(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175911
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A47J27/00 103A
A47J27/00 103R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094005
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】阿部 桃香
(72)【発明者】
【氏名】松本 直彦
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055AA09
4B055BA08
4B055BA09
4B055BA32
4B055BA80
4B055CA71
4B055CC12
4B055DB14
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、本体にスピーカーが設けられる調理器において、スピーカーからできるだけ良好な音質や音量で音を出力することである。
【解決手段】本発明に係る調理器100は、底壁部Abを有する本体110と、前記本体の内側に配置される容器130と、前記容器の外側に配置され、前記容器を加熱する誘導加熱コイル113と、リード線AL1を有し、前記底壁部に取り付けられるスピーカーALと、を備え、前記リード線は、前記誘導加熱コイルの外側において前記誘導加熱コイルから離れた位置に配置される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部を有する本体と、
前記本体の内側に配置される容器と、
前記容器の外側に配置され、前記容器を加熱する誘導加熱コイルと、
リード線を有し、前記底壁部に取り付けられるスピーカーと、を備え、
前記リード線は、前記誘導加熱コイルの外側において前記誘導加熱コイルから離れた位置に配置される
調理器。
【請求項2】
前記底壁部の上側且つ前記誘導加熱コイルの外側において前記誘導加熱コイルから離れた位置に配置され、上下方向に延びるリード線取付部材をさらに備え、
前記リード線の少なくとも一部は、前記リード線取付部材の延び方向に沿うように前記リード線取付部材に取り付けられる
請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記リード線取付部材は、前記誘導加熱コイルの側の反対側を向く取付面が形成される壁部を有し、
前記リード線の少なくとも一部は、前記取付面に沿うように取り付けられる
請求項2に記載の調理器。
【請求項4】
前記リード線取付部材は、前記リード線を保持するための保持部をさらに有する
請求項2または3に記載の調理器。
【請求項5】
前記本体は、前記容器を収容する保護枠をさらに有し、
前記底壁部および前記保護枠は、前記リード線取付部材を介して連結される
請求項2に記載の調理器。
【請求項6】
前記スピーカーを挟んで前記底壁部と対向するカバー部と、
前記スピーカーおよび前記カバー部の両方に当接する緩衝部材と、をさらに備える
請求項1に記載の調理器。
【請求項7】
前記底壁部には、前記カバー部の側に延びるリブが形成され、
前記カバー部には、前記リブと嵌合可能な溝が形成され、
前記カバー部は、前記溝が前記リブと嵌合するように前記底壁部に取り付けられる
請求項6に記載の調理器。
【請求項8】
前記リブの前記誘導加熱コイルの側の反対側の部位には、前記リード線を通すための開口が形成される
請求項7に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「調理物が入れられる内鍋と、上面が開口され前記内鍋が着脱自在に収容される内鍋収容部、前記内鍋の加熱手段、該加熱手段を制御する制御部及び表示部を有する炊飯器本体と、該炊飯器本体の開口部を開閉する蓋体とを備え、前記炊飯器本体に前記内鍋の重量を検知する重量検知手段を設け、該重量検知手段により前記内鍋の重量変化を検出し、前記制御部により前記重量変化に対応したエネルギー量を演算し、演算結果を摂取カロリー量として自動的に報知する炊飯器。」が提案されている(例えば、再表2012/150648号公報等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような炊飯器では、音報知するスピーカーが炊飯器本体に設けられている。しかし、上述のような炊飯器では、スピーカーのリード線は誘導加熱コイルの近くに配置されるため、スピーカーのリード線が誘導加熱コイルによるノイズの影響を受けやすくなり、スピーカーから良好な音質や音量で音を出力することができないおそれが生じる。
【0005】
本発明の課題は、本体にスピーカーが設けられる調理器において、スピーカーからできるだけ良好な音質や音量で音を出力することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る調理器は、
底壁部を有する本体と、
前記本体の内側に配置される容器と、
前記容器の外側に配置され、前記容器を加熱する誘導加熱コイルと、
リード線を有し、前記底壁部に取り付けられるスピーカーと、を備え、
前記リード線は、前記誘導加熱コイルの外側において前記誘導加熱コイルから離れた位置に配置される。
【0007】
上記構成によれば、リード線が誘導加熱コイルによるノイズの影響をできるだけ受けないようにすることができる。このため、この調理器では、スピーカーからできるだけ良好な音質や音量で音を出力することができる。
【0008】
本発明では、
前記底壁部の上側且つ前記誘導加熱コイルの外側において前記誘導加熱コイルから離れた位置に配置され、上下方向に延びるリード線取付部材がさらに備えられ、
前記リード線の少なくとも一部は、前記リード線取付部材の延び方向に沿うように前記リード線取付部材に取り付けられると好適である。
【0009】
上記構成によれば、リード線の少なくとも一部の位置がずれてリード線の少なくとも一部が誘導加熱コイルに接近するおそれをできるだけ低減することができる。
【0010】
本発明では、
前記リード線取付部材は、前記誘導加熱コイルの側の反対側を向く取付面が形成される壁部を有し、
前記リード線の少なくとも一部は、前記取付面に沿うように取り付けられると好適である。
【0011】
上記構成によれば、リード線の少なくとも一部が誘導加熱コイルに接近することを壁部によってできるだけ遮ることができる。
【0012】
本発明では、
前記リード線取付部材は、前記リード線を保持するための保持部をさらに有すると好適である。
【0013】
上記構成によれば、リード線の少なくとも一部の位置がずれてリード線の少なくとも一部が誘導加熱コイルに接近するおそれをより低減することができる。
【0014】
本発明では、
前記本体は、前記容器を収容する保護枠をさらに有し、
前記底壁部および前記保護枠は、前記リード線取付部材を介して連結されると好適である。
【0015】
上記構成によれば、リード線取付部材によって底壁部に対する保護枠の位置を固定することができる。
【0016】
本発明では、
前記スピーカーを挟んで前記底壁部と対向するカバー部と、
前記スピーカーおよび前記カバー部の両方に当接する緩衝部材と、がさらに備えられると好適である。
【0017】
上記構成によれば、スピーカーから出力される音による振動がカバー部にできるだけ伝わらないようにすることができる。
【0018】
本発明では、
前記底壁部には、前記カバー部の側に延びるリブが形成され、
前記カバー部には、前記リブと嵌合可能な溝が形成され、
前記カバー部は、前記溝が前記リブと嵌合するように前記底壁部に取り付けられると好適である。
【0019】
上記構成によれば、スピーカーの底壁部側から出力される正位相の音とスピーカーのカバー部側から出力される逆位相の音とが互いに打ち消し合うことをできるだけ防止することができる。
【0020】
本発明では、
前記リブの前記誘導加熱コイルの側の反対側の部位には、前記リード線を通すための開口が形成されると好適である。
【0021】
上記構成によれば、リード線を誘導加熱コイルの外側において誘導加熱コイルから離れた位置にできるだけ容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る炊飯器の斜視図である。なお、本図では、蓋体が閉じられた状態が示されている。
【
図2】本発明の実施形態に係る炊飯器の平面図である。なお、本図では、蓋体が閉じられた状態が示されている。
【
図4】本発明の実施形態に係る炊飯器の斜視図である。なお、本図では、蓋体が開かれた状態が示されている。
【
図5】本発明の実施形態に係る筐体の収容体の底壁の平面図である。なお、本図では、筐体の収容体の底壁にスピーカー、スピーカーカバーおよびクッション部材が取り付けられた状態が示されている。
【
図7】
図6に示されるスピーカー付近の拡大図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る筐体の収容体の底壁、スピーカー、スピーカーカバーおよびクッション部材の分解斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るスピーカーカバーの下方斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る筐体のスペーサーの斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る筐体の収容体の底壁、保護枠およびスペーサーの斜視図である。なお、本図では、筐体の左前部が拡大されて示されると共に筐体のスペーサーにスピーカーのリード線の一部が取り付けられた状態が示されている。
【
図12】本発明の実施形態に係る筐体の収容体の底壁、保護枠およびスペーサーの斜視図である。なお、本図では、筐体の前部が拡大されて示されると共に筐体のスペーサーにスピーカーのリード線の一部が取り付けられた状態が示されている。
【
図13】本発明の実施形態に係る筐体の収容体およびスペーサーの斜視図である。なお、本図では、筐体の収容体の底壁にスピーカーが取り付けられ、4つのスペーサーのうち収容体の底壁の基体部の前左部に形成される第2ビス受け部を覆うスペーサーだけが示され、このスペーサーにスピーカーのリード線の一部が取り付けられた状態が示されている。
【
図14】本発明の実施形態に係る炊飯器の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<本発明の実施形態に係る炊飯器の構成>
本発明の実施形態に係る炊飯器100は、
図1~
図4に示されるように、主に、本体110、内鍋130、蓋体140およびヒンジ機構150等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0024】
(1)本体
本体110は、
図1~
図13に示されるように、主に、筐体111、第1パッキンPK1、第2パッキンPK2、鍋載置部112、誘導加熱コイル113、保温ヒータHT、センターセンサ114、スピーカーAL、スピーカーカバーCV、クッション部材BM、送風ファン115、ヒートシンク116、制御基板118、自動巻取式電源コードユニット120およびレバー機構119等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0025】
(1-1)筐体
筐体111は、
図1~
図8、
図11~
図13に示されるように、主に、収容体111a、肩部材111c、保護枠111dおよびスペーサー111e等から構成されている。以下、これらの構成要件について詳述する。
【0026】
(1-1-1)収容体
収容体111aは、
図1~
図8、
図11~
図13に示されるように、主に、側壁Aa、底壁Abおよびカバー部材Ac等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。なお、収容体111aは、
図3に示されるように、第1パッキンPK1、第2パッキンPK2、誘導加熱コイル113、センターセンサ114、スピーカーAL、スピーカーカバーCV、クッション部材BM、送風ファン115、ヒートシンク116、制御基板118および自動巻取式電源コードユニット120等を収容している。
【0027】
側壁Aaは、平面視において略角丸長方形を呈する囲い壁部であって、ABS樹脂等から形成されており、
図1~
図4、
図13に示されるように、本体110の側面の大部分(後端下部以外の部分)を形成している。なお、
図3および
図13に示されるように、側壁Aaの前壁部分の上部には、レバー機構119のレバー本体LBを挿通させるための開口Aa1が形成されている。また、側壁Aaの上端部に全周に亘って突起部Aa2が形成されている(
図3参照)。突起部Aa2は、
図3に示されるように、側壁Aaの上端部から内方に延びている。なお、突起部Aa2の上面は、
図3に示されるように湾曲面となっている。
【0028】
底壁Abは、
図3および
図13に示されるように、側壁Aaの下側の開口を送風ファン115の直下を除いて閉塞している。また、底壁Abは、
図3、
図5~
図8、
図11~
図13に示されるように、主に、基体部Ab1、脚部Ab2、角筒壁部Ab3、円筒壁部Ab4、突起部Ab5、第1ビス受け部Ab6、第2ビス受け部Ab7および底壁側リード線保持部Ab8等から形成されている。基体部Ab1は、
図3、
図5~
図8、
図11~
図13に示されるように、略椀形状を呈している。また、
図5、
図8、
図11~
図13に示されるように、基体部Ab1の中央部には、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口Ab1aが形成されている。また、
図6~
図8に示されるように、基体部Ab1の前部(より詳細には、基体部Ab1の部位のうち円筒壁部Ab4の内側の部位)にはスピーカー穴Ab1bが形成されている。
図5~
図8、
図12、
図13に示されるように、基体部Ab1におけるスピーカー穴Ab1bの直上にスピーカーALが取り付けられる。脚部Ab2は、
図3、
図6および
図11に示されるように、基体部Ab1における排気口Ab1aの周囲の4箇所から下方に延びている。角筒壁部Ab3は、
図6~
図8、
図12、
図13に示されるように、略四角筒形状を呈しており、基体部Ab1のスピーカー穴Ab1bおよび円筒壁部Ab4を囲うように基体部Ab1の前部から上方に延びている。また、角筒壁部Ab3は、
図6および
図7に示されるように、スピーカーカバーCVの溝CVaと嵌合する。また、
図8、
図12および
図13に示されるように、角筒壁部Ab3の左側壁部の前端部(すなわち、角筒壁部Ab3の誘導加熱コイル113側の反対側の部位)には、スピーカーALのリード線AL1を通すための開口Ab3aが形成されている。円筒壁部Ab4は、
図6~
図8、
図12、
図13に示されるように、略円筒形状を呈しており、基体部Ab1のスピーカー穴Ab1bを囲うように基体部Ab1の前部から上方に延びている。
図6~
図8、
図12、
図13に示されるように、円筒壁部Ab4の内側にはスピーカーALが配置される。突起部Ab5は、
図5、
図8、
図12および
図13に示されるように、略円筒形状を呈しており、基体部Ab1の部位のうち角筒壁部Ab3と円筒壁部Ab4との間における右前部から上方に延びている。また、突起部Ab5は、スピーカーカバーCVの天壁部CV1の挿通孔CV1cに挿通される。第1ビス受け部Ab6は、
図8、
図12および
図13に示されるように、略円筒形状を呈しており、基体部Ab1の部位のうち角筒壁部Ab3の左側壁部後部の左側の部位および角筒壁部Ab3の右側壁部後部の右側の部位から上方に延びている。角筒壁部Ab3がスピーカーカバーCVの溝CVaと嵌合すると共に突起部Ab5がスピーカーカバーCVの天壁部CV1の挿通孔CV1cに挿通された状態で、ビスSC1が、スピーカーカバーCVのビス受け部CV4のビス受け孔CV4aを通じて第1ビス受け部Ab6の内部に挿入される(
図5および
図8参照)。これにより、スピーカーカバーCVが底壁Abに締結される。第2ビス受け部Ab7は、
図5および
図8に示されるように、略円筒形状を呈しており、基体部Ab1の前部の左右部および前後方向中央部の左右部の4箇所から上方に延びている。スペーサー111eのビス受け部Ea8および筒壁部Ea9が第2ビス受け部Ab7を覆っている状態で、ビスSC2が、スペーサー111eのビス受け部Ea8のビス受け孔Ea8aを通じて第2ビス受け部Ab7の内部に挿入される(
図12および
図13参照)。底壁側リード線保持部Ab8は、
図5、
図8、
図12および
図13に示されるように、基体部Ab1の前部の左部に形成されており、スピーカーALのリード線AL1を保持する役目を担っている。
【0029】
カバー部材Acは、
図3に示されるように、主に、下側カバー部Ac1および後側カバー部Ac2等から形成されている。下側カバー部Ac1は、平面視において略方形状を呈しており、
図3に示されるように、底壁Abに取り付けられて送風ファン115を下側から覆っている。
図3に示されるように、下側カバー部Ac1には、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口Ac1aが形成されている。送風ファン115が駆動されると、吸気口Ac1aを通って外部の空気が筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が底壁Abの基体部Ab1の排気口Ab1aから系外に排出される。後側カバー部Ac2は、
図3に示されるように、下側カバー部Ac1の後端部から上方に延びている。なお、
図3に示されるように、後側カバー部Ac2は、本体110の側面の後端下部を形成しており、自動巻取式電源コードユニット120を後側から覆っている。
【0030】
(1-1-2)肩部材
肩部材111cは、ステンレス等の金属で形成される部材であって、
図3および
図4に示されるように、収容体111aの側壁Aaの上側開口を通じて収容体111aの側壁Aaに嵌められて収容体111aの内側に配置される。また、肩部材111cは、
図3および
図4に示されるように、主に、底壁部Ca、湾曲部Cb、フランジ部Ccおよび立壁部Cd等から形成されている。底壁部Caは、平面視において略角丸長方形状を呈している(
図4参照)。また、
図3に示されるように、底壁部Caの下面には保護枠111dのフランジ部材Daが取り付けられている。また、底壁部Caには前端部から後部にかけて内鍋130の挿入口が形成されている(
図3および
図4参照)。また、底壁部Caの前端部(より詳細には、内鍋130の挿入口より前側の部位)の左右部には、レバー機構119のストッパーLDの上延設壁部および爪部LD1を挿通させるための開口が形成されている(
図4参照)。また、底壁部Caの後端部(より詳細には、内鍋130の挿入口より後側の部位)には、ヒンジ機構150の固定部153を挿通させるための開口が形成されている(
図3参照)。湾曲部Cbは、
図3および
図4に示されるように、底壁部Caの外端から湾曲しながら上方に延びている。また、
図3に示されるように、湾曲部Cbの下面にも、底壁部Caの下面と同様に保護枠111dのフランジ部材Daが取り付けられている。フランジ部Ccは、
図3に示されるように、湾曲部Cbの上端から外方に延びている。立壁部Cdは、正面視において略方形状を呈しており、
図3および
図4に示されるように、底壁部Caの後端部の開口(ヒンジ機構150の固定部153を挿通させるための開口)の前縁から上方に延びている。なお、ヒンジ機構150のヒンジカバー154が立壁部Cdに被せられることによって、立壁部Cdの左端部、上端部および右端部がヒンジ機構150のヒンジカバー154で覆われる(
図3および
図4参照)。また、肩部材111cは、蓋体140が閉状態である場合に、導光部材148によって導かれたLED147の光を上方に反射する役目を担っている。なお、導光部材148によって導かれたLED147の光を効率的に反射させるために、肩部材111cの表面に対して鏡面処理が施されてもよい。
【0031】
(1-1-3)保護枠
保護枠111dは、内鍋130を収容する役目等を担っており、例えば樹脂等から形成されている。また、保護枠111dは、
図3、
図11および
図12に示されるように、主に、フランジ部材Da、中間部材Dbおよび底部材Dcの3つの部材から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0032】
フランジ部材Daは、平面視において略角丸長方形状を呈しており、
図3、
図11および
図12に示されるように、保護枠111dの上側部分を構成し、中間部材Dbと連結されると共に、スペーサー111eによって収容体111aの底壁Abと連結される。また、フランジ部材Daの中央部には、内鍋130の挿入口が形成されている(
図3参照)。また、フランジ部材Daには、レバー機構119のストッパーLDの上延設壁部および爪部LD1を挿通させるための開口(図示せず)が形成されている。また、フランジ部材Daの前端部の下側部分には、レバー機構119の第1回動軸LEを取り付けるための第1軸受部(図示せず)が形成されると共に、レバー機構119の第2回動軸LFを取り付けるための第2軸受部(図示せず)が形成される。また、
図3に示されるように、フランジ部材Daの後端部には、肩部材111cの底壁部Caの後端部の開口を通るヒンジ機構150の固定部153が取り付けられる。また、フランジ部材Daには、スペーサー111eの円筒壁部Ea5の内側に配置されると共に略円筒形状を呈するビス受け部Da1が形成されている(
図11参照)。ビス受け部Da1がスペーサー111eの円筒壁部Ea5の内側に配置されている状態で、ビス(図示せず)が、スペーサー111eの天壁部Ea4のビス受け孔Ea4aを通じてビス受け部Da1の内部に挿入される(
図11参照)。
【0033】
中間部材Dbは、略円筒状の部材であって、
図3、
図11および
図12に示されるように、保護枠111dの中間部分を構成し、フランジ部材Daおよび底部材Dcと連結される。
図3に示されるように、中間部材Dbの内側には保温ヒータHTが配置されている。
【0034】
底部材Dcは、上方に開口する椀状部材であり、
図3、
図11および
図12に示されるように、保護枠111dの下側部分を構成し、中間部材Dbと連結される。また、底部材Dcの底壁の中央部には、センターセンサ114を通すための開口が形成されている(
図3参照)。また、
図3、
図11および
図12に示されるように、底部材Dcの底壁および湾曲壁部の外側には誘導加熱コイル113が配設されている。
【0035】
(1-1-4)スペーサー
スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1の上側且つ保護枠111dのフランジ部材Daの下側且つ収容体111aの側壁Aaの内側且つ誘導加熱コイル113の外側において、誘導加熱コイル113から離れて収容体111aの側壁Aaと近接対向するように4つ配置されている。また、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1に形成される4つの第2ビス受け部Ab7のうち1つの第2ビス受け部Ab7を1つのスペーサー111eのビス受け部Ea8(後述)および筒壁部Ea9(後述)が覆うようにスペーサー111eがそれぞれ配置される(
図5、
図11~
図13参照)。そして、スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abと保護枠111dのフランジ部材Daとを連結する役目を担っている。また、スペーサー111eは、
図10~
図13に示されるように、主に、基体部Ea1、右側壁部Ea2、左側壁部Ea3、天壁部Ea4、円筒壁部Ea5、リード線取付壁部Ea6、リード線保持部Ea7、ビス受け部Ea8および筒壁部Ea9等から形成されている。基体部Ea1は、
図10~
図13に示されるように、湾曲しながら上方に延びた後で真っ直ぐに上方に延びている。右側壁部Ea2は、
図10、
図11および
図13に示されるように、基体部Ea1の右端から後方に延びている。左側壁部Ea3は、
図11および
図12に示されるように、基体部Ea1の左端から後方に延びている。天壁部Ea4は、
図10、
図11および
図13に示されるように、基体部Ea1の上端から後方に延びている。また、
図10に示されるように、天壁部Ea4の部位のうち円筒壁部Ea5の内側の部位にはビス受け孔Ea4aが形成されている。円筒壁部Ea5は、
図10、
図11および
図13に示されるように、略円筒形状を呈しており、天壁部Ea4のビス受け孔Ea4aを囲うように天壁部Ea4から上方に延びている。上述の通り、保護枠111dのフランジ部材Daのビス受け部Da1が円筒壁部Ea5の内側に配置されている状態で、ビス(図示せず)が、天壁部Ea4のビス受け孔Ea4aを通じて保護枠111dのフランジ部材Daのビス受け部Da1の内部に挿入される(
図11参照)。これにより、スペーサー111eが保護枠111dのフランジ部材Daに締結される。リード線取付壁部Ea6は、
図10、
図11および
図13に示されるように、右側壁部Ea2の後端から右方に延びており、湾曲しながら上方に延びた後で真っ直ぐに上方に延びた形状を呈している。なお、スペーサー111eが上述のように配置される時、
図11に示されるように、リード線取付壁部Ea6の後面が誘導加熱コイル113側の反対側を向くようにスペーサー111eの向きが調整される。また、
図10、
図11および
図13に示されるように、リード線取付壁部Ea6の上下方向中間部には切り欠きEa6aが形成されている。なお、
図11~
図13に示されるように、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1の前左部に形成される第2ビス受け部Ab7をビス受け部Ea8および筒壁部Ea9が覆うスペーサー111eには、スピーカーALのリード線AL1の一部が取り付けられる。
図11および
図13に示されるように、このスペーサー111eにおいて、スピーカーALのリード線AL1は、この切り欠きEa6aを通じてリード線取付壁部Ea6の後側に進入し、スピーカーALのリード線AL1の一部は、上下方向に沿うようにリード線取付壁部Ea6の後面に取り付けられる。リード線保持部Ea7は、
図10、
図11および
図13に示されるように、リード線取付壁部Ea6の上端側に形成されており、略鉤形状を呈している。リード線保持部Ea7は、スピーカーALのリード線AL1を保持する役目を担っている。ビス受け部Ea8は、
図10、
図12および
図13に示されるように、基体部Ea1の下端から前方に延びている。また、
図10に示されるように、ビス受け部Ea8にはビス受け孔Ea8aが形成されている。筒壁部Ea9は、
図10、
図12および
図13に示されるように、ビス受け部Ea8の外端から下方に延びている。上述の通り、ビス受け部Ea8および筒壁部Ea9が収容体111aの底壁Abの第2ビス受け部Ab7を覆っている状態で、ビスSC2が、ビス受け部Ea8のビス受け孔Ea8aを通じて収容体111aの底壁Abの第2ビス受け部Ab7の内部に挿入される。これにより、スペーサー111eが収容体111aの底壁Abに締結される。
【0036】
(1-2)第1パッキン
第1パッキンPK1は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、略円環状を呈している(
図3参照)。また、第1パッキンPK1は、
図3に示されるように、フランジ部材Daと中間部材Dbとの間に配置され、フランジ部材Daと中間部材Dbとの間の隙間を全周に亘って塞ぐ役目を担っている。
【0037】
(1-3)第2パッキン
第2パッキンPK2は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、略円環状を呈している(
図3参照)。また、第2パッキンPK2は、中間部材Dbと底部材Dcとの間の隙間を全周に亘って塞ぐ役目を担っている(
図3参照)。
【0038】
(1-4)鍋載置部
鍋載置部112は、樹脂等から形成される略円環形状の部材であって、
図3に示されるように、肩部材111cの底壁部Caにおける内鍋130の挿入口および保護枠111dのフランジ部材Daにおける内鍋130の挿入口に嵌められている。また、鍋載置部112には、高段部112a(
図3参照)および低段部(図示せず)が形成されている。高段部112aは、低段部より一段高く、
図3に示されるように、鍋載置部112の前部および後部に形成されると共に、肩部材111cの底壁部Caの上側に配置される。
図3に示されるように、内鍋130が保護枠111dに収容された時、内鍋130のフランジ部133は、高段部112aに載置される。このため、内鍋130が金属製の肩部材111cに接触しないようにすることができる。低段部は、鍋載置部112の左右部に形成されると共に、肩部材111cの底壁部Caの上側に配置される。内鍋130が保護枠111dに収容された時、内鍋130のフランジ部133は、低段部に載置されない。このため、低段部と内鍋130のフランジ部133との間には隙間が形成され、この隙間に指を入れることで保護枠111dに収容された内鍋130を容易に取り出すことができる。
【0039】
(1-5)誘導加熱コイル
誘導加熱コイル113は、内鍋130を誘導加熱する誘導加熱源であって、上述の通り、保護枠111dの底部材Dcの底壁および湾曲壁部の外側に配設されている。
【0040】
(1-6)保温ヒータ
保温ヒータHTは、保温運転時に使用される円環状のヒータであって、上述の通り保護枠111dの中間部材Dbの内側に配置されると共に、
図3に示されるように内鍋130が保護枠111dに収容された状態において内鍋130の筒壁部132の外側に配置される。なお、保温ヒータHTは、保温運転時だけではなく炊飯運転時に使用されてもよい。
【0041】
(1-7)センターセンサ
センターセンサ114は、内鍋130の温度を検知すると共に内鍋130の有無を検知するためのセンサであって、
図3に示されるように、保護枠111dの底部材Dcの開口を通って、上方に向かって突出している。なお、このセンターセンサ114は、コイルバネ等の付勢部材によって上方に付勢されている。すなわち、このセンターセンサ114は、上下方向に沿って出没自在な状態とされている。そして、センターセンサ114は、内鍋130が保護枠111dに収容された状態では内鍋130の底壁部131に接触して内鍋130の温度を測定する。
【0042】
(1-8)スピーカー
スピーカーALは、炊飯開始時や炊飯終了時等において人に対して音で報知する役目を担っており、中継基板RBを介したマイコン基板CBのマイクロコンピュータMCからの指令に基づいて音を出力する。また、スピーカーALは、上述の通り、収容体111aの底壁Abの円筒壁部Ab4の内側に配置され、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1におけるスピーカー穴Ab1bの直上に取り付けられる。また、
図6および
図7に示されるように、スピーカーALの上端面はクッション部材BMと当接している。また、スピーカーALは、
図5~
図8に示されるように、スピーカーカバーCVによって上側から覆われる。なお、収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3がスピーカーカバーCVの溝CVaと嵌合するようにスピーカーカバーCVが収容体111aの底壁Abに取り付けられるため、スピーカーALは、収容体111aの底壁AbおよびスピーカーカバーCVによって形成される空間に配置されることになる。そして、上述の通り、スピーカーALのリード線AL1は、収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3の開口Ab3aを通ると共にスペーサー111eのリード線取付壁部Ea6の切り欠きEa6aを通り、スピーカーALのリード線AL1の一部は、上下方向に沿うようにスペーサー111eのリード線取付壁部Ea6の後面に取り付けられる。また、上述の通り、スピーカーALのリード線AL1は、収容体111aの底壁Abの底壁側リード線保持部Ab8に保持されると共に、スペーサー111eのリード線保持部Ea7に保持される。なお、スピーカーALのリード線AL1の先端部は、中継基板RBの中継基板リード線の先端部と接続される。
【0043】
(1-9)スピーカーカバー
スピーカーカバーCVは、スピーカーALを上側から覆う部材であって、
図5~
図9に示されるように、主に、天壁部CV1、外側壁部CV2、内側壁部CV3およびビス受け部CV4等から形成されている。天壁部CV1は、
図5に示されるように、平面視において略方形状を呈している。また、
図5~
図9に示されるように、天壁部CV1の中央部には下側に窪む中央窪み部CV1aが形成される。中央窪み部CV1aの下壁部の下面は、
図6および
図7に示されるように、クッション部材BMと当接している。また、
図5、
図8および
図9に示されるように、天壁部CV1の右前部には下側に窪む右前窪み部CV1bが形成される。
図9に示されるように、右前窪み部CV1bの下壁部の中央部には挿通孔CV1cが形成され、上述の通り、この挿通孔CV1cには収容体111aの底壁Abの突起部Ab5が挿通される。外側壁部CV2は、
図6~
図9に示されるように、天壁部CV1の左端、右端および後端から下方に延びている。内側壁部CV3は、
図6、
図7および
図9に示されるように、略四角筒形状を呈しており、天壁部CV1の部位のうち外側壁部CV2の内側の部位から下方に延びている。そして、
図6、
図7および
図9に示されるように、天壁部CV1、外側壁部CV2および内側壁部CV3によって、スピーカーカバーCVには溝CVaが形成される。この溝CVaは、上述の通り、収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3と嵌合する。ビス受け部CV4は、
図5、
図8および
図9に示されるように、天壁部CV1の後部の左右端から外方に延びている。
図8および
図9に示されるように、ビス受け部CV4にはビス受け孔CV4aが形成されている。
【0044】
(1-10)クッション部材
クッション部材BMは、
図6~
図8に示されるように、スピーカーALおよびスピーカーカバーCVの間に配置され、スピーカーALの上端面およびスピーカーカバーCVの中央窪み部CV1aの下面の両方に当接している。
【0045】
(1-11)送風ファン
送風ファン115は、収容体111aのカバー部材Acの下側カバー部Ac1の吸気口Ac1aの直上において、回転軸が略上下方向に沿うように配設されている(
図3参照)。この送風ファン115が駆動されると、外部の空気が収容体111aのカバー部材Acの下側カバー部Ac1の吸気口Ac1aから吸い込まれて筐体111内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンク116を通って制御基板118等に供給され、それらを冷却する。
【0046】
(1-12)ヒートシンク
ヒートシンク116は、外部の空気と効率よく熱交換を行わせるための部品であって、
図3に示されるように、送風ファン115の上側に配置されている。
【0047】
(1-13)制御基板
制御基板118は、電源回路を構成する基板であって、いくつかの発熱部品を実装している。また、制御基板118は、
図3に示されるように筐体111の後側空間に収容され、マイコン基板CBに通信接続される。
【0048】
(1-14)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニット120は、電源コード(図示せず)および自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、
図3に示されるように筐体111の後側空間に収容されている。電源コードは、差込プラグおよび電気線等から構成されている。差込プラグは、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0049】
(1-15)レバー機構
レバー機構119は、蓋体140を開閉するためのものであって、
図1~
図3に示されるように、主に、操作部LA、レバー本体LB、伝達部材LC、ストッパーLD、第1回動軸LE、第2回動軸LF、第1トーションバネLG、第2トーションバネLHおよび第3トーションバネ(図示せず)等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0050】
操作部LAは、蓋体140を閉状態から開状態にする際に人によって押し下げられる部材であって、
図1~
図3に示されるように、収容体111aの側壁Aaの前壁部分の前側に配置される。また、操作部LAは、
図3に示されるように、ビス等によってレバー本体LBに締結される。このため、人は、操作部LAを押し下げることで、操作部LAを介してレバー本体LBを押し下げることができる。
【0051】
レバー本体LBは、
図3に示されるように、前後方向に延びる板部材である。また、
図3に示されるように、レバー本体LBは、収容体111aの側壁Aaの前壁部分の開口Aa1を挿通するように設けられ、レバー本体LBの前部が、収容体111aの側壁Aaの前壁部分から突出している。このようにして、レバー本体LBは、本体110の前側寄りに配置されることになる。なお、上述の通り操作部LAがレバー本体LBに締結され、この状態においてはレバー本体LBの前部は操作部LAによって覆い隠される。なお、レバー本体LBには、第1回動軸LEを通すための軸受け孔が形成されている。そして、レバー本体LBは、第1回動軸LEを中心に回動可能であり、第1トーションバネLGによって右側面視において第1回動軸LEを中心とした時計回り方向に向かって付勢されている。
【0052】
伝達部材LCには、第2回動軸LFを通すための軸受け孔が形成されており(
図3参照)、伝達部材LCは、第2トーションバネLHによって、右側面視において第2回動軸LFを中心とした反時計回り方向に向かって付勢されると共にストッパーLDに取り付けられる。そして、レバー本体LBが、第1回動軸LEを中心として第1トーションバネLGの付勢力に逆らって回動したときに、伝達部材LCは、レバー本体LBによって右側面視において第2回動軸LFを中心として時計回り方向に回動させられると共に、ストッパーLDと共に回動しようとしてストッパーLDに力を加える。なお、蓋体140が閉状態であると共に圧力炊飯運転がされていないときは、伝達部材LCが回動させられることによってストッパーLDに力が加えられると、ストッパーLDが第3トーションバネの付勢力に逆らって第2回動軸LFを中心として回動する。そして、ストッパーLDの爪部LD1が蓋体140の被係止部149に対して係止されている状態が解除され、蓋体140が開状態となる。また、蓋体140が閉状態であると共に圧力炊飯運転がされているときは、伝達部材LCが回動させられることによってストッパーLDに力が加えられても、ストッパーLDは第2回動軸LFを中心として回動しない。このため、圧力炊飯運転がされているときは、蓋体140の閉状態、すなわちストッパーLDの爪部LD1が蓋体140の被係止部149に対して係止されている状態が維持される。
【0053】
ストッパーLDは、金属等から形成される部材であって、主に、基体部(図示せず)、上延設壁部(図示せず)、爪部LD1(
図4参照)および前延設壁部(図示せず)等から形成されている。基体部は、略長方形状の板部材である。上延設壁部は、基体部の左右端部から上方に延びている。爪部LD1は、
図4に示されるように、上延設壁部の上端部から前側に延びている。爪部LD1は、蓋体140が閉じられている状態において、蓋体140の被係止部149に対して係止される。前延設壁部は、基体部の左右端部から前方に延びている。なお、前延設壁部には、第2回動軸LFを通すための軸受け孔が形成されている。この軸受け孔に第2回動軸LFが通されることで、ストッパーLDは、第2回動軸LFを中心として回動可能になる。なお、ストッパーLDは、第3トーションバネによって、右側面視において第2回動軸LFを中心とした反時計回り方向に向かって付勢されている。
【0054】
第1回動軸LEは、上述の通り、保護枠111dのフランジ部材Daの第1軸受部に取り付けられる。なお、このとき、第1回動軸LEは、
図3に示されるように、第1トーションバネLGのコイル部分の内側に挿通されると共に、レバー本体LBの軸受け孔に挿通されている。
【0055】
第2回動軸LFは、上述の通り、保護枠111dのフランジ部材Daの第2軸受部に取り付けられる。なお、このとき、第2回動軸LFは、
図3に示されるように、第2トーションバネLHのコイル部分の内側および第3トーションバネのコイル部分の内側に挿通されると共に、伝達部材LCの軸受け孔およびストッパーLDの前延設壁部の軸受け孔に挿通されている。
【0056】
第1トーションバネLGは、上述の通り、レバー本体LBを付勢するための部材である。第1トーションバネLGのコイル部分の内側には上述の通り第1回動軸LEが挿通され、第1トーションバネLGの一端はレバー本体LBに取り付けられ、第1トーションバネLGのもう一端は保護枠111dのフランジ部材Daに取り付けられる。
【0057】
第2トーションバネLHは、ダブルトーションバネであって、上述の通り、伝達部材LCを付勢すると共に、伝達部材LCをストッパーLDに取り付けるための部材である。第2トーションバネLHの両方のコイル部分の内側には上述の通り第2回動軸LFが挿通され、第2トーションバネLHの一方のコイル部分およびもう一方のコイル部分を連結する部分は伝達部材LCに取り付けられ、第2トーションバネLHの両端はストッパーLDに取り付けられる。
【0058】
第3トーションバネは、上述の通り、ストッパーLDを付勢するための部材である。第3トーションバネのコイル部分の内側には上述の通り第2回動軸LFが挿通され、第3トーションバネの一端は保護枠111dのフランジ部材Daに取り付けられ、第2トーションバネLHのもう一端はストッパーLDに取り付けられる。
【0059】
(2)内鍋
内鍋130は、
図3および
図4に示されるように、肩部材111cの底壁部Caにおける内鍋130の挿入口および保護枠111dのフランジ部材Daにおける内鍋130の挿通口に挿通され、保護枠111dに所定の隙間をもって収容される。なお、内鍋130は、例えば土鍋であって、誘導加熱コイル113によって誘導加熱される。また、内鍋130は、
図3および
図4に示されるように、底壁部131、筒壁部132およびフランジ部133等から形成されている。底壁部131は、平面視において略円盤形状を呈している(
図3参照)。筒壁部132は、
図3および
図4に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部131の外端から上方に延びている。フランジ部133は、
図3および
図4に示されるように、筒壁部132の上端から外方に延びている。上述の通り、内鍋130が保護枠111dに所定の隙間をもって収容された時、フランジ部133は、鍋載置部112の高段部112aに載置される。
【0060】
(3)蓋体
蓋体140は、
図1~
図4に示されるように、本体110の保護枠111dに収容された内鍋130の開口を上側から覆うためのものであって、本体110の上側に配設され、ヒンジ機構150のヒンジ機構側回動軸151(
図3参照)を中心として回動自在となるようにヒンジ機構150を介して本体110に取り付けられている。また、蓋体140は、
図1~
図4に示されるように、主に、外装体141、マイコン基板CB、操作ボタン群BT、情報表示パネルDI、圧力調整機構143、補強部材(図示せず)、流路形成部144、内蓋145、蒸気センサSS、LED147、LED基板FP、導光部材148、被係止部149、蓋ヒータCHおよび中継基板RBなどから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0061】
(3-1)外装体
外装体141は、略直方体状の樹脂製の部材であって、
図1~
図4に示されるように、主に上側外装部材141aおよび下側外装部材141b等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0062】
上側外装部材141aは、
図2に示されるように平面視において略角丸長方形状の部材であって、
図3および
図4に示されるように下側外装部材141bを上側から覆うように下側外装部材141bに取り付けられる。また、上側外装部材141aは、
図1~
図4に示されるように、主に、側壁Sa1および天壁Sa2等から形成されている。側壁Sa1は、
図1~
図4に示されるように、略角丸四角筒形状を呈しており、上方に向かうに従って内方に傾斜している。また、
図3に示されるように、LED147、LED基板FPおよび導光部材148が、側壁Sa1の前壁部分と対向するように側壁Sa1の前壁部分の内側に配置されている。なお、
図3に示されるように、上側外装部材141aが下側外装部材141bに取り付けられた状態において、側壁Sa1の前壁部分と下側外装部材141bの外側壁Sb1の前壁部分との間には僅かに隙間が形成される。
図3に示されるように、この隙間には、導光部材148の前端部148aが配置される。天壁Sa2は、
図1~
図3に示されるように、側壁Sa1の上端から内方に延びている。
図1~
図3に示されるように、天壁Sa2の前部には、操作ボタン群BTの各操作ボタンの上面を露出させるための開口が形成され、
図1~
図3に示されるように、天壁Sa2の後部には、流路形成部144の一部(排気口BOを形成する部分)を嵌めるための開口が形成されている。
【0063】
下側外装部材141bは、底面視において略角丸方形状の部材であって(
図4参照)、
図3および
図4に示されるように、主に、外側壁Sb1、第1底壁Sb2、内側壁Sb3および第2底壁Sb4等から形成されている。外側壁Sb1は、
図3および
図4に示されるように、略角丸四角筒形状を呈しており、下方に向かうに従って内方に傾斜している。第1底壁Sb2は、
図4に示されるように、外側壁Sb1の前壁部分の下端を除く外側壁Sb1の下端から内方に延びている。内側壁Sb3は、
図3および
図4に示されるように、外側壁Sb1の前壁部分の下端および第1底壁Sb2の内端から上方に延びている。第2底壁Sb4は、
図3および
図4に示されるように、内側壁Sb3の上端から内方に延びている。また、第2底壁Sb4の上面には補強部材が取り付けられ、
図3および
図4に示されるように第2底壁Sb4の下面には内蓋145が取り付けられる。
【0064】
(3-2)マイコン基板
マイコン基板CBは、
図14に示されるように、マイクロコンピュータMC等の電子部品を実装しており、センターセンサ114、蒸気センサSS、誘導加熱コイル113、保温ヒータHT、スピーカーAL、情報表示パネルDI、圧力調整機構143、蓋ヒータCH、および、LED147と電気的に接続されるLED基板FP等に通信接続されている。なお、マイコン基板CBとスピーカーALとは、
図14に示されるように、中継基板RBを介して接続されている。また、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCにはメモリが搭載されており、炊飯制御や保温制御などの制御を実行するための各種プログラムや各種データ等がメモリに格納されている。そして、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程を実行したり、誘導加熱コイル113や保温ヒータHTや蓋ヒータCHの出力を制御したり、LED基板FPに対して炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じてLED147が発する光の輝度を変更させたり、LED基板FPに対して炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じてLED147が発する光の輝度を変更する速度を変えさせたり、LED基板FPに対してLED147が発する光の色を変えさせたり、中継基板RBを介してスピーカーALに音を出力させたり、時間を計測したりする。
【0065】
(3-3)操作ボタン群
操作ボタン群BTは、例えば、炊飯開始ボタンや取り消しボタン等から成るものである。また、操作ボタン群BT中の各操作ボタンの上面は、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの天壁Sa2の開口によって露出している。
【0066】
(3-4)情報表示パネル
情報表示パネルDIは、
図1~
図3に示されるように操作ボタン群BTの後側に配置されている。また、情報表示パネルDIは、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCからの指令に基づいて、炊飯メニュー情報や炊飯経過情報等の各種情報を表示する。
【0067】
(3-5)圧力調整機構
圧力調整機構143は、蓋体140が閉状態とされ圧力炊飯運転されている状態において、内鍋130の内部の圧力を1気圧以上(例えば、1.03~1.3気圧など)に調整する。
【0068】
(3-6)補強部材
補強部材は、外装体141の剛性を高めるためのものであって、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC)等の板金や、エンジニアリングプラスチック等から形成されている。
【0069】
(3-7)流路形成部
流路形成部144は、蓋体140内における気体流路の一部を形成するためのものである。また、
図3に示されるように、流路形成部144には排気口BOが形成されている。流路形成部144における排気口BOを形成する部分は、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの天壁Sa2の後部の開口に嵌められ、排気口BOは、流路形成部144の内部に流入した気体を蓋体140の外部に排出する。
【0070】
(3-8)内蓋
内蓋145は、
図3に示されるように、蓋体140が閉状態である時に内鍋130の上部を覆って内鍋130を密閉するための部材である。なお、内蓋145には流入口が形成されており、この流入口により、気体(例えば、内鍋130内で発生した蒸気や、蓋体140が開状態である場合には外気等)等を蓋体140の内部に流入させることができる。
【0071】
(3-9)蒸気センサ
蒸気センサSSは、蓋体140内部の温度、より詳細には蓋体140内部の気体流路を流れる気体の温度を測定するための温度センサである。
【0072】
(3-10)LED
LED147は、光を発することで、炊飯器100における各工程の進捗度合い等を人に伝える役目を担っている。また、LED147は、
図3に示されるように、外装体141の内側に配置されている。より詳細には、LED147は、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分と対向するように外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分の内側に配置されている。このようにして、LED147は、蓋体140の前側寄りに配置されることになる。また、LED147は、
図3に示されるようにLED基板FPに取り付けられ、
図14に示されるようにLED基板FPと電気的に接続される。
【0073】
(3-11)LED基板
LED基板FPは、上述の通り、LED147を取り付けるための基板であって、LED147と電気的に接続されると共にマイコン基板CBに通信接続され、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCからの指令を受信してLED147の輝度等を制御している。また、LED基板FPは、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分と対向するように外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分の内側に配置されている。
【0074】
(3-12)導光部材
導光部材148は、アクリル樹脂製の板部材であって、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分と対向するように外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分の内側に配置されている。また、導光部材148は、
図3に示されるように、前方に向かうに従って下方に傾斜している。また、
図3に示されるように、導光部材148の後端(上端)の上側にはLED147が配置されている。また、上述の通り、導光部材148の前端部148aは、外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分と下側外装部材141bの外側壁Sb1の前壁部分との間の隙間に配置される。また、導光部材148には複数の溝部(図示せず)が形成されている。これらの溝部により、LED147が発した光を導光部材148の前端部148aまで十分に導くと共に、外装体141の上側外装部材141aの側壁Sa1の前壁部分と下側外装部材141bの外側壁Sb1の前壁部分との間の隙間を通じて光を外装体141の外側(前側)に導くことができる。これにより、LED147が発した光を人に視認させることができる。
【0075】
(3-13)被係止部
被係止部149は、
図3および
図4に示されるように、外装体141の下側外装部材141bの外側壁Sb1の前壁部分の内側に配置されている。蓋体140が閉じられている状態において、この被係止部149に対して本体110のレバー機構119のストッパーLDの爪部LD1が係止される。
【0076】
(3-14)蓋ヒータ
蓋ヒータCHは、保温運転時に使用されるヒータであって、内蓋145の上側に配置されている。なお、蓋ヒータCHは、保温運転時だけではなく炊飯運転時に使用されてもよいし、内蓋145の上側以外の箇所に配置されてもよい。
【0077】
(3-15)中継基板
中継基板RBは、上述の通り、マイコン基板CBに接続されると共にスピーカーALと接続される。なお、中継基板RBは中継基板リード線(図示せず)を有している。この中継基板リード線の先端部は、筐体111の肩部材111cにおけるヒンジ機構150の固定部153を挿通させるための開口を通って筐体111の収容体111aの内部に進入し、上述の通りスピーカーALのリード線AL1の先端部と接続される。
【0078】
(4)ヒンジ機構
ヒンジ機構150は、
図3に示されるように、主に、ヒンジ機構側回動軸151、ヒンジ機構側トーションバネ152、固定部153、回動部(図示せず)およびヒンジカバー154等から構成されている。ヒンジ機構側回動軸151は、固定部153の軸受け孔および回動部の軸受け孔に挿通される。ヒンジ機構側トーションバネ152は、蓋体140を開方向に向かって付勢するためのものである。ヒンジ機構側トーションバネ152の一端は固定部153に固定され、ヒンジ機構側トーションバネ152のもう一端は回動部に固定される。固定部153は、上述の通り、本体110の肩部材111cの底壁部Caの後端部の開口を通じて本体110の保護枠111dのフランジ部材Daの後端部に取り付けられる。また、固定部153にはヒンジ機構側回動軸151を挿通するための軸受け孔が形成される。回動部は、蓋体140の補強部材の後端部に取り付けられる。また、回動部にはヒンジ機構側回動軸151を挿通するための軸受け孔が形成される。そして、ヒンジ機構側回動軸151が固定部153の軸受け孔および回動部の軸受け孔に挿通されることによって固定部153および回動部が連結され、回動部がヒンジ機構側回動軸151を中心として回動自在となると共に、蓋体140がヒンジ機構側回動軸151を中心として回動自在となる。ヒンジカバー154は、上述の通り、本体110の肩部材111cの立壁部Cdに被せられる。
【0079】
<本発明の実施形態に係る炊飯器の特徴>
(1)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1の上側且つ保護枠111dのフランジ部材Daの下側且つ収容体111aの側壁Aaの内側且つ誘導加熱コイル113の外側において、誘導加熱コイル113から離れて収容体111aの側壁Aaと近接対向するように配置される。また、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1の前左部に形成される第2ビス受け部Ab7を覆うスペーサー111eにおいて、スピーカーALのリード線AL1の一部が、上下方向に沿うようにスペーサー111eのリード線取付壁部Ea6の後面に取り付けられる。このため、この炊飯器100では、スピーカーALのリード線AL1が誘導加熱コイル113によるノイズの影響をできるだけ受けないようにすることができる。したがって、この炊飯器100では、スピーカーALからできるだけ良好な音質や音量で音を出力することができる。また、この炊飯器100では、スペーサー111eのリード線取付壁部Ea6の後面に取り付けられるスピーカーALのリード線AL1の少なくとも一部が誘導加熱コイル113に接近することをスペーサー111eのリード線取付壁部Ea6によってできるだけ遮ることができる。
【0080】
(2)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、スピーカーALのリード線AL1は、収容体111aの底壁Abの底壁側リード線保持部Ab8およびスペーサー111eのリード線保持部Ea7によって保持される。このため、この炊飯器100では、スピーカーALのリード線AL1の少なくとも一部の位置がずれてスピーカーALのリード線AL1の少なくとも一部が誘導加熱コイル113に接近するおそれを低減することができる。
【0081】
(3)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abと保護枠111dのフランジ部材Daとを連結している。このため、この炊飯器100では、スペーサー111eによって収容体111aの底壁Abに対する保護枠111dの位置を固定することができる。
【0082】
(4)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、クッション部材BMが、スピーカーALおよびスピーカーカバーCVの間に配置され、スピーカーALの上端面およびスピーカーカバーCVの中央窪み部CV1aの下面の両方に当接している。このため、この炊飯器100では、スピーカーALから出力される音による振動がスピーカーカバーCVにできるだけ伝わらないようにすることができる。
【0083】
(5)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、収容体111aの底壁Abには角筒壁部Ab3が形成され、スピーカーカバーCVには天壁部CV1、外側壁部CV2および内側壁部CV3によって溝CVaが形成される。また、スピーカーカバーCVは、溝CVaが収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3と嵌合するように収容体111aの底壁Abに締結される。このため、この炊飯器100では、スピーカーALの下側から出力される正位相の音とスピーカーALの上側から出力される逆位相の音とが互いに打ち消し合うことをできるだけ防止することができる。
【0084】
(6)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3の左側壁部の前端部には、スピーカーALのリード線AL1を通すための開口Ab3aが形成されている。このため、この炊飯器100では、スピーカーALのリード線AL1を誘導加熱コイル113の外側において誘導加熱コイル113から離れた位置にできるだけ容易に配置することができる。
【0085】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る炊飯器100では、収容体111aの底壁Abの基体部Ab1の前左部に形成される第2ビス受け部Ab7を覆うスペーサー111eにおいて、スピーカーALのリード線AL1の一部が、上下方向に沿うようにスペーサー111eのリード線取付壁部Ea6の後面に取り付けられていた。しかし、スピーカーALのリード線AL1の一部は、上下方向に沿うようにスペーサー111eのリード線取付壁部Ea6の前面に取り付けられてもよいし、スペーサー111eに取り付けられずに例えば収容体111aの側壁Aaの内周面に取り付けられてもよい。
【0086】
(B)
先の実施形態に係る炊飯器100では、スピーカーALのリード線AL1は、収容体111aの底壁Abの底壁側リード線保持部Ab8およびスペーサー111eのリード線保持部Ea7によって保持されていた。しかし、スピーカーALのリード線AL1は、収容体111aの底壁Abの底壁側リード線保持部Ab8およびスペーサー111eのリード線保持部Ea7によって保持されなくてもよいし、いずれか一方によって保持されもよい。
【0087】
(C)
先の実施形態に係る炊飯器100では、スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abと保護枠111dのフランジ部材Daとを連結していた。しかし、スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abと保護枠111dのフランジ部材Da以外の部材とを連結してもよいし、収容体111aの底壁Ab以外の部材と保護枠111dのフランジ部材Daとを連結してもよいし、収容体111aの底壁Abと保護枠111dのフランジ部材Daとさらに他の部材とを連結してもよい。また、スペーサー111eは、収容体111aの底壁Abにだけ締結されてもよいし、保護枠111dのフランジ部材Daにだけ締結されてもよい。
【0088】
(D)
先の実施形態に係る炊飯器100では、クッション部材BMが、スピーカーALおよびスピーカーカバーCVの間に配置されていた。しかし、クッション部材BMは除去されてもよい。かかる場合、スピーカーALが上下動しないようにするため、スピーカーカバーCVの中央窪み部CV1aの下面がスピーカーALの上端面に当接するようにスピーカーカバーCVの中央窪み部CV1aが深くされてもよい。
【0089】
(E)
先の実施形態に係る炊飯器100では、収容体111aの底壁Abには角筒壁部Ab3が形成され、スピーカーカバーCVには天壁部CV1、外側壁部CV2および内側壁部CV3によって溝CVaが形成されていた。そして、溝CVaが、収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3と嵌合していた。しかし、収容体111aの底壁Abに例えば角筒壁部Ab3の内側に位置する第2角筒壁部が形成され、基体部Ab1、角筒壁部Ab3および第2角筒壁部よって収容体111aの底壁Abに溝が形成されてもよい。そして、この溝と嵌合することができる側壁部が、外側壁部CV2および内側壁部CV3の代わりにスピーカーカバーCVに形成されてもよい。
【0090】
(F)
先の実施形態に係る炊飯器100では、収容体111aの底壁Abの角筒壁部Ab3の左側壁部の前端部には、スピーカーALのリード線AL1を通すための開口Ab3aが形成されていた。しかし、スピーカーALのリード線AL1を通すための開口は、角筒壁部Ab3の左側壁部の前端部以外の部位(例えば、前側壁部の左端部等)に形成されてもよい。
【0091】
(G)
先の実施形態に係る炊飯器100では、マイコン基板CBとスピーカーALとは中継基板RBを介して接続されていた。しかし、マイコン基板CBとスピーカーALとは直接接続されてもよい。
【0092】
(H)
先の実施形態では本発明が炊飯器100に適用されたが、本発明は、炊飯器以外の調理器(例えば、保温ジャー、グリル鍋、ホームベーカリーなど)に適用されてもよい。
【0093】
なお、上記変形例は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
100 炊飯器(調理器)
110 本体
111d 保護枠
111e スペーサー(リード線取付部材)
113 誘導加熱コイル
130 内鍋(容器)
Ab 底壁(底壁部)
Ab3 角筒壁部(リブ)
Ab3a 開口
AL スピーカー
AL1 リード線
BM クッション部材(緩衝部材)
CV スピーカーカバー(カバー部)
CVa 溝
Ea6 リード線取付壁部(壁部)
Ea7 リード線保持部(保持部)