(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175873
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】遠隔制御システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/00 20240101AFI20241212BHJP
【FI】
G05D1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093949
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤野 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 健人
(72)【発明者】
【氏名】狩野 岳史
(72)【発明者】
【氏名】波田野 恭祥
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】安山 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】加藤 潤也
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301AA10
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301FF07
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
(57)【要約】
【課題】遠隔制御システムが備える機能部の異常を検出する。
【解決手段】遠隔制御によって移動体を自動で移動させる遠隔制御システムであって、互いに情報を送受信する複数の機能部を備え、複数の機能部の少なくとも一部は、他の機能部から受信した情報を利用して、他の機能部における異常の有無を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔制御によって移動体を自動で移動させる遠隔制御システムであって、
互いに情報を送受信する複数の機能部を備え、
前記複数の機能部の少なくとも一部は、他の機能部から受信した情報を利用して、前記他の機能部における異常の有無を検出する、
遠隔制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔制御システムであって、
前記複数の機能部は、前記移動体を移動させる経路を決定する経路計画部と、前記移動体の位置と向きとの少なくとも一方を取得する移動体特定部とを含む、
遠隔制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の遠隔制御システムであって、
前記経路計画部と前記移動体特定部とは、前記異常の有無を相互に検出する、
遠隔制御システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の遠隔制御システムであって、
前記経路計画部と前記移動体特定部との少なくとも一方において前記異常が検出された場合に、前記移動体の移動速度の抑制と、操舵角度の制限とのうちの少なくとも一方を実行する機能部を備える、
遠隔制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠隔制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の製造工程において、遠隔制御により車両を走行させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような車両の遠隔制御は、遠隔制御システムが備える種々の機能部においてそれぞれ実行される処理により実現される。各機能部において異常が発生すると、当該機能部において実行される処理の結果に不具合が生じ、車両の遠隔制御が不安定になるおそれがある。そこで、遠隔制御システムが備える機能部における異常の有無を検出する技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば遠隔制御によって移動体を自動で移動させる遠隔制御システムが提供される。この遠隔制御システムは、互いに情報を送受信する複数の機能部を備え、前記複数の機能部の少なくとも一部は、他の機能部から受信した情報を利用して、前記他の機能部における異常の有無を検出する。
この遠隔制御装置によれば、複数の機能部の少なくとも一部は、他の機能部から受信した情報を利用して、当該機能部における異常の有無を検出できる。
(2)上記遠隔制御システムにおいて、前記複数の機能部は、前記移動体を移動させる経路を決定する経路計画部と、前記移動体の位置と向きとの少なくとも一方を取得する移動体特定部とを含んでもよい。
この遠隔制御システムによれば、経路計画部と移動体特定部とを含む遠隔制御システムにおいて異常の有無を検出できる。
(3)上記遠隔制御システムにおいて、前記経路計画部と前記移動体特定部とは、前記異常の有無を相互に検出してもよい。
この遠隔制御システムによれば、経路計画部と移動体特定部とは、異常の有無を相互に検出するので、より安定して異常を検出できる。
(4)上記遠隔制御システムにおいて、前記経路計画部と前記移動体特定部との少なくとも一方において前記異常が検出された場合に、前記移動体の移動速度の抑制と、操舵角度の制限とのうちの少なくとも一方を実行する機能部を備えてもよい。
この遠隔制御システムによれば、異常を検出した場合に移動体の移動速度の抑制と、操舵角度の制限とのうちの少なくとも一方を実行するので、移動体の移動量を抑制でき、移動体の走行に問題が発生する可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態における遠隔制御システムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】車両と遠隔制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態の異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.実施形態:
A-1.システム構成:
図1は、本実施形態における遠隔制御システム10の概略構成を示す説明図である。遠隔制御システム10は、移動体としての1台以上の車両100と、車両100を遠隔制御するための制御指令を生成して車両100に送信する遠隔制御装置200と、車両100の3次元点群データを測定する複数の車両検出器300と、車両100の製造工程の管理を行う工程管理装置400と、を備える。
【0009】
本実施形態では、車両100は、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)として構成されている。なお、移動体は、電気自動車に限られず、例えば、ガソリン自動車や、ハイブリッド自動車や、燃料電池自動車でもよい。移動体は、車両100に限られず、例えば、電動垂直離着陸機(いわゆる空飛ぶ自動車)として構成されていてもよい。
【0010】
本実施形態では、車両100を製造する工場において、車両100を自動走行させる遠隔制御が実行される。工場は、第1場所PL1と第2場所PL2とを備えている。第1場所PL1は、例えば、車両100の組み立てが実施される場所であり、第2場所PL2は、例えば、車両100の検査が実施される場所である。第1場所PL1と第2場所PL2とは、車両100が走行可能な走行路SRによって接続されている。
【0011】
走行路SRの周辺には、車両100を測定対象とする複数の車両検出器300が設置されている。車両検出器300は、カメラやLiDAR(Light Detection And Ranging)として構成され、車両100の画像や3次元点群データを取得する。
【0012】
遠隔制御装置200は、車両100を走行路SRに沿って走行させるための制御指令を生成し、制御指令を車両100に送信する。車両100は、受信した制御指令に従って走行する。したがって、遠隔制御システム10により、クレーンやコンベアなどの搬送装置を用いずに、車両100を第1場所PL1から第2場所PL2まで遠隔制御により移動させることができる。また、遠隔制御装置200は、車両検出器300や、シャッターや電力供給装置等、走行路SRの周辺に存在する図示しない周辺機器の稼働を制御する制御指令を生成し、制御指令を各機器に送信してもよい。
【0013】
図2は、車両100と遠隔制御装置200の構成を示すブロック図である。車両100は、車両100の各部を制御するための車両制御装置110と、車両制御装置110の制御下で駆動するアクチュエータ群120と、無線通信により遠隔制御装置200と通信するための通信装置130と、車両100の位置情報を取得するためのGPS受信機140とを備えている。本実施形態では、アクチュエータ群120には、車両100を加速させるための駆動装置のアクチュエータ、車両100の進行方向を変更するための操舵装置のアクチュエータ、および、車両100を減速させるための制動装置のアクチュエータが含まれている。駆動装置には、バッテリ、バッテリの電力により駆動する走行用モータ、および、走行用モータにより回転する駆動輪が含まれている。駆動装置のアクチュエータには、走行用モータが含まれている。なお、アクチュエータ群120には、さらに、車両100のワイパーを揺動させるためのアクチュエータや、車両100のパワーウィンドウを開閉させるためのアクチュエータなどが含まれてもよい。また、車両100は、カメラ、ミリ波レーダ、LiDARなどの種々の物体検出器を備えてもよい。
【0014】
車両制御装置110は、プロセッサ111と、メモリ112と、入出力インタフェース113と、内部バス114とを備えるコンピュータにより構成されている。プロセッサ111、メモリ112、および、入出力インタフェース113は、内部バス114を介して、双方向に通信可能に接続されている。入出力インタフェース113には、アクチュエータ群120、通信装置130、および、GPS受信機140が接続されている。
【0015】
本実施形態では、プロセッサ111は、メモリ112に予め記憶されているプログラムPG1を実行することにより、車両制御部115及び位置情報取得部116として機能する。車両制御部115は、アクチュエータ群120を制御する。車両制御部115は、車両100に運転者が搭乗している場合に、運転者の操作に応じてアクチュエータ群120を制御することにより、車両100を走行させることができる。車両制御部115は、車両100に運転者が搭乗しているか否かにかかわらず、遠隔制御装置200から送信される制御指令に応じてアクチュエータ群120を制御することにより、車両100を走行させることもできる。位置情報取得部116は、GPS受信機140を用いて、車両100の現在地を示す位置情報を取得する。但し、位置情報取得部116とGPS受信機140は省略可能である。
【0016】
遠隔制御装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、入出力インタフェース203と、内部バス204とを備えるコンピュータにより構成されている。プロセッサ201、メモリ202、および、入出力インタフェース203は、内部バス204を介して、双方向に通信可能に接続されている。入出力インタフェース203には、無線通信により車両100と通信するための通信装置205が接続されている。
【0017】
本実施形態では、プロセッサ201は、メモリ202に予め記憶されているプログラムPG2を実行することにより、システム管制部210と、車両特定部220と、経路計画部230と、遠隔制御指令生成部240と、として機能する。
【0018】
システム管制部210は、車両100の搬送の開始および停止、周辺機器の稼働を制御する。システム管制部210は、車両特定部220および経路計画部230に対して、車両100の搬送を開始する際には制御開始指示を送信し、車両100の搬送を終了する際には制御終了指示を送信する。また、システム管制部210は、制御開始指示および制御終了指示と併せて、後述する異常検出処理において各制御指示の内容の認証を行うための認証コードを車両特定部220および経路計画部230に対して送信する。
【0019】
車両特定部220は、システム管制部210から制御開始指示を受信すると、車両検出器300から取得した画像または3次元点群データを利用して、車両100の位置と向きとの少なくとも一方を含む情報(以下、「実測位置情報」とも呼ぶ)を取得する。車両特定部220は、システム管制部210から制御終了指示を受信するまで、予め定められた周期で実測位置情報を取得する。車両特定部220は、取得した実測位置情報をシステム管制部210および経路計画部230に送信する。車両特定部220は、本開示における「移動体特定部」に相当する。
【0020】
経路計画部230は、システム管制部210から制御開始指示を受信すると、車両特定部220から取得した実測位置情報を利用して、車両100を搬送させる計画経路を決定する。経路計画部230は、システム管制部210から制御終了指示を受信するまで、車両特定部220から実測位置情報を受信するごとに計画経路を決定する。経路計画部230により決定された計画経路は、計画経路上の各地点における車両100の速度および舵角の少なくとも一方を指定する情報、および、計画位置情報を含む。車両100の速度および舵角のうち計画経路において指定されないものは、走行路SRに沿った区間ごとに予め設定されていてよい。「計画位置情報」は、現時点における計画経路上の車両100の推定位置を意味する。計画位置情報は、例えば、車両特定部220から前回取得した実測位置情報を基準として計画経路において指定された速度および舵角または予め指定された速度および舵角にて車両100が移動した場合の位置として推定され得る。経路計画部230は、計画経路をシステム管制部210と車両特定部220とに送信する。また、経路計画部230は、システム管制部210に対して計画経路と併せて制御状態情報を送信する。「制御状態情報」は、車両100が走行中または停止中であることを示す情報および車両100が目的地に到達したか否かを示す情報を含む。
【0021】
遠隔制御指令生成部240は、経路計画部230により決定された計画経路に沿って車両100を走行させるように、遠隔制御のための制御指令を生成して車両100に送信する。制御指令は、駆動力又は制動力と、舵角とを含む指令として生成することができる。或いは、遠隔制御指令生成部240は、制御指令を、車両100の位置及び向きの少なくとも一方と、今後の走行ルートとを含む指令として生成してもよい。
【0022】
工程管理装置400は、工場における車両100の製造工程全般の管理を実行する。例えば、1台の車両100が計画経路に沿った走行を開始する際には、その車両100の識別番号や型式などを示す個体情報が、工程管理装置400から遠隔制御装置200に送信される。遠隔制御装置200で検出された車両100の位置は、工程管理装置400にも送信される。なお、工程管理装置400の機能を、遠隔制御装置200と同じ装置に実装するようにしてもよい。
【0023】
A-2.異常検出処理:
図3は、本実施形態の遠隔制御装置200による異常検出処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、遠隔制御装置200が起動されると開始され、遠隔制御装置200が起動されている間、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230との各機能部において繰り返し実行される。
【0024】
ステップS10において、各機能部は、他の機能部から情報を取得する。上述のように、本実施形態では、システム管制部210は、車両特定部220から実測位置情報を取得し、経路計画部230から計画位置情報および制御状態情報を取得する。車両特定部220は、システム管制部210から制御開始/終了指示および認証コードを取得し、経路計画部230から計画位置情報を取得する。経路計画部230は、システム管制部210から制御開始/終了指示および認証コードを取得し、車両特定部220から実測位置情報を取得する。なお、各機能部において送受信される情報は上記に限らず、各機能部において取り扱われる任意の情報であってよい。例えば、システム管制部210および車両特定部220は、計画位置情報に代えて、または、計画位置情報に加えて、計画経路上の各地点における車両100の速度および舵角の少なくとも一方を指定する情報や制御状態情報を経路計画部230から取得してもよい。
【0025】
ステップS20において、各機能部は、取得された情報に異常があるか否かを判定する。本実施形態では、システム管制部210は、車両特定部220から取得された実測位置情報が示す車両100の位置と前回取得された実測位置情報が示す車両100の位置との差異が予め設定された閾値を超える場合に、取得された実測位置情報に異常があると判定する。また、システム管制部210は、経路計画部230から取得された計画位置情報が示す車両100の位置と前回取得された計画位置情報が示す位置との差異が予め設定された閾値を超える場合に、取得された計画位置情報に異常があると判定する。閾値は、例えば、実測位置情報または計画位置情報の取得の周期時間において、搬送時の上限速度として予め設定された速度で車両100が走行する場合の距離として設定され得る。正常な遠隔制御が行われている場合には上記差異が当該閾値を超えることはないため、上記差異が当該閾値を超えている場合、取得された実測位置情報自体または計画位置情報自体に不具合が生じている可能性が高いからである。
【0026】
車両特定部220は、システム管制部210から受信した制御指示が示す内容と、認証コードが示す制御指示の内容とに差異がある場合に制御指示に異常があると判定する。また、車両特定部220は、経路計画部230から取得された計画位置情報が示す車両100の位置と前回取得された計画位置情報が示す位置との差異が予め設定された閾値を超える場合に、取得された計画位置情報に異常があると判定する。
【0027】
経路計画部230は、システム管制部210から受信した制御指示が示す内容と、認証コードが示す制御指示の内容とに差異がある場合に制御指示に異常があると判定する。また、経路計画部230は、車両特定部220から取得された実測位置情報が示す車両100の位置と前回取得された実測位置情報が示す位置との差異が予め設定された閾値を超える場合に、取得された実測位置情報に異常があると判定する。
【0028】
取得された情報に異常があると判定された場合(ステップS20:Yes)、ステップS30において、各機能部は、情報の送信元である機能部に異常が発生していると判定する。ステップS40において、各機能部は、遠隔制御指令生成部240を介して、走行停止を指示する制御指示値を生成し車両100に送信する。いずれかの機能部に異常が生じている場合には車両100の走行に問題が生じるおそれがあるためである。なお、取得された情報に異常があると判定された場合の対応は車両走行に停止に限らず、車両100の速度および操舵角の抑制、管理者への通知等であってもよい。
【0029】
他方、取得された情報に異常がないと判定された場合(ステップS20:No)、ステップS32において、各機能部は、情報の送信元である機能部が正常であると判定する。ステップS42において、各機能部は、遠隔制御指令生成部240を介して、走行継続を指示する制御指示値、または、異常により走行を停止していた場合には走行再開を指示する制御指示値を生成し車両100に送信する。
【0030】
各機能部は、以上説明したステップS10~ステップS42の処理を繰り返し実行する。
【0031】
以上説明した実施形態の遠隔制御システム10によれば、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230との各機能部は、他の機能部から受信した情報を利用して、当該機能部における異常の有無を検出できる。
【0032】
また、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230との各機能部は、異常の有無を相互に検出するので、より安定して異常を検出できる。
【0033】
また、異常を検出した場合に車両100の移動速度の抑制と、操舵角度の制限とのうちの少なくとも一方を実行するので、車両100の移動量を抑制でき、車両100の走行に問題が発生する可能性を低減できる。
【0034】
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態において、異常検出処理は、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230との各機能部において実行されるが、本開示はこれに限定されない。互いに異常を検出する機能部の数は3つに限られず、2つまたは4つ以上であってよい。異常検出処理は、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230とに加えて、または、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230とのうちのいずれかに代えて、車両100が備える車両制御部115において実行されてよい。
【0035】
(B2)上記実施形態において、遠隔制御装置200はひとつのコンピュータとして構成され、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230とは、いずれも同一のコンピュータにおいて実現される機能部であるが、本開示はこれに限定されない。遠隔制御装置200は複数のコンピュータとして構成されてもよく、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230とは、互いに異なるコンピュータにおいて実現される機能部であってもよい。
【0036】
(B3)上記実施形態において、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230とは相互に異常を検出するが、本開示はこれに限定されない。例えば、システム管制部210は車両特定部220のみ、車両特定部220は経路計画部230のみ、経路計画部230はシステム管制部210のみをそれぞれ対象として異常を検出してもよい。また、システム管制部210と車両特定部220と経路計画部230とうちの一部の機能部のみが他の機能部の異常を検出してもよい。
【0037】
(B4)上記実施形態において、各機能部は他の機能部から受信した情報の内容に応じて異常を検出するが、本開示はこれに限定されない。例えば、各機能部は、他の機能部から前回情報を受信した時から予め定められた時間新たな情報が受信されない場合に、当該機能部に異常があると判定してもよい。
【0038】
上記実施形態において、車両100は、遠隔制御により移動可能な構成を備えていれば良く、例えば、以下に述べる構成を備えるプラットフォームの形態であっても良い。具体的には、車両100は、遠隔制御により「走る」、「曲がる」、「止まる」の3つの機能を発揮するために、少なくとも、車両制御部115と通信装置130とを備えていれば良い。すなわち、遠隔制御により移動可能な車両100は、運転席やダッシュボードなどの内装部品の少なくとも一部が装着されていなくてもよく、バンパーやフェンダーなどの外装部品の少なくとも一部が装着されていなくてもよく、ボディシェルが装着されていなくてもよい。この場合、車両100が工場から出荷されるまでの間に、ボディシェル等の残りの部品が車両100に装着されてもよいし、ボディシェル等の残りの部品が車両100に装着されていない状態で、車両100が工場から出荷された後にボディシェル等の残りの部品が車両100に装着されてもよい。なお、プラットフォームの形態に対しても、各実施形態における車両100と同様にして位置決定がなされ得る。
【0039】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
10…遠隔制御システム、100…車両、110…車両制御装置、111…プロセッサ、112…メモリ、113…入出力インタフェース、114…内部バス、115…車両制御部、116…位置情報取得部、120…アクチュエータ群、130…通信装置、140…GPS受信機、200…遠隔制御装置、201…プロセッサ、202…メモリ、203…入出力インタフェース、204…内部バス、205…通信装置、210…システム管制部、220…車両特定部、230…経路計画部、240…遠隔制御指令生成部、300…車両検出器、400…工程管理装置、PG1、PG2…プログラム、PL1…第1場所、PL2…第2場所、SR…走行路