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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175920
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20241212BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241212BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20241212BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241212BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/00 P
H02J7/10 B
H02J7/04 L
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H01M10/48 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094023
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】三宅 圭二
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 慎司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雅博
(72)【発明者】
【氏名】大北 祐司
(72)【発明者】
【氏名】長谷 隆介
(72)【発明者】
【氏名】会沢 真一
(72)【発明者】
【氏名】安谷屋 皓子
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA03
5G503CA04
5G503CA12
5G503CB11
5G503CC08
5G503FA06
5G503GA15
5G503GD03
5G503GD06
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB02
5H030BB03
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】複数の蓄電装置にそれぞれ備えられるバッテリをできるだけ同時に充電しつつバッテリの充電にかかる時間の増大を抑制する。
【解決手段】定電流定電圧充電制御を開始した後、バッテリBの電圧が一定電圧以上になると、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるとともにバッテリBへ流れる電流が徐々に低下するように第1充電器Ch及び第2充電器Chに電流指令値を送信し、バッテリBへ流れる電流が電流閾値Ith以下になると、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるとともにバッテリBへ流れる電流が徐々に低下するように第1充電器Chに電流指令値を送信し、バッテリBへ流れる電流が終了電流If以下になると、バッテリBへ流れる電流がゼロになるように第1充電器Chに電流指令値を送信することで定電流定電圧充電制御を終了する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の第1充電器と1つ以上の第2充電器とからそれぞれ出力される電力が供給されるバッテリと、
定電流定電圧充電制御を開始した後、前記バッテリの電圧が一定電圧以上になると、前記バッテリの電圧が前記一定電圧に保たれるとともに前記バッテリへ流れる電流が徐々に低下するように前記第1及び第2充電器に電流指令値を送信し、前記バッテリへ流れる電流が電流閾値以下になると、前記バッテリの電圧が前記一定電圧に保たれるとともに前記バッテリへ流れる電流が徐々に低下するように前記第1充電器に電流指令値を送信し、前記バッテリへ流れる電流が前記電流閾値より小さい終了電流以下になると、前記バッテリへ流れる電流がゼロになるように前記第1充電器に電流指令値を送信することで前記定電流定電圧充電制御を終了する制御部と、
を備える蓄電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電装置であって、
前記制御部は、2つ以上の前記第1充電器のうちの電流制限対象の第1充電器から前記バッテリへ流れる電流が低下するとともに、前記2つ以上の第1充電器のうちの前記電流制限対象以外の第1充電器から前記バッテリへ流れる電流が増加するように、前記2つ以上の第1充電器に電流指令値を送信する
蓄電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の蓄電装置であって、
前記制御部は、温度が温度閾値以上である旨を示すデータを前記第1充電器から受信すると、その第1充電器を前記電流制限対象の第1充電器とする
蓄電装置。
【請求項4】
請求項1に記載の蓄電装置であって、
定電圧充電制御時、前記第1及び第2充電器に電流指令値を送っているときに前記バッテリへ流れる電流の単位時間あたりの低下幅と、前記第1充電器のみに電流指令値を送っているときに前記バッテリへ流れる電流の前記単位時間あたりの低下幅とが互いに等しくなるときに、前記第1充電器から出力される電流の最大値を、前記電流閾値として設定する
蓄電装置。
【請求項5】
請求項1に記載の蓄電装置であって、
前記制御部は、前記バッテリへ流れる電流が前記電流閾値以下になると、前記バッテリの電圧が前記一定電圧に保たれるとともに前記バッテリへ流れる電流が徐々に低下するように前記第1充電器に電流指令値を送信し、かつ前記第2充電器への電流指令値をゼロとし、出力を停止させる
蓄電装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置として、複数の充電器からそれぞれ出力される電力をバッテリに供給することでバッテリを急速充電するものがある。関連する技術として、特許文献1がある。
【0003】
ところで、蓄電装置が複数存在する場合、各蓄電装置に備えられるバッテリを同時に充電したいという要望がある。
【0004】
そこで、各充電器を各バッテリの充電に使用することで、各バッテリを同時に充電することが考えられる。
【0005】
しかしながら、各充電器を各バッテリの充電に使用する場合、複数の充電器を1つのバッテリの充電に使用する場合に比べて、各バッテリに流れる電流が低下し、各バッテリの充電時間が増大するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7155056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一側面に係る目的は、複数の蓄電装置にそれぞれ備えられるバッテリをできるだけ同時に充電しつつバッテリの充電にかかる時間の増大を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一つの形態である蓄電装置は、1つ以上の第1充電器と1つ以上の第2充電器とからそれぞれ出力される電力が供給されるバッテリと、定電流定電圧充電制御を開始した後、前記バッテリの電圧が一定電圧以上になると、前記バッテリの電圧が前記一定電圧に保たれるとともに前記バッテリへ流れる電流が徐々に低下するように前記第1及び第2充電器に電流指令値を送信し、前記バッテリへ流れる電流が電流閾値以下になると、前記バッテリの電圧が前記一定電圧に保たれるとともに前記バッテリへ流れる電流が徐々に低下するように前記第1充電器に電流指令値を送信し、前記バッテリへ流れる電流が前記電流閾値より小さい終了電流以下になると、前記バッテリへ流れる電流がゼロになるように前記第1充電器に電流指令値を送信することで前記定電流定電圧充電制御を終了する制御部とを備える。
【0009】
これにより、バッテリに流れる電流が電流閾値以下になる前後でバッテリに流れる電流が低下しないように電流閾値を調整することで、バッテリに流れる電流が電流閾値以下になった後のバッテリの充電にかかる時間の増大を抑制することができる。また、バッテリに流れる電流が電流閾値以下になった後、第2充電器を別の蓄電装置に備えられるバッテリの充電に使用することができる。すなわち、複数の蓄電装置にそれぞれ備えられるバッテリをできるだけ同時に充電しつつバッテリの充電にかかる時間の増大を抑制することができる。
【0010】
また、前記制御部は、2つ以上の前記第1充電器のうちの電流制限対象の第1充電器から前記バッテリへ流れる電流が低下するとともに、前記2つ以上の第1充電器のうちの前記電流制限対象以外の第1充電器から前記バッテリへ流れる電流が増加するように、前記2つ以上の第1充電器に電流指令値を送信するように構成してもよい。
【0011】
これにより、第1充電器から出力される電流が制限されたとしても、バッテリに流れる電流の低下を抑制することができるため、バッテリの充電にかかる時間の増大を抑制することができる。
【0012】
また、前記制御部は、温度が温度閾値以上である旨を示すデータを前記第1充電器から受信すると、その第1充電器を前記電流制限対象の第1充電器とするように構成してもよい。
【0013】
また、定電圧充電制御時、前記第1及び第2充電器に電流指令値を送っているときに前記バッテリへ流れる電流の単位時間あたりの低下幅と、前記第1充電器のみに電流指令値を送っているときに前記バッテリへ流れる電流の前記単位時間あたりの低下幅とが互いに等しくなるときに、前記第1充電器から出力される電流の最大値を、前記電流閾値として設定してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記バッテリへ流れる電流が前記電流閾値以下になると、前記バッテリの電圧が前記一定電圧に保たれるとともに前記バッテリへ流れる電流が徐々に低下するように前記第1充電器に電流指令値を送信し、かつ前記第2充電器への電流指令値をゼロとし、出力を停止させるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の蓄電装置にそれぞれ備えられるバッテリをできるだけ同時に充電しつつバッテリの充電にかかる時間の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態における蓄電装置の一例を示す図である。
図2】定電流定電圧充電制御時にバッテリに流れる電流及びバッテリの電圧の一例を示す図である。
図3】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】実施例1における各充電器の出力電流の一例を示す図である。
図5】実施例2における各充電器の出力電流の一例を示す図である。
図6】実施例3における各充電器の出力電流の一例を示す図である。
図7】制御部の動作の変形例を示すフローチャートである。
図8】実施例4における各充電器の出力電流の一例を示す図である。
図9】実施例5における各充電器の出力電流の一例を示す図である。
図10】実施例6における各充電器の出力電流の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
【0018】
図1は、実施形態における蓄電装置の一例を示す図である。
【0019】
図1に示す蓄電装置1は、バッテリBを備え、蓄電装置1の外部に設けられる複数の充電器Ch(充電器Ch1~Ch4)にそれぞれ電流指令値を送ることで複数の充電器ChからバッテリBへ流れる各電流を制御し、バッテリBを充電させる。なお、バッテリBは、例えば、リチウムイオン電池などの二次電池により構成される。また、蓄電装置1は、例えば、フォークリフトなどの産業車両や電気自動車などの車両に搭載され、バッテリBから荷役装置や走行用モータなどの負荷に電力を供給する。また、蓄電装置1は、バッテリBに比較的大きな電流を流すことができるため、バッテリBの充電にかかる時間を比較的短くしたい場合に適している。
【0020】
また、充電器Ch1~Ch4は、それぞれ、例えば、充電スタンドとし、互いに独立している。また、充電器Ch1~Ch4は、それぞれ、商用電源PWから供給される交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を蓄電装置1に供給する。また、充電器Ch1~Ch4は、それぞれ、交流電力を出力するように構成してもよい。このように構成する場合、蓄電装置1は、充電器Ch1~Ch4から供給される各交流電力をそれぞれ直流電力に変換する機能を備える。また、蓄電装置1に電力を供給することが可能な充電器Chの数は、2つ以上であれば特に限定されない。
【0021】
また、蓄電装置1は、バッテリBの他に、複数のコネクタC(コネクタC1~C4)と、複数のスイッチSW(スイッチSW1~SW4)と、複数のダイオードD(ダイオードD1~D3)と、電圧検出部2と、電流検出部3と、制御部4とを備える。なお、コネクタC、スイッチSW、及びダイオードDのそれぞれの数は、バッテリBに電力を供給することが可能な充電器Chの数に応じて変更される。例えば、図1に示すように、バッテリBに電力を供給することが可能な充電器Chの数が4つである場合、コネクタC及びスイッチSWの数はそれぞれ4つになり、ダイオードDの数は3つになる。また、バッテリBに電力を供給することが可能な充電器Chの数が2つである場合、コネクタC及びスイッチSWの数はそれぞれ2つになり、ダイオードDの数は1つになる。
【0022】
コネクタC1~C4は、充電器Ch1~Ch4にそれぞれ備えられるプラグPLに接続可能に構成される。図1に示す例では、充電器Ch1に備えられるプラグPLがコネクタC1に接続され、充電器Ch2に備えられるプラグPLがコネクタC2に接続され、充電器Ch3に備えられるプラグPLがコネクタC3に接続され、充電器Ch4に備えられるプラグPLがコネクタC4に接続される。
【0023】
スイッチSW1~SW4は、例えば、電磁リレーまたは半導体リレーにより構成され、制御部4により動作が制御されることで、遮断状態または導通状態になる。なお、スイッチSW1の一方端子はコネクタC1の一方端子に接続され、スイッチSW1の他方端子はダイオードD1のアノード端子に接続されている。また、スイッチSW2の一方端子はコネクタC2の一方端子に接続され、スイッチSW2の他方端子はダイオードD1のカソード端子とダイオードD2のアノード端子との接続点に接続されている。また、スイッチSW3の一方端子はコネクタC3の一方端子に接続され、スイッチSW3の他方端子はダイオードD2のカソード端子とダイオードD3のアノード端子との接続点に接続されている。また、スイッチSW4の一方端子はコネクタC4の一方端子に接続され、スイッチSW4の他方端子はダイオードD3のカソード端子とバッテリBのプラス端子に接続されている。バッテリBのマイナス端子はコネクタC1~C4の各他方端子に接続されている。
【0024】
充電器Ch1に備えられるプラグPLがコネクタC1に接続されている状態で、かつ、スイッチSW1が導通状態である場合、充電器Ch1からコネクタC1、スイッチSW1、及びダイオードD1~D3を介してバッテリBに電力を供給することが可能な状態になる。また、充電器Ch2に備えられるプラグPLがコネクタC2に接続されている状態で、かつ、スイッチSW2が導通状態である場合、充電器Ch2からコネクタC2、スイッチSW2、及びダイオードD2、D3を介してバッテリBに電力を供給することが可能な状態になる。また、充電器Ch3に備えられるプラグPLがコネクタC3に接続されている状態で、かつ、スイッチSW3が導通状態である場合、充電器Ch3からコネクタC3、スイッチSW3、及びダイオードD3を介してバッテリBに電力を供給することが可能な状態になる。また、充電器Ch4に備えられるプラグPLがコネクタC4に接続されている状態で、かつ、スイッチSW4が導通状態である場合、充電器Ch4からコネクタC4及びスイッチSW4を介してバッテリBに電力を供給することが可能な状態になる。
【0025】
電圧検出部2は、例えば、複数の分圧抵抗により構成され、バッテリBの電圧を検出し、その検出した電圧を制御部4に送る。
【0026】
電流検出部3は、シャント抵抗またはホール素子などにより構成され、バッテリBに流れる電流を検出し、その検出した電流を制御部4に送る。
【0027】
制御部4は、プロセッサまたはプログラマブルデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)など)により構成される。
【0028】
また、制御部4は、蓄電装置1に設けられ、コネクタCに接続されている充電器Chとデータの送受信を行う。例えば、図1に示すように、充電器Ch1に備えられるプラグPLがコネクタC1に接続され、充電器Ch2に備えられるプラグPLがコネクタC2に接続され、充電器Ch3に備えられるプラグPLがコネクタC3に接続され、充電器Ch4に備えられるプラグPLがコネクタC4に接続されている場合、制御部4と充電器Ch1~Ch4とが互いにデータの送受信を行うことが可能な状態になる。なお、制御部4と充電器Chとの間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0029】
また、制御部4は、定電流定電圧充電制御を行うことでバッテリBを充電する。なお、制御部4は、定電流定電圧充電制御時、コネクタCに接続される充電器Chの数に応じて、各充電器Chに送信する電流指令値を求める。例えば、制御部4は、蓄電装置1に4つの充電器Ch(充電器Ch1~Ch4)が接続されている場合で、かつ、バッテリBに一定電流Icを流す場合、一定電流Icの4分の1の電流を示す電流指令値I*を充電器Ch1~Ch4にそれぞれ送信する。充電器Ch1~Ch4は、それぞれ、電流指令値I*を受信しているとき、一定電流Icの4分の1の電流を出力する。
【0030】
図2(a)は、定電流定電圧充電制御時にバッテリBに流れる電流の一例を示す図であり、図2(b)は、定電流定電圧充電制御時のバッテリBの電圧の一例を示す図である。なお、図2(a)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。また、図2(a)に示す実線はバッテリBに流れる電流を示している。また、図2(b)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。また、図2(b)に示す実線はバッテリBの電圧を示している。
【0031】
まず、時刻t0において、定電流定電圧充電制御が開始すると、バッテリBに一定電流Icが流れる。バッテリBに一定電流Icが流れているとき、バッテリBの電圧が徐々に上昇する。
【0032】
次に、時刻t1において、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると、時刻t1以降において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれながらバッテリBに流れる電流が徐々に低下する。
【0033】
そして、時刻t3において、バッテリBに流れる電流が終了電流If以下になると、バッテリBに流れる電流がゼロになり、定電流定電圧充電制御が終了する。
【0034】
なお、時刻t0から時刻t1までの期間におけるバッテリBの充電制御を定電流充電制御とし、時刻t1から時刻t3までの期間におけるバッテリBの充電制御を定電圧充電制御とする。
【0035】
図3は、制御部4の動作の一例を示すフローチャートである。
【0036】
まず、制御部4は、充電器ChのプラグPLとコネクタCとの接続状態を確認した後、車両の駆動を制御する車両側制御部などから充電指示を受信すると(ステップST1:Yes)、定電流定電圧充電制御を開始するとともに充電器ChのプラグPLが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを導通状態にし、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電流充電制御を行う(ステップST2)。例えば、制御部4は、コネクタC1~C4に充電器Ch1~Ch4の各プラグPLが接続されている場合、充電器Ch1、Ch2を第1充電器Chとし、充電器Ch3、Ch4を第2充電器Chとする。
【0037】
次に、制御部4は、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電流充電制御を行っているとき、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると(ステップST3:Yes)、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電圧充電制御を行う(ステップST4)。
【0038】
次に、制御部4は、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電圧充電制御を行っているとき、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になると(ステップST5:Yes)、第1充電器Chのみに対して定電圧充電制御を行うとともに、第2充電器Chが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを遮断状態にする(ステップST6)。例えば、定電圧充電制御時、制御部4から第1充電器Ch及び第2充電器Chに電流指令値を送っているときにバッテリBへ流れる電流の単位時間Δtあたりの低下幅と、制御部4から第1充電器Chのみに電流指令値を送っているときにバッテリBへ流れる電流の単位時間Δtあたりの低下幅とが互いに等しくなるときに、第1充電器Chから出力される電流の最大値を電流閾値Ithとして設定する。このように電流閾値Ithを設定することで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になるときに、すなわち、第1充電器Ch及び第2充電器Chを使用した定電圧充電制御から第1充電器Chのみを使用した定電圧充電制御に移行するときに、バッテリBに流れる電流の変動を抑えることができる。また、このように電流閾値Ithを設定することで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になった後、バッテリBに流れる電流の単位時間Δtあたりの低下幅が小さくならないようにすることができるため、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になった後のバッテリBの充電にかかる時間の増大を抑制することができる。なお、ステップST6において、第2充電器Chは、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に使用することが可能な旨を不図示のディスプレイに表示するように構成してもよい。
【0039】
そして、制御部4は、バッテリBに流れる電流が終了電流If以下になると(ステップST7:Yes)、定電流定電圧充電制御を終了するとともに、第1充電器Chが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを遮断状態にする。
【0040】
このように実施形態の蓄電装置1は、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電圧充電制御を行っているとき、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になると、第1充電器Chのみに対して定電圧充電制御を行う構成である。そのため、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になった後、第2充電器Chを別の蓄電装置1のバッテリBの充電に使用することができる。
【0041】
また、実施形態の蓄電装置1によれば、定電流定電圧充電制御の途中において第1充電器Chのみを使用してバッテリBを充電してもバッテリBの充電にかかる時間が増大することを抑制することができる。
【0042】
すなわち、実施形態の蓄電装置1によれば、複数の蓄電装置1にそれぞれ備えられるバッテリBをできるだけ同時に充電しつつバッテリBの充電にかかる時間の増大を抑制することができる。
【0043】
また、実施形態の蓄電装置1によれば、各充電器Chを統合するための制御部を各充電器Chに備える必要がないため、充電器Chの製造コストの増加を抑制することができる。
【0044】
<実施例1>
実施例1として、充電器Ch1、Ch2をそれぞれ第1充電器Chとし、充電器Ch3、Ch4をそれぞれ第2充電器Chとし、一定電流Icを200[A]とし、電流閾値Ithを100[A]とし、終了電流Ifを50[A]とし、充電器Ch1~Ch4の最大出力電流を50[A]とする場合を想定する。なお、図4(a)は、実施例1における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch1から出力される電流を示し、図4(b)は、実施例1における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch2から出力される電流を示し、図4(c)は、実施例1における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch3から出力される電流を示し、図4(d)は、実施例1における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch4から出力される電流を示している。図4(a)~(d)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。図4(a)に示す実線は充電器Ch1から出力される電流を示し、図4(b)に示す実線は充電器Ch2から出力される電流を示し、図4(c)に示す実線は充電器Ch3から出力される電流を示し、図4(d)に示す実線は充電器Ch4から出力される電流を示している。
【0045】
まず、制御部4は、時刻t0から時刻t1までの定電流充電制御時において、一定電流Ic(200[A])の4分の1の電流(50[A])を示す電流指令値を充電器Ch1~Ch4にそれぞれを送信する。すると、図4(a)~図4(d)に示すように、時刻t0から時刻t1までの期間において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ50[A]の電流が出力される。
【0046】
次に、制御部4は、時刻t1において、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると、時刻t1から時刻t2までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1~Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を50[A]から25[A]まで徐々に低下させる。すると、図4(a)~図4(d)に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が50[A]から25[A]まで徐々に低下する。
【0047】
次に、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が25[A]以下になることで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith(100[A])以下になると、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにするとともに、時刻t2から時刻t3までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値を50[A]から25[A]に徐々に低下させる。すると、図4(a)~図4(d)に示すように、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ出力される電流がゼロになるとともに、時刻t2から時刻t3までの期間において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流が50[A]から25[A]まで徐々に低下する。すなわち、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]からゼロに減少させるとともに、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]から50[A]に増加させることで、充電器Ch3、Ch4の出力停止後も充電器Ch1、Ch2を使用してバッテリBの充電を継続させている。このように、実施例1では、時刻t2以降において、バッテリBの充電に充電器Ch1~Ch4のうちの充電器Ch1、Ch2が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に充電器Ch3、Ch4を使用することができる。
【0048】
そして、制御部4は、時刻t3において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流が25[A]になることで、バッテリBに流れる電流が終了電流If(50[A])以下になると、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにする。すると、図4(a)及び図4(b)に示すように、時刻t3において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流がゼロになる。
【0049】
<実施例2>
実施例2として、充電器Ch1を第1充電器Chとし、充電器Ch2~Ch4をそれぞれ第2充電器Chとし、一定電流Icを200[A]とし、電流閾値Ithを100[A]とし、終了電流Ifを50[A]とし、充電器Ch1の最大出力電流を100[A]とし、充電器Ch2~Ch4の最大出力電流を50[A]とする場合を想定する。なお、図5(a)は、実施例2における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch1から出力される電流を示し、図5(b)は、実施例2における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch2から出力される電流を示し、図5(c)は、実施例2における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch3から出力される電流を示し、図5(d)は、実施例2における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch4から出力される電流を示している。図5(a)~(d)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。図5(a)に示す実線は充電器Ch1から出力される電流を示し、図5(b)に示す実線は充電器Ch2から出力される電流を示し、図5(c)に示す実線は充電器Ch3から出力される電流を示し、図5(d)に示す実線は充電器Ch4から出力される電流を示している。また、図5(a)~図5(d)において時刻t0から時刻t2までの期間に充電器Ch1~Ch4にそれぞれ流れる電流は、図4(a)~図4(d)において時刻t0から時刻t2までの期間に充電器Ch1~Ch4にそれぞれ流れる電流と同様であるため、時刻t2以降から説明する。
【0050】
制御部4は、時刻t2において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が25[A]以下になることで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith(100[A])以下になると、時刻t2以降において、充電器Ch2~Ch4にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにするとともに、時刻t2から時刻t3までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1に送信する電流指令値を100[A]に増加させた後、100[A]から50[A]に徐々に低下させる。すると、図5(a)~図5(d)に示すように、時刻t2以降において、充電器Ch2~Ch4からそれぞれ出力される電流がゼロになるとともに、時刻t2から時刻t3までの期間において、充電器Ch1から出力される電流が100[A]から50[A]まで徐々に低下する。すなわち、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch2~Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]からゼロに減少させるとともに、充電器Ch1に送信する電流指令値を25[A]から100[A]に増加させることで、充電器Ch2~Ch4の出力停止後も充電器Ch1を使用してバッテリBの充電を継続させている。このように、実施例2では、時刻t2以降において、バッテリBの充電に充電器Ch1~Ch4のうちの充電器Ch1が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に充電器Ch2~Ch4を使用することができる。
【0051】
そして、制御部4は、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流が50[A]になることで、バッテリBに流れる電流が終了電流If(50[A])以下になると、充電器Ch1に送信する電流指令値をゼロにする。すると、図5(a)に示すように、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流がゼロになる。
【0052】
<実施例3>
実施例3として、充電器Ch1を第1充電器Chとし、充電器Ch2を第2充電器Chとし、一定電流Icを200[A]とし、電流閾値Ithを100[A]とし、終了電流Ifを50[A]とし、充電器Ch1、Ch2の最大出力電流を100[A]とする場合を想定する。なお、図6(a)は、実施例3における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch1から出力される電流を示し、図6(b)は、実施例3における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch2から出力される電流を示している。図6(a)及び図6(b)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。図6(a)に示す実線は充電器Ch1から出力される電流を示し、図6(b)に示す実線は充電器Ch2から出力される電流を示している。実施例3では、時刻t0から時刻t3までの期間において、バッテリBの充電に充電器Ch1~Ch4のうちの充電器Ch1、Ch2が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に充電器Ch3、Ch4を使用することができる。
【0053】
まず、制御部4は、時刻t0から時刻t1までの定電流充電制御時において、一定電流Ic(200[A])の2分の1の電流(100[A])を示す電流指令値を充電器Ch1、Ch2にそれぞれを送信する。すると、図6(a)及び図6(b)に示すように、時刻t0から時刻t1までの期間において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ100[A]の電流が出力される。
【0054】
次に、制御部4は、時刻t1において、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると、時刻t1から時刻t2までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値を100[A]から50[A]まで徐々に低下させる。すると、図6(a)及び図6(b)に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流が100[A]から50[A]まで徐々に低下する。
【0055】
次に、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流が50[A]以下になることで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith(100[A])以下になると、時刻t2以降において、充電器Ch2に送信する電流指令値をゼロにするとともに、時刻t2から時刻t3までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1に送信する電流指令値を100[A]に増加させた後、100[A]から50[A]に徐々に低下させる。すると、図6(a)及び図6(b)に示すように、時刻t2以降において、電器Ch2から出力される電流がゼロになるとともに、時刻t2から時刻t3までの期間において、充電器Ch1から出力される電流が100[A]から50[A]まで徐々に低下する。すなわち、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch2に送信する電流指令値を50[A]からゼロに減少させるとともに、充電器Ch1に送信する電流指令値を50[A]から100[A]に増加させることで、充電器Ch2の出力停止後も充電器Ch1を使用してバッテリBの充電を継続させている。このように、実施例3では、時刻t2以降において、バッテリBの充電に充電器Ch1、Ch2のうちの充電器Ch1が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電にさらに充電器Ch2も使用することができる。
【0056】
そして、制御部4は、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流が50[A]になることで、バッテリBに流れる電流が終了電流If(50[A])以下になると、充電器Ch1に送信する電流指令値をゼロにする。すると、図6(a)に示すように、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流がゼロになる。
【0057】
図7は、制御部4の動作の他の例を示すフローチャートである。
【0058】
まず、制御部4は、充電器ChのプラグPLとコネクタCとの接続状態を確認した後、車両の駆動を制御する車両側制御部などから充電指示を受信すると(ステップST1:Yes)、定電流定電圧充電制御を開始するとともに充電器Chが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを導通状態にし、コネクタCに接続される第1充電器Chのうち、出力制限対象の第1充電器Chが有るか否かを判断する(ステップST1´)。例えば、制御部4は、第1充電器Chの温度が温度閾値以上である旨を示すデータを第1充電器Chから受信すると、その第1充電器Chを出力制限対象の充電器Chとする。または、制御部4は、出力電流の最大値を50[A]から25[A]に制限する必要がある旨を示すデータを第1充電器Chから受信すると、その第1充電器Chを出力制限対象の充電器Chとする。
【0059】
次に、制御部4は、コネクタCに接続される第1充電器Chから出力制限に関するデータを受信せず出力制限対象の第1充電器Chが無いと判断すると(ステップST1´:No)、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電流充電制御を行う(ステップST2)。
【0060】
一方、制御部4は、出力制限対象の第1充電器Chが有ると判断すると(ステップST1´:Yes)、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電流充電制御を行いつつ、出力制限対象の第1充電器Chから出力される電流が低下するとともに、出力制限対象の第1充電器Chの出力電流の低下分、出力制限対象以外の第1充電器Chから出力される電流が増加するように、出力制限対象の第1充電器Ch及び出力制限対象以外の第1充電器Chに電流指令値を送信する(ステップST2´)。
【0061】
次に、制御部4は、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電流充電制御を行っているとき、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると(ステップST3:Yes)、コネクタCに接続される第1充電器Chのうち、出力制限対象の第1充電器Chが有るか否かを判断する(ステップST3´)。
【0062】
次に、制御部4は、出力制限対象の第1充電器Chが無いと判断すると(ステップST3´:No)、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電圧充電制御を行う(ステップST4)。
【0063】
一方、制御部4は、出力制限対象の第1充電器Chが有ると判断すると(ステップST3´:Yes)、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電圧充電制御を行いつつ、出力制限対象の第1充電器Chから出力される電流が低下するとともに、出力制限対象の第1充電器Chの出力電流の低下分、出力制限対象以外の第1充電器Chから出力される電流が増加するように、出力制限対象の第1充電器Ch及び出力制限対象以外の第1充電器Chに電流指令値を送信する(ステップST4´)。
【0064】
次に、制御部4は、第1充電器Ch及び第2充電器Chに対して定電圧充電制御を行っているとき、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith以下になると(ステップST5:Yes)、コネクタCに接続される第1充電器Chのうち、出力制限対象の第1充電器Chが有るか否かを判断する(ステップST5´)。
【0065】
制御部4は、出力制限対象の第1充電器Chが無いと判断すると(ステップST5´:No)、第1充電器Chのみに対して定電圧充電制御を行うとともに、第2充電器Chが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを遮断状態にする(ステップST6)。
【0066】
一方、制御部4は、出力制限対象の第1充電器Chが有ると判断すると(ステップST5´:Yes)、第1充電器Chのみに対して定電圧充電制御を行うとともに、第2充電器Chが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを遮断状態にし、出力制限対象の第1充電器Chから出力される電流が低下するとともに、出力制限対象の第1充電器Chの出力電流の低下分、出力制限対象以外の第1充電器Chから出力される電流が増加するように、出力制限対象の第1充電器Ch及び出力制限対象以外の第1充電器Chに電流指令値を送信する(ステップST6´)。
【0067】
そして、制御部4は、バッテリBに流れる電流が終了電流If以下になると(ステップST7:Yes)、定電流定電圧充電制御を終了するとともに、第1充電器Chが接続されているコネクタCに対応するスイッチSWを遮断状態にする。
【0068】
このように、充電器Chから出力される電流が制限されても、バッテリBに流れる電流の大きさを変化させないようにすることができるため、バッテリBの充電にかかる時間が増大することを抑制することができる。
【0069】
<実施例4>
実施例4として、充電器Ch1、Ch2をそれぞれ第1充電器Chとし、充電器Ch3、Ch4をそれぞれ第2充電器Chとし、一定電流Icを200[A]とし、電流閾値Ithを100[A]とし、終了電流Ifを50[A]とし、充電器Ch1、Ch3、Ch4の最大出力電流を50[A]とし、充電器Ch2の最大出力電流を100[A]とする場合を想定する。なお、図8(a)は、実施例4における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch1から出力される電流を示し、図8(b)は、実施例4における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch2から出力される電流を示し、図8(c)は、実施例4における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch3から出力される電流を示し、図8(d)は、実施例4における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch4から出力される電流を示している。図8(a)~(d)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。図8(a)に示す実線は充電器Ch1から出力される電流を示し、図8(b)に示す実線は充電器Ch2から出力される電流を示し、図8(c)に示す実線は充電器Ch3から出力される電流を示し、図8(d)に示す実線は充電器Ch4から出力される電流を示している。
【0070】
まず、制御部4は、時刻t0から時刻t1´までの定電流充電制御時において、一定電流Ic(200[A])の4分の1の電流(50[A])を示す電流指令値を充電器Ch1~Ch4にそれぞれを送信する。すると、図8(a)~図8(d)に示すように、時刻t0から時刻t1´までの期間において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ50[A]の電流が出力される。
【0071】
次に、制御部4は、時刻t1´において、充電器Ch1の出力電流の最大値を50[A]から25[A]に制限する必要があると判断すると、時刻t1´から時刻t1までの定電流充電制御時において、25[A]を示す電流指令値を充電器Ch1に送信し、75[A]を示す電流指令値を充電器Ch2に送信し、50[A]を示す電流指令値を充電器Ch3、Ch4に送信する。すると、図8(a)~図8(d)に示すように、時刻t1´から時刻t1までの期間において、充電器Ch1から25[A]の電流が出力され、充電器Ch2から75[A]の電流が出力され、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ50[A]の電流が出力される。
【0072】
次に、制御部4は、時刻t1において、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると、時刻t1から時刻t2までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、25[A]を示す電流指令値を充電器Ch1に送信し、充電器Ch2に送信される電流指令値を75[A]から25[A]まで徐々に低下させ、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を50[A]から25[A]まで徐々に低下させる。すると、図8(a)~図8(d)に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間において、充電器Ch1から25[A]の電流が出力され、充電器Ch2から出力される電流が75[A]から25[A]まで徐々に低下し、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ出力される電流が50[A]から25[A]まで徐々に低下する。このように、実施例4では、時刻t1´から時刻t2までの期間において、充電器Ch1の出力電流に制限がかかる分、充電器Ch2に補填させることができるため、バッテリBの充電時間が増大することを抑制することができる。
【0073】
次に、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が25[A]になることで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith(100[A])以下になると、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにするとともに、時刻t2から時刻t3までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1に送信する電流指令値を25[A]から0[A]に徐々に低下させるとともに、充電器Ch2に送信する電流指令値を75[A]から50[A]に徐々に低下させる。すると、図8(a)~図8(d)に示すように、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ出力される電流がゼロになるとともに、時刻t2から時刻t3までの期間において、充電器Ch1から出力される電流が25[A]から0[A]まで徐々に低下するとともに、充電器Ch2から出力される電流が75[A]から50[A]まで徐々に低下する。すなわち、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]からゼロに減少させるとともに、充電器Ch2に送信する電流指令値を25[A]から75[A]に増加させることで、充電器Ch3、Ch4の出力停止後も充電器Ch1、Ch2を使用してバッテリBの充電を継続させている。このように、実施例4では、時刻t2以降において、バッテリBの充電に充電器Ch1~Ch4のうちの充電器Ch1、Ch2が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に充電器Ch3、Ch4を使用することができる。
【0074】
そして、制御部4は、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流が0[A]になり、充電器Ch2から出力される電流が50[A]になることで、バッテリBに流れる電流が終了電流If(50[A])以下になると、充電器Ch2に送信する電流指令値をゼロにする。すると、図8(a)及び図8(b)に示すように、時刻t3において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流がゼロになる。
【0075】
<実施例5>
実施例5として、充電器Ch1、Ch2をそれぞれ第1充電器Chとし、充電器Ch3、Ch4をそれぞれ第2充電器Chとし、一定電流Icを200[A]とし、電流閾値Ithを100[A]とし、終了電流Ifを50[A]とし、充電器Ch1、Ch3、Ch4の最大出力電流を50[A]とし、充電器Ch2の最大出力電流を100[A]とする場合を想定する。なお、図9(a)は、実施例5における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch1から出力される電流を示し、図9(b)は、実施例5における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch2から出力される電流を示し、図9(c)は、実施例5における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch3から出力される電流を示し、図9(d)は、実施例5における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch4から出力される電流を示している。図9(a)~(d)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。図9(a)に示す実線は充電器Ch1から出力される電流を示し、図9(b)に示す実線は充電器Ch2から出力される電流を示し、図9(c)に示す実線は充電器Ch3から出力される電流を示し、図9(d)に示す実線は充電器Ch4から出力される電流を示している。また、図9(a)~図9(d)において時刻t0から時刻t1までの期間に充電器Ch1~Ch4にそれぞれ流れる電流は、図4(a)~図4(d)において時刻t0から時刻t1までの期間に充電器Ch1~Ch4にそれぞれ流れる電流と同様であるため、時刻t1以降から説明する。
【0076】
制御部4は、時刻t1において、バッテリBの電圧が一定電圧Vc以上になると、時刻t1から時刻t2´までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1~Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を徐々に低下させる。すると、図9(a)~図9(d)に示すように、時刻t1から時刻t2´までの期間において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が徐々に低下する。
【0077】
次に、制御部4は、時刻t2´において、充電器Ch1の出力電流の最大値を25[A]に制限する必要があると判断すると、時刻t2´から時刻t2までの定電圧充電制御時において、25[A]を示す電流指令値を充電器Ch1に送信し、充電器Ch2に送信する電流指令値を、充電器Ch1の電流指令値の低下分、上昇させた後、徐々に低下させ、充電器Ch3、Ch4に送信する電流指令値を徐々に低下させる。すると、図9(a)~図9(d)に示すように、時刻t2´から時刻t2までの期間において、充電器Ch1から25[A]の電流が出力され、充電器Ch2から出力される電流が、充電器Ch1の出力電流の低下分、上昇した後、徐々に低下し、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ出力される電流が徐々に低下する。
【0078】
次に、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が25[A]になることで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith(100[A])以下になると、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにするとともに、時刻t2から時刻t3までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、25[A]を示す電流指令値を充電器Ch1に送信し、充電器Ch2に送信する電流指令値を75[A]に増加させた後、75[A]から25[A]まで徐々に低下させる。すると、図9(a)~図9(d)に示すように、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ出力される電流がゼロになるとともに、時刻t2から時刻t3までの期間において、充電器Ch1から25[A]の電流が出力され、充電器Ch2から出力される電流が75[A]から25[A]まで徐々に低下する。すなわち、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]からゼロに減少させるとともに、充電器Ch2に送信する電流指令値を25[A]から75[A]に増加させることで、充電器Ch3、Ch4の出力停止後も充電器Ch1、Ch2を使用してバッテリBの充電を継続させている。このように、実施例5では、時刻t2以降において、バッテリBの充電に充電器Ch1~Ch4のうちの充電器Ch1、Ch2が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に充電器Ch3、Ch4を使用することができる。また、実施例5では、時刻t2´から時刻t3までの期間において、充電器Ch1の出力電流に制限がかかる分、充電器Ch2に補填させることができるため、バッテリBの充電時間が増大することを抑制することができる。
【0079】
そして、制御部4は、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流が25[A]になり、充電器Ch2から出力される電流が25[A]になることで、バッテリBに流れる電流が終了電流If(50[A])以下になると、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにする。すると、図9(a)及び図9(b)に示すように、時刻t3において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流がゼロになる。
【0080】
<実施例6>
実施例6として、充電器Ch1、Ch2をそれぞれ第1充電器Chとし、充電器Ch3、Ch4をそれぞれ第2充電器Chとし、一定電流Icを200[A]とし、電流閾値Ithを100[A]とし、終了電流Ifを50[A]とし、充電器Ch1、Ch3、Ch4の最大出力電流を50[A]とし、充電器Ch2の最大出力電流を100[A]とする場合を想定する。なお、図10(a)は、実施例6における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch1から出力される電流を示し、図10(b)は、実施例6における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch2から出力される電流を示し、図10(c)は、実施例6における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch3から出力される電流を示し、図10(d)は、実施例6における定電流定電圧充電制御時に充電器Ch4から出力される電流を示している。図10(a)~(d)に示す二次元座標の横軸は時間を示し、縦軸は電流を示している。図10(a)に示す実線は充電器Ch1から出力される電流を示し、図10(b)に示す実線は充電器Ch2から出力される電流を示し、図10(c)に示す実線は充電器Ch3から出力される電流を示し、図10(d)に示す実線は充電器Ch4から出力される電流を示している。また、図10(a)~図10(d)において時刻t0から時刻t2までの期間に充電器Ch1~Ch4にそれぞれ流れる電流は、図4(a)~図4(d)において時刻t0から時刻t2までの期間に充電器Ch1~Ch4にそれぞれ流れる電流と同様であるため、時刻t2以降から説明する。
【0081】
制御部4は、時刻t2において、充電器Ch1~Ch4からそれぞれ出力される電流が25[A]になることで、バッテリBに流れる電流が電流閾値Ith(100[A])以下になると、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにするとともに、時刻t2から時刻t3´までの定電圧充電制御時において、バッテリBの電圧が一定電圧Vcに保たれるように、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値を徐々に低下させる。すると、図10(a)~図10(d)に示すように、時刻t2以降において、充電器Ch3、Ch4からそれぞれ出力される電流がゼロになるとともに、時刻t2から時刻t3´までの期間において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流が徐々に低下する。すなわち、制御部4は、時刻t2において、充電器Ch3、Ch4にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]からゼロに減少させるとともに、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値を25[A]から50[A]に増加させることで、充電器Ch3、Ch4の出力停止後も充電器Ch1、Ch2を使用してバッテリBの充電を継続させている。このように、実施例6では、時刻t2以降において、バッテリBの充電に充電器Ch1~Ch4のうちの充電器Ch1、Ch2が使用される構成であるため、別の蓄電装置1のバッテリBの充電に充電器Ch3、Ch4を使用することができる。
【0082】
次に、制御部4は、時刻t3´において、充電器Ch1の出力電流の最大値を25[A]に制限する必要があると判断すると、時刻t3´から時刻t3までの定電圧充電制御時において、25[A]を示す電流指令値を充電器Ch1に送信し、充電器Ch2に送信する電流指令値を、充電器Ch1の電流指令値の低下分、上昇させた後、25[A]まで徐々に低下させる。すると、図10(a)及び図10(b)に示すように、時刻t3´から時刻t3までの期間において、充電器Ch1から25[A]の電流が出力され、充電器Ch2から出力される電流が、充電器Ch1の出力電流の低下分、上昇した後、25[A]まで徐々に低下する。このように、実施例6では、時刻t3´から時刻t3までの期間において、充電器Ch1の出力電流に制限がかかる分、充電器Ch2に補填させることができるため、バッテリBの充電時間が増大することを抑制することができる。
【0083】
そして、制御部4は、時刻t3において、充電器Ch1から出力される電流が25[A]になり、充電器Ch2から出力される電流が25[A]になることで、バッテリBに流れる電流が終了電流If(50[A])以下になると、充電器Ch1、Ch2にそれぞれ送信する電流指令値をゼロにする。すると、図10(a)及び図10(b)に示すように、時刻t3において、充電器Ch1、Ch2からそれぞれ出力される電流がゼロになる。
【0084】
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【0085】
<変形例>
上記実施形態では、充電器Chの温度が比較的高くなることで、その充電器Chの出力電流を制限(低下)させる構成であるが、充電器Chに異常が発生することで、その充電器Chの出力電流を制限させるように構成してもよい。なお、充電器Chに発生する異常とは、例えば、充電器Chの出力電流を検出する電流センサの異常など、充電器Chの出力電流を制限させる原因となる異常とする。
【符号の説明】
【0086】
1 蓄電装置
2 電圧検出部
3 電流検出部
4 制御部
PW 商用電源
Ch1~Ch4 充電器
PL プラグ
C1~C4 コネクタ
SW1~SW4 スイッチ
D1~D4 ダイオード
B バッテリ
図1
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図3
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図10