(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175864
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】作業機械、及び作業機械の移動制御システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/24 20060101AFI20241212BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20241212BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20241212BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/20 H
G01S17/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093923
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高 娜
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
5J084
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB01
2D003BA07
2D003BB09
2D003BB11
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D003DC03
2D003FA02
2D015EA02
2D015GA03
2D015GB01
2D015GB02
2D015HA03
2D015HB04
2D015HB05
5J084AA05
5J084AC02
(57)【要約】
【課題】整地路面の損傷を抑制する。
【解決手段】本開示の一態様に係る作業機械は、クローラを有する下部走行体と、前記クローラによる移動を許可するために所定の部材が敷設されている第1領域が示されている地図情報を記憶する記憶部と、当該作業機械の存在する位置を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記位置と前記地図情報とに基づいて、前記所定の部材が敷設されている前記第1領域を前記下部走行体による移動を許可し、前記所定の部材が敷設されていない第2領域を前記下部走行体で移動する場合に警告の出力又は当該第2領域への移動を抑制するように構成されている制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローラを有する下部走行体と、
前記クローラによる移動を許可するために所定の部材が敷設されている第1領域が示されている地図情報を記憶する記憶部と、
当該作業機械の存在する位置を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記位置と前記地図情報とに基づいて、前記所定の部材が敷設されている前記第1領域を前記下部走行体による移動を許可し、前記所定の部材が敷設されていない第2領域を前記下部走行体で移動する場合に警告の出力又は当該第2領域への移動を抑制するように構成されている制御部と、
を備える作業機械。
【請求項2】
前記記憶部に記憶された前記地図情報は、前記クローラで走行が可能な強度を有する金属部材が敷設されている前記第1領域が示されている、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記作業機械の周辺の物体を検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、前記検知部に検知結果に応じて、前記作業機械の周辺に前記所定の部材が敷設されている前記第1領域を推定し、前記第1領域に対する前記作業機械の移動を許可するように構成されている、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
前記制御部は、前記地図情報に基づいて、前記所定の部材が敷設されている前記第1領域を通って所定の位置まで前記作業機械が移動する経路を生成するように構成されている、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項5】
前記制御部は、生成された前記経路に従って前記作業機械が移動するように制御を行うように構成されている、
請求項4に記載の作業機械。
【請求項6】
クローラによる移動を許可するために所定の部材が敷設されている第1領域が示されている地図情報を、作業機械に送信するように構成されている情報処理装置と、
前記クローラを有する下部走行体と、受信した前記地図情報を記憶する記憶部と、前記作業機械の存在する位置を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記位置と前記地図情報とに基づいて、前記所定の部材が敷設されている前記第1領域を前記下部走行体による移動を許可し、前記所定の部材が敷設されていない第2領域を前記下部走行体で移動する場合に警告の出力又は当該第2領域への移動を抑制するように構成されている制御部と、を備える前記作業機械と、
を有する作業機械の移動制御システム。
【請求項7】
周辺の物体を検知する検知部を有するドローンを、さらに備え、
前記情報処理装置は、前記ドローンが有する検知部による検知結果から、前記所定の部材が敷設された前記第1領域を推定し、前記第1領域が示されている前記地図情報を生成するように構成されている、
請求項6に記載の作業機械の移動制御システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記ドローンが有する検知部による検知結果のうち、前記所定の部材の反射率に基づいて前記第1領域を認識するように構成されている、
請求項7に記載の作業機械の移動制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械、及び作業機械の移動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般に使用される作業機械においては、帯状の無限軌道体を長円形状にして車体の左右側部の駆動輪に巻き着け、その長円形状の無限軌道体の下側長辺部位を帯状に接地させて走行する構造を有している、いわゆるクローラを有していることが多い。当該クローラは、不整地面を走行するには適しているが、アスファルト等が敷設された整地路面を走行する場合には、接触痕を残すなど、路面に損傷を与える可能性がある。このため、整地路面を走行する際に、路面の損傷を防止するために様々な技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、特許文献1のような作業機械には路面の損傷を防止するための機構を設けずに、整地路面を走行しないように取り決めることで、路面の損傷を回避する傾向にある。そのため、整地路面を作業機械が走行する場合には、鉄板等の部材を敷設して、当該部材の上を通るようにする場合がある。しかしながら、作業機械からは、どの領域に鉄板等の部材が敷設されているのか把握するのは難しい。このため、例えば、作業機械からは、どの経路を通れば、鉄板等の部材の上を通って目標位置まで到達できるのか把握するのが難しい場合がある。
【0005】
本発明の一態様は、鉄板などの部材が敷設している領域を認識することで、整地路面の損傷を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機械は、クローラを有する下部走行体と、前記クローラによる移動を許可するために所定の部材が敷設されている第1領域が示されている地図情報を記憶する記憶部と、当該作業機械の存在する位置を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記位置と前記地図情報とに基づいて、前記所定の部材が敷設されている前記第1領域を前記下部走行体による移動を許可し、前記所定の部材が敷設されていない第2領域を前記下部走行体で移動する場合に警告の出力又は当該第2領域への移動を抑制するように構成されている制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、整地路面の損傷を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係るショベルの移動制御システムの一例を示す概要図である。
【
図2】第1の実施形態に係るショベルの側面図である。
【
図3】第1の実施形態に係るショベルの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係るショベルの移動制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る地図情報生成部により生成された作業現場の地図情報の一例を示した図である。
【
図6】第1の実施形態に係る領域推定部による、空間認識装置の測定情報のうち、移動が許可されている領域の推定例を示した図である。
【
図7】第1の実施形態に係るショベルの移動制御システムにおける、地図情報をショベルに送信するまでの処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図8】第1の実施形態に係るコントローラにおけるショベルの自律移動の制御を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、
図1を参照して、第1の実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSの概要を説明する。
図1は、第1の実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSの一例を示す概要図である。
【0011】
<ショベルの移動制御システムを構成する機器>
図1に示すように、第1の実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSは、ショベル100と、ドローンDRと、情報処理装置400と、を含んでいる。
【0012】
ショベル100及びドローンDRは無線通信を可能とする。そして、ショベル100及びドローンDRは、無線通信によって通信ネットワークNTと接続する。本実施形態においては、通信ネットワークNTに情報処理装置400が接続されている。これにより、ショベル100及びドローンDRの各々は、情報処理装置400との間で情報の送受信を可能とする。
【0013】
ショベル100、及びドローンDRは、ショベル100が作業を行う作業現場に存在する。ショベル100、及びドローンDRは、作業現場に関する情報を、情報処理装置400に送信できる。これにより、情報処理装置400は、作業現場に関する情報を収集、管理できる。
【0014】
本実施形態に係る作業現場では、作業者が、アスファルト等の整地路面のうち、ショベル100の移動を許可する領域に鉄板を敷設する。そして、ショベル100は、敷設されてある鉄板の上を移動することで、アスファルト等を損傷させることを抑制している。
【0015】
本実施形態では、ショベル100の移動が許可された領域に鉄板を敷設する例について説明するが、当該領域に敷設する部材を鉄板に制限するものではなく、ショベル100がクローラで走行が可能な強度を有する金属部材であればよい。クローラで走行が可能な強度を有する金属部材を敷設することで、整地路面の損傷を抑制できる。また、ショベル100の移動可能な領域が変更された場合には作業者が金属部材を敷設しなおす。このように敷設する部材は繰り返し利用できるので、コストの削減を実現できる。
【0016】
また、ショベル100が敷設された鉄板の上を移動している際、鉄板が敷設された領域が限られているため、目標位置までたどり着けない経路で移動している可能性もある。この場合、目標位置まで移動するために元の道を戻る、又は、鉄板が敷設されていない整地路面等を通って目標位置まで行くことになる。この場合、移動による時間のロス、又は、整地路面が損傷する可能性がある。
【0017】
そこで、本実施形態に係るショベル100は、作業現場のうち、鉄板が敷設された領域が示されている地図情報を記憶する。
【0018】
本実施形態においては、ドローンDRに空間認識装置が設けられている。ドローンDRは、地図情報を生成するために、当該空間認識装置を用いて作業現場を計測し、計測結果を情報処理装置400に送信する。
【0019】
空間認識装置は、作業現場に敷設されている鉄板を検出するためにLIDAR(Light Detection and Ranging)を用いてもよい。LIDARは、例えば、監視範囲内にある100万点以上の点とLIDARとの間の距離を測定する。なお、本実施形態は、LIDARを用いる手法に制限するものではなく、鉄板を検出可能な空間認識装置であればよい。さらに、本実施形態は、色等を検出可能な撮像装置と組み合わせてもよい。他の例としては、ステレオカメラを用いてもよいし、ミリ波レーダなどの測距装置を組み合わせてもよい。
【0020】
本実施形態では、空間認識装置としてLIDARを用いた場合、物体毎に異なる光の反射率に基づいて鉄板であるか否かを識別できる。
【0021】
ショベルの移動制御システムSYSに含まれるドローンDRは、一台であってもよいし、複数台であってもよい。これにより、移動制御システムSYSは、複数台のドローンDRを通じて、情報処理装置400に作業現場に関する情報提供を行ってもよい。
【0022】
なお、本実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSは、作業現場に敷設されている鉄板を検出するための装置を、ドローンDRに制限するものではなく、例えば、作業現場に所定の距離ごとに定点計測装置を設け、当該定点計測装置が、作業現場に敷設されている鉄板を検出してもよい。
【0023】
情報処理装置400は、ドローンDRの計測結果に基づいて、作業現場において鉄板が敷設されている領域を示している地図情報を生成し、生成した地図情報をショベル100に送信する。
【0024】
ショベルの移動制御システムSYSに含まれるショベル100は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。これにより、ショベルの移動制御システムSYSは、ショベル100に対して、作業現場で鉄板が敷設されている領域に関する情報を提供できる。
【0025】
[作業機械の概要]
本実施形態では、作業機械の一例としてショベルを用いる例について説明するが、ショベルに制限するものではない。建設機械、標準機、応用器、林業機械、又は油圧ショベルをベースとした搬送機械に適用してもよい。
【0026】
図2を参照して、本実施形態に係るショベル100の概要について説明する。
図2は、本実施形態に係る作業機械としてのショベル100の側面図である。
【0027】
本実施形態に係るショベル100は、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回自在に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、アタッチメント(作業機)を構成するブーム4、アーム5、及び、バケット6と、キャビン10を備える。
【0028】
下部走行体1は、左右一対のクローラが走行油圧モータ1L,1R(後述する
図2参照)でそれぞれ油圧駆動されることにより、ショベル100を走行させる。つまり、一対の走行油圧モータ1L,1R(走行モータの一例)は、被駆動部としての下部走行体1(クローラ)を駆動する。
【0029】
上部旋回体3は、旋回油圧モータ2A(後述する
図2参照)で駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。つまり、旋回油圧モータ2Aは、被駆動部としての上部旋回体3を駆動する旋回駆動部であり、上部旋回体3の向きを変化させることができる。
【0030】
なお、上部旋回体3は、旋回油圧モータ2Aの代わりに、電動機(以下、「旋回用電動機」)により電気駆動されてもよい。つまり、旋回用電動機は、旋回油圧モータ2Aと同様、非駆動部としての上部旋回体3を駆動する旋回駆動部であり、上部旋回体3の向きを変化させることができる。
【0031】
ブーム4は、上部旋回体3の前部中央に俯仰可能に枢着され、ブーム4の先端には、アーム5が上下回動可能に枢着され、アーム5の先端には、エンドアタッチメントとしてのバケット6が上下回動可能に枢着される。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、それぞれ、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。
【0032】
なお、バケット6は、エンドアタッチメント(作業具)の一例であり、アーム5の先端には、作業内容等に応じて、バケット6の代わりに、土羽打ち可能な他のエンドアタッチメント、例えば、法面用バケット等が取り付けられてもよい。
【0033】
キャビン10は、操作者が搭乗する運転室であり、上部旋回体3の前部左側に搭載される。
【0034】
[ショベルの構成]
次に、
図2に加えて、
図3を参照して、本実施形態に係るショベル100の具体的な構成について説明する。
【0035】
図3は、本実施形態に係るショベル100の構成の一例を概略的に示す図である。
【0036】
なお、
図3において、機械的動力系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系は、それぞれ、二重線、実線、破線、及び点線で示されている。
【0037】
本実施形態に係るショベル100の駆動系は、エンジン11と、レギュレータ13と、メインポンプ14と、コントロールバルブ17を含む。また、本実施形態に係るショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1L,1R、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0038】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、後述するコントローラ30による直接或いは間接的な制御下で、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0039】
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御する。例えば、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じて、メインポンプ14の斜板の角度(傾転角)を調節する。レギュレータ13は、例えば、後述の如く、レギュレータ13L,13Rを含む。
【0040】
メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ラインを通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、上述の如く、コントローラ30による制御下で、レギュレータ13により斜板の傾転角が調節されることでピストンのストローク長が調整され、吐出流量(吐出圧)が制御される。メインポンプ14は、例えば、後述の如く、メインポンプ14L,14Rを含む。
【0041】
コントロールバルブ17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブ17は、制御弁171~176を含む。コントロールバルブ17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できるように構成されている。制御弁171~176は、例えば、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行油圧モータ1L、1R、及び旋回油圧モータ2Aを含む。より具体的には、制御弁171は、左走行油圧モータ1Lに対応し、制御弁172は、右走行油圧モータ1Rに対応し、制御弁173は、旋回油圧モータ2Aに対応する。また、制御弁174は、バケットシリンダ9に対応し、制御弁175は、ブームシリンダ7に対応し、制御弁176は、アームシリンダ8に対応する。
【0042】
パイロットポンプ15は、パイロット圧生成装置の一例であり、パイロットラインを介して油圧制御機器に作動油を供給できるように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロット圧生成装置は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブ17に供給する機能に加え、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給する機能を備えていてもよい。この場合、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。
【0043】
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。
【0044】
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。吐出圧センサ28は、例えば、後述の如く、吐出圧センサ28L,28Rを含む。
【0045】
操作センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。本実施形態では、コントローラ30は、操作センサ29の出力に応じて比例弁31の開口面積を制御する。そして、コントローラ30は、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、原則として、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量に応じた圧力である。このように、操作装置26は、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブ17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できるように構成されている。
【0046】
マシンコントロール用制御弁として機能する比例弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブ17内の制御弁のパイロットポートとを接続する管路に配置され、その管路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、比例弁31は、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、コントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブ17内の制御弁のパイロットポートに供給できる。
【0047】
この構成により、コントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。
【0048】
本実施形態に係るショベル100の制御系は、コントローラ30と、表示装置40と、入力装置42と、音声出力装置43と、記憶装置47と、ブーム角度センサS1と、アーム角度センサS2と、バケット角度センサS3と、機体傾斜センサ(姿勢検出部の一例)S4と、旋回状態センサS5と、空間認識装置S6と、測位装置PSと、通信装置T1を含む。
【0049】
コントローラ30(制御装置の一例)は、例えば、キャビン10内に設けられ、ショベル100の駆動制御を行う。コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、不揮発性の補助記憶装置と、各種入出力インターフェース等を含むマイクロコンピュータを中心に構成される。コントローラ30は、例えば、ROMや不揮発性の補助記憶装置に格納される各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0050】
例えば、コントローラ30は、操作者等の操作等に基づき、目標回転数を設定し、エンジン11を一定回転させる駆動制御を行う。
【0051】
また、例えば、コントローラ30は、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。
【0052】
また、例えば、コントローラ30は、例えば、操作者による操作装置26を通じたショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能に関する制御を行う。また、コントローラ30は、例えば、操作者による操作装置26を通じたショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能に関する制御を行う。つまり、コントローラ30は、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能に関する機能部として、マシンガイダンス部を含んでもよい。
【0053】
なお、コントローラ30の機能の一部は、他のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。即ち、コントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散される態様で実現されてもよい。例えば、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能は、専用のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。
【0054】
表示装置40は、キャビン10内の着座した操作者から視認し易い場所に設けられ、コントローラ30による制御下で、各種情報画像を表示する。表示装置40は、CAN(Controller Area Network)等の車載通信ネットワークを介してコントローラ30に接続されていてもよいし、一対一の専用線を介してコントローラ30に接続されていてもよい。
【0055】
入力装置42は、キャビン10内の着座した操作者から手が届く範囲に設けられ、操作者による各種操作入力を受け付け、操作入力に応じた信号をコントローラ30に出力する。入力装置42は、各種情報画像を表示する表示装置のディスプレイに実装されるタッチパネル、操作装置26のレバー部の先端に設けられるノブスイッチ、表示装置40の周囲に設置されるボタンスイッチ、レバー、トグル、回転ダイヤル等を含む。入力装置42に対する操作内容に対応する信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0056】
音声出力装置43は、例えば、キャビン10内に設けられ、コントローラ30と接続され、コントローラ30による制御下で、音声を出力する。音声出力装置43は、例えば、スピーカやブザー等である。音声出力装置43は、コントローラ30からの音声出力指令に応じて各種情報を音声出力する。
【0057】
記憶装置47は、例えば、キャビン10内に設けられ、コントローラ30による制御下で、各種情報を記憶する。記憶装置47は、例えば、半導体メモリ等の不揮発性記憶媒体である。記憶装置47は、ショベル100の動作中に各種機器が出力する情報を記憶してもよく、ショベル100の動作が開始される前に各種機器を介して取得する情報を記憶してもよい。記憶装置47は、地図情報記憶部47Aを含んでもよい。地図情報記憶部47Aは、例えば、通信装置T1等を介して取得される、又は、入力装置42等を通じて設定される、作業現場の地図情報を記憶している。
【0058】
ブーム角度センサS1は、ブーム4に取り付けられ、ブーム4の上部旋回体3に対する俯仰角度(以下、「ブーム角度」)、例えば、側面視において、上部旋回体3の旋回平面に対してブーム4の両端の支点を結ぶ直線が成す角度を検出する。ブーム角度センサS1は、例えば、ロータリエンコーダ、加速度センサ、6軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)等を含んでよい。また、ブーム角度センサS1は、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、ブーム角度に対応する油圧シリンダ(ブームシリンダ7)のストローク量を検出するシリンダストロークセンサ等を含んでもよい。以下、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3についても同様である。ブーム角度センサS1によるブーム角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0059】
アーム角度センサS2は、アーム5に取り付けられ、アーム5のブーム4に対する回動角度(以下、「アーム角度」)、例えば、側面視において、ブーム4の両端の支点を結ぶ直線に対してアーム5の両端の支点を結ぶ直線が成す角度を検出する。アーム角度センサS2によるアーム角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0060】
バケット角度センサS3は、バケット6に取り付けられ、バケット6のアーム5に対する回動角度(以下、「バケット角度」)、例えば、側面視において、アーム5の両端の支点を結ぶ直線に対してバケット6の支点と先端(爪先)とを結ぶ直線が成す角度を検出する。バケット角度センサS3によるバケット角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0061】
機体傾斜センサ(姿勢検出部の一例)S4は、水平面に対する機体(上部旋回体3或いは下部走行体1)の傾斜状態を検出する。機体傾斜センサS4は、例えば、上部旋回体3に取り付けられ、ショベル100(即ち、上部旋回体3)の前後方向及び左右方向の2軸回りの傾斜角度(以下、「前後傾斜角」及び「左右傾斜角」)を検出する。機体傾斜センサS4は、例えば、ロータリエンコーダ、加速度センサ、6軸センサ、IMU等を含んでよい。機体傾斜センサS4による傾斜角度(前後傾斜角及び左右傾斜角)に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0062】
旋回状態センサS5は、上部旋回体3の旋回状態に関する検出情報を出力する。旋回状態センサS5は、例えば、上部旋回体3の旋回角速度及び旋回角度を検出する。旋回状態センサS5は、例えば、ジャイロセンサ、レゾルバ、ロータリエンコーダ等を含んでよい。旋回状態センサS5による上部旋回体3の旋回角度や旋回角速度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0063】
空間認識装置(検知部の一例)S6は、ショベル100の周辺の物体を検出する。空間認識装置S6は、ショベル100の前方を計測する空間認識装置S6F、ショベル100の左方を計測する空間認識装置S6L、ショベル100の右方を計測する空間認識装置S6R、及び、ショベル100の後方を計測する空間認識装置S6Bを含む。
【0064】
空間認識装置S6Fは、例えば、キャビン10の屋根等、キャビン10の外部に取り付けられる。また、空間認識装置S6Fは、キャビン10の天井、即ち、キャビン10の内部に取り付けられてもよい。空間認識装置S6Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられ、空間認識装置S6Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられ、空間認識装置S6Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0065】
空間認識装置S6(S6F,S6B,S6L,S6R)は、それぞれ、例えば、LIDARを用いてもよい。また、空間認識装置S6は、ステレオカメラや距離画像カメラ等であってもよい。空間認識装置S6による計測結果は、コントローラ30に取り込まれる。
【0066】
空間認識装置S6は、物体検知装置として機能してもよい。この場合、空間認識装置S6は、ショベル100の周囲に存在する物体を検知してよい。検知対象の物体には、例えば、人、動物、車両、建設機械、建造物、穴等が含まれうる。また、空間認識装置S6は、空間認識装置S6又はショベル100から認識された物体までの距離を算出してもよい。物体検知装置としての空間認識装置S6には、例えば、ステレオカメラ、距離画像センサ等が含まれうる。また、空間認識装置S6は、例えば、超音波センサ、ミリ波レーダ、LIDAR、赤外線センサ等の他の物体検知装置が設けられてもよい。
【0067】
さらに、本実施形態に係る空間認識装置S6は、作業現場に敷設されている鉄板を検知する。鉄板の検知手法は、周知の手法を問わずあらゆる手法を用いてよい。例えば、空間認識装置S6は、物体毎に異なる光の反射率によって鉄板であるか否かを検知すると共に、当該鉄板が敷設されている領域を検知してもよい。
【0068】
ブームシリンダ7にはブームロッド圧センサS7R及びブームボトム圧センサS7Bが取り付けられている。アームシリンダ8にはアームロッド圧センサS8R及びアームボトム圧センサS8Bが取り付けられている。バケットシリンダ9にはバケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bが取り付けられている。ブームロッド圧センサS7R、ブームボトム圧センサS7B、アームロッド圧センサS8R、アームボトム圧センサS8B、バケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bは、集合的に「シリンダ圧センサ」とも称される。
【0069】
ブームロッド圧センサS7Rはブームシリンダ7のロッド側油室の圧力(以下、「ブームロッド圧」とする。)を検出し、ブームボトム圧センサS7Bはブームシリンダ7のボトム側油室の圧力(以下、「ブームボトム圧」とする。)を検出する。アームロッド圧センサS8Rはアームシリンダ8のロッド側油室の圧力(以下、「アームロッド圧」とする。)を検出し、アームボトム圧センサS8Bはアームシリンダ8のボトム側油室の圧力(以下、「アームボトム圧」とする。)を検出する。バケットロッド圧センサS9Rはバケットシリンダ9のロッド側油室の圧力(以下、「バケットロッド圧」とする。)を検出し、バケットボトム圧センサS9Bはバケットシリンダ9のボトム側油室の圧力(以下、「バケットボトム圧」とする。)を検出する。
【0070】
測位装置PSは、ショベル100の上部旋回体3の存在する位置及び向きを検出する。測位装置PSは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)コンパスであり、上部旋回体3の位置及び向きを検出し、上部旋回体3の位置及び向きに対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。また、測位装置PSの機能のうちの上部旋回体3の向きを検出する機能は、上部旋回体3に取り付けられた方位センサにより代替されてもよい。
【0071】
通信装置T1は、基地局を末端とする移動体通信網、衛星通信網、インターネット網等を含む所定のネットワークを通じて外部機器と通信を行う。通信装置T1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや、衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等である。
【0072】
<遠隔操作システムのブロック構成>
図4は、本実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSの構成例を示す機能ブロック図である。
図4に示される例では、移動制御システムSYSに含まれる、ドローンDR、情報処理装置400、及び、ショベル100の各々のブロック構成を示している。
【0073】
[ドローンのブロック構成]
ドローンDRは、通信装置T3と、コントローラD30と、空間認識装置DS6と、測位装置DPSと、を備えている。
【0074】
測位装置DPSは、ドローンDRの位置及び向きを検出する。測位装置DPSは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)コンパスであり、ドローンDRの位置及び向きを検出し、ドローンDRの位置及び向きに対応する検出信号は、コントローラD30に取り込まれる。また、測位装置DPSの機能のうちのドローンDRの向きを検出する機能は、ドローンDRに取り付けられた方位センサにより代替されてもよい。
【0075】
空間認識装置DS6は、ドローンDRの周辺に存在する物体を測定する。空間認識装置DS6は、それぞれ、例えば、LIDARを用いてもよい。空間認識装置DS6による計測結果は、コントローラD30に取り込まれる。
【0076】
本実施形態に係るドローンDRは、作業現場を含む、ショベル100が移動する可能性のある領域について、空間認識装置DS6で測定を行う。これにより、ショベル100が移動する可能性ある領域において、鉄板が敷設された領域を測定できる。
【0077】
ドローンDRの操作は、自動制御であってもよいし、任意の操作者による手動制御であってもよい。つまり、ドローンDRは、当該操作に従って移動した際に、空間認識装置DS6が鉄板が敷設された領域を全て測定できればよい。
【0078】
通信装置T3は、基地局を末端とする移動体通信網、衛星通信網、インターネット網等を含む所定のネットワークを通じて外部機器と通信を行う。通信装置T3は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや、衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等である。
【0079】
コントローラD30が有する機能について説明する。コントローラD30は、
図4に示されるように、機能ブロックとして、取得部D31と、通信制御部D32と、を有し、空間認識装置DS6によって検知された測定情報を、情報処理装置400に送信するための処理を行う。
【0080】
取得部D31は、空間認識装置DS6による測定情報と、測位装置DPSによるドローンDRの位置及び向きに対応する検出信号と、を取得する。
【0081】
通信制御部D32は、通信装置T3を用いて、外部の装置との間で情報の送信及び受信を行う。例えば、通信制御部D32は、通信装置T3を用いて、取得部D31が取得した測定情報と検出信号とを対応付けて、情報処理装置400に送信する。
【0082】
[情報処理装置のブロック構成]
情報処理装置400は、通信装置T2と、コントローラ430と、記憶装置410と、を備えている。
【0083】
通信装置T2は、衛星通信網、インターネット網等を含む所定のネットワークを通じて外部機器と通信を行う。通信装置T2は、例えば、公衆回線に接続可能な通信モジュール等である。
【0084】
記憶装置410は、コントローラ430による制御下で、各種情報を記憶する。記憶装置410は、例えば、半導体メモリ等の不揮発性記憶媒体である。記憶装置410は、地図情報記憶部410Aを含んでもよい。地図情報記憶部410Aは、コントローラ430により生成される作業現場の地図情報を記憶している。地図情報については後述する。
【0085】
コントローラ430が有する機能について説明する。コントローラ430は、
図4に示されるように、機能ブロックとして、通信制御部431と、領域推定部432と、地図情報生成部433と、を有する。
【0086】
通信制御部431は、通信装置T2を用いて、外部の装置との間で情報の送信及び受信を行う。例えば、通信制御部431は、通信装置T2を用いて、ドローンDRから、測定情報と、当該測定情報と対応付けられた検出信号と、を受信する。
【0087】
測定情報は、ドローンDRを基準とした周囲の物体の検知結果を含み、検出信号は、当該ドローンDRの位置及び向きを含んでいる。つまり、コントローラ430は、検出信号で示された位置及び向きを基準とした周囲の物体の検知結果を認識できる。
【0088】
領域推定部432は、受信した測定情報及び検出信号に基づいて、鉄板が敷設された領域を推定する。具体的には、領域推定部432は、測定情報から、物体の形状を表した点群データを抽出し、当該点群データの特徴量(例えば光の反射率)に基づいて、鉄板が敷設された領域を推定する。鉄板は、所定の光の反射率を有する金属部材である。そこで、領域推定部432は、所定の光の反射率であるか否かに基づいて、鉄板が敷設された領域であるか否かを推定する。そして、鉄板が敷設されていると推定された領域は、検出信号で示された位置及び向きによって世界座標系に変換できる。本実施形態においては、ドローンDRによる計測結果に基づいて、鉄板が敷設された領域、換言すれば、ショベル100の移動が許可された領域を特定できる。したがって、鉄板が敷設された領域であるか否かを把握した上でショベル100の移動を制御できるので、ショベル100を目標位置まで迷うことなく移動させることができる。したがって、操作負担の軽減及び利便性の向上を実現できる。
【0089】
なお、本実施形態は、鉄板(敷鉄板)であるか否かの判定手法を、光の反射率に基づいた判定に制限するものではない。例えば、鉄板からの反射光の色で判定してもよいし、鉄板から反射した光の反射スペクトルに基づいて判定してもよい。さらには、鉄板が敷設された路面と、その他の路面(例えば整地路面)と、の高さの違い、換言すれば鉄板の厚みが検出されたか否に基づいて判定してもよい。
【0090】
本実施形態においては、地図情報記憶部410Aに、作業現場の地図情報が予め記憶されていてもよい。当該地図情報には、世界座標系における、ショベル100の作業領域、ショベル100の保管場所、及び、整地路面等に関する情報が含まれている。これにより、領域推定部432は、ショベル100の作業領域、ショベル100の保管場所、及び、整地路面等と、推定された鉄板が敷設された領域と、の対応関係を特定できる。
【0091】
このように予め地図情報を記憶している場合には、領域推定部432は、当該地図情報で示される、ショベル100の作業領域、ショベル100の保管場所、及び、整地路面のうち、ショベル100の移動を許可するために鉄板が敷設された領域を推定できる。
【0092】
地図情報生成部433は、領域推定部432により推定された、鉄板が敷設された領域を、作業現場を表した地図情報に重畳して、ショベル100の移動を許可する領域を示した地図情報を生成し、地図情報記憶部410Aに保存する。
【0093】
図5は、本実施形態に係る地図情報生成部433により生成された作業現場の地図情報の一例を示した図である。
図5で示される例では、整地路面ST1、ST2と、保管場所RSと、領域A1、A2、A3と、作業領域WSと、を含む作業現場が示された地図情報とする。
【0094】
そして、
図5に示される地図情報では、整地路面ST1、ST2のうち、整地路面ST2に鉄板が敷設されている旨が示されている。また、地図情報では、ショベル100の保管場所RSにも鉄板が敷設されている旨が示されている。さらには、地図情報では、作業領域WSのうち、第1作業領域WS1にも鉄板が敷設されている旨が示されている。
【0095】
一方、地図情報では、整地路面ST1、領域A1、A2、A3、及び作業領域WSのうち第2作業領域WS2には、鉄板が敷設されていないことが示されている。
【0096】
つまり、
図5に示される地図情報では、整地路面ST2、保管場所RS、第1作業領域WS1が、鉄板が敷設された領域として示されている。
【0097】
図4に戻り、通信制御部431は、通信装置T2を用いて、地図情報記憶部410Aに保存されている、鉄板が敷設された領域が示された地図情報を、ショベル100に送信する。ショベル100のコントローラ30は、地図情報を受信することで、鉄板が敷設された領域を認識し、当該領域を通るように制御することで、整地路面の損傷を抑制することが可能となる。
【0098】
本実施形態においては、測定情報と検出信号とを取得するドローンDRと、地図情報を生成する情報処理装置400と、を別の構成で実現する場合について説明した。しかしながら本実施形態は、ドローンDRと情報処理装置400とを別構成で実現する手法に制限するものではない。例えば、ドローンDRが情報処理装置400の機能を有してもよい。この場合、ドローンDRが、地図情報を生成し、ショベル100に送信してもよい。
【0099】
[ショベルのブロック構成]
本実施形態に係るショベル100は、移動などの自律制御が可能なショベルであって、記憶装置47に記憶された様々な情報に従って自律制御を行う。例えば、ショベル100は、記憶装置47に記憶されている施工情報に従って作業領域で掘削等を行ってもよい。さらに、ショベル100は、地図情報に従って目標位置(例えば、保管場所RS)までの自律移動を制御してもよい。
【0100】
コントローラ30は、測位装置PSが検出した位置及び向きと、地図情報記憶部47Aに記憶されている地図情報と、に基づいて、鉄板が敷設されている領域(第1領域の一例)を下部走行体1による移動を許可し、鉄板が敷設されていない領域(第2領域の一例)を下部走行体1で移動する場合に警告の出力又は当該鉄板が敷設されていない領域への移動を抑制するように、自律移動を制御する。なお、具体的な自律移動の制御については後述する。
【0101】
ショベル100は、コントローラ30に様々な処理を実行するための構成を実現する。
コントローラ30が有する機能について説明する。コントローラ30は、
図4に示されるように、機能ブロックとして、通信制御部301と、取得部302と、経路生成部303と、移動制御部304と、領域推定部305と、出力部306と、を有する。
【0102】
通信制御部301は、通信装置T1を用いて、外部の装置との間で情報の送信及び受信を行う。例えば、通信制御部301は、通信装置T1を用いて、情報処理装置400から、地図情報を受信する。通信制御部301は、受信した地図情報を地図情報記憶部47Aに保存する。
【0103】
これにより、地図情報記憶部47Aは、下部走行体1のクローラによる移動を許可するために鉄板(所定の部材の一例)が敷設されている領域が示されている地図情報を記憶する。
【0104】
取得部302は、ショベルに設けられている各種センサ(S1~S9、PS、28、29)からの信号を取得する。
【0105】
例えば、取得部302は、空間認識装置S6によりショベル100の周辺を計測した計測情報を取得する。また、取得部302は、測位装置PSからショベル100の現在の位置及び向きを示した検出信号を取得する。
【0106】
さらには、取得部302は、地図情報記憶部47Aに記憶されている地図情報を取得する。
【0107】
経路生成部303は、地図情報に基づいて、ショベル100の現在の位置(測位装置PSが検出した位置及び向き)から、鉄板が敷設されている領域を通って、目標位置(所定の位置の一例)まで移動させるための目標経路を生成する。本実施形態に係る目標経路は、ショベル100の中心位置を、世界座標系の目標位置(例えば、保管場所RSに含まれる任意の位置)まで移動させる経路とする。ショベル100の目標位置は、情報処理装置400等から受信してもよいし、予め定められていてもよい。本実施形態においては、目標経路を生成するので、鉄板を敷設されている領域を通りながらも目標位置まで迷うことなく到達できる。したがって、操作者の操作負担を軽減できる。
【0108】
本実施形態に係る経路生成部303は、地図情報を参照して、鉄板が敷設されている領域、換言すれば、ショベル100の移動が許可されている領域を特定し、移動が許可されている領域を通って、目標経路まで移動させる経路を生成する。
【0109】
例えば、
図5で示される例では、ショベル100が第1作業領域WS1に存在し、保管場所RSまで移動する場合に、経路生成部303は、整地路面ST2を通って、保管場所RSまで移動するための目標経路を生成する。
【0110】
移動制御部304は、生成された目標経路に従って、ショベル100の自律移動を行わせるために、ショベル100の各構成を制御する動作指令を生成し、生成した動作指令を出力する。例えば、移動制御部304は、取得部302が取得したショベル100の現在の位置及び向きに基づいて、経路生成部303が生成した目標経路に従って移動するために、走行油圧モータ1L,1Rの少なくとも一つ以上を自律的に動作させるような動作指令を出力する。本実施形態においては、コントローラ30が、操作者による操作が行われずとも、鉄板が敷設されている領域を通って目標位置までショベル100を移動させることができるので、操作負担を軽減できる。
【0111】
本実施形態では、移動制御部304は、動作指令を出力して、各アクチュエータに対応する制御弁に作用するパイロット圧を個別に且つ自律的に調整することで各アクチュエータを自律的に動作させることができる。これにより、移動制御部304は、下部走行体1による移動に加えて、バケット6、アーム5、及びブーム4による動作、並びに、上部旋回体3の旋回などの様々な動作を制御できる。
【0112】
領域推定部305は、取得部302が取得した空間認識装置S6の測定情報に応じて、ショベル100の周辺に存在する物体の形状を示した点群データに含まれる点データごとの特徴量(高さの値、及び反射強度の値)に基づき、ショベル100で移動が許可されている領域を推定し、当該領域に対するショベル100の移動を許可するように構成されている。
【0113】
つまり、ショベル100が地図情報に従って移動する際に、実際に鉄板が敷設されている領域が地図情報と異なる場合がある。このため、領域推定部305が、目標経路に従ってショベル100が移動する方向に鉄板が敷設されているか否かを、空間認識装置S6の測定情報に基づいて判断する。これにより、地図情報が実際に鉄板の敷設された領域と異なる情報を保持している場合でもショベル100が鉄板が敷設されていない領域を移動することを抑制できる。したがって、整地路面の損傷を抑制できる。
【0114】
図6は、本実施形態に係る領域推定部305による、空間認識装置S6の測定情報のうち、移動が許可されている領域の推定例を示した図である。
図6に示される測定情報は、例えば、空間認識装置S6によるショベル100の前方の計測結果を示している。
【0115】
鉄板が敷設されている整地路面ST2Aは、ショベル100の移動が許可されている領域とする。斜線領域PAは、ショベル100の移動が抑制されている領域とする。斜線領域PAには、例えば、鉄板が敷設されていない整地路面ST1Aが含まれている。
【0116】
そして、領域推定部305は、ショベル100が右折する場合、換言すればショベル100が整地路面ST2Aに沿って移動する場合には、ショベル100が移動する方向に鉄板が敷設されていると判定し、移動制御部304による自律移動制御を継続させる。
【0117】
一方、領域推定部305は、ショベル100が直進する場合、換言すればショベル100が整地路面ST1Aを移動する場合には、ショベル100が移動する方向に鉄板が敷設されていないと判定し、移動制御部304による自律移動制御を停止させる。
【0118】
本実施形態では、上述した制御を行うことで、鉄板が敷設されている領域が、地図情報と異なる場合でも、ショベル100が鉄板が敷設されていない領域を移動することを抑制できる。
【0119】
出力部306は、音声出力装置43、又は表示装置40から情報を出力する。例えば、出力部306は、音声出力装置43から警告等を出力してもよい。
【0120】
<ショベルの移動制御システムにおける処理の流れ>
次に、本実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSにおける、地図情報をショベル100に提供するまでの処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSにおける、地図情報をショベル100に送信するまでの処理の流れを示したシーケンス図である。
【0121】
図7に示されるように、ドローンDRの空間認識装置DS6が、ドローンDRの周辺に存在する物体を測定する(S1701)。そして、取得部302が、空間認識装置DS6から計測情報を取得する。
【0122】
測位装置DPSは、ドローンDRの位置及び向きを検出する(S1702)。そして、取得部302が、測位装置DPSから測定結果を示した検出信号を取得する。
【0123】
ドローンDRの通信制御部D32は、通信装置T3を用いて、計測情報及び検出信号を、情報処理装置400に送信する(S1703)。
【0124】
情報処理装置400の領域推定部432は、受信した測定情報から物体の形状を表した点群データを抽出し、当該点群データの特徴量(例えば光の反射率)を算出する(S1704)。
【0125】
情報処理装置400の領域推定部432は、検出信号で示される位置及び向きを基準とした上で、当該点群データの特徴量(例えば光の反射率)に基づいて、鉄板が敷設された領域を推定する(S1705)。
【0126】
本実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSは、S1701~S1705の処理を、ドローンDRが作業現場全てを計測するまで繰り返し行う。
【0127】
そして、地図情報生成部433は、領域推定部432により推定された、鉄板が敷設された領域を、作業現場を表した地図情報に重畳して、ショベル100の移動を許可する領域を示した地図情報を生成する(S1706)。そして、地図情報生成部433は、生成した地図情報を地図情報記憶部410Aに保存する。
【0128】
通信制御部431は、通信装置T2を用いて、地図情報記憶部410Aに保存されている地図情報を、ショベル100に送信する(S1707)。
【0129】
そして、ショベル100の通信制御部301は、受信した地図情報を、地図情報記憶部47Aに保存する(S1708)。
【0130】
本実施形態に係るショベルの移動制御システムSYSは、上述した制御を行うことで、ショベル100のコントローラ30が、鉄板が敷設されている領域を認識した上で、ショベル100の移動制御を行うことができる。
【0131】
次に、本実施形態に係るコントローラ30におけるショベル100の自律移動の制御について説明する。
図8は、本実施形態に係るコントローラ30におけるショベル100の自律移動の制御を示したフローチャートである。
【0132】
まず、取得部302が、測位装置PSからショベル100の現在の位置及び向きと共に、ショベル100の目標位置を取得する(S1801)。
【0133】
取得部302は、地図情報記憶部47Aから地図情報を取得する(S1802)。
【0134】
経路生成部303は、地図情報を参照して、鉄板が敷設されている領域、換言すれば、ショベル100の移動が許可されている領域を特定し、移動が許可されている領域を通って、目標位置まで移動させる目標経路を生成する(S1803)。
【0135】
移動制御部304は、生成した目標経路に従って移動するために、走行油圧モータ1L,1Rの少なくとも一つ以上を自律的に動作させるような動作指令の出力し、自律移動の制御を開始する(S1804)。
【0136】
そして、移動制御部304は、目標位置まで到達したか否かを判定する(S1805)。目標位置まで到達していないと判定した場合(S1805:NO)、領域推定部305が、空間認識装置S6から測定情報を取得する(S1806)。
【0137】
領域推定部305は、取得部302が取得した空間認識装置S6の測定情報から、ショベル100の周辺に存在する物体の形状を示した点群データに含まれる点データごとの特徴量(高さの値、及び反射強度の値)に基づき、鉄板が敷設された領域を推定する(S1807)。
【0138】
そして、領域推定部305は、目標経路による移動先が鉄板が敷設された領域か否かを判定する(S1808)。移動先が鉄板が敷設された領域と判定した場合(S1808:YES)、再びS1805から処理を行う。
【0139】
一方、領域推定部305は、移動先が鉄板が敷設されていない領域と判定した場合(S1808:NO)、移動制御部304は、動作指令の出力を停止し、自律移動の制御を停止する(S1809)。
【0140】
出力部306は、キャビン10に操作者等が存在する場合には、音声出力装置43から警告等を出力する(S1810)。これにより、操作者は、移動方向に鉄板が敷設されていないことを認識できる。
【0141】
一方、S1805において、移動制御部304は、目標位置まで到達したと判定した場合(S1805:YES)、処理を終了する。
【0142】
本実施形態においては、コントローラ30が、上述した制御を行うことで、ショベル100が鉄板が敷設された領域を通って目標位置まで移動できる。また、目標位置までの間に鉄板が敷設されていない場合には、ショベル100の移動を抑制するので、整地路面の損傷を抑制できる。
【0143】
本実施形態においては、鉄板等の金属部材を、整地路面に敷設する部材として用いる例について説明した。しかしながら、本実施形態は、敷設する部材を金属部材に制限するものではなく、他の材料を用いてもよい。
【0144】
(変形例1)
上述した実施形態においては、鉄板が敷設された領域に限り、ショベル100の移動を許可する例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、鉄板が敷設された領域に限り、ショベル100の移動を許可する例に制限するものではない。つまり、ショベル100は整地路面の損傷を抑制すればよく、例えば、ショベル100の作業領域が地面又は不整地面等の場合には、鉄板が敷設されていなくとも、ショベル100の移動を許可してもよい。
【0145】
そこで、本変形例では、作業領域が地面等の場合には、ショベル100の移動を許可する例について説明する。本変形例では、ショベル100の地図情報記憶部47Aに記憶される地図情報は、鉄板が敷設されていない作業領域に関する情報が含まれている。本実施形態に係るコントローラ30は、当該地図情報を参照して、作業領域に鉄板が敷設されていない場合でも、当該作業領域をショベル100が移動することを許可する。換言すればショベル100が作業領域を移動する場合でも、当該移動の抑制、又は警告の出力等を行わない。これにより、ショベル100は、作業領域においては鉄板が敷設されていなくとも、移動して作業を行うことができる。
【0146】
(変形例2)
上述した実施形態では、ショベル100のコントローラ30が自律移動の制御を行う場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、コントローラ30が自律移動の制御を行う場合に制限するものではない。例えば、コントローラ30の出力部306が、地図情報に基づいて経路生成部303により生成された目標経路を表示装置40に表示してもよい。そして、キャビン10に搭乗している操作者は、表示装置40に表示されている目標経路に沿ってショベル100の移動操作することで、整地路面を損傷させることなく、目標位置まで移動させることができる。
【0147】
また、操作者がショベル100の移動操作を行っている間に、コントローラ30が、地図情報に基づいて、ショベル100が鉄板が敷設されていない領域を移動すると判定した場合に、警告の出力、及び、移動の停止制御のうち1つ以上を行ってもよい。コントローラ30が当該制御を行うことで、操作者が操作している場合に、鉄板が敷設されていない領域をショベル100が移動することを抑制できるので、整地路面の損傷を抑制できる。
【0148】
(変形例3)
変形例2では、キャビン10に搭乗している操作者が、ショベル100を操作する場合について説明した。しかしながら変形例2は、操作者がキャビン10に搭乗している場合に制限するものではない。本変形例では、ショベル100を遠隔操作する場合について説明する。つまり、本変形例は、遠隔操作室からのショベル100に動作指令を送信することで、ショベル100の遠隔操作を行う例とする。
【0149】
本変形例では、情報処理装置400が生成した地図情報を、遠隔操作室に送信する。これにより、遠隔操作室の遠隔コントローラが、表示装置に、地図情報に基づいて生成した目標経路を表示する。そして、遠隔操作室に存在する操作者は、表示されている目標経路に沿ってショベル100を操作することで、整地路面を損傷させることなく、目標位置まで移動させることができる。
【0150】
<作用>
上述した実施形態及び変形例においては、鉄板等の部材が敷設されている領域を通って移動するように制御することで、整地路面の損傷を抑制できる。上述した実施形態及び変形例においては、鉄板等の部材が敷設されている領域が示されている地図情報に従って移動制御を行うことで、目標位置まで迷うことなく、部材が敷設された領域を通ってたどり着くことができる。したがって、整地路面の損傷を抑制した上で、ショベルを目標位置まで容易に移動できるので、操作負担を軽減できる。
【0151】
上述した実施形態及び変形例においては、クローラで走行する作業機械として、ショベルに適用した例について説明した。しかしながら、上述した実施形態及び変形例は、クローラで走行する作業機械に制限するものではなく、例えば、クローラクレーン等、クローラで走行する作業機械であればよい。
【0152】
以上、本発明に係る作業機械、及び作業機械の移動制御システムの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0153】
SYS 移動制御システム
100 ショベル
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
17 コントロールバルブ
S6 空間認識装置
PS 測位装置
T1 通信装置
30 コントローラ
301 通信制御部
302 取得部
303 経路生成部
304 移動制御部
305 領域推定部
306 出力部
40 表示装置
47A 地図情報記憶部
400 情報処理装置
410A 地図情報記憶部
430 コントローラ
431 通信制御部
432 領域推定部
433 地図情報生成部
T2 通信装置
DR ドローン
DS6 空間認識装置
DPS 測位装置
D30 コントローラ
T3 通信装置