IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エム・エフ・ヴィ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-成形容器 図1
  • 特開-成形容器 図2
  • 特開-成形容器 図3
  • 特開-成形容器 図4
  • 特開-成形容器 図5
  • 特開-成形容器 図6
  • 特開-成形容器 図7
  • 特開-成形容器 図8
  • 特開-成形容器 図9
  • 特開-成形容器 図10
  • 特開-成形容器 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175957
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】成形容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20241212BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20241212BHJP
   A45D 40/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65D83/00 M
B65D77/04 A
A45D40/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094100
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000241625
【氏名又は名称】エム・エフ・ヴィ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山中 康弘
(72)【発明者】
【氏名】宮本 理紗子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰則
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014KA03
3E067AA04
3E067AA11
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA02B
3E067BA02C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC07B
3E067BC07C
3E067EB27
3E067EE59
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】内容物を収容する内容器の底部に底板部材を備えるとともに、その底板部材を上方向に移動させる昇降機構を備え、その昇降機構を構成する部品の組み立てを簡単にすることで、底板部材を容易に且つスムーズに押し上げることができ、内容物を全て使い切ることができる成形容器を提供する。
【解決手段】本発明の成形容器1は、内容物が装入可能な有底円筒状の内容器2と、内容器2内に配備され、上方向に移動可能な底板部材3と、内容器2を内部に収容する円筒状の外容器4と、底板部材3を上方向に移動させる昇降機構5と、を有し、昇降機構5は、底板部材3を押し上げるベルト部材6と、ベルト部材6の表面に形成されている凹凸部9と、ベルト部材6を送り出すベルト送出部7と、内容器2の底部中央に設けられ、ベルト部材6の一方端側6aが貫通して配備される第1孔部8と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が装入可能な有底円筒状の内容器と、
前記内容器内に配備され、上方向に移動可能な底板部材と、
前記内容器を内部に収容する外容器と、
前記底板部材を上方向に移動させる昇降機構と、を有し、
前記昇降機構は、前記底板部材を押し上げるベルト部材と、前記ベルト部材を送り出すベルト送出部と、を備える
ことを特徴とする成形容器。
【請求項2】
前記昇降機構は、
一方端側が前記底板部材に当接し、当該一方端側を上昇させることで前記底板部材を押し上げる前記ベルト部材と、
前記内容器の底部中央に設けられ、前記ベルト部材の一方端側が貫通して配備される第1孔部と、
前記ベルト部材の表面に形成されている凹凸部と、
前記凹凸部に係合することで、前記ベルト部材を繰り出して前記一方端側を上昇させる前記ベルト送出部と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の成形容器。
【請求項3】
前記外容器の底部中央には、前記第1孔部と連通する第2孔部が設けられていて、
前記ベルト部材は、可撓性を有し、一方端側が前記第1孔部と前記第2孔部から突出するとともに前記底板部材に当接し、前記外容器の外側に、側面視で湾曲させて配備されていて、
前記ベルト送出部は、前記内容器の底部外側に形成され且つ、一方端と他方端が一定量ずれて隙間が形成されている一巻きの螺旋とされていて、
前記凹凸部は、前記ベルト部材の表面に複数形成され且つ、前記ベルト送出部の隙間に入り込んで噛み合うように設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の成形容器。
【請求項4】
前記ベルト部材は、長手方向中途部が屈曲可能となっている長尺の部材であり、前記底板部材に当接するように前記屈曲部を前記第1孔部と前記第2孔部から突出させて配備し、
前記凹凸部は、前記ベルト部材の屈曲部より、一方端側に形成された第1凹凸部と、他方端側に形成された第2凹凸部と、を有し、
前記第1凹凸部と前記第2凹凸部は、前記ベルト部材を折り曲げて前記屈曲部を設けたとき、側面視で一山分ずれた異なるピッチとされている
ことを特徴とする請求項3に記載の成形容器。
【請求項5】
前記内容器が前記外容器に非装着の状態のとき、前記ベルト部材は前記内容器に対してフリーの状態となっており、前記内容器の着脱が可能な構成とされている
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の成形容器。
【請求項6】
前記ベルト部材は、可撓性を有し、一方端側が前記第1孔部から突出するとともに前記底板部材に当接し、前記内容器と前記外容器の間に、湾曲させて配備されていて、
前記ベルト送出部は、前記外容器の内壁面に形成され且つ、下方に向かう複数巻きの螺旋とされていて、
前記凹凸部は、前記ベルト部材の他方端側の表面に少なくとも一山形成されていて、前記ベルト送出部と噛み合うように配備されている
ことを特徴とする請求項2に記載の成形容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容器の内部に装入された内容物を押し上げる成形容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料などの内容物が装入される容器として、内容物が装入される内容器と、この内容器を収納する外容器とを備える二重の成形容器が採用されることが多くなっている。ところが、化粧料などの内容物は、内容器の底部の方になればなるほど、取り出しにくくなり、使い切るまでに次の製品を購入することとなる。
【0003】
しかしながら、使い切られないまま廃棄されると、使用されないものが残り有効に利用することができないという課題があった。このように、材料等の資源などの面や、処理等の環境の面から見ても、化粧料などの内容物を最後まで使い切ってもらう方が良い。そこで従来では、化粧料などの内容物を最後まで使い切るため、内容物を押し上げる機構が備えられた成形容器が提供されていた。内容物を押し上げる機構が備えられた成形容器としては、例えば、特許文献1、2などに開示されているものがある。
【0004】
特許文献1は、定量繰り出し容器において、構成部品を増やすことなく操作性を向上させたものである。また、外面に情報表示部が設けられており、内容物の繰り出し量または残量の確認が可能となっている。この特許文献1の技術は、部品の構成が従来からある繰り出し容器の基本的な構造を用いたものとなっている。すなわち、特許文献1の定量繰り出し容器は、当業者なら想到することができる簡単な装置構成となっている(例えば、図1を参照)。
【0005】
特許文献2は、吐出容器において、容器内に設けられた固定仕切り板と回動仕切り板の間に存在する内容物を、回動仕切り板を回動させて圧迫し、蓋体の上面に設けられた吐出口から適量の内容物をスムーズに吐出させるものである。この特許文献2は、確実に密閉性を保持しながら、回動仕切り板を容器の内面形状に沿って、回動させることが可能となっている。また、この特許文献2の吐出容器は、構成部品を全て嵌め込んで固定するのみで、組み立てることが可能なっている(例えば、図2図3などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-81188号公報
【特許文献2】特許4415412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、昨今環境への配慮などで、内容物の詰替えや交換ができる容器の需要が増えている。内容物だけの詰替えは、手間がかかり不便である。そこで、少なくとも2つのパーツで構成され、内容物がなくなった場合に、内容物を使い切った内容器と、新しい内容物が入った内容器とを交換する仕組みの容器が提供されている。
【0008】
すなわち、化粧料などの内容物が装入される内容器については、外容器に対して着脱自在に収納されるもの(レフィル容器)がある。つまり、レフィル容器は、外容器に対して出し入れ可能な収容容器である。
【0009】
このレフィル容器を備える成形容器については、内容物を使い切った後に、使用者によって外容器から使用済みのレフィル容器を取り外して、内容物が装入された新たなレフィル容器に交換することで、外容器の再利用が図られる。つまり、レフィル容器を備える成形容器は、プラスチック製品の大量廃棄などに代表される環境負荷の課題に対応可能なものとなっている。
【0010】
ところで、高粘度の内容物を吐出する容器の既存品の課題について述べる。例えば、特許文献1に開示の定量繰り出し容器や、リップクリームなどのネジ式の容器など、ネジの構造を用いた製品については、吐出量の調整がしやすく、高粘度の内容物でも軽い力で吐出することが可能である。
【0011】
しかしながら、特許文献1の定量繰り出し容器は、螺旋溝と突起で構成されたネジ機構
を用いて、内容物を繰り出す機構である。この定量繰り出し容器の組立方法については、(1)~(4)の通りである。
(1):昇降板と中筒を組付ける。
(2):(1)で篏合したものを外筒とあわせる。
(3):(2)を外容器と組付ける。
(4):ノズルをセットする。
【0012】
このように、(3)の工程で、外容器(ガイドスリーブ)の螺旋溝と、ネジ機構を構成する中筒(リフタースリーブ)の突起をかみ合わせて回転させながら、容器を組み立てる必要があり煩雑である。
【0013】
一方、リップクリームなどのネジ式容器の場合、ネジ部から内容物の漏れが懸念される。つまり、ネジ部が汚れてしまう虞がある。また、ネジの構造を用いた容器については、製造コスト等の関係上、レフィル容器に対応したものが少ない。
【0014】
内容物を吐出するにあたり、ベルトを用いた製品、例えば、内容物を収容した内容器に可撓性のベルトを取り付けて、そのベルトが曲がるように外容器に収納しておき、ベルトと接続されたレバーを下げることで、折りたたむように曲げられたベルトが外容器内を移動して内容器を押し上げることで、内容物を吐出する容器については、容器の組み立てが簡単なものとなっている。しかしながら、このベルトを用いた容器は、スティック形状であることが多く、押し上げる面積に対し、吐出口が小さい場合、レバー操作などが硬くて重くなり、使用しづらいものとなる。
【0015】
また、特許文献2のような、仕切り板を用いた製品については、容器の組み立てが簡単なものとなっている。しかしながら、この仕切り板を用いた容器は、中栓の回動操作と仕切り板の動きが連動しており、中身が一気に吐出されるため、内容物の吐出量の調整が難しく、必要な量を取り出すことができない。
【0016】
また、回動仕切り板を回動させて二つの仕切り板の間で圧力を付加する必要があることや、仕切り板間での密閉性の関係で、回動操作がスムーズでなくなり、内容物を吐出する際の操作が重くなる虞がある。
【0017】
上記したように、現状の高粘度吐出容器では、様々な仕様・構成などがある。このような製品については、それぞれ一長一短があるが、組立性や操作性のどちらかに課題が残るものとなっている。これら課題を解消し、容器の組立性や操作性を兼ね備えたものが必要となってくる。
【0018】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、内容物を収容する内容器の底部に底板部材を備えるとともに、その底板部材を上方向に移動させる昇降機構を備え、その昇降機構を構成する部品の組み立てを簡単にすることで、底板部材を容易に且つスムーズに押し上げることができ、内容物を全て使い切ることができる成形容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
【0020】
本発明にかかる成形容器は、内容物が装入可能な有底円筒状の内容器と、前記内容器内に配備され、上方向に移動可能な底板部材と、前記内容器を内部に収容する外容器と、前記底板部材を上方向に移動させる昇降機構と、を有し、前記昇降機構は、前記底板部材を押し上げるベルト部材と、前記ベルト部材を送り出すベルト送出部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記昇降機構は、一方端側が前記底板部材に当接し、当該一方端側を上昇させることで前記底板部材を押し上げる前記ベルト部材と、前記内容器の底部中央に設けられ、前記ベルト部材の一方端側が貫通して配備される第1孔部と、前記ベルト部材の表面に形成されている凹凸部と、前記凹凸部に係合することで、前記ベルト部材を繰り出して前記一方端側を上昇させる前記ベルト送出部と、を有するとよい。
【0022】
好ましくは、前記外容器の底部中央には、前記第1孔部と連通する第2孔部が設けられていて、前記ベルト部材は、可撓性を有し、一方端側が前記第1孔部と前記第2孔部から突出するとともに前記底板部材に当接し、前記外容器の外側に、側面視で湾曲させて配備されていて、前記ベルト送出部は、前記内容器の底部外側に形成され且つ、一方端と他方
端が一定量ずれて隙間が形成されている一巻きの螺旋とされていて、前記凹凸部は、前記ベルト部材の表面に複数形成され且つ、前記ベルト送出部の隙間に入り込んで噛み合うように設けられているとよい。
【0023】
好ましくは、前記ベルト部材は、長手方向中途部が屈曲可能となっている長尺の部材であり、前記底板部材に当接するように前記屈曲部を前記第1孔部と前記第2孔部から突出させて配備し、前記凹凸部は、前記ベルト部材の屈曲部より、一方端側に形成された第1凹凸部と、他方端側に形成された第2凹凸部と、を有し、前記第1凹凸部と前記第2凹凸部は、前記ベルト部材を折り曲げて前記屈曲部を設けたとき、側面視で一山分ずれた異なるピッチとされているとよい。
【0024】
好ましくは、前記内容器が前記外容器に非装着の状態のとき、前記ベルト部材は前記内容器に対してフリーの状態となっており、前記内容器の着脱が可能な構成とされているとよい。
【0025】
好ましくは、前記ベルト部材は、可撓性を有し、一方端側が前記第1孔部から突出するとともに前記底板部材に当接し、前記内容器と前記外容器の間に、湾曲させて配備されていて、前記ベルト送出部は、前記外容器の内壁面に形成され且つ、下方に向かう複数巻きの螺旋とされていて、前記凹凸部は、前記ベルト部材の他方端側の表面に少なくとも一山形成されていて、前記ベルト送出部と噛み合うように配備されているとよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の成形容器によれば、内容物を収容する内容器の底部に底板部材を備えるとともに、その底板部材を上方向に移動させる昇降機構を備え、その昇降機構を構成する部品の組み立てを簡単にすることで、底板部材を容易に且つスムーズに押し上げることができ、内容物を全て使い切ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の成形容器の概略を示した分解図である(第1実施形態)。
図2】本発明の成形容器をそれぞれ分解させたときの断面図である(第1実施形態)。
図3】本発明の成形容器を組み付けたときの概略を示した断面図である(第1実施形態)。
図4】ベルト部材および凹凸部(ベルト山)の概略を示した図である。
図5】本実施形態の成形容器を使用した時にベルト部材の凹凸部とベルト送出部がネジの機能の関係にあることを示した図である。
図6】本実施形態の成形容器の組立方法の概略を示した図である。
図7】本実施形態の成形容器の操作方法の概略を示した図である。
図8】本発明の成形容器の第1実施形態の変形例の概略を示した図である。
図9】第1実施形態の変形例(ベルト部材)の概略を示した図である。
図10】本発明の成形容器の第2実施形態の概略を示した分解図である。
図11】第2実施形態の成形容器を組み付けたときの概略を示した断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明にかかる成形容器の実施形態を、図を参照して説明する。
【0029】
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部(例えば、キャップ体など)を省略したり、仮想線などを用いて描いている。
【0030】
本実施形態を説明するにあたり、高粘度の内容物を吐出する成形容器1(高粘度吐出容器1)を例に挙げて説明する。なお、内容物は、粘性を有するもの(例えば、クリーム状のもの)であるとよい。また、内容物は、固形状のものでもよい。
[第1実施形態]
図1図7などに、本発明にかかる成形容器1の第1実施形態を示す。
【0031】
図1などに示すように、本実施形態の成形容器1は、例えば射出成形により、有底円筒
状で且つ広口瓶形状に形成された収容容器である。つまり、成形容器1は、底部と、その底部を取り囲むように設けられた円筒状の側壁部とを有し且つ、上側が開口された収容容器である。
【0032】
図1図3などに示すように、本発明にかかる成形容器1は、密閉可能な容器であり、内容物が装入可能なように有底円筒状に形成された内容器2と、内容器2内に配備され、上方向に移動可能な底板部材3と、底板部材3を備えた内容器2を内部に収容する円筒状の外容器4と、内容器2の上側開口部を覆って密閉するキャップ体(図示せず)と、底板部材3を上方向に移動させる昇降機構5と、を有している。
【0033】
昇降機構5は、本発明の特徴的な機構であり、底板部材3を押し上げるベルト部材6と、ベルト部材6を送り出すベルト送出部7とを備えている。詳しくは、昇降機構5は、一方端側6aが底板部材3に当接し、当該一方端6a側を上昇させることで底板部材3を押し上げるベルト部材6と、内容器2(レフィル容器)の底部中央に設けられ、ベルト部材6の一方端6a側が貫通して配備される第1孔部8と、ベルト部材6の表面に形成されている凹凸部9と、凹凸部9に係合することで、ベルト部材6を繰り出して一方端6a側を上昇させるベルト送出部7と、を有している。なお、本実施形態の昇降機構5は、内容器2および外容器4などに配備されているものであり、以降詳細に説明する。
【0034】
図1に示すように、内容器2は、大きい広口瓶形状に形成され、半固形状乃至はペースト状の化粧料などを収容することができるものとなっている。本実施形態では、内容器2は、外容器4から取り出すことができる、取り替え可能なレフィル容器2である。
【0035】
レフィル容器2は、化粧料などを収容する有底円筒状の胴部10と、その胴部10の上部に設けられた鍔部11と、を有している。胴部10は、底部と、その底部を取り囲むように設けられた筒状の側壁部(内壁)と、側壁部の上側が開口された上側開口部12と、を有している。
【0036】
レフィル容器2(胴部10)は、化粧料などを所定量収容するため一定の深さを有する。レフィル容器2の上側外壁には、雄ネジ部13が周回するように設けられている。また、レフィル容器2の外周壁には、円環状の溝部14が形成されている。
【0037】
溝部14は、後述する収容体21の内壁面に形成されたツメ部26が係合するものとなっている。この溝部14にツメ部26が係合することより、レフィル容器2は、収容時に外容器4(収容体21)内で回転可能に支持される。
【0038】
鍔部11は、上側開口部12より外側に張り出すように設けられている。レフィル容器2の鍔部11が、外容器4を構成する収容体21に設けられた鍔部24に係合することで、レフィル容器2は収容体21に支持される。
【0039】
本実施形態においては、レフィル容器2の上部に中蓋体15(中栓15)が取り付けられている。中蓋体15の内側壁には、雌ネジ部16が周回するように形成されている。雌ネジ部16に、レフィル容器2に設けられた雄ネジ部13が螺合することで、レフィル容器2の上側開口部12を閉塞する。また、雄ネジ部13と雌ネジ部16の螺合を解除することで、中蓋体15はレフィル容器2に対して着脱可能となっている。ただし、中蓋体15は強制篏合などで、レフィル容器2に対して固定状態にしても可能である。
【0040】
中蓋体15の中央には、レフィル容器2内と外部とを連通状態にし、内容物を外部に吐出させることができる吐出口17が設けられている。
【0041】
図1図3などに示すように、底板部材3(昇降板3)は、レフィル容器2(胴部10)の底部に配備され、上方向に移動可能な円盤部材である。底板部材3は、レフィル容器2の底部と略同じ形状且つ面積とされている。詳しくは、底板部材3は、レフィル容器2の内部を上方向に摺動可能となっているため、レフィル容器2の底部の外径より少し小さい外径とされている。
【0042】
底板部材3の裏面中央には、可能に突出した凸状部3aが設けられている。その凸状部3aには、凹部18が設けられている。この凹部18は、後述するベルト部材6の一方端6a側が当接するものである。ベルト部材6が繰り出されると、ベルト部材6は第1孔部8を通過して一方端6aが上昇することで、底板部材3は凹部18を介してベルト部材6により上方向に移動し、内容物を押し上げる。
【0043】
レフィル容器2の底部中央には、本発明の昇降機構5を構成する第1孔部8が設けられている。本実施形態においては、レフィル容器2の平らな底部の中央には、上方に突出した凸部19が形成されている。
【0044】
凸部19は、所定の外径を有する浮島のような形状とされ、その中央に貫通した第1孔部8が設けられている。つまり、凸部19は、第1孔部8を設けた円筒形状の部材である。また、凸部19は、底板部材3をレフィル容器2の底部側で所定の高さで支持する支持部19となっている。
【0045】
第1孔部8は、レフィル容器2の底部を上下方向に貫通した孔部である。第1孔部8は、所定の内径を有するものとなっている。すなわち、第1孔部8は、レフィル容器2の内部と、外容器4の収容体21側と連通状態にしている。
【0046】
この第1孔部8は、昇降機構5を構成するベルト部材6の一方端6a側が貫通して配備されるようになっている。また、第1孔部8には、成形容器1の組付け時において、収容体21(詳細は後述)の底部に設けられた第2孔部31(凸部33)が貫通して配備される。
【0047】
一方、レフィル容器2の底部外側には、本発明の昇降機構5を構成するベルト送出部7が設けられている。このベルト送出部7は、茶碗の高台のような略円環形状とされ、第1孔部8を取り巻くように設けられている。ベルト送出部7は、レフィル容器2の底部外側から所定の高さとなるように下方に突出状に形成されている。
【0048】
ベルト送出部7は、平面視で少なくとも一巻き以上の螺旋状(渦巻状)とされている。本実施形態では、ベルト送出部7は、レフィル容器2(内容器2)の底部外側に形成され且つ、一巻きの螺旋とされている。
【0049】
ベルト送出部7は、茶碗の高台のような略円形状であるが、一方端7aと他方端7bがあり、その一方端7aと他方端7bは一定量ずれている(オフセットされている)。本実施形態では、ベルト送出部7の一方端7aは、径の外側に設けられたものとする(図5を参照)。また、ベルト送出部7の他方端7bは、径の内側に設けられたものとする。
【0050】
すなわち、本実施形態においては、ベルト送出部7は、無端の円環状ではなく、一方端7aから他方端7bに向かうにつれて徐々に直径が小さくなる、一巻きの螺旋である。その一方端7aと他方端7bの間には、隙間20が形成されている。隙間20の大きさは、後述するベルト部材6に形成された凹凸部9の1ピッチ分である。
【0051】
図4に示すように、ベルト部材6は、可撓性を有した細長い部材である。ベルト部材6は、一方端6a側が第1孔部8と第2孔部31(詳細は後述)から突出状に配備されている。このベルト部材6の一方端6a側は、底板部材3に当接して配備される。
【0052】
また、ベルト部材6は、収容体21の底部に設けられた側孔部30(詳細は後述)に貫通して配備される。ベルト部材6の他方端6b側は、上方に曲げられ、収容体21の外壁面に設けられたベルト溝27a(詳細は後述)に嵌め入れられる。その他方端6bは、収容体21の鍔部24の下面に当接している。つまり、他方端6b側は、上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0053】
ベルト部材6は、外容器4の収容体21の外側に、側面視で湾曲させて(U字形状に)配備されている。ベルト部材6は、一方端6a側から底板部材3を押し上げる。すなわち、ベルト部材6の一方端6a側は、底板部材3を押し上げる押出部6aである。
【0054】
ベルト部材6の表面(内側面)には、凹凸部9が複数形成されている。凹凸部9は、内側に配備される収容体21側(外容器4の内部側)を向いて配備されている。凹凸部9(ベルト山)は、高台形状のベルト送出部7に設けられた隙間20に入り込んで噛み合うように設けられている。凹凸部9のピッチについては、内容物の一回の吐出量など底板部材3を上昇させる量によって任意に決定されるものとされている。また、凹凸部9(ネジ山)の高さについては、内容物の重さ、レフィル容器2(ベルト送出部7)の硬さなどの材質等によって任意に決定されるものとされている。
【0055】
レフィル容器2を回転させると、それに伴ってレフィル容器2の底部に設けられた高台形状のベルト送出部7が回転する。ベルト送出部7の一方端7a(径の外側の端部)は、ベルト部材6の内側面(表面)に形成された凹凸部9の間に入る。ベルト送出部7は、回
転しながら凹凸部9の間を摺動し、その凹凸部9に係合する。
【0056】
ベルト送出部7が一回転すると、ベルト部材6は凹凸部9の1ピッチ分、第1孔部8へと繰り出される。ベルト送出部7の一方端7aは、次の凹凸部9の間に入る。このように、ベルト送出部7は、ベルト部材6の凹凸部9の間を摺動しながら係合することを繰り返す。ベルト部材6の一方端6a(押出部6a)は、第1孔部8から上方向に押し出され、凹凸部9の1ピッチ分、底板部材3を上昇させる。
【0057】
図1図3などに示すように、外容器4は、有底筒状に形成され且つ、内容器2(本実施形態では、レフィル容器2)を外側から嵌め込んで収容する広口瓶形状となっている。本実施形態では、外容器4は、内側と外側からなる分割体であり、レフィル容器2を収容する収容体21と、その収容体21を収容する覆い体22と、を有している。なお、本実施形態では、外容器4は分割体としたが、一体型の収容容器であってもよい。
【0058】
収容体21は、レフィル容器2より大きい広口瓶形状に形成されている。収容体21は、レフィル容器2を収容する有底円筒状の胴部23と、その胴部23の上部に設けられた鍔部24と、を有している。
【0059】
胴部23は、底部と、その底部を取り囲むように設けられた筒状の側壁部(内壁)と、側壁部の上側が開口された上側開口部25と、を有している。収容体21は、レフィル容器2を収容するため一定の深さを有する。鍔部24は、上側開口部25より外側に張り出すように設けられている。鍔部24は、レフィル容器2の鍔部11が係合されることで、収容時のレフィル容器2を支持する。
【0060】
また、収容体21の内壁面には、ツメ部26が等間隔に形成されている。ツメ部26は、レフィル容器2の外周壁に形成された円環状の溝部14に係合するものとなっている。このツメ部26が溝部14に係合することより、レフィル容器2は、収容時に外容器4(収容体21)内で回転可能に支持される。
【0061】
収容体21の外周壁には、上下方向に長い突出状の位置決め部27が形成されている。位置決め部27は、覆い体22の内周壁に形成されている長溝部38と対応する長さである。本実施形態の位置決め部27は、胴部23の外周壁に4本、等間隔(90°ごと)に設けられている。位置決め部27は、収容体21を覆い体22内に収容するときの位置を決める部材である。位置決め部27は、覆い体22の長溝部38に案内されることで、収容体21の位置(覆い体22内での向き)が決まる。
【0062】
図1図5などに示すように、位置決め部27のうち、1本は、他の3本より幅広の溝27aとなっている。この幅広の長溝部27aは、ベルト部材6を案内するベルト溝27aとなっている。ベルト溝27aは、ベルト部材6が嵌り込むことができる幅となっている。すなわち、ベルト溝27aは、突出片が所定の間隔で左右一対設けられていて、その間の溝にはベルト部材6が上下方向に摺動自在に配備される。ベルト溝27aは、覆い体22の内周壁に設けられている案内溝38aに嵌り込む。
【0063】
つまり、ベルト溝27aは、昇降機構5を構成するベルト部材6を繰り出し時に案内する溝を有するものとなっている。ベルト溝27aは、ベルト部材6が繰り出されるときに下方へ案内するものとなっている。ベルト溝27aは、収容体21の位置決め部材でもある。
【0064】
図2図3などに示すように、収容体21の外側から底部を見ると、その底部の外側には円環状の突出部28が形成されている。突出部28の外径は、胴部23の外径より小さく、収容体21を側方から見ると、外側が切り欠かれた形状となっている。この切り欠き形状は、覆い体22の底部に設けられているリブ状の案内片39aとの接触を回避する。
【0065】
その突出部28の中央は、凹部29となっている。つまり、突出部28は、ドーナツ形状とされている。凹部29は、覆い体22の底部に設けられているリブ状の案内片39bとの接触を回避する。突出部28には、ベルト部材6が通過する側孔部30が設けられている。
【0066】
側孔部30は、ベルト溝27aの下方に設けられていて、水平方向に突出部28を貫通し、収容体21の底部に設けられた凹部29と連通する。また、側孔部30は、収容体21の外側と胴部23の内部(環状溝部32)を連通させる。
【0067】
一方、収容体21の内部から底部を見ると、収容体21の底部中央には、本発明の昇降機構5を構成する第2孔部31が設けられている。本実施形態においては、収容体21の底部には、円環状の溝部32が設けられている。
【0068】
環状溝部32は、レフィル容器2の底部外側に設けられた、高台形状で且つ一巻きの螺旋状(渦巻状)のベルト送出部7が入り込むものとなっている。つまり、環状溝部32は、ベルト送出部7より大きい径および深さ(高さ)とされている。この環状溝部32に、ベルト部材6(凹凸部9)が配備される。
【0069】
また、環状溝部32の中央(収容体21の底部中央)には、上方に突出した凸部33が形成されている。凸部33は、浮島のような形状とされ、その中央に貫通した第2孔部331が設けられている。つまり、凸部33は、第2孔部31を設けた筒形状の部材である。また、環状溝部32は、ドーナツ形状とされている。また、凸部33は、レフィル容器2を支持する支持部となっている。
【0070】
この凸部33(外容器4(収容体21)の底部中央)には、第1孔部8と連通する第2孔部31が設けられている。第2孔部31は、収容体21の底部を上下方向に貫通した孔部である。第2孔部31は、外容器4の収容体21の内部と覆い体22側を連通状態にしている。
【0071】
この第2孔部31には、ベルト部材6の一方端6a側(押出部6a)が貫通して配備される。つまり、凸部33は、成形容器1の組付け時において、第1孔部8を貫通して配備される。なお、本実施形態の第2孔部31は、ベルト部材6よりやや大きい矩形状の孔部とされている。
【0072】
覆い体22は、収容体21より大きい広口瓶形状に形成されている。覆い体22は、収容体21を収容する有底円筒状の胴部34と、その胴部34の上部に設けられた肩部35と、を有している。
【0073】
胴部34は、底部と、その底部を取り囲むように設けられた筒状の側壁部(内壁)と、側壁部の上側が開口された上側開口部36と、を有している。胴部34は、収容体21を収容するため一定の深さを有する。肩部35は、収容体21の鍔部24が係合されることで、収容時のレフィル容器2を支持する。
【0074】
この覆い体22は、収容体21の外側面を覆って収容するものである。覆い体22と収容体21からなる外容器4は、レフィル容器2の外側面を覆って収容することで一体となるものである。すなわち、本実施形態の成形容器1は、三重壁構造を備えた収容容器となっている。
【0075】
覆い体22の上側外壁には、雄ネジ部37が周回するように設けられている。雄ネジ部37は、キャップ体(図示せず)内に設けられた雌ネジ部に螺合することで、レフィル容器2の中蓋体15(中栓15)を閉塞し、成形容器1の密閉を維持する。また、雄ネジ部37と雌ネジ部の螺合を解除することで、キャップ体(外栓)は外容器4(成形容器1)に対して着脱可能となっている。
【0076】
図1図5などに示すように、覆い体22の内周壁には、上下方向に長い溝部38が形成されている。長溝部38は、胴部34の内周壁に4本、等間隔(90°ごと)に設けられている。長溝部38は、収容体21の外周壁に形成されている位置決め部27を案内することで、収容体21の位置(覆い体22内での向き)が決まる。つまり、長溝部38は、収容体21を覆い体22内に収容するときの位置決め部材である。
【0077】
長溝部38のうち、1本は、他の3本より幅広の溝38aとなっている。この幅広の長溝部38aは、収容体21の外壁面に設けられたベルト溝27aとともに、ベルト部材6を繰り出し時に案内する案内溝38aとなっている。つまり、案内溝38aは、ベルト溝27aに対応するものであり、ベルト部材6が繰り出されるときに下方へ案内するものとなっている。また、案内溝38aは、覆い体22内において、収容体21の位置決め部材でもある。
【0078】
覆い体22の底部には、リブ状の案内片39が設けられている。案内片39は、ベルト部材6を繰り出し時に案内するものとなっている。本実施形態の案内片39は、案内溝38a側に形成された案内片39aと、覆い体22の底部の中央に形成された案内片39b
とからなる。
【0079】
詳しくは、案内片39aは、ベルト溝27aに対応する案内溝38aの下部と、その案内溝38aに連接する覆い体22の底部において突出状に形成されている。この案内片39aは、側面視で略三角形状で且つ、案内溝38aから覆い体22の底部の中央に向かって下る斜辺が、下方に窪んだRとされている。
【0080】
案内片39bは、案内片39aを鏡像反転させた形状とされ、その案内片39aと対向する、覆い体22の底部の中央に設けられている。この案内片39bは、側面視で略三角形状で且つ、当該案内片39bの頂部から底部の外側に(案内溝39a側に向かって)下る斜辺が下方に窪んだRとされている。
【0081】
すなわち、案内片39aと案内片39bは、略U字形状となるように設けられている。案内片39は、成形容器1の組み立て時にU字形状に備えられるベルト部材6を繰り出し時にスムーズに案内する。
【0082】
ベルト部材6は、一方端6a側が側孔部30に挿入され、その側孔部30を通過して凹部29に向かう。ベルト部材6は、凹部29上部の凸部33に設けられた第2孔部31に向かって上を向くように曲げられ、その第2孔部31から一方端6a側が突出状に配備される。
【0083】
ベルト部材6の他方端6b側は、収容体21の外壁面に設けられたベルト溝27aに嵌め入れられる。ベルト部材6を備えた収容体21を覆い体22内に嵌め込むと、ベルト部材6は、覆い体22の案内溝38aと案内片39a,39bにより外側から支持される。このようにして、ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、U字形状(使用開始時は、一方端6a側が他方端6b側より低いJ字形状)に配備される。
【0084】
ベルト部材6は、収容体21のベルト溝27aと側孔部30、覆い体22の案内溝38aと案内片39a,39bにより、収容体21と覆い体22との間で略U字形状となるように配備されるとともに、ベルト部材6の繰り出し時にスムーズに案内される。
<ネジの機能について>
ここで、成形容器1を使用した時に、ベルト部材6の凹凸部9とベルト送出部7が、ネジの機能の関係にあることについて、図5を参照して説明する。
【0085】
図5の左図に示すように、レフィル容器2を収容体21(外容器4)内にセットする前は、ベルト部材6を覆い体22と収容体21で挟み込み、ベルト部材6の一部が見えている状態となっている。
【0086】
図5の中央図に示すように、レフィル容器2を収容体21(外容器4)内にセットした後は、レフィル容器2の底部に設けられた高台のような形状のベルト送出部7が、ベルト部材6の凹凸部9(ベルト山)に係合する。
【0087】
図5の右図に示すように、レフィル容器2を回転させたとき、例えば、レフィル容器2の底部に設けられた一巻きの螺旋状のベルト送出部7は、径外側に設けられた一方端7aがベルト部材6の凹凸部9(ベルト山)に係合する。レフィル容器2を180度回転させてゆくと、ベルト送出部7はベルト部材6上を摺動し、ベルト送出部7の一方端7aが、次の凹凸部9に係合してゆき、ベルト部材6を第2孔部31と第1孔部8へ徐々に繰り出す。この動きがネジの機能となっている。
【0088】
すなわち、レフィル容器2(ベルト送出部7)を回転させてゆくと、レフィル容器2の底部に設けられたベルト送出部7がベルト部材6の凹凸部9に係り、徐々にベルト部材6が第2孔部31と第1孔部8に向かって動く。このベルト部材6の繰り出しを繰り返すことで、ベルト送出部7とベルト部材6の凹凸部9は、ネジの機能を有することとなる。
【0089】
このベルト部材6の押出部6a(一方端6a)の上方への押し上げにより、底板部材3(昇降板3)が上昇する。レフィル容器2内の内容物は、底板部材3の上昇により、中蓋体15の吐出口17から外部へ吐出する。内容物を全て吐出してレフィル容器2を使い終われば、内容物が装入された新しいレフィル容器2に交換する。
【0090】
このように、ベルト部材6の凹凸部9とベルト送出部7がネジの機能を果たすことにより、底板部材3(昇降板3)を押し上げる際に、ネジのような強い力が働くこととなる。これにより、軽い力でレフィル容器2を回転させる操作のみで、内容物を簡単に吐出させ
ることが可能となる。また、従来のネジ構造を用いた製品(容器)よりも簡単に組み立てることが可能となる。また、レフィルの差し替え対応が簡便となる。
[作動態様]
次いで、本実施形態の成形容器1の作動態様について、図を参照しながら説明する。
<組立方法>
図6に、本実施形態にかかる成形容器1の組立方法の(1)~(4)を示す。
【0091】
(1)ベルト部材6を収容体21の側孔部30から通してセットする。すなわち、ベルト部材6の一方端6a側を、収容体21の底部に設けられた側孔部30に入れる。ベルト部材6は、突出部28を貫通して凹部29へと向かい、一方端6a側は上方に曲げられる。そのベルト部材6の一方端6a側は、凸部33に設けられた第2孔部31を貫通し、さらに上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0092】
一方、ベルト部材6の他方端6b側は、上方に曲げられ、収容体21の外壁面で且つ、側孔部30の上方に設けられたベルト溝27aに嵌め入れられる。その他方端6b側は、収容体21の鍔部24の下面に当接し、上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0093】
(2)(1)でベルト部材6を組み付けた収容体21を覆い体22にセットする。すなわち、ベルト部材6を組み付けた収容体21を、上側開口部36から覆い体22内に嵌め込む。なお、ベルト部材6は元の真っ直ぐな形状に戻ろうとするため、指でベルト部材6の他方端6b側を押さえておく。また、本実施形態の場合は、指でベルト部材6を押さえながら組み付けているが、ベルト溝27aに突起などを付けることにより仮留めすることが可能である。また、後述する第1実施形態の変形例、第2実施形態も同様である。
【0094】
収容体21の外壁面に設けられた位置決め部27を、覆い体22の内壁面に設けられた長溝部38に合わせる。また、収容体21の外壁面に設けられたベルト溝27aを、覆い体22の内壁面に設けられた案内溝38aに合わせる。この状態で、収容体21を覆い体22内に装入する。収容体21は、覆い体22内での位置(向き)が決まり固定される。
【0095】
このとき、ベルト部材6は、覆い体22の案内溝38aと案内片39a,39bにより外側から支持される。このようにして、ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、U字形状(使用開始時は、一方端6a側が他方端6b側より低いJ字形状)に配備される。
【0096】
(3)レフィル容器2を組み付ける。すなわち、レフィル容器2の内部に底板部材3を装入し、胴部10の底部に載置する。底板部材3は、裏面中央に設けられた凸状部3aが、レフィル容器2の底部中央の第1孔部8内に挿入され、胴部10の底部に設けられた凸部19により支持される。レフィル容器2の内部に、内容物を充填する。レフィル容器2の上側開口部12を、吐出口17を備えた中蓋体15(中栓15)で閉塞する。中蓋体15で密閉した後、吐出口17の上部にシールを貼り、さらに中身を密閉させる。なお、レフィル容器2をセット後、ユーザーが中身を使用する前に剥がす。
【0097】
(4)レフィル容器2(内容器2)を収容体21(外容器4)の内部にセットして、成形容器1を組み立てる。すなわち、組み付けたレフィル容器2を、上側開口部25から収容体21の内部に装入する。レフィル容器2を下げてゆくと、レフィル容器2の底部に設けられた高台のような形状のベルト送出部7が、収容体21の底部に設けられた環状溝部32に挿入される。
【0098】
ベルト送出部7は、環状溝部32に位置しているベルト部材6の凹凸部9に当接し係合状態となる。また、底板部材3の下方に設けられた凹部18に、ベルト部材6の一端側6aが当接する。底板部材3は、ベルト部材6の当接により、上昇可能となっている。
【0099】
なお、レフィル容器2は、収容体21の内周回りおよび上下方向に摺動自在に配備され、取り外し可能となっている。また、キャップ体(外栓)が外容器4の上部に取り付けられるが、図示については省略している。
【0100】
このように、ベルト部材6は、収容体21に差し込んでセットするのみであり簡便である。従来のネジの構造を用いた容器を組み立てる場合、回転させながら組立てる工程があるが、その工程が本実施形態では不要となり、組立性が向上する。
<操作方法>
図7に、本実施形態にかかる成形容器1の操作方法の(1)~(4)を示す。
【0101】
(1)内容物が装入されたレフィル容器2が収容体21の内部にセットされて、成形容器1が組み立てられた状態にある。底板部材3は、レフィル容器2の底部に設けられた凸部19により支持される。
【0102】
ベルト部材6は、一方端6a側が第2孔部31を貫通し、第1孔部8を通ってさらに上方に向かって垂直の状態で配備される。ベルト部材6の一方端6a側は、底板部材3の下方に設けられた凹部18に当接している。底板部材3は、ベルト部材6の当接により、上昇可能となっている。
【0103】
レフィル容器2の底部に設けられた高台のような形状のベルト送出部7は、収容体21の底部に設けられた環状溝部32に挿入されている。ベルト送出部7は、環状溝部32に位置しているベルト部材6の凹凸部9に当接し係合状態となっている。このとき、ベルト部材6は、覆い体22の案内溝38aと案内片39a,39bにより外側から支持される。
【0104】
ベルト部材6は、使用開始時には、ベルト溝27a内の他方端6b側が上方に伸びた状態となっている。すなわち、成形容器1の側方断面視で、ベルト部材6の一方端6a側が他方端6b側より低いJ字形状(図面では、逆のJ字形状)に配備されている。
【0105】
(2)中栓15(中蓋体15)が組付けられたレフィル容器2を回転させてゆくと、それに伴ってレフィル容器2の底部外側に形成されている、高台形状で且つ一巻きの螺旋状のベルト送出部7が回転する。ベルト送出部7の一方端7a(径の外側の端部)は、ベルト部材6の内側面(表面)に形成された凹凸部9の間に入る。詳しくは、ベルト送出部7は、回転しながらベルト部材6上を摺動し、凹凸部9(ネジ山)の間に入り込んで係合する(ネジの機能)。
【0106】
レフィル容器2を回転させ続けると、レフィル容器2の回転に伴ってベルト送出部7は回転し、ベルト送出部7の一方端7aが凹凸部9の間に入る。ベルト送出部7が一回転すると、ベルト送出部7は、凹凸部9をレフィル容器2の第1孔部8の方向に押す。
【0107】
ベルト部材6は凹凸部9の1ピッチ分、第1孔部8へと徐々に繰り出される。ベルト部材6の押出部6a(一方端6a)は、第1孔部8から上方向に押し出され、凹凸部9の1ピッチ分、底板部材3を上昇させる。
【0108】
ベルト送出部7が一回転すると、一方端7aは次の凹凸部9の間に入る。このように、レフィル容器2を回転させ続けると、凹凸部9の一つ一つが、ベルト送出部7により、レフィル容器2の第1孔部8の方向に押され続ける。
【0109】
これにより、回転するベルト送出部7は、凹凸部9に摺動しながら係合し、ベルト部材6は、レフィル容器2の第1孔部8に向かって繰り出されることを繰り返す。ベルト部材6の一方端6a側(押出部6a)は、連通した第1孔部8と第2孔部31に向かって進み、第1孔部8から突出する。
【0110】
ベルト部材6の一方端側6aがレフィル容器2の第1孔部8から突出することで、ベルト部材6の一方端6a(押出部6a)が底板部材3を押し上げる。底板部材3(昇降板3)が上昇することにより、内容物は収容体21内を上方向に移動し、中栓15の吐出口17から吐出される。
【0111】
なお、レフィル容器2の底部と収容体21の底部とでラチェット機構等を設け、内容物の吐出量を調整しやすくすることも可能である。また、後述する第1実施形態の変形例も同様である。
【0112】
このとき、ベルト部材6は、側面視で、収容体21のベルト溝27aと側孔部30、覆い体22の案内溝38aと案内片39a,39bにより、収容体21と覆い体22との間で一方端6a側が持ち上がった略U字形状となっている。この構成で、ベルト部材6は、繰り出し時にスムーズに案内される。
【0113】
(3)内容物が全て吐出されると、底板部材3は、レフィル容器2内の最も高い位置(上側開口部12)に来る。このとき、ベルト部材6は底板部材3(昇降板3)を最大限押し上げており、ベルト部材6および底板部材3は動かない。上昇し終えたベルト部材6は終了位置となり、レフィル容器2は使い終わりとなる。
【0114】
使用終了時には、ベルト部材6は、一方端6a側が第1孔部8と第2孔部31から上方
に伸びきった状態となっている。すなわち、成形容器1の側方断面視で、ベルト部材6は、一方端6a側が他方端6b側より高いJ字形状となっている。
【0115】
(4)使用済みのレフィル容器2を収容体21から外す。なお、ベルト部材6は、フリーの状態で上下方向に自由に動くようになっている。なお、他方端6bに突起を付ける等で、ユーザーが使用する際はベルト部材6が抜けないようにすることも可能である。また、後述する第1実施形態の変形例も同様である。
【0116】
新しいレフィル容器2をそのまま収容体21に入れてセットして交換する。新しいレフィル容器2を上方から収容体21内に押し込むと、このレフィル容器2内には、内容物が装入されていて、また、レフィル2の上部に取り付けられた中蓋体15に設けられている吐出口17の上からさらにシールがされているため、底板部材3は上方に動かない。
【0117】
そのため、レフィル容器2を収容体21にセットすると同時に、ベルト部材6の一方端6a側が下がってゆくので、ベルト部材6は、使用開始位置に戻る。つまり、ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、一方端6a側が他方端6b側より低い逆のJ字形状に配備される。これが、新しいレフィル容器2の使用開始位置となる。
【0118】
このように、レフィル容器2が収容体21にセットされていない状態のとき、ベルト部材6(凹凸部9)はネジの機能を果たさない。すなわち、レフィル容器2の交換時には、ベルト部材6がフリーの状態(自由に上下移動が可能)となる。これにより、新しいレフィル容器2を収容体21に簡単にセットすることが可能となる。
【0119】
まとめると、ベルト部材6(凹凸部9)とベルト送出部7がネジの機能を果たすことにより、ベルト部材6を収容体21に差し込んでセットするだけであり、簡単に成形容器1の組み立てが可能となっている。底板部材3(昇降板3)を押し上げる際に、ネジのような強い力が働くこととなる。これにより、本実施形態の成形容器1は、軽い力でレフィル容器2を回転させる簡単操作で使用可能となる。
【0120】
また、ベルト部材6(凹凸部9)とレフィル容器2(ベルト送出部7)がネジ機構となっているため、内容物を吐出するときに、凹凸部9とベルト送出部7との間にネジのような強い力が働くため、内容物を軽い力で簡単で且つスムーズに吐出させることが可能となっている。
【0121】
また、本実施形態の成形容器1であれば、従来のネジ構造を用いた容器のように、ネジを回転させながら組み立てる工程が不要となる。これにより、成形容器1の組立性が向上する。また、レフィル容器2が収容体21にセットされていない状態のときは、ベルト部材6はフリーの状態となっており、レフィル容器2の着脱が簡単となっている。
[第1実施形態の変形例]
図8に、本発明の成形容器1の第1実施形態の変形例の概略を示す。図9に、変形例のベルト部材6の概略を示す。
【0122】
図8図9などに示すように、本変形例は、昇降機構5の構成が第1実施形態と異なっている。すなわち、本変形例は、ベルト部材6の長さやピッチなどの形状が第1実施形態と異なっている。なお、成形容器1のその他の構成、組立方法、操作方法などについては、第1実施形態と略同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0123】
図8図9などに示すように、本変形例のベルト部材6は、長手方向中途部が屈曲可能となっている長尺の部材である。本変形例では、ベルト部材6は、第1実施形態より長いものとなっている(約2倍の長さ)。ベルト部材6は、屈曲部6cを底板部材3に当接するように、第1孔部8と第2孔部31から突出させて配備されている。
【0124】
また、ベルト部材6は、収容体21の底部に設けられ、対向する2つの側孔部30のそれぞれに貫通して配備される。ベルト部材6の一方端6a側は、上方に曲げられ、収容体21の外壁面に設けられたベルト溝27aに嵌め入れられる。その一方端6a側は、収容体21の鍔部24の下面に当接し、上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0125】
同様に、ベルト部材6の他方端6b側は、上方に曲げられ、収容体21の外壁面に設けられたベルト溝27aに嵌め入れられる。その他方端6bは、収容体21の鍔部24の下面に当接している。つまり、他方端6b側は、上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0126】
ベルト部材6は、屈曲部6cが第1孔部8と第2孔部31から突出するように配備され
るとともに、一方端6a側と他方端6b側を、成形容器1の側面視で湾曲させて(W字形状に)収容体21の外側に配備されている。すなわち、本変形例では、ベルト部材6の屈曲部6c側は、底板部材3を押し上げる押出部6cである。
【0127】
ベルト部材6の内側面(表面)には、凹凸部9が複数形成されている。本変形例の凹凸部9は、ベルト部材6の屈曲部6c(押出部6c)より、一方端6a側(先端側)に形成された第1凹凸部9aと、他方端6b側(後端側)に形成された第2凹凸部9bと、を有している。
【0128】
第1凹凸部9aと第2凹凸部9bは、ベルト部材6を折り曲げて屈曲部6cを設けたとき、側面視で一山分ずれた異なるピッチとされている。つまり、第1凹凸部9aと第2凹凸部9bは、屈曲部6cを設けた側面視で、互い違いとなるように形成されている。なお、本変形例でも、ベルト送出部7とベルト部材6の凹凸部9は、ネジの構造の関係にある。
【0129】
ベルト部材6は、屈曲部6cが第1孔部8と第2孔部31から突出状に配備され、その屈曲部6cは底板部材3の凹部18に当接している。ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、使用開始時には、屈曲部6cが一方端6a側と他方端6b側より低いW字形状となるように、収容体21(外容器4)に配備されている。
【0130】
位置決め部27は、収容体21の外周壁に4本、等間隔(90°ごと)に設けられている。本変形例では、位置決め部27のうち、2本は、他の2本より幅広の溝27aとなっている。この幅広の長溝部27aは、ベルト部材6を案内するベルト溝27aとなっている。ベルト溝27aは、長尺のベルト部材6に対応するため、対向する位置(反対側)に設けられている。
【0131】
ベルト溝27aのうち一方は、第1凹凸部9aが形成された屈曲部6cから一方端6a側のベルト部材6が摺動自在に嵌り込む。また、ベルト溝27aのうち他方は、第2凹凸部9bが形成された屈曲部6cから他方端6b側のベルト部材6が摺動自在に嵌り込む。
【0132】
長溝部38は、覆い体22の内周壁に4本、等間隔(90°ごと)に設けられている。同様に本変形例では、長溝部38のうち、2本は、他の2本より幅広の溝38aとなっている。この幅広の長溝部38aは、ベルト溝27aに対応する案内溝38aとなっている。案内溝38aは、ベルト溝27aに対応するため、対向する位置(反対側)に設けられている。
【0133】
覆い体22の底部には、リブ状の案内片39が設けられている。案内片39は、案内溝38a側に形成された案内片39aと、覆い体22の底部の中央に形成された案内片39bとからなる。本変形例では、案内片39aと案内片39bは、それぞれ2つ設けられていて、ベルト部材6に対応するため、対向する位置(反対側)に設けられている。
[作動態様]
次いで、本変形例の成形容器1の作動態様について、図を参照しながら説明する。
<組立方法>
図8図9などに示すように、本変形例では、ベルト部材6を収容体21の側孔部30から通してセットする。ベルト部材6の一方端6a側を、収容体21の底部に設けられた側孔部30に入れる。ベルト部材6は、突出部28を貫通して凹部29へと向かわせて、もう一つの側孔部30に入れる。一方端6a側は、もう一つの側孔部30を貫通し外部へと通過させる。
【0134】
ベルト部材6の長手方向中途部を上方に折り曲げる。屈曲部6cを第1孔部8と第2孔部31から突出させ、さらに上方に向かって垂直の状態で配備する。屈曲部6cは、底板部材3の凹部18に当接する。
【0135】
一方、ベルト部材6の一方端6a側および他方端6b側は、上方に曲げられ、収容体21の外壁面で且つ、側孔部30の上方に設けられたそれぞれのベルト溝27aに嵌め入れられる。一方端6a側および他方端6b側は、収容体21の鍔部24の下面に当接し、上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0136】
ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、屈曲部6cが一方端6a側と他方端6b側より低いW字形状となるように配備されている。このベルト部材6を組み付けた収容体
21を覆い体22にセットする。なお、収容体21と覆い体22にアンダーカットやロック機構を設け、ユーザーが使用する際には、外れないようにすることも可能である。
【0137】
なお、ベルト部材6は元の真っ直ぐな形状に戻ろうとするため、指でベルト部材6の一方端6a側および他方端6b側を押さえておく。
【0138】
位置決め部27を長溝部38に合わせるとともに、ベルト溝27aを案内溝38aに合わせて、収容体21を覆い体22内に装入する。収容体21は、覆い体22内での位置(向き)が決まり固定される。
【0139】
レフィル容器2を組み付ける。レフィル容器2の内部に底板部材3を装入する。底板部材3は、凸状部3aがレフィル容器2の第1孔部8内に挿入される。底板部材3は、レフィル容器2の底部に設けられた凸部19により支持される。レフィル容器2の内部に、内容物を充填する。レフィル容器2の上側開口部12を、吐出口17を備えた中蓋体15(中栓15)で閉塞する。
【0140】
なお、レフィル容器2は、収容体21の内周回りおよび上下方向に摺動自在に配備され、取り外し可能となっている。また、ベルト部材6は、2つの案内片39aと案内片39bにより支持されている。
【0141】
レフィル容器2を収容体21の内部にセットして、成形容器1を組み立てる。レフィル容器2を下げてゆくと、レフィル容器2の底部に設けられた高台のような形状のベルト送出部7が、収容体21の底部に設けられた環状溝部32に挿入される。本変形例では、ベルト送出部7は、一方が第1凹凸部9aに当接し係合状態となるとともに、他方が第2凹凸部9bに当接し係合状態となる。また、底板部材3の下方に設けられた凹部18に、ベルト部材6の屈曲部6c(押出部6c)が当接する。底板部材3は、ベルト部材6の当接により、上昇可能となっている。
<操作方法>
レフィル容器2を回転させると、レフィル容器2の底部外側に形成されている一巻きの螺旋状のベルト送出部7が回転する。ベルト送出部7は、ベルト部材6の屈曲部6cから一方端6a側に設けられた第1凹凸部9aと、屈曲部6cから他方端6b側に設けられた第2凹凸部9bのそれぞれに係合する。
【0142】
レフィル容器2を回転させ続けると、回転するベルト送出部7がそれぞれの第1凹凸部9aと第2凹凸部9bに摺動しながら係合し、ベルト部材6の屈曲部6c(長手方向中途部)がレフィル容器2の第1孔部8に向かって繰り出され、その屈曲部6cが第1孔部8から突出する。このベルト部材6の繰り出し動作が繰り返される。
【0143】
ベルト部材6は、側面視で、中央の屈曲部6cが持ち上がったW字形状となる。そのベルト部材6の屈曲部6cがレフィル容器2の第1孔部8から突出することで、ベルト部材6の屈曲部6c(押出部6c)が盛り上がるように上がってゆき、底板部材3を押し上げる。
【0144】
なお、レフィル容器2(内容器2)が収容体21(外容器4)にセットされていない非装着の状態のとき、ベルト部材6はレフィル容器2に対してフリーの状態となっているため、レフィル容器2の取り外しが簡単にできるようになっている。
【0145】
上記のベルト部材6のセット方法は一例であり、その他方法でもセット可能である。例えば、ベルト部材6の長手方向中途部を上方に折り曲げた後屈折部6cを第1孔部8と第2孔部31から突出させ側孔部30を貫通し外部へ通過させる、などが挙げられる。
[第2実施形態]
図10に、本発明の成形容器1の第2実施形態の概略を示す。図11に、第2実施形態の成形容器1を組み付けたときの概略を示す。
【0146】
図10図11などに示すように、本実施形態は、昇降機構5の構成などが第1実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態は、ベルト部材6に設けられる凹凸部9の形状や、ベルト送出部7の形状などが第1実施形態と異なっている。なお、成形容器1の構成、組立方法、操作方法などについて、第1実施形態と略同じである部分は、簡単に説明する。
【0147】
図10図11などに示すように、本実施形態では、内容器2は、外容器4に嵌り込む
ものとしている。内容器2は、大きい広口瓶形状に形成され、半固形状乃至はペースト状の化粧料などを収容可能なものである。
【0148】
内容器2は、化粧料などを収容する有底円筒状の胴部10と、その胴部10の上部に設けられた鍔部11と、胴部10の上側が開口された上側開口部12と、を有している。内容器2の上側外壁には、雄ネジ部13が周回するように設けられている。
【0149】
鍔部11は、上側開口部12より外側に張り出すように設けられている。内容器2の鍔部11が、外容器4を構成する収容体21に設けられた肩部24に係合することで、内容器2は収容体21に支持される。
【0150】
本実施形態においては、内容器2の上部に中蓋体15(中栓15)が取り付けられている。中蓋体15は、内容器2の上側開口部12を閉塞する。中蓋体15の内側壁には、内容器2に設けられた雄ネジ部13が螺合する雌ネジ部16が周回するように形成されている。中蓋体15の中央には、内容器2内の内容物を外部に吐出させることができる吐出口17が設けられている。
【0151】
底板部材3(昇降板3)は、内容器2(胴部10)の底部に配備され、上方向に移動可能な円盤部材である。底板部材3の裏面中央には、可能に突出した凸状部3aが設けられている。その凸状部3aには、凹部18が設けられている。この凹部18は、後述するベルト部材6の一方端6a側が当接するものである。ベルト部材6が繰り出されると、ベルト部材6は第1孔部8を通過して一方端6aが上昇することで、底板部材3は凹部18を介してベルト部材6により上方向に移動し、内容物を押し上げる。
【0152】
内容器2の底部中央には、第1孔部8が設けられている。本実施形態においては、内容器2の底部の中央には、上方に突出した凸部19が形成されている。凸部19の中央に貫通した第1孔部8が設けられている。つまり、凸部19は、第1孔部8を設けた筒形状の部材である。また、凸部19は、底板部材3を支持する支持部19となっている。
【0153】
第1孔部8は、内容器2の底部を上下方向に貫通した孔部である。第1孔部8は、内容器2の内部と、外容器4の収容体21側と連通状態にしている。第1孔部8には、ベルト部材6の一方端6a側が貫通して配備される。また、第1孔部8の下部には、ベルト部材6を案内するベルト溝27aが設けられている。
【0154】
本実施形態においては、ベルト溝27aは、内容器2の外壁面から底部にかけて設けられている。ベルト溝27aは長い溝となっており、内容器2の外壁面から底部を回り、第1孔部8まで到達している。
【0155】
ベルト溝27aは、ベルト部材6が嵌り込むことができる幅となっている。すなわち、ベルト溝27aは、突出片が所定の間隔で左右一対設けられていて、その間の溝にはベルト部材6が上下方向に摺動自在に配備される。
【0156】
つまり、ベルト溝27aは、昇降機構5を構成するベルト部材6を繰り出し時に案内する溝を有するものとなっている。ベルト溝27aは、ベルト部材6が繰り出されるときに下方へ案内するものとなっている。
【0157】
本実施形態のベルト溝27aは、覆い体22内の案内片39aに設けられている突出部40に嵌るようになっている。ベルト溝27aが突出部40に嵌ることで、覆い体22内での内容器2の位置が決まる。本実施形態のベルト溝27aは、位置決め部となっている。これにより、内容器2の周方向については固定される。
【0158】
本実施形態のベルト部材6は、第1実施形態と同様に、可撓性を有した細長い部材である。ベルト部材6は、一方端6a側が第1孔部8から突出状に配備されている。このベルト部材6の一方端6a側は、底板部材3の凸状部3aに設けられた凹部18に当接して配備される。
【0159】
ベルト部材6の他方端6b側は、上方に曲げられ、内容器2の外壁面に設けられたベルト溝27aに嵌め入れられる。その他方端6bは、収容体21の鍔部11の下面に当接している。つまり、他方端6b側は、上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0160】
ベルト部材6は、内容器2と収容体21(外容器4)の間に、湾曲させて(成形容器1の側面視でU字形状に)配備されている。ベルト部材6は、一方端6a側から底板部材3を押し上げる。すなわち、ベルト部材6の一方端6a側は、底板部材3を押し上げる押出
部6aである。
【0161】
本実施形態の凹凸部9は、第1実施形態と異なり、ベルト部材6の他方端6b側の表面に少なくとも一山、形成されている。凹凸部9は、外側に配備される収容体21側を向いて、ベルト送出部7と噛み合うように配備されている。本実施形態では、凹凸部9は、ベルト部材6の他方端6b側の外側面(表面)に二山、形成されている。
【0162】
凹凸部9(ベルト山)は、収容体21の内周面に複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7に噛み合うように設けられている。凹凸部9については、一山でも可能であるため、ベルト送出部7のネジピッチにて底板部材3を上昇させる量を変更することができる。また、凹凸部9(ネジ山)の高さについては、内容物の重さ、内容器2(ベルト送出部7)の硬さなどの材質等によって任意に決定されるものとされている。
【0163】
ベルト送出部7は、平面視で少なくとも一巻き以上の螺旋状(渦巻状)とされている。本実施形態では、ベルト送出部7は、収容体21(外容器4)の内壁面に形成され且つ、下方に向かう複数巻きの螺旋とされている。
【0164】
本実施形態のベルト送出部7は内ねじで、収容体21の内壁面に形成されている。すなわち、本実施形態の収容体21は、内ねじ(ベルト送出部7)を備えたリング部材となっている。
【0165】
詳しくは、ベルト送出部7は、収容体21の内壁面に形成され、下方に向かう複数巻きの螺旋とされている(ネジ溝の形状のように形成されている)。ベルト送出部7は、ベルト部材6の他方端6b側(外側面)に形成された二山の凹凸部9(ネジ山)が噛み合っている。複数の螺旋状のベルト送出部7の隙間の大きさは、凹凸部9の1ピッチ分である。すなわち、複数巻きの螺旋状のベルト送出部7と、ベルト部材6の凹凸部9は、ネジ構造の関係にある。
【0166】
円筒形状の収容体21を回転させると、収容体21の内周面に設けられた複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7が回転する。ベルト部材6の他方端6bに設けられた凹凸部9は、ベルト送出部7に噛み合っている。凹凸部9は、円筒形状の収容体21を回転で、ベルト送出部7の螺旋に沿って摺動し、ベルト溝27aに沿って下方に移動する。
【0167】
ベルト送出部7が一回転すると、凹凸部9が1ピッチ分、すなわちネジ山一つ分下がるので、その分だけベルト部材6は第1孔部8へと繰り出される。このように、ベルト部材6の凹凸部9(他方端6b)は、複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7に噛み合っているため、そのベルト送出部7上を摺動しながら降下してゆく。一方、ベルト部材6の一方端6a(押出部6a)は、第1孔部8から上方向に押し出され、凹凸部9の1ピッチ分、内容器2内の底板部材3を上昇させる。
【0168】
外容器4は、有底筒状に形成され且つ、内容器2を外側から嵌め込んで収容する広口瓶形状となっている。本実施形態では、外容器4は、上側と下側からなる分割体であり、内容器2を収容する収容体21と、その収容体21を収容する覆い体22と、を有している。なお、本実施形態では、外容器4は分割体としたが、一体型の収容容器であってもよい。
【0169】
収容体21は、内容器2より大きい広口瓶形状に形成されている。収容体21は、内容器2を収容する円筒状の胴部23と、その胴部23の上部に設けられた肩部24と、胴部23の上側が開口された上側開口部25と、を有している。
【0170】
収容体21は、内容器2を収容するため一定の深さを有する。肩部24は、上側開口部25より外側に張り出すように設けられている。肩部24は、内容器2の鍔部11が係合されることで、収容時の内容器2を支持する。
【0171】
本実施形態の収容体21は、内周面に複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7が設けられている。すなわち、本実施形態の収容体21は、内ねじ(ベルト送出部7)を備えたリング部材となっている。この収容体21の外壁面には、収容体21を回転させやすくするためのグリップ41が設けられている。
【0172】
ベルト部材6の他方端6bに設けられた凹凸部9が、収容体21に設けられた複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7に噛み合っていることより、内容器2は、収容時に収容体21内で回転可能に支持される。
【0173】
覆い体22は、収容体21より大きい広口瓶形状に形成されている。覆い体22は、収容体21の下部側を収容する有底円筒状の胴部34と、その胴部34の上部に設けられた肩部35と、胴部34の上側が開口された上側開口部36と、を有している。
【0174】
胴部34は、収容体21を収容するため一定の大きさを有する。肩部35は、収容体21のグリップ41が摺動自在に当接しており、収容時の収容体21を回転自在に支持する。この覆い体22は、収容体21の下部外側を覆って収容するものである。
【0175】
覆い体22と収容体21からなる外容器4は、内容器2の外側面を覆って収容することで一体となるものである。すなわち、本実施形態の成形容器1は、三重壁構造を備えた収容容器となっている。
【0176】
覆い体22の底部には、リブ状の案内片39が設けられている。案内片39は、ベルト部材6を繰り出し時に案内するものとなっている。本実施形態の案内片39は、案内溝38a側に形成された案内片39aと、覆い体22の底部の中央に形成された案内片39bとからなる。
【0177】
詳しくは、案内片39aは、側面視で略三角形状で且つ、ベルト溝27aの下部から覆い体22の底部の中央に向かって下る斜辺が、下方に窪んだRとされている。案内片39bは、案内片39aを鏡像反転させた形状(斜辺が下方に窪んだR)とされ、その案内片39aと対向する、覆い体22の底部の中央に設けられている。
【0178】
すなわち、案内片39aと案内片39bは、略U字形状となるように設けられている。案内片39は、成形容器1の組み立て時にU字形状に備えられるベルト部材6を繰り出し時にスムーズに案内する。
【0179】
案内片39aには、ベルト溝27aが嵌る突出部40が設けられている。ベルト溝27aが突出部40に嵌ることで、覆い体22での内容器2の位置が決まり、内容器2の周方向については固定される。
【0180】
さて、ベルト部材6は、一方端6a側がベルト溝27aに案内されて、第1孔部8に向かって上を向くように曲げられ、その第1孔部8から一方端6a側が突出状に配備される。ベルト部材6の他方端6b側は、二山の凹凸部9を外側(収容体21側)に向くように、内容器2の外壁面に設けられたベルト溝27aに嵌め入れられる。
【0181】
収容体21を覆い体22内に嵌め込む。二山の凹凸部9(ネジ山)を、複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7に噛み合わせて、ベルト部材6を備えた内容器2を収容体21内に嵌め込む。
【0182】
ベルト部材6は、内側からベルト溝27aにより支持されるとともに、覆い体22の案内片39a,39bにより外側から支持される。このようにして、ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、U字形状(使用開始時は、一方端6a側が他方端6b側より低いJ字形状)に配備される。
【0183】
ベルト部材6は、内容器2のベルト溝27aと、覆い体22の案内片39a,39bにより、収容体21と覆い体22との間で略U字形状となるように配備される。収容体21を回転させたとき、内ネジ状のベルト送出部7に噛み合う二山の凹凸部9(ネジ山)が、ベルト溝27aに沿って下方に移動することにより、ベルト部材6の繰り出し時にスムーズに案内される。
[作動態様]
次いで、本実施形態の成形容器1の作動態様について、図を参照しながら説明する。
<組立方法>
図10図11などに示すように、内容器2を組み付ける。すなわち、ベルト部材6はベルト溝27aに沿わせられることで湾曲する。ベルト部材6の一方端6a側を、内容器2の底部中央の第1孔部8に挿入する。つまり、ベルト部材6の一方端6a側は、第1孔部8を貫通し、さらに上方に向かって垂直の状態で配備される。
【0184】
ベルト部材6の他方端6b側は、ベルト溝27aに嵌め入れられる。その他方端6bは、内容器2の鍔部11の下面に当接し、上方に向かって垂直の状態で配備される。内容器2の内部に底板部材3を装入し、胴部10の底部に載置する。
【0185】
底板部材3は、裏面中央に設けられた凸状部3aが、内容器2の底部中央の第1孔部8
内に挿入される。底板部材3は、胴部10の底部に設けられた凸部19により支持される。内容器2の内部に、内容物を充填する。内容器2の上側開口部12を、吐出口17を備えた中蓋体15(中栓15)で閉塞する。
【0186】
収容体21を覆い体22に嵌め込んだもの(外容器4)に、ベルト部材6を組み付けた内容器2をセットする。すなわち、上収容体21を側開口部36から覆い体22内に挿入する。内容器2にベルト部材6を組み付ける。二山の凹凸部9(ネジ山)を、複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7に噛み合わせて、ベルト部材6を備えた内容器2を収容体21内に嵌め込む。なお、ベルト部材6は元の真っ直ぐな形状に戻ろうとするため、内容器2を嵌め込む際、指でベルト部材6の他方端6b側を押さえておく。
【0187】
内容器2のベルト溝27aが覆い体2の案内片39aに設けられた突出部40に嵌ることで、覆い体22での内容器2の位置が決まり、内容器2の周方向については固定される。
【0188】
ベルト部材6は、内側からベルト溝27aにより支持されるとともに、覆い体22の案内片39a,39bにより外側から支持される。このようにして、ベルト部材6は、成形容器1の側方断面視で、U字形状(使用開始時は、一方端6a側が他方端6b側より低いJ字形状)に配備される。
<操作方法>
使用開始時には、ベルト部材6は、ベルト溝27a内の他方端6b側が上方に伸びた状態となっている。すなわち、成形容器1の側方断面視で、ベルト部材6の一方端6a側が他方端6b側より低いJ字形状(図面では、逆のJ字形状)に配備されている。
【0189】
円筒形状の収容体21を回転させると、収容体21の内壁面に形成されている複数巻きの螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7が回転する。ベルト部材6の他方端6bに設けられた二山の凹凸部9は、内ネジ状のベルト送出部7に噛み合っている。
【0190】
凹凸部9は、円筒形状の収容体21を回転で、ベルト送出部7の螺旋に沿って摺動し、ベルト溝27aに沿って下方に移動する。ベルト部材6は、内容器2のベルト溝27aと、覆い体22の案内片39a,39bにより、第1孔部8へ案内される。
【0191】
円筒形状の収容体21が一回転すると、ベルト送出部7と噛み合う凹凸部9が1ピッチ分、すなわちネジ山一つ分下がるので、その分だけベルト部材6は第1孔部8へと繰り出される。
【0192】
収容体21を回転させ続けると、ベルト部材6の凹凸部9(他方端6b)は、複数の螺旋状(内ネジ状)のベルト送出部7に噛み合っているため、そのベルト送出部7上を摺動しながら、ベルト溝27aに沿って降下してゆく。
【0193】
一方、ベルト部材6の一方端6a(押出部6a)は、内容器2の第1孔部8から上方向に押し出され、凹凸部9の1ピッチ分、内容器2内の底板部材3(昇降板3)を上昇させる。
【0194】
このように、収容体21を回転させたとき、内ネジ状のベルト送出部7に噛み合う二山の凹凸部9(ネジ山)が、ベルト送出部7上を摺動するとともにベルト溝27aに沿って下方に移動することにより、ベルト部材6の繰り出し時にスムーズに案内される。
【0195】
使用終了時には、ベルト部材6は、一方端6a側が第1孔部8から上方に伸びきった状態となっている。すなわち、成形容器1の側方断面視で、ベルト部材6は、一方端6a側が他方端6b側より高いJ字形状となっている。
【0196】
以上、本発明の成形容器1によれば、内容物を収容するレフィル容器2(内容器2)の底部に底板部材3を備えるとともに、その底板部材3を上方向に移動させる昇降機構5を備え、その昇降機構5を構成する部品の組み立てを簡単にすることで、底板部材3を容易に且つスムーズに押し上げることができ、内容物を全て使い切ることができる。
【0197】
すなわち、本発明の昇降機構5は、一方端6a側が底板部材3に当接し、当該一方端6a側を上昇させることで底板部材3を押し上げるベルト部材6と、ベルト部材6の表面に形成されている凹凸部9と、凹凸部9に係合することで、ベルト部材6を繰り出して一方端6a側を上昇させるベルト送出部7と、レフィル容器2(内容器2)の底部中央に設けられ、ベルト部材6の一方端6a側が貫通して配備される第1孔部8と、を有している。
【0198】
これにより、ベルト部材6(凹凸部9)とレフィル容器2(ベルト送出部7)がネジの機能となっているため、内容物を吐出するときに、凹凸部9とベルト送出部7との間にネジのような強い力が働くため、内容物を軽い力で簡単で且つスムーズに吐出させることが可能となっている。
【0199】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【0200】
また、本発明の成形容器1の形態のバリエーションについては、例えば、ジャー容器や、口紅、リップ、糊、その他の棒状容器などに適用可能である。
【符号の説明】
【0201】
1 成形容器
2 内容器(レフィル容器)
3 底板部材(昇降板)
4 外容器
5 昇降機構
6 ベルト部材
6a 一方端(押出部)
6b 他方端
6c 屈曲部(押出部)
7 ベルト送出部
7a 一方端
7b 他方端
8 第1孔部
9 凹凸部(ネジ山)
9a 第1凹凸部
9b 第2凹凸部
15 中蓋体
17 吐出口
20 隙間
21 収容体(外容器)
22 覆い体(外容器)
27 位置決め部
27a ベルト溝
30 側孔部
31 第2孔部
32 環状溝部
38 長溝部
38a 案内溝
39a 案内片
39b 案内片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11