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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175960
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】澱粉分解物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12P 19/14 20060101AFI20241212BHJP
   A23L 29/30 20160101ALI20241212BHJP
   A23L 2/62 20060101ALI20241212BHJP
   A23G 9/34 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
C12P19/14 Z
A23L29/30
A23L2/00 L
A23L2/62
A23G9/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094105
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000188227
【氏名又は名称】松谷化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】天田 克己
【テーマコード(参考)】
4B014
4B041
4B064
4B117
【Fターム(参考)】
4B014GB22
4B014GG07
4B014GG11
4B014GG14
4B014GG18
4B014GK03
4B014GK08
4B014GK12
4B014GL07
4B014GL10
4B014GL11
4B014GP04
4B014GP12
4B041LC03
4B041LC10
4B041LD01
4B041LD10
4B041LH04
4B041LK45
4B064AF04
4B064CA21
4B064CB07
4B064CD19
4B064DA10
4B117LC01
4B117LK13
4B117LL05
4B117LP06
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、製造工程中に老化・ゲル化するといった不都合を極力なくした、老化しやすい澱粉分解物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%となるように澱粉を酸化又は酸処理し、次いで、分子量10~10の成分が糖組成中30~50質量%となるように枝切り酵素で分解することにより、上記課題は達成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%となるように澱粉を酸化又は酸処理し、次いで、分子量10~10の成分が糖組成中30~50質量%となるように枝切り酵素で分解する、澱粉分解物の製造方法。
【請求項2】
前記澱粉が馬鈴薯澱粉である、請求項1記載の澱粉分解物の製造方法。
【請求項3】
前記澱粉分解物が以下の(A)及び(B)を満たす澱粉分解物である、請求項1又は2に記載の澱粉分解物の製造方法:
(A)糖組成中のDP1~7の合計が5%以下、
(B)10<N(分子量)≦10が30~50質量%。
【請求項4】
前記澱粉分解物が以下の(C)を満たす澱粉分解物である、請求項1又は2に記載の澱粉分解物の製造方法:
(C)Brix5の水溶液を5℃で60分間保持した後の濁度が0.15以上。
【請求項5】
前記澱粉分解物が飲食品の白濁化用又は保形性向上用の澱粉分解物である、請求項1又は2に記載の澱粉分解物の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の製造方法により得られる澱粉分解物を含む、飲食品の白濁化剤又は保形性向上剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老化しやすい澱粉分解物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
澱粉分解物を飲食品に用いることは従来から行われている。例えば、澱粉を軽度に分解した澱粉分解物は、飲食品のこくみ付けや粉末化基材として用いられる。このような軽度に分解した澱粉分解物は、水に一旦溶解しても経時的に老化(白濁)しやすく、飲食品の外観や食感に悪影響を及ぼすことがある。一方、この老化しやすい澱粉分解物は、飲食品の白濁化剤や保形性向上剤として利用できることが知られている。
【0003】
そのような老化しやすい澱粉分解物の製造方法として、特許文献1には、澱粉懸濁液に耐熱性α―アミラーゼを添加し、70~100℃で加水分解反応させて、青価(680nmの吸光度)が0.4~1.2となったときに反応を停止させる方法が開示されている。一般に白濁化剤又は保形性向上剤として効果の高い澱粉分解物を得るには分解度を低くする必要があるが、この製造方法のようにα-アミラーゼのみで分解して得られる分解度の低い澱粉分解物は、製造工程中に老化・ゲル化して作業性が悪くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-11781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、製造工程中に老化・ゲル化するといった不都合を極力なくした、老化しやすい澱粉分解物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%となるように澱粉を酸化又は酸処理し、次いで、分子量10~10の成分が糖組成中30~50質量%となるように枝切り酵素で分解することにより、製造工程における作業性に不都合を生じることなく、老化しやすい澱粉分解物が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下[1]~[6]から構成される。
[1]分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%となるように澱粉を酸化又は酸処理し、次いで、分子量10~10の成分が糖組成中30~50質量%となるように枝切り酵素で分解する、澱粉分解物の製造方法。
[2]前記澱粉が馬鈴薯澱粉である、前記[1]に記載の澱粉分解物の製造方法。
[3]前記澱粉分解物が以下の(A)及び(B)を満たす澱粉分解物である、前記[1]又は[2]に記載の澱粉分解物の製造方法:
(A)糖組成中のDP1~7の合計が5%以下、
(B)10<N(分子量)≦10が30~50質量%。
[4]前記澱粉分解物が以下の(C)を満たす澱粉分解物である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の澱粉分解物の製造方法:
(C)Brix5の水溶液を5℃で60分間保持した後の濁度が0.15以上。
[5]前記澱粉分解物が飲食品の白濁化用又は保形性向上用の澱粉分解物である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の澱粉分解物の製造方法。
[6]前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法により得られる澱粉分解物を含む、飲食品の白濁化剤又は保形性向上剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明の方法によれば、製造工程における作業性に不都合を生じることなく、老化しやすい特性を有する新規の澱粉分解物を簡易に提供することができる。また、本発明の方法によって得られる澱粉分解物はゲル化しやすいため、特に透明性を重視しない半固形状の飲食品の保形性向上の用途に好適に利用できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般に、澱粉分解物とは、澱粉を酸や酵素により加水分解したものであって、水あめ、粉あめ、デキストリン、マルトデキストリンなどと呼ばれるものもこの範疇に含まれるが、本明細書において説明される澱粉分解物は、生の澱粉のみならず加工澱粉を酸や酵素により加水分解したものを含み、本発明の澱粉分解物は、加工澱粉、具体的には酸化澱粉又は酸処理澱粉を酵素により加水分解したものである。
【0010】
本発明の澱粉分解物の製造に用いられる上述の加工澱粉の原料となる澱粉に制限はなく、コーン、ワキシーコーン、サツマイモ、小麦、もち麦、粳米、糯米、馬鈴薯、ワキシーポテト、タピオカ、ワキシータピオカ、サゴ、エンドウ豆などの植物から抽出された澱粉のいずれであっても利用できるが、製造工程における作業性(老化耐性)の観点から、馬鈴薯澱粉を選択することが好ましい。
【0011】
本発明の澱粉分解物の製造方法は、澱粉を酸化又は酸処理した後に枝切り酵素で加水分解することを特徴とし、当該酸化又は酸処理は、分子量10以上の成分が糖組成中に22~60質量%、好ましくは25~50質量%となるように調整することを特徴とする。分子量10以上の成分を22%未満とした場合は、その後に、枝切り酵素で分解しても目的の澱粉分解物は得られず、分子量10以上の成分を60%超とした場合は、反応液の粘度が高く枝切り酵素による分解がしづらくなって、その後の粉末化が困難となる。なお、以降、分子量を単に「N」と表現することもある。
【0012】
先述した「分子量10以上の成分」の糖組成中の含有量は、ゲルろ過による高速液体クロマトグラフィーで得られる分子量分布から求めることができる。具体的な分析条件は、例えば以下であり、プルラン標準品、マルトトリオースおよびグルコースの検出時間に対する分子量の検量線から、分子量10の検出時間を算出し、その検出時間より前に検出されるピーク面積%を「分子量10以上の成分」の糖組成中の含有量とすることができる。
[カラム]:TSKgel G6000PWXL, G3000PWXL,G2500PWXL(東ソー(株)製)、
[カラム温度]:80℃、
[移動相]:0.1M NaNO3、
[流速]:0.5mL/min、
[検出器]:示差屈折率計、
[サンプル注入量]:1質量%水溶液100μL、
[検量線]:プルラン標準品(昭和電工(株)製)、マルトトリオース及びグルコース
以上の手法によれば、後述の「分子量10~10の成分」の糖組成中の含有量も同様に求めることができる。
【0013】
分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%である酸化澱粉を得るには、例えば、15~45%(w/w)の澱粉懸濁液を、pH10.5~11.5となるようにアルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウム)で調整し、次亜塩素酸ナトリウムを澱粉固形分に対して20,000ppm~80,000ppmとなるように配合し、20~50℃の温度で1~8時間程度反応させればよい。次亜塩素酸ナトリウムの配合量は、詳細には澱粉固形分に対して好ましくは20,000ppm~60,000ppm、さらに好ましくは20,000ppm~45,000ppmである。当該反応の進行は、亜硫酸水素ナトリウムを添加して次亜塩素酸ナトリウムを還元することにより停止することができ、これを酸で中和して水洗すれば、目的とする酸化澱粉が得られる。
【0014】
分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%である酸処理澱粉を得るには、例えば、塩酸や硫酸などの酸溶液でpH0.5~2となるよう調整し、30~60℃の温度で5~24時間程度反応させ、水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液で中和してから水洗すればよい。
【0015】
本発明の澱粉分解物の製造方法は、上述の手順で得られた分子量10以上の成分を糖組成中22~60質量%含有する酸化澱粉又は酸処理澱粉について、さらに、分子量10~10の成分が糖組成中30~50質量%、好ましくは36~50質量%となるように枝切り酵素で分解することを特徴とする。このような糖組成となるように枝切り酵素で分解するには、例えば、上述の方法により得られた酸化澱粉又は酸処理澱粉の固形分10~40%(w/w)水懸濁液をpH4~5.5に調整し、枝切り酵素を1200~4800NPUN(酸化澱粉又は酸処理澱粉100gあたり)となるように添加し、45~65℃の温度で15分~2時間程度作用させればよい。枝切り酵素としては、プルラナーゼやイソアミラーゼを使用することができ、好ましくは、プルラナーゼを使用することができる。
ここで、単位「NPUN」は酵素活性を表す単位であり、米国特許出願公開第2004/0048247号に記載された方法で測定することができる。ノボザイム社製のプルラナーゼ「Promozyme D6」を使用する場合、その活性は4000NPUN/g程度であるので、澱粉100gあたり1200~4800NPUNとするには「Promozyme D6」を0.3~1.2g程度使用すればよい。
【0016】
このようにして得られた澱粉分解物溶液は、珪藻土によるろ過及びイオン交換樹脂による脱塩などの精製工程を経た後、噴霧乾燥等によって粉末化品とすることができる。
【0017】
ここで、澱粉の分解の程度は、上述の分子量のほか、グルコースの重合度であるDPで表すことができ、例えば5つのグルコースが重合した5糖は「DP5」と表現される。DP及びその組成(割合)の分析は、高速液体クロマトグラフィーを用いた以下の方法で行い、単純面積%を組成として表示する:
[カラム] :MCI GEL CK02AS(三菱ケミカル(株)社製)
[カラム温度]:80℃、
[移動相] :蒸留水、
[流速] :1mL/min、
[検出器] :示差屈折率計、
[サンプル注入量]:1質量%溶液100μL。
本発明の澱粉分解物は、糖組成中のDP1~7の合計が5%以下、好ましくは3%以下であり、糖組成中のDP8~19の合計は10%以上、好ましくは14%以上である。
【0018】
本発明の方法で製造された澱粉分解物は、白濁・老化しやすいことが特徴である。本発明において「老化しやすい」とは、5℃の冷水に添加・混合した場合、60分以内に澱粉分解物が白濁する性質をいい、具体的には、Brix5に調製した60℃の澱粉分解物含有溶液を5℃の冷却水に60分保持後の濁度(セル長1.0cmで測定した720nmの吸光度の10倍値)が0.15以上になることをいう。この濁度は、透明性を重視しない半固形状の飲食品の保形性向上のためにはその値が大きいほど好ましいといえるが、喫食時の口どけなどの観点からは、その上限は好ましくは18.0以下、より好ましくは17.0以下である。
【0019】
本発明の澱粉分解物が利用できる飲食品の種類は特に限定されないが、白濁感や保形性を付与したい食品に適用することができ、例えば、アイスクリーム、ソフトクリーム、ミルクプリン、カスタードクリーム、ヨーグルト、ムース、チーズ、ホワイトソース等の乳含有食品、飲料、デザートミックスなどが挙げられる。なかでも、冷菓の保形性向上剤(室温下における溶出抑制剤)として好適に使用することができ、例えば、ソフトクリームミックスに配合すれば、35℃の高温下でも溶けにくいソフトクリームが得られる。
これら飲食品における本発明の澱粉分解物の含有量は、特に限定されないが、例えば、1~30質量%、2~15質量%又は3~10質量%である。
【0020】
以下、本発明の実施形態を記載するが、実施例に特に限定されるものではない。実施例内において特に説明がない場合には、「%」は「質量%」を意味する。
【実施例0021】
以下の通り澱粉分解物を調製した。
<酸化処理>
馬鈴薯澱粉又はコーン澱粉1,000g(固形分換算)を水に懸濁して43.5質量%スラリーとし、水酸化ナトリウムを用いてpHを11±0.5に調整してから次亜塩素酸ナトリウムを澱粉に対し15,000ppm~100,000ppmになるように添加し、30℃で4時間反応させた。その後、亜硫酸水素ナトリウムを添加し、残留する次亜塩素酸ナトリウムを還元して反応を停止した。その後、硫酸で中和し、ろ紙で回収後水洗し、乾燥して酸化澱粉(試料No.A1~A7)を得た。
【0022】
<枝切り酵素分解>
上で得られた酸化澱粉450gを水に懸濁して15質量%又は30質量%スラリーとし、オートクレーブ(トミー精工社製)で121℃・1分間加熱し、糊液とした。60℃まで温度を下げた後、10%硫酸でpH4.4に調整してから原料固形分の0.3%、0.6%、又は1.2%となるようにプルラナーゼ(Promozyme D6、ノボザイムズ ジャパン社製)を添加し、60℃に保温された糊液へ投入して75分間反応させた。その後、温度を85℃に上げて5分間保持し、酵素を失活させた。
【0023】
<粉末化>
前記加水分解液をオートクレーブにて121℃・1分間加熱し、加熱液を噴霧乾燥により粉末化して澱粉分解物No.B1~B7を得た。
【0024】
澱粉分解物の評価方法を以下に示す。
<分子量分布>
分子量分布は、表1に示す条件の高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いたゲルろ過クロマトグラフィにより確認した。
【0025】
【表1】
【0026】
<糖組成>
糖組成は、表2に示すカラムを使用し高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて分析した。
【0027】
【表2】
【0028】
<老化しやすさの評価>
Brix5に調製した60℃の澱粉分解物含有溶液5mLを試験管に入れ、5℃の水槽に入れて60分保持後、分光光度計(U-2900、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)により吸光度(波長720nm、セル長1.0cm)を測定した。その測定値の10倍を濁度とし、表3の基準で評価した。
【0029】
【表3】
【0030】
<澱粉分解物の分析>
試料No.A1~A7又は試料No.B1~B7を、前述の方法によって分析した。その結果は表4及び表5に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
<結果>
分子量10以上の成分が糖組成中22~60質量%の酸化澱粉(A2~A5、A7)をプルラナーゼで分解した場合、市販の老化しやすい澱粉分解物(スマートテイスト、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品)よりも老化しやすい澱粉分解物を得ることができた(B2-1~B5、B7)。一方、分子量10以上の成分が糖組成中22質量%未満のA1を用いた場合、プルラナーゼによる分解条件をどのように設定しても、老化しやすい澱粉分解物は得られなかった(B1-1~B1-3)。また、分子量10以上の成分が糖組成中60質量%を超えるA6をプルラナーゼで分解した場合、分解液の粘度が高いためスプレー乾燥できず、粉末として回収できなかった(B6)。以上の結果から、老化しやすい澱粉分解物を得るには、プルラナーゼで分解する前に、分子量10以上の成分量が22~60質量%となるように澱粉を酸化処理することが必要であることがわかった。また、目的とする老化しやすい澱粉分解物(B2-1~B5、B7)の糖組成は、DP1~7が5%以下、且つ、分子量10~10の成分が30~50質量%であった。
また、コーン澱粉の酸化品(A7)を枝切り酵素で分解した澱粉分解物(B7)は、製造中にその溶液がわずかに白くなり老化が進行した一方、馬鈴薯澱粉の酸化品(A2)を枝切り酵素分解した澱粉分解物(B2-1~B2-3)は製造中に白濁が見られなかったことから、作業性の観点から、原料としてコーン澱粉より馬鈴薯澱粉のほうが好ましいことがわかった。
【0034】
<食品例:ソフトクリーム>
本発明の澱粉分解物(B2-1、B2-2、B2-3、B4、B5)と、対照として市販の老化しやすい澱粉分解物(スマートテイスト、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を用いて、表6の配合及び表7の手順でソフトクリームを調製した。得られたソフトクリームの保形性を以下の方法で評価した。
(保形性評価方法)
ソフトクリームを金網付きビーカーの上に載せて35℃の恒温室に静置した。10分後の、ビーカー中に溶け落ちたソフトクリームの重量をはかり、溶け率(溶け落ちたソフトクリームの重量÷ソフトクリーム全重量×100(%))を算出した。
【0035】
結果を表8に示す。本発明の製造方法により得られた澱粉分解物を含むソフトクリームは、対照品を含むソフトクリームに比べ、溶け率が小さく、さらに、濃厚感及び口どけともに良好であった。このことから、本発明で得られた澱粉分解物は、対照品に比べ、保形性向上剤として好適に利用できることがわかった。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】