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特開2024-175861ユーザーインターフェイス処理方法、画像処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175861
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ユーザーインターフェイス処理方法、画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241212BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20241212BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/04817
G06F3/0482
H04N1/00 838
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093918
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】宮井 俊也
(72)【発明者】
【氏名】石川 卓
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC51
5C062AF06
5C062AF07
5C062AF10
5C062AF12
5C062AF13
5E555AA07
5E555AA23
5E555AA71
5E555BA02
5E555BA27
5E555BB02
5E555BB27
5E555BC04
5E555BE09
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB42
5E555CC03
5E555DB18
5E555DB51
5E555DC13
5E555EA03
5E555EA06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】複数の機能各々に関する操作についての習熟度の情報をユーザー各々に提示すること。
【解決手段】プロセッサー51は、画像処理装置10の複数の機能各々についてユーザーごとの複数の設定画面に対応する操作部3aへの操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録する(S103)。前記プロセッサー51は、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての習熟度を判定する(S206)。前記プロセッサー51は、前記複数の機能各々についての説明情報を提示する複数のガイダンス画面から前記操作部3aへの操作に応じて選択される画面を表示部3bに表示させる(S102,S104)。前記プロセッサー51は、前記ユーザーに対応する前記複数の機能各々についての前記習熟度の情報を前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含める(S104)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を受け付ける操作装置および情報を表示する表示装置を含む画像処理装置におけるユーザーインターフェイスに関する処理を実行するユーザーインターフェイス処理方法であって、
プロセッサーが、ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、前記画像処理装置の複数の機能各々について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む複数の設定画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させる設定画面制御を実行することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々について前記ユーザーごとの前記複数の設定画面に対応する前記操作装置への操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録することと、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての習熟度を判定することと、
前記プロセッサーが、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザー向けに、前記複数の機能各々についての説明情報を提示する複数のガイダンス画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させるガイダンス画面制御を実行することと、を含み、
前記プロセッサーは、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記複数の機能各々についての前記習熟度の情報を対応する前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含める、ユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項2】
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記複数の機能各々についての操作回数を導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記操作回数に応じて前記複数の機能各々についての前記習熟度を判定することと、を含む、請求項1に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項3】
前記プロセッサーが、前記操作装置への操作が行われた日時を表す操作日時の情報を前記操作履歴情報に含めることと、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の複数の操作に対応する複数の前記操作日時の間隔である操作間隔を前記複数の機能各々について導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記操作間隔に応じて前記複数の機能各々についての前記習熟度を補正することと、を含む、請求項2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項4】
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記操作間隔に応じて、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての曖昧度を判定することと、
前記複数の機能が、前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザーの数が基準数を超える特定機能を含む場合に、前記プロセッサーが、通信装置を通じて前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザー各々に対応する宛先へ前記特定機能に関するアドバイス情報を送信することと、をさらに含む、請求項3に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項5】
前記プロセッサーが、前記操作装置への操作が行われた日時を表す操作日時の情報を前記操作履歴情報に含めることと、
前記プロセッサーが、前記操作日時の情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての無操作時間を導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記無操作時間に応じて、前記複数の機能各々についての前記習熟度を補正することと、を含む、請求項2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項6】
前記複数の設定画面に対応する操作が、前記画像処理装置に実行させる処理の設定の中止または後戻りを指示する躊躇操作を含む場合に、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の設定操作が行われるときに前記躊躇操作が行われた回数である躊躇操作回数を前記複数の機能各々について導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記躊躇操作回数に応じて前記複数の機能各々についての前記習熟度を補正する、請求項2、請求項3および請求項5のいずれか1項に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項7】
前記プロセッサーが、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての前記躊躇操作回数に応じて、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての曖昧度を判定することと、
前記複数の機能のうちの特定機能について前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザーの数が基準数を超える場合に、前記プロセッサーが、通信装置を通じて前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザー各々に対応する宛先へ前記特定機能に関するアドバイス情報を送信することと、を含む、請求項6に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項8】
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記習熟度を統合した総合習熟度を前記ユーザーごとに判定することと、
前記プロセッサーが、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記総合習熟度の情報を前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含めることと、を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項9】
操作を受け付ける操作装置と、
情報を表示する表示装置と、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のユーザーインターフェイス処理方法を実現するプロセッサーと、
前記操作装置に対する操作により設定される画像処理を実行する画像処理部と、を備える画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーごとの操作の習熟度を提示可能なユーザーインターフェイス処理方法および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機および複合機などの画像処理装置は、操作装置および表示装置を含むユーザーインターフェイス装置を備える。
【0003】
前記画像処理装置は、複数のガイダンス画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させるガイダンス機能を備える。前記ガイダンス画面各々は、前記画像処理装置の複数の機能各々についての説明情報を提示する画面である。
【0004】
また、前記複合機において、前記ユーザーインターフェイス装置が、ユーザーごとの操作履歴に応じて複数のガイダンス項目の表示の優先度を変更することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-224767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像処理装置において、ユーザー各々が、複数の機能各々に関する操作についての自身の習熟度を容易に把握できることが望まれる。これにより、前記ユーザー各々は、前記ガイダンス機能を利用して前記画像処理装置の操作方法を効率的に学習することができる。
【0007】
本発明の目的は、複数の機能各々に関する操作についての習熟度の情報をユーザー各々に提示することができるユーザーインターフェイス処理方法および画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係るユーザーインターフェイス処理方法は、操作を受け付ける操作装置および情報を表示する表示装置を含む画像処理装置におけるユーザーインターフェイスに関する処理を実行する方法である。前記ユーザーインターフェイス処理方法は、プロセッサーが、ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、前記画像処理装置の複数の機能各々について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む複数の設定画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させる設定画面制御を実行することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、前記複数の機能各々について前記ユーザーごとの前記複数の設定画面に対応する前記操作装置への操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての習熟度を判定することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザー向けに、前記複数の機能各々についての説明情報を提示する複数のガイダンス画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させるガイダンス画面制御を実行することを含む。前記ユーザーインターフェイス処理方法において、前記プロセッサーは、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記複数の機能各々についての前記習熟度の情報を前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含める。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像処理装置は、前記操作装置と、前記表示装置と、前記ユーザーインターフェイス処理方法を実現する前記プロセッサーと、画像処理部と、を備える。前記画像処理部は、前記操作装置に対する操作により設定される画像処理を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の機能各々に関する操作についての習熟度の情報をユーザー各々に提示することができるユーザーインターフェイス処理方法および画像処理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る画像処理装置における画面出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、実施形態に係る画像処理装置における習熟度判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る画像処理装置における設定画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る画像処理装置におけるガイダンス画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る画像処理装置における操作履歴データの構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る画像処理装置における個別習熟度データの構成の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る画像処理装置における総合習熟度データの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像処理装置10の構成]
実施形態に係る画像処理装置10は、画像形成処理、画像読取処理および画像送信処理などの各種の画像処理を実行可能である。例えば、画像処理装置10は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置または複合機などである。
【0014】
図1に示される例において、画像処理装置10は、画像形成装置1、画像読取装置2、タッチパネルユニット3、通信装置4、制御装置5および二次記憶装置6を備える。
【0015】
画像処理装置10は、ホスト装置8などの他装置とネットワーク80を通じて通信可能である。ネットワーク80は、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどを含む。
【0016】
画像形成装置1は、電子写真方式またはインクジェット方式などの予め定められた方式で前記画像形成処理を実行する。前記画像形成処理は、シート91に画像を形成する処理である。
【0017】
画像形成装置1は、シート91を搬送するシート搬送機構と、シート91上に画像を形成するプリント装置と、を含む。
【0018】
画像読取装置2は、前記画像読取処理を実行する。前記画像読取処理は、原稿92から画像を読み取る処理である。画像読取装置2は、原稿92に光を走査する光走査機構と、原稿92に反射した反射光を受光するイメージセンサーと、を備える。
【0019】
前記イメージセンサーは、読取画像のデータを出力する。前記読取画像は、原稿92から読み取られた画像である。
【0020】
タッチパネルユニット3は、操作部3aおよび表示部3bを含む。操作部3aは、人の操作を受け付ける装置である。例えば、操作部3aは、操作ボタンおよびタッチパネルなどを含む。表示部3bは、情報を表示可能である。例えば、表示部3bは、液晶パネルなどの表示パネルを含む。
【0021】
通信装置4は、ネットワーク80を通じてホスト装置8などの他装置との間で通信を行う通信インターフェイスデバイスである。制御装置5は、前記他装置との間のデータの送信および受信の全てを、通信装置4を通じて行う。
【0022】
画像形成装置1は、前記読取画像のデータまたは受信プリントデータに基づく前記画像形成処理を実行する。前記受信プリントデータは、通信装置4を通じてホスト装置8から受信されるプリント要求に含まれるデータである。
【0023】
また、通信装置4は、前記画像送信処理を実行可能である。前記画像送信処理は、前記読取画像のデータを指定された宛先へネットワーク80を通じて送信する処理である。
【0024】
カードリーダー71は、ユーザーのIDカードから認証データを読み取る。例えば、前記IDカードは、前記認証データを記憶する非接触ICカードである。前記非接触ICカードは、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグが埋め込まれたカードである。
【0025】
USBインターフェイス72は、USBメモリーなどのUSBデバイス72xを接続可能なインターフェイスである。画像読取装置2により得られる画像データを前記USBメモリーに記録する処理も画像処理装置10が実行可能な前記画像処理の一例である。さらに、前記USBメモリーに記憶された画像データに基づく前記画像形成処理も、前記画像処理の一例である。
【0026】
制御装置5は、各種の演算、データ処理および画像処理装置10が備える各種の電気機器の制御を実行する。制御装置5は、CPU51およびRAM(Random Access Memory)52などを含む。
【0027】
二次記憶装置6は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置6は、コンピュータープログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、SSD(Solid State Drive)およびハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置6として採用される。
【0028】
二次記憶装置6は、CPU51によって実行される前記コンピュータープログラムおよびCPU51によって参照されるデータを記憶している。CPU51は、プロセッサーの一例である。
【0029】
CPU51は、二次記憶装置6に記憶された前記コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。
【0030】
なお、DSPなどの他のプロセッサーが、CPU51の代わりに前記データ処理および制御を実行することも考えられる。
【0031】
RAM52は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM52は、CPU51が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU51が前記コンピュータープログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0032】
CPU51は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。CPU51における複数の処理モジュールは、認証部5a、ジョブ制御部5bおよびUI制御部5cなどを含む。
【0033】
認証部5aは、ユーザー認証処理を実行する。認証部5aは、前記ユーザー認証処理において、入力認証データと二次記憶装置6に記憶された登録ユーザーデータD0とを照合する(図1参照)。前記入力認証データは、カードリーダー71または通信装置4を通じて入力される認証データである。登録ユーザーデータD0は、ユーザーの認証データを含む。
【0034】
認証部5aは、前記ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、操作部3aまたは通信装置4を通じて入力される要求に対応する画像処理の実行を許容する。
【0035】
ジョブ制御部5bは、前記ユーザー認証処理が成功していることを条件に、ジョブ制御を実行する。前記ジョブ制御は、操作部3aまたは通信装置4を通じて入力される要求に対応する前記画像処理を画像処理装置10の各機器に実行させる処理である。
【0036】
ジョブ制御部5bは、画像形成装置1、画像読取装置2および通信装置4を制御する。ジョブ制御部5bは、要求される前記画像処理を、画像形成装置1、画像読取装置2および通信装置4の一部または全部に実行させる。
【0037】
画像形成装置1、画像読取装置2および通信装置4は、操作装置3aに対する操作により設定される前記画像処理を実行可能な画像処理部の一例である。本実施形態において、前記画像処理は、前記画像形成処理、前記画像読取処理および前記画像送信処理を含む。
【0038】
UI制御部5cは、前記ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに画面制御を実行する。UI制御部5cは、前記画面制御において、複数の候補画面から操作部3aへの操作に応じて対象画面を選択し、選択された前記対象画面を表示部3bに表示させる。
【0039】
前記複数の候補画面は、複数の設定画面を含む。前記複数の設定画面は、画像処理装置10の複数の機能各々について画像処理装置10に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む。
【0040】
例えば、前記設定画面各々は、画像形成機能、コピー機能、画像送信機能またはファクシミリ送信機能などの各種の機能について、画像処理装置10に実行させる処理の種類、条件または開始を設定する操作に対応する1つ以上の操作アイコンを含む。
【0041】
前記複数の候補画面は、複数のガイダンス画面をさらに含む。前記複数のガイダンス画面は、画像処理装置10の複数の機能各々についての説明情報を提示する画面である。UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面から操作部3aへの操作に応じて選択される画面を表示部3bに表示させるガイダンス機能を実現する。
【0042】
ところで、画像処理装置10において、ユーザー各々が、複数の機能各々に関する操作についての自身の習熟度を容易に把握できることが望まれる。これにより、前記ユーザー各々は、前記ガイダンス機能を利用して画像処理装置10の操作方法を効率的に学習することができる。
【0043】
本実施形態において、CPU51における前記複数の処理モジュールは、UI分析部5dをさらに含む(図1参照)。後述するように、UI分析部5dは、画像処理装置10の複数の機能各々に関する操作についてのユーザー各々の習熟度を判定する。
【0044】
さらにUI制御部5cは、前記ガイダンス機能において、前記習熟度の情報をユーザー各々に提示することができる。以下、UI分析部5dおよびUI制御部5cによるユーザーインターフェイス処理について説明する。
【0045】
本実施形態において、前記ユーザーインターフェイス処理は、画面出力処理および習熟度判定処理を含む。前記画面出力処理は、表示部3bにおける画面出力を制御する処理である。前記習熟度判定処理は、画像処理装置10の操作についてのユーザーごとの習熟度を判定する処理である。
【0046】
前記ユーザーインターフェイス処理は、ユーザーインターフェイス処理方法を実現する処理の一例である。前記ユーザーインターフェイス処理を実行するCPU51は、前記ユーザーインターフェイス処理方法を実現するプロセッサーの一例である。前記ユーザーインターフェイス処理方法は、ユーザーインターフェイスに関する処理を実行する方法である。
【0047】
[画面出力処理]
以下、図2に示されるフローチャートを参照しつつ、前記画面出力処理の手順の一例について説明する。
【0048】
UI制御部5cは、認証部5aによる前記ユーザー認証処理が成功したときに、前記画面出力処理を実行する。即ち、UI制御部5cは、前記ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに前記画面出力処理を実行する。
【0049】
以下の説明において、S101,S102,…は、前記画面出力処理における複数の工程の識別符号を表す。前記画面出力処理において、まずは工程S101の処理が実行される。
【0050】
<工程S101>
工程S101において、UI制御部5cは、前記複数の設定画面から対象設定画面を選択し、選択された前記対象設定画面を表示部3bに表示させる。
【0051】
図3は、前記複数の設定画面のうちの1つであるメインメニュー画面G1の一例である。メインメニュー画面G1は、前記複数の設定画面のうち前記ユーザー認証処理の終了後に最初に選択される画面である。
【0052】
メインメニュー画面G1は、複数の設定操作アイコンg11と、ログアウトアイコンg12と、ヘルプアイコンg20と、を含む。
【0053】
複数の設定操作アイコンg11は、それぞれ画像処理装置10に実行させる処理の種類、条件または開始を設定する操作アイコンである。メインメニュー画面G1における複数の設定操作アイコンg11は、画像処理装置10に実行させる前記画像処理の種類を設定する操作に対応している。
【0054】
なお、前記複数の設定画面の一部は、複数の設定操作アイコンg11の一例である手入力アイコンを含む(不図示)。前記手入力アイコンは、画像処理装置10に実行させる処理の条件を指定する数値または文字を入力する操作に対応するアイコンである。
【0055】
本実施形態において、画像処理装置10に実行させる前記画像処理の種類を設定することは、画像処理装置10の前記複数の機能のうちの1つを選択することである。
【0056】
ログアウトアイコンg12は、ユーザーが認証された状態であるログイン状態を解消する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0057】
なお、ログアウトアイコンg12は、前記複数の設定画面のうちメインメニュー画面G1以外の一部または全部に含まれてもよい。また、ログアウトアイコンg12は、前記複数のガイダンス画面の一部または全部に含まれてもよい。
【0058】
前記複数のガイダンス画面は、ガイダンス選択画面G2と不図示の複数の個別ガイダンス画面とを含む。ヘルプアイコンg20は、ガイダンス選択画面G2を表示部3bに表示させることを要求する操作を受け付ける操作アイコンである(図5参照)。
【0059】
ガイダンス選択画面G2は、複数のガイダンス選択アイコンg21およびガイダンス終了アイコンg22を含む。
【0060】
複数のガイダンス選択アイコンg21は、前記複数の個別ガイダンス画面に対応している。前記複数の個別ガイダンス画面は、それぞれ前記複数の設定画面に対応する操作方法を説明する情報を含む画面である。
【0061】
複数のガイダンス選択アイコンg21は、前記複数の個別ガイダンス画面のうち表示部3bに表示させる対象ガイダンス画面を選択する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0062】
ガイダンス終了アイコンg22は、前記複数のガイダンス画面のいずれかを表示部3bに表示させる処理の終了を指示する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0063】
UI制御部5cは、工程S101の処理を実行した後、工程S102の処理を実行する。
【0064】
<工程S102>
工程S102において、UI制御部5cは、操作部3aに対する操作の状況を確認する。さらにUI制御部5cは、操作部3aに対する操作の状況に応じて次に実行する処理を選択する。
【0065】
前記複数の設定画面のうちの1つが表示部3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、前記対象設定画面における複数の設定操作アイコンg11のいずれかに対応する設定操作が操作部3aに行われた場合に工程S103の処理を実行する。
【0066】
また、メインメニュー画面G1が表示部3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、ヘルプアイコンg20に対応する操作が操作部3aに行われた場合に工程S104の処理を実行する。
【0067】
また、ガイダンス選択画面G2が表示部3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、複数のガイダンス選択アイコンg21のいずれかに対応するガイダンス選択操作が操作部3aに行われた場合にも工程S104の処理を実行する。
【0068】
また、前記複数のガイダンス画面のうちの1つが表示部3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、ガイダンス終了アイコンg22に対応する操作が操作部3aに行われた場合に工程S101の処理を実行する。
【0069】
例えば、ガイダンス終了アイコンg22に対応する操作が操作部3aに行われた場合、UI制御部5cは、工程S101において、メインメニュー画面G1を表示部3bに表示させる。
【0070】
また、UI制御部5cは、ログアウトアイコンg12に対応する操作が操作部3aに行われた場合に前記画面出力処理を終了する。
【0071】
また、UI制御部5cは、表示部3bに表示されている画面に対応する操作が操作部3aに行われていない場合に、工程S105の処理を実行する。
【0072】
<工程S103>
工程S103において、UI制御部5cは、工程S102で確認された前記設定操作の履歴を表す操作履歴データD1を二次記憶装置6に記録する(図1,6参照)。
【0073】
工程S102で確認された前記設定操作は、前記複数の設定画面に対応する複数の単位操作の1つである。
【0074】
例えば、UI制御部5cは、ユーザーコードD11と、タイムスタンプD12と、操作コードD13と、機能コードD14と、を操作履歴データD1に含める(図6参照)。
【0075】
ユーザーコードD11は、前記ユーザー認証処理により認証されているユーザーを識別するデータである。換言すれば、ユーザーコードD11は、ログイン中のユーザーの識別子である。例えば、前記ユーザー認証処理に用いられるユーザーIDなどがユーザーコードD11として記録される。
【0076】
タイムスタンプD12は、前記設定操作が操作部3aに行われた日時を表すデータである。本実施形態において、タイムスタンプD12は、年月日のデータおよび時刻のデータを含む。
【0077】
操作コードD13は、工程S102で確認された前記設定操作を識別するデータである。操作コードD13は、前記複数の設定画面における複数の設定操作アイコンg11のうちのいずれがユーザーによって操作されたのかを表す。
【0078】
機能コードD14は、画像処理装置10の複数の画像処理機能のうち工程S102で確認された前記設定操作に対応する対象機能を識別するデータである。
【0079】
例えば、機能コードD14は、前記画像形成機能、前記コピー機能、前記画像送信機能または前記ファクシミリ送信機能などを識別するコードである。
【0080】
本実施形態において、前記画像形成機能、前記コピー機能、前記画像送信機能および前記ファクシミリ送信機能の各々は、画像データの入力元の違いなどに応じてさらに詳細な機能に分類されている。
【0081】
前記複数の設定画面における複数の設定操作アイコンg11は、それぞれ操作コードD13および機能コードD14に予め対応付けられている。
【0082】
UI制御部5cは、工程S103の処理を実行した後に工程S101の処理を実行する。工程S103を経た工程S101において、UI制御部5cは、工程S102で確認された前記設定操作に対応する新たな前記対象設定画面を表示部3bに表示させる。
【0083】
工程S101および工程S102の処理は、前記複数の設定画面から操作部3aへの操作に応じて選択される画面を表示部3bに表示させる設定画面制御の一例である。
【0084】
そして、新たな前記対象設定画面が表示部3bに表示された状況下において、工程S102の処理が再び実行される。
【0085】
前記設定操作が操作部3aに行われるごとに工程S103の処理が実行される。これにより、前記複数の設定画面に対応する操作部3aへの操作の履歴を表す操作履歴データD1が二次記憶装置6に記録される。
【0086】
操作履歴データD1は、ユーザーコードD11および機能コードD14を含むことにより、画像処理装置10の前記複数の機能各々についての前記ユーザーごとの操作の履歴を表す。
【0087】
<工程S104>
工程S104において、UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面のうち工程S102で確認された操作に対応する前記対象ガイダンス画面を選択し、選択された前記対象ガイダンス画面を表示部3bに表示させる。
【0088】
工程S102で確認された操作がヘルプ操作である場合、UI制御部5cは、ガイダンス選択画面G2を表示部3bに表示させる。前記ヘルプ操作は、メインメニュー画面G1におけるヘルプアイコンg20に対応する操作である(図5参照)。
【0089】
一方、工程S102で確認された操作が前記ガイダンス選択操作である場合、UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面のうち、前記ガイダンス選択操作に対応する1つを表示部3bに表示させる。前記ガイダンス選択操作は、ガイダンス選択画面G2における複数のガイダンス選択アイコンg21のいずれかに対応する操作である(図5参照)。
【0090】
工程S102および工程S104の処理は、前記複数のガイダンス画面から操作部3aへの操作に応じて選択される画面を表示部3bに表示させるガイダンス画面制御の一例である。
【0091】
図5に示されるように、UI制御部5cは、ガイダンス選択画面G2に1つまたは複数の個別習熟度マークg23を含める場合がある。同様に、UI制御部5cは、ガイダンス選択画面G2に総合習熟度マークg24を含める場合もある。
【0092】
個別習熟度マークg23および総合習熟度マークg24については後述する。
【0093】
<工程S105>
工程S105において、UI制御部5cは、予め定められたログアウト条件が成立するか否かを判定する。
【0094】
例えば、前記ログアウト条件は、操作部3aへの操作が無い状態の継続時間が予め設定された第1設定時間を超えたという条件である。
【0095】
画像処理装置10が人感センサーを備える場合、前記ログアウト条件が、前記人感センサーによって人が検出されない状態の継続時間が予め設定された第2設定時間を超えたという条件であってもよい。
【0096】
前記人感センサーは、画像処理装置10の前に存在する人を検知する。例えば、赤外線センサーが、前記人感センサーとして採用される。
【0097】
UI制御部5cは、前記ログアウト条件が成立していないと判定する場合、工程S102からの処理を繰り返す。
【0098】
一方、UI制御部5cは、前記ログアウト条件が成立したと判定する場合、前記画面出力処理を終了する。
【0099】
工程S103は、CPU51が、画像処理装置10の前記複数の機能各々について前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーごとの前記操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録する工程の一例である。
【0100】
前記操作履歴情報は、前記複数の設定画面に対応する操作部3aへの操作の履歴を表す。操作履歴データD1は、前記操作履歴情報の一例である。
【0101】
工程S103は、CPU51が前記操作日時の情報を前記操作履歴情報に含める工程の一例でもある。タイムスタンプD12は、前記操作日時の情報の一例である。
【0102】
[習熟度判定処理]
次に、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記習熟度判定処理の手順の一例について説明する。
【0103】
例えば、UI分析部5dは、操作履歴データD1が更新されるごとに前記習熟度判定処理を実行する。また、UI分析部5dは、画像処理装置10が操作部3aへの操作に応じた前記画像処理を実行するごとに前記習熟度判定処理を実行してもよい。
【0104】
以下の説明において、S201,S202,…は、前記習熟度判定処理における複数の工程の識別符号を表す。前記習熟度判定処理において、まずは工程S201の処理が実行される。
【0105】
前記習熟度判定処理において導出または判定される指標値は、すべての前記ユーザーごとの指標値である。
【0106】
<工程S201>
工程S201において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記複数の機能各々についての操作回数を導出する。UI分析部5dは、さらに工程S202の処理を実行する。
【0107】
<工程S202>
工程S202において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記複数の機能各々についての操作間隔を導出する。
【0108】
前記操作間隔は、画像処理装置10に実行させる1つの処理を設定するための一連の複数の操作に対応する複数の前記操作日時の間隔である。前記操作日時は、タイムスタンプD12によって特定される。
【0109】
前記一連の複数の操作は、ユーザーコードD11、タイムスタンプD12、操作コードD13および機能コードD14によって特定される。UI分析部5dは、操作履歴データD1から前記一連の複数の操作に対応する一連操作データを抽出する。
【0110】
例えば、前記複数の機能それぞれに対応する一連操作マスターデータが予め登録されている。前記一連操作マスターデータは、前記一連の複数の操作のうちの開始操作および最終操作を表す。
【0111】
UI分析部5dは、操作履歴データD1から、ユーザーコードD11および機能コードD14が共通し、タイムスタンプD12が連続する機能別連続データを抽出する。
【0112】
さらにUI分析部5dは、タイムスタンプD12の順に並ぶ前記機能別連続データの中から、前記開始操作を表す操作コードD13を含むデータから前記終了操作を表す操作コードD13に対応するデータまでを、前記一連操作データとして抽出する。
【0113】
例えば、UI分析部5dは、前記一連操作データにおけるタイムスタンプD12の時間間隔の平均値および最大値の一方または両方を前記操作間隔として導出する。UI分析部5dは、さらに工程S203の処理を実行する。
【0114】
<工程S203>
工程S203において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記複数の機能各々についての躊躇操作回数を導出する。
【0115】
前記複数の設定画面の少なくとも一部は、中止アイコンおよび戻るアイコンの一方または両方を含む。前記中止アイコンは、画像処理装置10に実行させる処理の設定の中止を指示する操作を受け付ける操作アイコンである。前記戻るアイコンは、画像処理装置10に実行させる処理の設定の後戻りを指示する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0116】
以下の説明において、前記中止アイコンおよび前記戻るアイコンの一方または両方に対応する操作のことを躊躇操作と称する。即ち、前記複数の設定画面に対応する操作は、前記躊躇操作を含む。
【0117】
前記躊躇操作回数は、前記複数の設定画面各々に対応する前記一連の設定操作が行われるときに前記躊躇操作が行われた回数である。UI分析部5dは、操作履歴データD1から抽出された前記一連操作データに含まれる前記躊躇操作を表す操作コードD13の数をカウントすることにより前記躊躇操作回数を導出する。
【0118】
UI分析部5dは、さらに工程S204の処理を実行する。
【0119】
<工程S204>
工程S204において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記複数の機能各々についての無操作時間を導出する。前記無操作時間は、操作部3aに対する操作が行われていない時間である。
【0120】
UI分析部5dは、前記複数の機能各々についての操作履歴データD1のタイムスタンプD12に基づいて前記無操作時間を導出する。例えば、UI分析部5dは、操作部3aに対する操作が行われていない日数を前記無操作時間として導出する。
【0121】
UI分析部5dは、さらに工程S205の処理を実行する。
【0122】
<工程S205>
工程S205において、UI分析部5dは、工程S202で導出された前記操作間隔および工程S203で導出された前記躊躇操作回数の一方または両方に応じて、前記複数の機能各々についての曖昧度を判定する。
【0123】
前記曖昧度は、前記複数の機能各々についての操作に対する前記ユーザーの理解の曖昧性の評価値である。例えば、UI分析部5dは、2段階から5段階程度の複数段階で前記曖昧度を判定する。
【0124】
具体的には、UI分析部5dは、前記操作間隔と予め設定された1つ以上の参照時間とを比較することにより第1曖昧度を判定する。この場合、UI分析部5dは、前記操作間隔が短い場合よりも長い場合の方が、前記第1曖昧度がより高いと判定する。
【0125】
また、前記操作間隔が、前記一連操作データにおけるタイムスタンプD12の時間間隔の平均値および最大値を含む場合に、UI分析部5dは、前記最大値と前記平均値との差に応じて前記第1曖昧度を判定してもよい。前記最大値と前記平均値との差は、タイムスタンプD12の時間間隔のばらつきの指標値の一例である。この場合、UI分析部5dは、前記差が小さい場合よりも大きい場合の方が、前記第1曖昧度がより高いと判定する。
【0126】
また、UI分析部5dは、前記躊躇操作回数と予め設定された1つ以上の参照回数とを比較することにより第2曖昧度を判定する。この場合、UI分析部5dは、前記躊躇操作回数が少ない場合よりも多い場合の方が、前記第2曖昧度がより高いと判定する。
【0127】
さらにUI分析部5dは、前記第1曖昧度および前記第2曖昧度のうち高い方を前記曖昧度として選択する。なお、前記第1曖昧度が前記曖昧度であってもよい。同様に、前記第2曖昧度が前記曖昧度であってもよい。
【0128】
本実施形態において、UI分析部5dは、前記ユーザーごとの前記複数の機能それぞれについての前記一連の複数の操作が行われた回数が予め設定された有効下限回数を上回る場合にのみ前記曖昧度を判定する。前記曖昧度の初期値は、不定状態である。
【0129】
なお、操作履歴データD1に含まれる前記ユーザーごとの前記複数の機能それぞれについての前記一連操作データの数が、前記ユーザーごとの前記複数の機能それぞれについての前記一連の複数の操作が行われた回数である。
【0130】
UI分析部5dは、さらに工程S206の処理を実行する。
【0131】
<工程S206>
工程S206において、UI分析部5dは、工程S201から工程S205の処理により得られた結果に基づいて、前記複数の機能それぞれについての個別習熟度を判定する。
【0132】
例えば、UI分析部5dは、3段階から5段階程度の複数段階で前記個別習熟度を判定する。本実施形態において、UI分析部5dは、3段階で前記個別習熟度を判定する。
【0133】
本実施形態において、UI分析部5dは、前記複数の機能各々についての前記操作回数に応じて、前記複数の機能各々についての前記個別習熟度を判定する。
【0134】
具体的には、UI分析部5dは、前記操作回数と予め設定された1つ以上の基準回数とを比較することにより前記個別習熟度を判定する。この場合、UI分析部5dは、前記躊躇操作回数が少ない場合よりも多い場合の方が、前記個別習熟度がより高いと判定する。
【0135】
さらにUI分析部5dは、前記複数の機能各々についての前記操作間隔に応じて、前記複数の機能各々についての前記個別習熟度を補正する。例えば、UI分析部5dは、前記複数の機能各々についての前記第1曖昧度に応じて前記複数の機能各々についての前記個別習熟度を補正する。
【0136】
さらにUI分析部5dは、前記複数の機能各々についての前記躊躇操作回数に応じて、前記複数の機能各々についての前記個別習熟度を補正する。例えば、UI分析部5dは、前記複数の機能各々についての前記第2曖昧度に応じて前記複数の機能各々についての前記個別習熟度を補正する。
【0137】
UI分析部5dは、前記第1曖昧度が高いほど、前記個別習熟度を下げる方向へ補正する。同様に、UI分析部5dは、前記第2曖昧度が高いほど、前記個別習熟度を下げる方向へ補正する。
【0138】
さらにUI分析部5dは、工程S204で導出された前記複数の機能各々についての前記無操作時間に応じて前記個別習熟度を補正する。
【0139】
UI分析部5dは、前記無操作時間が長いほど前記個別習熟度を下げる方向へ補正する。
【0140】
例えば、UI分析部5dは、前記操作間隔、前記躊躇操作回数および前記無操作時間のそれぞれに基づく補正が反映された前記個別習熟度を、前記複数の機能各々についての前記個別習熟度として確定する。
【0141】
また、UI分析部5dは、前記操作間隔に基づく補正量、前記躊躇操作回数に基づく補正量および前記無操作時間に基づく補正量のうち最も大きな補正量のみが反映された前記個別習熟度を、前記複数の機能各々についての前記個別習熟度として確定してもよい。
【0142】
工程S206において、UI分析部5dは、工程S205および工程S206での判定結果を個別習熟度データD2として二次記憶装置6に記録する(図1,7参照)。
【0143】
図7に示されるように、UI分析部5dは、相互に関連付けられた機能コードD14とユーザーコードD11と個別習熟度D21と曖昧度D22とを含む個別習熟度データD2を二次記憶装置6に記録する。
【0144】
曖昧度D22は、工程S205で得られた結果であり、個別習熟度D21は、工程S206で得られた結果である。以上に示されるように、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての前記個別習熟度D21を判定る(工程S201~S206参照)。UI分析部5dは、さらに工程S207の処理を実行する。
【0145】
<工程S207>
工程S207において、UI分析部5dは、前記複数の機能それぞれについての前記個別習熟度を統合することにより、前記ユーザーごとの総合習熟度を判定する。
【0146】
例えば、UI分析部5dは、前記複数の機能それぞれについての前記個別習熟度の最小値、平均値、中央値または最大値を前記総合習熟度として設定する。
【0147】
工程S207において、UI分析部5dは、工程S207での判定結果を総合習熟度データD3として二次記憶装置6に記録する(図1,8参照)。
【0148】
図8に示されるように、UI分析部5dは、相互に関連付けられたユーザーコードD11と総合習熟度D31とを含む総合習熟度データD3を二次記憶装置6に記録する。
【0149】
総合習熟度D31は、工程S207で得られた結果である。UI分析部5dは、さらに工程S208の処理を実行する。
【0150】
<工程S208>
工程S208において、UI分析部5dは、前記複数の機能それぞれについて、工程S205で判定された前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザーの数である曖昧者数をカウントする。
【0151】
さらにUI分析部5dは、前記曖昧者数が予め設定された基準数を超えるか否かに応じて次の処理を判別する。UI分析部5dは、前記曖昧者数が前記基準数を超える場合に工程S209の処理を実行する。
【0152】
以下の説明において、画像処理装置10の前記複数の機能のうち前記曖昧者数が前記基準数を超える機能のことを特定機能と称する。
【0153】
一方、UI分析部5dは、前記曖昧者数が前記基準数を超えない場合に前記習熟度判定処理を終了する。
【0154】
<工程S209>
工程S209において、UI分析部5dは、通信装置4を通じて曖昧者に対応する宛先へ前記特定機能に関するアドバイス情報を送信する。前記曖昧者は、前記曖昧度が前記基準レベルを超えるユーザーである。
【0155】
まず、工程S209の処理の第1例について説明する。前記第1例において、UI分析部5dは、前記複数のガイダンス画面に含まれる前記説明情報から前記特定機能に対応する情報を前記アドバイス情報として抽出する。
【0156】
前記第1例において、UI分析部5dは、前記複数のガイダンス画面に含まれる前記説明情報から抽出された前記アドバイス情報を前記曖昧者に対応する宛先へ送信する。
【0157】
次に、工程S209の処理の第2例について説明する。前記第2例において、UI分析部5dは、個別習熟度データD2に基づいて、前記特定機能についての前記習熟度が予め定められたレベルを超えるユーザーである熟練ユーザーを特定する。
【0158】
さらにUI分析部5dは、操作履歴データD1から前記熟練ユーザーに対応する前記特定機能についての前記一連操作データを抽出する。
【0159】
前記第2例において、UI分析部5dは、抽出された前記一連操作データが表す操作手順の情報を前記アドバイス情報として生成する。この場合、前記アドバイス情報は、前記特定機能についての操作例の情報である。
【0160】
前記第2例において、UI分析部5dは、前記一連操作データに基づき生成された前記アドバイス情報を前記曖昧者に対応する宛先へ送信する。
【0161】
また、UI分析部5dは、前記第1例および前記第2例の両方の前記アドバイス情報を前記曖昧者に対応する宛先へ送信してもよい。
【0162】
一方、UI分析部5dは、工程S209の処理を実行した後、前記習熟度判定処理を終了する。
【0163】
一方、UI制御部5cは、ガイダンス選択画面G2を表示部3bに表示させるときに、1つまたは複数の個別習熟度マークg23および総合習熟度マークg24をガイダンス選択画面G2に含める(図5参照)。
【0164】
UI制御部5cは、個別習熟度データD2および総合習熟度データD3に含まれるユーザーコードD11に基づいて、前記ユーザー認証処理により認証されているユーザーに対応する個別習熟度D21および総合習熟度D31を特定する。
【0165】
個別習熟度マークg23各々は、個別習熟度データD2における個別習熟度D21を表すマークである。図5に示される例では、個別習熟度マークg23各々に含まれる数値が、個別習熟度D21のレベルを表す。
【0166】
個別習熟度マークg23は、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記複数の機能各々についての習熟度の情報の一例である。
【0167】
個別習熟度マークg23各々は、ガイダンス選択画面G2において複数のガイダンス選択アイコンg21のうちの1つに対応する位置に配置される。複数のガイダンス選択アイコンg21は、画像処理装置10の前記複数の機能に対応する。
【0168】
個別習熟度マークg23各々は、対応する機能についての操作が少なくとも1回は行われたことを示すマークでもある。従って、UI制御部5cは、前記複数の機能のうち1回も操作されていない機能に対応する個別習熟度マークg23は表示部3bに表示させない。
【0169】
UI制御部5cは、個別習熟度データD2における機能コードD14に基づいて、個別習熟度マークg23と複数のガイダンス選択アイコンg21との対応関係を判定する。
【0170】
なお、UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面のうちガイダンス選択画面G2以外の特定画面に、前記特定画面に対応する個別習熟度マークg23を含めてもよい。
【0171】
即ち、工程S101において、UI制御部5cは、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記複数の機能各々についての前記習熟度の情報を、前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含める(図5参照)。
【0172】
一方、総合習熟度マークg24は、総合習熟度データD3における総合習熟度D31を表すマークである。図5に示される例では、総合習熟度マークg24に含まれる塗りつぶされた星マークの数が、総合習熟度D31のレベルを表す。
【0173】
総合習熟度マークg24は、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記総合習熟度の情報の一例である。
【0174】
即ち、工程S101において、UI制御部5cは、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記総合習熟度の情報を、前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含める(図5参照)。
【0175】
前記画面出力処理および前記習熟度判定処理が実行されることにより、画像処理装置10の前記複数の機能各々に関する操作についての習熟度の情報が、表示部3bを通じてユーザー各々に提示される。
【0176】
画像処理装置10が採用されることにより、ユーザー各々は、前記複数の機能各々に関する操作についての自身の習熟度を容易に把握することができる。これにより、前記ユーザー各々は、前記ガイダンス機能を利用して画像処理装置10の操作方法を効率的に学習することができる。
【0177】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成および各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0178】
<付記1>
操作を受け付ける操作装置および情報を表示する表示装置を含む画像処理装置におけるユーザーインターフェイスに関する処理を実行するユーザーインターフェイス処理方法であって、
プロセッサーが、ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、前記画像処理装置の複数の機能各々について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む複数の設定画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させる設定画面制御を実行することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々について前記ユーザーごとの前記複数の設定画面に対応する前記操作装置への操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録することと、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての習熟度を判定することと、
前記プロセッサーが、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザー向けに、前記複数の機能各々についての説明情報を提示する複数のガイダンス画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させるガイダンス画面制御を実行することと、を含み、
前記プロセッサーは、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記複数の機能各々についての前記習熟度の情報を前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含める、ユーザーインターフェイス処理方法。
【0179】
<付記2>
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記複数の機能各々についての操作回数を導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記操作回数に応じて前記複数の機能各々についての前記習熟度を判定することと、を含む、前記付記1に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0180】
<付記3>
前記プロセッサーが、前記操作装置への操作が行われた日時を表す操作日時の情報を前記操作履歴情報に含めることと、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の複数の操作に対応する複数の前記操作日時の間隔である操作間隔を前記複数の機能各々について導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記操作間隔に応じて前記複数の機能各々についての前記習熟度を補正することと、を含む、前記付記2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0181】
<付記4>
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記操作間隔に応じて、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての曖昧度を判定することと、
前記複数の機能が、前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザーの数が基準数を超える特定機能を含む場合に、前記プロセッサーが、通信装置を通じて前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザー各々に対応する宛先へ前記特定機能に関するアドバイス情報を送信することと、をさらに含む、前記付記3に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0182】
<付記5>
前記プロセッサーが、前記操作装置への操作が行われた日時を表す操作日時の情報を前記操作履歴情報に含めることと、
前記プロセッサーが、前記操作日時の情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての無操作時間を導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記無操作時間に応じて、前記複数の機能各々についての前記習熟度を補正することと、を含む、前記付記2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0183】
<付記6>
前記複数の設定画面に対応する操作が、前記画像処理装置に実行させる処理の設定の中止または後戻りを指示する躊躇操作を含む場合に、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の設定操作が行われるときに前記躊躇操作が行われた回数である躊躇操作回数を前記複数の機能各々について導出することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記躊躇操作回数に応じて前記複数の機能各々についての前記習熟度を補正する、前記付記2から前記付記5のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0184】
<付記7>
前記プロセッサーが、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての前記躊躇操作回数に応じて、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての曖昧度を判定することと、
前記複数の機能のうちの特定機能について前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザーの数が基準数を超える場合に、前記プロセッサーが、通信装置を通じて前記曖昧度が基準レベルを超える前記ユーザー各々に対応する宛先へ前記特定機能に関するアドバイス情報を送信することと、を含む、前記付記6に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0185】
<付記8>
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々についての前記習熟度を統合した総合習熟度を前記ユーザーごとに判定することと、
前記プロセッサーが、前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーに対応する前記総合習熟度の情報を前記複数のガイダンス画面の少なくとも1つに含めることと、を含む、前記付記1から前記付記7のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0186】
<付記9>
操作を受け付ける操作装置と、
情報を表示する表示装置と、
前記付記1から前記付記8のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法を実現するプロセッサーと、
前記操作装置に対する操作により設定される画像処理を実行する画像処理部と、を備える画像処理装置。
【符号の説明】
【0187】
3 :ユーザーインターフェイス装置
3a :操作装置
3b :表示装置
4 :通信装置
5 :制御装置
6 :二次記憶装置(不揮発性記憶装置)
10 :画像処理装置
51 :CPU(プロセッサー)
G1 :メインメニュー画面
G2 :ガイダンス選択画面
g11 :設定操作アイコン
g12 :ログアウトアイコン
g20 :ヘルプアイコン
g21 :ガイダンス選択アイコン
g22 :ガイダンス終了アイコン
g23 :個別習熟度マーク
g24 :総合習熟度マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8