(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175944
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】XYステージ
(51)【国際特許分類】
F16H 19/02 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
F16H19/02 K
F16H19/02 H
F16H19/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094069
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 京延
(72)【発明者】
【氏名】相馬 健一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健太郎
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA60
3J062AB12
3J062AC07
3J062BA12
3J062CA06
3J062CA07
3J062CG83
(57)【要約】
【課題】コストアップを抑制しつつ、XYステージの大型化を抑制する。
【解決手段】第一方向に配置される中空の第一シャフト及び第二シャフトと、第二方向に配置される第三シャフト及び第四シャフトと、第一シャフト、第二シャフト、第三シャフト、及び第四シャフトに案内される第一移動部、第二移動部、第三移動部、及び第四移動部と、第一移動部と第二移動部とを接続する第一接続部材と、第三移動部と第四移動部とを接続する第二接続部材と、第一シャフトの内部において第一方向に配置され、第三移動部、第四移動部、及び第二接続部材を第二方向に移動させる力を伝える第五シャフトと、第二方向に配置され、第一移動部、第二移動部、及び第一接続部材を第一方向に移動させる力を伝える第六シャフトと、第二方向に移動可能に第一接続部材に支持され且つ第一方向に移動可能に第二接続部材に支持される第五移動部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に配置される中空の第一シャフトと、
前記第一方向に配置される第二シャフトと、
前記第一方向と直交する第二方向に配置される第三シャフト及び第四シャフトと、
前記第一シャフトに案内されて前記第一方向に移動する第一移動部と、
前記第二シャフトに案内されて前記第一方向に移動する第二移動部と、
前記第三シャフトに案内されて前記第二方向に移動する第三移動部と、
前記第四シャフトに案内されて前記第二方向に移動する第四移動部と、
前記第一移動部と前記第二移動部とを接続する第一接続部材と、
前記第三移動部と前記第四移動部とを接続する第二接続部材と、
前記第一シャフトの内部において前記第一方向に配置される第五シャフトであって、第一駆動部からの駆動力により前記第一方向を回転中心として回転することで、前記第三移動部、前記第四移動部、及び前記第二接続部材を前記第二方向に移動させる力を伝える第五シャフトと、
前記第二方向に配置される第六シャフトであって、第二駆動部からの駆動力により前記第二方向を回転中心として回転することで、前記第一移動部、前記第二移動部、及び前記第一接続部材を前記第一方向に移動させる力を伝える第六シャフトと、
前記第二方向に移動可能に前記第一接続部材に支持され且つ前記第一方向に移動可能に前記第二接続部材に支持される第五移動部と、
を備えるXYステージ。
【請求項2】
前記第三シャフトは、中空に形成され、
前記第六シャフトは、前記第三シャフトの内部に配置される、
請求項1に記載のXYステージ。
【請求項3】
第一プーリ及び第二プーリに掛けられて前記第一方向に張られる第一ベルトであって、前記第一移動部が接続される第一ベルトと、
第三プーリ及び第四プーリに掛けられて前記第一方向に張られる第二ベルトであって、前記第二移動部が接続される第二ベルトと、
第五プーリ及び第六プーリに掛けられて前記第二方向に張られる第三ベルトであって、前記第三移動部が接続される第三ベルトと、
第七プーリ及び第八プーリに掛けられて前記第二方向に張られる第四ベルトであって、前記第四移動部が接続される第四ベルトと、
を更に備え、
前記第一プーリ及び前記第三プーリが、前記第六シャフトに配置され、
前記第五プーリ及び前記第七プーリが、前記第五シャフトに配置される、
請求項1に記載のXYステージ。
【請求項4】
前記第一駆動部の出力軸が前記第一方向に配置されており、
前記第一駆動部の出力軸に配置される第九プーリと、
前記第五シャフトに配置される第十プーリと、
前記第九プーリ及び前記第十プーリに掛けられる第五ベルトと、
を更に備える請求項1に記載のXYステージ。
【請求項5】
前記第一シャフトの一端側を支持すると共に、ベアリングを介して前記第五シャフトの一端側を支持するブロックを更に備える請求項1に記載のXYステージ。
【請求項6】
前記第一シャフトの中心軸と前記第五シャフトの中心軸とが一致するように、前記第一シャフト及び前記第五シャフトが配置される、
請求項1に記載のXYステージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、XYステージに関する。
【背景技術】
【0002】
X軸方向とY軸方向に動くステージを重ねることで、二次元での位置決めを行うXYステージが知られている。例えば、X軸方向に配置される2本のX軸用スライドシャフトと、このX軸用スライドシャフトに平行に張られる2本のX軸用タイミングベルトと、この2本のX軸用タイミングベルトに固定され且つ2本のX軸用スライドシャフトに沿って移動するY軸ユニットとを備えるXYステージが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このXYステージでは、2本のX軸用タイミングベルトを2つのモータによって駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2本のX軸用タイミングベルトを夫々異なるモータで駆動すると、タイミングを合わせる制御が必要となる。また、2つのモータを備えるとコストアップにつながる。これに対し、1つのモータで2本のX軸用タイミングベルトを駆動することが考えられる。この場合、例えば、Y軸方向に動力を伝達するためのシャフトを配置し、この動力伝達用のシャフトと同軸に設けられた2つのプーリに2本のX軸用タイミングベルトを掛けることにより、1つのモータで2本のX軸用タイミングベルトを駆動することが考えられる。さらに、Y軸方向のステージにおいても同様の構成とすることで、XYステージを2つのモータで駆動することが考えられる。これにより、コストアップを抑制し得る。しかし、X軸方向及びY軸方向に夫々動力伝達用のシャフトを配置する必要が生じるため、XYステージが大型化する虞がある。これにより、例えば狭い空間でXYステージを設置することが困難となり得る。
【0005】
本開示は、上記したような種々の実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、コストアップを抑制しつつ、XYステージの大型化を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様の一つは、第一方向に配置される中空の第一シャフトと、前記第一方向に配置される第二シャフトと、前記第一方向と直交する第二方向に配置される第三シャフト及び第四シャフトと、前記第一シャフトに案内されて前記第一方向に移動する第一移動部と、前記第二シャフトに案内されて前記第一方向に移動する第二移動部と、前記第三シャフトに案内されて前記第二方向に移動する第三移動部と、前記第四シャフトに案内されて前記第二方向に移動する第四移動部と、前記第一移動部と前記第二移動部とを接続する第一接続部材と、前記第三移動部と前記第四移動部とを接続する第二接続部材と、前記第一シャフトの内部において前記第一方向に配置される第五シャフトであって、第一駆動部からの駆動力により前記第一方向を回転中心として回転することで、前記第三移動部、前記第四移動部、及び前記第二接続部材を前記第二方向に移動させる力を伝える第五シャフトと、前記第二方向に配置される第六シャフトであって、第二駆動部からの駆動力により前記第二方向を回転中心として回転することで、前記第一移動部、前記第二移動部、及び前記第一接続部材を前記第一方向に移動させる力を伝える第六シャフトと、前記第二方向に
移動可能に前記第一接続部材に支持され且つ前記第一方向に移動可能に前記第二接続部材に支持される第五移動部と、を備えるXYステージである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、コストアップを抑制しつつ、XYステージの大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るステージの概略構成を示した斜視図である。
【
図3】実施形態に係る第一ブロックをZ軸方向の上方から見た図である。
【
図4】実施形態に係る第一ブロックをY軸方向の手前側から見た断面図である。
【
図5】実施形態に係る第一ブロックをX軸方向の右側から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の態様の一つであるXYステージは、XY平面上の任意の位置に第五移動部を移動可能なステージである。本開示に係るXYステージは、例えば工作機械、又はクレーンゲームなどのゲーム機に利用可能である。第一シャフト、第二シャフト、及び第五シャフトは、第一方向に配置される互いに平行なシャフトである。また、第三シャフト、第四シャフト、及び第六シャフトは、第二方向に配置される互いに平行なシャフトである。第一方向と第二方向とは直交しており、例えば第一方向はX軸方向であり第二方向はY軸方向である。
【0010】
第一シャフトは、第一移動部を案内するシャフトであり、第二シャフトは、第二移動部を案内するシャフトであり、第三シャフトは、第三移動部を案内するシャフトであり、第四シャフトは、第四移動部を案内するシャフトである。また、第五シャフトは、第一方向を回転中心として回転することで、第三移動部及び第四移動部を第二方向に移動させるシャフトである。このときの第三移動部及び第四移動部の第二方向への移動量は同じになるように構成されている。したがって、第五シャフトが回転することにより、第三移動部及び第四移動部に接続される第二接続部材は、第一方向に平行に配置された状態を維持したまま第二方向に移動する。同様に、第六シャフトは、第二方向を回転中心として回転することで、第一移動部及び第二移動部を第一方向に移動させるシャフトである。このときの第一移動部及び第二移動部の第一方向への移動量は同じになるように構成されている。したがって、第六シャフトが回転することにより、第一移動部及び第二移動部に接続される第一接続部材は、第二方向に平行に配置された状態を維持したまま第一方向に移動する。
【0011】
ここで、第五移動部は、第二方向に移動可能に第一接続部材に支持され且つ第一方向に移動可能に第二接続部材に支持されている。そのため、第六シャフトが回転して第一接続部材が第二方向に移動すると、第一接続部材が第五移動部を第二方向に押すことにより、第五移動部が第二接続部材に沿って第二方向に移動する。同様に、第五シャフトが回転して第二接続部材が第一方向に移動すると、第二接続部材が第六移動部を第一方向に押すことにより、第六移動部が第一接続部材に沿って第一方向に移動する。したがって、第一駆動部から第五シャフトへ伝わる駆動力を制御することにより、第二方向における第五移動部の位置を制御することができる。同様に、第二駆動部から第六シャフトへ伝わる駆動力を制御することにより、第一方向における第五移動部の位置を制御することができる。
【0012】
ここで、第一シャフトは、第一移動部を案内すると共に、内部に第五シャフトを通している。そのため、第一シャフトの外部に第五シャフトを配置した場合と比較して、XYステージの小型化が可能となる。また、第一移動部及び第二移動部を1つの第二駆動部からの駆動力によって移動させ、第三移動部及び第四移動部を1つの第一駆動部からの駆動力
によって移動させることができるため、コストアップを抑制することができる。
【0013】
なお、前記第三シャフトは、中空に形成され、前記第六シャフトは、前記第三シャフトの内部に配置されていてもよい。すなわち、第一シャフトと同様に第三シャフトも、第三移動部を案内すると共に、内部に第六シャフトを通していてもよい。そうすると、XYステージのさらなる小型化が可能となる。
【0014】
また、第一プーリ及び第二プーリに掛けられて前記第一方向に張られる第一ベルトであって、前記第一移動部が接続される第一ベルトと、第三プーリ及び第四プーリに掛けられて前記第一方向に張られる第二ベルトであって、前記第二移動部が接続される第二ベルトと、第五プーリ及び第六プーリに掛けられて前記第二方向に張られる第三ベルトであって、前記第三移動部が接続される第三ベルトと、第七プーリ及び第八プーリに掛けられて前記第二方向に張られる第四ベルトであって、前記第四移動部が接続される第四ベルトと、を更に備え、前記第一プーリ及び前記第三プーリが、前記第六シャフトに配置され、前記第五プーリ及び前記第七プーリが、前記第五シャフトに配置されていてもよい。そうすると、第一駆動部の駆動力によって第五シャフトを回転させることにより、第五プーリ及び第七プーリを回転させることができるため、第三ベルト及び第四ベルトを第二方向に移動させることができる。これにより、第三移動部及び第四移動部を第二方向に移動させることができるため、第五移動部を第二方向に移動させることができる。同様に、第二駆動部の駆動力によって第六シャフトを回転させることにより、第一プーリ及び第三プーリを回転させることができるため、第一ベルト及び第二ベルトを第一方向に移動させることができる。これにより、第一移動部及び第二移動部を第一方向に移動させることができるため、第五移動部を第一方向に移動させることができる。
【0015】
また、前記第一駆動部の出力軸が前記第一方向に配置されており、前記第一駆動部の出力軸に配置される第九プーリと、前記第五シャフトに配置される第十プーリと、前記第九プーリ及び前記第十プーリに掛けられる第五ベルトと、を更に備えていてもよい。そうすると、第一駆動部の出力軸を第五シャフトに直接接続する場合と比較して、XYステージ全体の第一方向の長さを短縮することができる。これにより、第一方向について小型化することができる。なお、第二駆動部についても同様の構成とすることができる。これにより、XYステージを第二方向についても小型化することができる。
【0016】
また、前記第一シャフトの一端側を支持すると共に、ベアリングを介して前記第五シャフトの一端側を支持するブロックを更に備えていてもよい。このようなブロックを備えることにより、第一シャフト及び第五シャフトの位置決めが容易となる。なお、第一シャフトの他端側及び第五シャフトの他端側にも同様のブロックを備えることにより支持することができる。さらに、第三シャフト及び第六シャフトについても同様のブロックを備えることにより支持することができる。また、1つのブロックで、第一方向に配置されるシャフトと第二方向に配置されるシャフトの両方を支持してもよい。例えば、XYステージの四隅にブロックを1つずつ備えていてもよい。
【0017】
なお、前記第一シャフトの中心軸と前記第五シャフトの中心軸とが一致するように、前記第一シャフト及び前記第五シャフトが配置されていてもよい。中心軸を一致させることにより、第一シャフトの内径と第五シャフトの外径とを比較的近い値にすることができる。すなわち、第一シャフトと第五シャフトとの隙間を小さくすることができるため、例えば第一シャフトの小径化が可能となり、XYステージの小型化及び軽量化が可能となる。
【0018】
以下に図面を参照して、本開示を実施するための形態を説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の実施
形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0019】
<実施形態>
図1は、実施形態に係るステージ1の概略構成を示した斜視図である。また、
図2は、実施形態に係るステージ1の上面視である。
【0020】
ステージ1は、第一シャフト11、第二シャフト12、第三シャフト13、及び第四シャフト14を有する。ステージ1の全体を上方から見たときに、第一シャフト11、第二シャフト12、第三シャフト13、及び第四シャフト14は、長方形を形成するように配置されている。また、ステージ1は、第一ブロック21、第二ブロック22、第三ブロック23、及び第四ブロック24を有する。第一ブロック21、第二ブロック22、第三ブロック23、及び第四ブロック24は、ステージ1を他の部材に固定するときに他の部材に接触して固定される部位である。なお、第一ブロック21、第二ブロック22、第三ブロック23、及び第四ブロック24は、ブラケット等を介して他の部材に固定されてもよい。第一ブロック21、第二ブロック22、第三ブロック23、及び第四ブロック24は、ステージ1を上方から見たときに、右回りにステージ1の四隅に夫々配置される。
【0021】
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置について説明する。ステージ1の長辺方向をX軸方向とし、ステージ1の短辺方向をY軸方向とし、XY平面に直交する方向をZ軸方向とする。なお、X軸方向は第一方向の一例であり、Y軸方向は第二方向の一例である。また、
図1におけるZ軸方向の上側をステージ1の上側とし、
図1におけるZ軸方向の下側をステージ1の下側とする。また、
図2においてX軸方向の左側をステージ1の左側とし、
図2においてX軸方向の右側をステージ1の右側とする。また、
図2においてY軸方向の第一ブロック21及び第二ブロック22側をステージ1の奥側とし、
図2においてY軸方向の第三ブロック23及び第四ブロック24側をステージ1の手前側とする。
【0022】
第一ブロック21、第二ブロック22、第三ブロック23、及び第四ブロック24は、例えば金属の塊から削り出すことにより形成された部材であるが、これに限らず例えば樹脂を材料とする部材であってもよい。第一ブロック21、第二ブロック22、第三ブロック23、及び第四ブロック24は、四角柱形状となるように形成されており、各面がXY平面、XZ平面、又はYZ平面と平行になるように配置されている。
【0023】
第一シャフト11及び第二シャフト12は、X軸方向に配置されている。第一シャフト11及び第二シャフト12は、Z軸方向の同じ位置(同じ高さとしてもよい。)に配置されている。また、第三シャフト13及び第四シャフト14は、Y軸方向に配置される。第三シャフト13及び第四シャフト14は、Z軸方向の同じ位置(同じ高さとしてもよい。)に配置されている。また、第三シャフト13及び第四シャフト14は、第一シャフト11及び第二シャフト12よりも、Z軸方向の下方に配置されている。第一シャフト11、第二シャフト12、第三シャフト13、及び第四シャフト14は、外面が例えば円柱形状であるが、これに限らず、後述する第一移動部31、第二移動部32、第三移動部33、及び第四移動部34を案内できる形状であれば、その外面の形状は限定されない。例えば、外面にスプラインが形成されていてもよい。
【0024】
第一シャフト11の一端は、第一ブロック21のX軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されている。これについては後述する。また、第一シャフト11の他端は、第二ブロック22のX軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されている。同様に、第二シャフト12の一端は、第四ブロック24のX軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されており、第二シャフト12の他端は、第三ブロック23のX軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されている。また、第三シャフト13の一端は、第二ブロック22
のY軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されており、第三シャフト13の他端は、第三ブロック23のY軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されている。また、第四シャフト14の一端は、第一ブロック21のY軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されており、第四シャフト14の他端は、第四ブロック24のY軸方向に形成された貫通孔に挿入されて固定されている。
【0025】
第一シャフト11は中空のシャフトであり、その中空部(内部)には、動力を伝えるための第五シャフト15が配置されている。第五シャフト15は、第一ブロック21及び第二ブロック22に形成された貫通孔に夫々配置されるベアリングを介して第一ブロック21及び第二ブロック22に支持されている。また、第五シャフト15は、第一ブロック21及び第二ブロック22を貫通している。同様に、第三シャフト13は中空のシャフトであり、その中空部(内部)には、動力を伝えるための第六シャフト16が配置されている。第六シャフト16は、第二ブロック22及び第三ブロック23に形成された貫通孔に夫々配置されるベアリングを介して第二ブロック22及び第三ブロック23に支持されている。また、第六シャフト16は、第二ブロック22及び第三ブロック23を貫通している。
【0026】
なお、第一シャフト11、第二シャフト12、第三シャフト13、第四シャフト14、第五シャフト15、及び第六シャフト16は、何れも例えば金属を材料とする部材であるが、これに限らず例えば樹脂を材料とする部材であってもよい。また、本実施形態では、第一シャフト11の中心軸と第五シャフト15の中心軸とが一致し、且つ第三シャフト13の中心軸と第六シャフト16の中心軸とが一致するように構成されている。しかし、これらの中心軸が一致する構成は必須ではなく、中心軸がずれて配置されていてもよい。また、第二シャフト12及び第四シャフト14は、第一シャフト11及び第三シャフト13と同様に中空であってもよいし、中実であってもよい。また、第五シャフト15及び第六シャフト16も同様に、中空及び中実の何れであってもよい。
【0027】
第二ブロック22よりもY軸方向の奥側の第六シャフト16には、第一プーリ41が配置されている。第一プーリ41は、第六シャフト16の中心軸を中心として、第六シャフト16と一体となって回転するプーリである。また、第一ブロック21よりもY軸方向の奥側には、第一プーリ41と対になる第二プーリ42が配置されている。第二プーリ42は、Y軸方向を中心として回転するプーリである。第一プーリ41と第二プーリ42とは、Y軸方向及びZ軸方向において同じ位置に配置されており、且つX軸方向にずれて配置されている。
【0028】
また、第三ブロック23よりもY軸方向の手前側の第六シャフト16には、第三プーリ43が配置されている。第三プーリ43は、第六シャフト16の中心軸を中心として、第六シャフト16と一体となって回転するプーリである。また、第四ブロック24よりもY軸方向の手前側には、第三プーリ43と対になる第四プーリ44が配置されている。第四プーリ44は、Y軸方向を中心として回転するプーリである。第三プーリ43と第四プーリ44とは、Y軸方向及びZ軸方向において同じ位置に配置されており、且つX軸方向にずれて配置されている。
【0029】
また、第二ブロック22よりもX軸方向の右側の第五シャフト15には、第五プーリ45が配置されている。第五プーリ45は、第五シャフト15の中心軸を中心として、第五シャフト15と一体となって回転するプーリである。また、第三ブロック23よりもX軸方向の右側には、第五プーリ45と対になる第六プーリ46が配置されている。第六プーリ46は、X軸方向を中心として回転するプーリである。第五プーリ45と第六プーリ46とは、X軸方向及びZ軸方向において同じ位置に配置されており、且つY軸方向にずれて配置されている。
【0030】
また、第一ブロック21よりもX軸方向の左側の第五シャフト15には、第七プーリ47が配置されている。第七プーリ47は、第五シャフト15の中心軸を中心として、第五シャフト15と一体となって回転するプーリである。また、第四ブロック24よりもX軸方向の左側には、第七プーリ47と対になる第八プーリ48が配置されている。第八プーリ48は、X軸方向を中心として回転するプーリである。第七プーリ47と第八プーリ48とは、X軸方向及びZ軸方向において同じ位置に配置されており、且つY軸方向にずれて配置されている。
【0031】
なお、本実施形態では、全てのプーリの外径が同じである。また、本実施形態では、第二プーリ42及び第四プーリ44の回転軸は、第四シャフト14の中心軸と一致している。ただし、この構成は必須ではなく、第二プーリ42及び第四プーリ44の回転軸は、第四シャフト14の中心軸と一致していなくてもよい。第二プーリ42及び第一プーリ41には、環状の第一ベルト61がX軸方向に掛けられている。第四プーリ44及び第三プーリ43には、環状の第二ベルト62がX軸方向に掛けられている。
【0032】
また、本実施形態では、第六プーリ46及び第八プーリ48の回転軸は、第二シャフト12の中心軸と一致している。ただし、この構成は必須ではなく、第六プーリ46及び第八プーリ48の回転軸は、第二シャフト12の中心軸と一致していなくてもよい。第五プーリ45及び第六プーリ46には、環状の第三ベルト63がY軸方向に掛けられている。第七プーリ47及び第八プーリ48には、環状の第四ベルト64がY軸方向に掛けられている。
【0033】
第一シャフト11には、その中心軸方向(X軸方向)に移動可能な第一移動部31が配置されている。第二シャフト12には、その中心軸方向(X軸方向)に移動可能な第二移動部32が配置されている。第三シャフト13には、その中心軸方向(Y軸方向)に移動可能な第三移動部33が配置されている。第四シャフト14には、その中心軸方向(Y軸方向)に移動可能な第四移動部34が配置されている。第一移動部31、第二移動部32、第三移動部33、及び第四移動部34は、例えばリニアブッシュを含んで構成されるが、これに限らず、例えば摺動しながら移動する部材を含んで構成されていてもよい。
【0034】
第一移動部31は、第一固定部311を介して第一ベルト61に固定されている。第二移動部32は、第二固定部321を介して第二ベルト62に固定されている。第三移動部33は、第三固定部331を介して第三ベルト63に固定されている。第四移動部34は、第四固定部341を介して第四ベルト64に固定されている。
【0035】
第一移動部31には、Y軸方向に配置される第一接続部材71の一端が接続されている。第一接続部材71の他端は、第二移動部32に接続されている。また、第三移動部33には、X軸方向に配置される第二接続部材72の一端が接続されている。第二接続部材72の他端は、第四移動部34に接続されている。第一接続部材71は、第二接続部材72よりも、Z軸方向の上方に配置されている。XY平面において、第一接続部材71と第二接続部材72とが交差する箇所には、第五移動部35が配置されている。第五移動部35には、第一接続部材71及び第二接続部材72を通すための貫通孔が形成されている。この貫通孔に第一接続部材71及び第二接続部材72を通すことにより、第一接続部材71及び第二接続部材72によって第五移動部35が支持されている。第五移動部35の2つの貫通孔には、例えばリニアブッシュが配置されている。第五移動部35には、当該第五移動部35から延びる電線を案内及び保護する案内部81が接続されている。案内部81には、ケーブルベア(登録商標)を例示できる。例えば、第五移動部35からZ軸方向に移動する装置を備えている場合には、その装置をZ軸方向に移動させるためのモータが第五移動部35に取り付けられる。このモータに電力を供給するための電線を案内部81の
内部に通すことができる。
【0036】
第五シャフト15は、第一モータ91により駆動される。第六シャフト16は、第二モータ92により駆動される。第一モータ91及び第二モータ92は、電力を供給することにより作動する電動モータである。第一モータ91及び第二モータ92への電力の供給は、コントローラによって行われてもよく、人の操作によって行われてもよい。なお、第一モータ91は第一駆動部の一例であり、第二モータ92は第二駆動部の一例である。
【0037】
ここで、
図3は、実施形態に係る第一ブロック21をZ軸方向の上方から見た図である。
図4は、実施形態に係る第一ブロック21をY軸方向の手前側から見た断面図である。
図5は、実施形態に係る第一ブロック21をX軸方向の右側から見た断面図である。
【0038】
第一ブロック21は、Z軸方向の下方において第一ブラケット101に固定され、上側において第二ブラケット102が固定されている。この固定は、例えばボルトによって行われている。第二ブラケット102は、X軸方向の左側端部においてZ軸方向の下方に向けて直角に折り曲げられている。また、第一ブラケット101は、X軸方向の左側端部において、第二ブラケット102に当接して、Z軸方向の上方に向けて直角に折り曲げられている。この第二ブラケット102が折り曲げられている部位において、第一ブラケット101と第二ブラケット102とが、例えばボルトによって固定されている。第一ブロック21には、X軸方向に第一貫通孔103が形成されており、Y軸方向に第二貫通孔104が形成されている。第二貫通孔104は、第一貫通孔103よりもZ軸方向の下方に形成されている。
【0039】
図4において、第一貫通孔103は、X軸方向の左右側が中央側よりも直径が大きくなるように形成されている。これにより、第一貫通孔103には、2つの段差が形成されている。第一貫通孔103のX軸方向の右側からは、第一シャフト11が挿入されており、第一シャフト11の端部は、第一貫通孔103に形成されているX軸方向の右側の段差に当接している。第一貫通孔103の右側の開口部の内径は、第一シャフト11の外径と略等しく、第一貫通孔103に挿入した第一シャフト11にがたつきが生じないように構成されている。
【0040】
第一シャフト11の中空部に配置される第五シャフト15は、2つのベアリング105によって支持されている。2つのベアリング105は、回転軸がX軸方向に配置されるように第一貫通孔103にX軸方向左側から嵌め込まれており、第一貫通孔103に形成されているX軸方向の左側の段差に当接している。なお、ベアリング105の数は2つに限らず、1つであってもよい。ベアリング105よりもX軸方向の左側に、第七プーリ47が配置されている。第七プーリ47は、固定具106によって第五シャフト15に固定されている。また、第七プーリ47よりもX軸方向の左側において、第五シャフト15は、第二ブラケット102に形成された貫通孔を通って第二ブラケット102よりもX軸方向の左側に突出している。そこには、後述する第九プーリ49と対になる第十プーリ50が配置されている。第十プーリ50は、固定具107によって第五シャフト15に固定されている。第十プーリ50は、第五シャフト15の中心軸を中心として、第五シャフト15と一体となって回転するプーリである。なお、第七プーリ47及び第十プーリ50の固定方法はこれに限らず、他の公知の方法によって固定することもできる。
【0041】
第一モータ91は、第一ブロック21よりもZ軸方向の下方に配置される。第一モータ91は、第三ブラケット108に固定されている。第三ブラケット108は、第二ブラケット102に固定されている。第三ブラケット108と第二ブラケット102とには、第三ブラケット108と第二ブラケット102とのZ軸方向の相対位置を調整するためのボルト109が配置されている。このボルト109により、後述する第五ベルト65の張力
を調整可能である。
【0042】
第一モータ91の出力軸911はX軸方向の左側を向くように配置されており、第二ブラケット102及び第三ブラケット108をX軸方向に貫通している。第二ブラケット102よりもX軸方向の左側の第一モータ91の出力軸911には、第九プーリ49が配置されている。第九プーリ49は、固定具110によって第一モータ91の出力軸911に固定されており、第一モータ91の出力軸911と一体となって回転する。第九プーリ49と第十プーリ50とは、X軸方向及びY軸方向において同じ位置に配置されており、且つZ軸方向にずれて配置されている。第九プーリ49及び第十プーリ50には、環状の第五ベルト65が掛けられている。この第五ベルト65は、Z軸方向に張られている。第一モータ91を作動させると、第五ベルト65を介して第五シャフト15に動力が伝わり、第五シャフト15が回転する。
【0043】
また、
図1及び
図2において、第二モータ92は、第二ブロック22よりもY軸方向の奥側且つX軸方向の左側に配置される。第二モータ92の出力軸はY軸方向の手前側を向くように配置されており、この出力軸に第十一プーリ51が配置されている。第十一プーリ51は、第二モータ92の出力軸と一体となって回転する。また、第六シャフト16の一端側(Y軸方向の奥側)には、第十一プーリ51と対になる第十二プーリ52が配置されている。また、第十一プーリ51と第十二プーリ52とは、Y軸方向及びZ軸方向において同じ位置に配置されており、且つX軸方向にずれて配置されている。第十一プーリ51及び第十二プーリ52には、環状の第六ベルト66が掛けられている。そして、第六ベルト66は、X軸方向に張られている。第二モータ92を作動させると、第六ベルト66を介して第六シャフト16に動力が伝わり、第六シャフト16が回転する。
【0044】
なお、第二モータ92は、第一モータ91とは異なる構造で配置されている。
図1に示すように、第二モータ92の出力軸は、Y軸方向の奥側から手前側に向かって延びるように配置されている。また、第二モータ92は、第六シャフト16よりもX軸方向の左側に配置されている。ただし、第六ベルト66を介して第二モータ92から第六シャフト16に動力を伝えるという点では同じである。第一モータ91及び第二モータ92の配置は、ステージ1を設置する場所に応じて変更可能である。
【0045】
次に、
図5において、第二貫通孔104は、Y軸方向の左右側が中央側よりも直径が大きくなるように形成されている。これにより、第二貫通孔104には、2つの段差が形成されている。第二貫通孔104のY軸方向の手前側からは、第四シャフト14が挿入されており、第四シャフト14の端部は、第二貫通孔104に形成されているY軸方向の手前側の段差に当接している。第二貫通孔104のY軸方向の手前側の開口部の内径は、第四シャフト14の外径と略等しく、第二貫通孔104に挿入した第四シャフト14にがたつきが生じないように構成されている。
【0046】
第二貫通孔104のY軸方向の奥側からは、プーリ軸111が挿入されている。プーリ軸111は、中心軸がY軸方向に配置されており、第二プーリ42の回転軸となる。プーリ軸111は、第二貫通孔104に嵌め込まれたベアリング112によって支持されている。ベアリング112は、回転軸がY軸方向に配置されるように第二貫通孔104にY軸方向の奥側から嵌め込まれており、第二貫通孔104に形成されているY軸方向の奥側の段差に当接している。プーリ軸111は、第一ブロック21よりもY軸方向の奥側に突出し、その奥側の端部において第四ブラケット113によって支持されている。この第四ブラケット113は、第一ブロック21に固定されている。ベアリング112と第四ブラケット113との間のプーリ軸111に、第二プーリ42が配置されている。第二プーリ42は、固定具114によってプーリ軸111に固定されている。なお、第二プーリ42の固定方法はこれに限らず、他の公知の方法によって固定することもできる。また、第四シ
ャフト14とプーリ軸111とが一体に形成されていてもよい。
【0047】
なお、第二ブロック22において、第一シャフト11及び第五シャフト15は、第一ブロック21における第一シャフト11及び第五シャフト15と同様の構造によって支持されている。また、第五プーリ45は、第七プーリ47と同様の構造によって、第五シャフト15に配置されている。
【0048】
また、第二ブロック22において、第三シャフト13及び第六シャフト16は、第一ブロック21における第一シャフト11及び第五シャフト15と同様の構造によって支持されている。また、第十二プーリ52及び第一プーリ41は、第十プーリ50及び第七プーリ47が第五シャフト15に配置されるのと同様の構造によって、第六シャフト16に配置されている。
【0049】
また、第三ブロック23において、第三シャフト13、第六シャフト16、及び第二シャフト12は、第一ブロック21における第一シャフト11、第五シャフト15、及び第四シャフト14と同様の構造によって支持されている。また、第三プーリ43は、第七プーリ47が第五シャフト15に配置されるのと同様の構造によって、第六シャフト16に配置されている。第六プーリ46は、第二プーリ42が第一ブロック21に配置されるのと同様の構造によって、第三ブロック23に配置されている。
【0050】
また、第四ブロック24において、第二シャフト12及び第四シャフト14は、第一ブロック21における第四シャフト14と同様の構造によって支持されている。第四プーリ44及び第八プーリ48は、第二プーリ42が第一ブロック21に配置されるのと同様の構造によって、第四ブロック24に配置されている。
【0051】
このように構成されたステージ1では、第一モータ91を作動させることにより、動力が第一モータ91の出力軸911から第九プーリ49、第五ベルト65、第十プーリ50、第五シャフト15の順に伝わり、第五シャフト15が回転する。さらに、第五シャフト15が回転することにより、第七プーリ47及び第五プーリ45が回転する。第七プーリ47が回転することにより、第四ベルト64及び第八プーリ48が回転する。第一ブロック21と第四ブロック24との間では、第四ベルト64がY軸方向に移動することにより、第四固定部341を介して接続されている第四移動部34も、第四ベルト64と共にY軸方向に移動する。同様に、第五プーリ45が回転することにより、第三ベルト63及び第六プーリ46が回転する。第二ブロック22と第三ブロック23との間では、第三ベルト63がY軸方向に移動することにより、第三固定部331を介して接続されている第三移動部33も、第三ベルト63と共にY軸方向に移動する。ここで、第七プーリ47と第五プーリ45とは同方向に同速度で回転するため、第四ベルト64及び第三ベルト63は、同方向に同速度で移動する。そのため、第四移動部34及び第三移動部33が、同方向に同速度で移動するので、第二接続部材72は、X軸方向と平行状態を維持したまま、Y軸方向に移動する。この第二接続部材72が第五移動部35をY軸方向に押すことにより、第五移動部35がY軸方向に移動する。
【0052】
したがって、第一モータ91の回転方向及び回転角度を制御することにより、第五移動部35のY軸方向の位置を制御することができる。また、第一モータ91の回転速度を制御することにより、第五移動部35のY軸方向の移動速度を制御することができる。
【0053】
また、第二モータ92を作動させることにより、動力が第二モータ92の出力軸から第十一プーリ51、第六ベルト66、第十二プーリ52、第六シャフト16の順に伝わり、第六シャフト16が回転する。さらに、第六シャフト16が回転することにより、第一プーリ41及び第三プーリ43が回転する。第一プーリ41が回転することにより、第一ベ
ルト61及び第二プーリ42が回転する。第一ブロック21と第二ブロック22との間では、第一ベルト61がX軸方向に移動することにより、第一固定部311を介して接続されている第一移動部31も、第一ベルト61と共にX軸方向に移動する。同様に、第三プーリ43が回転することにより、第二ベルト62及び第四プーリ44が回転する。第三ブロック23と第四ブロック24との間では、第二ベルト62がX軸方向に移動することにより、第二固定部321を介して接続されている第二移動部32も、第二ベルト62と共にX軸方向に移動する。ここで、第一プーリ41と第三プーリ43とは同方向に同速度で回転するため、第一ベルト61及び第二ベルト62は、同方向に同速度で移動する。そのため、第一移動部31及び第二移動部32が、同方向に同速度で移動するので、第一接続部材71は、Y軸方向と平行状態を維持したまま、X軸方向に移動する。この第一接続部材71が第五移動部35をX軸方向に押すことにより、第五移動部35がX軸方向に移動する。
【0054】
したがって、第二モータ92の回転方向及び回転角度を制御することにより、第五移動部35のX軸方向の位置を制御することができる。また、第二モータ92の回転速度を制御することにより、第五移動部35のX軸方向の移動速度を制御することができる。なお、第一モータ91及び第二モータ92を同時に作動させることにより、第五移動部35をX軸方向及びY軸方向に同時に移動させることもできる。
【0055】
ここで、本実施形態に係るステージ1は、中空の第一シャフト11の内部に第五シャフト15が配置されている。また、中空の第三シャフト13の内部に第六シャフト16が配置されている。そのため、第一シャフト11は、第一移動部31をX軸方向に案内する機能と、第五シャフト15を内部に格納する機能とを有することになる。同様に、第三シャフト13は、第三移動部33をY軸方向に案内する機能と、第六シャフト16を内部に格納する機能とを有することになる。そうすると、第一シャフト11の外部に第五シャフト15を配置し、且つ第三シャフト13の外部に第六シャフト16を配置した場合と比較すると、ステージ1の小型化が可能となる。したがって、より狭い空間にステージ1を設置することができる。また、第一モータ91及び第二モータ92を作動させ、各プーリ及び各ベルトを介して第五移動部35をXY平面上で移動させることができるため、コストアップを抑制することができる。
【0056】
また、第一モータ91の出力軸911を第五シャフト15に直接に接続せず、第九プーリ49、第五ベルト65、及び第十プーリ50を介して動力を伝達しているため、直接に接続した場合と比較して、X軸方向におけるステージ1の小型化が可能となる。第二モータ92についても同様に、第二モータ92の出力軸を第六シャフト16に直接に接続せず、第十一プーリ51、第六ベルト66、及び第十二プーリ52を介して動力を伝達しているため、Y軸方向におけるステージ1の小型化が可能となる。
【0057】
また、第一シャフト11の中心軸と、第五シャフト15の中心軸とを一致させることにより、第一シャフト11の小径化が可能となる。また、第三シャフト13の中心軸と、第六シャフト16の中心軸とを一致させることにより、第三シャフト13の小径化が可能となる。これらにより、ステージ1の小型化及び軽量化が可能となる。
【0058】
なお、本実施形態では、例えば第一移動部31は、第一固定部311を介して第一ベルト61に固定されている。そして、第一ベルト61をX軸方向に移動させることにより、第一移動部31をX軸方向に移動させている。しかし、第一移動部31を移動させる方法はこれに限らず、例えば、第一ベルト61の代わりにボールねじをX軸方向に配置し、第一固定部311にボールねじナットを配置することで第一移動部31を移動させてもよい。この場合、第六シャフト16の駆動力を、例えばかさ歯車によってボールねじに伝えてもよい。第二移動部32、第三移動部33、及び第四移動部34についても同様の構成と
することができる。
【0059】
また、本実施形態では、第一シャフト11の内部に第五シャフト15を配置し、且つ第三シャフト13の内部に第六シャフト16を配置しているが、この両方の構成は必須ではなく、何れか一方の構成を有していればよい。何れか一方の構成を有していることによっても、ステージ1の小型化は可能である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・ステージ、11・・・第一シャフト、12・・・第二シャフト、13・・・第三シャフト、14・・・第四シャフト、15・・・第五シャフト、16・・・第六シャフト、31・・・第一移動部、32・・・第二移動部、33・・・第三移動部、34・・・第四移動部、35・・・第五移動部、71・・・第一接続部材、72・・・第二接続部材、91・・・第一モータ、92・・・第二モータ