(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175937
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】コネクタモジュール
(51)【国際特許分類】
H01R 24/50 20110101AFI20241212BHJP
【FI】
H01R24/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094048
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】安田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】若林 知敬
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223AB58
5E223AB59
5E223BA12
5E223BA17
5E223BB01
5E223CA13
5E223CD01
5E223DB11
5E223GA08
5E223GA23
5E223GA53
(57)【要約】
【課題】高周波の信号伝送に用いられるコネクタ間の接続部において電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制することができるコネクタモジュールを提供する。
【解決手段】コネクタモジュール1Aは、第1コネクタ10を接続した第1基板11を収容する第1金属ケース12と、第2コネクタ20を接続した第2基板21を収容する第2金属ケース22とを備える。第1金属ケース12は、第1コネクタ10の外周を囲う第1筒部15と、第1筒部15よりも大径に形成された第2筒部16とを有する。第2金属ケース22は、第1筒部15よりも大径で且つ第2筒部16よりも小径に形成されて、第2筒部16の内周と第1筒部15の外周との間に挿入される第3筒部25を有する。第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第2筒部16の内径D2aと第3筒部25の外径D3bとの差よりも小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をそれぞれ収容する一対の金属ケースと、
前記基板に接続され、少なくとも一部が前記金属ケースから露出し、互いに対して結合される一対のコネクタと、
一対の前記金属ケースの一方から他方に向かって前記コネクタの結合方向に突出して、前記一方の前記金属ケースから露出する前記コネクタの外周を囲う第1筒部と、
前記一方の前記金属ケースから前記他方の前記金属ケースに向かって前記コネクタの結合方向に突出し、内径が前記第1筒部の外径よりも大きく形成されて、前記第1筒部の外周を囲う第2筒部と、
前記他方の前記金属ケースから前記一方の前記金属ケースに向かって前記コネクタの結合方向に突出し、内径が前記第1筒部の外径よりも大きく、且つ、外径が前記第2筒部の内径よりも小さく形成されて、一対の前記コネクタ同士が結合された状態において前記第2筒部の内周と前記第1筒部の外周との間に挿入される第3筒部と、を備え、
前記第3筒部の内径と前記第1筒部の外径との差が、前記第2筒部の内径と前記第3筒部の外径との差よりも小さくなっており、
一対の前記コネクタ同士が結合された状態において、前記第3筒部の内周と前記第1筒部の外周との隙間が、前記第2筒部の内周と前記第3筒部の外周との隙間よりも狭い、
コネクタモジュール。
【請求項2】
前記第3筒部の外周と前記第2筒部の内周との間には、筒状電磁波吸収材が配置される、請求項1に記載のコネクタモジュール。
【請求項3】
前記筒状電磁波吸収材は、前記第3筒部の外周に配置され、
前記第3筒部の内径と前記第1筒部の外径との差が、前記第2筒部の内径と前記筒状電磁波吸収材の外径との差よりも小さくなっており、
一対の前記コネクタ同士が結合された状態において、前記第3筒部の内周と前記第1筒部の外周との隙間が、前記第2筒部の内周と前記筒状電磁波吸収材の外周との隙間よりも狭い、
請求項2に記載のコネクタモジュール。
【請求項4】
前記第2筒部の先端部と、前記他方の前記金属ケースにおける前記第2筒部の先端部に対向する対向面と、の間には、環状電磁波吸収材が配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【請求項5】
前記他方の金属ケースから前記一方の前記金属ケースに向かって前記コネクタの結合方向に突出し、内径が前記第2筒部の外径よりも大きく形成されて、一対の前記コネクタ同士が結合された状態において前記第2筒部の外周を囲う第4筒部をさらに備え、
前記第3筒部の内径と前記第1筒部の外径との差が、前記第4筒部の内径と前記第2筒部の外径との差よりも小さくなっており、
一対の前記コネクタ同士が結合された状態において、前記第3筒部の内周と前記第1筒部の外周との隙間が、前記第4筒部の内周と前記第2筒部の外周との隙間よりも狭い、
請求項1に記載のコネクタモジュール。
【請求項6】
前記第2筒部の外周と前記第4筒部の内周との間には、筒状電磁波吸収材が配置される、請求項5に記載のコネクタモジュール。
【請求項7】
前記筒状電磁波吸収材は、前記第2筒部の外周に配置され、
前記第3筒部の内径と前記第1筒部の外径との差が、前記第4筒部の内径と前記筒状電磁波吸収材の外径との差よりも小さくなっており、
一対の前記コネクタ同士が結合された状態において、前記第3筒部の内周と前記第1筒部の外周との隙間が、前記第4筒部の内周と前記筒状電磁波吸収材の外周との隙間よりも狭い、
請求項6に記載のコネクタモジュール。
【請求項8】
前記第4筒部の先端部と、前記一方の前記金属ケースにおける前記第4筒部の先端部に対向する対向面と、の間には、環状電磁波吸収材が配置される、請求項5から7のいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール間の接続部、例えば、アンテナ及び光ファイバ無線で用いられる電気-光変換モジュール又は光-電気変換モジュール、アンテナと増幅器との間の接続部等においては、SMPMコネクタ等の同軸コネクタを用いて接続される(例えば、特許文献1参照)。この同軸コネクタを用いた接続部においては、コネクタと、コネクタが接続される基板等が収容される金属ケースとの間から電磁波が漏れたり入り込み、信号品質に影響を及ぼすことから、一般的にコネクタと金属ケースとの間の隙間を可能な限り狭くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、高速、大容量の信号の伝送を行うため、当該伝送に用いられる信号の高周波数化が進み、例えば28GHzを超える周波数の信号が用いられるようになっている。この信号の高周波数化に伴い、可能な限り狭くしたコネクタと金属ケースとの間の隙間から電磁波が漏れたり入り込むことがあり、周囲の機器に影響を及ぼしたり、逆に周囲の機器の影響を受け得る。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、高周波の信号伝送に用いられるコネクタ間の接続部において電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制することができるコネクタモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るコネクタモジュールは、基板をそれぞれ収容する一対の金属ケースと、基板に接続され、少なくとも一部が金属ケースから露出し、互いに対して結合される一対のコネクタと、一対の金属ケースの一方から他方に向かってコネクタの結合方向に突出して、一方の金属ケースから露出するコネクタの外周を囲う第1筒部と、一方の金属ケースから他方の金属ケースに向かってコネクタの結合方向に突出し、内径が第1筒部の外径よりも大きく形成されて、第1筒部の外周を囲う第2筒部と、他方の金属ケースから一方の金属ケースに向かってコネクタの結合方向に突出し、内径が第1筒部の外径よりも大きく、且つ、外径が第2筒部の内径よりも小さく形成されて、一対のコネクタ同士が結合された状態において第2筒部の内周と第1筒部の外周との間に挿入される第3筒部と、を備え、第3筒部の内径と第1筒部の外径との差が、第2筒部の内径と第3筒部の外径との差よりも小さくなっており、一対のコネクタ同士が結合された状態において、第3筒部の内周と第1筒部の外周との隙間が、第2筒部の内周と第3筒部の外周との隙間よりも狭い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高周波の信号伝送に用いられるコネクタ間の接続部において電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制することができるコネクタモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るコネクタモジュールの一例を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態の第1金属ケースの正面図である。
【
図3】第1実施形態の第2金属ケースの正面図である。
【
図4】第1実施形態に係るコネクタモジュールの断面図である。
【
図5】上部金属ケースを取り外した状態のコネクタモジュールの平面図である。
【
図6】第2実施形態に係るコネクタモジュールの一例を示す断面図である。
【
図7】第2実施形態の第1金属ケースの正面図である。
【
図8】第2実施形態の第2金属ケースの正面図である。
【
図9】第3実施形態に係るコネクタモジュールの一例を示す断面図である。
【
図10】第3実施形態の第1金属ケースの正面図である。
【
図11】第3実施形態の第2金属ケースの正面図である。
【
図12】第4実施形態に係るコネクタモジュールの一例を示す断面図である。
【
図13】第4実施形態の第1金属ケースの正面図である。
【
図14】第4実施形態の第2金属ケースの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係るコネクタモジュールについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0010】
[第1実施形態]
図1から
図5に示すように、本実施形態に係るコネクタモジュール1Aは、一対のモジュール(第1モジュール2、第2モジュール3)を備え、これら一対のモジュールのコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が接続される。コネクタモジュール1Aにおいては、双方向伝送のために複数のコネクタ接続部4,4が並設されている(
図5参照)。コネクタモジュール1Aにおける信号の流れは、
図5中において矢印Sで示される。また、
図1、
図4及び
図5においては、コネクタモジュール1Aの要部(中央部)のみを示しており、当該中央部よりも外側の部分は図示省略している。
【0011】
本実施形態に係るコネクタモジュール1Aは、ミリ波以上の高周波の信号を伝送するためのモジュールであって、同軸コネクタの接続部を備えている。これに限定はされず、高周波信号の伝送に用いるモジュールにおける同軸コネクタの接続部だけでなく、制御信号等の低速信号線のコネクタ、電源等の接続部のコネクタに本実施形態を適用してもよい。
【0012】
一方のモジュール(第1モジュール2)は、第1基板11を収容する第1金属ケース12と、第1基板11に接続され、少なくとも一部が第1金属ケース12から露出し、後述する第2コネクタ20に結合される第1コネクタ10とを有している。コネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)の結合方向は、
図1中において矢印Cで示される。
【0013】
第1基板11は、基材11aと、基材11aの実装面に配索された基板配線11bとを有して構成されている。基板配線11bは、例えばプリントにより基材11aの実装面に配索され、この基板配線11bには、第1コネクタ10が半田付け等により実装されている。このような第1基板11は、ネジ13等を用いて後述する第1下部金属ケース12aの台座14に対して固定されてもよく(
図5参照)、第1下部金属ケース12aと第1上部金属ケース12bとで挟み込んで保持(挟持)するようにしてもよい。
【0014】
第1金属ケース12は、本実施形態では、第1下部金属ケース12aと、第1上部金属ケース12bとで上下(
図1及び
図2中において上下方向)に分割して形成されている。第1下部金属ケース12aと第1上部金属ケース12bとは、図示しないネジ等を用いて互いに接続されていてもよい。本実施形態では、第1下部金属ケース12aには、台座14が形成されており、この台座14に、第1基板11が載置された状態でネジ13等を用いて固定されている(
図5参照)。
【0015】
第1コネクタ10は、例えば、SMPMコネクタ、SMPコネクタ等の同軸コネクタである。同軸コネクタの種類は、特に限定はされない。この第1コネクタ10が、第1基板11の基材11aの実装面に配索された基板配線11bに接続されている。そして、第1コネクタ10の結合部(嵌合部)が、第1金属ケース12から露出されて、ジョイント30を介して第2コネクタ20の結合部(嵌合部)に結合されている。第1コネクタ10の結合部は、ジョイント30を介することなく、第2コネクタ20の結合部に直接結合されていてもよい。
【0016】
他方のモジュール(第2モジュール3)は、第2基板21を収容する第2金属ケース22と、第2基板21に接続され、少なくとも一部が第2金属ケース22から露出し、第1コネクタ10に結合される第2コネクタ20とを有している。
【0017】
第2基板21は、基材21aと、基材21aの実装面に配索された基板配線21bとを有して構成されている。基板配線21bは、例えばプリントにより基材21aの実装面に配索され、この基板配線21bには、第2コネクタ20が半田付け等により実装されている。このような第2基板21は、ネジ23等を用いて後述する第2下部金属ケース22aの台座24に対して固定されてもよく(
図5参照)、第2下部金属ケース22aと第2上部金属ケース22bとで挟み込んで保持(挟持)するようにしてもよい。
【0018】
第2金属ケース22は、本実施形態では、第2下部金属ケース22aと、第2上部金属ケース22bとで上下(
図1及び
図3中において上下方向)に分割して形成されている。第2下部金属ケース22aと第2上部金属ケース22bとは、図示しないネジ等を用いて互いに接続されていてもよい。本実施形態では、第2下部金属ケース22aには、台座24が形成されており、この台座24に、第2基板21が載置された状態でネジ23等を用いて固定されている(
図5参照)。また、必要に応じて、第2金属ケース22を、第1金属ケース12と直接に接続するようにしてもよい。
【0019】
第2コネクタ20は、第1コネクタ10と同様に、例えば、SMPMコネクタ、SMPコネクタ等の同軸コネクタである。同軸コネクタの種類は、特に限定はされない。この第2コネクタ20が、第2基板21の基材21aの実装面に配索された基板配線21bに接続されている。そして、第2コネクタ20の結合部(嵌合部)が、第2金属ケース22から露出されて、ジョイント30を介して第2コネクタ20の結合部(嵌合部)に結合されている。第2コネクタ20の結合部は、ジョイント30を介することなく、第1コネクタ10の結合部に直接結合されていてもよい。
【0020】
一方のモジュール(第1モジュール2)の第1金属ケース12には、第1コネクタ10を中心として、互いに直径(外径)が異なり、金属材料から形成される第1筒部15及び第2筒部16が配置されている。第1筒部15は、第1金属ケース12から第2金属ケース22に向かってコネクタの結合方向C(
図1中において左右方向)に突出して、第1金属ケース12から露出する第1コネクタ10の外周を囲っている。すなわち、第1筒部15の内径D1aは、第1コネクタ10の外径よりも大きく形成され、第1筒部15の外径D1bは、第2筒部16の内径D2aよりも小さく形成されている。
【0021】
その一方、第2筒部16は、第1金属ケース12から第2金属ケース22に向かってコネクタの結合方向C(
図1中において左右方向)に突出して、第1金属ケース12から突出している第1筒部15の外周を囲っている。すなわち、第2筒部16の内径D2aは、第1筒部15の外径D1bよりも大きく形成されている。
【0022】
本実施形態では、第1筒部15及び第2筒部16は、円筒状に形成されている。これに限定はされず、第1筒部15及び第2筒部16が、四角筒状等の角筒状に形成されていてもよい。また、第1筒部15は、本実施形態では、第1下部筒部15aと、第1上部筒部15bとで上下(
図1及び
図2中において上下方向)に分割して形成されている。例えば、第1下部筒部15aは、第1下部金属ケース12aに一体に形成され、第1上部筒部15bは、第1上部金属ケース12bに一体に形成される。さらに、第2筒部16は、本実施形態では、第2下部筒部16aと、第2上部筒部16bとで上下(
図1及び
図2中において上下方向)に分割して形成されている。例えば、第2下部筒部16aは、第1下部金属ケース12aに一体に形成され、第2上部筒部16bは、第1上部金属ケース12bに一体に形成される。
【0023】
他方のモジュール(第2モジュール3)の第2金属ケース22には、第2コネクタ20を中心として、金属材料から形成される第3筒部25が配置されている。第3筒部25は、第2金属ケース22から第1金属ケース12に向かってコネクタの結合方向C(
図1中において左右方向)に突出して、第2金属ケース22から露出する第2コネクタ20の外周を囲っている。すなわち、第3筒部25の内径D3aは、第2コネクタ20の外径よりも大きく形成されている。
【0024】
本実施形態では、第3筒部25は、第1筒部15及び第2筒部16と同様に、円筒状に形成されている。これに限定はされず、第3筒部25は、第1筒部15及び第2筒部16と同様に、四角筒状等の角筒状に形成されていてもよい。また、第3筒部25は、本実施形態では、第3下部筒部25aと、第3上部筒部25bとで上下(
図1及び
図3中において上下方向)に分割して形成されている。例えば、第3下部筒部25aは、第2下部金属ケース22aに一体に形成され、第3上部筒部25bは、第2上部金属ケース22bに一体に形成される。
【0025】
また、第3筒部25の内径D3aが第1筒部15の外径D1bよりも大きく形成され、且つ、第3筒部25の外径D3bが第2筒部16の内径D2aよりも小さく形成されている。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25は、第2筒部16の内周と第1筒部15の外周との間に挿入される(
図1参照)。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第1筒部15と第3筒部25と第2筒部16とは、上下(
図1中において上下方向)に互い違いに並んでいる。
【0026】
本実施形態では、第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差(第1内外径差)は、第2筒部16の内径D2aと第3筒部25の外径D3bとの差(第2内外径差)よりも小さい。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間は、第2筒部16の内周と第3筒部25の外周との隙間よりも狭い。したがって、第1筒部15及び第3筒部25は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時のガイド部として機能し、第2筒部16と第3筒部25との間の隙間は、電磁波がコネクタモジュール1Aの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)として機能する。
【0027】
第1筒部15の先端部と、他方の金属ケース(第2金属ケース22)における第1筒部15の先端部に対向する対向面27との間には、隙間が形成されていてもよい。また、第1筒部15の先端部が、第2金属ケース22における対向面27に突き当てられていてもよい。ところで、第1コネクタ10の第1金属ケース12からの突出量と、第2コネクタ20の第2金属ケース22からの突出量と、ジョイント30の長さとの和をX(
図4参照)とした場合、第1筒部15の長さLaは上述の和X以下とする。第1筒部15の長さLaは、電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制する観点からは、上述の和Xと同等の長さであることが好適である。第1筒部15の先端部と第2金属ケース22の対向面27との間の隙間は、例えば、0.1mm~0.3mmである。
【0028】
また、第2筒部16の先端部と、他方の金属ケース(第2金属ケース22)における第2筒部16の先端部に対向する対向面27との間には、隙間が形成されていてもよい。また、第2筒部16の先端部が、第2金属ケース22における対向面27に突き当てられていてもよい。すなわち、第2筒部16の長さLbは、上述の和X以下とする。第2筒部16の長さLbは、電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制する観点からは、上述の和Xと同等の長さであることが好適である。第2筒部16の先端部と第2金属ケース22の対向面27との間の隙間は、例えば、0.1mm~0.3mmである。
【0029】
さらに、第3筒部25の先端部と、一方の金属ケース(第1金属ケース12)における第3筒部25の先端部に対向する対向面17との間には、隙間が形成されていてもよい。また、第3筒部25の先端部が、第1金属ケース12における対向面17に突き当てられていてもよい。すなわち、第3筒部25の長さLcは、上述の和X以下とする。第3筒部25の長さLcは、電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制する観点からは、上述の和Xと同等の長さであることが好適である。第3筒部25の先端部と第1金属ケース12の対向面17との間の隙間は、例えば、0.1mm~0.3mmである。
【0030】
第1モジュール2及び第2モジュール3の内部の第1基板11及び第2基板21から放射される電磁波は、複数の筒部間の隙間を通して伝搬し、最終的には筒部の先端部と金属ケースの対向面との隙間より漏れ出すことになる。本実施形態では、第1筒部15と第3筒部25と第2筒部16とを上下に互い違いに配置することにより、電磁波がコネクタモジュール1Aの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)を長く(遠く)することができる。このため、コネクタモジュール1Aからの電磁波の漏れ量を効果的に低減することが可能である。
【0031】
例えば、複数のコネクタ接続部4,4間のピッチP(
図5参照)が80mmとする。また、第1筒部15の外径D1bが9mm、第1筒部15の内径D1aが7mm、第2筒部16の外径D2bが15.6mm、第2筒部16の内径D2aが13.6mm、第3筒部25の外径D3bが11.6mm、第3筒部25の内径D3aが9.6mmとする。
【0032】
この場合において、筒部(第1筒部15、第2筒部16及び第3筒部25)がないときと比較して、複数のコネクタ接続部4,4間(
図5参照)で十分なアイソレーションを確保することができる。このため、筒部(第1筒部15、第2筒部16及び第3筒部25)がないときと比較して、複数のコネクタ接続部4,4間のクロストークは-65dBから-75dB程度に改善することができた。
【0033】
このように、本実施形態の態様に係るコネクタモジュール1Aは、基板(第1基板11、第2基板21)をそれぞれ収容する一対の金属ケース(第1金属ケース12、第2金属ケース22)を備える。コネクタモジュール1Aは、(第1基板11、第2基板21)に接続され、少なくとも一部が金属ケース(第1金属ケース12、第2金属ケース22)から露出し、互いに対して結合される一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)を備える。第1筒部15が、一対の金属ケースの一方(第1金属ケース12)から他方(第2金属ケース22)に向かってコネクタの結合方向Cに突出して、一方の金属ケース(第1コネクタ10)から露出するコネクタ(第1コネクタ10)の外周を囲う。第2筒部16が、一方の金属ケース(第1金属ケース12)から他方の金属ケース(第2金属ケース22)に向かってコネクタの結合方向Cに突出し、内径D2aが第1筒部15の外径D1bよりも大きく形成されて、第1筒部15の外周を囲う。第3筒部25が、他方の金属ケース(第2金属ケース22)から一方の金属ケース(第1金属ケース12)に向かってコネクタの結合方向Cに突出する。第3筒部25は、内径D3aが第1筒部15の外径D1bよりも大きく、且つ、外径D3bが第2筒部16の内径D2aよりも小さく形成される。この第3筒部25は、一対のコネクタ同士が結合された状態において第2筒部16の内周と第1筒部15の外周との間に挿入される。第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第2筒部16の内径D2aと第3筒部25の外径D3bとの差よりも小さくなっている。一対のコネクタ同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間が、第2筒部16の内周と第3筒部25の外周との隙間よりも狭い。
【0034】
本実施形態では、第1筒部15と第3筒部25と第2筒部16とを上下に互い違いに配置することにより、電磁波がコネクタモジュール1Aの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)を長く(遠く)することができる。このため、コネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)間の接続部からコネクタモジュール1Aの外部に漏れる電磁波の漏れ量を効果的に低減することができる。
【0035】
以上、本実施形態によれば、高周波の信号伝送に用いられるコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)間の接続部において電磁波の漏れ出し及び入り込みを抑制することができるコネクタモジュール1Aを提供することができる。
【0036】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るコネクタモジュール1Bについて説明する。なお、上述のコネクタモジュールと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。また、
図6においては、コネクタモジュール1Bの要部(中央部)のみを示しており、当該中央部よりも外側の部分は図示省略している。
【0037】
コネクタモジュール1Bにおいては、第3筒部25の外周と第2筒部16の内周との間には、電磁ノイズを吸収可能な材料(電磁波吸収材料)から形成され、可撓性又は弾性を有するノイズ除去シート(筒状電磁波吸収材31)が配置されている。この筒状電磁波吸収材31は、第3筒部25の外周に配置されていてもよく、第2筒部16の内周に配置されていてもよい。この場合、筒状電磁波吸収材31は、例えばリング状の電磁波吸収材料を用いることができる。
【0038】
漏れ出す電磁波(電磁ノイズ)を吸収することができればよいことから、電磁波吸収材料としては、上述したリング状のもの以外にも、シート状のもの、インク(液状のもの)、スポンジ状のものいずれかを用いてもよい。電磁波吸収材料は、必要な電磁ノイズ吸収の効果、筒部の繰り返しの挿抜に対する耐久性、コスト等を考慮して選定することが可能である。
【0039】
この実施形態では、筒状電磁波吸収材31は、第3筒部25の外周に配置され、第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第2筒部16の内径D2aと筒状電磁波吸収材31の外径D5bとの差よりも小さい。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間は、第2筒部16の内周と筒状電磁波吸収材31の外周との隙間よりも狭い。
【0040】
よって、第1筒部15及び第3筒部25は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時のガイド部として機能し、第2筒部16と筒状電磁波吸収材31との間の隙間は、電磁波がコネクタモジュール1Bの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)として機能する。また、電磁波がコネクタモジュール1Bの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)に、筒状電磁波吸収材31を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。さらに、第2筒部16の内周と筒状電磁波吸収材31の外周との隙間が、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間よりも広いため、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時に筒状電磁波吸収材31が接触により破損することが抑制される。
【0041】
例えば、複数のコネクタ接続部4,4間のピッチP(
図5参照)が80mmとする。また、第1筒部15の外径D1bが9mm、第1筒部15の内径D1aが7mm、第2筒部16の外径D2bが15.6mm、第2筒部16の内径D2aが13.6mm、第3筒部25の外径D3bが11.6mm、第3筒部25の内径D3aが9.6mmとする。さらに、筒状電磁波吸収材31の厚さが0.5mmで、筒状電磁波吸収材31の外径D5bが12.6mmとする。
【0042】
この場合において、筒部(第1筒部15、第2筒部16及び第3筒部25)がないときと比較して、複数のコネクタ接続部4,4間(
図5参照)で十分なアイソレーションを確保することができる。このため、筒部(第1筒部15、第2筒部16及び第3筒部25)がないときと比較して、複数のコネクタ接続部4,4間のクロストークは-65dBから-80dB程度に改善することができた。
【0043】
コネクタモジュール1Bにおいて、第3筒部25の外周と第2筒部16の内周との間には、筒状電磁波吸収材31が配置されてもよい。
【0044】
電磁波がコネクタモジュール1Bの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)に、筒状電磁波吸収材31を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。
【0045】
コネクタモジュール1Bにおいて、筒状電磁波吸収材31は、第3筒部25の外周に配置され、第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第2筒部16の内径D2aと筒状電磁波吸収材31の外径D5bとの差よりも小さくなっていてもよい。一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間が、第2筒部16の内周と筒状電磁波吸収材31の外周との隙間よりも狭くてもよい。
【0046】
この実施形態では、第1筒部15及び第3筒部25は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時のガイド部として機能する。第2筒部16と筒状電磁波吸収材31との間の隙間は、電磁波がコネクタモジュール1Bの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)となる。また、電磁波がコネクタモジュール1Bの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)に、筒状電磁波吸収材31を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。さらに、第2筒部16の内周と筒状電磁波吸収材31の外周との隙間が、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間よりも広いため、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時に筒状電磁波吸収材31が接触により破損することが抑制される。
【0047】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るコネクタモジュール1Cについて説明する。なお、上述のコネクタモジュールと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。また、
図9においては、コネクタモジュール1Cの要部(中央部)のみを示しており、当該中央部よりも外側の部分は図示省略している。
【0048】
コネクタモジュール1Cにおいては、第2筒部16の先端部と、他方の金属ケース(第2金属ケース22)における第2筒部16の先端部に対向する対向面27との間には、ノイズ除去シート(環状電磁波吸収材32)が配置されている。この環状電磁波吸収材32は、電磁ノイズを吸収可能な材料(電磁波吸収材料)から形成され、可撓性又は弾性を有する。環状電磁波吸収材32は、筒状電磁波吸収材31と一体に形成されていてもよく、筒状電磁波吸収材31とは別体に形成されて結合されていてもよい。この場合、環状電磁波吸収材32は、例えばリング状の電磁波吸収材料を用いることができる。
【0049】
電磁波がコネクタモジュール1Cの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)である第2筒部16の先端部と第2金属ケース22の対向面27との間に、環状電磁波吸収材32を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。また、第2筒部16の先端部と第2金属ケース22の対向面27との間に隙間が生じ難くすることが可能であり、電磁波をより効率よく吸収することができ、当該隙間を通じた電磁波の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0050】
コネクタモジュール1Cにおいて、第2筒部16の先端部と、他方の金属ケース(第2金属ケース22)における第2筒部16の先端部に対向する対向面27と、の間には、環状電磁波吸収材32が配置されてもよい。この際、電磁ノイズの遮へい性を高めるために、環状電磁波吸収材32の弾性を利用しながら、第2筒部16の先端部と、第2金属ケース22における第2筒部16の先端部に対向する対向面27に設けられた環状電磁波吸収材32とが接触していることが望ましい。
【0051】
電磁波がコネクタモジュール1Cの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)である第2筒部16の先端部と第2金属ケース22の対向面27との間に、環状電磁波吸収材32を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することができる。
【0052】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るコネクタモジュール1Dについて説明する。なお、上述のコネクタモジュールと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。また、
図12においては、コネクタモジュール1Dの要部(中央部)のみを示しており、当該中央部よりも外側の部分は図示省略している。
【0053】
コネクタモジュール1Dにおいては、他方の金属ケース(第2金属ケース22)から一方の金属ケース(第1金属ケース12)に向かってコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)の結合方向Cに突出する第4筒部26が配置されている。この第4筒部26は、内径D4aが第2筒部16の外径D2bよりも大きく形成されて、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において第2筒部16の外周を囲っている。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第1筒部15と第3筒部25と第2筒部16と第4筒部26とは、上下(
図12中において上下方向)に互い違いに並んでいる。
【0054】
第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差(第1内外径差)は、第4筒部26の内径D4aと第2筒部16の外径D2bとの差(第3内外径差)よりも小さい。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間は、第4筒部26の内周と第2筒部16の外周との隙間よりも狭い。
【0055】
また、コネクタモジュール1Dにおいては、第2筒部16の外周と第4筒部26の内周との間には、電磁ノイズを吸収可能な材料(電磁波吸収材料)から形成され、可撓性又は弾性を有するノイズ除去シート(筒状電磁波吸収材33)が配置されている。この筒状電磁波吸収材33は、第2筒部16の外周に配置されていてもよく、第4筒部26の内周に配置されていてもよい。この場合、筒状電磁波吸収材33は、例えばリング状の電磁波吸収材料を用いることができる。
【0056】
この実施形態では、筒状電磁波吸収材33は、第2筒部16の外周に配置され、第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第4筒部26の内径D4aと筒状電磁波吸収材33の外径D6bとの差よりも小さい。このため、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間は、第4筒部26の内周と筒状電磁波吸収材33の外周との隙間よりも狭い。
【0057】
よって、第1筒部15及び第3筒部25は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時のガイド部として機能し、第2筒部16と筒状電磁波吸収材33との間の隙間は、電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)として機能する。また、電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)に、筒状電磁波吸収材33を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。さらに、第4筒部26の内周と筒状電磁波吸収材33の外周との隙間が、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間よりも広いため、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時に筒状電磁波吸収材33が接触により破損することが抑制される。
【0058】
また、この実施形態では、第4筒部26の先端部と、一方の金属ケース(第1金属ケース12)における第4筒部26の先端部に対向する対向面17との間には、
図12及び
図14中に一点鎖線で示すノイズ除去シート(環状電磁波吸収材34)が配置されてもよい。この環状電磁波吸収材34は、電磁ノイズを吸収可能な材料(電磁波吸収材料)から形成され、可撓性又は弾性を有する。環状電磁波吸収材34は、筒状電磁波吸収材33と一体に形成されていてもよく、筒状電磁波吸収材33とは別体に形成されて結合されていてもよい。この場合、環状電磁波吸収材34は、例えばリング状の電磁波吸収材料を用いることができる。
【0059】
電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)である第4筒部26の先端部と第1金属ケース12の対向面17との間に、環状電磁波吸収材34を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。また、第4筒部26の先端部と第1金属ケース12の対向面17との間に隙間が生じ難くすることが可能であり、電磁波をより効率よく吸収することができ、当該隙間を通じた電磁波の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0060】
この実施形態では、第1金属ケース12は、第1下側金属ケース12cと、第1上側金属ケース12dとに、上下(
図12及び
図13中において上下方向)にさらに分割して形成されている。また、例えば、第2筒部16の第2下部筒部16aは、第1下側金属ケース12cに一体に形成され、第2筒部16の第2上部筒部16bは、第1上側金属ケース12dに一体に形成される。
【0061】
また、この実施形態では、第2金属ケース22は、第2下側金属ケース22cと、第2上側金属ケース22dとに、上下(
図12及び
図14中において上下方向)にさらに分割して形成されている。また、第4筒部26は、この実施形態では、第4下部筒部26aと、第4上部筒部26bとで上下(
図12及び
図14中において上下方向)に分割して形成されている。例えば、第4下部筒部26aは、第2下側金属ケース22cに一体に形成され、第4上部筒部26bは、第2上側金属ケース22dに一体に形成される。
【0062】
コネクタモジュール1Dにおいて、他方の金属ケース(第2金属ケース22)から一方の金属ケース(第1金属ケース12)に向かってコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)の結合方向Cに突出する第4筒部26をさらに備えてもよい。第4筒部26は、内径D4aが第2筒部16の外径D2bよりも大きく形成されて、一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において第2筒部16の外周を囲うものであってもよい。第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第4筒部26の内径D4aと第2筒部16の外径D2bとの差よりも小さくなっていてもよい。一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間が、第4筒部26の内周と第2筒部16の外周との隙間よりも狭くてもよい。
【0063】
この実施形態では、第1筒部15と第3筒部25と第2筒部16と第4筒部26とを上下に互い違いに配置することにより、電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)をより長く(遠く)することができる。このため、コネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)間の接続部からコネクタモジュール1Dの外部に漏れる電磁波の漏れ量をより効果的に低減することができる。
【0064】
コネクタモジュール1Dにおいて、第2筒部16の外周と第4筒部26の内周との間には、筒状電磁波吸収材33が配置されてもよい。
【0065】
電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)に、筒状電磁波吸収材33を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。
【0066】
コネクタモジュール1Dにおいて、筒状電磁波吸収材33は、第2筒部16の外周に配置され、第3筒部25の内径D3aと第1筒部15の外径D1bとの差が、第4筒部26の内径D4aと筒状電磁波吸収材33の外径D6bとの差よりも小さくなっていてもよい。一対のコネクタ(第1コネクタ10、第2コネクタ20)同士が結合された状態において、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間が、第4筒部26の内周と筒状電磁波吸収材33の外周との隙間よりも狭くなっていてもよい。
【0067】
この実施形態では、第1筒部15及び第3筒部25は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時のガイド部として機能する。第4筒部26と筒状電磁波吸収材33との間の隙間は、電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)となる。また、電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)に、筒状電磁波吸収材33を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することが可能になる。さらに、第4筒部26の内周と筒状電磁波吸収材33の外周との隙間が、第3筒部25の内周と第1筒部15の外周との隙間よりも広いため、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合時に筒状電磁波吸収材33が接触により破損することが抑制される。
【0068】
コネクタモジュール1Dにおいて、第4筒部26の先端部と、一方の金属ケース(第1金属ケース12)における第4筒部26の先端部に対向する対向面17と、の間には、環状電磁波吸収材34が配置されてもよい。この際、電磁ノイズの遮へい性を高めるために、環状電磁波吸収材34の弾性を利用しながら、第4筒部26の先端部と、第1金属ケース12における第4筒部26の先端部に対向する対向面17に設けられた環状電磁波吸収材34とが接触していることが望ましい。
【0069】
電磁波がコネクタモジュール1Dの外部に漏れ出すまでの経路(通り道)である第4筒部26の先端部と第1金属ケース12の対向面17との間に、環状電磁波吸収材34を配置することにより、電磁波をより効率よく吸収することができる。
【0070】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1A,1B,1C,1D コネクタモジュール
10 第1コネクタ
11 第1基板
12 第1金属ケース
15 第1筒部
16 第2筒部
17 対向面
20 第2コネクタ
21 第2基板
22 第2金属ケース
25 第3筒部
26 第4筒部
27 対向面
31 筒状電磁波吸収材
32 環状電磁波吸収材
33 筒状電磁波吸収材
34 環状電磁波吸収材
D1b 第1筒部の外径
D2a 第2筒部の内径
D2b 第2筒部の外径
D3a 第3筒部の内径
D3b 第3筒部の外径
D4a 第4筒部の内径
D5b 筒状電磁波吸収材の外径
D6b 筒状電磁波吸収材の外径
C コネクタの結合方向