷量等にも依るが、典型的にはサージ電流ISG4の方がサージ電流ISG3よりも相当に大きい。
【0076】
保護ダイオード231の逆方向降伏電圧が出力段210の耐圧より小さくなるよう、出力段210及びクランプ回路230が設計される。サージ電圧VSGNが端子OUT及びVDD間に加わるとき、クランプ回路230は、サージ電圧VSGNに基づくサージ電流ISG4を自身を通じて通過させることで端子OUT及びVDD間の発生電圧の大きさを出力段210の耐圧未満に制限する。出力段210の耐圧は出力トランジスタ211の耐圧と出力トランジスタ212の耐圧との和である。出力トランジスタ211の耐圧は、出力トランジスタ211のゲート-ソース間電圧が0Vであるときにおける、出力トランジスタ211のドレイン及びソース間の耐圧を指すと解して良い。他の出力トランジスタ(ここでは出力トランジスタ212)についても同様である。
【0077】
負サージケースCS2において、電圧VDS1は出力トランジスタ211の耐圧より小さいものの、出力トランジスタ211の耐圧近くまで上昇しうる。但し、出力トランジスタ211に流れるサージ電流ISG3は微小であるため、出力トランジスタ211は十分に耐えることができる。出力トランジスタ212についても同様である。尚、電源端子VDDから見て出力端子OUTに正のサージ電圧が加わるケースにおいては、当該正のサージ電圧に基づくサージ電流が保護ダイオード231を通じ保護ダイオード231の順方向に流れるため、端子OUT及びVDD間の発生電圧は十分に小さい。
【0078】
このように、ゲートオフ回路220は、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わるときに、ゲート配線Wbの電位を電源配線WVDDの電位にまで又は電源配線WVDDの電位近くまで上昇させることで出力トランジスタ211及び212をオフさせる(後述のゲートオフ回路220a~220cについても同様;図18図20参照)。ゲートオフ回路220では、コンデンサ222及び抵抗223によりサージ応答回路が形成される。サージ応答回路(222、223)は、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わるとき、サージ電圧VSGNに基づき挿入トランジスタ221の制御電極(ベース)を駆動することで挿入トランジスタ221をオンさせ、これによって各出力トランジスタ211及び212をオフさせる。電流制限抵抗224は、サージ応答信号RP2に基づく挿入トランジスタ221へのベース電流が過大とならないよう当該ベース電流に制限を加える。
【0079】
本実施例によれば、出力段において出力トランジスタをスタックした分だけ出力段の耐圧を高めることができる。即ち、出力ブロック200_B1によれば、出力段210の耐圧を1つの出力トランジスタの耐圧の2倍にまで高めることができる。
【0080】
[実施例EX_B2]
実施例EX_B2を説明する。図18に、実施例EX_B2に係る出力ブロック200_B2と、その周辺回路を示す。実施例EX_B2では出力ブロック200_B2が図1の出力ブロック5として用いられる。
【0081】
出力ブロック200_B2は、図16の出力ブロック200_B1に対して第4置換を施すことで得られる。第4置換は図16のコンデンサ222をツェナダイオード226に置換することに相当する。第4置換を除き、出力ブロック200_B1及び200_B2は互いに同じ構成を持つ。出力ブロック200_B2において、ツェナダイオード226のカソードはノード225に接続され、ツェナダイオード226のアノードは出力配線WOUTに接続される(従って出力端子OUTに接続される)。出力ブロック200_B2におけるゲートオフ回路は、挿入トランジスタ221、ツェナダイオード226、抵抗223及び電流制限抵抗224から成るゲートオフ回路220aである。
【0082】
出力ブロック200_B2では、上述の負サージケースCS2においてサージ電圧VSGNの大きさがツェナダイオード226のツェナ電圧を上回ることで、サージ電圧VSGNに基づくサージ応答信号RP2がノード225に発生する(図17参照)。このため、実施例EX_B1と同様、サージ応答信号RP2に基づき挿入トランジスタ221がオンとなることを通じて出力トランジスタ211及び212がオフとされる。
【0083】
ゲートオフ回路220aでは、ツェナダイオード226及び抵抗223によりサージ応答回路が形成される。サージ応答回路(226、223)は、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わるとき(図17参照)、ツェナダイオード226の降伏現象(ツェナ現象又はアバランシェ現象)を伴ってノード225に生じるサージ応答信号RP2に基づき挿入トランジスタ221をオンさせ、これによって各出力トランジスタ211及び212をオフさせる。
【0084】
[実施例EX_B3]
実施例EX_B3を説明する。図19に、実施例EX_B3に係る出力ブロック200_B3と、その周辺回路を示す。実施例EX_B3では出力ブロック200_B3が図1の出力ブロック5として用いられる。
【0085】
出力ブロック200_B3は、図16の出力ブロック200_B1に対して第5置換を施すことで得られる。第5置換は図16の挿入トランジスタ221を挿入トランジスタ227に置換することに相当する。第5置換に伴い、出力ブロック200_B3において電流制限抵抗224は省略される。第5置換を除き、出力ブロック200_B1及び200_B3は互いに同じ構成を持つ。挿入トランジスタ227はPチャネル型のMOSFETである。出力ブロック200_B3において、挿入トランジスタ227のドレインはゲート配線Wbに接続され、挿入トランジスタ227のソースは電源配線WVDDに接続され、挿入トランジスタ227のゲートはノード225に接続される。出力ブロック200_B3におけるゲートオフ回路は、挿入トランジスタ227、コンデンサ222及び抵抗223から成るゲートオフ回路220bである。
【0086】
出力ブロック200_B3におけるサージ応答回路(222、223)は、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わるとき、ノード225の電圧(サージ応答信号RP2の電圧)を挿入トランジスタ227の制御電極(ゲート)に供給することで挿入トランジスタ227をオンさせ、これによって各出力トランジスタ211及び212をオフさせる。
【0087】
[実施例EX_B4]
実施例EX_B4を説明する。図20に、実施例EX_B4に係る出力ブロック200_B4と、その周辺回路を示す。実施例EX_B4では出力ブロック200_B4が図1の出力ブロック5として用いられる。出力ブロック200_B4は、図16の出力ブロック200_B1に対して上述の第4置換及び第5置換を施すことで得られる。故に、出力ブロック200_B4におけるゲートオフ回路は、挿入トランジスタ227、ツェナダイオード226及び抵抗223を有するゲートオフ回路220cである。
【0088】
出力ブロック200_B4において、ツェナダイオード226のカソードはノード225に接続され、ツェナダイオード226のアノードは出力配線WOUTに接続される(従って出力端子OUTに接続される)。出力ブロック200_B4において、挿入トランジスタ227のドレインはゲート配線Wbに接続され、挿入トランジスタ227のソースは電源配線WVDDに接続され、挿入トランジスタ227のゲートはノード225に接続される。
【0089】
ゲートオフ回路220cでは、ツェナダイオード226及び抵抗223によりサージ応答回路が形成される。サージ応答回路(226、223)は、電源端子VDDから見て出力端子OUTに負のサージ電圧VSGNが加わるとき(図17参照)、ツェナダイオード226の降伏現象(ツェナ現象又はアバランシェ現象)を伴ってノード225に生じるサージ応答信号RP2に基づき挿入トランジスタ227をオンさせ、これによって各出力トランジスタ211及び212をオフさせる。
【0090】
[実施例EX_B5]
実施例EX_B5を説明する。実施例EX_B1~EX_B4において、出力段210に設けられる出力トランジスタの総数は2以上であれば任意であり、3以上の出力トランジスタの直列回路にて出力段210を形成しても良い。例として、図21に、出力ブロック200_B5と、その周辺回路を示す。出力ブロック200_B5を図1の出力ブロック5として用いることができる。
【0091】
出力ブロック200_B5は図16の出力ブロック200_B1に対して第6置換を施すことで得られる。第6置換は図16の出力段210を出力段210aに置換することに相当する。第6置換を除き、出力ブロック200_B1及び200_B5は互いに同じ構成を持つ。出力段210aは出力トランジスタ211~213から成る。出力トランジスタ211~213はPチャネル型のMOSFETである。出力トランジスタ211~213は互いに同じ構造及び特性を有していて良い。
【0092】
出力ブロック200_B5において、出力トランジスタ211~213は端子OUT及びVDD間において互いに直列接続される。具体的には、出力ブロック200_B5において、出力トランジスタ211のドレインは出力配線WOUTに接続され、出力トランジスタ211のソースは出力トランジスタ212のドレインに接続され、出力トランジスタ212のソースは出力トランジスタ213のドレインに接続され、出力トランジスタ213のソースは電源配線WVDDに接続される。出力トランジスタ211~213の各ゲートはゲート配線Wbに共通接続される。これにより、出力段210aの耐圧を1つの出力トランジスタの3倍にまで高めることができる。
【0093】
実施例EX_B1で述べた事項は出力ブロック200_B5に対しても適用される。但し、この適用の際、実施例EX_B1における出力段210は実施例EX_B5において出力段210aに読み替えられ、実施例EX_B1における出力トランジスタ211及び212は実施例EX_B5において出力トランジスタ211~213に読み替えられる。出力段210aは4以上の出力トランジスタの直列回路であっても良い。出力ブロック200_B2、200_B3又は200_B4に対して上記第6置換を施しても良い。
【0094】
[実施例EX_C1]
実施例EX_C1を説明する。装置組み込み状態において(図3参照)、信号出力回路3は、出力端子OUTからハイレベル又はローレベルの信号SOUTをインバータ出力する回路であっても良い。図22に実施例EX_C1に係る信号出力回路3の構成を示す。実施例EX_C1に係る信号出力回路3は出力ブロック100及び200並びに駆動回路4を備える。実施例EX_C1において、図1の出力ブロック5は出力ブロック100及び200を含む。
【0095】
出力ブロック100は端子OUT及びGNDに接続される。出力ブロック200は端子OUT及びVDDに接続される。装置組み込み状態において、出力ブロック100及び200は駆動回路4から供給される信号に応じてハイレベル又はローレベルの出力信号SOUTを出力端子OUTに発生させる(図3参照)。
【0096】
図22の信号出力回路3において出力ブロック100は上述の出力ブロック100_A1~100_A5の何れかであって良い。
【0097】
例えば、図23に示す如く、出力ブロック100として出力ブロック100_A1を用いる一方で出力ブロック200として出力ブロック200aを用いて良い。出力ブロック200aは出力トランジスタ201とクランプ回路202とを備える。出力トランジスタ201はPチャネル型のMOSFETである。出力ブロック200aにおいて、出力トランジスタ201のドレイン、ソースは、夫々、出力配線WOUT、電源配線WVDDに接続され、出力トランジスタ201のゲートは駆動回路4に接続される。クランプ回路202は保護ダイオード203から成る。保護ダイオード203のアノード、カソードは、夫々、出力配線WOUT、電源配線WVDDに接続される。クランプ回路202は複数の保護ダイオード203にて形成されていても良い。クランプ回路202は端子OUT及びVDD間にサージ電圧が加わるときにサージ電圧に基づくサージ電流を自身を通過させ、これによって端子OUT及びVDD間の発生電圧の大きさを出力トランジスタ201の耐圧未満に制限する。
【0098】
装置組み込み状態において、図23の駆動回路4は、出力トランジスタ111、112及び201の各ゲート電位を制御することで、出力端子OUTの信号レベルをハイレベル又はローレベルに設定する。装置組み込み状態において、図23の駆動回路4は、出力トランジスタ111及び112をオンさせる一方で出力トランジスタ201をオフさせることにより出力端子OUTの信号レベルをローレベルに設定でき、出力トランジスタ111及び112をオフさせる一方で出力トランジスタ201をオンさせることにより出力端子OUTの信号レベルをハイレベルに設定できる。
【0099】
Nチャネル型のMOSFETの耐圧はPチャネル型のMOSFETよりも高め難いことも多い。このような場合に図23の構成は有益である。図23において、出力ブロック100_A1を出力ブロック100_A2~100_A5の何れかに置換しても良い。
【0100】
図22の信号出力回路3において出力ブロック200は上述の出力ブロック200_B1~200_B5の何れかであって良い。
【0101】
例えば、図24に示す如く、出力ブロック100として出力ブロック100aを用いる一方で出力ブロック200として出力ブロック200_B1を用いて良い。出力ブロック100aは出力トランジスタ101とクランプ回路102とを備える。出力トランジスタ101はNチャネル型のMOSFETである。出力ブロック100aにおいて、出力トランジスタ101のドレイン、ソースは、夫々、出力配線WOUT、グランド配線WGNDに接続され、出力トランジスタ101のゲートは駆動回路4に接続される。クランプ回路102は保護ダイオード103から成る。保護ダイオード103のアノード、カソードは、夫々、グランド配線WGND、出力配線WOUTに接続される。クランプ回路102は複数の保護ダイオード103にて形成されていても良い。クランプ回路102は端子OUT及びGND間にサージ電圧が加わるときにサージ電圧に基づくサージ電流を自身を通過させ、これによって端子OUT及びGND間の発生電圧の大きさを出力トランジスタ101の耐圧未満に制限する。
【0102】
装置組み込み状態において、図24の駆動回路4は、出力トランジスタ101、211及び212の各ゲート電位を制御することで、出力端子OUTの信号レベルをハイレベル又はローレベルに設定する。装置組み込み状態において、図24の駆動回路4は、出力トランジスタ101をオンさせる一方で出力トランジスタ211及び212をオフさせることにより出力端子OUTの信号レベルをローレベルに設定でき、出力トランジスタ101をオフさせる一方で出力トランジスタ211及び212をオンさせることにより出力端子OUTの信号レベルをハイレベルに設定できる。
【0103】
製造プロセスによっては、Nチャネル型のMOSFETの耐圧がPチャネル型のMOSFETよりも高め易いこともあり得る。このような場合に図24の構成は有益である。図24において、出力ブロック200_B1を出力ブロック200_B2~200_B5の何れかに置換しても良い。
【0104】
図22の信号出力回路3において、出力ブロック100として上述の出力ブロック100_A1~100_A5の何れかを用い、且つ、出力ブロック200として上述の出力ブロック200_B1~200_B5の何れかを用いても良い。
【0105】
例えば、図25に示す如く、出力ブロック100として出力ブロック100_A1を用いる一方で出力ブロック200として出力ブロック200_B1を用いて良い。
【0106】
装置組み込み状態において、図25の駆動回路4は、出力トランジスタ111、112、211及び212の各ゲート電位を制御することで、出力端子OUTの信号レベルをハイレベル又はローレベルに設定する。装置組み込み状態において、図25の駆動回路4は、出力トランジスタ111及び112をオンさせる一方で出力トランジスタ211及び212をオフさせることにより出力端子OUTの信号レベルをローレベルに設定でき、出力トランジスタ111及び112をオフさせる一方で出力トランジスタ211及び212をオンさせることにより出力端子OUTの信号レベルをハイレベルに設定できる。
【0107】
図25において、出力ブロック100_A1を出力ブロック100_A2~100_A5の何れかに置換しても良く、当該置換に代えて又は当該置換に加えて、出力ブロック200_B1を出力ブロック200_B2~200_B5の何れかに置換しても良い。
【0108】
<<付記>>
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【0109】
不都合が生じない限り、上述の任意のトランジスタは、任意の種類のトランジスタであって良い。例えば、MOSFETとして上述された任意のトランジスタを、不都合が生じない限り、接合型FET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はバイポーラトランジスタに置き換えることも可能である。任意のトランジスタは第1電極、第2電極及び制御電極を有する。FETにおいては、第1及び第2電極の内の一方がドレインで他方がソースであり且つ制御電極がゲートである。IGBTにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がゲートである。IGBTに属さないバイポーラトランジスタにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がベースである。
【0110】
本開示の一側面に係る信号出力回路は、出力端子(OUT)と基準端子(GND又はVDD)との間において、互いに直列接続された複数の出力トランジスタを有する出力段(110又は210)と、各出力トランジスタのゲートが共通接続されるゲート配線(Wa又はWb)と、前記ゲート配線に対してゲート信号を供給することで、前記出力段を介した前記出力端子及び前記基準端子間の電路を導通又は遮断させるよう構成された駆動回路(4)と、前記ゲート配線と前記基準端子との間に挿入された挿入トランジスタ(例えば121又は221)と、前記出力端子及び前記基準端子と前記挿入トランジスタの制御電極とに接続され、前記基準端子から見て前記出力端子に特定極性のサージ電圧(VSGP又はVSGN)が加わるときに前記特定極性のサージ電圧に基づき前記挿入トランジスタの制御電極を駆動することを通じて前記挿入トランジスタをオンさせ、これによって各出力トランジスタをオフさせるよう構成されたサージ応答回路(例えば、122及び123、又は、222及び223)と、を有する構成(第1の構成)である。
【0111】
これにより、信号出力回路のサージ耐性を高めることができる。
【0112】
上記第1の構成に係る信号出力回路において、前記サージ応答回路は、前記出力端子と所定ノード(125又は225)との間に接続されたコンデンサ(122又は222)と、前記所定ノードと前記基準端子との間に接続された抵抗(123又は223)と、を有し、前記出力端子及び前記基準端子間に前記特定極性のサージ電圧が加わるときに前記所定ノードに生じるサージ応答信号(RP1又はRP2)に基づき前記挿入トランジスタをオンさせる構成(第2の構成)であっても良い。
【0113】
上記第1の構成に係る信号出力回路において、前記サージ応答回路は、前記出力端子と所定ノードとの間に接続されたツェナダイオード(126又は226)と、前記所定ノードと前記基準端子との間に接続された抵抗(123又は223)と、を有し、前記出力端子及び前記基準端子間に前記特定極性のサージ電圧が加わるときに前記ツェナダイオードの降伏現象を伴って前記所定ノードに生じるサージ応答信号(RP1又はRP2)に基づき前記挿入トランジスタをオンさせる構成(第3の構成)であっても良い。
【0114】
上記第1~第3の構成の何れかに係る信号出力回路において、前記出力段に並列接続されたクランプ回路(130又は230)を備え、前記クランプ回路は、前記出力端子及び前記基準端子間に前記特定極性のサージ電圧が加わるとき、当該サージ電圧に基づく電流(ISG2又はISG4)を自身を通じて通過させることで前記出力端子及び前記基準端子間の発生電圧を前記出力段の耐圧未満に制限する構成(第4の構成)であっても良い。
【0115】
上記第1~第4の構成の何れかに係る信号出力回路において、各出力トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタ(例えば111、112)により構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は正のサージ電圧(VSGP)である構成(第5の構成)であっても良い。
【0116】
上記第2又は第3の構成に係る信号出力回路において、各出力トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタ(例えば111、112)により構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は正のサージ電圧(VSGP)であり、前記挿入トランジスタはNPN型のバイポーラトランジスタ(121)により構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はベースであり、前記挿入トランジスタのコレクタ及びエミッタは夫々前記ゲート配線(Wa)及び前記基準端子(GND)に接続され、前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記正のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノード(125)を通じて前記挿入トランジスタのベースに電流を供給することにより前記挿入トランジスタをオンさせる構成(第6の構成)であっても良い。
【0117】
上記第2又は第3の構成に係る信号出力回路において、各出力トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタ(例えば111、112)により構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は正のサージ電圧(VSGP)であり、前記挿入トランジスタはNチャネル型の電界効果トランジスタ(127)により構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はゲートであり、前記挿入トランジスタのドレイン及びソースは夫々前記ゲート配線(Wa)及び前記基準端子(GND)に接続され、前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記正のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノード(125)の電圧を前記挿入トランジスタのゲートに供給することで前記挿入トランジスタをオンさせる構成(第7の構成)であっても良い。
【0118】
上記第1~第4の構成の何れかに係る信号出力回路において、各出力トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタ(例えば211、212)により構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は負のサージ電圧(VSGN)である構成(第8の構成)であっても良い。
【0119】
上記第2又は第3の構成に係る信号出力回路において、各出力トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタ(例えば211、212)により構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は負のサージ電圧(VSGN)であり、前記挿入トランジスタはPNP型のバイポーラトランジスタ(221)により構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はベースであり、前記挿入トランジスタのコレクタ及びエミッタは夫々前記ゲート配線(Wb)及び前記基準端子(VDD)に接続され、前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記負のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノード(225)を通じて前記挿入トランジスタのベースに電流を供給することで前記挿入トランジスタをオンさせる構成(第9の構成)であっても良い。
【0120】
上記第2又は第3の構成に係る信号出力回路において、各出力トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタ(例えば211、212)により構成され、各出力トランジスタにおいてドレインからソースに向かう向きは前記出力端子から前記基準端子に向かう向きと一致し、前記特定極性のサージ電圧は負のサージ電圧(VSGN)であり、前記挿入トランジスタはPチャネル型の電界効果トランジスタ(227)により構成され、前記挿入トランジスタの制御電極はゲートであり、前記挿入トランジスタのドレイン及びソースは夫々前記ゲート配線(Wb)及び前記基準端子(VDD)に接続され、前記サージ応答回路は、前記基準端子から見て前記出力端子に前記負のサージ電圧が加わるとき、前記所定ノード(225)の電圧を前記挿入トランジスタのゲートに供給することで前記挿入トランジスタをオンさせる構成(第10の構成)であっても良い。
【符号の説明】
【0121】
1 電子部品
2 機能回路
3 信号出力回路
4 駆動回路
5 出力ブロック
VDD 電源端子
OUT 出力端子
GND グランド端子
VDD 電源配線
OUT 出力配線
GND グランド配線
CNT 制御信号
OUT 出力信号
EX 外部回路
VS 電圧源
PWR 電源電圧
900A、900B 出力ブロック
910、911H、911L 出力トランジスタ
930 静電保護素子
Isg サージ電流
Vds_H、Vds_L ドレイン-ソース間電圧
Vgs_H、Vgs_L ゲート-ソース間電圧
Id_H、Id_L ドレイン電流
Vg ゲート電圧
100_A1~100_A5 出力ブロック
110、110a 出力段
111、112、113 出力トランジスタ
120、120a~120c ゲートオフ回路
121、127 挿入トランジスタ
122 コンデンサ
123 抵抗
124 電流制限抵抗
125 ノード
126 ツェナダイオード
130 クランプ回路
131 保護ダイオード
SGP サージ電圧
SG1、ISG2 サージ電流
RP1 サージ応答信号
DSH、VDSL ドレイン-ソース間電圧
200_B1~200_B5 出力ブロック
210、210a 出力段
211、212、213 出力トランジスタ
220、220a~220c ゲートオフ回路
221、227 挿入トランジスタ
222 コンデンサ
223 抵抗
224 電流制限抵抗
225 ノード
226 ツェナダイオード
230 クランプ回路
231 保護ダイオード
SGN サージ電圧
SG3、ISG4 サージ電流
RP2 サージ応答信号
DS1、VDS2 ドレイン-ソース間電圧
100、200、100a、200b 出力ブロック
101、201 出力トランジスタ
102、202 クランプ回路
103、203 保護ダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25