(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175862
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ユーザーインターフェイス処理方法、画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241212BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20241212BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241212BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241212BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0481
H04N1/00 838
H04N1/00 127A
G03G21/00 388
B41J29/38 801
B41J29/42 F
B41J29/38 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093919
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】宮井 俊也
(72)【発明者】
【氏名】渡部 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋
(72)【発明者】
【氏名】石川 卓
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ43
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2H270KA59
2H270KA60
2H270LA79
2H270NA01
2H270NC08
2H270NC09
2H270NC14
2H270NC20
2H270ND01
2H270ND09
2H270ND14
2H270ND15
2H270ND21
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
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5C062AB02
5C062AB08
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5C062AF06
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5C062AF12
5E555AA28
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5E555BB27
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5E555DD06
5E555EA03
5E555EA06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から装置の管理に有益な情報を特定および提示すること。
【解決手段】プロセッサー51は、複数の機能各々についてユーザーごとの複数の設定画面に対応する操作装置3aへの操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置6に記録する(S103)。前記プロセッサー51は、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての複数の特徴操作状況を特定する(S201~S205)。前記プロセッサー51は、全ユーザーにおける前記複数の機能各々の前記複数の特徴操作状況各々についての分布を表す操作分析情報を生成する(S207)。前記プロセッサー51は、前記操作分析情報を、通信装置4を通じて管理者の宛先へ送信する(S208)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を受け付ける操作装置および情報を表示する表示装置を含む画像処理装置におけるユーザーインターフェイスに関する処理を実行するユーザーインターフェイス処理方法であって、
プロセッサーが、ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、前記画像処理装置の複数の機能各々について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む複数の設定画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させる設定画面制御を実行することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々について前記ユーザーごとの前記複数の設定画面に対応する前記操作装置への操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録することと、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての予め設定された複数の特徴操作状況を特定することと、
前記プロセッサーが、全ユーザーにおける前記複数の機能各々の前記複数の特徴操作状況各々についての分布を表す操作分析情報を生成することと、
前記プロセッサーが、前記操作分析情報を、通信装置を通じて管理者の宛先へ送信することと、を含むユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項2】
前記複数の特徴操作状況は、
前記画像処理装置に実行させる処理における処理条件を予め設定された初期状態から変更する条件変更操作が行われた頻度に関する条件変更状況と、
前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の複数の操作が行われる間に設定の中止または後戻りを指示する躊躇操作が行われた回数が基準回数を上回る躊躇操作多数が発生した頻度に関する躊躇操作状況と、
前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の複数の操作の時間間隔である操作間隔の長さまたはばらつきが基準値を上回る操作間隔不良が発生した頻度に関する操作間隔不良状況と、
前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に対応する対象処理の完了または未了の頻度に関する処理完了状況と、のうちの一部または全部を含む、請求項1に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項3】
前記複数の特徴操作状況が前記条件変更状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記処理条件を同一の条件へ変更する前記条件変更操作の頻度である同一変更頻度を特定することと、
前記プロセッサーが、前記同一変更頻度の情報を前記操作分析情報に含めることと、を含む、請求項2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項4】
前記プロセッサーが、前記同一変更頻度が予め設定された基準頻度を上回る状況である同一変更頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記同一変更頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記同一変更頻度高の情報を前記操作分析情報に含めることと、を含む、請求項3に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項5】
前記同一変更頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記処理条件の前記初期状態を前記同一変更頻度高に対応する条件へ変更する条件変更処理の要否を問い合わせる変更問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記変更問合せ情報に対応する変更指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記条件変更処理を実行することと、を含む、請求項4に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項6】
前記複数の特徴操作状況が前記躊躇操作状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記躊躇操作多数の発生頻度が基準頻度を上回る未熟操作頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記未熟操作頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未熟操作頻度高に対応する特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせるアドバイス送信問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記アドバイス送信問合せ情報に対応するアドバイス指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記アドバイス情報を前記未熟操作頻度高に対応するユーザーの宛先へ前記通信装置を通じて送信することと、を含む、請求項2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項7】
前記複数の特徴操作状況が前記操作間隔不良状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記操作間隔不良の発生頻度が基準頻度を上回る未熟操作頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記未熟操作頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未熟操作頻度高に対応する特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせるアドバイス送信問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記アドバイス送信問合せ情報に対応するアドバイス指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記アドバイス情報を前記未熟操作頻度高に対応するユーザーの宛先へ前記通信装置を通じて送信することと、を含む、請求項2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項8】
前記複数の特徴操作状況が前記処理完了状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記複数の機能各々について前記未了の頻度が基準頻度を上回る状況である未了頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記未了頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記未了頻度高の情報を前記操作分析情報に含めることと、を含む、請求項2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項9】
前記未了頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未了頻度高に対応する特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせるアドバイス送信問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記アドバイス送信問合せ情報に対応するアドバイス指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記アドバイス情報を前記未了頻度高に対応するユーザーの宛先へ前記通信装置を通じて送信することと、を含む、請求項8に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項10】
前記未了頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未了頻度高に対応する特定機能について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作を案内または自動化するアプリケーションプログラムの登録の要否を問い合わせる登録問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記プロセッサーが、前記特定機能についての前記アプリケーションプログラムを生成し、前記アプリケーションプログラムを前記不揮発性記憶装置に記録することと、
前記登録問合せ情報に対応する登録指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の設定画面の一部に、前記特定機能についての前記アプリケーションプログラムを実行することを前記画像処理装置に指示する操作を受け付けるメニュー項目を追加することと、を含む、請求項8に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【請求項11】
操作を受け付ける操作装置と、
情報を表示する表示装置と、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のユーザーインターフェイス処理方法を実現するプロセッサーと、
前記操作装置に対する操作により設定される画像処理を実行する画像処理部と、を備える画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーごとの操作の習熟度を提示可能なユーザーインターフェイス処理方法および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機および複合機などの画像処理装置は、操作装置および表示装置を含むユーザーインターフェイス装置を備える。
【0003】
前記画像処理装置は、複数のガイダンス画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させるガイダンス機能を備える。前記ガイダンス画面各々は、前記画像処理装置の複数の機能各々についての説明情報を提示する画面である。
【0004】
また、前記複合機において、前記ユーザーインターフェイス装置が、ユーザーごとの操作履歴に応じて複数のガイダンス項目の表示の優先度を変更することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像処理装置の管理者は、前記画像処理装置をより多くのユーザーにとって操作し易い状態に調整する役割を担う。前記画像処理装置は、複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から前記管理者に有益な情報を特定して提示できることが望まれる。
【0007】
本発明の目的は、複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から装置の管理に有益な情報を特定および提示できるユーザーインターフェイス処理方法および画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係るユーザーインターフェイス処理方法は、操作を受け付ける操作装置および情報を表示する表示装置を含む画像処理装置におけるユーザーインターフェイスに関する処理を実行する方法である。前記ユーザーインターフェイス処理方法は、プロセッサーが、ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、前記画像処理装置の複数の機能各々について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む複数の設定画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させる設定画面制御を実行することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、前記複数の機能各々について前記ユーザーごとの前記複数の設定画面に対応する前記操作装置への操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての予め設定された複数の特徴操作状況を特定することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、全ユーザーにおける前記複数の機能各々の前記複数の特徴操作状況各々についての分布を表す操作分析情報を生成することを含む。さらに前記ユーザーインターフェイス処理方法は、前記プロセッサーが、前記操作分析情報を、通信装置を通じて管理者の宛先へ送信することを含む。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像処理装置は、前記操作装置と、前記表示装置と、前記ユーザーインターフェイス処理方法を実現する前記プロセッサーと、画像処理部と、を備える。前記画像処理部は、前記操作装置に対する操作により設定される画像処理を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から装置の管理に有益な情報を特定および提示できるユーザーインターフェイス処理方法および画像処理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像処理装置における画面出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像処理装置における操作分析処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像処理装置における補足分析処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像処理装置における指示対応処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る画像処理装置における設定画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る画像処理装置におけるガイダンス画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る画像処理装置における操作履歴データの構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る画像処理装置により送信されたレポートデータにおける第1分析データおよび第1補足データが表示された画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る画像処理装置により送信されたレポートデータにおける第2分析データおよび第2補足データが表示された画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る画像処理装置により送信されたレポートデータにおける第3分析データおよび第3補足データが表示された画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る画像処理装置におけるウィザードが登録された後の設定画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、応用例に係る画像処理装置における補足分析処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、応用例に係る画像処理装置により送信されたレポートデータにおける第3分析データおよび第3補足データが表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像処理装置10の構成]
実施形態に係る画像処理装置10は、画像形成処理、画像読取処理および画像送信処理などの各種の画像処理を実行可能である。例えば、画像処理装置10は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置または複合機などである。
【0014】
図1に示される例において、画像処理装置10は、画像形成装置1、画像読取装置2、ユーザーインターフェイス装置3、制御装置5および二次記憶装置6を備える。さらに画像処理装置10は、通信装置4、カードリーダー71およびUSBインターフェイス72などを備える。なお、USBは登録商標である。
【0015】
画像処理装置10は、ホスト装置8などの他装置とネットワーク80を通じて通信可能である。ネットワーク80は、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどを含む。
【0016】
画像形成装置1は、電子写真方式またはインクジェット方式などの予め定められた方式で前記画像形成処理を実行する。前記画像形成処理は、シート91に画像を形成する処理である。
【0017】
画像形成装置1は、シート91を搬送するシート搬送機構と、シート91上に画像を形成するプリント装置と、を含む。
【0018】
画像読取装置2は、前記画像読取処理を実行する。前記画像読取処理は、原稿92から画像を読み取る処理である。画像読取装置2は、原稿92に光を走査する光走査機構と、原稿92に反射した反射光を受光するイメージセンサーと、を備える。
【0019】
前記イメージセンサーは、読取画像のデータを出力する。前記読取画像は、原稿92から読み取られた画像である。
【0020】
ユーザーインターフェイス装置3は、操作装置3aおよび表示装置3bを含む。操作装置3aは、人の操作を受け付ける装置である。例えば、操作装置3aは、操作ボタンおよびタッチパネルなどを含む。表示装置3bは、情報を表示可能である。例えば、表示装置3bは、液晶パネルなどの表示パネルを含む。
【0021】
通信装置4は、ネットワーク80を通じてホスト装置8などの他装置との間で通信を行う通信インターフェイスデバイスである。制御装置5は、前記他装置との間のデータの送信および受信の全てを、通信装置4を通じて行う。
【0022】
画像形成装置1は、前記読取画像のデータまたは受信プリントデータに基づく前記画像形成処理を実行する。前記受信プリントデータは、通信装置4を通じてホスト装置8から受信されるプリント要求に含まれるデータである。
【0023】
また、通信装置4は、前記画像送信処理を実行可能である。前記画像送信処理は、前記読取画像のデータを指定された宛先へネットワーク80を通じて送信する処理である。
【0024】
カードリーダー71は、ユーザーのIDカードから認証データを読み取る。例えば、前記IDカードは、前記認証データを記憶する非接触ICカードである。前記非接触ICカードは、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグが埋め込まれたカードである。
【0025】
USBインターフェイス72は、USBメモリーなどのUSBデバイス72xを接続可能なインターフェイスである。画像読取装置2により得られる画像データを前記USBメモリーに記録する処理も画像処理装置10が実行可能な前記画像処理の一例である。さらに、前記USBメモリーに記憶された画像データに基づく前記画像形成処理も、前記画像処理の一例である。
【0026】
制御装置5は、各種の演算、データ処理および画像処理装置10が備える各種の電気機器の制御を実行する。制御装置5は、CPU51およびRAM(Random Access Memory)52などを含む。
【0027】
二次記憶装置6は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置6は、コンピュータープログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、SSD(Solid State Drive)およびハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置6として採用される。
【0028】
二次記憶装置6は、CPU51によって実行される前記コンピュータープログラムおよびCPU51によって参照されるデータを記憶している。CPU51は、プロセッサーの一例である。
【0029】
CPU51は、二次記憶装置6に記憶された前記コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。
【0030】
なお、DSPなどの他のプロセッサーが、CPU51の代わりに前記データ処理および制御を実行することも考えられる。
【0031】
RAM52は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM52は、CPU51が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU51が前記コンピュータープログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0032】
CPU51は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。CPU51における複数の処理モジュールは、認証部5a、ジョブ制御部5bおよびUI制御部5cなどを含む。
【0033】
認証部5aは、ユーザー認証処理を実行する。認証部5aは、前記ユーザー認証処理において、入力認証データと二次記憶装置6に記憶された登録ユーザーデータD0とを照合する(
図1参照)。前記入力認証データは、カードリーダー71または通信装置4を通じて入力される認証データである。登録ユーザーデータD0は、ユーザーの認証データを含む。
【0034】
認証部5aは、前記ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、操作装置3aまたは通信装置4を通じて入力される要求に対応する画像処理の実行を許容する。
【0035】
ジョブ制御部5bは、前記ユーザー認証処理が成功していることを条件に、ジョブ制御を実行する。前記ジョブ制御は、操作装置3aまたは通信装置4を通じて入力される要求に対応する前記画像処理を画像処理装置10の各機器に実行させる処理である。
【0036】
ジョブ制御部5bは、画像形成装置1、画像読取装置2および通信装置4を制御する。ジョブ制御部5bは、要求される前記画像処理を、画像形成装置1、画像読取装置2および通信装置4の一部または全部に実行させる。
【0037】
画像形成装置1、画像読取装置2および通信装置4は、操作装置3aに対する操作により設定される前記画像処理を実行可能な画像処理部の一例である。本実施形態において、前記画像処理は、前記画像形成処理、前記画像読取処理および前記画像送信処理を含む。
【0038】
UI制御部5cは、前記ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに画面制御を実行する。UI制御部5cは、前記画面制御において、複数の候補画面から操作装置3aへの操作に応じて対象画面を選択し、選択された前記対象画面を表示装置3bに表示させる。
【0039】
前記複数の候補画面は、複数の設定画面を含む。前記複数の設定画面は、画像処理装置10の複数の機能各々について画像処理装置10に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む。
【0040】
例えば、前記設定画面各々は、画像形成機能、コピー機能、画像送信機能またはファクシミリ送信機能などの各種の機能について、画像処理装置10に実行させる処理の種類、条件または開始を設定する操作に対応する1つ以上の操作アイコンを含む。
【0041】
前記複数の候補画面は、複数のガイダンス画面をさらに含む。前記複数のガイダンス画面は、画像処理装置10の複数の機能各々についての説明情報を提示する画面である。UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面から操作装置3aへの操作に応じて選択される画面を表示装置3bに表示させるガイダンス機能を実現する。
【0042】
ところで、画像処理装置10の管理者は、画像処理装置10をより多くのユーザーにとって操作し易い状態に調整する役割を担う。画像処理装置10は、複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から前記管理者に有益な情報を特定して提示できることが望まれる。
【0043】
画像処理装置10は、複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から装置の管理に有益な情報を特定および提示できる機能を有する。以下、その機能について説明する。
【0044】
本実施形態において、CPU51における前記複数の処理モジュールは、UI分析部5dをさらに含む(
図1参照)。以下、UI制御部5cおよびUI分析部5dによるユーザーインターフェイス処理について説明する。
【0045】
本実施形態において、前記ユーザーインターフェイス処理は、画面出力処理および操作分析処理を含む。前記画面出力処理は、表示装置3bにおける画面出力を制御する処理である。
【0046】
前記操作分析処理は、画像処理装置10の前記複数の機能についての全ユーザーの操作の状況を分析し、分析結果の情報を含むレポートデータR1を前記管理者の宛先へ送信する処理である(
図3参照)。
【0047】
前記ユーザーインターフェイス処理は、ユーザーインターフェイス処理方法を実現する処理の一例である。前記ユーザーインターフェイス処理を実行するCPU51は、前記ユーザーインターフェイス処理方法を実現するプロセッサーの一例である。前記ユーザーインターフェイス処理方法は、ユーザーインターフェイスに関する処理を実行する方法である。
【0048】
[画面出力処理]
以下、
図2に示されるフローチャートを参照しつつ、前記画面出力処理の手順の一例について説明する。
【0049】
UI制御部5cは、認証部5aによる前記ユーザー認証処理が成功したときに、前記画面出力処理を実行する。即ち、UI制御部5cは、前記ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに前記画面出力処理を実行する。
【0050】
以下の説明において、S101,S102,…は、前記画面出力処理における複数の工程の識別符号を表す。前記画面出力処理において、まずは工程S101の処理が実行される。
【0051】
<工程S101>
工程S101において、UI制御部5cは、前記複数の設定画面から対象設定画面を選択し、選択された前記対象設定画面を表示装置3bに表示させる。
【0052】
図3は、前記複数の設定画面のうちの1つであるメインメニュー画面G1の一例である。メインメニュー画面G1は、前記複数の設定画面のうち前記ユーザー認証処理の終了後に最初に選択される画面である。
【0053】
メインメニュー画面G1は、複数の設定操作アイコンg11と、ログアウトアイコンg12と、ヘルプアイコンg20と、を含む。
【0054】
複数の設定操作アイコンg11は、それぞれ画像処理装置10に実行させる処理の種類、条件または開始を設定する操作アイコンである。メインメニュー画面G1における複数の設定操作アイコンg11は、画像処理装置10に実行させる前記画像処理の種類を設定する操作に対応している。
【0055】
なお、前記複数の設定画面の一部は、複数の設定操作アイコンg11の一例である手入力アイコンを含む(不図示)。前記手入力アイコンは、画像処理装置10に実行させる処理の条件を指定する数値または文字を入力する操作に対応するアイコンである。
【0056】
本実施形態において、画像処理装置10に実行させる前記画像処理の種類を設定することは、画像処理装置10の前記複数の機能のうちの1つを選択することである。
【0057】
ログアウトアイコンg12は、ユーザーが認証された状態であるログイン状態を解消する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0058】
なお、ログアウトアイコンg12は、前記複数の設定画面のうちメインメニュー画面G1以外の一部または全部に含まれてもよい。また、ログアウトアイコンg12は、前記複数のガイダンス画面の一部または全部に含まれてもよい。
【0059】
前記複数のガイダンス画面は、ガイダンス選択画面G2と不図示の複数の個別ガイダンス画面とを含む。ヘルプアイコンg20は、ガイダンス選択画面G2を表示装置3bに表示させることを要求する操作を受け付ける操作アイコンである(
図6参照)。
【0060】
ガイダンス選択画面G2は、複数のガイダンス選択アイコンg21およびガイダンス終了アイコンg22を含む。
【0061】
複数のガイダンス選択アイコンg21は、前記複数の個別ガイダンス画面に対応している。前記複数の個別ガイダンス画面は、それぞれ前記複数の設定画面に対応する操作方法を説明する情報を含む画面である。
【0062】
複数のガイダンス選択アイコンg21は、前記複数の個別ガイダンス画面のうち表示装置3bに表示させる対象ガイダンス画面を選択する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0063】
ガイダンス終了アイコンg22は、前記複数のガイダンス画面のいずれかを表示装置3bに表示させる処理の終了を指示する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0064】
UI制御部5cは、工程S101の処理を実行した後、工程S102の処理を実行する。
【0065】
<工程S102>
工程S102において、UI制御部5cは、操作装置3aに対する操作の状況を確認する。さらにUI制御部5cは、操作装置3aに対する操作の状況に応じて次に実行する処理を選択する。
【0066】
前記複数の設定画面のうちの1つが表示装置3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、前記対象設定画面における複数の設定操作アイコンg11のいずれかに対応する設定操作が操作装置3aに行われた場合に工程S103の処理を実行する。
【0067】
また、メインメニュー画面G1が表示装置3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、ヘルプアイコンg20に対応する操作が操作装置3aに行われた場合に工程S104の処理を実行する。
【0068】
また、ガイダンス選択画面G2が表示装置3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、複数のガイダンス選択アイコンg21のいずれかに対応するガイダンス選択操作が操作装置3aに行われた場合にも工程S104の処理を実行する。
【0069】
また、前記複数のガイダンス画面のうちの1つが表示装置3bに表示されている状況下において、UI制御部5cは、ガイダンス終了アイコンg22に対応する操作が操作装置3aに行われた場合に工程S101の処理を実行する。
【0070】
例えば、ガイダンス終了アイコンg22に対応する操作が操作装置3aに行われた場合、UI制御部5cは、工程S101において、メインメニュー画面G1を表示装置3bに表示させる。
【0071】
また、UI制御部5cは、ログアウトアイコンg12に対応する操作が操作装置3aに行われた場合に前記画面出力処理を終了する。
【0072】
また、UI制御部5cは、表示装置3bに表示されている画面に対応する操作が操作装置3aに行われていない場合に、工程S105の処理を実行する。
【0073】
<工程S103>
工程S103において、UI制御部5cは、工程S102で確認された前記設定操作の履歴を表す操作履歴データD1を二次記憶装置6に記録する(
図1,8参照)。
【0074】
工程S102で確認された前記設定操作は、前記複数の設定画面に対応する複数の単位操作の1つである。
【0075】
例えば、UI制御部5cは、ユーザーコードD11と、タイムスタンプD12と、操作コードD13と、機能コードD14と、を操作履歴データD1に含める(
図8参照)。
【0076】
ユーザーコードD11は、前記ユーザー認証処理により認証されているユーザーを識別するデータである。換言すれば、ユーザーコードD11は、ログイン中のユーザーの識別子である。例えば、前記ユーザー認証処理に用いられるユーザーIDなどがユーザーコードD11として記録される。
【0077】
タイムスタンプD12は、前記設定操作が操作装置3aに行われた日時を表すデータである。本実施形態において、タイムスタンプD12は、年月日のデータおよび時刻のデータを含む。
【0078】
操作コードD13は、工程S102で確認された前記設定操作を識別するデータである。操作コードD13は、前記複数の設定画面における複数の設定操作アイコンg11のうちのいずれがユーザーによって操作されたのかを表す。
【0079】
機能コードD14は、画像処理装置10の複数の画像処理機能のうち工程S102で確認された前記設定操作に対応する対象機能を識別するデータである。
【0080】
例えば、機能コードD14は、前記画像形成機能、前記コピー機能、前記画像送信機能または前記ファクシミリ送信機能などを識別するコードである。
【0081】
本実施形態において、前記画像形成機能、前記コピー機能、前記画像送信機能および前記ファクシミリ送信機能の各々は、画像データの入力元の違いなどに応じてさらに詳細な機能に分類されている。
【0082】
前記複数の設定画面における複数の設定操作アイコンg11は、それぞれ操作コードD13および機能コードD14に予め対応付けられている。
【0083】
UI制御部5cは、工程S103の処理を実行した後に工程S101の処理を実行する。工程S103を経た工程S101において、UI制御部5cは、工程S102で確認された前記設定操作に対応する新たな前記対象設定画面を表示装置3bに表示させる。
【0084】
工程S101および工程S102の処理は、前記複数の設定画面から操作装置3aへの操作に応じて選択される画面を表示装置3bに表示させる設定画面制御の一例である。
【0085】
そして、新たな前記対象設定画面が表示装置3bに表示された状況下において、工程S102の処理が再び実行される。
【0086】
前記設定操作が操作装置3aに行われるごとに工程S103の処理が実行される。これにより、前記複数の設定画面に対応する操作装置3aへの操作の履歴を表す操作履歴データD1が二次記憶装置6に記録される。
【0087】
操作履歴データD1は、ユーザーコードD11および機能コードD14を含むことにより、画像処理装置10の前記複数の機能各々についての前記ユーザーごとの操作の履歴を表す。
【0088】
<工程S104>
工程S104において、UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面のうち工程S102で確認された操作に対応する前記対象ガイダンス画面を選択し、選択された前記対象ガイダンス画面を表示装置3bに表示させる。
【0089】
工程S102で確認された操作がヘルプ操作である場合、UI制御部5cは、ガイダンス選択画面G2を表示装置3bに表示させる。前記ヘルプ操作は、メインメニュー画面G1におけるヘルプアイコンg20に対応する操作である(
図6参照)。
【0090】
一方、工程S102で確認された操作が前記ガイダンス選択操作である場合、UI制御部5cは、前記複数のガイダンス画面のうち、前記ガイダンス選択操作に対応する1つを表示装置3bに表示させる。前記ガイダンス選択操作は、ガイダンス選択画面G2における複数のガイダンス選択アイコンg21のいずれかに対応する操作である(
図5参照)。
【0091】
工程S102および工程S104の処理は、前記複数のガイダンス画面から操作装置3aへの操作に応じて選択される画面を表示装置3bに表示させるガイダンス画面制御の一例である。
【0092】
<工程S105>
工程S105において、UI制御部5cは、予め定められたログアウト条件が成立するか否かを判定する。
【0093】
例えば、前記ログアウト条件は、操作装置3aへの操作が無い状態の継続時間が予め設定された第1設定時間を超えたという条件である。
【0094】
画像処理装置10が人感センサーを備える場合、前記ログアウト条件が、前記人感センサーによって人が検出されない状態の継続時間が予め設定された第2設定時間を超えたという条件であってもよい。
【0095】
前記人感センサーは、画像処理装置10の前に存在する人を検知する。例えば、赤外線センサーが、前記人感センサーとして採用される。
【0096】
UI制御部5cは、前記ログアウト条件が成立していないと判定する場合、工程S102からの処理を繰り返す。
【0097】
一方、UI制御部5cは、前記ログアウト条件が成立したと判定する場合、前記画面出力処理を終了する。
【0098】
工程S103は、CPU51が、画像処理装置10の前記複数の機能各々について前記ユーザー認証処理により認証された前記ユーザーごとの前記操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録する工程の一例である。
【0099】
前記操作履歴情報は、前記複数の設定画面に対応する操作装置3aへの操作の履歴を表す。操作履歴データD1は、前記操作履歴情報の一例である。
【0100】
工程S103は、CPU51が前記操作日時の情報を前記操作履歴情報に含める工程の一例でもある。タイムスタンプD12は、前記操作日時の情報の一例である。
【0101】
[操作分析処理]
次に、
図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記操作分析処理の手順の一例について説明する。
【0102】
例えば、UI分析部5dは、画像処理装置10が操作装置3aへの操作に応じた前記画像処理を実行するごとに前記操作分析処理を実行する。また、UI分析部5dは、前記管理者のホスト装置8から通信装置4を通じて分析要求を受信したときに前記操作分析処理を実行してもよい。
【0103】
UI分析部5dは、前記操作分析処理を実行することにより、レポートデータR1を生成し、レポートデータR1を前記管理者の宛先へ送信する(
図3参照)。UI分析部5dは、操作分析データR2をレポートデータR1に含める。
【0104】
さらにUI分析部5dは、分析結果に応じて第1補足データR3、第2補足データR4および第3補足データR5のうちの1つまたは複数をレポートデータR1に含める場合もある。
【0105】
例えば、UI分析部5dは、前記操作分析処理において、第1分析データR21、第2分析データR22および第3分析データR23を操作分析データR2に含める(
図9~11参照)。
【0106】
図9は、前記管理者のホスト装置8において、第1分析データR21および第1補足データR3が表示された画面の一例を示す。
図10は、前記管理者のホスト装置8において、第2分析データR22および第2補足データR4が表示された画面の一例を示す。
図11は、前記管理者のホスト装置8において、第3分析データR23および第3補足データR5が表示された画面の一例を示す。
【0107】
以下の説明において、S201,S202,…は、前記操作分析処理における複数の工程の識別符号を表す。前記操作分析処理において、まずは工程S201の処理が実行される。
【0108】
<工程S201>
工程S201において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての条件変更操作の状況を分析し、分析結果を含む第1分析データR21を生成する(
図9参照)。
【0109】
前記条件変更操作は、画像処理装置10に実行させる処理における処理条件を予め設定された初期状態から変更する操作である。工程S201において、UI分析部5dは、前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての前記条件変更操作が行われた頻度を条件変更頻度として特定する(
図9参照)。
【0110】
以下の説明において、画像処理装置10に実行させる1つの処理を設定するための一連の複数の操作のことを一連操作郡と称する。
【0111】
前記一連操作郡は、ユーザーコードD11、タイムスタンプD12、操作コードD13および機能コードD14によって特定される。UI分析部5dは、操作履歴データD1から前記一連操作郡に対応する一連操作データを抽出する。
【0112】
本実施形態において、前記複数の機能それぞれに対応する一連操作マスターデータが予め登録されている。前記一連操作マスターデータは、前記一連の複数の操作のうちの開始操作および最終操作を表す。
【0113】
UI分析部5dは、操作履歴データD1から、ユーザーコードD11および機能コードD14が共通し、タイムスタンプD12が連続する機能別連続データを抽出する。
【0114】
さらにUI分析部5dは、タイムスタンプD12の順に並ぶ前記機能別連続データの中から、前記開始操作を表す操作コードD13を含むデータから前記終了操作を表す操作コードD13に対応するデータまでを、前記一連操作データとして抽出する。
【0115】
例えば、UI分析部5dは、画像処理装置10の前記複数の機能それぞれについて、前記一連操作郡の全数に対する前記条件変更操作の回数の比率を前記条件変更頻度として特定する。
【0116】
或いは、UI分析部5dは、画像処理装置10の前記複数の機能それぞれについて、前記条件変更操作の回数を前記条件変更頻度として特定してもよい。
【0117】
本実施形態において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて、前記処理条件を同一の条件へ変更する前記条件変更操作の頻度である同一変更頻度R211を、前記条件変更頻度として特定する。
【0118】
UI分析部5dは、前記複数の機能それぞれについて前記処理条件の前記初期状態を変更せずに採用する初期条件採用操作の頻度である初期条件採用頻度R212も特定する(
図9参照)。
【0119】
UI分析部5dは、同一変更頻度R211および初期条件採用頻度R212の情報を第1分析データR21に含める(
図9参照)。
【0120】
UI分析部5dは、変更操作分布グラフR210のデータを第1分析データR21に含めてもよい(
図9)。変更操作分布グラフR210は、同一変更頻度R211および初期条件採用頻度R212の分布を表すグラフである。
【0121】
UI分析部5dは、前記条件変更操作または前記初期条件採用操作を行ったユーザーのリストR213を第1分析データR21に含めてもよい(
図9参照)。さらにUI分析部5dは、ユーザーごとの前記条件変更操作および前記初期条件採用操作の回数の情報を第1分析データR21に含めてもよい。
【0122】
UI分析部5dは、さらに工程S202の処理を実行する。
【0123】
<工程S202>
工程S202において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての操作間隔の状況を分析し、分析結果を含む第2分析データR22を生成する。
【0124】
前記操作間隔は、前記一連操作郡に対応する複数の前記操作日時の間隔である。前記操作日時は、タイムスタンプD12によって特定される。
【0125】
例えば、UI分析部5dは、前記一連操作データにおけるタイムスタンプD12の時間間隔の平均値および最大値の一方または両方を前記操作間隔として導出する。
【0126】
本実施形態において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて操作間隔不良の頻度である操作間隔不良頻度R221を特定する(
図10参照)。操作間隔不良頻度R221は、前記前記一連操作郡における前記操作間隔の長さまたはばらつきが基準値を上回る状況である。
【0127】
例えば、UI分析部5dは、前記一連操作データにおけるタイムスタンプD12の時間間隔の平均値または最大値を前記操作間隔の長さとして特定する。或いは、UI分析部5dは、前記最大値と前記平均値との差を前記操作間隔のばらつきとして特定する。
【0128】
UI分析部5dは、画像処理装置10の前記複数の機能それぞれについて、前記一連操作郡の全数に対する前記操作間隔不良の回数の比率を操作間隔不良頻度R221として特定する。
【0129】
或いは、UI分析部5dは、前記操作間隔不良の回数を操作間隔不良頻度R221として特定してもよい。UI分析部5dは、操作間隔不良頻度R221の情報を第2分析データR22に含める。
【0130】
UI分析部5dは、前記操作間隔不良が生じたユーザーのリストR222を第2分析データR22に含めてもよい(
図10参照)。さらにUI分析部5dは、前記ユーザーごとの前記操作間隔不良の発生回数の情報を前記第2分析データに含めてもよい。
【0131】
UI分析部5dは、さらに工程S203の処理を実行する。
【0132】
<工程S203>
工程S203において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての躊躇操作の状況を分析し、分析結果を表すデータを第2分析データR22に含める。
【0133】
前記複数の設定画面の少なくとも一部は、中止アイコンおよび戻るアイコンの一方または両方を含む。前記中止アイコンは、画像処理装置10に実行させる処理の設定の中止を指示する操作を受け付ける操作アイコンである。前記戻るアイコンは、画像処理装置10に実行させる処理の設定の後戻りを指示する操作を受け付ける操作アイコンである。
【0134】
前記躊躇操作は、前記中止アイコンおよび前記戻るアイコンの一方または両方に対応する操作である。即ち、前記複数の設定画面に対応する操作は、前記躊躇操作を含む。
【0135】
UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記一連操作郡ごとの前記躊躇操作の回数を特定する。UI分析部5dは、操作履歴データD1から抽出された前記一連操作データに含まれる前記躊躇操作を表す操作コードD13の数をカウントすることにより前記躊躇操作回数を導出する。
【0136】
ここで、前記躊躇操作回数が基準回数を上回る状況のことを躊躇操作多数と称する。UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて、前記躊躇操作多数が発生した頻度である躊躇操作多数頻度R223を特定する。
【0137】
UI分析部5dは、画像処理装置10の前記複数の機能それぞれについて、前記一連操作郡の全数に対する前記躊躇操作多数の回数の比率を躊躇操作多数頻度R223として特定する。
【0138】
或いは、UI分析部5dは、前記躊躇操作多数の回数を躊躇操作多数頻度R223として特定してもよい。UI分析部5dは、躊躇操作多数頻度R223の情報を第2分析データR22に含める。
【0139】
UI分析部5dは、前記躊躇操作多数が生じたユーザーのリストR224を第2分析データR22に含めてもよい(
図10参照)。さらにUI分析部5dは、前記ユーザーごとの前記躊躇操作多数の発生回数の情報を第2分析データR22に含めてもよい。
【0140】
UI分析部5dは、さらに工程S204の処理を実行する。
【0141】
<工程S204>
工程S204において、UI分析部5dは、工程S202およびS203で得られた分析結果に基づいて全ユーザーの操作の習熟状況を分析し、分析結果を前記第2分析データに含める。
【0142】
具体的には、UI分析部5dは、操作間隔不良頻度R221および躊躇操作多数頻度R223を統合した未熟操作頻度R225を特定する(
図10参照)。未熟操作頻度R225は、操作間隔不良頻度R221および躊躇操作多数頻度R223を合計した頻度である。
【0143】
さらにUI分析部5dは、前記操作間隔不良および前記躊躇操作多数のいずれも生じなかった前記前記一連操作郡の頻度である習熟操作頻度R226も特定する(
図10参照)。UI分析部5dは、未熟操作頻度R225および習熟操作頻度R226の情報を第2分析データR22に含める。
【0144】
UI分析部5dは、未熟ユーザーリストR227を第2分析データR22に含めてもよい(
図10参照)。未熟ユーザーリストR227は、前記操作間隔不良または前記躊躇操作多数が生じたユーザーのリストである。
【0145】
さらにUI分析部5dは、習熟ユーザーリストR228を第2分析データR22に含めてもよい。習熟ユーザーリストR228は、前記操作間隔不良および前記躊躇操作多数のいずれも生じなかったユーザーのリストである。
【0146】
さらにUI分析部5dは、前記ユーザーごとの前記操作間隔不良および前記躊躇操作多数の発生回数の情報を第2分析データR22に含めてもよい。さらにUI分析部5dは、習熟ユーザーリストR228に含まれるユーザー各々により行われた前記一連操作群の回数を第2分析データR22に含めてもよい。
【0147】
さらにUI分析部5dは、習熟状況分布グラフR220のデータを第2分析データR22に含めてもよい(
図10)。習熟状況分布グラフR220は、習熟操作頻度R226、未熟操作頻度R225、操作間隔不良頻度R221および躊躇操作多数頻度R223の分布を表すグラフである。
【0148】
UI分析部5dは、さらに工程S205の処理を実行する。
【0149】
<工程S205>
工程S205において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて前記複数の機能各々についての処理完了状況を分析し、分析結果を含む第3分析データR23を生成する。
【0150】
前記処理完了状況は、対象処理の完了または未了の頻度に関する状況である。前記対象処理は、画像処理装置10に実行させる処理を設定する操作に対応する処理である。
【0151】
例えば、前記対象処理の未了は、前記対象処理がエラーにより終了した状況であるエラー終了を含む。また、前記対象処理の未了が、前記中止アイコンに対応する操作によって前記対象処理の設定が中止された状況である処理中止を含んでもよい。
【0152】
本実施形態において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて、処理中止頻度R231およびエラー終了頻度R232を特定する(
図11参照)。処理中止頻度R231は、前記処理中止の頻度である。前記エラー終了頻度R232は、前記エラー終了の頻度である。
【0153】
さらにUI分析部5dは、処理中止頻度R231およびエラー終了頻度R232を統合した処理未了頻度R233を特定する(
図11参照)。処理未了頻度R233は、処理中止頻度R231およびエラー終了頻度R232を合計した頻度である。処理未了頻度R233は、前記対象処理の未了の頻度である。
【0154】
さらにUI分析部5dは、前記対象処理が完了した状況の頻度である処理完了頻度R234も特定する(
図11参照)。処理完了頻度R234は、前記対象処理の完了の頻度である。
【0155】
UI分析部5dは、処理中止頻度R231、エラー終了頻度R232、処理未了頻度R233および処理完了頻度R234の情報を第3分析データR23に含める(
図11参照)。
【0156】
UI分析部5dは、未了ユーザーリストR235を第3分析データR23に含めてもよい(
図11参照)。未了ユーザーリストR235は、前記対象処理の未了が生じたユーザーのリストである。
【0157】
さらにUI分析部5dは、完了ユーザーリストR236を第3分析データR23に含めてもよい。完了ユーザーリストR236は、前記対象処理の未了が生じていないユーザーのリストである。
【0158】
さらにUI分析部5dは、前記ユーザーごとの前記対象処理の未了および完了の回数の情報を第3分析データR23に含めてもよい。
【0159】
さらにUI分析部5dは、完了状況分布グラフR230のデータを第3分析データR23に含めてもよい(
図11)。完了状況分布グラフR230は、処理中止頻度R231、エラー終了頻度R232、処理未了頻度R233および処理完了頻度R234の分布を表すグラフである。
【0160】
UI分析部5dは、さらに工程S206の処理を実行する。
【0161】
<工程S206>
工程S206において、UI分析部5dは、補足分析処理を実行する。前記補足分析処理は、状況に応じてレポートデータR1に含める第1補足データR3、第2補足データR4および第3補足データR5を生成する処理である。
【0162】
前記補足分析処理については後述する。UI分析部5dは、さらに工程S207の処理を実行する。
【0163】
<工程S207>
工程S207において、UI分析部5dは、操作分析データR2を含むレポートデータR1を生成する。操作分析データR2は、第1分析データR21、第2分析データR22および第3分析データR23を含む。
【0164】
さらにUI分析部5dは、第1補足データR3、第2補足データR4および第3補足データR5の一部または全部が前記補足分析処理により生成された場合に、生成されたデータをレポートデータR1に含める。
【0165】
操作分析データR2は、全ユーザーにおける前記複数の機能各々の前記複数の特徴操作状況各々についての分布を表す操作分析情報の一例である。UI分析部5dは、さらに工程S208の処理を実行する。
【0166】
<工程S208>
工程S208において、UI分析部5dは、工程S207で生成されたレポートデータR1を、通信装置4を通じて前記管理者の宛先へ送信する。前記管理者は、前記管理者のホスト装置8においてレポートデータR1の内容を確認することができる(
図9~11参照)。
【0167】
UI分析部5dは、工程S208の処理を実行した後、前記操作分析処理を終了する。なお、工程S208の処理は、操作分析データR2、第1補足データR3、第2補足データR4および第3補足データR5の各々を通信装置4を通じて前記管理者の宛先へ送信する処理の一例である。
【0168】
同一変更頻度R211、初期条件採用頻度R212、操作間隔不良頻度R221、躊躇操作多数頻度R223、未熟操作頻度R225、習熟操作頻度R226、処理中止頻度R231、エラー終了頻度R232、処理未了頻度R233および処理完了頻度R234は、複数の特徴操作状況の一例である。前記複数の特徴操作状況は、前記ユーザーごとの画像処理装置10の前記複数の機能各々についての予め設定された状況である。
【0169】
UI分析部5dによる工程S201~S205の処理は、操作履歴データD1に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての前記複数の特徴操作状況を特定する処理の一例である。
【0170】
[補足分析処理]
次に、
図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記補足分析処理の手順の一例について説明する。
【0171】
以下の説明において、S301,S302,…は、前記補足分析処理における複数の工程の識別符号を表す。前記補足分析処理において、まずは工程S301の処理が実行される。
【0172】
<工程S301>
工程S301において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて同一変更頻度高が発生しているか発生していないかを判別する。前記同一変更頻度高は、同一変更頻度R211が予め設定された基準頻度SV1を上回る状況である。
【0173】
UI分析部5dは、前記同一変更頻度高が発生していると判別した場合に工程S302の処理を実行する。一方、UI分析部5dは、前記同一変更頻度高が発生していないと判別した場合に工程S303の処理を実行する。
【0174】
<工程S302>
工程S302において、UI分析部5dは、変更問合せ情報R30を含む第1補足データR3を生成する(
図9参照)。変更問合せ情報R30は、条件変更処理の要否を前記管理者に問い合わせる内容を有する情報である。
【0175】
前記条件変更処理は、前記処理条件の前記初期状態を前記同一変更頻度高に対応する条件へ変更する処理である。
【0176】
例えば、変更問合せ情報R30は、問合せメッセージR31と、変更指示の操作に対応する1つ以上の変更指示アイコンR32と、を含む(
図9参照)。変更指示アイコンR32は、前記処理条件の変更後の初期状態に対応付けられている。
【0177】
前記管理者のホスト装置8は、変更指示アイコンR32に対する操作を検出したときに、変更問合せ情報R30に対応する変更指示情報を画像処理装置10へ送信する。
【0178】
さらに工程S302において、UI分析部5dは、頻度高マークR214のデータを第1分析データR21に含める(
図9参照)。頻度高マークR214のデータは、前記同一変更頻度高が発生していることを示す情報の一例である。
【0179】
UI分析部5dは、工程S302の処理を実行した後、工程S303の処理を実行する。
【0180】
<工程S303>
工程S303において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて未熟操作頻度高が発生しているか発生していないかを判別する。前記未熟操作頻度高は、未熟操作頻度R225が予め設定された基準頻度SV2を上回る状況である。
【0181】
本実施形態において、前記未熟操作頻度高が発生していると判別される状況は、操作間隔不良頻度R221または躊躇操作多数頻度R223が基準頻度SV2を上回ると判別される状況である。
【0182】
UI分析部5dは、前記未熟操作頻度高が発生していると判別した場合に工程S304の処理を実行する。一方、UI分析部5dは、前記未熟操作頻度高が発生していないと判別した場合に工程S305の処理を実行する。
【0183】
<工程S304>
工程S304において、UI分析部5dは、アドバイス送信問合せ情報R40を含む第2補足データR4を生成する(
図10参照)。
【0184】
アドバイス送信問合せ情報R40は、第1特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせる内容を有する情報である。
【0185】
前記第1特定機能は、画像処理装置10の前記複数の機能のうち前記未熟操作頻度高に対応する機能である。例えば、UI分析部5dは、以下に示される第1アドバイス情報および第2アドバイス情報の一方または両方を、前記アドバイス情報として設定する。
【0186】
UI分析部5dは、前記複数のガイダンス画面に含まれる前記説明情報から前記第1特定機能に対応する情報を前記第1アドバイス情報として設定することができる。
【0187】
一方、UI分析部5dは、操作履歴データD1から前記第1特定機能についての習熟操作頻度R226に対応する前記一連操作データを抽出してもよい。この場合、UI分析部5dは、抽出された前記一連操作データが表す操作手順の情報を前記第2アドバイス情報として生成することができる。前記第2アドバイス情報は、前記第1特定機能についての操作例の情報である。
【0188】
アドバイス送信問合せ情報R40は、問合せメッセージR41と、送信指示の操作に対応する送信指示アイコンR42と、を含む(
図10参照)。
【0189】
前記管理者のホスト装置8は、送信指示アイコンR42に対する操作を検出したときに、アドバイス送信問合せ情報R40に対応するアドバイス指示情報を画像処理装置10へ送信する。
【0190】
さらにUI分析部5dは、前記アドバイス情報と前記アドバイス情報の内容の提示を指示する確認指示の操作に対応する確認アイコンR43とを第2補足データR4に含めてもよい(
図10参照)。
【0191】
前記管理者のホスト装置8は、確認アイコンR43に対応す操作を検出したときに、第2補足データR4に含まれる前記アドバイス情報を提示する画面を表示する。
【0192】
さらに工程S304において、UI分析部5dは、頻度高マークR229のデータを第2分析データR22に含める(
図10参照)。頻度高マークR219のデータは、前記未熟操作頻度高が発生していることを示す情報の一例である。
【0193】
UI分析部5dは、工程S304の処理を実行した後、工程S305の処理を実行する。
【0194】
<工程S305>
工程S305において、UI分析部5dは、操作履歴データD1に基づいて未了頻度高が発生しているか発生していないかを判別する。前記未了頻度高は、処理未了頻度R233が予め設定された基準頻度SV3を上回る状況である。
【0195】
UI分析部5dは、前記未了頻度高が発生していると判別した場合に工程S306の処理を実行する。一方、UI分析部5dは、前記未了頻度高が発生していないと判別した場合に前記補足分析処理を終了する。
【0196】
<工程S306>
工程S306において、UI分析部5dは、第2特定機能についてのウィザードの登録の要否を問い合わせる登録問合せ情報R50を含む第3補足データR5を生成する(
図11参照)。
【0197】
前記第2特定機能は、画像処理装置10の前記複数の機能のうち前記未了頻度高に対応する機能である。前記ウィザードは、画像処理装置10に実行させる処理を設定する操作を案内または自動化するアプリケーションプログラムの一例である。
【0198】
登録問合せ情報R50は、前記第2特定機能についての前記ウィザードを画像処理装置10に登録する処理の要否を問い合わせる内容を有する。
【0199】
例えば、UI分析部5dは、操作履歴データD1から前記第2特定機能についての処理完了頻度R234に対応する前記一連操作データを抽出することができる。この場合、UI分析部5dは、抽出された前記一連操作データが表す操作手順に沿った処理を実行する前記ウィザードを自動生成することができる。
【0200】
登録問合せ情報R50は、問合せメッセージR51と、登録指示の操作に対応する登録指示アイコンR52と、を含む(
図11参照)。
【0201】
前記管理者のホスト装置8は、登録指示アイコンR52に対する操作を検出したときに、登録問合せ情報R50に対応する登録指示情報を画像処理装置10へ送信する。
【0202】
さらにUI分析部5dは、ウィザード説明情報と前記ウィザードの内容の提示を指示する確認指示の操作に対応する確認アイコンR53とを第3補足データR5に含めてもよい(
図11参照)。前記ウィザード説明情報は、前記第2特定機能についての前記ウィザードの内容を説明する情報である。
【0203】
前記管理者のホスト装置8は、確認アイコンR53に対応す操作を検出したときに、第3補足データR5に含まれる前記ウィザード説明情報を提示する画面を表示する。
【0204】
さらに工程S306において、UI分析部5dは、頻度高マークR237のデータを第3分析データR23に含める(
図11参照)。頻度高マークR237のデータは、前記未了頻度高が発生していることを示す情報の一例である。
【0205】
UI分析部5dは、工程S306の処理を実行した後、前記補足分析処理を終了する。
【0206】
[指示対応処理]
次に、
図5に示されるフローチャートを参照しつつ、指示対応処理の手順の一例について説明する。
【0207】
UI分析部5dは、送信されたレポートデータR1に対応する指示情報を前記管理者のホスト装置8から受信したときに前記指示対応処理を実行する。以下、前記管理者のホスト装置8のことを単にホスト装置8と称する。
【0208】
以下の説明において、S401,S402,…は、前記指示対応処理における複数の工程の識別符号を表す。前記指示対応処理において、まずは工程S401の処理が実行される。
【0209】
<工程S401>
工程S401において、UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記変更指示情報であるか否かに応じて次の処理を選択する(工程S302,
図9参照)。
【0210】
UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記変更指示情報である場合に工程S402の処理を実行する。一方、UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記変更指示情報ではない場合に工程S403の処理を実行する。
【0211】
<工程S402>
工程S402において、UI分析部5dは、前記条件変更処理を実行することにより、前記同一変更頻度高に対応する前記処理条件の前記初期状態を変更する。
【0212】
前記条件変更処理が実行されることにより、多くのユーザーにおいて、前記処理条件を設定する操作が簡素化される。
【0213】
UI分析部5dは、工程S402の処理を実行した後、工程S403の処理を実行する。
【0214】
<工程S403>
工程S403において、UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記アドバイス指示情報であるか否かに応じて次の処理を選択する(工程S304,
図10参照)。
【0215】
UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記アドバイス指示情報である場合に工程S404の処理を実行する。一方、UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記アドバイス指示情報ではない場合に工程S405の処理を実行する。
【0216】
<工程S404>
工程S404において、UI分析部5dは、通信装置4を通じて、前記第1特定機能についての前記アドバイス情報を前記未熟操作頻度高に対応するユーザーの宛先へ送信する。
【0217】
前記アドバイス情報が前記未熟操作頻度高に対応するユーザーへ送信されることにより、多くのユーザーにおいて画像処理装置10の操作の習熟度が向上することが期待される。
【0218】
UI分析部5dは、工程S404の処理を実行した後、工程S405の処理を実行する。
【0219】
<工程S405>
工程S405において、UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記登録指示情報であるか否かに応じて次の処理を選択する(工程S306,
図11参照)。
【0220】
UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記登録指示情報である場合に工程S406の処理を実行する。一方、UI分析部5dは、ホスト装置8から受信された指示情報が前記登録指示情報ではない場合に前記指示対応処理を終了する。
【0221】
<工程S406>
工程S406において、UI分析部5dは、前記第2特定機能についての前記ウィザードを画像処理装置10に登録する処理を実行する。
【0222】
具体的には、UI分析部5dは、前記第2特定機能についての前記ウィザードを生成し、生成された前記ウィザードを二次記憶装置6に記録する。UI分析部5dは、
図4の工程S306において前記ウィザードの生成および記録を実行してもよい。
【0223】
さらにUI分析部5dは、前記複数の設定画面の一部に、ウィザード実行指示アイコンg13を追加する(
図12参照)。ウィザード実行指示アイコンg13は、前記第2特定機能についての前記ウィザードを実行することを画像処理装置10に指示する操作を受け付けるメニュー項目の一例である。
【0224】
前記第2特定機能についての前記ウィザードが画像処理装置10に登録されることにより、前記画像処理の未了の頻度が低減することが期待される。
【0225】
UI分析部5dは、工程S406の処理を実行した後、前記指示対応処理を終了する。
【0226】
以上に示されるように、画像処理装置10は、複数のユーザーによる操作状況についての多くの情報から画像処理装置10の管理に有益な情報を特定および提示することができる。
【0227】
[応用例]
次に、
図13,14を参照しつつ、画像処理装置10の応用例について説明する。以下、本応用例における画像処理装置10と異なる点について説明する。
【0228】
本応用例において、UI分析部5dは、例えば
図13に示される手順で前記補足分析処理を実行する。
【0229】
図13に示される前記補足分析処理は、
図4に示される前記補足分析処理の工程S306が工程S307へ置き換えられた手順を有する。
【0230】
UI分析部5dは、前記未熟操作頻度高が発生していると判別された場合に工程S307の処理を実行する。以下、工程S307の処理について説明する。
【0231】
<工程S307>
工程S307において、UI分析部5dは、工程S304と同様に、前記第2特定機能に関するアドバイス送信問合せ情報R54を含む第3補足データR5を生成する。
【0232】
アドバイス送信問合せ情報R54は、前記第2特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせる内容を有する情報である。
【0233】
UI分析部5dは、工程S304の処理と同様に、前記第2特定機能に関する前記アドバイス情報を設定する。
【0234】
アドバイス送信問合せ情報R54は、問合せメッセージR55と、アドバイス送信指示の操作に対応する送信指示アイコンR56と、を含む(
図14参照)。
【0235】
前記管理者のホスト装置8は、送信指示アイコンR56に対する操作を検出したときに、アドバイス送信問合せ情報R54に対応する前記送信指示情報を画像処理装置10へ送信する。
【0236】
さらにUI分析部5dは、前記アドバイス情報と前記アドバイス情報の内容の提示を指示する確認指示の操作に対応する確認アイコンR57とを第3補足データR5に含めてもよい(
図14参照)。
【0237】
前記管理者のホスト装置8は、確認アイコンR57に対応す操作を検出したときに、第3補足データR5に含まれる前記アドバイス情報を提示する画面を表示する。
【0238】
さらに工程S307において、UI分析部5dは、頻度高マークR237のデータを第3分析データR23に含める(
図14参照)。この処理は、工程S306における処理と同様である。
【0239】
本応用例において、UI分析部5dは、工程S307の処理を実行した後、前記補足分析処理を終了する。
【0240】
本応用例において、UI分析部5dは、ホスト装置8からアドバイス送信問合せ情報R54に対応する前記アドバイス指示情報を受信したときに、前記アドバイス情報を送信する処理を実行する。この処理は、
図5の工程S404の処理と同様である。ただし、前記アドバイス情報の送信先は、前記未了頻度高に対応するユーザーの宛先である。
【0241】
本応用例が採用される場合も、画像処理装置10が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0242】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成および各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0243】
<付記1>
操作を受け付ける操作装置および情報を表示する表示装置を含む画像処理装置におけるユーザーインターフェイスに関する処理を実行するユーザーインターフェイス処理方法であって、
プロセッサーが、ユーザー認証処理により認証されたユーザー向けに、前記画像処理装置の複数の機能各々について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に関する情報を含む複数の設定画面から前記操作装置への操作に応じて選択される画面を前記表示装置に表示させる設定画面制御を実行することと、
前記プロセッサーが、前記複数の機能各々について前記ユーザーごとの前記複数の設定画面に対応する前記操作装置への操作の履歴を表す操作履歴情報を不揮発性記憶装置に記録することと、
前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて前記ユーザーごとの前記複数の機能各々についての予め設定された複数の特徴操作状況を特定することと、
前記プロセッサーが、全ユーザーにおける前記複数の機能各々の前記複数の特徴操作状況各々についての分布を表す操作分析情報を生成することと、
前記プロセッサーが、前記操作分析情報を、通信装置を通じて管理者の宛先へ送信することと、を含むユーザーインターフェイス処理方法。
【0244】
<付記2>
前記複数の特徴操作状況は、
前記画像処理装置に実行させる処理における処理条件を予め設定された初期状態から変更する条件変更操作が行われた頻度に関する条件変更状況と、
前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の複数の操作が行われる間に設定の中止または後戻りを指示する躊躇操作が行われた回数が基準回数を上回る躊躇操作多数が発生した頻度に関する躊躇操作状況と、
前記画像処理装置に実行させる1つの処理を設定する一連の複数の操作の時間間隔である操作間隔の長さまたはばらつきが基準値を上回る操作間隔不良が発生した頻度に関する操作間隔不良状況と、
前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作に対応する対象処理の完了または未了の頻度に関する処理完了状況と、のうちの一部または全部を含む、前記付記1に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0245】
<付記3>
前記複数の特徴操作状況が前記条件変更状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記処理条件を同一の条件へ変更する前記条件変更操作の頻度である同一変更頻度を特定することと、
前記プロセッサーが、前記同一変更頻度の情報を前記操作分析情報に含めることと、を含む、前記付記2に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0246】
<付記4>
前記プロセッサーが、前記同一変更頻度が予め設定された基準頻度を上回る状況である同一変更頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記同一変更頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記同一変更頻度高の情報を前記操作分析情報に含めることと、を含む、前記付記3に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0247】
<付記5>
前記同一変更頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記処理条件の前記初期状態を前記同一変更頻度高に対応する条件へ変更する条件変更処理の要否を問い合わせる変更問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記変更問合せ情報に対応する変更指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記条件変更処理を実行することと、を含む、前記付記4に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0248】
<付記6>
前記複数の特徴操作状況が前記躊躇操作状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記躊躇操作多数の発生頻度が基準頻度を上回る未熟操作頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記未熟操作頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未熟操作頻度高に対応する特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせるアドバイス送信問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記アドバイス送信問合せ情報に対応するアドバイス指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記アドバイス情報を前記未熟操作頻度高に対応するユーザーの宛先へ前記通信装置を通じて送信することと、を含む、前記付記2から前記付記5のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0249】
<付記7>
前記複数の特徴操作状況が前記操作間隔不良状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記操作間隔不良の発生頻度が基準頻度を上回る未熟操作頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記未熟操作頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未熟操作頻度高に対応する特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせるアドバイス送信問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記アドバイス送信問合せ情報に対応するアドバイス指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記アドバイス情報を前記未熟操作頻度高に対応するユーザーの宛先へ前記通信装置を通じて送信することと、を含む、前記付記2から前記付記6のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0250】
<付記8>
前記複数の特徴操作状況が前記処理完了状況を含む場合に、前記プロセッサーが、前記操作履歴情報に基づいて、前記複数の機能各々について前記未了の頻度が基準頻度を上回る状況である未了頻度高が発生しているか発生していないかを判別することと、
前記未了頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記未了頻度高の情報を前記操作分析情報に含めることと、を含む、前記付記2から前記付記7のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0251】
<付記9>
前記未了頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未了頻度高に対応する特定機能に関するアドバイス情報を送信する処理の要否を問い合わせるアドバイス送信問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記アドバイス送信問合せ情報に対応するアドバイス指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記アドバイス情報を前記未了頻度高に対応するユーザーの宛先へ前記通信装置を通じて送信することと、を含む、前記付記8に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0252】
<付記10>
前記未了頻度高が発生していると判別された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の機能のうち前記未了頻度高に対応する特定機能について前記画像処理装置に実行させる処理を設定する操作を案内または自動化するアプリケーションプログラムの登録の要否を問い合わせる登録問合せ情報を、前記通信装置を通じて前記管理者の宛先へ送信することと、
前記プロセッサーが、前記特定機能についての前記アプリケーションプログラムを生成し、前記アプリケーションプログラムを前記不揮発性記憶装置に記録することと、
前記登録問合せ情報に対応する登録指示情報が前記通信装置を通じて受信された場合に、前記プロセッサーが、前記複数の設定画面の一部に、前記特定機能についての前記アプリケーションプログラムを実行することを前記画像処理装置に指示する操作を受け付けるメニュー項目を追加することと、を含む、前記付記8に記載のユーザーインターフェイス処理方法。
【0253】
<付記11>
操作を受け付ける操作装置と、
情報を表示する表示装置と、
前記付記1から前記付記10のいずれか1つに記載のユーザーインターフェイス処理方法を実現するプロセッサーと、
前記操作装置に対する操作により設定される画像処理を実行する画像処理部と、を備える画像処理装置。
【符号の説明】
【0254】
1 :画像形成装置
2 :画像読取装置
3 :ユーザーインターフェイス装置
3a :操作装置
3b :表示装置
4 :通信装置
5 :制御装置
5a :認証部
5b :ジョブ制御部
5c :UI制御部
5d :UI分析部
6 :二次記憶装置
8 :ホスト装置
10 :画像処理装置
51 :CPU
52 :RAM
71 :カードリーダー
72 :USBインターフェイス
72x :USBデバイス
80 :ネットワーク
91 :シート
92 :原稿
D0 :登録ユーザーデータ
D1 :操作履歴データ
G1 :メインメニュー画面
G2 :ガイダンス選択画面