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特開2024-175908除菌装置及びそれを備える除菌システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175908
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】除菌装置及びそれを備える除菌システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20241212BHJP
   C12M 1/12 20060101ALI20241212BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20241212BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
A61L9/20
C12M1/12
G01N21/64 Z
C12M1/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094002
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】514307497
【氏名又は名称】株式会社カレントダイナミックス
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100186761
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 勇太
(72)【発明者】
【氏名】森 和彦
【テーマコード(参考)】
2G043
4B029
4C180
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA17
2G043DA05
2G043EA01
2G043FA03
2G043KA03
2G043KA08
2G043LA02
2G043NA01
4B029AA07
4B029AA27
4B029BB01
4B029CC01
4B029FA06
4B029FA11
4C180AA07
4C180DD03
4C180DD04
4C180HH05
4C180HH14
4C180HH17
4C180HH19
4C180HH20
4C180KK05
4C180LL04
(57)【要約】
【課題】除菌量を精度よく算出可能な除菌装置及びそれを備える除菌システムを提供すること。
【解決手段】
除菌装置は、空気が流入する空気流入口、及び、空気を排出する排出口を有する筐体と、筐体の内部に配置され、空気流入口から流入される空気中の微生物を除菌する除菌部と、筐体の内部に連通し、筐体外に位置し、除菌部の中心よりも上流における空気の一部が流入される第1測定部と、筐体外に位置し、除菌部の中心よりも下流における空気の別の一部が流入される第2測定部と、を備え、除菌部は、筐体の内部に収容されると共に空気流入口から流入される空気に少なくとも紫外線を照射する除菌用光源であり、第1測定部と第2測定部とのそれぞれは、励起光を照射する励起光源と、励起光の照射に基づいて発生する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流入する空気流入口、及び、前記空気を排出する排出口を有する筐体と、
前記筐体の内部に配置され、前記空気流入口から流入される空気中の微生物を除菌する除菌部と、
前記筐体外に位置し、前記除菌部の中心よりも上流における前記空気の一部が流入される第1測定部と、
前記筐体外に位置し、前記除菌部の中心よりも下流における前記空気の別の一部が流入される第2測定部と、
を備え、
前記除菌部は、前記筐体の内部に収容されると共に前記空気流入口から流入される前記空気に少なくとも紫外線を照射する除菌用光源であり、
前記第1測定部と前記第2測定部とのそれぞれは、励起光を照射する励起光源と、前記励起光の照射に基づいて発生する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する、
除菌装置。
【請求項2】
前記第1測定部は、前記空気流入口よりも上流に位置しており、
前記第2測定部は、前記排出口よりも下流に位置している、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
前記第1測定部は、前記空気流入口よりも下流であって前記除菌部よりも上流にて前記筐体に連通し、
前記第2測定部は、前記除菌部よりも下流であって前記排出口よりも上流にて前記筐体に連通する、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項4】
前記筐体には、前記第1測定部に連通する第1連通口と、前記第2測定部に連通する第2連通口とが設けられ、
前記第1連通口と前記第2連通口との少なくとも一方には、遮光部が設けられる、請求項3に記載の除菌装置。
【請求項5】
前記第1測定部は、前記励起光が照射された前記空気の一部を前記空気流入口に向かわせるガイド部材をさらに有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の除菌装置。
【請求項6】
前記筐体よりも上流に位置し、前記空気流入口へ前記空気を送る送風部をさらに備え、
前記送風部によって前記筐体の内部に形成される前記空気の一方向気流上に、前記空気流入口及び前記排出口が配置され、
前記第1測定部及び前記第2測定部のそれぞれは、前記一方向気流から外れるように設けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の除菌装置。
【請求項7】
前記除菌部、前記第1測定部、及び前記第2測定部の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1測定部から出力される第1蛍光データと、前記第2測定部から出力される第2蛍光データとを取得し、
前記第1蛍光データと前記第2蛍光データとに基づいて、前記除菌部で除菌される除菌量を算出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の除菌装置。
【請求項8】
前記第1測定部と前記第2測定部とのそれぞれは、前記空気に前記励起光が照射されることによって発生する散乱光を検出する散乱光検出部をさらに有する、請求項7に記載の除菌装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1測定部から出力される第1散乱光データと、前記第2測定部から出力される第2散乱光データとを取得し、
前記第1散乱光データと前記第2散乱光データとに基づいて、前記第1測定部の前記励起光源から照射される前記励起光の光強度と、前記第2測定部の前記励起光源から照射される前記励起光の光強度と、前記第1測定部の前記蛍光検出部の検出感度と、前記第2測定部の前記蛍光検出部の検出感度との少なくとも一つを調整する、請求項8に記載の除菌装置。
【請求項10】
前記励起光は、反復するパルス光もしくは正弦波的に強度変調された光であり、
前記蛍光検出部は、前記励起光の周波数を増幅して前記蛍光を検出する、もしくは、前記励起光との同期検波によって前記蛍光を検出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の除菌装置。
【請求項11】
前記除菌用光源は、紫外線及び可視光を照射する放電管を有し、
前記筐体の内部を流れる前記空気の流れ方向に直交する方向に沿った前記筐体の寸法は、1m以上5m以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の除菌装置。
【請求項12】
請求項1~4のいずれか一項に記載の除菌装置と、
前記除菌装置から出力されるデータを処理する処理装置と、
前記処理装置によって算出される除菌量を表示する表示装置と、
を備える除菌システムであって、
前記処理装置は、
前記第1測定部から出力される第1蛍光データと、前記第2測定部から出力される第2蛍光データとを取得し、
前記第1蛍光データと前記第2蛍光データとに基づいて、前記除菌部で除菌される除菌量を算出し、
前記除菌量を示す表示データを前記表示装置に表示させる、
除菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌装置及びそれを備える除菌システムに関し、特に空気中に存在する微生物等を除菌するための除菌装置及びそれを備える除菌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不特定の人数が利用する室内等を除菌する必要性が増している。例えば下記特許文献1には、捕集した微生物に対して紫外線を照射する除菌装置が開示される。この除菌装置では、少なくとも紫外線の照射中において、第1タイミングにて蛍光検出部から出力される第1蛍光データと、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて蛍光検出部から出力される第2蛍光データとを取得し、第1蛍光データと第2蛍光データとに基づいて、第1タイミングから第2タイミングまでに微生物捕集部上で除菌される除菌量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7086427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような除菌装置においては、除菌量の算出精度のさらなる向上が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、除菌量を精度よく算出可能な除菌装置及びそれを備える除菌システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る除菌装置は、空気が流入する空気流入口、及び、空気を排出する排出口を有する筐体と、筐体の内部に配置され、空気流入口から流入される空気中の微生物を除菌する除菌部と、筐体外に位置し、除菌部の中心よりも上流における空気の一部が流入される第1測定部と、筐体外に位置し、除菌部の中心よりも下流における空気の別の一部が流入される第2測定部と、を備え、除菌部は、筐体の内部に収容されると共に空気流入口から流入される空気に少なくとも紫外線を照射する除菌用光源であり、第1測定部と第2測定部とのそれぞれは、励起光を照射する励起光源と、励起光の照射に基づいて発生する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する。
【0007】
この除菌装置では、筐体外に位置し、除菌部の中心よりも上流における空気の一部が流入される第1測定部と、筐体外に位置し、除菌部の中心よりも下流における空気の別の一部が流入される第2測定部と、を備える。これにより、第1測定部に流入される空気と、第2測定部に流入される空気とは、除菌用光源から照射される紫外線、筐体内の気流、空気量などの影響を受けにくくなる。このため、第1測定部に流入する空気の蛍光データと、第2測定部に流入する空気の蛍光データとのそれぞれを、安定して取得できる。これらの安定した蛍光データを利用することによって、除菌部によってなされる除菌量を精度よく算出できる。
【0008】
第1測定部は、空気流入口よりも上流に位置しており、第2測定部は、排出口よりも下流に位置してもよい。この場合、第1測定部には除菌部によって除菌される前の空気のみが確実に流入し、第2測定部には除菌部によって除菌された後の空気のみが確実に流入する。このため、除菌部によってなされる除菌量を容易に算出できる。
【0009】
第1測定部は、空気流入口よりも下流であって除菌部よりも上流にて筐体に連通し、第2測定部は、除菌部よりも下流であって排出口よりも上流にて筐体に連通してもよい。この場合、第1測定部には除菌部によって除菌される前の空気のみが流入する傾向があり、第2測定部には除菌部によって除菌された後の空気のみが流入する傾向がある。このため、除菌部によってなされる除菌量を容易に算出できる。加えて、筐体には、第1測定部に連通する第1連通口と、第2測定部に連通する第2連通口とが設けられ、第1連通口と第2連通口との少なくとも一方には、遮光部が設けられてもよい。この場合、第1測定部及び第2測定部の少なくとも一方に、除菌部にて発生する紫外線が侵入しにくくなる。これにより、第1測定部の蛍光検出部にて得られる検出結果と、第2測定部の蛍光検出部にて得られる検出結果との少なくとも一方は、紫外線の影響を受けにくくなる。
【0010】
第1測定部は、励起光が照射された空気の一部を空気流入口に向かわせるガイド部材をさらに有してもよい。この場合、除菌量の算出に利用されると共に除菌し切れていない空気が除菌装置外にそのまま排出されにくくなる。
【0011】
上記除菌装置は、筐体よりも上流に位置し、空気流入口へ空気を送る送風部をさらに備え、送風部によって筐体の内部に形成される空気の一方向気流上に、空気流入口及び排出口が配置され、第1測定部及び第2測定部のそれぞれは、一方向気流から外れるように筐体の内部に連通してもよい。この場合、第1測定部に流入される空気と、第2測定部に流入される空気とは、送風部によって形成される一方向気流の影響を良好に受けにくくなる。
【0012】
上記除菌装置は、除菌部、第1測定部、及び第2測定部の動作を制御する制御部をさらに備え、制御部は、第1測定部から出力される第1蛍光データと、第2測定部から出力される第2蛍光データとを取得し、第1蛍光データと第2蛍光データとに基づいて、除菌部で除菌される除菌量を算出してもよい。
【0013】
第1測定部と第2測定部とのそれぞれは、空気に励起光が照射されることによって発生する散乱光を検出する散乱光検出部をさらに有してもよい。また、制御部は、第1測定部から出力される第1散乱光データと、第2測定部から出力される第2散乱光データとを取得し、第1散乱光データと第2散乱光データとに基づいて、第1測定部の励起光源から照射される励起光の光強度と、第2測定部の励起光源から照射される励起光の光強度と、第1測定部の蛍光検出部の検出感度と、第2測定部の蛍光検出部の検出感度との少なくとも一つを調整してもよい。この場合、第1散乱光データ及び第2散乱光データを利用して、除菌装置に流入する空気中の埃などの微粒子の量も数値化できる。また、第1散乱光データに対する第2散乱光データとの相対値を取得することによって、各蛍光検出部の感度の差などの情報を取得できる。これにより、各蛍光検出装置の感度の校正なども実施できる。
【0014】
励起光は、反復するパルス光もしくは正弦波的に強度変調された光であり、蛍光検出部は、励起光の周波数を増幅して蛍光を検出してもよい、もしくは、励起光との同期検波によって蛍光を検出してもよい。この場合、除菌装置内に入り込む迷光などによる散乱光の影響を低減できる。
【0015】
除菌用光源は、紫外線及び可視光を照射する放電管を有し、筐体の内部を流れる空気の流れ方向に直交する方向に沿った筐体の寸法は、1m以上5m以下でもよい。この場合、筐体内に可視光が照射され、かつ、除菌装置が大型のものであっても、除菌量を精度よく算出可能である。
【0016】
本発明の別の一側面に係る除菌システムは、上記除菌装置と、除菌装置から出力されるデータを処理する処理装置と、処理装置によって算出される除菌量を表示する表示装置と、を備える除菌システムであって、処理装置は、第1測定部から出力される第1蛍光データと、第2測定部から出力される第2蛍光データとを取得し、第1蛍光データと第2蛍光データとに基づいて、除菌部で除菌される除菌量を算出し、除菌量を示す表示データを表示装置に表示させる。
【0017】
この除菌システムによれば、表示装置は、処理装置によって精度よく算出された除菌量を示す表示データを表示する。これにより、除菌システムのユーザは、除菌装置の除菌効果を、表示装置を介して容易に確認できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一側面によれば、除菌量を精度よく算出可能な除菌装置及びそれを備える除菌システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1実施形態に係る除菌装置の概要構成を示す模式図である。
図2図2は、筐体と第1測定部との連結している状態を示す要部拡大模式断面図である。
図3図3は、筐体と第2測定部との連結している状態を示す要部拡大模式断面図である。
図4図4は、蛍光検出装置の主要構成及び制御部を示す模式図である。
図5図5は、第1測定部及び第2測定部のそれぞれにて検出される蛍光強度の時間変化を示す図である。
図6図6(a),(b)は、第2実施形態に係る第1測定部の蛍光検出装置の配置を示す模式図である。
図7図7(a),(b)は、第2実施形態の変形例に係る第1測定部の蛍光検出装置の配置を示す模式図である。
図8図8は、除菌システムの概要構成を示すブロック図である。
図9図9(a)は、第1別例に係る除菌装置の概要構成を示す模式図であり、図9(b)は、第2別例に係る除菌装置の概要構成を示す模式図である。
図10図10は、第3別例に係る除菌装置の概要構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書では、ウイルスは微生物に含まれるものとする。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る除菌装置の概要構成を示す模式図である。図1に示される除菌装置1は、例えば、空気中に浮遊する細菌、真菌、ウイルスなどの微生物を除菌もしくは殺菌する装置である。微生物は、微生物単体にて空気中に浮遊してもよいし、空気中に浮遊する微粒子等に付着してもよい。微粒子は、空気中に浮遊可能な物質であり、例えば、埃、大気エアロゾル粒子、浮遊粒子状物質等である。
【0022】
図1に示されるように、除菌装置1は、主な構成として、筐体2と、筐体2の内部に配置される除菌部3と、送風部4と、筐体2外に位置する第1測定部5と、筐体2外に位置する第2測定部6とを備える据置型装置もしくは携帯型装置である。除菌装置1では、送風部4によって送られて筐体2の内部に流入した空気内の微生物が、除菌部3によって除菌される。そして、除菌された空気が筐体2の内部から排出される。第1実施形態では、除菌装置1内を流れる空気の方向(以下、流れ方向WD1とする)は、送風部4によって筐体2の内部に形成される一方向気流に相当する。第1実施形態では、流れ方向WD1は、直線状であるが、これに限られない。例えば、筐体2の内部に屈曲部、凹凸などが設けられる場合、流れ方向WD1が曲がることなどがある。なお、除菌装置1は、例えば音を生成可能な報知器、映像を表示可能な表示装置などを備えてもよい。
【0023】
筐体2は、除菌装置1における中空状の主要部であり、例えば直方体形状などの角筒形状もしくは円柱形状を有する。第1実施形態では、筐体2は、流れ方向WD1に沿って延在する中心軸(不図示)を有するが、これに限られない。流れ方向WD1に沿った筐体2の寸法と、流れ方向WD1に直交する方向に沿った筐体2の寸法とのそれぞれは、例えば、1mから数mに及ぶ。第1実施形態では、流れ方向WD1に沿った筐体2の寸法と、流れ方向WD1に直交する方向に沿った筐体2の寸法は、1m以上5m以下、1m以上4m以下、1m以上3m以下、もしくは2m以上4m以下である。筐体2は、空気が流入する空気流入口2aと、空気を排出する排出口2bと、第1測定部5に連通する第1連通口2cと、第2測定部6に連通する第2連通口2dとを有する。
【0024】
空気流入口2aは、流れ方向WD1における筐体2の一端面に設けられる開口である。排出口2bは、流れ方向WD1における筐体2の他端面に設けられる開口である。このため、筐体2内では、流れ方向WD1に沿って空気流入口2aから排出口2bに向かって空気が流れる。
【0025】
第1連通口2cと第2連通口2dとのそれぞれは、流れ方向WD1における筐体2の上記一端面及び上記他端面の間に位置する筐体2の側面上に設けられる。第1連通口2cは、筐体2の内部と第1測定部5の内部とをつなぐ開口であり、流れ方向WD1において第2連通口2dよりも上流に位置する。また、第1連通口2cは、少なくとも除菌部3の中心よりも上流に位置する。第2連通口2dは、筐体2の内部と第2測定部6の内部とをつなぐ開口であり、流れ方向WD1において第1連通口2cよりも下流に位置する。また、第2連通口2dは、少なくとも除菌部3の中心よりも下流に位置する。除菌部3による微生物等の除菌量を容易に算出する観点から、第1連通口2cが除菌部3よりも上流に位置すると共に、第2連通口2dが除菌部3よりも上流に位置してもよい。この場合、第1連通口2cには除菌部3によって除菌されていない空気が通過しやすくなり、第2連通口2dには除菌部3によって除菌された空気が通過しやすくなる。加えて、除菌部3による微生物等の除菌量を精度よく算出する観点から、第1連通口2cと第2連通口2dとの少なくとも一方は、筐体2の内部において除菌部3の除菌処理がなされにくい領域(例えば、後述する紫外線UVなどが照射されない領域)に位置してもよい。この場合、後述する紫外線UVなどの第1測定部5及び/または第2測定部6への侵入が発生しにくくなる。
【0026】
図2は、筐体と第1測定部との連結している状態を示す要部拡大模式断面図であり、図3は、筐体と第2測定部との連結している状態を示す要部拡大模式断面図である。図2及び図3に示されるように、第1連通口2cと第2連通口2dとのそれぞれには、遮光部BLが設けられる。遮光部BLは、特定の波長のみ(例えば、紫外線のみ)もしくは光を遮断する部材であり、例えば、微生物等及び空気が通過可能な遮光シートである。遮光部BLは、例えば、筐体2外への紫外線UVの漏れを防止するための部材である。遮光部BLは、第1連通口2cと第2連通口2dとのそれぞれの一部または全体を覆う。
【0027】
除菌部3は、空気中の微生物を除菌する部材であり、筐体2に収容される。第1実施形態では、空気流入口2aから筐体2の内部に流入される空気中の微生物等を除菌する。本明細書では、「微生物等」は、少なくとも微生物を含む概念である。第1実施形態では、微生物等は、微生物に加えて微粒子を含む概念である。除菌部3は、空気流入口2aから流入される空気に少なくとも紫外線UVを照射する除菌用光源であり、例えば放電管等を含む殺菌灯、発光ダイオード(LED)などを有する。コストなどの観点から、当該除菌用光源は、殺菌灯を有してもよい。殺菌灯は、紫外線だけでなく可視光も照射する部材である。このような殺菌灯が用いられることによって、除菌装置1の利用者は、除菌部3が動作しているか否かを容易に視認できる。除菌部3は、筐体2の上記側面上に載置される。除菌部3は、流れ方向WD1に交差する方向に紫外線UVを照射する位置に配置されるが、これに限られない。除菌部3は、例えば、180nm以上400nm以下の波長を有し、10mW/cm程度の強度を有する紫外線UVを照射する。これにより、筐体2内に存在する微生物を良好に除菌できる。紫外線UVには、互いに異なる波長を有する複数の紫外線が含まれてもよい。なお、図1では筐体2内において紫外線UVが照射される領域が示されている。
【0028】
送風部4は、筐体2よりも上流に位置し、空気流入口2aへ除菌装置1外の空気Aを送る部分である。送風部4は、流れ方向WD1における筐体2の上記一端に装着される。送風部4は、ファンなどの送風機を有する。送風部4の動作によって、除菌装置1外の空気Aが空気流入口2aを介して筐体2の内部に流入される。このとき、送風部4によって筐体2の内部に上記空気の一方向気流が形成される。当該一方向気流は、図1に示される流れ方向WD1を示す矢印と同一方向に沿った空気の流れに相当する。このため、空気流入口2a及び排出口2bは、上記一方向気流上に配置されていると言える。一方、第1連通口2cと第2連通口2dとのそれぞれは、上記一方向気流上には配置されていないと言える。換言すると、第1連通口2cと第2連通口2dとのそれぞれは、上記一方向気流から外れた位置に配置されていると言える。よって、筐体2の内部から第1連通口2cに流れる空気の流速と、筐体2の内部から第2連通口2dに流れる空気の流速とのそれぞれは、送風部4によって空気流入口2aから排出口2bに流れる空気の流速よりも遅くなる傾向がある。図示しないが、送風部4には、筐体2の内部への外光の侵入を防止するための外光遮光部等が設けられてもよい。上記外光遮光部は、例えば、微生物等及び空気が通過可能な遮光シートである。
【0029】
第1測定部5は、筐体2の内部の空気の一部に含まれる微生物等の量を測定する部材であり、筐体2外に位置する。ここで、上記空気の一部は、除菌部3によって除菌される前の空気、もしくは、除菌部3による除菌が実質的になされていない空気である。第1測定部5は、除菌部3の中心よりも上流に位置し、例えば空気流入口2aよりも下流であって除菌部3よりも上流にて筐体2の第1連通口2cに連通している。上述したように、第1連通口2cは、上記一方向気流から外れた位置に配置されていると言える。このため、第1連通口2cに連通する第1測定部5もまた、上記一方向気流から外れるように筐体2の内部に連通していると言える。第1測定部5は、筐体11と、ガイド部材12と、蛍光検出装置13とを有する。
【0030】
筐体11は、蛍光検出装置13を収容する中空部材であり、例えば管形状などを有する。筐体11の一端は、筐体2の第1連通口2cに連通しているので、筐体11には、筐体2の内部の空気の一部が流入する。当該空気の一部は、押し出されるようにして筐体11の他端に向かって流れる。よって、筐体11の内部においては、流れ方向WD2に沿って空気が流れる。筐体11の他端は、ガイド部材12に連通している。図示しないが、筐体11の内部には、外光などを遮光する遮光部などが必要に応じて設けられてもよい。
【0031】
ガイド部材12は、筐体11を通過した上記空気の一部を空気流入口2aに向かわせる中空部材であり、例えば管形状を有するダクトなどである。図1に示されるように、ガイド部材12の出口端12aは、送風部4の入口近傍に設けられるが、これに限られない。図示しないが、ガイド部材12の内部には、送風機などが設けられてもよい。
【0032】
図4は、蛍光検出装置の主要構成及び制御部を示す模式図である。図4に示されるように、蛍光検出装置13は、励起光源13aと、蛍光検出部13bとを有する。励起光源13aは、空気中の微生物等に蛍光FL1を発生させるための励起光L1を照射する部材であり、例えばレーザ、LED(発光ダイオード)などである。励起光源13aは、流れ方向WD2に交差する方向に励起光L1を照射する位置に配置されるが、これに限られない。励起光源13aは、例えば制御部7によって制御される。励起光源13aは、連続的に励起光L1を照射してもよいし、間欠的に励起光L1を照射してもよい。なお、制御部7の詳細は後述する。
【0033】
励起光L1の波長は、紫外線UVの波長とは異なり、かつ、蛍光FL1の波長よりも低波長であればよい。このため、励起光L1は、紫外光でもよいし、可視光でもよい。励起光L1の波長は、例えば、300nm以上450nm以下である。第1実施形態では、励起光L1の波長は375nm程度~405nm程度である。
【0034】
蛍光検出部13bは、励起光L1の照射に伴って発生する蛍光FL1を検出する部材であり、例えば可視光センサである。蛍光検出部13bは、例えば、空気中の微生物等から発生する蛍光FL1(例えば、500nm程度の波長の光)を検出する。蛍光検出部13bによる蛍光FL1の検出結果を示す検出情報(第1蛍光データ)は、制御部7に出力される。第1蛍光データは、除菌部3によって除菌される前の空気、もしくは、除菌部3による除菌が若干なされた空気に励起光L1を照射して得られる蛍光の検出結果である。蛍光検出部13bは、蛍光FL1の波長及びその近傍のみを透過する光学フィルタを有する。このため、蛍光検出部13bによって取得される光の強度は、励起光L1の強度を完全もしくは実質的に含まない。よって、蛍光検出部13bから出力されるノイズを低減できる。
【0035】
筐体11内の迷光、蛍光検出部13bの温度ドリフトなどの影響を低減する観点から、励起光源13aが励起光L1として反復するパルス光あるいは正弦波的に強度変化させた光を照射する場合、蛍光検出部13bは、励起光L1の波形と同期検波することによって蛍光FL1を検出してもよい。具体的には、蛍光検出部13bは、上記反復するパルス光の周波数と同じ周期にて蛍光を検出する。
【0036】
第2測定部6は、筐体2の内部の空気の別の一部に含まれる微生物等の量を測定する部材であり、筐体2外に位置する。ここで当該空気の別の一部は、除菌部3によって除菌された空気である。第2測定部6は、除菌部3の中心よりも下流に位置し、例えば第1測定部5及び除菌部3よりも下流であって排出口2bよりも上流にて筐体2の第2連通口2dに連通している。上述したように、第2連通口2dは、上記一方向気流から外れた位置に配置されていると言える。このため、第2連通口2dに連通する第2測定部6もまた、上記一方向気流から外れるように筐体2の内部に連通していると言える。図3に示されるように、第2測定部6は、筐体21と、蛍光検出装置22とを有する。
【0037】
筐体21は、蛍光検出装置22を収容する中空部材であり、例えば管形状などを有する。筐体21の一端は、筐体2の第2連通口2dに連通している。このため、筐体21には、筐体2の内部の空気の別の一部が流入する。当該空気の別の一部は、押し出されるようにして筐体21の他端に向かって流れる。よって、筐体21の内部においては、流れ方向WD3に沿って空気が流れる。筐体21の他端からは、単に上記空気の別の一部が排出されるが、これに限られない。筐体21の他端にも、第1測定部5のガイド部材12と同様のガイド部材が装着されてもよい。また、図示しないが、筐体21の内部には、外光遮光部などを遮光する遮光部、送風機などが必要に応じて設けられてもよい。
【0038】
蛍光検出装置22は、蛍光検出装置13と同様に、筐体21内の微生物等に蛍光を発生させるための励起光L2を照射する励起光源(不図示)と、当該蛍光を検出する蛍光検出部(不図示)を有する。蛍光検出部による蛍光の検出結果を示す検出情報(第2蛍光データ)は、制御部7に出力される。第2蛍光データは、除菌部3から排出される空気(すなわち、除菌後の空気)に励起光L2を照射して得られる蛍光の検出結果である。第1実施形態では、蛍光検出装置13,22は、互いに同一構成及び同一性能を有する。よって、励起光L1,L2の波長及び強度は、同一もしくは実質的に同一である。蛍光検出装置22が励起光として反復するパルス光あるいは正弦波的な強度変化をする光を照射する場合、蛍光検出装置22の蛍光検出部は、当該励起光の波形と同期検波することによって、蛍光を検出してもよい。
【0039】
制御部7は、除菌装置1に含まれる除菌部3、送風部4、第1測定部5及び第2測定部6の動作を制御するコントローラである。図示しないが、制御部7は、例えば筐体2内に設けられる。制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM(Read Only Memory)等によって構成される。制御部7は、例えば、図示しない操作部を介して指定された動作信号を、除菌部3、蛍光検出装置13,22、送風部4などへ出力する。
【0040】
制御部7は、除菌装置1に含まれる各部材の制御だけでなく、各種信号の受信/演算/送信、及び各種信号の記録/読み出し等も実施する処理部である。制御部7による各種信号の演算の例として、第1測定部5の蛍光検出装置13から出力される蛍光FL1の検出情報(第1蛍光データ)と、第2測定部6の蛍光検出装置22から出力される蛍光の検出情報(第2蛍光データ)との取得、これらの検出情報に基づく除菌部3で除菌される除菌量の算出などが挙げられる。このため、制御部7は、例えば、除菌部3に含まれる除菌用光源の制御信号を出力するための部分、蛍光検出装置13,22の制御信号を出力するための部分、送風部4の制御信号を出力するための部分、蛍光検出装置13,22の検出情報(第1蛍光データ及び第2蛍光データ)を取得するための部分、当該検出情報に基づいて除菌部3で除菌される除菌量を算出するための部分、各信号及び各情報を記憶する部分(記憶部)等を有する。
【0041】
図5は、第1測定部及び第2測定部のそれぞれにて検出される蛍光強度の時間変化を示す図である。図5において、縦軸は蛍光強度を示し、横軸は時間を示す。プロットP1は、第1測定部5にて検出される蛍光強度の時間変化を示すデータであり、蛍光検出装置13から出力される第1蛍光データに基づいて得られる。このため、プロットP1は、第1測定部5内の空気に含まれる微生物等から発生する蛍光の強度の時間変化を示す。プロットP2は、第2測定部6にて検出される蛍光強度の時間変化を示すデータであり、蛍光検出装置22から出力される第2蛍光データに基づいて得られる。このため、プロットP2は、第2測定部6内の空気に含まれる微生物等から発生する蛍光の強度の時間変化を示す。励起光がパルス波形、正弦波形などの交流波形で振幅変調されている場合、プロットP1,P2の強度は、上記交流波形の振幅に対応するとみなしてもよい。なお、図5において、制御部7によって、プロットP1,P2には予め時間のずれ補正が実施されることがある。これにより、所定のタイミングにおいて第1測定部5に存在する空気に励起光L1を照射して得られる蛍光強度と、当該空気が第2測定部6に存在するときに励起光L2の照射によって得られる蛍光強度とを容易に比較できる。上記補正は、除菌装置1内の空気の流れ(風速)に基づいて設定される。風速が遅いほど、上記補正が強くなる。当該風速は、送風部4の動作に基づいて設定される。
【0042】
プロットP1にて示される蛍光強度の時間変化と、プロットP2にて示される蛍光強度の時間変化とは、互いに似た傾向を示す。具体的には、所定時間における蛍光強度の増減幅は、プロットP1,P2共にほぼ同一である。一方、プロットP1の蛍光強度は、プロットP2の蛍光強度よりも高い。これらの蛍光強度の差は、除菌部3による微生物の除菌の有無によって生じる。このため、当該差は、除菌部3で除菌される除菌量に相当すると言える。なお、除菌部3にて空気中の微生物等が完全に除菌されると仮定する場合、プロットP2は、空気中の微粒子によって発生される蛍光強度の時間変化に相当する。よって、プロットP1,P2の利用により除菌部3で除菌される微生物等の除菌量の推移を得ることができる。
【0043】
以下では、第1実施形態に係る除菌装置1によって奏される作用効果について説明する。
【0044】
本発明者らは、所定量の微粒子上に微生物が付着される試料を紫外光によって除菌もしくは殺菌を実施する場合において、微粒子量が変化しないのにかかわらず上記試料から発生する蛍光の強度が時間変化することに着目し、鋭意検討を実施した。その結果、紫外線照射前後において、微生物量の変化に応じて試料から発生する蛍光の強度は変化する一方で、埃、繊維などの微粒子自体から発生する蛍光の強度は実質的に変化しないことが見出された。また、微粒子の中にはそもそも蛍光を発しない物も存在し得る。この知見を踏まえ、本発明者らは、例えば、所定方向に流れる空気に紫外線を照射して微生物等を除菌する構成に対して、紫外線照射前後の空気の蛍光強度を取得する構成を追加することによって、除菌量を容易に算出可能な除菌装置を見出すに至った。
【0045】
ここで、本発明者らは、上記除菌装置の除菌能力を向上するために、除菌装置の大型化、単位時間における除菌量の増加などを実施した場合、除菌装置を流れる空気量の増大、空気流速の増加等に伴って、取得される空気の蛍光強度にばらつきが生じ、その結果、除菌量の算出精度が低下してしまう可能性も見出した。このような可能性も踏まえ、本発明者らは、蛍光検出部の感度を空間的な違いに応じて適切に調整することによって、除菌装置のサイズなどにかかわらず、精度よく除菌量を算出可能な手法を検討した。
【0046】
以上の知見に基づいた第1実施形態に係る除菌装置1によれば、筐体2の内部に連通し、筐体2内の空気の一部が流入される第1測定部5と、第1測定部5よりも下流に位置すると共に筐体2の内部に連通し、筐体2の内部の空気の別の一部が流入される第2測定部6と、を備える。これにより、第1測定部5に流入される空気と、第2測定部6に流入される空気とは、除菌部3の除菌用光源から照射される紫外線UV、筐体2内の気流、空気量などの影響を受けにくくなる。このため、筐体2から第1測定部5に流入する空気の第1蛍光データと、筐体2から第2測定部6に流入する空気の第2蛍光データとのそれぞれを、安定して取得できる。したがって第1実施形態によれば、これらの安定した各蛍光データを利用することによって、除菌装置1の大型化などが実施されたとしてもなお、除菌部3によってなされる除菌量を精度よく算出できる。
【0047】
ここで、除菌装置1は、除菌部3、第1測定部5、及び第2測定部6の動作を制御する制御部7を備え、制御部7は、第1測定部5から出力される第1蛍光データと、第2測定部6から出力される第2蛍光データとを取得し、第1蛍光データと第2蛍光データとに基づいて、除菌部3で除菌される除菌量を算出する。このように第1蛍光データ及び第2蛍光データを比較することによって、除菌部3の内部に流入する空気の除菌量を容易かつ精度よく算出できる。
【0048】
第1実施形態では、第1測定部5は、空気流入口2aよりも下流であって除菌部3よりも上流にて筐体2に連通し、第2測定部6は、除菌部3よりも下流であって排出口2bよりも上流にて筐体2に連通してもよい。この場合、第1測定部5には除菌部3によって除菌される前の空気のみが流入する傾向があり、第2測定部6には除菌部3によって除菌された後の空気のみが流入する傾向がある。このため、除菌部3によってなされる除菌量をより容易に算出できる。
【0049】
第1実施形態では、第1測定部5は、励起光L1が照射された空気の一部を空気流入口2aに向かわせるガイド部材12をさらに有する。このため、除菌量の算出に利用されると共に除菌し切れていない空気の除菌装置1外への排出が防止可能である。
【0050】
第1実施形態では、除菌装置1は、筐体2よりも上流に位置し、空気流入口2aへ空気を送る送風部4を備え、送風部4によって筐体2の内部に形成される空気の一方向気流上に、空気流入口2a及び排出口2bが配置され、第1測定部5及び第2測定部6のそれぞれは、一方向気流から外れるように筐体2の内部に連通される。このため、第1測定部5に流入される空気と、第2測定部6に流入される空気とは、送風部4によって形成される一方向気流の影響を良好に受けにくくなる。したがって、第1測定部5と第2測定部6とのそれぞれから、安定した蛍光データを取得できる。
【0051】
第1実施形態では、筐体2には、第1測定部5に連通する第1連通口2cと、第2測定部6に連通する第2連通口2dとが設けられ、第1連通口2cと第2連通口2dとの少なくとも一方には、遮光部BLが設けられる。このため、第1測定部5及び第2測定部6の少なくとも一方に、除菌部3から照射される紫外線UVが侵入しにくくなる。これにより、第1測定部5の蛍光検出装置13にて得られる検出結果と、第2測定部6の蛍光検出装置22にて得られる検出結果との少なくとも一方は、紫外線UVの影響を受けにくくなる。
【0052】
第1実施形態では、励起光L1は、反復するパルス光もしくは正弦波的に強度変調された光であり、蛍光検出部13bは、励起光L1の周波数を増幅して蛍光を検出してもよい、もしくは、励起光L1との同期検波によって蛍光を検出してもよい。この場合、第1測定部5内に入り込む迷光などによる散乱光の影響を低減できる。
【0053】
第1実施形態では、除菌部3の除菌用光源は、紫外線及び可視光を照射する放電管を有し、筐体2の最大寸法は、1m以上5m以下でもよい。この場合、筐体2内に可視光が照射され、かつ、除菌装置1が大型のものであっても、除菌量を精度よく算出可能である。
【0054】
第1実施形態では、除菌部3は、筐体2内を微生物が1回通過するだけで完全に(100%)除菌されるような強力な紫外線UVを照射してもよい。この場合、例えば第1測定部5では筐体2に入ってきた微生物量が、第2測定部6では微生物が筐体2から排出されていないことが検出可能である。仮に、筐体2内に流入した微生物のうち70%が筐体2内を通過する間に除菌された場合、第2測定部6では第1測定部5の微生物量の30%の値が検出される。
【0055】
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係る除菌装置について説明する。第2実施形態の説明において第1実施形態と重複する記載は省略し、第1実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第2実施形態に第1実施形態の記載を適宜用いてもよい。
【0056】
図6(a),(b)は、第2実施形態に係る第1測定部の蛍光検出装置の配置を示す模式図である。図6(a),(b)に示されるように、第1測定部5Aの筐体11内には、蛍光検出装置13Aの励起光源13Aa及び蛍光検出部13Abが配置される。加えて、図6(a),(b)には、励起光源13Aaから照射される励起光L1Aの照射範囲R1と、蛍光検出部13Abの蛍光検出範囲R2とが示される。第2実施形態では、照射範囲R1と蛍光検出範囲R2とが互いに直交するように、励起光源13Aaと蛍光検出部13Abとが、筐体11内に配置される。加えて、照射範囲R1と蛍光検出範囲R2とは、流れ方向WD2に対しても直交するが、これに限られない。図示しないが、第2測定部に含まれる蛍光検出装置の励起光源及び蛍光検出部も、同様に配置される。なお、第2実施形態では、筐体11は円筒形状を有するが、これに限られない。
【0057】
以上に説明した第2実施形態に係る第1測定部5Aを備える除菌装置においても、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、第1測定部5Aの筐体11の壁面にて反射する励起光L1Aが、蛍光検出部13Abに入射しにくくなる。これにより、蛍光検出部13Abの蛍光検出精度を向上できる。
【0058】
図7(a),(b)は、第2実施形態の変形例に係る第1測定部の蛍光検出装置の配置を示す模式図である。図7(a),(b)に示されるように、第1測定部5Bの筐体11内には、励起光源13Aa及び蛍光検出部13Abに加えて、散乱光検出部30が配置される。図7(a),(b)には、照射範囲R1及び蛍光検出範囲R2に加えて、散乱光検出部30の散乱光検出範囲R3が示される。本変形例では、励起光L1Aの散乱光検出部30への入射を抑制するため、照射範囲R1と散乱光検出範囲R3とが互いに直交するように、励起光源13Aaと散乱光検出部30とが、第1測定部5B内に配置される。加えて、照射範囲R1と散乱光検出範囲R3とは、流れ方向WD2に対しても直交するが、これに限られない。
【0059】
散乱光検出部30は、励起光L1Aが空気(より具体的には、空気中の微粒子等)に照射されることによって発生する散乱光(不図示)を検出する部材であり、例えば可視光センサもしくは紫外線センサである。散乱光の波長は、励起光L1Aの波長と同一である。よって、散乱光検出部30は、散乱光の波長及びその近傍のみを投下する光学フィルタを有してもよい。この場合、散乱光検出部30から出力されるノイズを低減できる。散乱光検出部30による散乱光の検出結果を示す検出情報(第1散乱光データ)は、制御部7(図4を参照)に出力される。第1散乱光データは、例えば除菌前の空気に励起光L1Aを照射して得られる散乱光の検出結果である。励起光L1Aとして反復するパルス光あるいは正弦波的に強度変化させた光を照射する場合、散乱光検出部30は、励起光L1Aと同じ周波数成分をもつ散乱光を増幅検出してもよいし、当該散乱光の信号を励起光の周波数と同期検波することによって検出してもよい。
【0060】
図示しないが、第2測定部は、第1測定部5Bと同様に散乱光検出部(不図示)を有する。この散乱光検出部による散乱光の検出結果を示す検出情報(第2散乱光データ)は、制御部7(図4を参照)に出力される。第2散乱光データは、例えば除菌後の空気に励起光を照射して得られる散乱光の検出結果である。また、第2測定部に含まれる励起光源及び散乱光検出部は、例えば、第1測定部5Bと同様の位置に配置される。
【0061】
本変形例では、制御部7は、第1測定部5Bから出力される第1散乱光データと、第2測定部から出力される第2散乱光データとを取得する。そして、制御部7は、第1散乱光データと第2散乱光データとに基づいて、励起光源13Aaから照射される励起光L1Aの光強度と、第2測定部の励起光源から照射される励起光の光強度と、蛍光検出部13Abの検出感度と、第2測定部の蛍光検出部の検出感度との少なくとも一つを調整する。
【0062】
以上に説明した第2実施形態の変形例においても、上記第2実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、第1散乱光データ及び第2散乱光データを利用することによって、以下に説明するように、除菌中に各蛍光検出部の校正などを実施できる。
【0063】
除菌装置における第1測定部と第2測定部の蛍光強度の差は、生菌の除菌量に比例する。一方、生菌とは異なる埃などの微粒子に起因した蛍光の強度は、第1測定部と第2測定部で変化しない、もしくは実質的に変化しない。このため、第1測定部の散乱光強度と、第2測定部の散乱光強度とを得ることで、除菌装置に流入する空気中の微粒子量を数値化できる。そして、数値化した微粒子量のデータから、各検出部の感度の差に関する情報を取得できる。これにより、各蛍光検出装置の感度の校正なども実施できる。例えば、菌をほぼ含まない繊維等の蛍光物質を本除菌装置に流すことによって校正してもよい。
【0064】
次に、図8を参照しながら、上記実施形態に係る除菌装置を備える除菌システムについて説明する。図8は、除菌システムの概要構成を示すブロック図である。図8に示される除菌システム100は、除菌装置200と、除菌装置200から出力されるデータを処理する処理装置300と、処理装置300によって算出される除菌量を表示する表示装置400とを備える。除菌装置200は、上記実施形態に係る除菌装置1,1Aと同様の装置である。ただ、除菌装置200の制御部(不図示)は、除菌量を算出しない。加えて、除菌装置200は、処理装置300等と各種データを通信可能な通信部(不図示)を有する。
【0065】
処理装置300は、除菌装置200から出力される各蛍光データに基づいて、除菌装置200による微生物等の除菌量を算出する装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM(Read Only Memory)等によって構成される。処理装置300は、例えば、除菌装置200の第1測定部(不図示)から出力される第1蛍光データと、第2測定部(不図示)から出力される第2蛍光データとを取得し、第1蛍光データと第2蛍光データとに基づいて、除菌部で除菌される除菌量を算出し、除菌量を示す表示データを表示装置400に表示させる。処理装置300は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネットなどを介して、算出した除菌量を示す表示データ(画像信号)を表示装置400に出力する。このため、処理装置300は、各種データを通信可能な通信部(不図示)を有する。上記表示データは、例えば、除菌装置200による微生物等の除菌量計測結果を示すデータだけでなく、当該除菌量計測結果の更新までの時間を示すデータ、呼気した空気の温度、湿度等を示すデータなどを含み得る。除菌量計測結果を示すデータは、例えば、数字データ、時間変化に対する除菌量を示すグラフデータ等である。
【0066】
表示装置400に表示される値が大きいほど、除菌量が大きいことを示す。このため、当該値が大きいほど、除菌装置200の近傍における微生物等の量が多いことを示し得る。よって、表示装置400に表示される値が所定の閾値を超える場合、処理装置300は、報知処理(例えば、図示しないスピーカーによる警報報知処理、図示しないランプなどの光報知処理など)を実施してもよい。
【0067】
処理装置300は、除菌装置200に含まれる各部材を制御するコントローラとしても機能する。処理装置300は、除菌装置200に含まれる各部材の制御だけでなく、各種信号の受信/演算/送信、及び各種信号の記録/読み出し等も実施する処理部でもよい。処理装置300は、各信号及び各情報を記憶する部分(記憶部)等を有してもよい。
【0068】
表示装置400は、処理装置300から出力される表示データに基づく画像を表示する部材である。表示装置400には、1つの表示データに相当する画像が表示されてもよいし、複数の表示データに相当する画像が表示されてもよい。上述したように、表示装置400は、処理装置300と無線通信可能である。このため、表示装置400のユーザは、遠隔地からでも除菌量を示す画像を容易に確認できる。表示装置400は、除菌システム100専用の装置でもよいし、除菌システム100専用の装置でなくてもよい。前者の場合、表示装置400は、例えば1または複数の液晶ディスプレイなどと、タッチパネルなどのユーザインターフェースとを含む。後者の場合、表示装置400は、例えば、除菌システム100を操作するためのアプリケーションを動作可能なスマートフォン、タブレットなどである。例えば、表示装置400が作業者(ユーザ)からの入力を受け付けると、入力内容を示す入力情報は、処理装置300に出力されてもよい。この場合、表示装置400のユーザは、遠隔地からでも除菌装置200及び/または処理装置300の動作を容易に制御できる。入力情報は、例えば、除菌装置200の起動指示、停止指示、動作変更指示等に関するデータである。
【0069】
以上に説明した除菌システム100においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、除菌システム100によれば、表示装置400は、処理装置300によって算出された除菌量を示す表示データを表示する。これにより、除菌システム100のユーザは、除菌装置200の除菌効果を、表示装置400を介して容易に確認できる。
【0070】
上記除菌システム100は、除菌装置200と処理装置300と表示装置400とは、互いに別装置であるが、これに限られない。例えば、表示装置に処理装置が設けられてもよいし、除菌装置に表示装置が設けられてもよい。
【0071】
本発明の一側面に係る除菌装置及びそれを備える除菌システムは、以下の[1]~[11]に記載する通りであり、上記実施形態及び上記変形例に基づいてこれらを詳細に説明した。
[1]
空気が流入する空気流入口、及び、前記空気を排出する排出口を有する筐体と、
前記筐体の内部に配置され、前記空気流入口から流入される空気中の微生物を除菌する除菌部と、
前記筐体外に位置し、前記除菌部の中心よりも上流における前記空気の一部が流入される第1測定部と、
前記筐体外に位置し、前記除菌部の中心よりも下流における前記空気の別の一部が流入される第2測定部と、
を備え、
前記除菌部は、前記筐体の内部に収容されると共に前記空気流入口から流入される前記空気に少なくとも紫外線を照射する除菌用光源であり、
前記第1測定部と前記第2測定部とのそれぞれは、励起光を照射する励起光源と、前記励起光の照射に基づいて発生する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する、
除菌装置。
[2]
前記第1測定部は、前記空気流入口よりも上流に位置しており、
前記第2測定部は、前記排出口よりも下流に位置している、[1]に記載の除菌装置。
[3]
前記第1測定部は、前記空気流入口よりも下流であって前記除菌部よりも上流にて前記筐体に連通し、
前記第2測定部は、前記除菌部よりも下流であって前記排出口よりも上流にて前記筐体に連通する、[1]に記載の除菌装置。
[4]
前記筐体には、前記第1測定部に連通する第1連通口と、前記第2測定部に連通する第2連通口とが設けられ、
前記第1連通口と前記第2連通口との少なくとも一方には、遮光部が設けられる、[3]のいずれかに記載の除菌装置。
[5]
前記第1測定部は、前記励起光が照射された前記空気の一部を前記空気流入口に向かわせるガイド部材をさらに有する、[1]~[4]のいずれかに記載の除菌装置。
[6]
前記筐体よりも上流に位置し、前記空気流入口へ前記空気を送る送風部をさらに備え、
前記送風部によって前記筐体の内部に形成される前記空気の一方向気流上に、前記空気流入口及び前記排出口が配置され、
前記第1測定部及び前記第2測定部のそれぞれは、前記一方向気流から外れるように前記筐体の内部に連通する、[1]~[5]のいずれかに記載の除菌装置。
[7]
前記除菌部、前記第1測定部、及び前記第2測定部の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1測定部から出力される第1蛍光データと、前記第2測定部から出力される第2蛍光データとを取得し、
前記第1蛍光データと前記第2蛍光データとに基づいて、前記除菌部で除菌される除菌量を算出する、[1]~[6]のいずれかに記載の除菌装置。
[8]
前記第1測定部と前記第2測定部とのそれぞれは、前記空気に前記励起光が照射されることによって発生する散乱光を検出する散乱光検出部をさらに有する、[7]に記載の除菌装置。
[9]
前記制御部は、
前記第1測定部から出力される第1散乱光データと、前記第2測定部から出力される第2散乱光データとを取得し、
前記第1散乱光データと前記第2散乱光データとに基づいて、前記第1測定部の前記励起光源から照射される前記励起光の光強度と、前記第2測定部の前記励起光源から照射される前記励起光の光強度と、前記第1測定部の前記蛍光検出部の検出感度と、前記第2測定部の前記蛍光検出部の検出感度との少なくとも一つを調整する、[8]に記載の除菌装置。
[10]
前記励起光は、反復するパルス光もしくは正弦波的に強度変調された光であり、
前記蛍光検出部は、前記励起光の周波数を増幅して前記蛍光を検出する、もしくは、前記励起光との同期検波によって前記蛍光を検出する、[1]~[9]のいずれかに記載の除菌装置。
[11]
前記除菌用光源は、紫外線及び可視光を照射する放電管を有し、
前記筐体の内部を流れる前記空気の流れ方向に直交する方向に沿った前記筐体の寸法は、1m以上5m以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の除菌装置。
[12]
[1]~[11]のいずれかに記載の除菌装置と、
前記除菌装置から出力されるデータを処理する処理装置と、
前記処理装置によって算出される除菌量を表示する表示装置と、
を備える除菌システムであって、
前記処理装置は、
前記第1測定部から出力される第1蛍光データと、前記第2測定部から出力される第2蛍光データとを取得し、
前記第1蛍光データと前記第2蛍光データとに基づいて、前記除菌部で除菌される除菌量を算出し、
前記除菌量を示す表示データを前記表示装置に表示させる、
除菌システム。
【0072】
しかし、本発明の一側面は、上記実施形態、上記変形例及び上記[1]~[12]に限定されない。本発明の一側面は、その要旨を逸脱しない範囲でさらなる変形が可能である。上記実施形態と上記変形例とは、適宜組み合わされてもよい。例えば、上記第1実施形態に散乱光検出部などが設けられてもよい。
【0073】
上記実施形態及び上記変形例では、第1測定部及び第2測定部のそれぞれは、筐体内に直接連通しているが、これに限られない。例えば、第1測定部及び第2測定部の少なくとも一方は、筐体内に間接的に連通してもよい。この場合、例えば、第1測定部が送風部内に連通してもよい。図9(a)は、第1別例に係る除菌装置の概要構成を示す模式図であり、図9(b)は、第2別例に係る除菌装置の概要構成を示す模式図であり、図10は、第3別例に係る除菌装置の概要構成を示す模式図である。上記第1別例及び上記第2別例では、第1測定部が、筐体内に間接的に連通しており、かつ、除菌部よりも上流に位置する。一方、上記第3別例では、第2測定部が、筐体内に間接的に連通しており、かつ、除菌部よりも下流に位置する。具体的には、図9(a)に示される除菌装置1Bでは、第1測定部5は空気流入口2aよりも上流に位置する送風部4内に連通しており、よって第1測定部5は、送風部4を介して筐体2内に間接的に連通している。図9(b)に示される除菌装置1Cでは、第1測定部5は、送風部4よりも上流に位置すると共に送風部4に連通する中空のカバー部材50(中空部材)の内部に連通しており、よって第1測定部5は、送風部4及びカバー部材50を介して筐体2内に間接的に連通している。図10に示される除菌装置1Dでは、第2測定部6は、筐体2の排出口2bよりも下流に位置すると共に排出口2bに連通する中空のカバー部材60(中空部材)の内部に連通しており、よって第2測定部6はカバー部材60を介して筐体2内に間接的に連通している。これらの場合、第1測定部5または第2測定部6には紫外線UVなどの影響を受けることなく、空気の蛍光強度を測定できる。なお、上記第1別例~上記第3別例は、それぞれ組み合わされてもよいし、上記実施形態及び上記変形例に組み合わされてもよい。例えば、上記第1実施形態に上記第1別例及び上記第3別例が組み合わされてもよい。
【0074】
上記実施形態及び上記変形例では、除菌装置は、第1測定部及び第2測定部のみを有するが、これに限られない。例えば、除菌装置は、第1測定部と第2測定部との間に1以上の測定部が設けられてもよい。すなわち、除菌装置は、3つ以上の測定部を備えてもよい。これにより、除菌装置にて算出される微生物等の除菌量の精度をより向上できる。第3測定部は、例えば、流れ方向において除菌部に重なるように設けられてもよい。
【0075】
上記実施形態及び上記変形例では、筐体の内部に紫外線反射板が設けられてもよい。紫外線反射板が設けられることによって、筐体の内部にて紫外線が多重反射し得る。紫外線反射板による筐体内部での空気の流れを好適にする観点から、紫外線反射板には、開口部等が設けられてもよい。
【0076】
上記実施形態及び上記変形例では、除菌部は、筐体の側面上に設けられるが、これに限られない。例えば、除菌部に含まれる除菌用光源は、流れ方向における筐体の一端面上に配置されてもよい。
【0077】
上記実施形態及び上記変形例において、除菌装置は、遮光部を備えなくてもよい。また、送風部は、筐体の下流にも設置されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1,1A~1D…除菌装置、2…筐体、2a…空気流入口、2b…排出口、2c…第1連通口、2d…第2連通口、3…除菌部、4…送風部、5,5A,5B…第1測定部、6…第2測定部、7…制御部、11…筐体、12…ガイド部材、12a…出口端、13,13A…蛍光検出装置、13a、13Aa…励起光源、13b,13Ab…蛍光検出部、21…筐体、22…蛍光検出装置、30…散乱光検出部、50,60…カバー部材、100…除菌システム、200…除菌装置、300…処理装置、400…表示装置、A…空気、BL…遮光部、FL1…蛍光、L1,L1A,L2…励起光、UV…紫外線、WD1…流れ方向、WD2…流れ方向、WD3…流れ方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10