IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特開-圧力検出装置 図1
  • 特開-圧力検出装置 図2
  • 特開-圧力検出装置 図3
  • 特開-圧力検出装置 図4
  • 特開-圧力検出装置 図5
  • 特開-圧力検出装置 図6
  • 特開-圧力検出装置 図7
  • 特開-圧力検出装置 図8
  • 特開-圧力検出装置 図9
  • 特開-圧力検出装置 図10
  • 特開-圧力検出装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175959
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】圧力検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20241212BHJP
   G01L 1/20 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01L5/00 101Z
G01L1/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094103
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】迫 和彦
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB07
(57)【要約】
【課題】単位時間当たりの圧力の検出回数を増やすことができる圧力検出装置を提供する。
【解決手段】圧力検出装置は圧力センサと駆動制御部を備える。圧力センサは第1回路形成層、センサ層、及び第2回路形成層を備える。第1回路形成層は、第1検出電極と第1スイッチング素子と第1ゲート線と第1ゲート線駆動回路を有する。第2回路形成層は、第2検出電極と第2スイッチング素子と第2ゲート線と第2ゲート線駆動回路を有する。直交方向から視て第1検出電極と第2検出電極は互いに重なる。駆動制御部は、第1回路形成層で圧力を検出する場合、第2方向の一方から順に第1ゲート線を選択し、第2回路形成層で圧力を検出する場合、第2方向の一方から順に第2ゲート線を選択し、第2方向の一方からn番目の第1ゲート線を選択している場合、第2方向の一方からn番目以外の第2ゲート線を選択する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力が入力される検出面を有する圧力センサと、
前記圧力センサの駆動を制御する駆動制御部と、
を備え、
前記圧力センサは、前記検出面に直交する直交方向に順に重ねられた基材、第1回路形成層、センサ層、及び第2回路形成層を備え、
前記第1回路形成層は、
前記センサ層と対向する第1面と、
前記第1面に配置され、前記検出面と平行な第1方向と、前記検出面と平行でありかつ前記第1方向と交差する第2方向と、に配列する複数の第1検出電極と、
前記複数の第1検出電極のそれぞれに対応して設けられた複数の第1スイッチング素子と、
前記第1方向に延在し、かつ前記第2方向に複数設けられ、前記第1スイッチング素子と接続する複数の第1ゲート線と、
前記第1ゲート線を駆動する第1ゲート線駆動回路と、
を有し、
前記第2回路形成層は、
前記センサ層と対向する第2面と、
前記第2面に配置され、前記第1方向と前記第2方向とに配列する複数の第2検出電極と、
前記複数の第2検出電極のそれぞれに対応して設けられた複数の第2スイッチング素子と、
前記第1方向に延在し、かつ前記第2方向に複数設けられ、前記第2スイッチング素子と接続する複数の第2ゲート線と、
前記第2ゲート線を駆動する第2ゲート線駆動回路と、
を有し、
前記直交方向から視て、前記第1検出電極と前記第2検出電極は、互いに重なり、
前記駆動制御部は、
前記第1回路形成層で圧力を検出する場合、前記第2方向の一方から順に前記第1ゲート線を選択し、
前記第2回路形成層で圧力を検出する場合、前記第2方向の一方から順に前記第2ゲート線を選択し、
前記第2方向の一方からn番目の前記第1ゲート線を選択している場合、前記第2方向の一方からn番目以外の前記第2ゲート線を選択する
圧力検出装置。
【請求項2】
前記第1回路形成層による圧力検出時間と、前記第2回路形成層による圧力検出時間は、同一期間であり、
前記第1回路形成層の圧力の検出開始のタイミングと、前記第2回路形成層の圧力の検出開始のタイミングと、が前記同一期間の半分の時間だけずれている
請求項1に記載の圧力検出装置。
【請求項3】
前記第2方向の一方からn番目の前記第1ゲート線を選択している場合、前記第2方向の一方から(n+1)番目又は(n-1)番目の前記第2ゲート線を選択する
請求項1に記載の圧力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力検出装置は、圧力が入力される圧力センサと、圧力センサの駆動を制御する駆動制御部と、を備えている。下記特許文献の圧力センサは、複数の検査電極が設けられた回路形成層と、検出電極に対向する共通電極と、検出電極と共通電極との間に挟まれたセンサ層と、を備えている。圧力センサに圧力が入力されていない状態で、センサ層は検出電極から離間している。圧力センサに圧力が入力されると、センサ層は、検出電極に向かって移動し、検出電極と接触する。これにより、共通電極から検出電極に電流が流れる。また、検出電極に入力した電流(検出結果)は、信号線を介して駆動制御部に送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、単位時間当たりにおける圧力の検出回数を増やしたい、という要望がある。
【0005】
本発明は、単位時間当たりの圧力の検出回数を増やすことができる圧力検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る圧力検出装置は、圧力が入力される検出面を有する圧力センサと、前記圧力センサの駆動を制御する駆動制御部と、を備えている。前記圧力センサは、前記検出面に直交する直交方向に順に重ねられた基材、第1回路形成層、センサ層、及び第2回路形成層を備えている。前記第1回路形成層は、前記センサ層と対向する第1面と、前記第1面に配置され、前記検出面と平行な第1方向と、前記検出面と平行でありかつ前記第1方向と交差する第2方向と、に配列する複数の第1検出電極と、前記複数の第1検出電極のそれぞれに対応して設けられた複数の第1スイッチング素子と、前記第1方向に延在し、かつ前記第2方向に複数設けられ、前記第1スイッチング素子と接続する複数の第1ゲート線と、前記第1ゲート線を駆動する第1ゲート線駆動回路と、を有している。前記第2回路形成層は、前記センサ層と対向する第2面と、前記第2面に配置され、前記第1方向と前記第2方向とに配列する複数の第2検出電極と、前記複数の第2検出電極のそれぞれに対応して設けられた複数の第2スイッチング素子と、前記第1方向に延在し、かつ前記第2方向に複数設けられ、前記第2スイッチング素子と接続する複数の第2ゲート線と、前記第2ゲート線を駆動する第2ゲート線駆動回路と、を有している。前記直交方向から視て、前記第1検出電極と前記第2検出電極は、互いに重なる。前記駆動制御部は、前記第1回路形成層で圧力を検出する場合、前記第2方向の一方から順に前記第1ゲート線を選択している。前記第2回路形成層で圧力を検出する場合、前記第2方向の一方から順に前記第2ゲート線を選択している。前記第2方向の一方からn番目の前記第1ゲート線を選択している場合、前記第2方向の一方からn番目以外の前記第2ゲート線を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る圧力検出装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、圧力センサの断面を模式的に示す模式図である。
図3図3は、実施形態の第1回路形成層の回路構成を示す回路図である。
図4図4は、実施形態の圧力センサの検出面に圧力が入力された状態を示す模式図である。
図5図5は、実施形態に係る圧力検出装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態における圧力検出装置の動作のタイムチャート図である。
図7図7は、比較例の圧力センサの駆動例を示す模式図である。
図8図8は、実施形態に係る圧力検出装置の構成例を示すブロック図である。
図9図9は、実施形態2における圧力検出装置の動作のタイムチャート図である。
図10図10は、実施形態2において第1回路形成層における読み出し動作と第2回路形成層における読み出し動作を説明するための図である。
図11図11は、変形例における圧力検出装置の動作のタイムチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の圧力検出装置を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示の発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態に係る圧力検出装置を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、圧力検出装置100は、圧力センサ1と、圧力センサ1の動作を制御する制御基板80と、を備えている。制御基板80には、制御回路81及び電源回路82が設けられている。制御基板80は、ホスト90と接続する。ホスト90は、圧力検出装置100を制御する上位の制御装置である。
【0011】
圧力センサ1の一面は、圧力を検出する検出面1aとなっている。圧力センサ1は、検出面1aと直交する直交方向の厚みが小さく、板状に形成されている。直交方向から視て、圧力センサ1は、圧力を検出する検出領域2と、圧力を検出しない周辺領域3と、に区分けされる。検出領域2は、圧力センサ1の中央部に位置している。周辺領域3は、枠状に形成され、検出領域2の外側を囲んでいる。
【0012】
検出領域2は、平面視で長方形に形成されている。検出領域2の外枠Mは、一対の短辺2aと、一対の長辺2bと、を有している。以下、検出面1aと平行であり、かつ短辺2aと平行な方向を第1方向Xと称する。検出面1aと平行であり、かつ長辺2bと平行な方向を第2方向Yと称する。よって、第2方向Yとは、第1方向Xと直交(交差)する方向である。
【0013】
検出領域2は、複数の個別検出領域4に区分けされる。言い換えると、検出領域2は、複数の個別検出領域4が集合したものであり、個別検出領域4のそれぞれで圧力値が検出される。複数の個別検出領域4は、第1方向Xと第2方向Yとに配列している。
【0014】
図2は、圧力センサの断面を模式的に示す模式図である。図2に示すように、圧力センサ1は、直交方向に順に重ねられた基板6、第1回路形成層10、センサ層20、第2回路形成層30、及び保護層40を備えている。
【0015】
以下、直交方向のうち、第1回路形成層10から視て第2回路形成層30が配置される方向を第1直交方向Z1と称する。第1直交方向Z1の反対方向を第2直交方向Z2と称する。第1直交方向Z1から視ることを平面視と称する。
【0016】
基板6は、第1回路形成層10を支持する基材であり、荷重が加えられても変形し難い材料により製造されている。また、基板6は、絶縁性を有している。例えば、基板6は、ガラス基板、樹脂基板等により形成される。
【0017】
第1回路形成層10は、基板6に積層され、基板6と一体化している。第1回路形成層10は、特に図示しないが、複数の絶縁層が積層した積層構造となっている。第1回路形成層10は、第1直交方向Z1を向く第1面11を有している。この第1面11には、複数の第1検出電極12と複数の第1共通電極18が設けられている。
【0018】
第1検出電極12は、圧力を検出するための電極であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの金属材料で製造されている。第1検出電極12は、平面視で矩形状に形成されている。第1検出電極12は、個別検出領域4に対し1つずつ配置されている。つまり、複数の第1検出電極12は、検出領域2に配置され、第1方向X及び第2方向Yに配列している。
【0019】
第1回路形成層10の内部には、複数の第1駆動用トランジスタ(第1スイッチ素子)13が設けられている。第1駆動用トランジスタ13は、1つの個別検出領域4に対し1つずつ設けられている。よって、複数の第1駆動用トランジスタ13は、検出領域2に配置され、第1方向X及び第2方向Yに配列している。
【0020】
第1回路形成層10は、第1駆動用トランジスタ13を駆動するための各種構成を含んでいる。具体的に、第1回路形成層10は、第1接続部7(図1参照)、第1ゲート線駆動回路8(図1参照)、第1信号線選択回路9(図1参照)、第1ゲート線14(図3参照)、及び第1信号線15(図3参照)を有している。
【0021】
図1に示すように、第1接続部7、第1ゲート線駆動回路8、及び第1信号線選択回路9は、周辺領域3に配置されている。第1接続部7は、制御基板80と接続するためのものであり、例えばフレキシブルプリント基板やリジット基板が挙げられる。
【0022】
第1ゲート線駆動回路8は、制御回路81から供給される各種制御信号に基づき複数の第1ゲート線14(図3参照)を駆動する回路である。第1ゲート線駆動回路8は、複数の第1ゲート線14を順次に選択し、選択された第1ゲート線14にゲート駆動信号を供給する。第1信号線選択回路9は、複数の第1信号線15(図3参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。第1信号線選択回路9は、例えばマルチプレクサである。第1信号線選択回路9は、制御回路81から供給される選択信号に基づき、選択された第1信号線15と制御回路81とを接続する。
【0023】
図3は、実施形態の第1回路形成層の回路構成を示す回路図である。図3に示すように、第1ゲート線14は、検出領域2を第1方向X1に延在している。また、複数の第1ゲート線14は、第2方向Yに配列している。第1信号線15は、検出領域2を第2方向Yに延在している。また、複数の第1信号線15が第1方向Xに配列している。
【0024】
そのほか、特に図示しないが、第1回路形成層10の周辺領域3には、第1共通配線が設けられている。第1共通配線は、第1共通電極18に電流を供給するための配線である。第1共通配線は、第1接続部7を介して制御基板80に接続し、制御回路81から一定量の電流が供給されている。
【0025】
図2に示すように、第1駆動用トランジスタ13は、半導体層13aと、ゲート絶縁膜13bと、ゲート電極13cと、ドレイン電極13dと、ソース電極13eと、を備えている。ソース電極13eは、第1検出電極12と接続している。ゲート電極13cは、第1ゲート線14(図3参照)と接続している。ドレイン電極13dは、第1信号線15(図3参照)と接続している。第1ゲート線14が駆動すると、第1駆動用トランジスタ13が閉じる。これにより、第1検出電極12に入力された電気信号(電流)は、第1駆動用トランジスタ13を介して、第1信号線15に出力される。そして、電気信号(電流)は、第1信号線15から制御回路81に送られる。
【0026】
第1共通電極18は、1つの個別検出領域4に対し1つずつ設けられている。また、第1共通電極18は、第1検出電極12から離隔している。第1共通電極18は、第1回路形成層10の第1面11よりも第2直交方向Z2に埋設する図示しない配線により、第1共通配線(不図示)と接続し、一定量の電流が供給されている。
【0027】
センサ層20は、板状に形成され、第1方向X及び第2方向Yに延在している。センサ層20は、第1直交方向Z1を向く第1センサ面21と、第2直交方向Z2を向く第2センサ面22と、を有している。第2センサ面22は、第1回路形成層10を第1直交方向Z1から覆い、第1検出電極12と第1共通電極18のそれぞれに接触している。
【0028】
センサ層20は、絶縁性が高い樹脂層の内部に導電性の微粒子が含まれた材料で製造されている。導電性の微粒子は、樹脂層の内部で分散し、互いに離隔している。このため、樹脂層が変形していない状態のセンサ層20は、抵抗値が高い。よって、センサ層20は、第1検出電極12と第1共通電極18のそれぞれに接触しているものの、第1検出電極12と第1共通電極18は電気的に接続していない。一方、樹脂層が変形すると、微粒子が接触又は近接している状態となる。よって、センサ層20の抵抗値が小さくなり、第1検出電極12と第1共通電極18が電気的に接続する。そのほか、樹脂層の変形量が大きくなると、微粒子同士の接触する量が増加し、センサ層20の抵抗値が大きく低減する。よって、第1共通電極18から第1検出電極12に流れる電流量が多くなる。
【0029】
次に、第2回路形成層30について説明するが、第2回路形成層30は、第1回路形成層10と共通する技術的要素を有している。よって、第2回路形成層30の説明では共通する技術的要素の説明を簡単とする。
【0030】
図2に示すように、第2回路形成層30は、第2直交方向Z2を向く第2面31を有している。この第2面31には、複数の第2検出電極32と複数の第2共通電極38が設けられている。第2検出電極32は、平面視で矩形状に形成され、第1検出電極12と同じ大きさとなっている。
【0031】
第2検出電極32は、個別検出領域4に対し1つずつ配置されている。つまり、複数の第2検出電極32は、検出領域2に配置され、第1方向X及び第2方向Yに配列している。よって、直交方向から視て、第1検出電極12と第2検出電極32は、互いに重なっている。なお、図2では、第1検出電極12の全てと第2検出電極32の全てが重なり合っている状態が図示されているが、本開示は、少なくとも第1検出電極12の一部と第2検出電極32の一部とが重なるように配置されていてもよい。
【0032】
図2に示すように、第2回路形成層30の内部には、複数の第2駆動用トランジスタ(第2スイッチ素子)33が設けられている。第2駆動用トランジスタ33は、1つの個別検出領域4に対し1つずつ設けられている。また、第2回路形成層30は、特に図示しないが、第2駆動用トランジスタ33を駆動するため、第2接続部、第2ゲート線駆動回路、第2信号線選択回路、第2ゲート線、及び第2信号線を有している。
【0033】
第2共通電極38は、1つの個別検出領域4に対し1つずつ設けられている。第2共通電極38は、第2検出電極32と離隔している。第2共通電極38は、第2回路形成層30に埋設された図示しない配線により、第2共通配線(不図示)と接続している。なお、第2共通配線(不図示)は、第2回路形成層30の周辺領域に設けられている。第2共通配線は、第2接続部を介して制御基板80に接続し、制御回路81から一定量の電流が供給されている。よって、第2共通電極38には、一定量の電流が供給されている。
【0034】
また、第2回路形成層30は、センサ層20の第1センサ面21を、第1直交方向Z1から覆っている。よって、第2検出電極32及び第2共通電極38のそれぞれは、センサ層20の第1センサ面21に接触している。
【0035】
保護層40は、例えばゴム、樹脂など、弾性変形可能であり、絶縁性を有する材料で形成されている。また、保護層40の第1直交方向Z1を向く面が検出面1aとなっている。なお、本開示において、保護層40は必須の構成ではない。つまり、第2回路形成層30の第1直交方向Z1を向く面が検出面1aを構成してもよい。
【0036】
図4は、実施形態の圧力センサの検出面に圧力が入力された状態を示す模式図である。次に、圧力センサ1に圧力が入力された場合について説明する。図4に示すように、検出面1aに圧力(第2直交方向Z2の荷重、図4の矢印A1を参照)が入力すると、保護層40及び第2回路形成層30を介して、センサ層20に圧力が伝達する。センサ層20の第1センサ面21が第2直交方向Z2に窪み、センサ層20の直交方向の厚みが小さくなる。
【0037】
これにより、センサ層20の抵抗値が小さくなり、第1検出電極12と第1共通電極18とが電気的に接続する。そして、第1共通電極18から第1検出電極12に電流が流れる(矢印A2参照)。第1検出電極12に流れた電流は、第1信号線15を介して制御回路81に送られる。また、第2検出電極32と第2共通電極38も電気的に接続し、第2共通電極38から第2検出電極32に電流が流れる(矢印A3参照)。第2検出電極32に流れた電流は、第2信号線(不図示)を介して制御回路81に送られる。
【0038】
以上から、検出面1aに圧力が入力すると、第1回路形成層10と第2回路形成層30のそれぞれで圧力が検出される。また、1つの個別検出領域4に対し、第1検出電極12と第2検出電極32とが配置されている。よって、個別検出領域4毎に入力した圧力を、第1回路形成層10と第2回路形成層30のそれぞれで検出できるようになっている。
【0039】
また、圧力(矢印A1参照)が大きくなると、センサ層20の変形量が大きくなり、センサ層20の抵抗値の低減量が大きくなる。つまり、第1検出電極12及び第2検出電極32に流れた電流値を測定することで、入力された圧力の大きさを検出できる。
【0040】
図1に示すように、制御基板80に設けられた制御回路81は、制御IC(Control Integrated Circuit)である。電源回路82は、制御回路81に電力に供給する。これにより制御回路81は、圧力センサ1に供給する信号を生成することができる。
【0041】
図5は、実施形態に係る圧力検出装置の構成例を示すブロック図である。制御回路81及び電源回路82は、駆動制御部83を構成する。また、駆動制御部83は、タイミング制御部84と、第1駆動制御部85と、第2駆動制御部86と、データ送信部87と、を有している。
【0042】
タイミング制御部84は、ホスト90から圧力検出指令を受け、第1駆動制御部85及び第2駆動制御部86に対しセンシングを指令する。また、タイミング制御部84は、第1駆動制御部85へのセンシング指令のタイミングと、第2駆動制御部86へのセンシング指令のタイミングと、をずらしている。
【0043】
第1駆動制御部85は、センシング指令を受け、第1ゲート線駆動回路8及び第1信号線選択回路9に駆動信号を供給する。なお、本実施形態の第1回路形成層の10において、第1ゲート線14の第2方向Yに配列する本数はK本とする。また、ゲート線(第1ゲート線14及び第2ゲート線)の配列順に関し、第2方向Yの一方から数えることを基準とし、さらに例えばQ番目に配置されることを「Q行目」と称する。
【0044】
第1駆動制御部85は、最初に1行目の第1ゲート線14を駆動させる。第1駆動制御部85は、次に、2行目の第2ゲート線を駆動させる。つまり、第2方向Yの一方から他方に向かって1つずつ順に第1ゲート線14を駆動させ、最後に第2方向Yの他端に配置されるK行目の第1ゲート線14を駆動させている。これにより、第1回路形成層10は、各個別検出領域4に入力した圧力を検出する。また、第1駆動制御部85は、第1回路形成層10による検出結果(個別検出領域4毎の圧力値(電流値))を受け取り、データ送信部87に渡す。
【0045】
第2駆動制御部86は、センシング指令を受けた場合、第2ゲート駆動回路(不図示)及び第2信号線選択回路(不図示)に駆動信号を供給する。なお、第2回路形成層30において、第2ゲート線(不図示)の第2方向Yに配列する本数がL本とする。また、第1ゲート線14の本数Kと第2ゲート線の本数Lは同数である(K=L)。よって、1行目の第2ゲート線と接続する第2検出電極32は、複数の個別検出領域4のうち第2方向Yの一方から1行目の個別検出領域4に配置され、かつ1行目の第1ゲート線14と接続する第1検出電極12と対向している。また、L行目の第2ゲート線と接続する第2検出電極32は、複数の個別検出領域4のうち第2方向Yの一方からL行目(K行目)の個別検出領域4に配置され、かつK行目の第1ゲート線14と接続する第1検出電極12と対向している。
【0046】
第2駆動制御部86の駆動方法は、第1駆動制御部85と同じ方法であり、最初に1行目の第2ゲート線を駆動させる。次に2行目の第2ゲート線を駆動させる。このように、第2方向Yの一方から他方に向かって1つずつ順に第2ゲート線を駆動させ、最後に第2方向Yの他端に配置されるL行目の第2ゲート線を駆動させる。これにより、第2回路形成層30は、各個別検出領域4に入力した圧力を検出する。また、第2駆動制御部86は、第2回路形成層30による検出結果(個別検出領域4毎の圧力値(電流値))を受け取り、データ送信部87に渡す。
【0047】
データ送信部87は、第1回路形成層10の検出結果と第2回路形成層30の検出結果を受け取り、ホスト90に送信している。
【0048】
図6は、実施形態における圧力検出装置の動作のタイムチャート図である。次に、実施形態1の圧力検出装置の動作例について図6を参照しながら説明する。また、本説明では、図8に示すように、ホスト90からタイミング制御部84に対し、6回連続して圧力を検出するように圧力検出指令が出された場合を例として挙げる。このような複数の圧力検出指令によれば、圧力センサ1に入力された圧力の経時的変化を検出できる。そのほか、複数の個別検出領域4のそれぞれに入力された圧力を第1回路形成層10で検出する時間(圧力検出時間)と、複数の個別検出領域4のそれぞれに入力した圧力を第2回路形成層30で検出する時間(圧力検出時間)は、同一期間である。
【0049】
タイミング制御部84は、6つのセンシング指令(第1センシング指令、第2センシング指令、第3センシング指令、第4センシング指令、第5センシング指令、及び第6センシング指令)を生成する。そして、6つのセンシング指令を第1駆動制御部85と第2駆動制御部86とに交互に送る。また、6つのセンシング指令を送る時間的間隔は、圧力検出時間の半分(同一期間の半分)である。よって、時刻T1、時刻T3、時刻T5のタイミングで、第1駆動制御部85は、センシング指令(第1センシング指令、第3センシング指令、第5センシング指令)を受け取る。また、時刻T2、時刻T4、時刻T6のタイミングで、第2駆動制御部86は、センシング指令(第2センシング指令、第4センシング指令、第6センシング指令)を受け取る。
【0050】
よって、第2回路形成層30は、時刻T2から圧力の検出を行う。つまり、時刻T2から、第2回路形成層30の1行目の第2ゲート線が駆動する。一方、時刻T2は、第1センシング指令から圧力検出時間の半分が経過している。よって、第1回路形成層10では、K/2行目の第1ゲート線14が駆動している。
【0051】
時刻T3の時点で、第3センシング指令により第1回路形成層10は、1行目の第1ゲート線14を駆動する。また、時刻T3の時点で、第2回路形成層30では、L/2行目の第2ゲート線(不図示)が駆動する。よって、第1回路形成層10と第2回路形成層30とでは、第2方向Yの一方から数えて異なる数のゲート線同士が駆動している。また、時刻T4、T5、T6のそれぞれに時点で、第1回路形成層10と第2回路形成層30で、駆動しているゲート線が第2方向Yにずれている。以上から、第1回路形成層10と第2回路形成層30とでは、駆動しているゲート線が第2方向Yにずれている。
【0052】
以上、実施形態1では、第1回路形成層10と第2回路形成層30のそれぞれで、圧力センサ1に入力した圧力を検出することができる。また、回路形成層が一層となっている従来の圧力センサでは、第1センシングが完了した後に、第2センシングが行われる。一方、本実施形態によれば、第1センシングが完了する前に、第2センシングを行うことができる。よって、単位時間当たりの圧力の検出回数が多くなり、圧力センサ1の検出時間の短縮化を図ることができる。
【0053】
また、第1回路形成層10と第2回路形成層30とのセンシングを同時に行うと、同じ行数のゲート線が駆動する。よって、図4に示すように、第1回路形成層10の第1共通電極18から第2回路形成層30の第2検出電極32に電流が流れたり(図4の矢印A4参照)、若しくは、第2回路形成層30の第2共通電極38から第1回路形成層10の第1検出電極12に電流が流れたり(図4の矢印A5参照)する可能性がある。
【0054】
一方、本実施形態では、第1回路形成層10で駆動する第1ゲート線14が第2方向Yの一方から数えてn番目(n行目)の場合、第2回路形成層30で駆動する第2ゲート線が第2方向Yの一方から数えて(n+(L/2))番目((n+(L/2))行目)、又は(n-(L/2))番目((n-(L/2))行目)となる。つまり、第2方向Yの一方から数えてn番目の第1ゲート線14が駆動している場合、第2方向Yの一方から数えてn番目以外の前記第2ゲート線が駆動している。よって、第1共通電極18から第2検出電極32に電流が流れたり(図4の矢印A4参照)、若しくは、第2共通電極38から第1検出電極12に電流が流れたり(図4の矢印A5参照)することが防止される。よって、センシングの結果に対する信頼性が損なわれない。
【0055】
以上、実施形態1について説明したが、本開示は実施形態1で示した例に限定されない。例えば、実施形態1では、ホスト90から送られる複数回の圧力検出指令を、センシング指令として第1回路形成層10と第2回路形成層30とに振り分けているが、ホスト90から1つの圧力検出指令を受けて複数の検出動作を行い、圧力の平均値を算出するようにしてもよい。以下、詳細について比較例を用いつつ説明する。
【0056】
実施形態1では、1つのゲート線の駆動中、複数の信号線を順に又は同時に選択している。これにより、ゲート線と接続する検出電極から電流値(検出結果)が読み出される。実施形態1では、1つのゲート線の駆動中、読み出し動作(検出動作)が1回となっている。この駆動方法だと、読み出し動作(検出動作)が1回であるため、その読み出し中にノイズが入力される可能性があり、検出された圧力値に対する信頼性が低い。
【0057】
図7は、比較例の圧力センサの駆動例を示す模式図である。一方、比較例では、図7に示すように、1つのゲート線の駆動中(図7のゲート線の「ON」時)、読み出し動作が複数(比較例では4回)となっている。つまり、1つのゲート線の駆動中、検出電極から検出結果を読み出した後、再び、検出電極から検出結果を読み出す、ということを繰り返し行っている。これにより、複数(4つ)の検出結果が得られる。また、複数(4つ)の検出結果から平均値を求め、その平均値を圧力値とすることができる。この駆動方法によれば、複数回行う読み出し動作の1つにノイズが入力されていても、平均値を算出しているため、ノイズの影響が小さくなる。よって、検出された圧力値に対する信頼性が高い。
【0058】
次の実施形態2では、読み出し動作を4回行い、平均値を圧力値とする圧力検出装置100Aについて説明する。また、実施形態2では、実施形態1との相違点に絞って説明する。
【0059】
(実施形態2)
図8は、実施形態に係る圧力検出装置の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、圧力検出装置100Aは、駆動制御部83に代えて駆動制御部83Aを有している。駆動制御部83Aは、タイミング制御部84Aと、第1駆動制御部85Aと、第2駆動制御部86Aと、データ送信部87Aと、を有している。
【0060】
第1駆動制御部85Aは、タイミング制御部84Aからセンシング指令を受けた場合、1つの第1ゲート線14の駆動中に、第1信号線15のそれぞれを2回ずつ選択し、読み出し動作を2回行うようになっている点で、第1駆動制御部85と相違する。
【0061】
同様に、第2駆動制御部86Aは、センシング指令を受けた場合、1つの第2ゲート線の駆動中に、第2信号線のそれぞれを2回ずつ選択し、読み出し動作を2回行うようになっている点で、第2駆動制御部86と相違する。
【0062】
このように、実施形態2では、4回の読み出し動作を、第1回路形成層10と第2回路形成層30のそれぞれに2回ずつ行うように振り分けている。
【0063】
データ送信部87Aは、第1駆動制御部85A及び第2駆動制御部86Aのそれぞれから送られた合計4回の検出結果を受け取る。また、データ送信部87Aは、4回の検出結果から平均値を算出し、その平均値を圧力値としてホスト90に送る。
【0064】
タイミング制御部84Aは、ホスト90から1つの圧力検出指令を受けた場合、2つのセンシング指令を生成している点で、実施形態1のタイミング制御部84と相違する。つまり、4回の読み出し動作を第1回路形成層10と第2回路形成層30のそれぞれに実行させるため、2つの2つのセンシング指令を生成している。
【0065】
図9は、実施形態2における圧力検出装置の動作のタイムチャート図である。また、第1駆動制御部85Aにセンシングを送るタイミングと、第2駆動制御部86にセンシングを送るタイミングと、が時間的にずれている。具体的に、図9に示すように、タイミング制御部84Aは、時刻T11に、第1駆動制御部85Aにセンシング指令を送る。その後、タイミング制御部84Aは、時刻T12に、第2駆動制御部86Aにセンシング指令を送る。この時刻T11と時刻T12との間隔は、1つのゲート線が駆動し、2回の読み出し動作が完了するまでの時間である。
【0066】
以上、実施形態2の圧力検出装置100Aによれば、時刻T11から時刻T12の間、第1回路形成層10で、1行目の第1ゲート線14が駆動する。時刻T12から時刻T13の間、第1回路形成層10で2行目の第1ゲート線14が駆動し、第2回路形成層30で1行目の第2ゲート線が駆動する。時刻T13から時刻T14の間、第1回路形成層10で3行目の第1ゲート線14が駆動し、第2回路形成層30で2行目の第2ゲート線が駆動する。
【0067】
図10は、実施形態2において第1回路形成層における読み出し動作と第2回路形成層における読み出し動作を説明するための図である。図10に示すように、時刻T11から時刻T12の間、第1回路形成層10で1行目の第1ゲート線14に接続する第1検出電極12に対し、読み出し動作が2回行われる。時刻T12から時刻T13の間、第2回路形成層30で1行目の第2ゲート線に接続する第2検出電極32に対し、読み出し動作が2回行われる。以上から、複数の個別検出領域4のうち第2方向Yの一端に配置される1行目の個別検出領域4に入力した圧力が4回検出される。
【0068】
また、時刻T12から時刻T13の間、第1回路形成層10で2行目の第1ゲート線14に接続する第1検出電極12に対し、読み出し動作が2回行われる。時刻T13から時刻T14の間、第2回路形成層30で2行目の第2ゲート線に接続する第2検出電極32に対し、読み出し動作が2回行われる。これによれば、2行目の個別検出領域4に入力した圧力が4回検出される。
【0069】
以上、実施形態2では、読み出し動作は、第1回路形成層10で第1回目と第2回目が行われ、第2回路形成層30で第3回目と第4回目が行われる。このように、第1回路形成層10と第2回路形成層30とのそれぞれで検出できる。よって、回路形成層が1層の場合よりも検出動作の回数が凡そ2倍となり、単位時間当たりの検出結果の量が多くなる。
【0070】
また、実施形態2において、第1回路形成層10で駆動する第1ゲート線14が第2方向Yの一方から数えてn番目(n行目)の場合、第2回路形成層30で駆動する第2ゲート線が第2方向Yの一方から数えて(n-1)番目((n-1)行目)となる。つまり、第1回路形成層10と第2回路形成層30とでは、駆動するゲート線が1つ分、第2方向Yにずれている。このため、第1共通電極18から第2検出電極32に電流が流れたり(図4の矢印A4参照)、若しくは、第2共通電極38から第1検出電極12に電流が流れたり(図4の矢印A5参照)することが防止されている。
【0071】
また、4回の読み出し動作において、第1回路形成層10の第2回目の読み出し動作が終わると、すぐに第2回路形成層30による第3回目の読み出し動作が行われる。よって、第2回目の読み出し動作の終了後から第3回目の読み出し開始時までの間に圧力値に変動している、ということが回避される。よって、圧力値(平均値)の信頼性が高い。
【0072】
また、2つの回路形成層を有しているため、例えば、第1回路形成層10で、奇数行に配置された個別検出領域4に入力された圧力を4回読み出し、第2回路形成層30で、偶数行に配置された個別検出領域4に入力された圧力を4回読み出す、という駆動方法が考えられる。これによれば、第1回路形成層10と第2回路形成層30とで製造上における検出能力の誤差を吸収できない。一方で、本実施形態では、4回の読み出し動作を第1回路形成層10と第2回路形成層30とに2回ずつに振り分けている。よって、第1回路形成層10と第2回路形成層30とで製造上における検出能力の誤差が吸収される。
【0073】
なお、実施形態2では、第1回路形成層10と第2回路形成層30とでは、駆動するゲート線が1つ分、第2方向Yにずれているが、本開示は、駆動するゲート線が2つ以上、第2方向Yにずれていてもよい。ただし、実施形態2であれば、圧力値の変動が発生し難いため好ましい。
【0074】
また、実施形態2では、第1回路形成層10から検出を開始しているが、第2回路形成層30から検出を開始してもよい。このような場合、第1回路形成層10で駆動する第1ゲート線14が第2方向Yの一方から数えてn番目(n行目)の場合、第2回路形成層30で駆動する第2ゲート線が第2方向Yの一方から数えて(n+1)番目((n+1)行目)となる。
【0075】
図11は、変形例における圧力検出装置の動作のタイムチャート図である。また、本開示は、ホスト90から送られる複数回の圧力検出指令のそれぞれに対し、複数の検出動作を行い、平均値が圧力値となるようにしてもよい。具体的に説明すると、図11に示すように、ホスト90から送られる3回の圧力検出指令を受け取った場合、タイミング制御部84Aが第1センシング指令を2つ生成する。そして、時刻T21に、1つ目の第1センシング指令を第1回路形成層10に送り、時刻T22に、2つ目の第1センシング指令を第2回路形成層30に送る。なお、時刻T21と時刻T22との間隔は、1つのゲート線が駆動し、2回の読み出し動作が完了するまでの時間である。
【0076】
また、タイミング制御部84Aは、第2センシング指令を2つ生成し、時刻T23に、1つ目の第2センシング指令を第1回路形成層10に送り、時刻T24に、2つ目の第2センシング指令を第2回路形成層30に送る。なお、時刻23は、第1回路形成層10による第1センシングが終了した時点である。さらに、タイミング制御部84Aは、第3センシング指令を2つ生成し、時刻T25に、1つ目の第3センシング指令を第1回路形成層10に送り、時刻T26に、2つ目の第3センシング指令を第2回路形成層30に送る。
【0077】
この変形例によれば、間隔を空けながら第1センシング、第2センシング、及び第3センシングの合計3回検出しているため、圧力値の経時変化を検出することができる。また、第1センシング、第2センシング、及び第3センシングのそれぞれで4回読み出し動作が行われ、平均値が圧力値となっている。よって、情報(圧力値)に対する信頼性が高い。
【0078】
また、実施形態のセンサ層20は、樹脂層の内部に導電性の微粒子が含まれた材料により製造されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、センサ層を導電性樹脂で形成し、検出電極及び共通電極との接触面積の増加により、検出電極と共通電極が電気的に接続するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 圧力センサ
2 検出領域
3 周辺領域
4 個別検出領域
6 基板
10 第1回路形成層
11 第1面
12 第1検出電極
18 第1共通電極
20 センサ層
30 第2回路形成層
31 第2面
32 第2検出電極
38 第2共通電極
80 制御基板
81 制御回路
82 電源回路
83 駆動制御部
84 タイミング制御部
85 第1駆動制御部
86 第2駆動制御部
87 データ送信部
100 圧力検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11