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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175946
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】駐車場管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20241212BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20241212BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G07B15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094074
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 邦徳
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA05
3E127CA12
3E127CA16
3E127CA21
3E127CA36
3E127CA41
3E127CA47
3E127FA09
3E127FA20
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181FF39
5H181KK06
5H181KK08
(57)【要約】
【課題】利用者に事前準備などをさせることなく、駐車場内での駐車位置を表示して利用者をその駐車位置へ案内する駐車場管理システムを提供する。
【解決手段】駐車場100への車両70の入出場を管理する駐車場管理システム1であって、少なくとも1つの撮像部10と、撮像部10によって入場時に撮像した車両70の識別情報を認識する認識部21と、撮像部10によって車両70の走行を追跡して駐車位置Ppを判別する判別部22と、駐車位置Ppと識別情報とを紐付けて記憶する記憶部42と、識別情報の入力操作を受け付ける受付部32と、受付部32によって受け付けられた識別情報に紐付けて記憶部42に記憶されている駐車位置Ppを表示する表示部33とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場への車両の入出場を管理する駐車場管理システムであって、
少なくとも1つの撮像部と、
前記撮像部によって入場時に撮像した前記車両の識別情報を認識する認識部と、
前記撮像部によって前記車両の走行を追跡して駐車位置を判別する判別部と、
前記駐車位置と前記識別情報とを紐付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報の入力操作を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた前記識別情報に紐付けて前記記憶部に記憶されている前記駐車位置を表示する表示部と
を備える、駐車場管理システム。
【請求項2】
前記駐車場内での前記駐車位置を示す駐車場図を作成する駐車場図作成部をさらに備え、
前記表示部は、前記駐車場図を表示する、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記駐車場図をネットワーク経由で提供する情報提供部をさらに備え、
前記表示部は、前記情報提供部へのアクセス情報を表示する、請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記情報提供部は、前記駐車場図の提供を予め定められた所定時間内に限定することを含むアクセス制限を行う、請求項3に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記情報提供部は、アクセスした機器の現在位置の位置情報を取得して、前記駐車場図に前記現在位置を表示する、請求項3又は請求項4に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記情報提供部は、前記位置情報及び前記位置情報の経時的変化に基づいて、前記現在位置から見える3次元画像を提供する、請求項5に記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
前記撮像部は、
入場時に前記車両を撮像する第1撮像部と、
入場後の前記車両の走行を追跡する第2撮像部と
を含む、請求項1又は請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項8】
前記識別情報は、前記車両に取り付けられた自動車登録番号標に表示されている自動車登録番号を含む、請求項1又は請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項9】
前記アクセス情報は、統一資源位置指定子を示す2次元コードを含む、請求項3に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車場管理システムに関し、特に、駐車場への車両の入出場を管理する駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている駐車場管理システムでは、ユーザは、ユーザ端末により、駐車位置に設置される2次元バーコードを撮影することにより、駐車位置に関する情報を取得する。そして、この2次元バーコードを解析することにより、2次元バーコードに含まれる情報を取得して、ユーザ端末の表示部に駐車場のレイアウトを示す近傍地図を表示させることができる。また、近傍地図には、駐車位置及びユーザ端末の現在位置がマークして表示されるため、ユーザは、現在位置と駐車位置を的確に把握することができ、駐車した車の位置を見失うことなく、駐車位置に辿り付くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-199177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載されている駐車場管理システムでは、利用者が駐車時に駐車位置に設置された2次元バーコードを予め読み取っておく必要があるため、利便性に課題があった。
【0005】
本開示は、利用者に事前準備などをさせることなく、駐車場内での駐車位置を表示して利用者をその駐車位置へ案内する駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の駐車場管理システムは、駐車場への車両の入出場を管理する駐車場管理システムであって、少なくとも1つの撮像部と、前記撮像部によって入場時に撮像した前記車両の識別情報を認識する認識部と、前記撮像部によって前記車両の走行を追跡して駐車位置を判別する判別部と、前記駐車位置と前記識別情報とを紐付けて記憶する記憶部と、前記識別情報の入力操作を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記識別情報に紐付けて前記記憶部に記憶されている前記駐車位置を表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、利用者に事前準備などをさせることなく、駐車場内での駐車位置を表示して利用者をその駐車位置へ案内することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1実施形態に係る駐車場管理システム1の機能的構成を示すブロック図である。
図2】駐車場管理システム1が備える精算機30の外観を示す斜視図である。
図3】駐車場100内の見取図である。
図4】精算機30における駐車料金精算前の確認画面を例示する説明図である。
図5】精算機30における駐車料金精算後の駐車位置表示画面を例示する説明図である。
図6】携帯端末50における駐車位置表示画面を例示する説明図である。
図7】本開示の第2実施形態に係る駐車場管理システム1において、精算機30に駐車位置表示画面を表示する動作を説明するシーケンス図である。
図8】駐車場管理システム1において、携帯端末50に駐車位置表示画面を表示する動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
<第1実施形態>
1.1 駐車場管理システム1の全体構成
図1は、本開示の第1実施形態に係る駐車場管理システム1の機能的構成を示すブロック図である。図2は、駐車場管理システム1が備える精算機30の外観を示す斜視図である。図3は、駐車場100内の見取図である。図4は、精算機30における駐車料金精算前の確認画面を例示する説明図である。図5は、精算機30における駐車料金精算後の駐車位置表示画面を例示する説明図である。図6は、携帯端末50における駐車位置表示画面を例示する説明図である。
【0011】
これらの図に示すように、駐車場100への車両70の入出場を管理する駐車場管理システム1は、撮像部10と、この撮像部10が認識部21及び判別部22を介して接続された駐車場データ管理部20と、精算機30と、WEBサーバー40とを備える。撮像部10は、カメラ11、カメラ12、及び赤外線センサー13を有する。また、携帯端末50は、インターネット60を介してWEBサーバー40と無線で接続可能である。
【0012】
駐車場データ管理部20及び精算機30は、相互通信が可能となるように有線で接続されているが、無線で接続されてもよい。これらは、インターネット60を介してWEBサーバー40とも有線で接続されているが、無線で接続されてもよい。あるいは、この駐車場データ管理部20が認識部21及び判別部22を含めて精算機30に内蔵されてもよい。
【0013】
1.2 撮像部10
カメラ11は、入場時に車両70を撮像する。そのために、カメラ11は、入出場ゲート101付近(図3参照)に配置される。車両70は入場前に入出場ゲート101前の決められた位置に一時停止するので、その位置に停止した車両70に取り付けられたナンバープレート(自動車登録番号標)をできるだけ明瞭に撮像できるように、カメラ11を配置する。具体的には、車両70には様々な車種が存在することを考慮した上で、カメラ11の撮影方向や撮影倍率又は画角などを適切に調整する。なお、カメラ11は本開示の「撮像部」の一例であり、「第1撮像部」の一例でもある。
【0014】
ただし、入場時の車両70及びそのナンバープレートの撮像・認識方法については、他にも次のような方法が考えられる。例えば、入出場ゲート101付近に車両70の通過を検出する赤外線センサーなどが設置され、車両70の通過検出時にその車両70をカメラ11が撮像してもよい。赤外線センサーとしては、具体的には、送光部と受光部との間の赤外線の遮断によって物体を検出する赤外線遮断センサーが挙げられるが、これに限らない。あるいは、入出場ゲート101付近を常時撮像するようにカメラ11が設置され、このカメラ11による映像の解析によって通過する車両70及びそのナンバープレートが認識されるようにしてもよい。
【0015】
カメラ12は、入場後の車両70の走行を追跡する。カメラ12は、入出場ゲート101を通過した後(入場後)の車両70の駐車位置Ppまでの走行を追跡するために、駐車場100内の全体を監視できるような位置に配置される。カメラ12としては、いわゆるPTZカメラが好適である。PTZカメラとは、遠隔操作でカメラの首振りなどを制御できるカメラのことである。Pはパン(Panoramac)を意味しており、カメラ12の水平方向の向きを変えられる。Tはチルト(Tilt)を意味しており、カメラ12の垂直方向の向きを変えられる。Zはズーム(Zoom)を意味しており、カメラ12で撮像する画像の拡大及び縮小ができる。ただし、カメラ12はPTZカメラに限らない。
【0016】
カメラ12は1台に限らず、駐車場100内の全体を十分に監視できるように、必要な台数を配置することが好ましい。この駐車場100では、図3に示すように、カメラ12が左側中央及び右側中央にそれぞれ1台ずつ配置されている。ただし、このような配置及び台数に限らない。なお、カメラ12は本開示の「撮像部」の一例であり、「第2撮像部」の一例でもある。
【0017】
赤外線センサー13は、例えばToF(Time of Flight)方式によって画角内の画素毎の対物距離を測定して3次元距離画像を取得できるものである。カメラ12で撮像された可視画像と赤外線センサー13で取得された3次元距離画像とが組み合わされることで、車両70の走行がより確実に追跡可能になる。ただし、赤外線センサー13は、ToF方式に限らず、ステレオカメラでもよい。
【0018】
駐車場管理システム1では、車両70の駐車位置Ppまでの走行をより確実に追跡できるように、各カメラ12に赤外線センサー13がそれぞれ併設されている。ただし、赤外線センサー13は、必ずしもすべてのカメラ12に併設されなくてもよいし、このような配置や台数に限らない。また、赤外線センサー13が使用されなくてもよいし、あるいは、カメラ12に代えて赤外線センサー13が使用されてもよい。なお、赤外線センサー13は本開示の「撮像部」の一例であり、「第2撮像部」の一例でもある。
【0019】
1.3 駐車場データ管理部20
駐車場データ管理部20は、認識部21を介してカメラ11に接続されるとともに、判別部22を介してカメラ12及び赤外線センサー13に接続されており、認識部21及び判別部22を制御する。駐車場データ管理部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含み、予め記憶されているコンピュータープログラムを実行するようにしてもよい。
【0020】
認識部21は、撮像部10によって入場時に撮像した車両70の識別情報を認識する。具体的には、認識部21は、カメラ11によって入場時に撮像した車両70の静止画像を解析し、ナンバープレートの部分のみを抽出する。こうして抽出したナンバープレートの画像が正面から撮像した画像に補正された上で、ナンバープレートに表示されている番号(自動車登録番号。「車番」ということもある)などの情報が認識される。なお、車番は本開示の「識別情報」の一例である。
【0021】
判別部22は、撮像部10によって車両70の走行を追跡して駐車位置Ppを判別する。具体的には、判別部22は、カメラ12及び赤外線センサー13によって車両70が入出場ゲート101から駐車位置Ppまで走行する映像(時間的に連続した画像)を解析して、その車両70の走行を追跡する。そして、その車両70が最終的に停止した駐車位置Ppを判別する。
【0022】
駐車場データ管理部20は、認識部21によって認識された車番と判別部22によって判別された駐車位置Ppとを精算機30へ通知するとともに、インターネット60を介してWEBサーバー40へ通知する。これにより、車両70の車番と駐車位置Ppとが紐付けられた上で記憶部42に記憶される。ただし、記憶先はWEBサーバー40の記憶部42に限らず、例えば、駐車場データ管理部20自体が有するメモリーや記憶装置などに記憶されるようにしてもよい。あるいは、両方に記憶されるようにしてもよい。
【0023】
なお、出場時の駐車料金精算には駐車時間が必要なので、記憶部42に入場時刻も併せて記憶する。さらに、精算時に利用者が自車であるかどうかを容易に視認できるように、例えば入場時の車両70の画像も併せて記憶部42に記憶しておき、精算時に精算機30で表示してもよい。
【0024】
1.4 精算機30
精算機30は、車両70の出場前に駐車料金精算を行うために、入出場ゲート101付近(図3参照)に配置される。精算機30は、図1及び図2に示すように、利用者の入力操作を受け付ける受付部32と、その入力操作に応じた表示を行う表示部33と、これらを制御する制御部31とを備える。ただし、以下では、精算機30の本来機能としての駐車料金精算や支払い操作などの詳細説明は省略する。
【0025】
受付部32は、識別情報の入力操作を受け付ける。具体的には、受付部32は、駐車料金精算時に利用者が自車の車番を入力する入力操作を受け付ける。駐車位置Ppを利用者が覚えているとは限らないが、自車の車番であれば覚えているのが普通だからである。受付部32としては、機械式のキーボードや押しボタン、又はタッチパネル上のソフトキーなどが挙げられるが、これらに限らない。ここでは、タッチパネル上のソフトキーが採用されている。
【0026】
制御部31は、受付部32によって受け付けられた車番が記憶部42に記憶されているかどうかをWEBサーバー40に照会する。その車番が記憶されていれば、紐付けられて記憶されている駐車位置Pp、入場時刻、及び車両70の画像とともに記憶部42から読み出して表示部33に表示させる。
【0027】
表示部33は、受付部32によって受け付けられた識別情報に紐付けて記憶部42に記憶されている駐車位置Ppを表示する。表示部33としては、例えば、液晶や有機EL(organic electro-luminescence)などを用い、利用者によるタッチ操作などを可能とするタッチパネルが挙げられるが、これに限らない。ここでは、タッチパネルが採用されている。
【0028】
制御部31は、次に、図4に示すように、車両70の画像を入場時画像34として入場時刻35とともに表示部33に表示する。併せて、利用者に自車かどうかの確認を求めるため、「いいえ」を入力するソフトキー36aと「はい」を入力するソフトキー36bも表示する。
【0029】
ソフトキー36aがタッチされて「いいえ」を受け付けたときは、制御部31は、例えば他の候補車両の入場時画像34及び入場時刻35を表示部33に表示する。一方、ソフトキー36bがタッチされて「はい」を受け付けたときは、制御部31は、図5に示すように、駐車場100内での駐車位置Ppを示す駐車場図37(駐車場100内の見取図)を表示部33に表示させる。つまり、表示部33は、駐車場図37を表示する。さらに、表示部33は、この駐車場図37が表示されるURL(Uniform Resource Locator:統一資源位置指定子)を示すQRコード(登録商標。以下の出現箇所では注記を省略)38も表示する。なお、このQRコード38は本開示の「2次元コード」の一例である。
【0030】
なお、「終了」を入力するソフトキー36cも表示されており、このソフトキー36cがタッチされると、制御部31は初期画面を表示部33に再び表示する。
【0031】
1.5 WEBサーバー40
WEBサーバー40は、記憶部42と、駐車場図作成部43と、情報提供部44と、これらを含む全体を制御するCPU41とを備える。なお、このWEBサーバー40のハードウェア構成は、サーバー用の一般的なコンピューターと同様なので、詳細な説明は省略する。
【0032】
記憶部42は、駐車位置Ppと識別情報とを紐付けて記憶する。具体的には、記憶部42は、駐車場データ管理部20から通知された車両70の車番と駐車位置Ppとを紐付けて記憶するとともに、その車両70の入場時刻や入場時に撮像した画像も同様に併せて記憶する。また、駐車場100内の見取図の雛形も予め記憶しておく。なお、この雛形には駐車位置Ppを示す着色などは未設定である。このように構成した駐車場管理システム1によれば、利用者に事前準備などをさせることなく、駐車場100内での駐車位置Ppを表示して利用者をその駐車位置Ppへ案内することが可能となる。この結果、駐車場管理システム1の利便性が向上する。
【0033】
駐車場図作成部43は、駐車場100内での駐車位置Ppを示す駐車場図37を作成する。具体的には、駐車場図作成部43は、記憶部42に記憶されている駐車場100内の見取図の雛形を読み出し、駐車位置Ppを示す駐車場図37を作成する。このとき、駐車位置Ppを示す箇所が他の駐車位置とは明確に区別できるように、例えば目立つような着色(例えば赤色)を行うことが好ましい。ただし、区別する方法は着色に限らない。駐車場図作成部43は、駐車場図37とこの駐車場図37を表示するURLとをインターネット60を介して精算機30へ送信する。なお、このURLは本開示の「アクセス情報」の一例である。これにより、精算機30の表示部33は、アクセス情報を表示することができる。つまり、表示部33は、図5に示すように、駐車場図37とともに、この駐車場図37が表示されるURLを表示する。この結果、駐車場管理システム1の利便性がより向上する。
【0034】
情報提供部44は、駐車場図37をネットワーク経由で提供する。具体的には、情報提供部44は、インターネット60を介して、すなわちネットワーク経由で利用者の携帯端末50などからアクセス要求があれば、駐車場図作成部43によって作成された駐車場図37を提供する。また、アクセス要求を行った携帯端末50などの現在位置Pcの位置情報が取得できた場合は、駐車場図37内でその位置情報に対応する箇所にマークを付けるなどの加工を行ってもよい。
【0035】
なお、情報提供部44は、駐車場図37の提供を予め定められた所定時間内に限定することを含むアクセス制限を行ってもよい。情報提供部44から携帯端末50などへの駐車場図37の提供については、個人情報保護又はセキュリティなどの観点で、なんらかのアクセス制限などを設定することが好ましいからである。例えば、アクセスが駐車料金清算後から所定時間内に限定されてもよい。この結果、駐車場管理システム1のセキュリティが向上する。
【0036】
また、情報提供部44は、アクセスした機器の現在位置の位置情報を取得して、駐車場図37に現在位置Pcを表示してもよい。さらに、情報提供部44は、位置情報及びその位置情報の経時的変化に基づいて、現在位置Pcから見える3次元画像を提供してもよい。具体的には、情報提供部44は、アクセスしてきた携帯端末50などの現在位置Pcの位置情報とその位置情報の経時的変化に基づいて、利用者の現在位置Pcから見える3次元画像を作成して携帯端末50へ送信してもよい。この結果、利用者にとっては駐車位置Ppまでの移動がよりわかりやすくなる。
【0037】
1.6 携帯端末50
携帯端末50は、カメラ52と、タッチパネル53と、GPS54と、これらを含む全体を制御するCPU51とを備える。カメラ52は、通常撮影以外にQRコード読み取り機能も有する。タッチパネル53は、画像や文字などを表示するとともに、利用者による文字入力やタッチ操作などを受け付ける。GPS54は、GPS(Global Positioning System)によって現在位置Pcを検出する。なお、これらのハードウェア構成は、一般的なスマートフォンなどと同様なので、詳細な説明は省略する。
【0038】
駐車料金清算後、精算機30の表示部33に表示されるQRコード38を携帯端末50のカメラ52で読み取ると、WEBサーバー40の情報提供部44によって提供される駐車場図37をタッチパネル53に表示することができる。
【0039】
以上で説明したように、利用者は駐車時には特に何もしなくても、駐車料金精算後に精算機30に自車の駐車位置Ppを示す駐車場図37が表示されるだけでなく、その駐車場図37を携帯端末50に表示することもできる。この場合、駐車位置Ppとともに現在位置Pcが表示されており、携帯端末50の移動に連動して現在位置Pcの表示位置もリアルタイムで変化する。これにより、利用者は駐車位置Ppへスムーズに辿り着くことができる。
【0040】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る駐車場管理システム1は、アクセスキーの使用によってセキュリティを向上させた構成である。以下では、第1実施形態との主な相違点を説明する。
【0041】
2.1 精算機30に駐車位置表示画面を表示する動作
図7は、本開示の第2実施形態に係る駐車場管理システム1において、精算機30に駐車位置表示画面を表示する動作を説明するシーケンス図である。
【0042】
この図7に示すように、まず、精算機30は、駐車場データ管理部20に対して見取図作成用パラメータを送信する。このパラメータには、駐車場ID、車室ID、精算完了時刻が含まれるが、これらに限らない。
【0043】
駐車場データ管理部20は、駐車場管理テーブルからリクエスト用データを作成する。次に、駐車場データ管理部20は、WEBサーバー40に対して見取図データの作成リクエストを送信する。この作成リクエストには、駐車場100の基準位置座標、駐車位置Ppの位置座標、データ有効期限が含まれるが、これらに限らない。
【0044】
WEBサーバー40は、見取図データ準備とともにアクセスキーを発行する。次に、WEBサーバー40は、駐車場データ管理部20に対して見取図アクセスキーを送信する。
【0045】
駐車場データ管理部20は、WEBサーバー40から受信した見取図アクセスキーを精算機30に対して送信する。
【0046】
精算機30は、WEBサーバー40に対して画面表示用見取図リクエストを送信する。
【0047】
WEBサーバー40は、アクセスキーチェックを行った上で、問題がなければ、画面表示用見取図データを作成する。次に、WEBサーバー40は、精算機30に対して画面表示用見取図データを送信する。これにより、精算機30は、表示部33に駐車場図37を表示することができる。
【0048】
次に、精算機30は、携帯端末50で駐車場図37を表示するための2次元バーコード(QRコード)を作成する。このQRコードには、端末表示用URL及びアクセスキーが含まれる。これにより、精算機30は、表示部33にQRコード38を表示することができる。
【0049】
2.2 精算機30に駐車位置表示画面を表示する動作
図8は、駐車場管理システム1において、携帯端末50に駐車位置表示画面を表示する動作を説明するシーケンス図である。
【0050】
携帯端末50は、精算機30に表示されたQRコード38をカメラ52で読み取ると、読み取ったQRコード38を解析する。次に、携帯端末50は、WEBサーバー40に対して端末表示用見取図リクエストを送信する。このリクエストには、端末表示用URL及びアクセスキーが含まれる。
【0051】
WEBサーバー40は、アクセスキーチェックを行った上で、問題がなければ、端末表示用見取図データを作成する。次に、WEBサーバー40は、携帯端末50に対して端末表示用見取図データを送信する。
【0052】
携帯端末50は、GPS54によって現在位置Pcを検出する。次に、携帯端末50は、WEBサーバー40から受信した端末表示用見取図データに、現在位置Pcを表示する処理を行う。これにより、携帯端末50は、タッチパネル53に駐車位置Ppだけでなく現在位置Pcも明確にわかる駐車場図37を表示することができる。
【0053】
<その他の実施形態>
上述した各実施形態では、精算機30の受付部32への入力は利用者の車両70の車番としたが、駐車位置Ppの直接入力を可能としてもよい。
【0054】
また、利用者が駐車位置Ppに辿り着いた後、例えば、入出場ゲート101への案内を行えるようにしてもよい。例えば、広大な駐車場100であって、しかも駐車場100内の多くの通路が一方通行に規制されている場合は、駐車位置Ppから入出場ゲート101への最短経路がわかりにくいこともあるからである。また、複数の入出場ゲート101が存在する場合、駐車場100の周辺道路の規制なども考慮して、利用者の次の行き先に最適な入出場ゲート101を選択してそこへ案内するようにしてもよい。
【0055】
本発明は、その主旨又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示は、駐車場への車両の入出場を管理する駐車場管理システムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 駐車場管理システム
10 撮像部
11 カメラ
12 カメラ
13 赤外線センサー
20 駐車場データ管理部
30 精算機
40 WEBサーバー
50 携帯端末
60 インターネット
70 車両
100 駐車場
101 入出場ゲート
Pp 駐車位置
Pc 現在位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8